JP2005034629A - 有害ガス除去装置 - Google Patents

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直記 杉田
Yukihiro Nakada
幸博 仲田
Shinichi Kon
伸一 今
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Abstract

【課題】 悪臭の原因となる水溶性のガスを含む有害ガスを容易に且つ確実に除去することができるようにする。
【解決手段】 送風機11によって通風路12に供給された空気に含まれる非水溶性のガスを、ガスリアクタ部14とオゾン分解触媒部15とで、水溶性のガスに変える。上記水溶性のガスの濃度勾配に起因する拡散現象を利用して、ガス吸着部19内の冷却フィン31a〜31eの表面に形成された水膜に、上記水溶性のガスを吸着させるようにする。これにより、悪臭の原因となる有害ガスを装置のコストを上げることなく確実に除去することができるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有害ガス除去装置に関し、特に、悪臭の原因となる有害ガスや発癌性が指摘されているホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンゼンなどのVOC(揮発性有機化合物)ガスを除去するために用いて好適なものである。
従来から、室内環境を快適にしたいという要望に応えるために、悪臭の原因となる有害ガスを除去するようにする技術が提案されている。
具体的に説明すると、二酸化マンガンなどの固形分解触媒の作用により、放電によって発生させたオゾンを分解してラジカル酸素を発生させるようにし、この発生させたラジカル酸素を除去対象の有害ガスと反応させ、空気の脱臭を行うようにする第1の従来技術がある(特許文献1を参照。)。
また、煙草から発せられるガス中に多量に含まれている一酸化炭素ガスを除去するために、固形触媒を用いるようにする第2の従来技術がある。かかる技術は、上記固形触媒の表面で一酸化炭素ガスを酸化させ、二酸化炭素ガスに変えるようにするものである。
特開平5−317639号公報
しかしながら、本願発明者らは、上述した第1の従来技術を用いて空気の脱臭を行うと、時間の経過とともに却って悪臭が発生するという問題点があることを見出した。
そこで、本願発明者らは、上記第1の従来技術に対して詳細な解析を行い、上記問題点の原因を究明した。以下に、その概要を説明する。
まず、多くのVOC(Volatile Organic Compound;揮発性有機化合物)ガスは、放電プラズマ領域に通されると、酢酸を代表とする低級脂肪酸に変化する。
すなわち、空気中に含まれるVOCガスは、放電プラズマ領域に通されると、固形分解触媒である二酸化マンガンの表面などで酸化し、アルコール類はアルデヒド類に、アルデヒド類は低級脂肪酸に変化する。
そして、この低級脂肪酸が二酸化マンガンの表面に蓄積することにより、二酸化マンガンが破瓜し、悪臭が発生する。
以上のように、本願発明者らは、固形分解触媒である二酸化マンガンに、水溶性のガスである低級脂肪酸が蓄積することにより、悪臭が発生するという知見を得た。
そこで、このような悪臭の発生に対応すべく、固形分解触媒を二酸化マンガンと異なるものに変えることが考えられる。しかしながら、オゾンガスを分解するには、二酸化マンガンを用いるようにするのが最も効果的であり、これに代わる簡単な良い方法は現在のところない。
そこで、二酸化マンガンの量を多くして、二酸化マンガンの寿命を長くすることが考えられる。しかしながら、二酸化マンガンの量を多くしたとしても、二酸化マンガンの経時劣化を避けることはできない。したがって、この方法は、根本的な解決策とは言えない。さらに、二酸化マンガンは高価であるという問題点もある。
また、二酸化マンガンに他の物質を混合して固形分解触媒を形成することも考えられる。しかしながら、上述したように、二酸化マンガンを少なくすると、オゾンガスを効果的に分解することができなくなってしまうという問題点がある。
以上のように、上記第1の従来技術では、水溶性のガスである低級脂肪酸を有効に除去することができず、悪臭を除去することが極めて困難であるという第1の問題点があった。
さらに、上述した第2の従来技術では、一酸化炭素ガス以外の多種類のガスが上記固形触媒に付着すると、上記固形触媒が被毒されてしまう。例えば、煙草から発せられるガスは、一酸化炭素の他に、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、及びベンゼンなどの発癌性が指摘されるものや、悪臭がするものなど多種類の化学物質で構成されている。したがって、上記第2の従来技術のように、特定のガスしか除去することができない装置では、上記固形触媒が被毒され、煙草から発せられる複数種類のガスを除去することができず、室内環境を向上させることはできなかった。
以上のように、上記第2の従来技術では、上記固形触媒によるガス除去性能が著しく低下してしまい、一酸化炭素ガスを確実に除去することが極めて困難であるという第2の問題点があった。
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、悪臭の原因となる水溶性のガスを含む有害ガスを容易に且つ確実に除去することができるようにすることを第1の目的とする。
また、一酸化炭素ガスを含む多種類のガスを容易に且つ確実に除去することができるようにすることを第2の目的とする。
本発明の有害ガス除去装置は、通風路に供給された空気に含まれている有害ガスを除去する有害ガス除去装置であって、上記通風路内で間隔を有して配設された複数の捕集部と、上記複数の捕集部を冷却して、上記複数の捕集部の表面に水膜を形成させるための冷却手段とを有し、上記複数の捕集部の間に供給された有害ガスの濃度勾配に起因する拡散を利用して、上記複数の捕集部の表面に形成された水膜に、上記有害ガスを吸着させるようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、通風路内に間隔を有して配設された複数の捕集部を冷却して、上記複数の捕集部の表面に水膜を形成し、上記形成した水膜に有害ガスを拡散させるようにしたので、装置のコストを上げることなく、有害ガスを可及的に確実に除去することができる。
また、本発明の他の特徴によれば、上記複数の捕集部の周囲の空気を加湿するようにしたので、上記複数の捕集部の表面に水膜を常時形成することができる。これにより、有害ガスをより確実に除去することができる。
また、本発明のその他の特徴によれば、上記複数の捕集部を冷却するために設けられる放熱装置を、上記通風路の外部に設けるようにしたので、上記放熱装置により放出された熱が上記通風路の内部に伝わることを可及的に防止することができる。これにより、上記通風路の内部の温度を可及的に容易に制御することが可能になる。
また、本発明のその他の特徴によれば、コンプレッサから圧縮して供給される冷媒を循環させるようにするためのパイプにより、上記コンプレッサから上記放熱装置と上記複数の捕集部とを経由して上記コンプレッサに戻る第1の経路と、上記放熱装置を経由せずに上記コンプレッサから上記複数の捕集部を経由して上記コンプレッサに戻る第2の経路とを形成するようにし、上記複数の捕集部の周囲の空気の温度に応じて、上記第2の経路のみを開閉するようにしたので、上記複数の捕集部の周囲の温度が高い場合には、上記第2の経路を閉じて、上記放熱装置により冷却された冷媒のみを上記複数の捕集部へ流すようにして、上記複数の捕集部を冷却し、上記複数の捕集部の表面に水膜を形成させることができるようになる。一方、上記複数の捕集部の周囲の温度が低い場合には、上記第2の経路を開けて、上記放熱装置を介さずに上記コンプレッサから供給される冷媒を上記複数の捕集部へ流すようにして、上記複数の捕集部の温度を上げ、上記複数の捕集部の表面に付着している霜を溶かすようにしつつ、上記複数の捕集部の表面に水膜を形成させることができるようになる。これにより、上記複数の捕集部の表面に適正量の水膜をより確実に形成させることができる。
また、本発明のその他の特徴によれば、上記通風路内に放電プラズマ領域又は紫外線照射領域を形成するとともに、上記放電プラズマ領域又は上記紫外線照射領域を形成する際に発生したオゾンガスを、オゾン分解用触媒を用いて除去するようにしたので、上記通風路中に供給された空気に含まれている非水溶性のガスを水溶性のガスに変えて、除去することができる。これにより、悪臭の原因となる有害ガスや健康上好ましくない有毒ガスをより確実に除去することができる。
また、本発明のその他の特徴によれば、構造決定パラメータλが0.693以上になるように、上記複数の捕集部を構成するようにしたので、有害ガスの除去効果が実用的な範囲となる装置を容易に設計することができる。これにより、ユーザのニーズに合わせた最適な装置を容易に構成することができる。
また、本発明のその他の特徴によれば、上記複数の捕集部の間を通った空気に含まれている一酸化炭素ガスを、一酸化炭素除去用触媒を用いて除去するようにしたので、一酸化炭素除去用触媒に多種類の有害ガスが流入してしまうことを防止することができ、一酸化炭素除去用触媒が被毒されてしまうことを防止することができる。これにより、一酸化炭素ガスの除去性能を従来よりも格段に向上させることができ、悪臭の原因となる多種類の有害ガスや健康上好ましくない有毒ガスを確実に除去することができる。
また、本発明の他の特徴によれば、粒子を除去してから、有害ガスを除去するようにしたので、空気清浄効果をより一層向上させることができる。
次に、添付の図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態における有害ガス除去装置の構成の一例を示した図である。
図1において、有害ガス除去装置10は、送風機11と、通風路12と、粒子除去手段として配設される粒子除去部13と、ガスリアクタ部14と、オゾンガス除去手段として配設されるオゾン分解触媒部15と、湿度計測手段として配設される第1のセンサ16と、加湿制御手段、冷却制御手段、及び経路開閉制御手段として配設される制御部17と、加湿手段として配設される加湿部18と、ガス吸着部19と、回収部20と、冷却手段として配設される冷却・放熱部21と、一酸化炭素除去手段として配設されるCO除去用触媒部22と、温度計測手段として配設される第2のセンサ23とを有している。
送風機11は、通風路12の下流側に配設されており、大気中の空気を通風路12に吸引し、有害ガス除去装置10から排出するためのものである。なお、図1において、空気は、白抜きの矢印の方向に流れている。なお、本実施の形態では、通風路12内の空気の速度を0.2m/sにしている。ただし、通風路12内の空気の速度は、これに限定されない。例えば、通風路12内の空気の速度を、1m/s以下、好ましくは0.5m/s以下にすることができる。
粒子除去部13は、例えばHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタであり、送風機11により通風路12内に流入した空気によって運ばれる塵や埃などの粒子を捕集し、除去するためのものである。これにより、粒子が除去された空気がガスリアクタ部14に供給される。
ガスリアクタ部14は、通風路12内の所定の空間に放電プラズマ領域を形成してラジカルを発生させるためのものである。これにより、粒子除去部13から上記放電プラズマ領域に供給された空気に含まれるガスが、酸化反応などの化学反応を起こす。例えば、空気に含まれている非水溶性のガス(の一部)が酸化し、水溶性のガスに変わる。
具体的に説明すると、例えば、空気に含まれているVOCガス(の一部)が、上記放電プラズマ領域内で酸化することにより、低級脂肪酸ガスが発生する。また、上記放電プラズマ領域を形成することによりオゾンガスが発生する。なお、上記放電プラズマ領域内では、この他にも種々の化学反応を起こすと考えられるが、ここでは、詳細な説明を省略する。
ここで、図2を参照しながら、ガスリアクタ部14の具体的な構成の一例について説明する。
図2に示すように、ガスリアクタ部14は、絶縁板201a〜201dと、導電性の板電極202a〜202dと、同じく導電性の網電極203a〜203hと、交流電源204とを有している。
絶縁板201a〜201dは、その板面が通風路12内を流れる空気の方向(白抜きの矢印の方向)に沿うように配設されている。また、各絶縁板201a〜201dは、通風路12の断面方向に略等しい間隔を有して並べられている。これら絶縁板201a〜21dの中には、導電性の板電極202a〜202dが埋設されている。
なお、比誘電率と体積固有抵抗とが可及的に大きい材料を用いて絶縁板201a〜201dを形成するようにするのが好ましい。比誘電率を大きくすれば、網電極203a〜203hで放電を起こさせ易くすることができ、体積固有抵抗を大きくすれば、絶縁板201a〜201dで熱的な破壊が起こることを可及的に防止することができるからである。
例えば、3以上、好ましくは8以上の比誘電率を有し、且つ1×1012Ω・cm以上、好ましくは1×1015Ω・cm以上の体積固有抵抗を有する材料を用いて絶縁板201a〜201dを形成することができる。具体的には、ガラス、セラミック、又はプラスチックなどを用いて絶縁板201a〜201dを形成することができる。
さらに、図2に示すように、導電性の板電極202a〜202dが埋設された絶縁板201a〜201dの上方と下方には、網電極203a〜203hが配設されている。
交流電源204は、導電性の板電極202a〜202dと、これら導電性の板電極202a〜202dの上方と下方にそれぞれ配設されている網電極203a〜203hとの間に交流高電圧を印加するためのものである。例えば、交流電源204は、周波数が50Hz(商用周波数)、実効値が10[kV]の交流電圧を印加する。以上のように、本実施の形態では、網電極203a〜203hと、板電極202a〜202dと、絶縁板201a〜201dと、交流電源204とを用いて放電プラズマ発生手段が構成される。
なお、図2では、導電性の板電極202aと、その上方及び下方に配設されている網電極203a、203bとに、交流電源204が接続されているが、導電性の板電極202b〜202dと、それら導電性の板電極202b〜202dの上方及び下方にそれぞれ配設されている網電極203c〜203hにも、交流電源204が接続されるということは言うまでもない。
また、図2に示すようにして、絶縁板及び板電極と、網電極との組を積層するように配設せずに、これらの組を立てて並べるように配設することも可能である。つまり、ガスリアクタ部14を流れる空気の通風抵抗が可及的に偏らないようにするとともに、その通風抵抗が増加しないように、絶縁板及び板電極と、網電極との組を配設するようにすれば、必ずしも図2に示したようにして、ガスリアクタ部14を構成する必要はない。
また、図2では、板電極202a〜202dの上方及び下方に網電極203a〜203hを配設してガスリアクタ部14を構成した場合を例に挙げて説明したが、ガスリアクタ部14は、このようなものに限定されない。網電極203の代わりに、例えば、図3(a)に示すような波板型電極203i、203jを用いたり、図3(b)に示すようなジグザグ型電極203k、203mを用いたりすることも可能である。また、上記機能の他に、絶縁板同士の間隔を保持する機能などもガスリアクタ部14が備えるようにすることが可能である。
この他、網電極203の代わりに、気流蛇行型電極203n、203pを用いるようにしてもよい。図4は、気流蛇行型電極203n、203pを用いて構成されたガスリアクタ部の構成の一例を示す図である。図5は、気流蛇行型電極203nの構成の一例を示す図である。具体的に、図5(a)は、気流蛇行型電極203nの正面図(背面図)である。図5(b)は、図5(a)のA−A´方向に沿った断面図である。図5(c)は、図5(a)のB−B´方向に沿った断面図である。図5(d)は、図5(a)のC−C´方向に沿った断面図である。なお、気流蛇行型電極203pも気流蛇行型電極203nと同じ構成であるということは言うまでもない。
図4及び図5に示すように、気流蛇行型電極203n、203pは、凹凸形状を有している。さらに、この気流蛇行型電極203n、203pに形成されている凹部は、奥行き方向(図5(a)の白抜きの矢印の方向)において蛇行する形状を有している。そして、このような形状を有する気流蛇行型電極203n、203pを、その奥行き方向が通風路12を流れる空気に沿うように配設する。
以上のようにして配設される気流蛇行型電極203n、203pは、図2及び図3に示した電極に比べて、比表面積が大きい。したがって、気流蛇行型電極203n、203pにおける熱放散を可及的に大きくすることができ、気流蛇行型電極203n、203pにおける温度分布を可及的に一様にすることができる。これにより、絶縁板201a、201bに絶縁劣化が生じてしまうことを可及的に防止することができる。
また、気流蛇行型電極203n、203pは、角部分が多いため、放電を起こしやすくすることができる。さらに、気流蛇行型電極203n、203pを通過する空気は、上記凹部を蛇行するので、乱流となる。これにより、気流蛇行型電極203n、203pを通過する空気が、気流蛇行型電極203n、203pに交流電圧を印加することにより発生するラジカルに接触する割合を増大させることができる。したがって、上記空気に含まれるガスが、酸化反応などの化学反応を起こすのを促進させることができる。
図1に説明を戻し、オゾン分解触媒部15は、例えば、ガスリアクタ部14で放電が起こることにより発生するオゾンガスを、二酸化マンガン粒子を用いて分解するためのものである。また、オゾン分解触媒部15は、空気に含まれている非水溶性のガス(の一部)を酸化し、低級脂肪酸(水溶性のガス)などに変化させる。
このようにしてオゾン分解触媒部15によって、オゾンガスが分解されるとともに、水溶性のガスなどに変化された空気は、第1のCO除去用触媒部22aに流入する。第1のCO除去用触媒部22aは、オゾン分解触媒部15から流入した一酸化炭素ガスを除去する。具体的に、第1のCO除去用触媒部22aは、白金、金、又はホプカライトなどを用いて構成され、触媒の作用を用いて一酸化炭素ガスを酸化し、二酸化炭素ガスに変える。
第1のセンサ16は、ガス吸着部19の周囲の空気の温度と湿度(例えば絶対湿度)を測定するためのものである。
制御部17aは、CPU、ROM、及びRAMなどにより構成されるマイクロコンピュータなどを用いて構成され、第1のセンサ16により測定されたガス吸着部19の周囲の空気の温度と絶対湿度とに基づいて、加湿部18と冷却・放熱部21とを制御する。
具体的に説明すると、制御部17aは、ガス吸着部19の周囲の空気の絶対湿度が、限界水分量以上となるように、加湿部18を制御する。ここで、限界水分量について説明する。
空気を冷やして、ある温度にしたときに、上記空気中の水分(水蒸気)が凝縮して液体になるためには、上記空気にある一定限度以上の水分が含まれている必要がある。この一定限度の水分の量を限界水分量という。限界水分量は、1[kg]の空気に含まれている水分の重さ[g]として表される。例えば、常温の空気を9[℃]に冷やしたときに、上記空気が凝縮して液体になるには、上記空気に約7[g/kg]以上の水分が含まれている必要がある。したがって、9[℃]のときの限界水分量は、約7[g/kg]となる。
加湿部18は、例えば、超音波加湿器であり、制御部17による制御に従って、第1のCO除去用触媒部22aからガス吸着部19に流入する空気を加湿するためのものである。
図6に示すように、ガス吸着部19は、複数の捕集部として配設される複数の熱伝導性のよい板31a〜31eを有する。なお、以下の説明では、上記複数の板31a〜31eを冷却フィンと表す。
冷却フィン31a〜31eは、その板面が空気が流れる方向(白抜きの矢印の方向)に沿うように配設されている。また、各冷却フィン31a〜31eは、通風路12の断面方向に一定間隔を有して並べられている。このようにして各冷却フィン31a〜31eを配設するのは、後述する各冷却フィン31a〜31e間でのガスの除去率を均一化できるようにし、且つ各冷却フィン31a〜31e間を通る空気の通風抵抗に偏りが発生しないようにするためである。さらに、冷却フィン31a〜31eは、中空部を有しており、この中空部に、冷媒32が通るパイプ21bが配設される。
なお、ガス吸着部19として、図6に示したような冷却フィン31a〜31eを用いずに、ひれ付コイル(finned coil)やエロフィンチューブ(aerofin tube)を用いてもよい。ここで、エロフィンチューブとは、薄い金属帯(フィン)が垂直に立つように巻き付けられたパイプである。
図1に説明を戻し、制御部17bは、CPU、ROM、及びRAMなどにより構成されるマイクロコンピュータなどを用いて構成され、冷却・放熱部21の動作を制御するためのものである。なお、制御部17bを用いずに、前述した制御部17aにより、制御部17bで行う機能を実現するようにしてもよいということは言うまでもない。
冷却・放熱部21は、コンプレッサ21aと、パイプ21bと、クーラー部21cと、プリクーラー部21dと、開閉手段として配設される電磁弁21eとを有している。
コンプレッサ21aは、制御部17bによる制御に従って冷媒32を圧縮してパイプ21b内に供給し、ガス吸着部19(冷却フィン31a〜31e)を冷却するためのものである。なお、ここではコンプレッサを用いた場合を一例として説明するが、コンプレッサ以外にも、ペルチェ素子や吸収式冷却装置などを用いることも可能である。
第1の放熱装置として配設されるクーラー部21cは、放熱部として配設される複数の熱伝導性のよい板を有する。なお、以下の説明では、上記複数の板を第1の放熱フィンと表す。
上記第1の放熱フィンは、その板面が、空気が流れる方向に沿うように配設され、それぞれが互いに間隔を有して配設される。さらに、上記第1の放熱フィンは、中空部を有しており、この中空部に、パイプ21bが配設される。
第2の放熱装置として配設されるプリクーラー部21dは、通風路12の外側に配設され、第2の放熱部として配設される複数の熱伝導性のよい板210と、送風機211とを有している。なお、以下の説明では、上記複数の板を第2の放熱フィン210と表す。
第2の放熱フィン210は、中空部を有しており、コンプレッサ21aとクーラー部21cとの間にあるパイプ21bが、この中空部に配設される。
送風機211は、第2の放熱フィン210に風をあてて、第2の放熱フィン210における放熱量を可及的に高めるようにするためのものである。
このように、本実施の形態では、クーラー部21cだけでなく、通風路12の外側に配設されたプリクーラー部21dによっても冷媒32を冷却させるようにしている。したがって、冷却・放熱部21における温度が高くなることによって、コンプレッサ21aの電源が切れてしまうなどの問題を可及的に防止することができる。
具体的に説明すると、本実施の形態では、通風路12内の空気の風速を0.2m/sとしており、通風路12内の速度が遅い。このために、クーラー部21cにおける放熱量が十分でない場合がある。しかしながら、本実施の形態では、プリクーラー部21dによっても冷媒32を冷却させるようにしているので、このような場合であっても、上述したコンプレッサ21aの電源が切れてしまうなどの問題を可及的に防止することができる。
本願発明者らは、ガス吸着部19の入り口における温度T1と、冷却・放熱部21の出口における温度T2との温度差ΔT(=T1−T2)を、プリクーラー部21dを設けた場合と、設けなかった場合との2つの場合において測定した。
具体的には、通風路12を流れる空気の速度が0.2m/sになるように、図1に示した有害ガス除去装置10を動作させて、温度差ΔTを測定した。その結果、温度差ΔTは、約2℃であった。
また、プリクーラー部21dを、図1に示した有害ガス除去装置10から取り除いて装置を構成した。そして、通風路12を流れる空気の速度が0.2m/sになるようにして、温度差ΔTを測定した。その結果、温度差ΔTは、約15℃であった。
このように、プリクーラー部21dを有害ガス除去装置10に配設するようにすれば、パイプ21bから発生する熱をより効率よく放出させるとともに、通風路12内の温度を可及的に容易に制御することができるようになることが分かる。
具体的に説明すると、上記第1の放熱フィン(クーラー部21c)は、通風路12内に配設されているために、上記第1の放熱フィン(クーラー部21c)から通風路12内に熱が放出されることになり、通風路12内の温度が上記第1の放熱フィン(クーラー部21c)から放出される熱に影響を受けることになる。一方、プリクーラー部21dは通風路12の外側に配設されているので、プリクーラー部21dから通風路12内に熱が放出されることはなく、通風路12内の温度がプリクーラー部21dから放出される熱に影響を受けることがなくなる。したがって、例えば、上記第1の放熱フィン(クーラー部21c)における放熱量と、プリクーラー部21dの放熱量とを適宜設定することにより、通風路12内の温度を制御することができる。
以上のように、クーラー部21cとプリクーラー部21dとの両方を有害ガス除去装置10に配設するようにすれば、パイプ21bから発生する熱をより効率よく放出させることができるとともに、通風路12内の温度を可及的に容易に制御することができるようになり好ましいが、必ずしもクーラー部21cと、プリクーラー部21dとの両方を配設する必要はなく、クーラー部21cと、プリクーラー部21dとの少なくとも何れか一方を配設するようにすれば、冷却フィン31a〜31eを冷やすことができるということは言うまでもない。
また、本実施の形態では、第2の放熱フィン210と送風機211とを用いてプリクーラー部21dを構成するようにしたが、第2の放熱フィン210だけでもパイプ21dから発生する熱を十分に放出させることができる場合には、必ずしも送風機211を設ける必要はない。
パイプ21bは、コンプレッサ21aからの冷媒32を通すためのものである。このパイプ21bにより、第1の経路と第2の経路とが形成される。ここで、第1の経路とは、コンプレッサ21aから、第2の放熱フィン210の中空部と、上記第1の放熱フィンの中空部と、冷却フィン31a〜31eの中空部とを経由してコンプレッサ21aに戻る第1の経路である。また、第2の経路とは、コンプレッサ21aから、電磁弁21eと、冷却フィン31a〜31eの中空部とを経由してコンプレッサ21aに戻る第2の経路である。
電磁弁21eは、CPU17bによる制御に従って、上記第2の経路のみを開閉するためのものである。
冷却フィン31a〜31eの表面付近の温度を測定するための第2のセンサ23によって測定された温度が所定の温度以下になった場合に、制御部17bは、電磁弁21eを開放させる。これにより、コンプレッサ21aからの高温の冷媒32が上記第2の経路に流れ、冷却フィン31a〜31eが温まる。
一方、第2のセンサ23によって測定された温度が所定の温度よりも高くなった場合には、制御部17bは、電磁弁21eを閉じる。これにより、コンプレッサ21aからの高温の冷媒32が上記第2の経路に流れなくなり、上記第1の放熱フィンと第2の放熱フィン210とにより冷却された冷媒32のみが冷却フィン31a〜31eの中空部に流れ、冷却フィン31a〜31eが冷やされる。なお、上記所定の温度は、例えば0〜2℃である。
上述したように、制御部17aによる制御に従った加湿部18の動作により、冷却フィン31a〜31eの周囲の空気の絶対湿度は、限界水分量以上に保たれている。したがって、以上のようにしてパイプ21b内に冷媒32を循環させることにより、冷却フィン31a〜31eの表面に霜が形成されてしまうことを防止しながら、冷却フィン31a〜31eの表面に適正量の水膜を常時形成することができる。
そして、本実施の形態では、ガスリアクタ部14及びオゾン分解触媒部15で発生した水溶性の有害ガスや、空気中にもともと含まれている水溶性の有害ガスを、冷却フィン31a〜31eの表面に形成された水膜に吸着させることにより、除去するようにする。
すなわち、ガスリアクタ部14及びオゾン分解触媒部15で発生した水溶性の有害ガスや、空気中にもともと含まれている水溶性の有害ガスが、ガス吸着部19に供給されると、上記水溶性のガスの濃度勾配に起因した拡散が起こる。具体的に説明すると、冷却フィン31a〜31eの間に供給された水溶性の有害ガスは、その濃度が最も低い冷却フィン31a〜31eの表面に向かって拡散する。これにより、水溶性の有害ガスは、冷却フィン31a〜31eの表面に形成された水膜に吸着される。水溶性の有害ガスを吸着した水膜は、自重により落下する。そして、落下した水を回収部20で回収する。このように本実施の形態では、冷却フィン31a〜31eにより複数の捕集部が構成される。なお、有害ガス除去装置10には、必要に応じて粒子除去部13の上流側に粗粒子を捕集する機能を有する前段フィルタなどの捕集機能を有する部材を設けてもよい。
そして、以上のようにして有害ガスが除去された空気は、第2のCO除去用触媒部22bに流入する。第2のCO除去用触媒部22bは、第1のCO除去用触媒部22aやガス吸着部19で除去しきれなかった一酸化炭素ガスを除去する。具体的に、第2のCO除去用触媒部22bは、白金、金、ホプカライトなどを用いて構成され、触媒の作用を用いて一酸化炭素ガスを酸化し、二酸化炭素ガスに変える。
すなわち、本実施の形態では、第1のCO除去用触媒部22aやガス吸着部19で除去しきれなかった一酸化炭素ガスを、一酸化炭素ガスを除去するのに適した白金触媒などを用いて除去するようにする。言い換えると、第2のCO除去用触媒部22bに多種類のガスが流入して触媒が被毒しないように、一酸化炭素ガスを除く有害ガスをガス吸着部19で除去してから第2のCO除去用触媒部22bで一酸化炭素ガスを除去するようにする。
以上のようにして粗粒子や粒子や有害ガスが除去された空気は、通風路12の下流側から大気中に排出される。
次に、以上のような構成を有する有害ガス除去装置10の効果を調査した結果について説明する。
図7は、有害ガス除去装置10の動作時間(経過時間)と水溶性の有害ガスの除去率との関係を示した図である。
なお、ここでは、酢酸ガスを対象にして調査した。また、ガス吸着部19に流入した酢酸ガスの量と、ガス吸着部19から流出した酢酸ガスの量との比から、有害ガスの除去率51を求めるようにした。
さらに、冷却フィン31a〜31eの周囲の所定の位置における温度が約9[℃]になるように、冷却フィン31a〜31eを冷却するとともに、ガス吸着部19に流入する空気の絶対湿度52が約12[g/kg]になるように、加湿部18により空気を加湿するようにした。
上述したように、9[℃]のときの限界水分量53は、約7[g/kg]であるので、以上のようにして有害ガス除去装置10を動作させることにより、冷却フィン31a〜31eの表面に水膜が常時形成される。
図7に示すように、酢酸ガスの除去率51は、80[%]以上の高い値を示し、なお且つ有害ガス除去装置10を長時間動作させても低下しないことが分かる。
また、本願発明者らは、ガス吸着部19に流入する空気の絶対湿度が、限界水分量よりも低くなるように、有害ガス除去装置10を動作させた場合に、有害ガスをどの位除去することができるのかを調査した。図8にその結果を示す。
図8は、ガス吸着部19に流入する空気の絶対湿度が、限界水分量よりも低くなるように、有害ガス除去装置を動作させた場合の有害ガスの除去率を示した図である。
具体的には、ガス吸着部19に流入する空気の絶対湿度が、約5[g/kg]になるように、有害ガス除去装置を動作させて、水溶性の有害ガス(酢酸ガス)の除去率を調査した。なお、ガス吸着部19に流入する空気の絶対湿度以外の条件は、図7に示したものと同じである。
図8に示すように、有害ガス除去装置を動作させた直後の酢酸ガスの除去率61は、80[%]となり、高い値を示すが、時間の経過とともに、低下してしまうことが分かる。
このように、本願発明者らは、ガス吸着部19に流入する空気の絶対湿度62が、限界水分量63よりも低いと、有害ガスを安定して除去することが困難になるということを見出した。
さらに、本願発明者らは、本実施の形態の有害ガス除去装置10をどのように構成すれば、有害ガスを適切に除去することができるのかを詳細に解析した。その結果、構造決定パラメータλが0.693以上となるように、冷却フィン31a〜31eを構成するようにすればよいということを見出した。
以下に、構造決定パラメータλが、どのようにして導出されるのかを説明する。
この構造決定パラメータλは、本願発明者らが提唱するMD理論(Mixing Diffusion Theory)により決定される。このMD理論は、電気集塵理論におけるドイチェ(Deutsh)の式を拡張したものである。
この電気集塵理論に適用される電気集塵機は、例えば、放電電極と、上記放電電極に対向して配設される対向電極とを有する荷電部と、上記荷電部の下流側に配設された集塵電極と、上記集塵電極に対向して配設される非集塵電極とを有する集塵部とを通風路内に備えて構成され、上記通風路の上流側から下流側に向けて空気を通風して、上記空気によって運ばれる粒子などを集塵するものである。
上記ドイチェの式は、このような電気集塵機における集塵効率η´を求めるものであり、以下の(1式)により表される。
η´=1−exp(−A×ω/Q)・・・(1式)
上記(1式)において、Aは集塵面積(集塵電極の面積)[m2]、Qは風量[m3/s]、ωは電気的移動速度[m/s]である。また、集塵面積Aと風量Qは、それぞれ以下の(2式)及び(3式)のように表される。
A=b×L・・・(2式)
Q=v×b×w・・・(3式)
上記(2式)及び(3式)において、bは集塵電極の幅方向の長さ[m]、Lは集塵電極の奥行き方向の長さ[m]、wは集塵電極と非集塵電極との間隔(電極間隔)[m]、vは空気の速度[m/s]である。
そして、上記(2式)及び(3式)を上記(1式)に代入すると、以下の(4式)が得られる。
η´=1−exp{−(L×ω)/(w×v)}・・・(4式)
上記MD理論は、上記(4式)を拡張したものである。ただし、上記MD理論では、水溶性のガスは、水膜が形成された面に接触すればそこで吸着され、再蒸発しないものという前提が必要になる。
上述したように水溶性の有害ガスは、水膜が形成された面に向かって拡散する。したがって、上記(4式)における電気的移動速度ωの代わりに、拡散速度VD[m/s]を用いる。
この拡散速度VDは、以下の良く知られている式である(5式)のように表される。
D=−(D/n)×(∂n/∂x)・・・(5式)
上記(5式)において、Dは拡散係数[m2/s]、nは各冷却フィン31a〜31eの間に存在している有害ガスの濃度[ppm]、xは各冷却フィン31a〜31eの間隔方向(通風路12の断面方向)の距離[m]である。
ここで、有害ガスの濃度nが、冷却フィン31a〜31eと冷却フィン31a〜31eとの中間点から冷却フィン31a〜31eの表面に向かって、略直線的に減少しているとすると、以下の(6式)が導かれる。
(−∂n/∂x)≒n/a=n/(d/2)・・・(6式)
上記(6式)において、aは拡散距離[m]である。また、dは、互いに対向する冷却フィン31a〜31eと冷却フィン31a〜31eとの間隔[m]である。
そして、上記(6式)を上記(5式)に代入すると、以下の(7式)が得られる。
D=2D/d・・・(7式)
また、対向する2つの冷却フィン31a〜31eへの有害ガスの拡散は、上記(4式)の電極間隔wが、あたかも冷却フィン31a〜31eの間隔dの半分になったように作用する。
以上のことから、上記(4式)の電気的移動速度ωを、上記(7式)の拡散速度VD[m/s]に置き換えるとともに、上記(4式)の電極間隔wを、d/2に置き換えることにより、以下の(8式)が得られる。
η=1−exp{−(4×L×D)/(d2×v)}・・・(8式)
このようにして得られた上記(8式)が、MD理論による有害ガスの除去性能を表す理論式である。そして、上記(8式)の指数部が上記構造決定パラメータλとなる。この構造決定パラメータλを用いると、以下の(9式)及び(10式)が得られる。
λ≡(4×L×D)/(d2×v)・・・(9式)
η=1−exp(−λ)・・・(10式)
さらに、本願発明者らは、上記(10式)により得られるMD理論式が実測値と一致するかどうかを調査した。その結果を以下に示す。
図9は、構造決定パラメータλと有害ガスの除去率との関係の一例を示した図である。図9において、黒丸が実測値である。図9に示すように、上記(10式)により得られた理論値70と、実測値とは、概ね一致していることが分かる。
以上のことから、上記(10式)により得られるMD理論式は、有害ガス除去装置10を構成する際の指標として極めて優れた理論であると言える。
そして、構造決定パラメータλが0.693以上となるように有害ガス除去装置10を構成すれば、有害ガスの除去率ηを50[%]以上にすることができ、実用的な値になるということが、上記MD理論式により定量的に求めることができる。
また、上記(9式)により、構造決定パラメータλは、冷却フィン31a〜31eの間隔dの2乗に反比例する。すなわち、冷却フィン31a〜31eの面積(有害ガスを捕集する面積)を大きくしても、冷却フィン31a〜31eの間隔dを小さくしなければ、有害ガスの除去率ηはあまり増加しない(上記(8式)を参照)。
このことから、冷却フィン31a〜31eの間隔dを可及的に小さく(好ましくは1.5[mm]以下)することにより、有害ガスの除去率ηを大きくすることができるということが分かる。
以上のように、本願発明者らが今回提唱したMD理論を用いることにより、試行錯誤により有害ガス除去装置10を設計しなくても、高い除去率を有する有害ガス除去装置10を設計することができる。
ところで、特開2001−96193号公報や、特開2001−96194号公報などには、イオン化線と、グランド電極とを互いに対向させて配設し、上記グランド電極の表面に水膜を形成することにより、水溶性のガスを除去する技術が提案されている。
そして、本願発明者らは、本実施の形態で示した技術を用いたときの有害ガスの除去効果と、上記公報に記載された技術を用いたときの有害ガスの除去効果とを比較した。
具体的には、上記(9式)で表される構造決定パラメータλと、上記(4式)の指数部λ´との比をとることにより、両者の比較を行った。これらの比は、以下の(11式)で表される。
(λ´/λ)={(L×ω)/(d×v)}/{(4×L×D)/(d2×v)}=ω/(4×D/d)・・・(11式)
なお、上記(11式)を求める際には、上記(4式)における間隔wを、冷却フィン31a〜31eの間隔dに置き換える。
そして、電気的移動速度ωは、通常、20[cm/s]程度である。また、拡散係数Dは、0.1〜0.2[cm2/s]である。したがって、冷却フィン31a〜31eの間隔dを8[mm]と設定すると、以下の(12式)が得られる。
(λ´/λ)=ω/(4×D/d)=20〜40・・・(12式)
このことから、上記(9式)で表される構造決定パラメータλは、上記(4式)の指数部λ´よりも、20分の1〜40分の1程度の小さな値になることが分かる。
具体的に説明すると、上記公報に記載された技術を用いた装置の粒子の集塵効率が90[%]であったとしても、水溶性のガスの除去率は、6〜11[%]になってしまうということが、上記MD理論を用いることにより分かる。
すなわち、上記(4式)の左辺に0.9を代入して、上記(4式)の指数部λ´を求めると、指数部λ´は2.3になる。
そして、上記(9式)で表される構造決定パラメータλと、上記(4式)の指数部λ´との比は20なので(上記(12式)を参照)、上記公報に記載された技術を用いた装置における構造決定パラメータλは、0.115になる。
したがって、上記公報に記載された技術を用いた装置における有害ガスの除去率ηは、上記(10式)から、10.8(≒11)[%]になる。
同様に、上記(9式)で表される構造決定パラメータλと、上記(4式)の指数部λ´との比が40の場合、上記公報に記載された技術を用いた装置における有害ガスの除去率ηは、5.6(≒6)[%]になる。したがって、上記公報に記載された技術を用いるよりも、本実施の形態で示した技術を用いた方が、有害ガスを格段に除去することができるということが分かる。
さらに、上述したように、有害ガスの除去率ηは、冷却フィン31a〜31eの間隔dを小さくすると、急激に増加する(上記(8式)を参照)。しかしながら、上記公報に記載の技術では、イオン化線とグランド電極との距離を短くすると、火花放電などを起こすため、電極間隔をあまり小さくすることができない。したがって、有害ガスの除去率ηを大きくすることができない。
以上のように、本願発明者らが提唱したMD理論を用いることにより、いわゆる電気集塵装置の集塵電極やグランド電極に水膜を形成しても、有害ガスを殆ど除去することができないということが分かる。
さらに、本願発明者らは、ガス吸着部19を用いて水溶性の有害ガスを除去してから第2のCO除去用触媒部22bで一酸化炭素ガスを除去した場合と、ガス吸着部19を用いずに第2のCO除去用触媒部22bで一酸化炭素ガスを直接除去した場合とで、一酸化炭素ガスの除去効果にどの程度違いがあるのかの検証を行った。
具体的には、図1に示した有害ガス除去装置10を動作させて、通風路12に流入する一酸化炭素ガスの量と、通風路12から流出した一酸化炭素ガスの量を測定した。また、ガスリアクタ部14、オゾン分解触媒部15、第1のセンサ16、制御部17、加湿部18、ガス吸着部19、回収部20、冷却・放熱部21、及び第1のCO除去用触媒部22aを、図1に示した有害ガス除去装置10から取り除いて装置を構成した。そして、上記構成した装置を動作させて、通風路12に流入する一酸化炭素ガスの量と、通風路12から流出した一酸化炭素ガスの量を測定した。その結果を以下の表1に示す。
Figure 2005034629
表1に示すように、水溶性の有害ガスをガス吸着部19で除去しないと、第2のCO除去用触媒部22bにおいて一酸化炭素ガスを殆ど除去することができないが、水溶性の有害ガスをガス吸着部19で除去すると、第2のCO除去用触媒部22bにおける一酸化炭素ガスの除去率が格段に上昇することが分かる。
以上のように本実施の形態では、冷却フィン31a〜31eの間に供給された有害ガスの濃度勾配に起因する拡散現象を利用して、冷却フィン31a〜31eの表面に形成された水膜に、有害ガスを吸着させるようにしたので、装置のコストを上げることなく、悪臭の原因となる有害ガスや健康上から見た有毒ガスを確実に長期間除去することができる。
また、ガス吸着部19(冷却フィン31a〜31eの周囲)の絶対湿度が、限界水分量以上となるように加湿部18を制御するようにしたので、冷却フィン31a〜31eの表面に水膜を常時形成することが、有害ガス除去装置10の消費電力を大きくすることなく実現することができる。
また、構造決定パラメータλが、0.693以上になるように、有害ガス除去装置10を構成するようにしたので、有害ガスの除去効果が、実用的な範囲となる有害ガス除去装置10を容易に設計することができる。すなわち、有害ガス除去装置10における有害ガスの除去効果と、有害ガス除去装置10の構成との関係を定量的に関連付けるMD理論を用いて、有害ガス除去装置10を構成するようにしたので、厳密な複数の理論式を組み合わせた複雑な設計を行ったり、実験を繰り返し行ったりしなくても、設計者は、概ね実測値と一致した性能を容易に予見することができ、ユーザのニーズに合わせた最適な有害ガス除去装置10を容易に設計することができる。
また、冷却フィン31a〜31eの間隔が有害ガスの除去率に大きく影響するということを、上記MD理論を用いることにより、今回始めて定量的に解析することができた。そして、本実施の形態では、有害ガスの濃度勾配に起因する拡散を利用して捕集するようにしたので、有害ガスを捕集する冷却フィン31a〜31eの絶縁が不要になり、冷却フィン31a〜31eの間隔dを容易に小さくすることができる。
また、クーラー部21cだけでなく、通風路12の外側に配設されたプリクーラー部21dによってもパイプ21bから発生する熱を放出させるようにしたので、冷却・放熱部21における温度が高くなることによって、コンプレッサ21aの電源が切れてしまうなどの問題を可及的に防止することができる。
また、冷却フィン31a〜31eの表面付近の温度が0℃以下になった場合には、電磁弁21eを開放させて、コンプレッサ21aからの高温の冷媒32が上記第2の経路に流れるようにして、冷却フィン31a〜31eを温めるようにする一方、冷却フィン31a〜31eの表面付近の温度が0℃よりも高くなった場合には、電磁弁21eを閉じて、上記第1の放熱フィンと第2の放熱フィン210とにより冷却された冷媒32のみが冷却フィン31a〜31eの中空部に流れるようにして、冷却フィン31a〜31eを冷やすようにしたので、冷却フィン31a〜31eの周囲の環境(温度)に影響を受けずに、適正量の水膜を冷却フィン31a〜31eの表面に常時形成することができる。
また、ガスリアクタ部14と、オゾン分解触媒部15とを用いて、非水溶性のガスを水溶性のガスに変えてから、ガス吸着部19により水溶性のガスを除去するようにしたので、悪臭の原因となる有害ガスをより確実に除去することができる。
また、粒子除去部13により粒子を除去してから、有害ガスを除去するようにしたので、空気清浄効果をより一層向上させることができる。
また、冷却フィン31a〜31eの間に供給された有害ガスの濃度勾配に起因する拡散現象を利用して、冷却フィン31a〜31eの表面に形成した水膜に、水溶性の有害ガスを吸着させて除去してから、第2のCO除去用触媒部22bで一酸化炭素ガスを除去するようにしたので、第2のCO除去用触媒部22bに多種類の有害ガスが流入してしまうことを防止することができ、第2のCO除去用触媒部22bを構成する白金などが被毒されてしまうことを防止することができる。これにより、第2のCO除去用触媒部22bにおける一酸化炭素ガスの除去性能を従来よりも格段に向上させることができ、悪臭の原因となる多種類の有害ガスや健康上から見た有毒ガスを確実に長期間除去することができる。
このように、第2のCO除去用触媒部22bを設ければ、一酸化炭素ガスの除去性能を格段に向上することができ好ましいが、必ずしも第2のCO除去用触媒部22bを設ける必要はない。すなわち、第1のCO除去用触媒部22a及び第2のCO除去用触媒部22bの少なくとも何れか一方を設けるようにしていればよい。
なお、図2〜図4に示したように、絶縁板201の中に、導電性の板電極202を埋設するようにすれば、電極203と板電極202との間の絶縁を可及的に確実に確保することができ好ましいが、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、図10に示すように、板電極202a、202bを、絶縁板1001a〜1001dで挟むようにしてもよい。このようにすれば、気流蛇行型電極203n、203pと、板電極202a、202bとの間の絶縁を、電極203から板電極202までの沿面距離により確保することができ、なお且つ絶縁板201の中に、導電性の板電極202を埋設する場合よりも、ガスリアクタ部14を容易に形成することができるようになる。
また、本実施の形態では、ガスリアクタ部14により、放電プラズマ領域を形成するようにしたが、通風路12内の所定の空間にラジカルを発生させることができれば、必ずしも放電プラズマ領域を形成するようにしなくてもよい。
例えば、図11に示すように、通風路12の断面方向に間隔を有して並べられたUVランプ81a〜81dを用いて、ガスリアクタ部14を構成するようにしてもよい。このUVランプ81a〜81dにより、通風路12内の所定の空間に紫外線照射領域を形成することができ、上記放電プラズマ領域と同様の作用を通風路12に供給された空気に与えることができる。
また、本実施の形態では、ガス吸着部19(冷却フィン31a〜31eの周囲)の絶対湿度が、限界水分量以上となるように加湿部18を制御するようにしたが、冷却フィン31a〜31eの表面に水膜を常時形成することができれば、必ずしもこの方法を用いる必要はない。
例えば、制御部17aが、冷却・放熱部21における冷凍サイクルを制御して、冷却フィン31a〜31eの周囲の温度を下げるようにしてもよい。すなわち、制御部17aは、冷却フィン31a〜31eの周囲の温度が、冷却フィン31a〜31eの表面に水膜を常時形成することができる温度になるように、コンプレッサ21aを制御する。
具体的に説明すると、制御部17aは、第1のセンサ16により測定されたガス吸着部19の温度と絶対湿度に基づいて、冷却フィン31a〜31eの周囲の温度が、何度になれば、冷却フィン31a〜31eの表面に水膜を常時形成することができるのかを求める。そして、冷却フィン31a〜31eの周囲の温度が、上記求めた温度になるように、コンプレッサ21aから流れる冷媒32の量など制御するようにして、冷却フィン31a〜31eの周囲の温度を調整する。このようにすれば、加湿部18を設けなくてもよくなり、有害ガス除去装置10を小型化することができる。
ただし、有害ガス除去装置10の信頼性をより向上させるために、制御部17aにおける加湿部18の制御と、冷却・放熱部21の制御とを併用するようにしてもよいということは言うまでもない。
また、第2のCO除去用触媒部22bを構成する白金触媒などの触媒を加熱するようにクーラー部21cを構成すれば、一酸化炭素ガスの除去率をより向上させることができ好ましい。なお、図1には示していないが、有害ガス除去装置10に第2のCO除去用触媒部22bを加熱するための加熱装置を設け、この加熱装置を用いて上記白金触媒などの触媒を加熱して一酸化炭素ガスの除去率を向上させるようにしてもよい。
さらに、本実施の形態では、HEPAフィルタを用いて粒子除去部13を構成するようにしたが、塵や埃などの粒子を捕集することができれば、必ずしもHEPAフィルタを用いる必要はない。例えば、図12に示すような静電式集塵装置を用いるようにしてもよい。
図12に示すように、静電式集塵装置(粒子除去部)90は、荷電部91と、集塵部92と、電源装置93a、93bとを有している。
荷電部91は、放電電極94a、94bと、上記放電電極94a、94bに対向して配設される対向電極95a〜95cとを有し、送風機11によって通風路12に供給された空気によって運ばれる塵や埃などの粒子をプラスに荷電する。
すなわち、電源装置93aにより、放電電極94a、94bと、対向電極95a〜95cとの間に高電圧を与えてコロナ放電空間を生じさせ、通風路12に供給された空気によって運ばれる塵や埃などの粒子をプラスに荷電する。
集塵部92は、荷電部91よりも通風路12の下流側で互いに対向して配設される非集塵電極96a、96bと、集塵電極97a〜97cとを有し、荷電部91でプラスに荷電された粒子を集塵する。
すなわち、電源装置93bにより、非集塵電極96a、96bに正の電位を与えるとともに、集塵電極97a〜97cにグランド電位を与えることにより、非集塵電極96a、96bと集塵電極97a〜97cとの間に、電位差に起因する電界を発生させる。そして、この電界の作用により、荷電部91でプラスに荷電された粒子を集塵電極97a〜97cに吸引して集塵する。
本発明の実施の形態を示し、有害物質除去装置の構成の一例を示した図である。 本発明の実施の形態を示し、ガスリアクタ部の具体的な構成の第1の例を示した図である。 本発明の実施の形態を示し、ガスリアクタ部の具体的な構成の第2及び第3の例を示した図である。 本発明の実施の形態を示し、ガスリアクタ部の具体的な構成の第4の例を示した図である。 本発明の実施の形態を示し、気流蛇行型電極の構成の一例を示した図である。 本発明の実施の形態を示し、ガス吸着部の具体的な構成の一例を示した図である。 本発明の実施の形態を示し、有害物質除去装置の動作時間(経過時間)と有害ガスの除去率との関係を示した図である。 本発明の実施の形態を示し、ガス吸着部に流入する空気の絶対湿度が、限界水分量よりも低くなるように、有害物質除去装置を動作させた場合の有害ガスの除去率を示した図である。 本発明の実施の形態を示し、構造決定パラメータと有害ガスの除去率との関係の一例を示した図である。 本発明の実施の形態を示し、ガスリアクタ部の具体的な構成の第5の例を示した図である。 本発明の実施の形態を示し、ガスリアクタ部の具体的な構成の第6の例を示した図である。 本発明の実施の形態を示し、粒子除去部の具体的な構成の他の例を示した図である。
符号の説明
10 有害物質除去装置
11 送風機
12 通風路
13 粒子除去部
14 ガスリアクタ部
15 オゾン分解触媒部
16 第1のセンサ
17 制御部
18 加湿部
19 ガス吸着部
20 回収部
21 冷却・放熱部
21a コンプレッサ
21b パイプ
21c クーラー部
21d プリクーラー部
21e 電磁弁
22 CO除去用触媒部
23 第2のセンサ
31 冷却フィン
210 第2の放熱フィン
211 送風機

Claims (22)

  1. 通風路に供給された空気に含まれている有害ガスを除去する有害ガス除去装置であって、
    上記通風路内で間隔を有して配設された複数の捕集部と、
    上記複数の捕集部を冷却して、上記複数の捕集部の表面に水膜を形成させるための冷却手段とを有し、
    上記複数の捕集部の間に供給された有害ガスの濃度勾配に起因する拡散を利用して、上記複数の捕集部の表面に形成された水膜に、上記有害ガスを吸着させるようにしたことを特徴とする有害ガス除去装置。
  2. 上記複数の捕集部の周囲の空気を加湿する加湿手段を有することを特徴とする請求項1に記載の有害ガス除去装置。
  3. 上記通風路内の空気の湿度を計測する湿度計測手段と、
    上記湿度計測手段により計測された空気の湿度に応じて、上記加湿手段を制御する加湿制御手段とを有することを特徴とする請求項2に記載の有害ガス除去装置。
  4. 上記冷却手段は、冷媒を圧縮して供給するためのコンプレッサと、
    上記コンプレッサから上記コンプレッサに戻る経路を形成し、上記コンプレッサから供給される冷媒を循環させるようにするためのパイプと、
    上記パイプに流れる冷媒の熱を冷却するための放熱装置とを有し、
    上記複数の捕集部は、上記パイプに取り付けられており、
    上記放熱装置は、上記コンプレッサにおける上記冷媒の出口側において、上記コンプレッサと上記複数の捕集部との間に設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の有害ガス除去装置。
  5. 上記通風路内の空気の湿度を計測する湿度計測手段と、
    上記湿度計測手段により計測された空気の湿度に応じて、上記冷却手段の冷凍サイクルの運転条件を変更し、変更した運転条件に従って上記冷却手段を制御する冷却制御手段とを有することを特徴とする請求項4に記載の有害ガス除去装置。
  6. 上記放熱装置を上記通風路の外部に設けたことを特徴とする請求項4又は5に記載の有害ガス除去装置。
  7. 上記通風路の外部に設けられた放熱装置は、上記パイプに取り付けられた放熱部と、
    上記放熱部に風を供給する送風機とを有することを特徴とする請求項6に記載の有害ガス除去装置。
  8. 上記放熱装置を上記通風路の内部に設けたことを特徴とする請求項4又は5に記載の有害ガス除去装置。
  9. 上記通風路の内部に配管されているパイプに取り付けられた第1の放熱部を有する第1の放熱装置と、
    上記通風路の外部に配管されているパイプに取り付けられた第2の放熱部を有する第2の放熱装置とを有し、
    上記第2の放熱部は、上記コンプレッサにおける上記冷媒の出口側において、上記コンプレッサと上記第1の放熱部との間に配管されているパイプに取り付けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載の有害ガス除去装置。
  10. 上記パイプにより形成される経路を開閉する開閉手段と、
    上記複数の捕集部の周囲の空気の温度を計測する温度計測手段と、
    上記温度計測手段により計測された温度に応じて、上記開閉手段における開閉動作を制御する経路開閉制御手段とを有し、
    上記パイプは、上記コンプレッサから上記放熱装置と上記複数の捕集部とを経由して上記コンプレッサに戻る第1の経路と、上記放熱装置を経由せずに上記コンプレッサから上記複数の捕集部を経由して上記コンプレッサに戻る第2の経路とを形成し、
    上記開閉手段は、上記パイプにより形成される上記第2の経路のみを開閉することを特徴とする請求項4〜9の何れか1項に記載の有害ガス除去装置。
  11. 上記通風路内に放電プラズマ領域を形成するようにするための放電プラズマ発生手段を有し、
    上記放電プラズマ領域を通った空気に含まれている有害ガスを、上記複数の捕集部の表面に形成された水膜に吸着させるようにしたことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の有害ガス除去装置。
  12. 上記放電プラズマ発生手段で発生したオゾンガスを除去するためのオゾン分解用触媒を有するオゾンガス除去手段を有し、
    上記オゾン分解用触媒を通った空気に含まれている有害ガスを、上記複数の捕集部の表面に形成された水膜に吸着させるようにしたことを特徴とする請求項11に記載の有害ガス除去装置。
  13. 上記オゾン分解用触媒は、マンガン触媒であることを特徴とする請求項12に記載の有害ガス除去装置。
  14. 上記複数の捕集部の間を通った空気に含まれている一酸化炭素ガスを、一酸化炭素除去用触媒を用いて除去する一酸化炭素除去手段を有することを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の有害ガス除去装置。
  15. 上記通風路内に紫外線を照射して紫外線照射領域を形成するようにするための紫外線照射手段を有し、
    上記紫外線照射領域を通った空気に含まれている有害ガスを、上記複数の捕集部の表面に形成された水膜に吸着させるようにしたことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の有害ガス除去装置。
  16. 上記紫外線照射手段で発生したオゾンガスを除去するためのオゾン分解用触媒を有するオゾンガス除去手段を有し、
    上記オゾン分解用触媒を通った空気に含まれている有害ガスを、上記複数の捕集部の表面に形成された水膜に吸着させるようにしたことを特徴とする請求項15に記載の有害ガス除去装置。
  17. 上記オゾン分解用触媒は、マンガン触媒であることを特徴とする請求項16に記載の有害ガス除去装置。
  18. 上記複数の捕集部の間を通った空気に含まれている一酸化炭素ガスを、一酸化炭素除去用触媒を用いて除去する一酸化炭素除去手段を有することを特徴とする請求項15〜17の何れか1項に記載の有害ガス除去装置。
  19. 上記複数の捕集部は、以下の式で表される構造決定パラメータλが、0.693以上になるように構成されていることを特徴とする請求項1〜18の何れか1項に記載の有害ガス除去装置。
    λ=(4×D×L)/(d2×v)
    上記において、dは、上記複数の捕集部間の間隔[m]、Lは、上記複数の捕集部の奥行き方向の長さ[m]、vは、上記通風路に供給される空気の風速[m/s]、Dは、上記有害ガスの拡散定数[m/s2]である。
  20. 上記複数の捕集部は、1.5[mm]以下の間隔を有して配設されていることを特徴とする請求項1〜19の何れか1項に記載の有害ガス除去装置。
  21. 上記複数の捕集部は、一定の間隔を有して配設されていることを特徴とする請求項1〜20の何れか1項に記載の有害ガス除去装置。
  22. 上記通風路に供給された空気に乗って運ばれた粒子を捕集して除去する粒子除去手段を有し、
    上記粒子除去手段によって粒子が除去された空気に含まれる有害ガスを、上記複数の捕集部の表面に形成された水膜に吸着させるようにしたことを特徴とする請求項1〜21の何れか1項に記載の有害ガス除去装置。
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