JP2005034737A - ガソリン留分の水素化脱硫触媒および水素化脱硫方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ガソリンの重要な構成基材の一つである接触分解ガソリン留分を水素化脱硫する際に、副反応として起こるオレフィンの水素化を十分に抑制してオクタン価を維持し、しかも、水素化脱硫後の接触分解ガソリン留分中の硫黄分を十分に低減することができるような、十分に高い選択的水素化脱硫能を有するガソリン留分の水素化脱硫触媒を提供する。
【解決手段】 接触分解ガソリンを水素化脱硫する際に、アルミナを主成分とする担体を、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、銅及び亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属の酸化物により修飾し、活性金属として6A族金属及び8族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属を担持した水素化脱硫触媒を用いることにより上記課題が解決できる。
【選択図】 なし

Description

本発明はオクタン価の低下を十分に抑えることができ、しかも高い選択的水素化脱硫能を有するガソリン留分の水素化脱硫触媒と水素化脱硫方法に関する。
現在、二酸化炭素に代表される地球温暖化ガスについては、国内外で排出規制の枠組み作りが進んでおり、その削減対策はますます重要な課題となりつつある。その削減対策の一つとして、ガソリンエンジンを搭載した輸送用内燃機関からの二酸化炭素排出を抑制することが挙げられるが、これを実現するためにはエンジンの燃費向上が必須条件となる。そこで、比較的燃費を向上させることができるエンジンシステムである直噴エンジン若しくはリーンバーンエンジンなどの新システムの普及が、今後一層推進されると考えられる。
しかしながら、これらの新システムにおいて、従来の排ガス中NOx除去触媒である三元触媒を用いると、NOxを十分に除去できない等の問題がある。このような問題を受けて、新たなNOx除去触媒が提案されているが、それらのNOx除去触媒は概して硫黄により被毒されやすく、それによりNOx除去活性が低下してしまう。そのため、ガソリン燃料そのものの低硫黄化が必要となってきており、最近では硫黄分10質量ppm以下のガソリン(いわゆるサルファーフリーガソリン)の必要性が議論されつつある。
ところで、ガソリン基材の製造方法としては、原油の蒸留によって得られる直留ガソリン留分の改質によって得られるガソリン留分、或いは重質油の分解によって得られるガソリン留分を適宜処理することが挙げられる。これらのうち、流動接触分解装置(FCC)より得られる接触分解ガソリン留分は、直留ガソリンに比べてオレフィン分、芳香族分に富み、オクタン価が高いという特徴がある。
しかしながら、オレフィン分を含むガソリン留分を水素化脱硫しようとした場合、水素化脱硫反応と共にオレフィンの水素化反応が同時に進行してしまうため、水素化脱硫プロセスを経由したガソリン留分のオクタン価が低下してしまうという大きな課題があった。そこで、このような接触分解ガソリン留分を含むガソリン留分の水素化脱硫プロセスは、オレフィン分の水素化反応を抑制して水素化脱硫反応のみを促進するような選択性を有する、いわゆる「選択的水素化脱硫プロセス」であることを要求されている。
上述した選択的水素化脱硫プロセスの要求に応えるために、例えば特許文献1には、水素化処理した後、接触改質工程あるいは異性化工程等を経ることにより、上記水素化処理で低下したオクタン価を回復させる方法が記載されている。また、特許文献2には、不飽和硫黄含有化合物の水素化工程と、飽和硫黄含有化合物の分解工程とを経てガソリン留分を製造する方法が記載されている。この他にもMoとCoの担持量および担体の表面積を制御した触媒を用いる方法(特許文献3参照)、ゼオライト触媒と組み合わることによりオクタン価の低下を防止する方法(特許文献4参照)及び一定の前処理を施した触媒を使用する方法(特許文献5参照)が提案されている。
特表平6−509830号公報 特開2000−239668号公報 特表2000−505358号公報 米国特許第5352354号明細書 米国特許第4149965号明細書
しかしながら、本発明者らが、これらの特許文献に記載された従来技術について詳細に検討を行ったところ、これらの従来技術では、ガソリン留分中の硫黄分を10質量ppm以下に低減できたとしても、オクタン価の低下を十分に抑制できないことが明らかになった。また、これらの従来技術は、特殊な装置構成を必要とし、さらに工程毎に運転条件を管理しなければならないので、設備投資にかかるコストなどを考慮すると必ずしも効率的とはいえないことも判明した。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ガソリンの重要な構成基材の一つである接触分解ガソリン留分を水素化脱硫する際に、副反応として起こるオレフィンの水素化を十分に抑制してオクタン価を維持し、しかも、水素化脱硫後の接触分解ガソリン留分中の硫黄分を十分に低減することができるような、十分に高い選択的水素化脱硫能を有するガソリン留分の水素化脱硫触媒および水素化脱硫方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、担体を特定の金属酸化物で修飾した触媒をガソリン留分の水素化脱硫プロセスに用いることにより、水素化脱硫反応を阻害することなくオレフィンの水素化のみを十分に抑制しうることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明のガソリン留分の水素化脱硫触媒は、アルミナを主成分とする担体と、該担体を修飾するイットリウム、スカンジウム及びランタノイド系金属からなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属を有する金属酸化物と、該担体上に担持された、6A族金属及び8族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種類の活性金属とを含むことを特徴とする。このとき、担体の質量に対する上記金属酸化物の質量の割合が、1〜30質量%であることがより好ましい。
また、上記金属酸化物としてイットリウム、ランタン、セリウム、ネオジム、サマリウム及びイッテルビウムからなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属を有する金属酸化物を用いると好ましく、イットリウム、セリウム及びイッテルビウムからなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属を有する金属酸化物を用いるとより好ましく、酸化イッテルビウムを用いるとさらに好ましい。このような金属酸化物を用いたガソリン留分の水素化脱硫触媒は、極めて高い水素化脱硫選択性を示す傾向にある。
さらに、本発明のガソリン留分の水素化脱硫触媒は、接触分解ガソリン留分を70容量%以上含有するガソリン留分の水素化脱硫に用いられると、その効果を一層発揮することができるので好ましい。
また、その水素化脱硫触媒が、活性金属として、6A族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属を、該水素化脱硫触媒の質量に対し金属酸化物換算で10〜20質量%担持してなり、且つ、8族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属を、該水素化脱硫触媒の質量に対し金属酸化物換算で3〜6質量%担持してなることが好ましい。
また、該水素化脱硫触媒は、アルミナ前駆体に上記金属酸化物を添加した後に焼成して該金属酸化物により修飾された担体を得、該担体に上記活性金属を担持することにより得られると好ましい。
本発明の水素化脱硫触媒が、どのような要因により高い水素化脱硫選択性を示すかは現在のところ明らかにはされていないが、本発明者らは以下のように考えている。すなわち、担体の修飾に用いた金属酸化物がオレフィンの水素化活性点と選択的に相互作用することにより、その活性を抑制しているとともに、脱硫率を低下させる原因の一つであるメルカプタン生成を引き起こす副生硫化水素の反応を阻害していることが考えられる。ただし、要因はこれに限らない。
また、本発明のガソリン留分の水素化脱硫方法は、上述したガソリン留分の水素化脱硫触媒の存在下、該触媒が脱硫率90%以上及びオレフィン水素化率40%以下の活性を示すように、反応圧力1〜5MPa、LHSV1〜10h-1、反応温度190〜300℃、水素/油比100〜600NL/Lの反応条件下でガソリン留分を水素化処理することを特徴とする。このとき、得られる生成油中の硫黄分が10質量ppm以下となると好ましい。
以上説明したように、本発明の水素化脱硫触媒及びそれを用いた水素化脱硫方法によれば、特にオレフィン分を多く含む接触分解ガソリン留分を含有する原料油を水素化脱硫する場合に、オレフィン水素化反応を抑制することにより、オクタン価の低下を十分に抑制することができる。これにより、該水素化脱硫触媒及び該水素化脱硫方法は、水素化脱硫反応について高い選択性を有することができる。したがって、本発明の水素化脱硫触媒及びそれを用いた水素化脱硫方法を採用することによって、硫黄分の含有量が10質量ppm以下のサルファーフリーガソリンを製造できるガソリン基材を、過大な設備投資をすることなく効率よく製造することが可能になる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
まず、本発明のガソリン留分の水素化脱硫触媒(以下、単に「脱硫触媒」という。)の一実施形態について説明する。本実施形態の脱硫触媒は、その担体として、触媒の比表面積を大きくする観点から、アルミナを主成分とする。このアルミナは、多孔質であるγ−アルミナ(γ−Al23)であると好ましいが、α−アルミナ、β−アルミナ、非晶質アルミナなどであってもよい。
また、担体には、このほかにもシリカ(SiO2)、シリカアルミナ(SiO2/Al23)、ボリア(B23)、チタニア(TiO2)、マグネシア(MgO)またはこれらの複合酸化物等を含んでもよく、またリンを含有してもよい。これらの含有量は担体質量に対して5質量%以下であることが好ましい。これらの含有量が担体質量に対して5質量%より多い場合は、脱硫触媒上に酸性質を発現することによりコーク生成を促進するために、該脱硫触媒の水素化脱硫活性に影響が生じる。
担体の主な成分であるアルミナは、アルミニウム塩とアルミン酸塩を中和または加水分解する方法、あるいはアルミニウムアマルガムまたはアルミニウムアルコレートを加水分解する方法のいずれの方法からのアルミナ中間体を経由してもよく、これらの方法以外に市販のアルミナ中間体やベーマイトパウダーを前駆体として使用してもよい。
本実施形態の脱硫触媒の担体は、イットリウム、スカンジウム及びランタノイド系金属からなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属を有する金属酸化物により修飾される。これらのなかで、本実施形態の脱硫触媒の担体は、イットリウム、ランタン、セリウム、ネオジム、サマリウム及びイッテルビウムからなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属を有する金属酸化物により修飾されると好ましく、イットリウム、セリウム及びイッテルビウムからなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属を有する金属酸化物により修飾されるとより好ましく、酸化イッテルビウムにより修飾されるとさらに好ましい。これらの金属酸化物の質量の割合は、担体の質量に対し0.3〜30質量%であると好ましく、0.5〜20質量%であるとより好ましく、0.7〜10質量%であるとさらに好ましく、0.9〜5質量%であると特に好ましい。該金属酸化物の質量の割合が30質量%より多い場合には、脱硫触媒の水素化脱硫活性が低下する傾向にあり、0.3質量%より少ない場合には、修飾による水素化脱硫選択性の向上が認められない傾向にある。
本実施形態において、脱硫触媒がどのような機構で高い選択性を示すか明らかではないが、例えば、上述したような金属酸化物がオレフィンの水素化活性点と選択的に相互作用し、その活性を抑制するとともに、脱硫率を低下させる要因の一つであるメルカプタン生成を引き起こす副生硫化水素の反応を阻害していることが考えられる。
本実施形態の脱硫触媒は、活性金属として、6A族金属及び8族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属を担持してなるものである。その際、6A族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属と、8族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属とを担持してなると好ましい。そのような活性金属の組み合わせとしては、具体的には、例えばコバルト−モリブデン、ニッケル−モリブデン、コバルト−タングステン、ニッケル−タングステン、コバルト−ニッケル−モリブデンなどの組み合わせが挙げられる。これらのうち、特にコバルト−モリブデンの組み合わせは、水素化脱硫活性が特に高い傾向にあり、しかも、オレフィン水素化反応を抑制できる傾向にあるので、より好ましい。
このような活性金属の担持量は特に限定されないが、脱硫触媒質量に対し金属酸化物換算で、6A族金属が10〜20質量%、8族金属が3〜6質量%であると好ましく、6A族金属が12〜18質量%、8族金属が3.5〜5.5質量%であるとより好ましく、6A族金属が13〜17質量%、8族金属が4〜5.3質量%であるとさらに好ましい。
上述した本実施形態の脱硫触媒は、従来の方法により調製でき、例えば以下のようにして調製される。まず、担体を得るために、従来の方法により得られるアルミナゲル含有液、ベーマイトパウダー、アルミナ懸濁液あるいは捏和物などの「アルミナ前駆体」を準備する。次いで、担体を修飾する金属酸化物を導入するために、その金属の酢酸塩、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、ナフテン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩あるいは各種配位化合物などを水あるいは有機溶剤に溶解したものを、上記アルミナ前駆体に添加あるいは共沈等の方法により配合する。これらのなかで、酢酸塩もしくは硝酸塩を用いると好ましく、酢酸塩を用いるとさらに好ましい。なお、硫酸塩若しくは塩化物の対アニオンが微量に残存すると、アルミナ表面の酸性質を変性させ、水素化脱硫選択性に影響を及ぼすことがある。この配合物を必要に応じて混練、乾燥、成形、焼成等することにより担体を得る。なお、担体を修飾する金属酸化物は、担体を焼成した後に、その金属の酢酸塩、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、ナフテン酸塩あるいは各種配位化合物などを水あるいは有機溶剤に溶解したものを担体に含浸等することにより導入してもよい。
なお、これらの金属酸化物による担体の修飾は、6A族金属または8族金属によって構成される活性点をこれら金属酸化物が被覆し、脱硫活性を低下させることを防ぐ観点から、下述する6A族金属または8族金属の含浸担持よりも前に行うことが好ましい。
次いで、活性金属の原料として、その活性金属の炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、有機酸塩若しくは酸化物の水溶液または水溶性有機溶媒を用いたもの若しくは非水溶性有機溶媒を用いたものを、含浸法もしくはイオン交換法などの通常の水素化脱硫触媒で用いられる担持法により担体に担持する。なお、複数の金属を担持する場合には混合溶液を用いて同時に担持してもよく、または単独溶液を用いて逐次担持してもよい。担体への活性金属の担持は担体の全調製工程の終了後に行ってもよく、あるいは、担体の調製の中間工程において適当な酸化物、複合酸化物、ゼオライト等に活性金属を担持した後、ゲル調合工程、加熱圧縮、混練等の工程を行ってもよいが、担体の全調製工程の終了後に行うことが好ましい。そして、活性金属を含浸担持したものを所望条件で焼成することにより、本実施形態の脱硫触媒を得ることができる。
本実施形態の脱硫触媒は、従来方法と同様に、上述した脱硫触媒調製の際の種々の条件を変化させることにより、その平均細孔径、細孔容積若しくは比表面積を調整することができる。
該脱硫触媒の平均細孔径は、3〜10nmであると好ましく、5〜9nmであるとより好ましい。平均細孔径が3nmより小さい場合は、反応分子が細孔内で十分拡散しない傾向にあり、10nmより大きい場合は、脱硫触媒の表面積が減少するため活性の低下に繋がる傾向にある。
また、本実施形態の脱硫触媒の細孔容積は、0.3mL/g以上であると好ましい。細孔容積がこれより小さい場合は、脱硫触媒への金属含浸操作が困難となる傾向にある。
さらに、該脱硫触媒の比表面積は200m2/g以上であることが好ましい。脱硫触媒の活性の観点から、この比表面積はできるだけ高い値となる方がよいが、200m2/gより小さくなる場合、活性金属を担持できる面積が低下するので、特に活性低下に繋がる傾向にある。なお、脱硫触媒の比表面積および細孔容積測定は、BET法に基づく窒素ガス吸着法により求められ、平均細孔径は、比表面積および細孔容積より算出される。
本実施形態の脱硫触媒は、一般的な水素化脱硫触媒と同様の方法で予備硫化した後に、水素化脱硫プロセスの脱硫触媒として用いることができる。この予備硫化方法は、例えば、直留ナフサもしくは硫化剤またはこれらの混合物をその脱硫触媒に流通させ、水素加圧条件の下、180℃以上の熱を所定の手順に従って与えることにより行われる。この予備硫化により脱硫触媒上の活性金属が硫化された状態となりその水素化脱硫活性を発揮できるようになる。硫化剤としては、一般的にジメチルジサルファイドもしくはポリサルファイドなどの硫黄化合物が用いられる。なお、脱硫触媒は、水素化脱硫プロセスの触媒層に充填されるよりも前に、予め硫化処理を施されてもよく、含硫黄、含酸素あるいは含窒素有機溶剤による活性化処理を施されてもよい。
上述したような本実施形態の触媒は、ガソリン留分中の硫黄分を水素化脱硫反応により十分に除去する一方で、オレフィン分の水素化を十分に抑制することができる、高水素化脱硫選性を有している。したがって、該触媒を用いて得られるガソリン留分は、サルファーフリーガソリンの要求に十分に応えることができ、しかも、オクタン価を低下させることなく十分に高く維持することができる。
次に、本発明のガソリン留分の水素化脱硫方法(以下、単に「脱硫方法」という。)の一実施形態について説明する。本実施形態の脱硫方法は、原料油として用いるガソリン留分を、所定の反応条件の下、水素ガスと共に本発明の水素化脱硫触媒を充填した触媒層に通過させることにより水素化処理を行い、生成油を得るものである。
本実施形態において原料油として用いられるガソリン留分は、脱硫触媒の作用効果を一層発揮する観点から、流動接触分解装置(FCC)から留出されるガソリン留分を含有すると好ましい。該ガソリン留分中には通常、約10〜1000質量ppmの硫黄分が含有されている。該硫黄分としては、例えば、チオフェン、アルキルチオフェン、ベンゾチオフェン、アルキルベンゾチオフェン、チアシクロペンタン、アルキルチアシクロペンタン、メルカプタン化合物若しくはスルファイド化合物などが挙げられる。また、該ガソリン留分に含有されるオレフィン分としては、n−オレフィン若しくはイソオレフィンが挙げられる。
ガソリン留分は、硫黄分を250質量ppm以下含有すると好ましく、200質量ppm以下含有するとより好ましい。硫黄分の含有量が250質量ppmより多い場合は、より高い脱硫率が必要となるため、反応温度を高くするなどの調整を行うことにより、結果としてオレフィンの水素化が進行する傾向にある。
ガソリン留分中のオレフィン分の含有量は、10〜50容量%であると好ましく、15〜45容量%であるとより好ましく、20〜40容量%であるとさらに好ましい。オレフィン分の含有量が10容量%より少ない場合は、本発明の作用効果を十分に発揮することができない傾向にある。オレフィン分の含有量が50容量%より多い場合は、オレフィン水素化反応を十分に抑制することができない傾向にあり、また、チオフェン化合物の脱硫に伴い副生する硫化水素のオレフィンへの付加反応が進行するため、水素化脱硫反応が十分に進まなくなる傾向にある。
本実施形態に用いられる原料油は、このほかに常圧蒸留装置から得られるガソリン留分、各種水素化精製装置から生成するガソリン留分、あるいは熱分解によって生成するガソリン留分などの沸点30〜250℃程度の留分を含んでいてもよい。この場合、該原料油は、本発明の作用効果を一層発揮する観点から、接触分解ガソリン留分を70容量%以上含有すると好ましく、80容量%以上含有するとより好ましい。接触分解ガソリン留分が、70容量%より少ない場合には、原料油中のオレフィン分の含有量が少ないため、本発明の作用効果を十分に発揮できない傾向にある。
また本実施形態に用いられる原料油のガソリン留分の沸点範囲は、通常のガソリン留分の沸点範囲であれば特に限定されないが、初留点が30℃以上であり、終点が250℃以下であると好ましい。初留点が30℃より低いと、JIS K2202「自動車ガソリン」に定めるガソリン規格のうち蒸気圧や蒸留性状の規格を満たすことが困難になる傾向にあり、終点が250℃以下であると、同じくJIS K2202に定めるガソリン規格のうち蒸気圧の規格を満たすことが難しく、さらに脱硫反応性の低い高沸点化合物の含有量が増加するために、脱硫そのものが困難となる傾向にある。
なお、本明細書における「硫黄分の含有量」は、JIS K2541「硫黄分試験方法」またはASTM−D5453に記載の方法に準拠して測定される、ガソリン留分全量を基準とした硫黄分の質量含有量を意味する。また、「脱硫率」は、原料油中の硫黄分含有量をS0とし、生成油中の硫黄分含有量をSとすると、下記式(1)により定義されるものである。
(脱硫率)<%>=100−(S/S0)×100 …(1)
「オレフィン分の含有量」は、JIS K2605「石油製品-臭素価試験方法-電気滴定法」またはASTM−D1492に記載の方法に準拠して測定される、ガソリン留分を基準とした臭素価から推算したものを意味する。また、原料油中のオレフィン分がどれだけ水素化されたかを示す「オレフィン水素化率」は、原料油の臭素価をB0とし、生成油の臭素価をBとすると、下記式(2)により定義される。
(オレフィン水素化率)<%>=100−(B/B0)×100 …(2)
ガソリン留分のオクタン価はリサーチ法により測定され、より詳しくはJIS K2280「オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」またはASTM−D2699に記載の方法に準拠して測定される。
原料油に用いられる接触分解ガソリン留分は、その重質ガソリン留分(高沸点留分)に比較的硫黄分が多く含まれる一方、その軽質ガソリン留分(低沸点留分)にオレフィン分が比較的多く含まれる傾向にある。したがって、接触分解ガソリン留分をさらに軽質ガソリン留分と重質ガソリン留分に分留して、オレフィン分の含有量が比較的少ない重質ガソリン留分を原料油として用いてもよい。より具体的には、例えば、沸点30℃〜180℃までの軽質ガソリン留分と80℃〜250℃までの重質ガソリン留分に予め分留し、それらのうち重質ガソリン留分のみを上述した水素化脱硫触媒層に流通させることもできる。これによりガソリン留分の水素化脱硫をより効率的に行うことができる。
本実施形態の脱硫方法における反応圧力は、1〜5MPaであり、1〜3MPaであるとより好ましく、1.2〜2.5MPaであるとさらに好ましい。反応圧力が5MPaより高い場合は、副生する硫化水素が原料油中のオレフィンに付加しメルカプタン化合物を生成することによって脱硫率が低下する。反応圧力が1MPaより低い場合は、水素化脱硫反応が十分に進行しない。
本実施形態における触媒層中でのLHSV(液空間速度)は1〜10h-1であり、1.5〜8h-1であると好ましく、2〜5h-1であるとより好ましい。該LHSVが1h-1より低い場合は、オレフィンの水素化反応が促進されるため得られる生成油のオクタン価が低下してしまう。また、10h-1より高い場合は、水素化脱硫反応が進行しなくなる。
なお、「LHSV(liquid hourly space velocity;液空間速度)」とは、触媒が充填されている触媒層の容量当たりの、標準状態(25℃、101325Pa)における原料油の体積流量のことをいい、単位「h-1」は時間(hour)の逆数を示す。
また、触媒層における反応温度は190〜300℃であり、200〜295℃であるとより好ましく、210〜290℃であるとより好ましい。反応温度が190℃より低い場合は、十分な水素化脱硫を行うことができない。また、反応温度が300℃より高い場合は、オレフィン水素化反応が急速に進行し暴走反応を招く恐れがある。
さらに、原料油と随伴される水素ガスとの比率である水素/油比は100〜600NL/Lであり、200〜500NL/Lであると好ましく、250〜450NL/Lであるとより好ましい。水素/油比が100NL/Lより低い場合は、系内の硫化水素を十分に除去することができないため、硫化水素のオレフィンへの付加反応が抑制できない。また、水素/油比が600NL/Lより高い場合は、ガソリン留分と触媒とが十分に接触できないため所望の反応活性を得ることができず、また設備として膨大な設備投資に繋がり経済的に好ましくない。
なお、水素/油比における水素容量の単位である「NL」は、正規状態(0℃、101325Pa)における水素容量(L)を示す。
本実施形態においては、脱硫率を90%以上、より好ましくは93%以上とし、しかもオレフィン水素化率を40%以下とするように、上記範囲内で反応条件を調整する。これにより、生成油からサルファーフリーガソリンの基材を得ることができ、しかも、そのガソリン基材の高オクタン価を維持することができる。脱硫率或いはオレフィン水素化率が上記範囲内にない場合は、本発明の作用効果である高い水素化脱硫選択性の優位性が少なくなる。
本実施形態で得られる生成油は硫黄分の含有量が10質量ppm以下であると好ましく、5質量ppm以下であるとより好ましい。生成油中の硫黄分が10質量ppm以下となることにより、この生成油からサルファーフリーガソリンの基材を得ることができ、ガソリンエンジンの排気ガス清浄装置への影響を最小限に抑えることが可能となる。
このように原料油を水素化処理する装置はいかなる構成でもよく、触媒層を充填する反応塔は単独または複数を組み合わせてもよく、反応塔内の硫化水素濃度を下げる目的で、反応塔の前段あるいは複数の反応塔の間に気液分離設備やその他の硫化水素除去設備を有していてもよい。
また、本実施形態に用いる水素化処理装置の反応形式としては、固定床方式であってもよい。すなわち、水素は原料油に対して向流または並流のいずれの形式をとることもでき、また、複数の反応塔を有し向流、並流を組み合わせた形式のものでもよい。一般的な形式としてはダウンフローであり、気液双並流形式がある。反応塔は複数の触媒床で構成されてもよく、各触媒床の間には反応熱の除去、あるいは水素分圧を上げる目的で水素ガスを注入してもよい(クエンチ水素)。
本実施形態における脱硫方法においては、上述したように原料油と共に水素ガスを随伴するが、係る水素ガスの注入法としては、
(1)第一反応塔(原料油が最初に導入される反応塔)の入口、あるいは
(2)各触媒床の間や複数の反応塔を持つ場合には反応塔と反応塔との間から、
の二通りの注入法がある。本実施形態において(1)のみあるいは(1)と(2)の両方といったいずれの方法も採用することができるが、好ましくは(1)と(2)の両方から水素ガスを注入する方法が好ましい。そして、より確実に副生する硫化水素を除去し、効率よく水素化脱硫反応を進行させるためには、水素ガス全注入量のうち好ましくは90容量%以下は(1)から注入し、残りの水素ガスは(2)から注入することが好ましい。さらに、(1)から注入される水素ガス量が水素ガス全注入量のうち80容量%以下であることがより好ましく、70容量%以下であることがさらに好ましく、60容量%以下であることが特に好ましい。すなわち、(2)から注入される残りの水素ガスの量が多いほど水素ガスの添加効果がより効率良く発揮される傾向にある。なお、ここでいう第一反応塔の入口とは、原料油を所定の温度まで加熱する加熱炉の手前でもよく加熱炉の出口でもよい。
上述した本実施形態の脱硫方法は、生成油のなかに含まれる硫黄分を十分に低減することができるので、サルファーフリーガソリンを製造するのに極めて有用なものとなる。しかも、該脱硫方法は、特に接触分解ガソリン留分のオクタン価を低下させることなく、高いオクタン価を維持することができるので、極めて燃焼効率の優れたガソリンを提供することができる。したがって、本実施形態の脱硫方法により得られた生成油を用いて製造された製品ガソリンは、環境負荷の低減に貢献できるものとなる。
本実施形態の脱硫方法により得られた生成油は、原料油の硫黄分が比較的少ない場合若しくは二段からなる反応等を有する水素化脱硫装置を用いた場合などは、そのなかに含まれるメルカプタンなどのチオールの量が少ない傾向にあるので、後段でスイートニングをする必要がなくなる。ただし、該生成油がチオールを含有している場合もあるので、該水素化脱硫装置の反応塔の後段に、または、その水素化脱硫装置の後段にガソリンのスイートニング装置を設けることが好ましい。
本実施形態の脱硫方法を経て得られる接触分解ガソリンを含有するガソリン基材は、単独で製品ガソリンとして使用することもできるが、通常は他のガソリン基材と混合して製品ガソリンとするのが好ましい。他のガソリン基材としては、各種のものが使用でき、例えば、脱硫した直留ガソリン、熱分解ガソリン、接触改質ガソリン、異性化ガソリン、アルキル化ガソリン、接触改質ガソリンから芳香族炭化水素を抜いた残分(スルフォランラフィネート)等が挙げられる。
これらのなかで、接触分解ガソリン以外のガソリン基材として、リサーチ法オクタン価(RON)が95以上である接触改質ガソリンを使用することが好ましい。また、該接触改質ガソリンの製品ガソリン中に占める割合が、20〜50容量%となるように調合すると好ましい。この場合、本実施形態の脱硫方法を経て得られるガソリン基材の混合割合は60容量%以下であると好ましい。該ガソリン基材の混合割合を上述のような範囲にすることにより、硫黄分10質量ppm以下で、かつオレフィン分の含有量が10容量%以上であるオクタン価の高い良質の低硫黄製品ガソリンを大量に得ることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
スチームジャケット付き反応槽に硫酸アルミニウム水溶液400g(アルミナ濃度3.9質量%)と、アルミン酸ナトリウム500g(アルミナ濃度1.9質量%)を60℃に加熱しながら混合してアルミナ水和物スラリーを得た。スラリーをろ過洗浄した後、27%アンモニア水溶液を50mlおよび蒸留水100mlを加え90℃で12時間撹拌し、アルミナ濃度24%のアルミナ水和物を得た。得られた水和物を、その温度を95℃に維持しながら濃縮・混練した後に、酢酸イッテルビウム四水和物9.6gを含む水溶液200mLを添加した。混練後、1/16インチ柱状に押し出し成形し、110℃で2時間乾燥し、550℃で1時間焼成することにより担体を得た。担体に含まれていたイッテルビウムは酸化物質量換算で1.0質量%であった。
続いて、モリブデン酸アンモニウム((NH46Mo724・4H2O)150gに水330mLを加えて加熱溶解し、この水溶液に塩基性炭酸ニッケル(NiCO3・2Ni(OH)2・4H2O)69gを加えて含浸液を調製した。そして、上記担体500gにポアフィリング(pore-filling)法により含浸担持した後、550℃で2時間焼成した。このようにして得られた触媒の比表面積は250m3/g、細孔容積は0.48mL/gであった。また、金属担持量は、NiがNiO換算で4.9質量%、MoがMoO3換算で14.9質量%であった。
得られた触媒50gを固定床ダウンフロー式ベンチ反応装置に充填し、5容量%の硫化水素を含む水素気流中で温度を徐々に300℃まで上昇させて4時間予備硫化した。次いで、温度を230℃まで降温し、15℃における密度が0.733g/cm3、沸点が31〜198℃、RONが91、硫黄分が90質量ppm及びオレフィン分が36容量%の接触分解ガソリンを通油して、温度を240℃、圧力を2MPa、LHSVを4h-1、水素/油比を250NL/Lの条件にして水素化脱硫を行った。その結果、得られた生成油中の硫黄分は3.0質量ppm(脱硫率97%)となり、オレフィン水素化率は11%(RONは90)となった。
(実施例2)
酢酸イッテルビウム四水和物9.6gの代わりに酢酸イットリウム四水和物13.0gを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして触媒を調製した。担体に含まれるイットリウムは酸化物重量換算で1.1質量%であり、触媒の比表面積は245m3/g、細孔容積は0.44mL/gであった。また、金属担持量はNiがNiO換算で4.9質量%、MoがMoO3換算で14.9質量%であった。
得られた触媒50gを実施例1と同様にして予備硫化した。その後、実施例1と同様の反応条件の下、水素化脱硫を行った。その結果、得られた生成油中の硫黄分は3.3質量ppm(脱硫率96%)となり、オレフィン水素化率は12%(RONは90)となった。
(実施例3)
酢酸イッテルビウム四水和物9.6gの代わりに酢酸セリウム一水和物10.3gを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして触媒を調製した。担体に含まれるセリウムは酸化物重量換算で1.2質量%であり、触媒の比表面積は240m3/g、細孔容積は0.46mL/gであった。また、金属担持量はNiがNiO換算で4.7質量%、MoがMoO3換算で14.7質量%であった。
得られた触媒50gを実施例1と同様にして予備硫化した。その後、実施例1と同様の反応条件の下、水素化脱硫を行った。その結果、得られた生成油中の硫黄分は4.1質量ppm(脱硫率95%)となり、オレフィン水素化率は14%(RONは89)となった。
(実施例4)
実施例1と同様にしてアルミナ水和物を調製し、これを95℃に維持しながら濃縮・混練した後、1/16インチ柱状に押し出し成形し、110℃で2時間乾燥し、550℃で1時間焼成することにより担体を得た。得られた担体500gに酢酸イッテルビウム四水和物5.4gを含む水溶液310mLをポアフィリング法により含浸担持した後、担体を550℃で1時間焼成した。担体に含まれていたイッテルビウムは酸化物重量換算で1.2質量%であった。
続いて、モリブデン酸アンモニウム((NH46Mo724・4H2O)100gに水220mLを加えて加熱溶解し、この水溶液に塩基性炭酸ニッケル(NiCO3・2Ni(OH)2・4H2O)46gを加えて含浸液を調製した。そして、上記担体330gにポアフィリング法により含浸担持した後、550℃で2時間焼成した。このようにして得られた触媒の比表面積は250m3/g、細孔容積は0.48mL/gであった。また、金属担持量はNiがNiO換算で5.1質量%、MoがMoO3換算で14.9質量%であった。
得られた触媒50gを実施例1と同様にして予備硫化した。その後、実施例1と同様の反応条件の下、水素化脱硫を行った。その結果、得られた生成油中の硫黄分は4.8質量ppm(脱硫率95%)となり、オレフィン水素化率は16%(RONは88)となった。
(比較例1)
酢酸イッテルビウム四水和物を含む水溶液を添加しなかった以外は、実施例4と同様にしてアルミナ担体を得た。次いで、モリブデン酸アンモニウム((NH46Mo724・4H2O)150gに水330mLを加えて加熱溶解し、この水溶液に塩基性炭酸ニッケル(NiCO3・2Ni(OH)2・4H2O)69gを加えて含浸液を調製した。そして、上記担体500gにポアフィリング法により含浸担持した後、550℃で2時間焼成した。得られた触媒の表面積は235m3/g、細孔容積は0.46mL/gであった。また、金属担持量はNiがNiO換算で4.8質量%、MoがMoO3換算で14.8質量%であった。
得られた触媒50gを実施例1と同様にして予備硫化した。その後、実施例1と同様の反応条件の下、水素化脱硫を行った。その結果、得られた生成油中の硫黄分は10.5質量ppm(脱硫率88%)となり、オレフィン水素化率は44%(RONは78)となった。

Claims (10)

  1. アルミナを主成分とする担体と、
    前記担体を修飾するイットリウム、スカンジウム及びランタノイド系金属からなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属を有する金属酸化物と、
    前記担体上に担持された、6A族金属及び8族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種類の活性金属と、を含むことを特徴とする、ガソリン留分の水素化脱硫触媒。
  2. 接触分解ガソリン留分を70容量%以上含有するガソリン留分の水素化脱硫に用いられることを特徴とする請求項1に記載のガソリン留分の水素化脱硫触媒。
  3. 前記担体の質量に対する前記金属酸化物の質量の割合が、1〜30質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載のガソリン留分の水素化脱硫触媒。
  4. 前記金属酸化物が、イットリウム、ランタン、セリウム、ネオジム、サマリウム及びイッテルビウムからなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属を有する金属酸化物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガソリン留分の水素化脱硫触媒。
  5. 前記金属酸化物が、イットリウム、セリウム及びイッテルビウムからなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属を有する金属酸化物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガソリン留分の水素化脱硫触媒。
  6. 前記金属酸化物が、酸化イッテルビウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガソリン留分の水素化脱硫触媒。
  7. 前記活性金属として、6A族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属を、前記水素化脱硫触媒の質量に対し金属酸化物換算で10〜20質量%担持してなり、且つ、8族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属を、前記水素化脱硫触媒の質量に対し金属酸化物換算で3〜6質量%担持してなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のガソリン留分の水素化脱硫触媒。
  8. アルミナ前駆体に前記金属酸化物を添加した後に焼成して前記金属酸化物により修飾された前記担体を得、該担体に前記活性金属を担持することにより得られることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のガソリン留分の水素化脱硫触媒。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のガソリン留分の水素化脱硫触媒の存在下、該触媒が脱硫率90%以上及びオレフィン水素化率40%以下の活性を示すように、反応圧力1〜5MPa、LHSV1〜10h-1、反応温度190〜300℃、水素/油比100〜600NL/Lの反応条件下でガソリン留分を水素化処理することを特徴とするガソリン留分の水素化脱硫方法。
  10. 生成油中の硫黄分が10質量ppm以下となることを特徴とする請求項9記載のガソリン留分の水素化脱硫方法。
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