JP2005035204A - 透明導電ガスバリアフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】
層間剥離等の症状を発生することなく、高いガスバリア性を備えたフィルムであって、例えば透明導電電極等のように、微量のガス侵入によっても容易に性能が低下する事を防止するのに用いることを可能とした透明導電ガスバリアフィルムを提供する。
【解決手段】
透明プラスチックフィルムに、有機物であるモノマー又はポリマーのいずれか又は両方による有機物層と、無機物である金属、非金属、無機非金属、金属酸化物、窒化物、炭化物いずれか若しくは複数によるセラミック層と、の2つの層を1単位とするガスバリア層を積層してなり、前記ガスバリア層を、前記基材の表面側から順に、第1有機物層と第1セラミック層とから構成される第1ガスバリア層、・・・、第n有機物層と第nセラミック層とから構成される第nガスバリア層、というように複数の前記ガスバリア層を積層されている、という構成を有した透明導電ガスバリアフィルムとした。
【選択図】 なし

Description

本発明は、透明導電ガスバリアフィルムに関する発明であって、具体的には酸素、水蒸気などの気体の透過度が極めて小さく、かつ透明導電性も兼ね備えた透明導電ガスバリアフィルムに関する。
昨今、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)等のディスプレイ開発が進んでいるが、これらのディスプレイでは透明基板が用いられている。従来はガラスを基板として用いていたが、これは透明基板がガスバリア性を確保できていなければ、透過する酸素や水蒸気によって透明基板が変質、変形してしまう、また各種ガスの侵入によりディスプレイそのものの性質が低下してしまうためであり、そのためガスバリア性に優れ、かつ透明性を有しているガラスを基板として用いるのである。
しかしガラスを基板として用いた場合、可撓性に乏しく、衝撃に弱い、即ち割れやすい、という問題があり、また昨今ディスプレイの薄型、軽量化が求められている状況にあって、ガラス基板ではどうしても限界が生じてしまい、問題であった。
そこでガラス基板に代わり、透明なプラスチックフィルムを基材とした透明基板の開発が進められている。
しかし透明プラスチックフィルムを基材とした場合、ガラスを基板とした場合に比べてガスバリア性の点で劣ってしまうので、この問題を解消するために基材に用いる透明プラスチックフィルムに対してガラス基板並の高ガスバリア性を付与することが強く求められている。
その為に、ガスバリア層として酸化珪素などの無機物を積層することで無機物層を形成することが検討されたが、このような無機物層であると、柔軟性、可撓性の観点からこれら無機物層の膜厚を厚くしようとしても、一定以上にするとクラックが生じてしまい、ガスバリア性が低下してしまう。そこで一般的には三次元架橋構造を有する有機物層と無機物層とを繰り返し透明プラスチックフィルム基板の表面に積層することで高ガスバリア性を実現しようとしている。
そこで、例えば特許文献1であれば、シリコンアルミニウム複合酸化物薄膜を積層してなるガスバリアフィルムにおいて、その最外層にさらに架橋性樹脂硬化物層を設けることで、無機酸化物層の膜厚を厚くすることなくガスバリア性を向上させようとしている。
また特許文献2でも同様に、無機酸化物からなるガスバリア膜に導電膜を積層することで、ガスバリア性を有した透明導電電極を得ることを目的としている。
特開平9−241829号公報 特開平10−309770号公報
しかし、この特許文献1に記載の発明では、架橋性プラスチックを利用することによりガスバリア性フィルムを得るものであるが、記載された樹脂だけであれば充分なガスバリア性を得る事は出来ず、また記載された樹脂による層にさらに無機酸化物による層を積層しようとすることは必ずしも容易ではなく、その結果ここに記載の発明をもとに透明導電性フィルムを製造することは容易ではない。
また、特許文献2に記載の発明における無機酸化物層に対する有機物層の選択であれば、本発明において要求されるほどには充分なガスバリア性を有しているとは言えず、即ちより高ガスバリア性を得るためには新たな無機酸化物層と有機物層との組合わせを検討しなければならない。
そこで、本発明はこのような要望に鑑みて為されたものであり、その目的は、層間剥離、膜剥がれといった症状を発生することなく、高いガスバリア性を備えたフィルムであって、例えば透明導電電極や、透明電磁波シールド等のように、微量のガス侵入によっても容易に性能が低下してしまうことを防止するのに用いることを可能とした透明導電ガスバリアフィルムを提供することである。
上記課題を解決するため、本願発明の請求項1に記載の発明は、基材として用いる透明プラスチックフィルムに、有機物であるモノマーまたはポリマーのいずれか又は両方による有機物層と、無機物である金属、非金属、無機非金属、金属酸化物、窒化物、炭化物いずれか若しくは複数によるセラミック層と、の2つの層を1単位とするガスバリア層を積層してなり、前記ガスバリア層を、前記基材の表面側から順に、第1有機物層と第1セラミック層とから構成される第1ガスバリア層、第2有機物層と第2セラミック層とから構成される第2ガスバリア層、・・・、第n有機物層と第nセラミック層とから構成される第nガスバリア層、というようにn層(但しnは自然数である。)よりなる複数の前記ガスバリア層を積層してなり、前記複数のガスバリア層は、前記基材の片面又は両面それぞれに積層されてなること、を特徴とする。
本願発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の透明導電ガスバリアフィルムにおいて、前記ガスバリア層は、前記有機物層の表面に前記セラミック層が積層されて構成されたもの、もしくは前記セラミック層の表面に前記有機物層が積層されて構成されたもの、であって、各前記ガスバリア層における前記有機物層と前記セラミック層との積層順は全て規則的に同一であること、若しくは全て順不同に積層されてなること、を特徴とする。
本願発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の透明導電ガスバリアフィルムにおいて、前記第1有機物層は、ウレタンアクリレートと、ポリオールと、イソシアネートと、を混合してなる紫外線硬化樹脂よりなるものであり、その厚みは0.1μm〜10.0μmであること、を特徴とする。
本願発明の請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の透明導電ガスバリアフィルムにおいて、前記第1有機物層以外の前記有機物層は、ウレタンアクリレートと、ポリオールと、イソシアネートと、を混合してなる紫外線硬化樹脂よりなるものであり、その厚みは0.01μm〜5.0μmであること、を特徴とする。
本願発明の請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の透明導電ガスバリアフィルムにおいて、前記セラミック層は、ゾルゲル法、蒸着法、化学的気相成長法(CVD)、物理的気相成長法(PVD)、スパッタリング法、のいずれかにより形成されてなり、その厚みは、10nm〜2000nmであること、を特徴とする。
本願発明の請求項6に記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の透明導電ガスバリアフィルムにおいて、前記第nセラミック層が最表面となるように複数の前記ガスバリア層が積層されてなり、かつ、前記第nセラミック層が、ゾルゲル法、蒸着法、化学的気相成長法(CVD)、物理的気相成長法(PVD)、スパッタリング法、のいずれかにより形成されてなり、その厚みは、10nm〜2000nmであること、を特徴とする。
本願発明の請求項7に記載の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の透明導電ガスバリアフィルムにおいて、酸素透過量が22℃における湿度65%下で測定した値が1.0cc/m2/day以下であり、水蒸気透過量が40℃における湿度90%下で測定した値が0.1g/m2/day以下であること、を特徴とする。
本願発明の請求項8に記載の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の透明導電ガスバリアフィルムにおいて、複数存在する前記有機物層のうち少なくとも1つは、ウレタンアクリレートと、ポリオールと、イソシアネートと、金属塩化物と、チタネートポリマーと、を混合してなる紫外線硬化樹脂よりなるものであること、を特徴とする。
本願発明の請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の透明導電ガスバリアフィルムにおいて、酸素透過量が22℃における湿度65%下で測定した値が0.1cc/m2/day以下であり、水蒸気透過量が40℃における湿度90%下で測定した値が10g/m2/day以下であること、を特徴とする。
本願発明の請求項10に記載の発明は、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の透明導電ガスバリアフィルムであって、前記nは2以上5以下であり、前記nが2以上5以下の場合の前記透明導電ガスバリアフィルムの、酸素透過量が22℃における湿度65%下で測定した値が0.1cc/m2/day以下であり、水蒸気透過量が40℃における湿度90%下で測定した値が0.1g/m2/day以下であること、を特徴とする。
以上のように、本願発明に係る透明導電ガスバリアフィルムであれば、有機物層とセラミック層とよりなるガスバリア層を、透明プラスチックフィルム基板の表面に複数積層してなるので、可撓性を損なうことなく高い水蒸気、酸素ガスバリア性を有した透明導電膜とすることが出来るので、例えば有機ELや液晶ディスプレイなどのようにガス透過を嫌う部材に用いる透明導電基板として用いることが出来る。
以下、本願発明の実施の形態について説明する。尚、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずもこの実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
本願発明に係る透明導電ガスバリアフィルムについて、第1の実施の形態として説明する。
この透明導電ガスバリアフィルムは、基材として用いる透明プラスチックフィルム(以下、単に「基材フィルム」と言うこともある。)に、有機物であるモノマーまたはポリマーのいずれか又は両方による有機物層と、無機物である金属、非金属、無機非金属、金属酸化物、窒化物、炭化物いずれか若しくは複数によるセラミック層と、の2つの層を1単位とするガスバリア層を積層してなり、前記ガスバリア層を、前記基材の表面側から順に、第1有機物層と第1セラミック層とから構成される第1ガスバリア層、第2有機物層と第2セラミック層とから構成される第2ガスバリア層、・・・、第n有機物層と第nセラミック層とから構成される第nガスバリア層、というようにn層(但しnは自然数である。)よりなる複数の前記ガスバリア層を積層されている、という構成を有している。
ここで、前記ガスバリア層は、前記有機物層の表面に前記セラミック層が積層されて構成されたもの、もしくは前記セラミック層の表面に前記有機物層が積層されて構成されたもの、であって、各前記ガスバリア層における前記有機物層と前記セラミック層との積層順は全て規則的に同一であること、若しくは全て順不同に積層されているのである。
即ち、基材フィルム/第1有機物層/第1セラミック層/第2有機物層/第2セラミック層/・・・/第n有機物層/第nセラミック層、という構成であってもよいし、基材フィルム/第1セラミック層/第1有機物層/第2セラミック層/第2有機物層/・・・/第nセラミック層/第n有機物層、という構成であっても構わない。さらに、基材フィルム/第1有機物層/第1セラミック層/第2セラミック層/第2有機物層/第3セラミック層/・・・/第n有機物層/第nセラミック層、というように、ガスバリア層を構成する有機物層とセラミック層との積層順を全く順不同のものとしてあっても構わない。さらにここでは基材フィルムの片面に積層した例を挙げているが必ずしもこれに限るものではなく、例えば基材フィルムの両面に積層することも考えられる。
尚、本実施の形態においては、基材フィルム/第1有機物層/第1セラミック層/第2有機物層/第2セラミック層/・・・/第n有機物層/第nセラミック層、という構成を有したものとする。
以下本実施の形態に係る透明導電ガスバリアフィルムの構成につき簡単に説明する。
まず本実施の形態に用いる基材フィルムである透明プラスチックフィルムについて説明する。このプラスチックフィルムは透明であればよく、例えばポリエチレンテレタレート、ポリイミド、ポリアミド、アクリル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルフォン、ノルボルネン系樹脂、などの樹脂フィルムであれば、高い透明性を有し、また寸法安定性も高いので好適である。昨今普及し始めている、いわゆるスーパーエンジニアリングプラスチックと呼ばれる一群のプラスチックによる透明プラスチックフィルムとすることも考えられる。そして原材料の入手のしやすさ、加工の容易さ等の点から、例えばポリエチレンテレフタレート(以下「PET」とも言う。)フィルムを用いることがより好適であるので、以下において基材フィルムをPETフィルムであるものとしてさらに説明を加えていく。
また本実施の形態における基材フィルムの厚さとしては、後述のガスバリア層の積層回数にもよるが、10μm〜1000μmとすることが好ましい。10μm未満であると耐久性等の点で問題が生じ、1000μmを超えると、取扱性、可撓性等の点で問題が生じるからである。また耐久性、可撓性等をバランス良く得るためには、さらに50μm〜200μmの範囲内であることがより好ましい。
このようなフィルムの表面にガスバリア層を積層するのであるが、本発明では上述の通り有機物層とセラミック層とによりガスバリア層を形成している。
有機物層について説明すると、本実施の形態に係る有機物層ではガスバリア性を得ることが可能な樹脂を用いた層とするのであれば良いが、実際の有機物層形成時における作業性、加工性などの観点から、この有機物層には速やかな硬化が可能であり、また機械特性にも優れたものであることが好ましい。例えばこれらに優れた紫外線硬化型樹脂としてウレタンアクリレートを用いることが好適であると言える。
さらに、より高いガスバリア性を付与するために、また膜剥がれの原因となる内部応力を緩和し、層間密着力を向上させるために、ポリオールとイソシアネートとをウレタンアクリレートに混合し、得られた混合樹脂を用いた有機物層とすることも好適である。
そしてこのような有機物層とした場合に得られる透明導電ガスバリアフィルムの酸素透過量が22℃における湿度65%下で測定した値が1.0cc/m2/day以下であり、水蒸気透過量が40℃における湿度90%下で測定した値が0.1g/m2/day以下であるようにすればより好適なものとなる。
さらに、本実施の形態において複数存在する有機物層のうち、少なくとも1層においてさらにチタネートポリマーと金属塩化物コロイドとを添加した樹脂を用いることで、より一層高い酸素ガスバリア性を付与することが可能となる。
チタネートポリマーをさらに添加するのは、緻密性の低い樹脂内部に緻密性の高い酸化チタンオリゴマーを分散させること、またチタネートポリマーを混合することによりポリオールやイソシアネートの架橋密度を向上させることが出来ることにより、全体として高い機械特性が得られるからであり、またチタネートポリマーを混合した有機物層のさらに表面に積層するセラミック層の酸素バリア性をより向上させることが出来るからである。そして添加するチタネートポリマーの添加量は上記目的に鑑みれば、ウレタンアクリレートに対して0.0001wt%〜1.0wt%であることが望ましく、より好適な性能を得るには、0.0001wt%〜0.1wt%であればよい。
金属塩化物コロイドとして用いる金属塩化物は、例えば塩化鉄、塩化アルミニウム、塩化錫、等であることが考えられ、また望ましいのであるが、得られた金属塩化物コロイドはアルコール分散したコロイド溶液であることが望ましい。
この金属塩化物コロイドは樹脂中に分散させておくことにより、樹脂の耐熱性と密着力とを向上させることが出来る。
尚、金属塩化物コロイドの添加量としては、ウレタンアクリレートに対して0.00001wt%〜1.0wt%であることが望ましく、樹脂の耐熱性と密着力とをより向上させるためには0.0001wt%〜0.1wt%とすればよい。
そして、チタネートポリマーと金属塩化物コロイドとを用いた場合の本実施の形態に係る透明導電ガスバリアフィルムの酸素透過度が22℃における湿度65%下で測定した値が0.05cc/m2/day以下であり、水蒸気透過量が40℃における湿度90%下で測定した値が10g/m2/day以下であるようにこれらを用いれば、より好適な透明導電ガスバリアフィルムとすることが出来る。
このように構成される有機物層であって、基材フィルム表面に直接積層される第1有機物層には、基材フィルムの表面に存在する凹凸を平滑化する、ということと、基材フィルムが熱や吸湿などにより伸縮してしまう、ということが積層されているセラミック層に影響してしまうことを阻止する、という特別の目的を有している。
そこで、この第1有機物層では、このような目的を達するために、その膜厚が0.1μm〜10.0μmであることが好ましい。
そして第1有機物層以外の有機物層にはこのような特別な目的は有さないため、その膜厚は0.01μm〜5.0μmであればよいが、内部応力による膜剥がれをより確実に防止するためには、0.01μm〜3.0μmであることが望ましい。
またこの有機物層の形成方法は公知な手法で自由に行なえばよいが、例えばマイクログラビア塗工により形成されるものであってもよい。
次にセラミック層について説明する。
本実施の形態におけるセラミック層は、有機物層の表面に形成されることにより、有機物層と対でガスバリア層を形成するのであるが、このセラミック層は、無機酸化物、窒化物、炭化物、等による化合物により形成される層である。具体的には、SiOx、Al23、In23、TiOx、ITO(スズ・インジウム酸化物)等であれば好適なセラミック層となす事が出来る。また窒化物としてはAlN、Si34、SiOxN、TiOxN等、炭化物としてはSiC等、とすることが考えられ、また好適である。
そしてこのセラミック層は、ゾルゲル法、蒸着法、CVD、PVD、スパッタリング法、等の公知な手法により積層されていて構わない。
またこのセラミック層の厚みとしては、ガスバリア性と光透過性とを考慮すれば、10nm〜2000nmであることが望ましいが、さらに可撓性も考慮し、全てにおいてバランス良く好適な性能を発揮するためには、10nm〜200nmであることが好ましい。
以上説明した各部材による本実施の形態に係る透明導電ガスバリアフィルムは、例えば次のようにして形成される。
まず、PETフィルムの表面に第1有機物層を形成する。
この第1有機物層は、ウレタンアクリレートに、ポリオールと、イソシアネートと、チタネートポリマーと、金属塩化物コロイドと、を添加した樹脂をPETフィルムの表面に塗布する。
次いで形成された第1有機物層の表面に、CVD法によりSiOxによるセラミック層を形成する。このようにして第1有機物層と第1セラミック層とによる第1ガスバリア層がPETフィルムの表面に形成される。
次に第1ガスバリア層の表面に第2有機物層を塗布により形成するが、原料である樹脂としては、ウレタンアクリレートに、ポリオールと、イソシアネートと、を添加したものであってよいが、より一層高いガスバリア性を得るために、この層においても第1有機物層の場合と同様にチタネートポリマーと、金属塩化物コロイドとを添加したものとしても構わない。そして第2有機物層が形成されれば、前述同様にして第2セラミック層を積層し、その結果第2ガスバリア層が完成する。
このように必要なだけガスバリア層を繰り返し積層するのであるが、最外層となる第nセラミック層がITOによるものである層とすることで、得られた積層フィルムはガスバリア性を兼ね備えた導電性フィルムとなり、即ち透明導電ガスバリアフィルムとすることが出来る。
またここでは詳述しないが、必ずしも導電性が必要でない場合は、第nセラミック層に導電性を持たせなくとも良く、その場合は高ガスバリア性を有した透明ガスバリアフィルムとすることが出来る。また、本実施の形態では第nセラミック層にのみ導電性を付与しているが、全てのセラミック層に導電性を付与することも、最外層の第nセラミック層以外の任意の1つ若しくは複数のセラミック層に導電性を付与することも考えられる。さらにまた積層順を有機物層/セラミック層によるガスバリア層としたが、セラミック層/有機物層という順で積層する、もしくは順不同に積層するが、最外層を第n有機物層とすれば、やはり高ガスバリア性を有した透明ガスバリアフィルムとすることが出来る。
このように必要なだけガスバリア層を繰り返し積層するのであるが、実用的な観点から述べると、積層回数は2回から5回であることがよい。1回であるとそもそも本発明の目的を達することは不可能であり、また6回を超えて積層すると、ガスバリア層そのものの膜厚が厚いものとなってしまい、その結果積層部分が割れてしまいガスバリア性を喪失してしまうからである。
積層回数を2回から5回とした場合に得られる透明導電ガスバリアフィルムの酸素透過量が0.1cc/m2/day以下であり、水蒸気透過量が0.1g/m2/day以下であるようにすると、より好適なものとなる。
このようにして得られた透明導電ガスバリアフィルムであれば、これを有機ELや液晶ディスプレイの透明基板として用いても内部にガスの侵入を殆ど許さず、その結果ディスプレイの機能低下という事態を防止することが出来るようになる。
さらに本発明につき実施例によりより具体的に説明する。
厚みが50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製 テトロン・タイプS)を基材フィルムとし、その表面に有機物層を積層し、さらにその表面にSiOxを積層した。
実施例1として、以下の透明導電性フィルムを用意した。
即ち、ウレタンアクリレート(根上工業株式会社製 HDP)2gに、ポリオール(大日本精化工業株式会社製 VM−AL L−8硬化剤)を0.1g添加して混合樹脂を作成し、これにメチルエチルケトンとトルエンとを1:1の重量比で混合した溶剤10gと、光重合開始剤0.01gとを添加し、全体を攪拌混合した樹脂を用意した。
そしてバーコーターにて、この樹脂を基材フィルムの表面に1.0μmの厚みとなるように積層し、紫外線にて硬化させた。このようにして第1有機物層を基材フィルム表面に形成した。
次いで、その表面に直流マグネトロンスパッタリング法によりITO薄膜を膜厚が40nmとなるように形成した。
このようにして基材フィルム上に第1ガスバリア層を形成した。
そして第1ガスバリア層と同様の構成により、さらに第2ガスバリア層、第3ガスバリア層を順次形成して、実施例1に係る透明導電ガスバリアフィルムを得た。
実施例2として、以下の透明導電性フィルムを用意した。
実施例1における有機物層を形成した樹脂に、さらにテトラ−n−ブトキシチタン重合体(日本曹達株式会社製 B−4)1gをn−ブタノール30gに分散させ、得られたものの0.1gを添加し、さらにこれに2wt%の塩化鉄−エタノール溶液を0.05g添加して得られた樹脂を基材フィルム表面に形成して、第1有機物層を形成した。形成方法は実施例1と同様である。
得られた第1有機物層の表面に、実施例1と同様の手法により同様のITO薄膜を形成した。
このようにして基材フィルム上に第1ガスバリア層を形成した。
そして同様にして第2ガスバリア層と第3ガスバリア層を順次形成して、実施例2に係る透明導電ガスバリアフィルムを得た。
比較例1として、以下の透明導電性フィルムを用意した。
実施例1においてガスバリア層は3層形成されているが、これを1層しか形成しなかったものを比較例1とした。
比較例2として、以下の透明導電性フィルムを用意した。
実施例2においてガスバリア層は3層形成されているが、これを1層しか形成しなかったものを比較例2とした。
以上得られた4つの透明導電ガスバリアフィルムを、MOCON社製のガス透過量測定装置で評価した。酸素透過量はOX−TRAN2/20、水蒸気透過量PERMATRAN−W3/31にて測定した。また酸素透過量、水蒸気透過量、共に32時間測定した時の透過量を測定値とした。その結果を表1に示す。
Figure 2005035204

Claims (10)

  1. 基材として用いる透明プラスチックフィルムに、
    有機物であるモノマーまたはポリマーのいずれか又は両方による有機物層と、
    無機物である金属、非金属、無機非金属、金属酸化物、窒化物、炭化物いずれか若しくは複数によるセラミック層と、
    の2つの層を1単位とするガスバリア層を積層してなり、
    前記ガスバリア層を、前記基材の表面側から順に、第1有機物層と第1セラミック層とから構成される第1ガスバリア層、第2有機物層と第2セラミック層とから構成される第2ガスバリア層、・・・、第n有機物層と第nセラミック層とから構成される第nガスバリア層、というようにn層(但しnは自然数である。)よりなる複数の前記ガスバリア層を積層してなり、
    前記複数のガスバリア層は、前記基材の片面又は両面それぞれに積層されてなること、
    を特徴とする、透明導電ガスバリアフィルム。
  2. 請求項1に記載の透明導電ガスバリアフィルムにおいて、
    前記ガスバリア層は、
    前記有機物層の表面に前記セラミック層が積層されて構成されたもの、
    もしくは前記セラミック層の表面に前記有機物層が積層されて構成されたもの、
    であって、
    各前記ガスバリア層における前記有機物層と前記セラミック層との積層順は全て規則的に同一であること、若しくは全て順不同に積層されてなること、
    を特徴とする、透明導電ガスバリアフィルム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の透明導電ガスバリアフィルムにおいて、
    前記第1有機物層は、
    ウレタンアクリレートと、ポリオールと、イソシアネートと、を混合してなる紫外線硬化樹脂よりなるものであり、
    その厚みは0.1μm〜10.0μmであること、
    を特徴とする、透明導電ガスバリアフィルム。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の透明導電ガスバリアフィルムにおいて、
    前記第1有機物層以外の前記有機物層は、
    ウレタンアクリレートと、ポリオールと、イソシアネートと、を混合してなる紫外線硬化樹脂よりなるものであり、
    その厚みは0.01μm〜5.0μmであること、
    を特徴とする、透明導電ガスバリアフィルム。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の透明導電ガスバリアフィルムにおいて、
    前記セラミック層は、ゾルゲル法、蒸着法、化学的気相成長法(CVD)、物理的気相成長法(PVD)、スパッタリング法、のいずれかにより形成されてなり、
    その厚みは、10nm〜2000nmであること、
    を特徴とする、透明導電ガスバリアフィルム。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の透明導電ガスバリアフィルムにおいて、
    前記第nセラミック層が最表面となるように複数の前記ガスバリア層が積層されてなり、
    かつ、前記第nセラミック層が、ゾルゲル法、蒸着法、化学的気相成長法(CVD)、物理的気相成長法(PVD)、スパッタリング法、のいずれかにより形成されてなり、
    その厚みは、10nm〜2000nmであること、
    を特徴とする、透明導電ガスバリアフィルム。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の透明導電ガスバリアフィルムにおいて、
    酸素透過量が22℃における湿度65%下で測定した値が1.0cc/m2/day以下であり、
    水蒸気透過量が40℃における湿度90%下で測定した値が0.1g/m2/day以下であること、
    を特徴とする、透明導電ガスバリアフィルム。
  8. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の透明導電ガスバリアフィルムにおいて、
    複数存在する前記有機物層のうち少なくとも1つは、
    ウレタンアクリレートと、ポリオールと、イソシアネートと、金属塩化物と、チタネートポリマーと、を混合してなる紫外線硬化樹脂よりなるものであること、
    を特徴とする、透明導電ガスバリアフィルム。
  9. 請求項8に記載の透明導電ガスバリアフィルムにおいて、
    酸素透過量が22℃における湿度65%下で測定した値が0.1cc/m2/day以下であり、
    水蒸気透過量が40℃における湿度90%下で測定した値が10g/m2/day以下であること、
    を特徴とする、透明導電ガスバリアフィルム。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の透明導電ガスバリアフィルムであって、
    前記nは2以上5以下であり、
    前記nが2以上5以下の場合の前記透明導電ガスバリアフィルムの、
    酸素透過量が22℃における湿度65%下で測定した値が0.1cc/m2/day以下であり、
    水蒸気透過量が40℃における湿度90%下で測定した値が0.1g/m2/day以下であること、
    を特徴とする、透明導電ガスバリアフィルム。
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