JP2005034705A - 吸着材の再生方法及び再生装置 - Google Patents

吸着材の再生方法及び再生装置 Download PDF

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JP2005034705A JP2003198122A JP2003198122A JP2005034705A JP 2005034705 A JP2005034705 A JP 2005034705A JP 2003198122 A JP2003198122 A JP 2003198122A JP 2003198122 A JP2003198122 A JP 2003198122A JP 2005034705 A JP2005034705 A JP 2005034705A
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Tomoaki Sugiyama
友章 杉山
Kiyoshi Tatsuhara
潔 龍原
Akinori Yasutake
昭典 安武
Takafuru Kobayashi
敬古 小林
Takashi Kurisaki
隆 栗崎
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Abstract

【課題】簡易な方法によって効率的に被吸着物を脱着できる吸着材の再生方法及び再生装置を提供する。
【解決手段】本発明にかかる再生処理装置は、電解液10が満たされてなる電解槽11と、上記電解液10内に浸漬され、使用済吸着材からなる陽極12と、該使用済吸着材からなる陽極12と対となる陰極13とからなる電極手段14と、上記電極手段14に電圧を印加する電源15とを具備し、酸化還元反応により、被吸着物をイオンとして吸着材から分離させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガス処理に使用した使用済の吸着材の再生方法及び再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
気相中あるいは液相中に存在する不純物、臭気物質、着色物質、有害物質等の除去、並びに気体および液体の分離等に従来から活性炭が使用されている。
近年、高次化学商品の製造、環境問題、低公害化、衛生管理、健康問題等の理由から、高品質の濾過材、吸着材等が各分野において要求される傾向にある。これに伴い、吸脱着性能の高い優れた多孔質構造体が要求されている。
【0003】
このような多孔質構造体としては、従来より活性炭や活性炭素繊維等の炭素材料を挙げることができ、このような吸着材を用いて、ボイラ等からの排ガスを処理して活性が低下した活性炭には、水銀(Hg)やセレン(Se)等の重金属が吸着している。
【0004】
炭素材料を再利用しない場合には、燃焼処理することも提案されるが、水銀は気体となって飛散するので、再度水銀を吸着するためのフィルタが必要となる。
【0005】
また、従来では、活性炭等の吸着材の再生処理方法として、不活性ガス中において高温で加熱処理することが提案されている(特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−167395号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような提案では、加熱処理のために大掛かりな設備が必要となる、という問題がある。
【0008】
また、ボイラ等の排煙処理装置は大掛かりなものであるので、使用済みの吸着材の再利用は連続運転におけるコスト低廉のために重要であり、簡易な処理方法が切望されている。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑み、簡易な方法によって効率的に被吸着物を脱着できる吸着材の再生方法及び再生装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決する第1の発明は、使用済吸着材からなる電極と該電極と対となる対極とを電解液中に配してなり、両電極間に電圧を印加し、酸化還元反応によって、電解液側に被吸着物をイオン状態で溶出させることを特徴とする吸着材の再生方法にある。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、上記被吸着物が重金属又はフッ素であることを特徴とする吸着材の再生方法にある。
【0012】
第3の発明は、第2の発明において、上記被吸着物が水銀の場合、使用済吸着材からなる電極を陽極とすることを特徴とする吸着材の再生方法にある。
【0013】
第4の発明は、第3の発明において、上記電解液が硫酸であることを特徴とする吸着材の再生方法にある。
【0014】
第5の発明は、第1の発明において、上記被吸着物が水銀、又はセレンの場合、使用済吸着材からなる電極を陰極とすることを特徴とする吸着材の再生方法にある。
【0015】
第6の発明は、第5の発明において、上記電解液が塩化ナトリウム、塩化カリウム、又は炭酸ナトリウムのいずれかであることを特徴とする吸着材の再生方法にある。
【0016】
第7の発明は、第1乃至6のいずれか一つの発明において、上記電圧の陽、陰極分極走査を行うことを特徴とする吸着材の再生方法にある。
【0017】
第8の発明は、第7の発明において、上記電気分解により酸素又は水素を発生させつつ、被吸着物を吸着材から脱着することを特徴とする吸着材の再生方法にある。
【0018】
第9の発明は、第1乃至8のいずれか一つの発明において、上記使用済吸着材が排煙処理装置で使用してなる炭素材料であることを特徴とする吸着材の再生方法にある。
【0019】
第10の発明は、第9の発明において、上記炭素材料が活性炭又は活性炭素繊維であることを特徴とする吸着材の再生方法にある。
【0020】
第11の発明は、電解液が満たされてなる電解槽と、上記電解液内に浸漬され、使用済吸着材からなる電極と該電極と対となる対極とからなる電極手段と、上記電極手段に電圧を印加する電源とを具備することを特徴とする吸着材の再生装置にある。
【0021】
第12の発明は、第11の発明において、上記使用済吸着材が排煙処理装置で使用してなる炭素材料であることを特徴とする吸着材の再生装置にある。
【0022】
第13の発明は、第12の発明において、上記炭素材料が活性炭又は活性炭素繊維であることを特徴とする吸着材の再生装置にある。
【0023】
第14の発明は、第11乃至13のいずれか一つの発明において、吸着材から溶出した被吸着物を逆反応により対極上に析出させて回収することを特徴とする再生装置にある。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明による実施の形態を以下に説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0025】
本発明の吸着材の再生方法は、電解液中に配した使用済吸着材からなる電極と対極との間に電圧を印加し、酸化還元反応によって、電解液側に被吸着物をイオン状態で溶出させるようにしたものである。
【0026】
ここで、上記被吸着物としては排ガス中に多く含まれる水銀(Hg)、セレン(Se)等の重金属を挙げることができるが、その他微量金属も処理が可能となる。
【0027】
例えば水銀(Hg)の場合には、電気分解により、[HgCl2−又はHg 2+イオンとして電解液中に分離させ、その後沈殿手段により水銀を脱着・分離することができる。
【0028】
上記電圧をかける際に、陽、陰極分極走査を行うことを繰り返して行うようにしてもよい。
【0029】
また、例えばセレン(Se)の場合には、電気分解により、SeO 2−イオンとして電解液中に分離させ、その後金属として沈殿分離することができる。
【0030】
また、重金属以外に吸着材で吸着されたフッ素(F)を電気分解により、Fイオンとして電解液中に分離させることができる。
【0031】
上記吸着材としては各種吸着材を再生処理することができるが、図14に示すような例えば活性炭又は活性炭素繊維等の炭素材料を吸着材とするものに特に適している。
【0032】
本発明の再生処理の対象である吸着材を用い、排ガス中の脱硫装置に用いた一例を以下に説明する。
【0033】
図10は排ガス中の微量の硫黄酸化物を脱硫する脱硫装置の概略図である。
なお、以下の実施の形態においては、炭素材料として活性炭素繊維を用いた場合について説明する。
【0034】
図10に示すように、例えばボイラ等から排出された排ガス101は、押込みファン121により送られ、排ガス温度を冷却すると共に湿度を付与する増湿冷却装置116を経て下部側壁の導入部から浄化塔104内に導入される。浄化塔104の内部には活性炭素繊維層で形成される触媒槽107が備えられ、該触媒槽107には硫酸生成用の水105が水タンク111aと供給ポンプ111bとからなる水供給手段111から供給される。供給手段111からの水105が上部から供給すると共に、上記触媒槽107の内部に排ガス101を下部から通過させることにより、排ガス101からSOxを反応除去する。触媒槽107を通過した浄化ガス109は浄化塔104上部の排出部から排出され、煙突を通して大気に放出される。なお、図中124は排ガスを整流化させる分散穴123を備えた整流板を図示する。
【0035】
上記触媒槽107は複数の活性炭素繊維層からなる触媒を備え、各々の活性炭素繊維層の表面では、例えば、以下の反応により脱硫反応が生じる。
即ち、
(1)触媒の活性炭素繊維層への排ガス中の二酸化硫黄SOの吸着。
(2)吸着した二酸化硫黄SOと排ガス中の酸素O(別途供給することも可である)との反応による三酸化硫黄SOへの酸化。
(3)酸化した三酸化硫黄SOの水HOへの溶解による硫酸HSOの生成。
(4)生成された硫酸HSOの活性炭素繊維層からの離脱。
【0036】
この時の反応式は以下の通りである。
SO+1/2O+HO→HSO
【0037】
このようにして、触媒槽107の活性炭素繊維層の中で浄化排ガス103中の二酸化硫黄(SO)を吸着して酸化し、水(HO)と反応させて硫酸(HSO)を生成して離脱除去することにより、排ガス中の脱硫が行われる。
この脱硫の模式図を図11に示す。
【0038】
ここで、上記触媒槽107で用いる活性炭素繊維の一例及びその製造例の一例を下記に示す。
本発明で用いられる活性炭素繊維としては、例えばピッチ系活性炭素繊維、ポリアクリロニトリル系活性炭素繊維、フェノール系活性炭素繊維、セルロース系活性炭素繊維を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではなく、上記触媒作用を奏する活性炭素繊維であれば何等限定されるものではない。
【0039】
図12は、本実施の形態にかかる浄化塔104に配設される活性炭素繊維層の斜視図である。
【0040】
図12に示すように、触媒槽107の一単位を形成する活性炭素繊維層125は、平板状の平板活性炭素繊維シート126と波板状の波板活性炭素繊維シート127とが交互に積層され、間に形成される直線状の空間が通路128となり、該通路128が上下に延びた状態になっている。
平板活性炭素繊維シート126及び波板活性炭素繊維シート127は板状であると共に、上記波板活性炭素繊維シート127は、さらに例えばコルゲータ等を用いて波型に成型されている。
また、波板状とする以外に、例えばハニカム形状等、排ガスが活性炭素繊維シートに対して平行に通過する形状に成形するようにしてもよい。
【0041】
そして、図10に示すように、散水ノズル122から水が噴霧状に供給されると共に浄化排ガス103が下から送られ、活性炭素繊維層125を流通した水105は粒径が数mm程度となって下部に落下する。
そして、浄化排ガス103は、平板活性炭素繊維シート126及び波板活性炭素繊維シート127を交互に積層して形成される通路128を流通するようになっているので、圧力損失の増大が抑制されている。
【0042】
上記脱硫塔内に触媒槽を配設するには、先ず枠体(図示せず)内に積層した活性炭素繊維層125を充填させて触媒槽(例えば、高さが0.5m乃至4m)とし、この触媒槽を浄化塔104内に例えば吊上げ手段等により設置するようにしている。
【0043】
次に、この脱硫手段を用いて排ガスを処理するシステムについて、図13を参照して説明する。
図13に示すように、蒸気タービンを駆動する蒸気を発生させるボイラ200と、該ボイラ200からの排ガス101中の煤塵を除去する除塵機201と、除塵された排ガスを浄化塔104内に供給する押込みファン121と、塔に供給する前に排ガス101を冷却すると共に増湿を行う増湿冷却装置116と、触媒層107を内部に配設し、塔下部側壁の導入口104aから排ガス101を供給すると共に、触媒層107の上方から散水ノズル122で水を供給して、排ガス中のSOxを希硫酸(HSO)まで脱硫反応させる浄化塔104と、塔頂部の排出口104bから脱硫された浄化排ガスを外部へ排出する煙突202と、浄化塔104からポンプ108を介して希硫酸(HSO)106を貯蔵すると共に石灰スラリー211を供給して石膏を析出させる石膏反応槽212と、石膏を沈降させる沈降槽(シックナー)213と、石膏スラリー214から水分を排水(濾液)217として除去して石膏215を得る脱水器216とを備えてなる。なお、浄化塔104から排出される浄化された浄化ガス109を排出するラインには必要に応じてミストエリミネータ203を介装し、ガス中の水分を分離するようにしてもよい。
【0044】
ここで、上記ボイラ200では、例えば、火力発電設備の図示しない蒸気タービンを駆動するための蒸気を発生させるために、石炭や重油等の燃料fが炉で燃焼されるようになっている。ボイラ200の排ガスには硫黄酸化物(SOx)が含有され、排ガス101は図示しない脱硝装置で脱硝されてガスガスヒータで冷却された後に集塵機201で除塵されている。
【0045】
この排ガス浄化システムでは、浄化塔104で得られた希硫酸106に石灰スラリー211を供給して石膏スラリー214を得た後、脱水して石膏215として利用するものであるが、脱硫して得られた希硫酸106をそのまま硫酸として使用するようにしてもよい。
【0046】
このような排ガス処理システム等で用いた活性炭素繊維又は活性炭には水銀やセレンやフッ素等の重金属類等の被吸着物が吸着しているので、この被吸着物を活性炭素繊維から効率よく脱着することが必要となり、本発明の吸着材の再生装置を用いて処理することができる。
【0047】
上記活性炭素繊維層125は成型することで、電極形状とし、上述した再生処理方法により再生処理することで、再度利用することができる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明の内容を実施例に基づき説明する。
【0049】
[実施例1]
実施例1にかかる電気分解により被吸着物を溶出する処理装置の一例を図1に示す。
図1に示すように、本実施例にかかる再生処理装置は、電解液10が満たされてなる電解槽11と、上記電解液10内に浸漬され、使用済吸着材からなる陽極12と、該陽極12の対極である陰極13とからなる電極手段14と、上記電極手段14に電圧を印加する電源15とを具備するものである。なお、電解除去する対象及び方法により吸着材を陽極とする場合もあるし、陰極とする場合もある。
【0050】
以下の実施例においては、吸着材に吸着した重金属として水銀の場合について説明する。
使用済みの吸着材は成形して板状、櫛の歯状等の形状としてもよい。
図1に示すように、本実施例では使用済吸着材からなる陽極12と、対極である陰極13には白金(Pt)を用いて電極手段14を構成した。上記電解液10としては硫酸を用いた。
【0051】
上記構成において、電極手段14に電源15から電圧を印加することにより、酸化還元反応により、電解液10中に陽極12である吸着材に吸着した水銀をイオンの状態(Hg 2+)で溶出させる。
その後、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)等のアルカリ剤を電解液10中に投入し、HgよりもNa又はKのモル数を多くする。
その後、過酸化水素(H)、オゾン(O)等の酸化剤を電解液10に投入し、酸化水銀(HgO)として沈殿・回収する。
【0052】
また、酸化剤の代わりにHSを添加してHgSとして沈殿させて回収するようにしてもよい。
【0053】
また、薬剤の添加により沈殿させて回収する代わりに、対極上で電気化学的に水銀を析出させて回収するようにしてもよい。
【0054】
また、図1に示すように、上述したような使用済吸着材そのものに電線を接続して電極とするほか、図2及び図3に示すように、グリッド状の電極12を用いて使用済吸着材20を挟み込むようにしてもよい。このようにすることで吸着材の全体に均一な電位を印加することが可能となり、水銀の析出効率が向上する。
【0055】
[実施例2]
実施例2にかかる電気分解により被吸着物を溶出する処理装置の一例を図4に示す。
図4に示すように、電解液10が満たされてなる電解槽11と、上記電解液10内に浸漬され、使用済吸着材からなる陽極12と、該陽極12と対となる陰極13とからなる電極手段14と、上記電極手段14に電圧を印加する電源15と、電解液内に浸漬され、使用済吸着材からなる陽極12との間の電位を電圧計16で計測するための基準電極である飽和カロメル電極17を具備するものである。
【0056】
本実施例では、使用済吸着材からなる電極を陽極12とし、対極である陰極13には白金(Pt)を用いた。上記電解液10は塩化ナトリウムを用いた。なお電解液10は塩化ナトリウム以外に、例えば塩化カリウム、炭酸ナトリウム等を例示することができる。
【0057】
上記構成において、電極手段14に電源15から電圧を印加することにより、酸化還元反応により、電解液10中に水銀をイオンの状態(Hg 2+)で溶出させる。
【0058】
次いで、電源15の電圧を変化させて、陽極、陰極分極走査を行った(+1V〜−1V)。
この陽極、陰極分極走査により、吸着材に吸着されていた水銀は電解液側にイオンとして溶出することと、再び水銀として吸着材側に析出することを繰り返すことになる。この繰り返す様子を図5(a)〜(c)に示す。
この図面により回数を重ねるごとに析出量が減少し、水銀が電解液側に溶出されているのが判る。
【0059】
図5に示すように、電圧が0.5V以上となると、下記水銀の酸化反応により電流密度が向上(+側)して、水銀がイオンとして溶出する。一方、0.5V以下となると下記水銀の析出反応により電流密度が低下(−側)して水銀が電極に吸着することとなる。このような脱着の繰り返しにより、徐々に水銀が電解液側へ溶解する比率が向上し、結果として吸着材から水銀が脱着されることになる。
【0060】
(水銀の酸化反応)
2Hg+2SO 2−→HgSO+2e
(水銀の析出反応)
HgSO+2e→Hg+2SO 2−
【0061】
溶出時間は1サイクルを数分から数日又は1週間をかけるようにしてもよい。
【0062】
その後、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)等のアルカリ剤を電解液10中に投入し、HgよりもNa又はKのモル数を多くする。
その後、過酸化水素(H)、オゾン(O)等の酸化剤を電解液10に投入し、酸化水銀(HgO)として沈殿・回収する。
【0063】
さらに、図5に示すように、水銀の場合に、0.5V〜0.8Vの付近で電圧を往復させるようにすることで、選択的に水銀を除去することができることとなる。
【0064】
[実施例3]
本実施例では、上述した実施例2において、電圧を2V以上として、水の電気分解により酸素(O)を発生させ、該酸素の発生に随伴して吸着材に吸着していた被吸着物である水銀を脱着させた。
すなわち、電源15の電圧を変化させて、陽極、陰極分極走査を行った(+2V〜−2V)。この繰り返す様子を図6(a)〜(c)に示す。この図面により回数を重ねるごとに析出量が減少し、水銀が電解液側に溶出されているのが判る。
なお、電圧を−側とする場合には水素(H)が発生することになる。
【0065】
この図6に示すように、電圧が1.5V以上となると電流密度が向上(+側)して、酸素が発生することが判る。この酸素の発生によって、物理的に吸着されている被吸着物である水銀が押し出され、電解液中に水銀として物理的に分離されることとなる。また、電流密度を低下させると水素が発生し、この水素の発生に伴い電極に吸着される水銀の吸着サイトが電解液近傍となり、吸着材のサイトの奥側に吸着することができなくなる。なお、この際にも水素の発生によって、物理的に吸着されている被吸着物である水銀が押し出され、電解液中に水銀として物理的に分離されることとなる。
この結果、陽極、陰極分極走査の回数を増すごとに、水銀が単体として押し出され易くなるので、結果として吸着材から水銀が脱着されることになる。
【0066】
[実施例4]
実施例4では、実施例1で説明した図1に示す装置により電気分解処理を行い、対極である陰極13に水銀を析出するようにした。
電位が0.15V以下となると水銀が対極である陰極13に析出することが判る。よって、本実施例では、図7に示すように、陽極12に使用済吸着材とし、対極である陰極13に白金を用いて電極手段を構成し、−0.8V以上として電気分解を行うと、陰極13上で逆反応を起こして水銀が析出する。この析出した水銀は別途回収する。
【0067】
[実施例5]
実施例5では、実施例1で説明した図1に示す装置により電気分解処理を行った。
【0068】
本実施例では、実施例1とは異なり、使用済吸着材からなる電極を陰極13とし、対極である陽極12には白金(Pt)を用いて、電極手段14を構成した。上記電解液10は塩化ナトリウムを用いた。
また、上記使用済吸着材には水銀を予め吸着させた。
【0069】
上記構成において、電極手段14に電源15から電圧を印加することにより、酸化還元反応により、電解液10中に被吸着物である水銀(Hg)をイオンの状態(HgCl 2−)で溶出させた。
上記電解液10としては、塩化ナトリウム以外に例えば塩化カリウム、又は炭酸ナトリウムを例示することができる。
【0070】
その後、過酸化水素(H)、オゾン(O)等の酸化剤を電解液10に投入し、酸化水銀(HgO)として沈殿・回収した。
【0071】
[実施例6]
実施例6では、実施例1で説明した図1に示す装置により電気分解処理を行った。
【0072】
本実施例では、実施例4と同様に、使用済吸着材からなる電極を陰極13とし、対極である陽極12には白金(Pt)を用いて、電極手段14を構成した。上記電解液は塩化ナトリウムを用いた。
また、上記使用済吸着材にはセレンを予め吸着させた。
【0073】
上記構成において、電極手段14に電源15から電圧を印加することにより、酸化還元反応により、電解液10中に被吸着物であるセレン(Se)をイオンの状態(SeO 2−)で溶出させた。
上記電解液10としては、塩化ナトリウム以外に例えば塩化カリウム、又は炭酸ナトリウムを例示することができる。
【0074】
その後、SO等の還元剤を投入し、金属Seとして沈殿・回収した。
【0075】
[実施例7]
実施例7では、実施例1で説明した図1に示す装置により電気分解処理を行った。
【0076】
本実施例では、実施例5と同様に使用済吸着材からなる電極を陰極13とし、対極である陽極12には白金(Pt)を用いて、電極手段14を構成した。上記電解液は塩化ナトリウムを用いた。
また、上記使用済吸着材にはフッ素を予め吸着させた。
【0077】
上記構成において、電極手段14に電源15から電圧を印加することにより、酸化還元反応により、電解液10中に被吸着物であるフッ素(F)をイオンの状態(F)で溶出させた。
上記電解液10としては、塩化ナトリウム以外に例えば塩化カリウム、又は炭酸ナトリウムを例示することができる。
【0078】
その後、Li,アルカリ土類金属(Ca,Sr,Ba,Ra等)、希土類元素(La,Y等)を投入し、塩として沈殿・回収した。
例えばCa(OH)を添加することで、CaFとして沈殿させることができる。
上記使用済吸着材が排煙処理装置で使用してなる炭素材料を用いたが本発明ではこれに限定されるものではなく、各種吸着処理で用いた吸着材を処理することができる。
【0079】
[他の実施の形態]
また、吸着材の再生方法としては、上述したように電解装置に使用済みの吸着剤を電極として電解液中で再生する方法のほかに、図8に示すように、排ガス処理装置である浄化塔104の中であらかじめ設けてあった配線を用いて電圧を印加することが可能である。なお、この場合には、硫酸106に対極を予め設置しておく。
その場合、吸着材である触媒槽107に水又は硫酸などを散水ノズル122から散布して、電圧を印加するための回路がつながった状態に維持する必要がある。
なお、吸着材から除去された重金属などは、この水又は硫酸などの中に回収されるので、別途回収して最終処分するか、又は再資源化するようにしてもよい。
【0080】
さらに、他の再生方法として、図9に示すように、排ガス処理装置である浄化塔104の中から触媒槽107を取り出して、搬送手段30により別途設けた再生処理設備31に搬入し、そこで被吸着物を除去してから、浄化塔104等の処理装置に戻して再利用することも考えられる。
なお、除去した被吸着物は回収して、最終処分又は再資源化する。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、例えば活性炭又は活性炭素繊維等の炭素材料にかかる吸着材に吸着した被吸着物を効率的に脱着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の電解処理装置の概略図である。
【図2】実施例1の吸着材をグリッド状電極で挟んだ状態の図である。
【図3】実施例1の他の電解処理装置の概略図である。
【図4】実施例2の電解処理装置の概略図である。
【図5】水銀の電気分解により脱着作用を示す図である。
【図6】水銀の電気分解により脱着作用を示す図である。
【図7】実施例4の電解処理装置の概略図である。
【図8】浄化塔での再生状態を示す図である。
【図9】他の再生処理の状態を示す図である。
【図10】本実施の形態にかかる浄化塔の模式図である。
【図11】脱硫状態を示す模式図である。
【図12】本実施の形態にかかる活性炭素繊維層の斜視図である。
【図13】本実施の形態にかかる排ガス処理システムの概略図である。
【図14】炭素材料の構成図である。
【符号の説明】
10 電解液
11 電解槽
12 陽極
13 陰極
14 電極手段
15 電源
16 電圧計
17 飽和カロメル電極

Claims (14)

  1. 使用済吸着材からなる電極と該電極と対となる対極とを電解液中に配してなり、両電極間に電圧を印加し、酸化還元反応によって、電解液側に被吸着物をイオン状態で溶出させることを特徴とする吸着材の再生方法。
  2. 請求項1において、
    上記被吸着物が重金属又はフッ素であることを特徴とする吸着材の再生方法。
  3. 請求項2において、
    上記被吸着物が水銀の場合、使用済吸着材からなる電極を陽極とすることを特徴とする吸着材の再生方法。
  4. 請求項3において、
    上記電解液が硫酸であることを特徴とする吸着材の再生方法。
  5. 請求項1において、
    上記被吸着物が水銀、又はセレンの場合、使用済吸着材からなる電極を陰極とすることを特徴とする吸着材の再生方法。
  6. 請求項5において、
    上記電解液が塩化ナトリウム、塩化カリウム、又は炭酸ナトリウムのいずれかであることを特徴とする吸着材の再生方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一つにおいて、
    上記電圧の陽、陰極分極走査を行うことを特徴とする吸着材の再生方法。
  8. 請求項7において、
    上記電気分解により酸素又は水素を発生させつつ、被吸着物を吸着材から脱着することを特徴とする吸着材の再生方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一つにおいて、
    上記使用済吸着材が排煙処理装置で使用してなる炭素材料であることを特徴とする吸着材の再生方法。
  10. 請求項9において、
    上記炭素材料が活性炭又は活性炭素繊維であることを特徴とする吸着材の再生方法。
  11. 電解液が満たされてなる電解槽と、
    上記電解液内に浸漬され、使用済吸着材からなる電極と該電極と対となる対極とからなる電極手段と、
    上記電極手段に電圧を印加する電源と
    を具備することを特徴とする吸着材の再生装置。
  12. 請求項11において、
    上記使用済吸着材が排煙処理装置で使用してなる炭素材料であることを特徴とする吸着材の再生装置。
  13. 請求項12において、
    上記炭素材料が活性炭又は活性炭素繊維であることを特徴とする吸着材の再生装置。
  14. 請求項11乃至13のいずれか一つにおいて、
    吸着材から溶出した被吸着物を逆反応により対極上に析出させて回収することを特徴とする再生装置。
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