JP2005034862A - レーザ加工方法、レーザ加工装置、液滴吐出ヘッドの製造方法および液滴吐出ヘッド - Google Patents

レーザ加工方法、レーザ加工装置、液滴吐出ヘッドの製造方法および液滴吐出ヘッド Download PDF

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Yoichi Nakazawa
洋一 中沢
Kazunari Umetsu
一成 梅津
Daisuke Sawaki
大輔 澤木
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Abstract

【課題】一方の部材に対し、他方の部材の端面に沿ってレーザ光を照射して、その端面による境界線(投影線)に沿って一方の部材を切断しても、一方の部材の飛散物が加工対象物の表面に固着することがないレーザ加工方法、レーザ加工装置、液滴吐出ヘッドの製造方法および液滴吐出ヘッドを提供することを課題とする。
【解決手段】第1部材201およびその上側に配設された第2部材202を備えた加工対象物203に対して、第2部材202の端面212に沿ってレーザ光26を照射して、第1部材201を切断するレーザ加工方法において、レーザ光26は、第2部材202に対する吸収率に比して、第1部材201に対する吸収率が高く、加工対象物203の上面および下面の少なくとも一方を液流にさらした状態でレーザ光を照射する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一方の部材に対し、他方の部材の端面に沿ってレーザ光を照射して、一方の部材を切断するレーザ加工方法、レーザ加工装置、液滴吐出ヘッドの製造方法および液滴吐出ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一方の部材(第1部材)およびその上側に配設された他方の部材(第2部材)を備えた加工対象物に対して、第1部材を、第2部材の端面による境界線に沿って切断する際、打ち抜き等のように剪断力を加えると切断端にバリが発生してしまうこと等から、レーザ光を第2部材の端面に沿って照射して、第1部材を切断するレーザ加工方法が使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−275772号公報(第3頁、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、レーザ光を第2部材の端面に沿って照射すると、第2部材もレーザ光により加工されてしまう。このため、第2部材に対する吸収率に比して、第1部材に対する吸収率が高いレーザ光を照射することが考えられる。だが、このようにしても、レーザ光の照射により第1部材の飛散物(デブリ)が発生し、この飛散物が加工対象物の表面に固着してしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、一方の部材に対し、他方の部材の端面に沿ってレーザ光を照射して、その端面による境界線(投影線)に沿って一方の部材を切断しても、一方の部材の飛散物が加工対象物の表面に固着することがないレーザ加工方法、レーザ加工装置、液滴吐出ヘッドの製造方法および液滴吐出ヘッドを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のレーザ加工方法は、第1部材およびその上側に配設された第2部材を備えた加工対象物に対して、第2部材の端面に沿ってレーザ光を照射して、第1部材を切断するレーザ加工方法において、レーザ光は、第2部材に対する吸収率に比して、第1部材に対する吸収率が高く、加工対象物の上面および下面の少なくとも一方を液流にさらした状態でレーザ光を照射することを特徴とする。
【0007】
この場合、第2部材は、第1部材の上側に積層されており、第2部材を第1部材と積層した状態で、第2部材の一部を除去して端面を形成したことが好ましい。
【0008】
この場合、加工対象物は、第1部材の下側に積層された第3部材を、さらに備え、第3部材は、第1部材および第2部材と積層した状態で、一部が除去されて第2部材の端面に沿った端面を形成しており、レーザ光は、第3部材に対する吸収率に比して、第1部材に対する吸収率が高いことが好ましい。
【0009】
これらの構成によれば、加工対象物の表面(上面および下面の少なくとも一方)を液流にさらすことで、レーザ光の照射により第1部材の飛散物が飛散しても、その飛散物は液流と共に流される。このため、第1部材の飛散物が加工対象物の表面に固着することなく、第1部材に対する第2部材の端面による境界線(投影線)に沿って、第1部材を切断することができる。また、液体が流れを有していることから、液体がレーザ光の照射を受けても加熱されにくいため、気泡の発生を防ぐことができ、気泡が発生したとしても、その気泡は液流と共に流されるため、レーザ光の照射が気泡によって妨げられることがない。なお、第1部材の飛散物の固着を防ぐためには、加工対象物の両面を液流にさらすことが好ましいが、第1部材の飛散物が加工対象物の上面および下面のいずれかにしか認められない場合には、その面だけを液流にさらすようにしてもよい。
【0010】
また、本発明の他のレーザ加工方法は、互いの端面で接合した第1部材および第2部材を備えた加工対象物に対して、第1部材と第2部材との接合面に沿ってレーザ光を照射して、第1部材を第2部材から切断するレーザ加工方法において、レーザ光は、第2部材に対する吸収率に比して第1部材に対する吸収率が高く、加工対象物の上面および下面の少なくとも一方を液流にさらした状態でレーザ光を照射することを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、加工対象物の表面(上面および下面の少なくとも一方)を液流にさらすことで、レーザ光の照射により第1部材の飛散物が飛散しても、その飛散物は液流と共に流される。このため、第1部材の飛散物が加工対象物の表面に固着することなく、第1部材に対する第2部材の端面による境界線(投影線)に沿って、第1部材を切断することができる。また、液体が流れを有していることから、液体がレーザ光の照射を受けても加熱されにくいため、気泡の発生を防ぐことができ、気泡が発生したとしても、その気泡は液流と共に流されるため、レーザ光の照射が気泡によって妨げられることがない。
【0012】
これらの場合、第1部材に対しレーザ光を光軸方向に焦点位置をずらして照射することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、第2部材の端面による境界線(投影線)がレーザ光のスポット径内に含まれるため、レーザ光の走査に対する精度要求を緩和することができ、また、第2部材の端面に平面方向の凹凸が多少ある場合であっても、レーザ光の走査方向を変更する必要がない。
【0014】
これらの場合、液流が純水の液流であることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、液流の液体に不純物が含まれないため、加工対象物を汚染することがない。
【0016】
これらの場合、レーザ光を、液流の液面上に配置された光透過板を通して照射することが好ましい。
【0017】
この構成によれば、液体の液面が光透過板に接することから、液面が乱れることがないため、液面の乱れによるレーザ光の散乱が生ずることがない。
【0018】
本発明のレーザ加工装置は、第1部材およびその上側に配設された第2部材を備えた加工対象物に対して、第2部材の端面に沿ってレーザ発生手段によりレーザ光を照射して、第1部材を切断するレーザ加工装置において、液体を収容する液体収容手段と、加工対象物の上面および下面の少なくとも一方に沿って液体による液流を発生させる液流発生手段と、を備え、レーザ光は、第2部材に対する吸収率に比して、第1部材に対する吸収率が高いことを特徴とする。
【0019】
この場合、第2部材は、第1部材の上側に積層されており、第2部材を第1部材と積層した状態で、第2部材の一部を除去して端面を形成したことが好ましい。
【0020】
この場合、加工対象物は、第1部材の下側に積層された第3部材を、さらに備え、第3部材は、第1部材および第2部材と積層した状態で、一部が除去されて第2部材の端面に沿った端面が形成されており、レーザ光は、第3部材に対する吸収率に比して、第1部材に対する吸収率が高いことが好ましい。
【0021】
これらの構成によれば、液流発生手段により加工対象物の表面(上面および下面の少なくとも一方)を液流にさらすことで、レーザ光の照射により第1部材の飛散物が飛散しても、その飛散物は液流と共に流される。このため、第1部材の飛散物が加工対象物の表面に固着することなく、第1部材に対する第2部材の端面による境界線(投影線)に沿って、第1部材を切断することができる。また、液体に流れを持たせていることから、液体がレーザ光の照射を受けても加熱されにくいため、気泡の発生を防ぐことができ、気泡が発生したとしても、その気泡は液流と共に流されるため、レーザ光の照射が気泡によって妨げられることがない。
【0022】
本発明の他のレーザ加工装置は、互いの端面で接合した第1部材および第2部材を備えた加工対象物に対して、第1部材と第2部材との接合面に沿ってレーザ発生手段によりレーザ光を照射して、第1部材を第2部材から切断するレーザ加工装置において、液体を収容する液体収容手段と、加工対象物の上面および下面の少なくとも一方に沿って液体による液流を発生させる液流発生手段と、を備え、レーザ光は、第2部材に対する吸収率に比して、第1部材に対する吸収率が高いことを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、液流発生手段により加工対象物の表面(上面および下面の少なくとも一方)を液流にさらすことで、レーザ光の照射により第1部材の飛散物が飛散しても、その飛散物は液流と共に流される。このため、第1部材の飛散物が加工対象物の表面に固着することなく、第1部材に対する第2部材の端面による境界線(投影線)に沿って、第1部材を切断することができる。また、液体に流れを持たせていることから、液体がレーザ光の照射を受けても加熱されにくいため、気泡の発生を防ぐことができ、気泡が発生したとしても、その気泡は液流と共に流されるため、レーザ光の照射が気泡によって妨げられることがない。
【0024】
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法は、上記のレーザ加工装置により加工する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、第1部材は、複数材料から成る多層膜であり、第2部材は、シリコン単結晶からなる封止基板であって、第2部材の端面が、複数のノズルから吐出する液体の供給を外部より受ける共通液体室を形成しており、第3部材は、シリコン単結晶からなるアクチュエータ基板であって、第3部材の端面が、複数のノズルに連なるキャビティを形成しており、レーザ光により多層膜を切断して、共通液体室とキャビティとを連通する連通部を、形成することを特徴とする。
【0025】
また、本発明の液滴吐出ヘッドは、上記のレーザ加工装置により加工した液滴吐出ヘッドであって、第1部材は、複数材料から成る多層膜であり、第2部材は、シリコン単結晶からなる封止基板であって、第2部材の端面が、複数のノズルから吐出する液体の供給を外部より受ける共通液体室を形成しており、第3部材は、シリコン単結晶からなるアクチュエータ基板であって、第3部材の端面が、複数のノズルに連なるキャビティを形成しており、レーザ光により多層膜を切断して、共通液体室とキャビティとを連通する連通部を、形成したことを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、上記のレーザ加工装置により加工することで、封止基板の端面に沿ってレーザ光を照射しても封止基板およびアクチュエータ基板が加工されることなく、封止基板の端面との境界線に沿って多層膜を切断することができる。したがって、共通液体室とキャビティとを連通する連通部を精度良く形成できるため、高品質の液滴吐出ヘッドを製造することが可能となる。なお、複数材料からなる多層膜としては、二酸化シリコンから成る弾性膜と、白金から成る下電極膜と、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)から成る圧電体層と、白金からなる上電極膜と、が積層形成された薄膜ピエゾ等が考えられる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本発明のレーザ加工方法について説明する。図1に示すように、第1実施形態のレーザ加工方法は、金属薄膜201(第1部材)およびその上側に積層されたシリコン単結晶で構成されるシリコン基板202(第2部材)を備えた加工対象物203に対して、レーザ加工装置1によりシリコン基板202の端面212に沿ってレーザ光26を照射して、金属薄膜201を切断するものである。
【0028】
レーザ加工装置1は、レーザ光26を加工対象物203に照射するレーザ発生装置11と、レーザ発生装置11のレーザ加工ヘッド24(後述する)に純水16を供給する液体供給装置17と、を備えている。
【0029】
レーザ発生装置11は、レーザ光26を発振するレーザ発振機21と、レーザ光26の光路を折曲させる反射ミラー22と、反射ミラー22から導かれたレーザ光26を加工対象物203に照射するレーザ加工ヘッド24と、を備えている。レーザ光26の光源には、シリコン基板202に対する吸収率に比して、金属薄膜201に対する吸収率が高いYAGレーザの基本波長(1064nm)を用いている。したがって、シリコン基板202の端面212に沿ってレーザ光26を照射してもシリコン基板202がレーザ光26によって加工されることなく、金属薄膜201に対するシリコン基板202の端面212による境界線213に沿って、すなわちシリコン基板202の端面212をガイドとし、これに倣うようにして金属薄膜201を切断することができる。
【0030】
レーザ加工ヘッド24は、レーザ光26を焦点27に集光する集光レンズ23と、集光レンズ23を内蔵する鏡筒36とを備えている。鏡筒36の下部はロート状に形成され、その先端には集光レンズ23により集光されたレーザ光26を透過する透過穴37が設けられている。また、鏡筒36には、集光レンズ23よりも透過穴37側に液体導入口39が設けられ、液体供給装置17のパイプ53(後述する)を介して、内部に純水16が導入される。さらに、鏡筒36には、液体導入口39と集光レンズ23との間に光透過板38が組み込まれており、導入された純水16が集光レンズ23に達しないようになっている。すなわち、光透過板38を天板として鏡筒36の下部は純水貯留部40となっており、液体導入口39から導入された純水は、透過穴37から加工対象物203上に流下するようになっている。この場合、光透過板38は導入された純水16の液面上に配置された状態となる。
【0031】
液体供給装置17は、純水16を貯留するポンプ52を併設したタンク51と、タンク51と上記の液体導入口39とを接続するパイプ53と、を有しており、レーザ発振機21の駆動に同期してヘッドホルダ36内に純水を供給する。なお、ポンプ52に代えて、タンク51(密閉タンクとする)に圧縮エアーを供給する構成としてもよい。
【0032】
レーザ加工は、液体供給装置17により純水16をレーザ加工ヘッド24の透過穴37から噴出させながら行われる。すなわち、加工対象物203の上面が純水16による液流にさらされた状態となる。したがって、レーザ光26の照射により金属薄膜201の飛散物が飛散しても、その飛散物は液流と共に流される。このため、金属薄膜201の飛散物が加工対象物203の表面に固着することがない。また、純水16が流れを有していることから、純水16がレーザ光26の照射を受けても加熱されにくいため、気泡の発生を防ぐことができ、気泡が発生したとしても、その気泡は液流と共に流されるため、レーザ光26の照射が気泡によって妨げられることがない。
【0033】
さらに、レーザ発生装置1から発生したレーザ光26は、インクジェットヘッド101に対し、純水16の液面上に配置された状態となっている光透過板38を通って照射される。そのため、ヘッドホルダ36内の純水16の液面が乱れることなく、液面の乱れによるレーザ光26の散乱が生ずることがない。
【0034】
次に、本発明の第2実施形態のレーザ加工方法について説明する。図2に示すように、第2実施形態のレーザ加工方法は、金属薄膜201およびその上側に近接するように配設されたシリコン基板202を備えた加工対象物203に対して、レーザ加工装置1によりシリコン基板202の端面212に沿ってレーザ光26を照射して、金属薄膜201を切断するものである。なお、金属薄膜201とシリコン基板202との間には、金属薄膜201へのレーザ光26の照射を妨げないのであれば、他の部材が介在していてもよい。また、第2実施形態のレーザ加工装置1は、第1実施形態のレーザ加工装置1と同様の構成である。
【0035】
第2実施形態でも、第1実施形態と同様にして、シリコン基板202の端面212に沿ってレーザ光26を照射してもシリコン基板202がレーザ光26によって加工されることなく、金属薄膜201に対するシリコン基板202の端面212による投影線214に沿って、すなわちシリコン基板202の端面212をガイドとして、シリコン基板202から離間した金属薄膜201を切断することができる。
【0036】
次に、本発明の第3実施形態のレーザ加工方法について説明する。図3に示すように、第3実施形態のレーザ加工方法は、互いの端面211、212で接合した金属薄膜201およびシリコン基板202を備えた加工対象物203に対して、レーザ加工装置1により金属薄膜201とシリコン基板202との接合面215に沿ってレーザ光26を照射して、金属薄膜201をシリコン基板202から切断するものである。なお、第3実施形態のレーザ加工装置1は、第1実施形態や第2実施形態のレーザ加工装置1と同様の構成である。
【0037】
第3実施形態でも、第1実施形態や第2実施形態と同様にして、シリコン基板202の端面212、すなわち金属薄膜201とシリコン基板202との接合面215に沿ってレーザ光26を照射してもシリコン基板202がレーザ光26によって加工されることなく、その接合面215による境界線213に沿って、すなわちシリコン基板202の端面212をガイドとして、金属薄膜201を切断することができる。
【0038】
第1実施形態ないし第3実施形態のいずれにおいても、レーザ光26は、光軸L方向(図示では下側)に焦点27をずらして照射される。したがって、金属薄膜201に対するシリコン基板202の端面212による境界線213がレーザ光26のスポット28径内に含まれるため、レーザ光26の走査に対する精度要求を緩和することができ、また、シリコン基板202の端面212に平面方向の凹凸が多少ある場合であっても、レーザ光26の走査方向を変更する必要がない。
【0039】
なお、レーザ光26の光源には、YAGレーザの基本波長と同様にシリコン基板202に対する吸収率に比して、金属薄膜201に対する吸収率が高いYAGレーザの第2高調波(532nm)を用いてもよく、また、シリコン基板202に対する吸収率に比して、金属薄膜201に対する吸収率が高いものであれば、他の固体レーザ、或いはガスレーザ(例えばエキシマレーザ)、半導体レーザを用いてもよい。また、加工対象物203を構成する部材についても、特定のレーザ光に対して、ガイドとなる第2部材の吸収率に比して、切断対象となる第1部材の吸収率が高くなるように、プラスチック、金属、セラミックス等から任意の材料を組み合わせて用いることができる。
【0040】
次に、第4実施形態に係るレーザ加工装置により加工したインクジェットヘッドについて説明する。本実施形態のインクジェットヘッド101は、図4に示すように、上側から、外部よりインクの供給を受ける共通インク室131が厚さ方向(上下方向)に貫通して形成された封止基板111と、電圧の印加によりたわみ運動を行う複数の圧電体能動部154を並設した薄膜ピエゾ112と、複数の圧電体能動部154に対応して複数の圧力発生室173が形成されたアクチュエータ基板113と、を積層させ、アクチュエータ基板113の下側に、インクを吐出するノズルとなる複数のノズル開口181を有するノズルプレート114を接着接合したものである。
【0041】
封止基板111は、厚さが400μmであって、面方位(110)のシリコン単結晶から成り、エッチング加工により厚さ方向に貫通形成された共通インク室131と、下側に各圧電体能動部154のたわみ運動を阻害しない程度の窪み部を形成した複数の圧電体保持部132と、を備えている。共通インク室131は、ノズル列方向に延在し、上流側には図示しないがインクチューブのコネクタに連通している。この共通インク室131は、薄膜ピエゾ112がくり抜かれて形成された連通部121において、アクチュエータ基板113に形成されたインクキャビティ161と連通しており、各圧力発生室173にインクを分配供給する部分である。
【0042】
また、封止基板111の連通部121に対向する部分には、圧力発生室173を形成する際のマスクとなる保護膜(図示省略)が設けられ、この保護膜を介して、可撓性材料から成る封止膜141と、固定板142とから構成されたコンプライアンス基板133が接合されている。固定板142の共通インク室131に対向する領域には、厚さ方向に完全に除去された開口部143が形成され、共通インク室131の連通部121に対向する面はダンパーの機能を有する封止膜141のみで封止されている。すなわち、固定板142により封止膜141の周縁部が押えられている。
【0043】
薄膜ピエゾ112は、予め熱酸化により形成した二酸化シリコンから成る厚さ1〜2μmの弾性膜156と、白金から成る厚さが0.2μmの下電極膜151と、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)から成る厚さが1μmの圧電体層152と、白金から成る厚さが0.1μmの上電極膜153とが、後述するプロセスで積層形成されている。下電極膜151が薄膜ピエゾ112の共通電極となっており、圧電体層152および上電極膜153が、各圧力発生室173毎に、すなわちノズル数に対応して、パターニングして構成され、上電極膜153が薄膜ピエゾ112の個別電極となっている。そして、圧電体層152および上電極膜153が圧電体能動部154を構成しており、下電極膜151および上電極膜153への電圧の印加により、圧電体能動部154がたわみ運動を行い、圧力発生室173に圧力を付与している。この圧電体能動部154は、下電極膜151により圧電体保持部132内に密閉保持されている。
【0044】
また、各上電極膜153には、金から成るリード電極155がそれぞれ接続されている。このリード電極155は、各圧電体能動部154の長手方向端部近傍から引き出され、アクチュエータ基板113の端部近傍までそれぞれ延設され、図示しないが、ワイヤボンディングにより各圧電体能動部154をたわみ運動させるための駆動IC等と接続されている。
【0045】
一方、連通部121の下電極膜151は、共通インク室131とインクキャビティ161とが連通する領域において、封止基板111の端面116(基板のエッチング面)に沿ってくり抜かれており、方形の連通部121が形成されている(詳細は後述する)。
【0046】
また、弾性膜156は、アクチュエータ基板113に面しており、下電極膜151と同様に、封止基板111の端面116、すなわちアクチュエータ基板113の端面(基板のエッチング面)に沿ってくり抜かれ、方形の連通部121が形成されている(詳細は後述する)。
【0047】
アクチュエータ基板113は、厚さが70μmであって、面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、上記の連通部121を介して共通インク室131の下流端と連通される連通口171と、複数の隔壁164によって区画され、連通口171からノズル数に合わせて櫛歯状に形成された複数の圧力発生室173と、各圧力発生室173の長手方向一端部でそれぞれ連通口171に連なるインク供給路172と、を備えている。この連通口171、インク供給路172および圧力発生室173によりいわゆるインクキャビティ161が構成されており、連通部121からノズル開口181に至るインク流路となっている。
【0048】
各圧力発生室173および連通口171は、アクチュエータ基板113をほぼ貫通して弾性膜156に達するまでエッチングすることにより形成されている。また、各インク供給路172は、圧力発生室173と比べて浅く、すなわちアクチュエータ基板113を厚さ方向に途中までエッチングすることにより、形成されており、圧力発生室173に流入するインクの流路抵抗が極力小さくなるようにしている。
【0049】
アクチュエータ基板113の下側には、圧力発生室173を形成する際のマスクとなる絶縁膜163が設けられ、この絶縁膜163を介してノズルプレート114が接着剤により接合されている。
【0050】
ノズルプレート114には、ノズル開口181が複数個穿設されており、各ノズル開口181は、圧力発生室173とインク供給路172の反対側で連通している。
【0051】
次に、図5を参照して、インクジェットヘッド101の製造方法について説明する。まず、図5(a)に示すように、アクチュエータ基板113の上側に弾性膜156を形成する。さらに、この弾性膜156上に、スパッタリング法やゾル−ゲル法を用いて、下電極膜151、圧電体層152および上電極膜153を成膜して形成し、圧電体層152および上電極膜153のみをエッチングして薄膜ピエゾ112のパターニングを行う。また、リード電極155をアクチュエータ基板113の全面に亘って形成すると共に圧電体能動部154に対応させてパターニングし、薄膜ピエゾ112を完成させる。そして、アクチュエータ基板113の上側に圧電体能動部154を封止する圧電体保持部132を有する封止基板111を加熱接着した後、アクチュエータ基板113を70μmの厚さに加工する。
【0052】
続いて、図5(b)に示すように、封止基板111の表面に保護膜を形成し、この保護膜を共通インク室131の形状にパターニングする。そして、この保護膜をマスクとして、水酸化カリウム溶液を用いて異方性エッチングを行うことにより、共通インク室131を形成する。
【0053】
また、図5(c)に示すように、アクチュエータ基板113の表面に絶縁膜163を形成し、この絶縁膜163をインクキャビティ161の形状にパターニングする。そして、この絶縁膜163をマスクとして、アクチュエータ基板113を異方性エッチングすることにより、インクキャビティ161を形成する。また、上述したように、連通口171および各圧力発生室173では、アクチュエータ基板113を弾性膜156に達するまでエッチングし、各インク供給路172では、アクチュエータ基板113を厚さ方向に途中までエッチング(ハーフエッチング)する。なお、このハーフエッチングは、エッチング時間の調整により行われる。
【0054】
封止基板111およびアクチュエータ基板113のエッチング加工においては、シリコン単結晶のエッチング面(端面)に平面方向の凹凸が生ずる。また、連通部121の弾性膜156および下電極膜151は、エッチング溶液(水酸化カリウム溶液)にほとんど侵されずに残っている。
【0055】
続いて、図5(d)に示すように、連通部121に残っている弾性膜156および下電極膜151を、レーザ加工によりくり抜いて、連通口171と共通インク室131とを連通させる(詳細は後述する)。
【0056】
最後に、封止基板111上にコンプライアンス基板133を接着剤によって接合し、さらに、アクチュエータ基板113の下側にノズルプレート114を接着接合することにより、インクジェットヘッド101が形成される。
また、図示は省略したが、実際には、上述した一連の膜形成およびエッチングによってウェハ上に多数のチップを同時に形成し、プロセス終了後、一つのチップサイズの基板毎に分割する。
【0057】
なお、インクジェットヘッド101は、インク供給手段(図示省略)からインクチューブを介してインクを取り込み、共通インク室131からノズル開口181に至るまでのインク流路をインクで満たした後、駆動回路(図示省略)からの記録信号に従い、外部配線(図示省略)を介して圧力発生室173に対応するそれぞれの下電極膜151と上電極膜153との間に電圧を印加し、圧電体能動部154をたわみ運動させることにより、下電極膜151および弾性膜156を介して各圧力発生室173に圧力が付与され、ノズル開口181からインク滴を吐出させる。
【0058】
図6は、第4実施形態に係るレーザ加工装置1の概略図である。本実施形態のレーザ加工装置1は、レーザ光26をインクジェットヘッド101に照射するレーザ発生装置11と、インクジェットヘッド101を水密に囲む液体容器12と、液体容器12をレーザ発生装置11に対して移動させるXYテーブル13と、インクジェットヘッド101の上下両面に純水16の流れを作る液流発生装置14と、各装置を統括制御するコントローラ15と、を備えている。同図に示した加工対象物であるインクジェットヘッド101は、図5(c)の段階のものであり、封止基板111、およびアクチュエータ基板113の間に薄膜ピエゾ112を積層したものである。なお、図示しないが、レーザ加工装置1の一端には搬入装置が設けられ、他端には搬出装置が設けられている。加工対象となるインクジェットヘッド101は、搬入装置からレーザ加工装置1に移載・搬送され、レーザ加工を終えると、搬出路へ移載・搬送されるようになっている。
【0059】
レーザ発生装置11は、レーザ光26を発振するレーザ発振機21と、レーザ光26の光路を折曲させる反射ミラー22と、反射ミラー22から導かれたレーザ光26を焦点27に集光する集光レンズ23と、を有している。なお、レーザ光26の光源には、薄膜ピエゾ112に対しては吸収率が高く、封止基板111およびアクチュエータ基板113に対しては吸収率が低いYAGレーザの基本波(1064nm)を光源としているが、YAGレーザの第2高調波(532nm)や他の固体レーザ、或いはガスレーザ(例えばエキシマレーザ)、半導体レーザを用いてもよい。
【0060】
レーザ光26は、光軸L方向に焦点27をずらして照射される。したがって、薄膜ピエゾ112に対する封止基板111の端面116による境界線(図示省略)がレーザ光26のスポット28(図6では図示省略)の径内に含まれるため、封止基板111の端面116(エッチング面)に平面方向の凹凸が生じているが、レーザ光26の走査方向を変更する必要がない。なお、本実施形態では、レーザ光26の光軸Lがぶれても焦点27が基板にフォーカスしないようにするため、厚さの薄いアクチュエータ基板113側、すなわちインクジェットヘッド101の下側の光軸L方向に焦点27が位置するようにしている。
【0061】
液体容器12の内部には4本(図示では2本)の支柱32が設けてあり、支柱32上に、封止基板111側からレーザ光26が照射されるようにインクジェットヘッド101が載置される。また、液体容器12の上面の一部は、レーザ光26を透過する光透過板38で構成されてため、レーザ発生装置11から発生したレーザ光26は、インクジェットヘッド101に対し、純水16の液面上に配置された光透過板38を通って照射されるようになっている。したがって、液体容器12内の純水16の液面が乱れることなく、液面の乱れによるレーザ光26の散乱が生ずることがない。なお、液体容器12の上面は気泡が介在しないように純水16と接している。
【0062】
XYテーブル13は、モータ34の駆動により、レーザ光26により薄膜ピエゾ112を貫通するのに要する時間に合わせた速度で、液体容器12をXY方向に移動させるようになっているため、レーザ発生装置11を固定した状態で、薄膜ピエゾ112に対する封止基板111の端面による境界線116をXY方向に走査し、上記方形の連通部121をくり抜くことができる。なお、液体容器12(XYテーブル13)を固定した状態でレーザ発生装置11を移動させてもよく、双方を移動させてもよい。
【0063】
液流発生装置14は、インクジェットヘッド101の上下両面に純水16を流入させるための流入口41と、インクジェットヘッド101を挟んで流入口41に対向する位置に配置され、インクジェットヘッド101の上下両面を通過した純水16を液体容器12の外に流出させるための流出口42と、純水16を流出口42から流入口41まで管路44を介して循環させる循環ポンプ43と、を備えている。
【0064】
管路44には、流入口41および流出口42の近傍にそれぞれフレキシブルチューブ47が介設されており、XYテーブル13の移動による流入口41および流出口42の振れが吸収されるようになっている。さらに、循環ポンプ43の上流側には、逆流防止弁46が介設された補給水管45が接続されている。補給水管45は図外の補給水タンクに連なっており、光透過板38の設けられた液位センサ49の検出値に基づいて補給水管45に介設された開閉弁48を開弁させ、適宜純水16の補給を行うようにしている。なお、インクジェットヘッド101の上下両面に流す液体には、純水16以外のものを用いてもよいが、インクジェットヘッド101への汚染を防ぐため、純水16のように不純物を含まない液体を用いることが望ましい。
【0065】
ここで、レーザ加工装置1を用いて薄膜ピエゾ112の連通部121を切断する動作について詳細に説明する。まず、図外の搬入装置により、図2(c)の段階のインクジェットヘッド101がレーザ加工装置1に移載され、加工ステージ12に載置される。そして、コントローラ15により、レーザ加工装置1のモータ34を駆動してXYテーブル13を移動させ、薄膜ピエゾ112(弾性膜156および下電極膜151)に対する封止基板111の端面116による境界線がレーザ光26の光軸L上に位置するようにすると共に、液流発生装置14の循環ポンプ43を駆動して、インクジェットヘッド101の上下両面に純水16を流す。
【0066】
液流発生装置14によって純水16を流しながら、レーザ発生装置11をONにして、境界線にレーザ光26を光軸L方向に焦点27をずらして照射する。封止基板111およびアクチュエータ基板113は、薄膜ピエゾ112に比べて、レーザ光26に対する吸収率が低い。このため、封止基板111の端面116に沿ってレーザ光26を照射しても封止基板111およびアクチュエータ基板113が加工されることなく、境界線に沿って薄膜ピエゾ112を切断することができる。また、インクジェットヘッド101の上下両面が流入口41から流出口42に流れる液流にさらされているため、薄膜ピエゾ112の飛散物は、その液流と共に流される。このため、薄膜ピエゾ112の飛散物がインクジェットヘッド101の表面に固着することがない。また、純水16が流れを有していることから、純水16がレーザ光26の照射を受けても加熱されにくいため、気泡の発生を防ぐことができ、気泡が発生したとしても、その気泡は液流と共に流されるため、レーザ光の照射が気泡によって妨げられることがない。
【0067】
なお、薄膜ピエゾ112の飛散物がインクジェットヘッド101の上面および下面のいずれかのみに認められ、そのいずれかの面にだけ気泡の発生が認められる場合には、その面にだけ液流を発生するようにしてもよい。
【0068】
そして、上述したように、レーザ発生装置11が境界線をXY方向に走査することにより、薄膜ピエゾ112が切断され、連通部121がくり抜かれる。レーザ加工が終了すると、インクジェットヘッド101が図外の搬出装置へ移載され、コンプライアンス基板133およびノズルプレート114の接着接合が行われる。なお、本実施形態に係るインクジェットヘッド101の製造においては、第1実施形態ないし第3実施形態に用いたレーザ加工装置1を用いてもよい。
【0069】
本発明に係るレーザ加工方法を適用した例として、インクジェットヘッド101の製造工程について説明したが、液晶表示装置や有機EL装置の製造に用いられる機能液滴吐出ヘッド等、他の液滴吐出ヘッドの製造にも適用することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明のレーザ加工方法およびレーザ加工装置によれば、一方の部材に対し、他方の部材の端面に沿ってレーザ光を照射して、その端面による境界線(投影線)に沿って一方の部材を切断しても、一方の部材の飛散物が加工対象物の表面に固着することなく、その端面による境界線(投影線)に沿って切断することができる。したがって、高品質な加工対象物を提供することができる。
【0071】
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法および液滴吐出ヘッドによれば、上記のレーザ加工装置により薄膜ピエゾを切断除去するため、共通液体室とキャビティとを連通する連通部を精度良く形成することができる。したがって、吐出性能に優れた液滴吐出ヘッドを製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)第1実施形態に係るレーザ加工方法を概念的に示した正面図、(b)第1実施形態に係るレーザ加工方法を概念的に示した平面図である。
【図2】(a)第2実施形態に係るレーザ加工方法を概念的に示した正面図、(b)第2実施形態に係るレーザ加工方法を概念的に示した平面図である。
【図3】(a)第3実施形態に係るレーザ加工方法を概念的に示した正面図、(b)第3実施形態に係るレーザ加工方法を概念的に示した平面図である。
【図4】実施形態に係るインクジェットヘッドの分解斜視図である。
【図5】実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図6】第4実施形態に係るレーザ加工装置の概略図である。
【符号の説明】
1 レーザ加工装置 11 レーザ発生装置
14 液流発生装置 16 純水
26 レーザ光 27 焦点
28 スポット 101 インクジェットヘッド
111 封止基板 112 薄膜ピエゾ
113 アクチュエータ基板 116 端面
121 連通部 131 共通インク室
171 連通口 201 金属薄膜
202 シリコン基板 L 光軸

Claims (13)

  1. 第1部材およびその上側に配設された第2部材を備えた加工対象物に対して、前記第2部材の端面に沿ってレーザ光を照射して、前記第1部材を切断するレーザ加工方法において、
    前記レーザ光は、前記第2部材に対する吸収率に比して、前記第1部材に対する吸収率が高く、
    前記加工対象物の上面および下面の少なくとも一方を液流にさらした状態で前記レーザ光を照射することを特徴とするレーザ加工方法。
  2. 前記第2部材は、前記第1部材の上側に積層されており、
    前記第2部材を前記第1部材と積層した状態で、前記第2部材の一部を除去して前記端面を形成したことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工方法。
  3. 前記加工対象物は、第1部材の下側に積層された第3部材を、さらに備え、
    前記第3部材は、前記第1部材および前記第2部材と積層した状態で、一部が除去されて前記第2部材の前記端面に沿った端面を形成しており、
    前記レーザ光は、前記第3部材に対する吸収率に比して、前記第1部材に対する吸収率が高いことを特徴とする請求項2に記載のレーザ加工方法。
  4. 互いの端面で接合した第1部材および第2部材を備えた加工対象物に対して、前記第1部材と前記第2部材との接合面に沿ってレーザ光を照射して、前記第1部材を前記第2部材から切断するレーザ加工方法において、
    前記レーザ光は、前記第2部材に対する吸収率に比して前記第1部材に対する吸収率が高く、
    前記加工対象物の上面および下面の少なくとも一方を液流にさらした状態で前記レーザ光を照射することを特徴とするレーザ加工方法。
  5. 前記第1部材に対し前記レーザ光を光軸方向に焦点位置をずらして照射することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のレーザ加工方法。
  6. 前記液流が純水の液流であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のレーザ加工方法。
  7. 前記レーザ光を、前記液流の液面上に配置された光透過板を通して照射することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のレーザ加工方法。
  8. 第1部材およびその上側に配設された第2部材を備えた加工対象物に対して、前記第2部材の端面に沿ってレーザ発生手段によりレーザ光を照射して、前記第1部材を切断するレーザ加工装置において、
    液体を収容する液体収容手段と、
    前記加工対象物の上面および下面の少なくとも一方に沿って前記液体による液流を発生させる液流発生手段と、を備え、
    前記レーザ光は、前記第2部材に対する吸収率に比して、前記第1部材に対する吸収率が高いことを特徴とするレーザ加工装置。
  9. 前記第2部材は、前記第1部材の上側に積層されており、
    前記第2部材を前記第1部材と積層した状態で、前記第2部材の一部を除去して前記端面を形成したことを特徴とする請求項8に記載のレーザ加工装置。
  10. 前記加工対象物は、第1部材の下側に積層された第3部材を、さらに備え、
    前記第3部材は、前記第1部材および前記第2部材と積層した状態で、一部が除去されて前記第2部材の前記端面に沿った端面が形成されており、
    前記レーザ光は、前記第3部材に対する吸収率に比して、前記第1部材に対する吸収率が高いことを特徴とする請求項9に記載のレーザ加工装置。
  11. 互いの端面で接合した第1部材および第2部材を備えた加工対象物に対して、前記第1部材と前記第2部材との接合面に沿ってレーザ発生手段によりレーザ光を照射して、前記第1部材を前記第2部材から切断するレーザ加工装置において、
    液体を収容する液体収容手段と、
    前記加工対象物の上面および下面の少なくとも一方に沿って前記液体による液流を発生させる液流発生手段と、を備え、
    前記レーザ光は、前記第2部材に対する吸収率に比して、前記第1部材に対する吸収率が高いことを特徴とするレーザ加工装置。
  12. 請求項10に記載のレーザ加工装置により加工する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記第1部材は、複数材料から成る多層膜であり、
    前記第2部材は、シリコン単結晶からなる封止基板であって、前記第2部材の前記端面が、複数のノズルから吐出する液体の供給を外部より受ける共通液体室を形成しており、
    前記第3部材は、シリコン単結晶からなるアクチュエータ基板であって、前記第3部材の前記端面が、前記複数のノズルに連なるキャビティを形成しており、
    前記レーザ光により前記多層膜を切断して、前記共通液体室と前記キャビティとを連通する連通部を、形成することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  13. 請求項10に記載のレーザ加工装置により加工した液滴吐出ヘッドであって、
    前記第1部材は、複数材料から成る多層膜であり、
    前記第2部材は、シリコン単結晶からなる封止基板であって、前記第2部材の前記端面が、複数のノズルから吐出する液体の供給を外部より受ける共通液体室を形成しており、
    前記第3部材は、シリコン単結晶からなるアクチュエータ基板であって、前記第3部材の前記端面が、前記複数のノズルに連なるキャビティを形成しており、
    前記レーザ光により前記多層膜を切断して、前記共通液体室と前記キャビティとを連通する連通部を、形成したことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
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