JP2005033866A - ハイブリッド車の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハイブリッド車において、登坂路での車両後退を防止しつつ、車両発進時のブレーキの引き摺りが発生しないハイブリッド車の制御装置を提供する。
【解決手段】車両用駆動源としてエンジンEとモータM1を備えたハイブリッド車両の制御装置において、ブレーキペダルの操作を検出するブレーキペダルセンサS7と、路面勾配を検出するGセンサS9と、前記ブレーキペダルセンサS7と前記GセンサS9の検出結果に基づいて車両が停止した路面が登坂路であり、ブレーキペダルが解除されたことを検出した場合に、前記モータに前進方向のトルクを発生させるモータECU4とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、ハイブリッド車における制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハイブリッド車両においては燃費向上を図るため、車両停止時あるいは車両減速時に所定の条件を満たすとアイドル停止することが一般に行われている。ここで、登坂路など傾斜のある路面において停車する場合、アイドル停止するとクリープトルクが発生しないため、ブレーキ解除後に車両が後退するのを防止する必要がある。そのため、ブレーキペダルを解除してアクセルペダルを踏込むまでの間、ブレーキペダルの踏込み力に応じた液圧ブレーキの制動トルクを引き続き作用させて車両が後退しないようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−47987号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、ブレーキペダル解除後、前記液圧ブレーキの減圧に時間がかかるため、前記アクセルペダルを踏込んで車両が前進し始めた時点においてもブレーキの制動トルクが継続する、いわゆるブレーキの引き摺り状態になることがある。そのため、前記ブレーキのパッド磨耗を早めると共に、駆動力のロスとなり燃費の向上を阻害するという問題がある。
そこで、この発明は、ハイブリッド車において、登坂路での車両後退を防止しつつ、車両発進時のブレーキの引き摺りが発生しないハイブリッド車の制御装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、車両用駆動源としてエンジン(例えば、実施の形態におけるエンジンE)とモータ(例えば、実施の形態におけるモータM1)を備えたハイブリッド車両の制御装置において、ブレーキペダルの操作を検出する操作検出手段(例えば、実施の形態におけるブレーキペダルセンサS7)と、路面勾配を検出する勾配検出手段(例えば、実施の形態におけるGセンサS9)と、前記操作検出手段と前記勾配検出手段の検出結果に基づいて車両が停止した路面が登坂路であり、ブレーキペダルが解除されたことを検出した場合に、前記モータに前進方向のトルクを発生させるモータ制御手段(例えば、実施の形態におけるモータECU4)とを備えたことを特徴とする。
このように構成することで、登坂路で前記エンジンをアイドル停止させた場合に、前記モータを用いて前記エンジンのクリープトルク相当のトルクを発生させることが可能となる。
【0006】
請求項2に記載した発明は、前記モータの回転数を検出する回転数検出手段(例えば、実施の形態におけるモータ回転センサS2)を備え、前記モータ制御手段は、前記モータにより前進方向のトルクを作用させている際に、前記回転数検出手段により検出された前記モータの回転数が下限回転数(例えば、実施の形態における基準回転数_1)を下回った場合に、前記モータの前進方向のトルクを徐々に低減することを特徴とする。
このように構成することで、モータのトルクにより車両が停止状態になるにつれてモータのトルクを徐々に低減することが可能となる。
【0007】
請求項3に記載した発明は、前記モータ制御手段は前記モータのトルクを徐々に低減している際に、前記回転数検出手段により検出された前記モータの回転数が上限回転数(例えば、実施の形態における基準回転数_2)を上回った場合に前記モータの前進方向のトルクを増加することを特徴とする。
このように構成することで、前記モータトルクが足りないためモータの回転数が高まり車両が後退しようとした場合には、前記モータのトルクを増加させることが可能となる。
【0008】
請求項4に記載した発明は、前記モータの前進方向のトルクは登坂路の路面勾配に応じて設定された第一の指示トルク(例えば、実施の形態におけるトルク_1)であることを特徴とする。
このように構成することで、路面勾配に応じた適正なモータトルクを付与することができる。
【0009】
請求項5に記載した発明は、前記モータの前進方向のトルクは、車両停止時のブレーキペダル操作によるブレーキ機構にて発生するブレーキ力と同等のトルクに設定された第一の指示トルクであることを特徴とする。
このように構成することで、車両を停止させるブレーキ力と同等のモータトルクを付与することができる。
【0010】
請求項6に記載した発明は、前記第一の指示トルクはブレーキ解除後に時間の経過と共に徐々に減少させ、第二の指示トルク(例えば、実施の形態におけるトルク_2)に到達した時点で、該第二の指示トルクに保持することを特徴とする。
このように構成することで、ブレーキ解除時に付与される第一の指示トルクにより、車両を停止させるためのトルクをブレーキ装置によるものからモータによるものへとスムーズ移行させ、その後、第二の指示トルクに移行して、これを連続的に作用させることが可能となる。
【0011】
請求項7に記載した発明は、前記第二の指示トルクは前記エンジンのクリープトルクの有無と車輪に駆動力を伝達する発進クラッチの接続の有無とに基づいて設定されていることを特徴とする。
このように構成することで、クリープトルクがあり発進クラッチが接続されている場合は、第二の指示トルクを減少させることができ、クリープトルクがなく発進クラッチが切断されている場合には第二の指示トルクによりクリープトルクを確保することが可能となる。
【0012】
請求項8に記載した発明は、前記第二の指示トルクは前記エンジンのクリープトルク以下に設定されていることを特徴とする。
このように構成することで、クリープトルク以上のトルクを確保して、違和感を与えるのを防止できる。
【0013】
請求項9に記載した発明は、前後輪のうち一方がエンジン、他方がモータで駆動される四輪駆動であることを特徴とする。
このように構成することで、一方の車輪に対して常にモータ単独でクリープトルクを付与することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の第一の実施の形態を図面と共に説明する。
図1に示すように、この発明の実施の形態のハイブリッド車は四輪駆動であって、車両のフロント(FR)側に駆動源としてエンジンEとモータ(MOTOR)M2を直結して備え、リヤ側に例えばディファレンシャルギヤ(DIFF)Dの入力側に接続されたモータM1を備えている。
ここで、前記モータM2は、前記エンジンEとCVT(変速比連続可変トランスミッション)などのトランスミッションT(オートマティックトランスミッションでもよい)の間に挟み込まれて配置されている。また、前記トランスミッションT内部のモータ側端には、エンジンEとモータM2から出力される駆動力の切断と接続を機械的に行う発進クラッチ14が設けられている。
したがって、フロント側の前記エンジンEと前記モータM2の出力は前記トランスミッションTと発進クラッチ14とを介して前輪Wfに伝達され、リヤ側のモータM1の出力はディファレンシャルギヤDを介して後輪Wrに伝達される。
【0015】
前記モータM1は、モータ制御手段としてのモータECU(MOTECU)4からの制御命令を受けてパワードライブユニット(PDU)1により制御され、同様に、前記モータM2は、モータECU4からの制御命令を受けてパワードライブユニット(PDU)2により制御されている。
ここで、前記モータECU4は、後述するブレーキECU5より路面の傾斜角度情報を受け取り、前記路面の傾斜角度に対応した後述する指示モータトルク(図2(a),(b)参照)を決定し、前記モータM1のトルクが前記指示モータトルクとなるように前記パワードライブユニット1を介して制御している。
【0016】
前記パワードライブユニット1およびパワードライブユニット2には、モータM1およびモータM2と電力の授受を行う高圧系のニッケル−水素バッテリ(蓄電装置)7が接続されている。8は各種補機類を駆動する12ボルトの補助バッテリを示し、この補助バッテリ8は前記バッテリ7にDC−DCコンバータであるダウンバータ9を介して接続されている。
また、前記ダウンバータ9を制御すると共に、前記バッテリ7を保護するバッテリECU(BATTECU)6には、前記バッテリ7に入出力される電流および電圧を検知するバッテリ電流センサS3、バッテリ電圧センサS4が接続され、さらに、前記バッテリ7の温度を検知するバッテリ温度センサS5が接続されている。
【0017】
ここで、ダウンバータ9は、バッテリ7の電圧を降圧して補助バッテリ8の充電を行い、前記バッテリECU6は、該バッテリECU6に接続される各センサからの信号に基づいてバッテリ7の残容量の算出を行う。
【0018】
前記モータM1および前記モータM2の動作を監視する前記モータECU4には、前記モータM1,M2の回転を監視する回転数検出手段としてのモータ回転センサS1(S1a,S1b)と前記モータM1および前記モータM2の温度状態を監視するモータシステム温度センサS2(S2a,S2b)とが接続されている。
【0019】
ここで、前記モータシステム温度センサS2a,S2bは、前記モータM1,M2と共に、これらを駆動するパワードライブユニット1,2の温度も監視している。また、前記モータECU4は、前記モータシステム温度センサS2a又は前記モータシステム温度センサS2bが所定の許容温度を超えると、これに対応した前記モータM1又はモータM2の出力を停止し、これらモータM1,M2に熱的負荷がかからないようにしている。尚、前記所定の許容温度とはモータ固有の動作温度の最大値を示している。
【0020】
前記エンジンEと前記モータM2に駆動される前記前輪Wfは前輪ブレーキBfを有し、同様に前記モータM1に駆動される前記後輪Wrは後輪ブレーキBrを有している。前記前輪ブレーキBfおよび前記後輪ブレーキBrは、油圧により制動トルクを発生する制動装置10を備え、この制動装置10には、ブレーキECU(BRKECU)5からの制御指令を受けてブレーキの油圧を制御するアクチュエータ11が接続されている。前記後輪ブレーキBrと前輪ブレーキBfがブレーキ装置(以下液圧ブレーキともいう)を構成する。
【0021】
前記ブレーキECU5には、ブレーキの油圧を検知するブレーキ油圧センサS6と、ブレーキペダル(図示せず)の操作を検知するブレーキペダルセンサS7と、車両の速度を検知する車輪速度センサS8と、勾配検出手段として加速度を検知するGセンサS9とが接続されている。
【0022】
ここで、前記ブレーキECU5は前記車輪速度センサS8と前記GセンサS9の信号から路面の傾斜角度を算出し、この算出された結果を前記モータECU4に出力している。つまり、車輪速度センサS8によって車速零が検出され且つ、GセンサS9によって加速度が検出されたときに路面勾配が検出される。このとき検出された加速度がマイナス値である場合には走行路は登坂路であることが判定されるのである。ここでこの判定は、モータECU4あるいはエンジンECU3によって判定される。尚、このように車輪速度センサS8とGセンサS9を用いずに傾斜センサ等によって登坂路か否かを判定してもよい。
【0023】
前記エンジンEはいわゆる直列四気筒エンジンであり、前記エンジンEの吸気管13にはエンジンECU(FIECU)3で制御される電子制御スロットル12が設けられている。また、図示しないアクセルペダル(AP)の操作量を検知するアクセル開度センサS10は前記エンジンECU3に接続されている。
ここで、前記エンジンECU3は、アクセルペダルの操作量等から燃料噴射量を算出し、電子制御スロットル12に対して燃料噴射量の制御信号を出力している。
【0024】
次に、図3のフローチャートに基づいて登坂路で車両がアイドル停止した場合のモータM1を用いたブレーキング処理を説明する。尚、図3(以下の実施の形態における図4から図7において同様)のフローチャートにおいてENGはエンジンEを示し、モータはモータM1を示す。また、勾配とは上り勾配を示す。
まず、ステップS300で、エンジンEがアイドル停止すると共に発進クラッチが切断され、ステップS301でブレーキペダルが踏込まれると、ステップS302においてブレーキトルクが発生して、ステップS303において車両が停止する。
【0025】
次に、ステップS304で運転者が発進するためにブレーキペダルから足を離してブレーキペダルが解除されたか否かを判定する。判定結果が「YES」(解除された)である場合はステップS305に進み、判定結果が「NO」(解除されていない)である場合は再びステップS302に戻り上述の処理を繰り返す。ステップS305ではブレーキトルクの解除、つまりブレーキ油圧を解除してステップS306に進む。
【0026】
ステップS306では、路面に勾配があるか否かを判定する。判定結果が「YES」(勾配あり)である場合はステップS307に進み、判定結果が「NO」(勾配なし)である場合は処理を終了する。
次に、ステップS307では路面の勾配に応じたモータトルクを前記モータに指示してステップS308に進む。
ここで、ステップS307の路面勾配に応じて設定されるモータトルクは、後述する図2(b)のトルク_1を示している。尚、同じく後述する実施の形態におけるステップS407、ステップS507、ステップS607、ステップS707においても同様である。
【0027】
ステップS308では、前記モータの回転数が基準回転数_1よりも低いか否かを判定する。判定結果が「YES」(基準回転数_1より低い)である場合はステップS309に進み、判定結果が「NO」(基準回転数_1以上)である場合はステップS310に進む。ステップS309では指示モータトルクを例えば徐々に減少してステップS310に進む。ここで、モータの回転数の検出は、設定時間内の移動平均計算により算出する。また、前記基準回転数_1は前記モータの発熱が発生しないための下限回転数(例えば、15rpm)である(以下の実施の形態においても同様)。
【0028】
ステップS309では、前記モータが基準回転数_1よりも低い回転数であった場合に、トルクを発生しながらも極性が変化しないことによるモータの発熱を防止するために、前記モータのトルクを徐々に減少させ、車両が徐々に後退することを許容しつつ前記モータの最低回転数を確保する処理である。尚、後述する実施の形態におけるステップS409、ステップS509、ステップS609、ステップS709においても同様である。
【0029】
ステップS310では、モータ回転数が基準回転数_2よりも大きいか否かを判定する。判定結果が「YES」(基準回転数_2より大きい)である場合はステップS311に進み、判定結果が「NO」(基準回転数_2以下)である場合はステップS314に進む。
ステップS311では、指示モータトルクを増大させてステップS312に進む。ステップS312では、モータトルクが指示可能最大値よりも低いか否かを判定する。判定結果が「YES」(指示可能最大値より低い)である場合はステップS313に進み、判定結果が「NO」(指示可能最大値以上)である場合はステップS314に進む。ステップS313では指示モータトルクの最大値を指示してステップS314に進む。
ここで、前記基準回転数_2(例えば、88rpm)は車両の後退による(モータは逆転)前記モータの上限回転数を示している(以下の実施の形態においても同様)。
【0030】
ステップS314では、アクセルペダルの踏込みがあるか否かを判定する。判定結果が「YES」(踏込みあり)である場合はステップS315に進み、判定結果が「NO」(踏込みなし)である場合はステップS308に戻り上述の処理を繰り返す。この判定により、運転者が前進しようとしていることが判定される。
ステップS315では、モータのトルクを増加させ、ステップS315Aに進み、エンジンを始動してステップS315Bに進む。ステップS315Bでは発進クラッチを接続してステップS316でエンジンとモータによる駆動力を発生させ、ステップS317で車両の前進を確認して処理を終了する。
【0031】
ここで、上述の第一の実施の形態のフローチャートにおけるモータ指示トルクを図2(a),(b)に基づいて説明する。
まず、図2(a)は縦軸をブレーキペダル踏込み量、横軸を時間とした場合のブレーキペダル踏込み量の変化を示し、例えば、ステップS301において、踏込み量Lでブレーキペダルが踏込まれていたが、ステップS305(時間tとなった時点)で踏込み量が零、つまり、踏込みが解除されたことを示している。
【0032】
次に、図2(b)は縦軸を車軸トルク、横軸を時間(前記図2(a)に対応)とした場合の時間と共に変化するモータトルクを示している。尚、この実施の形態(以下の実施の形態でも同様)では、ハイブリッド車両は四輪駆動であるため、前記モータトルクは図2(b)に示すように車軸トルクということとなる。ここで、前記図2(b)には前記モータトルクとして実線、一点鎖線、二点鎖線で示す3種類のトルクを併記しており、第一の実施の形態であるエンジン停止状態で且つ、クリープトルクがない場合のトルクを前記実線で示している。尚、一点鎖線、二点鎖線については後述する第二〜第五の実施の形態に適用するため、ここでの説明は省略する。
【0033】
また、図2(b)において、縦軸に記載されているトルク_1は、前記ステップS307で用いた路面勾配に応じて設定された指示モータトルク(第一の指示トルク)であり、一方、トルク_2はステップS309とステップS311における指示モータトルク(第二の指示トルク)である。
したがって、ステップS306において前記GセンサS9が登坂路の上り傾斜を検出しているときには、前記ブレーキペダルを解除するのと同時にステップS307で前記モータトルクをトルク_1として指示し、その後、時間経過と共にトルク指示値を低減させてトルク_2の指示トルクに到達した時点でこのトルク指示を保持することとなる。
また、図2(b)に示す破線は、従来技術にあるブレーキ力保持装置を用いた場合の液圧ブレーキトルクである。ここで、従来技術とは、ブレーキペダル解除後もブレーキトルクを徐々に減少させながら継続させて、アクセルペダルを踏込むまでの間に車両の後退を防止するためのハイブリッド車のブレーキシステムのことである。
【0034】
したがって、この第一の実施の形態によれば、車輪速度センサS8とGセンサS9とに基づいて、車両が停止した路面が登坂路であると判定されると、ブレーキ解除時に路面勾配に応じたトルク、つまり車両が後退しないだけのトルクを前記モータM1に前進方向の駆動トルクとして発生させることが可能となる。
したがって、液圧ブレーキの引き摺りの問題を回避することができる上、四輪駆動走行のためのモータM1を有効利用して登坂路での車両の後退を確実に防止することができる。
【0035】
また、前記モータM1により登坂路で車両の後退を防止するために前進方向のトルク_2を作用させている際に、前記モータM1の回転数が基準回転数_1を下回った場合に、前記モータM1の前進方向のトルク_2を徐々に低減することにより、車両を停止状態にすることができる。したがって、熱的に不利なモータM1の回転停止を防止して、モータM1を熱的負荷から保護することができる。さらに、前記モータM1のトルク_2を徐々に低減している際に、前記モータM1の回転数が基準回転数_2を上回った場合に前記モータM1の前進方向のトルクを増加することができる。したがって、車両の後退を確実に防止できる。
【0036】
ここで、前記モータM1の前進方向のトルクは登坂路の路面勾配に応じて設定されたトルク_1であることにより、路面勾配に応じた適正なモータトルクを付与することができ、路面勾配にスムーズに対応して確実に車両の後退を防止できる。
そして、前述した前記トルク_1はブレーキ解除後に時間の経過と共に徐々に減少させ、トルク_2に到達した時点でこれを保持することにより、車両を停止させるためのトルクを液圧ブレーキによるものからモータM1によるものへとスムーズ移行させ、その後、トルク_2で連続的に作用させることが可能となる。よって、通常車両との違和感がなくなり商品性を高めることができる。
【0037】
さらに、前記トルク_2は前記エンジンEのクリープトルク以下に設定されているため、クリープトルク以上に設定された場合に比較して、運転者に違和感を与えるのを防止できる。よって、商品性を高めることができる。
尚、第一の実施の形態では路面勾配に応じたトルクを算出し、このトルクをモータM1に付与したが、例えば車両停止時のブレーキペダル操作によるブレーキ油圧をブレーキ油圧センサS6により検出し、この検出結果に基づいたトルクをモータM1に付与してもよい(以下、第二〜第五の実施の形態についても同様)。
【0038】
次に、この発明の第二の実施の形態を図1、図2を援用し、図4のフローチャートに基づいて説明する。尚、この実施の形態は前述した第一の実施の形態の図3のフローチャートのみが異なるので他の説明は省略する。この処理も前述実施の形態と同様に登坂路で車両がアイドル停止した場合のモータM1を用いたブレーキング処理を示しているが、前述した実施の形態のステップS315Aのエンジン始動処理をステップS305のブレーキトルク解除の直前に行ったものである。以下、順を追って説明する。
【0039】
まず、ステップS400で、エンジンEがアイドル停止すると共に発進クラッチが切断され、ステップS401でブレーキペダルが踏込まれると、ステップS402においてブレーキトルクが発生して、ステップS403において車両が停止する。
【0040】
次に、ステップS404で運転者が発進するためにブレーキペダルから足を離してブレーキペダルが解除されたか否かを判定する。判定結果が「YES」(解除された)である場合はステップS404Aに進み、判定結果が「NO」(解除されていない)である場合は再びステップS402に戻り上述の処理を繰り返す。ステップS404Aではエンジンを始動して、次の、ステップS405でブレーキトルクの解除、つまりブレーキ油圧を解除してステップS406に進む。
ステップS406では、路面に勾配があるか否かを判定する。判定結果が「YES」(勾配あり)である場合はステップS407に進み、判定結果が「NO」(勾配なし)である場合は処理を終了する。
【0041】
ここで、ステップS404Aのエンジン始動後に前記発進クラッチ14は無効ストローク詰めを行う。この無効ストローク詰めとは、前記発進クラッチ切断状態から接続(締結)状態に至る際に、アクセルペダル操作によるエンジントルク入力に対し、トランスミッション側が遅れなく力を受けられるように、前記発進クラッチ切断後、このクラッチに発生するクリアランス(ピストンからエンドプレート間)を詰める作業(操作)をいい、このクリアランス分ピストンが移動するように、ピストンのリターンスプリングを縮めるのに必要な荷重をピストンに発生させることである。よって、前記無効ストローク詰めはアクセルペダルが踏込まれる前に完了させておく必要があるが、多少のフリクションが伴うのでアイドリングの際はアクセルペダル操作直前に完了させることが望ましい。
したがって、ステップS404AからステップS415Bの処理では前記無効ストローク詰めによって弱いクリープトルクが前記前輪Wfに作用することとなる。
【0042】
次に、ステップS407では路面の勾配に応じたモータトルクを前記モータに指示してステップS408に進む。
ここで、ステップS407の路面勾配に応じて設定されるモータトルクは、図2(b)のトルク_1を示している。
【0043】
ステップS408では、前記モータの回転数が基準回転数_1よりも低いか否かを判定する。判定結果が「YES」(基準回転数_1より低い)である場合はステップS409に進み、判定結果が「NO」(基準回転数_1以上)である場合はステップS410に進む。ステップS409では指示モータトルクを例えば徐々に減少してステップS410に進む。
ここで、ステップS409の指示モータトルクは、例えば、図2(b)の一点鎖線のトルク_2を示し、このトルク_2にはエンジン始動で且つ、発進クラッチOFF(弱クリープトルク発生)である場合の値(第一の実施の形態よりも小さい)が適用される。
【0044】
ステップS410では、モータ回転数が基準回転数_2よりも大きいか否かを判定する。判定結果が「YES」(基準回転数_2より大きい)である場合はステップS411に進み、判定結果が「NO」(基準回転数_2以下)である場合はステップS414に進む。
ステップS411では、指示モータトルク(トルク_2)を増大させてステップS412に進む。ステップS412では、モータトルクが指示可能最大値よりも低いか否かを判定する。判定結果が「YES」(指示可能最大値より低い)である場合はステップS413に進み、判定結果が「NO」(指示可能最大値以上)である場合はステップS414に進む。ステップS413では指示モータトルクの最大値を指示してステップS414に進む。
【0045】
ステップS414では、アクセルペダルの踏込みがあるか否かを判定する。判定結果が「YES」(踏込みあり)である場合はステップS415に進み、判定結果が「NO」(踏込みなし)である場合はステップS408に戻り上述の処理を繰り返す。この判定により、運転者が前進しようとしていることが判定される。
ステップS415では、モータのトルクを増加させ、ステップS415Bに進む。ステップS415Bでは発進クラッチを接続してステップS416でエンジンとモータによる駆動力を発生させ、ステップS417で車両の前進を確認して処理を終了する。
【0046】
したがって、第二の実施の形態によれば、第一の実施の形態の効果に加え、ステップS404Aにおいて早めにエンジン始動を行っている分だけステップS415Bにおける発進クラッチ接続の際にエンジンを安定した状態とすることができる点で有利である。
【0047】
次に、この発明の第三の実施の形態を図1、図2を援用し、図5のフローチャートに基づいて説明する。尚、この実施の形態は前述した第一の実施の形態の図3のフローチャートのみが異なるので他の説明は省略する。この処理も前述各実施の形態と同様に登坂路で車両がアイドル停止した場合のモータM1を用いたブレーキング処理を示しているが、前述した第二の実施の形態のステップS415Bの発進クラッチ接続処理をステップS405のブレーキトルク解除の直前に行ったものである。以下、順を追って説明する。
【0048】
まず、ステップS500で、エンジンEがアイドル停止すると共に発進クラッチが切断され、ステップS501でブレーキペダルが踏込まれると、ステップS502においてブレーキトルクが発生して、ステップS503において車両が停止する。
【0049】
次に、ステップS504で運転者が発進するためにブレーキペダルから足を離してブレーキペダルが解除されたか否かを判定する。判定結果が「YES」(解除された)である場合はステップS504Aに進み、判定結果が「NO」(解除されていない)である場合は再びステップS502に戻り上述の処理を繰り返す。ステップS504Aではエンジンを始動して、次の、ステップS504Bで発進クラッチを接続し、ステップS505でブレーキトルクの解除、つまりブレーキ油圧を解除してステップS506に進む。
ステップS506では、路面に勾配があるか否かを判定する。判定結果が「YES」(勾配あり)である場合はステップS507に進み、判定結果が「NO」(勾配なし)である場合は処理を終了する。
【0050】
次に、ステップS507では路面の勾配に応じたモータトルクを前記モータに指示してステップS508に進む。
ここで、ステップS507の路面勾配に応じて設定されるモータトルクは、図2(b)のトルク_1を示しているが、このトルク_1は図示しない路面勾配とモータトルクのマップを用いて検索により求められる。
【0051】
ステップS508では、前記モータの回転数が基準回転数_1よりも低いか否かを判定する。判定結果が「YES」(基準回転数_1より低い)である場合はステップS509に進み、判定結果が「NO」(基準回転数_1以上)である場合はステップS510に進む。ステップS509では指示モータトルクを例えば徐々に減少してステップS510に進む。
ここで、ステップS509の指示モータトルクは、例えば、図2(b)の二点鎖線のトルク_2を示し、このトルク_2にはエンジン始動で且つ、発進クラッチONである場合の値(第二の実施の形態よりも小さい)が適用される。
【0052】
ステップS510では、モータ回転数が基準回転数_2よりも大きいか否かを判定する。判定結果が「YES」(基準回転数_2より大きい)である場合はステップS511に進み、判定結果が「NO」(基準回転数_2以下)である場合はステップS514に進む。
ステップS511では、指示モータトルク(トルク_2)を増大させてステップS512に進む。ステップS512では、モータトルクが指示可能最大値よりも低いか否かを判定する。判定結果が「YES」(指示可能最大値より低い)である場合はステップS513に進み、判定結果が「NO」(指示可能最大値以上)である場合はステップS514に進む。ステップS513では指示モータトルクの最大値を指示してステップS514に進む。
【0053】
ステップS514では、アクセルペダルの踏込みがあるか否かを判定する。判定結果が「YES」(踏込みあり)である場合はステップS515に進み、判定結果が「NO」(踏込みなし)である場合はステップS508に戻り上述の処理を繰り返す。この判定により、運転者が前進しようとしていることが判定される。
ステップS515では、モータのトルクを増加させ、ステップS516でエンジンとモータによる駆動力を発生させ、ステップS517で車両の前進を確認して処理を終了する。
【0054】
したがって、第三の実施の形態によれば、第二の実施の形態の効果に加え、ステップS504Bにおいて発進クラッチ接続を早めに行うことで、ステップS514におけるアクセルペダル踏込みの際に速やかに車両を前進させることができ、応答性を早めることができる。
【0055】
次に、この発明の第四の実施の形態を図1、図2を援用し、図6のフローチャートに基づいて説明する。尚、この実施の形態は前述した第一の実施の形態の図3のフローチャートのみが異なるので他の説明は省略する。この処理は前述各実施の形態とは異なり、登坂路でエンジンが停止しない状態で車両が停止した場合のモータM1を用いたブレーキング処理を示し、前述した第三の実施の形態のステップS500のエンジン停止および発進クラッチ切断処理と、ステップS504Aのエンジン始動処理と、ステップS504Bの発進クラッチ接続処理を省略したものである。以下、順を追って説明する。
【0056】
まず、ステップS601でブレーキペダルが踏込まれると、ステップS602においてブレーキトルクが発生して、ステップS603において車両が停止する。次に、ステップS604で運転者が発進するためにブレーキペダルから足を離してブレーキペダルが解除されたか否かを判定する。判定結果が「YES」(解除された)である場合はステップS605に進み、判定結果が「NO」(解除されていない)である場合は再びステップS602に戻り上述の処理を繰り返す。
【0057】
ステップS605ではブレーキトルクの解除、つまりブレーキ油圧を解除してステップS606に進む。次に、ステップS606では、路面に勾配があるか否かを判定する。判定結果が「YES」(勾配あり)である場合はステップS607に進み、判定結果が「NO」(勾配なし)である場合は処理を終了する。
【0058】
次に、ステップS607では路面の勾配に応じたモータトルクを前記モータに指示してステップS608に進む。
ここで、ステップS607の路面勾配に応じて設定されるモータトルクは、図2(b)のトルク_1を示しているが、このトルク_1は図示しない路面勾配とモータトルクのマップを用いて検索により求められる。
【0059】
ステップS608では、前記モータの回転数が基準回転数_1よりも低いか否かを判定する。判定結果が「YES」(基準回転数_1より低い)である場合はステップS609に進み、判定結果が「NO」(基準回転数_1以上)である場合はステップS610に進む。ステップS609では指示モータトルクを例えば徐々に減少してステップS610に進む。
ここで、ステップS609の指示モータトルクは、第二の実施の形態と同様に例えば、図2(b)の二点鎖線のトルク_2を示し、このトルク_2にはエンジン始動で且つ、発進クラッチONである場合の値(第一の実施の形態よりも小さい)が適用される。
【0060】
ステップS610では、モータ回転数が基準回転数_2よりも大きいか否かを判定する。判定結果が「YES」(基準回転数_2より大きい)である場合はステップS611に進み、判定結果が「NO」(基準回転数_2以下)である場合はステップS614に進む。
【0061】
ステップS611では、指示モータトルク(トルク_2)を増大させてステップS612に進む。ステップS612では、モータトルクが指示可能最大値よりも低いか否かを判定する。判定結果が「YES」(指示可能最大値より低い)である場合はステップS613に進み、判定結果が「NO」(指示可能最大値以上)である場合はステップS614に進む。ステップS613では指示モータトルクの最大値を指示してステップS614に進む。
【0062】
ステップS614では、アクセルペダルの踏込みがあるか否かを判定する。判定結果が「YES」(踏込みあり)である場合はステップS615に進み、判定結果が「NO」(踏込みなし)である場合はステップS608に戻り上述の処理を繰り返す。この判定により、運転者が前進しようとしていることが判定される。
ステップS615では、モータのトルクを増加させ、ステップS616でエンジンとモータによる駆動力を発生させ、ステップS617で車両の前進を確認して処理を終了する。
【0063】
したがって、第四の実施の形態によれば、第一の実施の形態の効果に加え、前述した各実施の形態とは異なりエンジンEが停止しない場合において、エンジンEの始動処理や発進クラッチ14の切断、接続処理を行わないで速やかに登坂路での発進を行うことができる。
【0064】
次に、この発明の第五の実施の形態を図1、図2を援用し、図7のフローチャートに基づいて説明する。尚、この実施の形態は前述した第一の実施の形態の図3のフローチャートのみが異なるので他の説明は省略する。この処理は前述第四の実施の形態と同様に、登坂路でエンジンが停止しない状態で車両が停止した場合のモータM1を用いたブレーキング処理を示しているが、前述した第四の実施の形態のステップS605のブレーキトルク解除処理直後に発進クラッチの切断処理を加え且つ、前述した第四の実施の形態のステップS615のモータトルク増加処理直後に発進クラッチ接続処理を加えたものである。以下、順を追って説明する。
【0065】
まず、ステップS701でブレーキペダルが踏込まれると、ステップS702においてブレーキトルクが発生して、ステップS703において車両が停止する。
次に、ステップS704で運転者が発進するためにブレーキペダルから足を離してブレーキペダルが解除されたか否かを判定する。判定結果が「YES」(解除された)である場合はステップS705に進み、判定結果が「NO」(解除されていない)である場合は再びステップS702に戻り上述の処理を繰り返す。ステップS705ではブレーキトルクの解除、つまりブレーキ油圧を解除してステップS705Aに進む。ステップS705Aでは、発進クラッチを切断してステップS706に進む。
【0066】
ここで、ステップS705Aの発進クラッチ14の切断後、前述した第二の実施の形態と同様に無効ストローク詰めを行う。この無効ストローク詰めはアクセルペダルの操作に対してトランスミッション側がエンジントルクを遅れなく受けられるように、クラッチのクリアランスを詰める操作である。
したがって、前記無効ストローク詰めによって、ステップS705AからステップS715Bの処理までは弱いクリープトルクが発生することとなる。
ステップS706では、路面に勾配があるか否かを判定する。判定結果が「YES」(勾配あり)である場合はステップS707に進み、判定結果が「NO」(勾配なし)である場合は処理を終了する。
【0067】
次に、ステップS707では路面の勾配に応じたモータトルクを前記モータに指示してステップS708に進む。
ここで、ステップS707の路面勾配に応じて設定されるモータトルクは、図2(b)のトルク_1を示しているが、このトルク_1は図示しない路面勾配とモータトルクのマップを用いて検索により求められる。
【0068】
ステップS708では、前記モータの回転数が基準回転数_1よりも低いか否かを判定する。判定結果が「YES」(基準回転数_1より低い)である場合はステップS709に進み、判定結果が「NO」(基準回転数_1以上)である場合はステップS710に進む。ステップS709では指示モータトルクを例えば徐々に減少してステップS710に進む。
ここで、ステップS709の指示モータトルクは、例えば、図2(b)の一点鎖線のトルク_2を示し、このトルク_2はエンジン始動で且つ、発進クラッチOFF(弱クリープトルク発生)である場合の値(第一の実施の形態よりも小さい)が適用される。
【0069】
ステップS710では、モータ回転数が基準回転数_2よりも大きいか否かを判定する。判定結果が「YES」(基準回転数_2より大きい)である場合はステップS711に進み、判定結果が「NO」(基準回転数_2以下)である場合はステップS714に進む。
ステップS711では、指示モータトルク(トルク_2)を増大させてステップS712に進む。ステップS712では、モータトルクが指示可能最大値よりも低いか否かを判定する。判定結果が「YES」(指示可能最大値より低い)である場合はステップS713に進み、判定結果が「NO」(指示可能最大値以上)である場合はステップS714に進む。ステップS713では指示モータトルクの最大値を指示してステップS714に進む。
【0070】
ステップS714では、アクセルペダルの踏込みがあるか否かを判定する。判定結果が「YES」(踏込みあり)である場合はステップS715に進み、判定結果が「NO」(踏込みなし)である場合はステップS708に戻り上述の処理を繰り返す。この判定により、運転者が前進しようとしていることが判定される。
ステップS715では、モータのトルクを増加させ、ステップS715Bに進み、発進クラッチを接続してステップS716に進む。ステップS716でエンジンとモータによる駆動力を発生させ、ステップS717で車両の前進を確認して処理を終了する。
【0071】
したがって、第五の実施の形態によれば、前述第四の実施の形態に比較して、発進する直前にのみ発進クラッチ14を接続するため、その分だけエンジンに負荷がかからず燃費を向上できる。
以上述べたように、クリープトルクがあり、前記発進クラッチが接続されている場合は、トルク_2を減少させることができ、クリープトルクがなく発進クラッチ14が切断されている場合にはトルク_2によりクリープトルクを確保することができるようにして、クリープトルクの有無、発進クラッチ14の断接に左右されることなく確実に車両の後退を防止するのである。
【0072】
尚、この発明は上記実施の形態の四輪駆動のハイブリッド車に限られるものではなく、例えば、前輪側にエンジンとは別に単独で車輪を駆動できるモータを設けて、このモータでクリープトルクを発生させる構造でもよく、また、前輪をモータで駆動し、後輪をエンジンで駆動する四輪駆動のハイブリッド車にも適用できる。さらに、エンジンEは直列四気筒以外の形式であってもよい。
【0073】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1に記載した発明によれば、登坂路で前記エンジンをアイドル停止させた場合に、前記モータを用いて前記エンジンのクリープトルク相当のトルクを発生させることが可能となるため、燃費の向上を阻害するブレーキの引き摺りの問題を回避すべくモータを有効利用して登坂路での車両の後退を確実に防止することができる効果がある。
【0074】
請求項2に記載した発明によれば、請求項1の効果に加え、モータのトルクにより車両が停止状態になるにつれてモータのトルクを徐々に低減することが可能となるため、熱的に不利なモータの回転停止を防止して、モータを熱的負荷から保護することができる効果がある。
【0075】
請求項3に記載した発明によれば、請求項2の効果に加え、前記モータトルクが足りないためモータの回転数が高まり車両が後退しようとした場合には、前記モータのトルクを増加させることが可能となるため、車両の後退を確実に防止できるという効果がある。
【0076】
請求項4に記載した発明によれば、請求項1〜請求項3の何れかの効果に加え、路面勾配に応じた適正なモータトルクを付与することができるため、路面勾配にスムーズに対応して確実に車両の後退を防止できる効果がある。
【0077】
請求項5に記載した発明によれば、請求項1〜請求項3の何れかの効果に加え、車両を停止させるブレーキ力と同等のモータトルクを付与することができるため、路面勾配に対応した運転者のブレーキ操作に基づいたモータトルクを発生させて確実に車両の後退を防止できる。
【0078】
請求項6に記載した発明によれば、請求項4又は請求項5の効果に加え、前ブレーキ解除時に付与される第一の指示トルクにより、車両を停止させるためのトルクをブレーキ装置によるものからモータによるものへとスムーズ移行させ、その後、第二の指示トルクに移行してこれを連続的に作用させることが可能となるため、通常車両との違和感がなくなり商品性を高めることができる効果がある。
【0079】
請求項7に記載した発明によれば、請求項6の効果に加え、クリープトルクがあり発進クラッチが接続されている場合は、第二の指示トルクを減少させることができ、クリープトルクがなく発進クラッチが切断されている場合には第二の指示トルクによりクリープトルクを確保することが可能となるため、クリープトルクの有無、発進クラッチの断接に左右されず、確実に車両の後退を防止できる効果がある。
【0080】
請求項8に記載した発明によれば、請求項6又は請求項7の効果に加え、クリープトルク以上のトルクを確保して違和感を与えるのを防止できるため、商品性を高めることができる効果がある。
【0081】
請求項9に記載した発明によれば、請求項1〜請求項8の何れかの効果に加え、一方の車輪に対して常にモータ単独でクリープトルクを付与することができるため、クリープトルク用としてのモータを四輪駆動の駆動源として有効利用することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の四輪駆動のハイブリッド車の全体構成図である。
【図2】この発明の実施の形態のモータトルクを示すグラフ図である。
【図3】この発明の第一の実施の形態の要部を示すフローチャートである。
【図4】この発明の第二の実施の形態の図2に相当するフローチャートである。
【図5】この発明の第三の実施の形態の図2に相当するフローチャートである。
【図6】この発明の第四の実施の形態の図2に相当するフローチャートである。
【図7】この発明の第五の実施の形態の図2に相当するフローチャートである。
【符号の説明】
4 モータECU(モータ制御手段)
Wf 前輪
Wr 後輪
E エンジン
M1 後輪側モータ
S2 モータ回転センサ(回転数検出手段)
S7 ブレーキペダルセンサ(操作検出手段)
S9 Gセンサ(勾配検出手段)

Claims (9)

  1. 車両用駆動源としてエンジンとモータを備えたハイブリッド車両の制御装置において、ブレーキペダルの操作を検出する操作検出手段と、路面勾配を検出する勾配検出手段と、前記操作検出手段と前記勾配検出手段の検出結果に基づいて車両が停止した路面が登坂路であり、ブレーキペダルが解除されたことを検出した場合に、前記モータに前進方向のトルクを発生させるモータ制御手段とを備えたことを特徴とするハイブリッド車の制御装置。
  2. 前記モータの回転数を検出する回転数検出手段を備え、前記モータ制御手段は、前記モータにより前進方向のトルクを作用させている際に、前記回転数検出手段により検出された前記モータの回転数が下限回転数を下回った場合に、前記モータの前進方向のトルクを徐々に低減することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車の制御装置。
  3. 前記モータ制御手段は前記モータのトルクを徐々に低減している際に、前記回転数検出手段により検出された前記モータの回転数が上限回転数を上回った場合に前記モータの前進方向のトルクを増加することを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車の制御装置。
  4. 前記モータの前進方向のトルクは登坂路の路面勾配に応じて設定された第一の指示トルクであることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のハイブリッド車の制御装置。
  5. 前記モータの前進方向のトルクは、車両停止時のブレーキペダル操作によるブレーキ機構にて発生するブレーキ力と同等のトルクに設定された第一の指示トルクであることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のハイブリッド車の制御装置。
  6. 前記第一の指示トルクはブレーキ解除後に時間の経過と共に徐々に減少させ、第二の指示トルクに到達した時点で、該第二の指示トルクに保持することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のハイブリッド車の制御装置。
  7. 前記第二の指示トルクは前記エンジンのクリープトルクの有無と車輪に駆動力を伝達する発進クラッチの接続の有無とに基づいて設定されていることを特徴とする請求項6に記載のハイブリッド車の制御装置。
  8. 前記第二の指示トルクは前記エンジンのクリープトルク以下に設定されていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のハイブリッド車の制御装置。
  9. 前後輪のうち一方がエンジン、他方がモータで駆動される四輪駆動であることを特徴とする請求項1〜請求項8の何れかに記載のハイブリッド車の制御装置。
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