JP2005033343A - 多周波共用アンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型かつ簡素に構成で良好なアンテナ特性を実現可能な多周波共用アンテナを提供する。
【解決手段】接地板11に載置された誘電体基板12と、誘電体基板12の上部平面における所定形状の範囲に形成された高周波用パッチ14と、誘電体基板12の上部平面にて前記所定形状の範囲から所定幅の間隙部15を隔て高周波用パッチ14を内包する範囲に形成された低周波用パッチ13と、高周波用パッチ14の所定位置と電気的に結合される高周波用給電点18と、低周波用パッチ13の所定位置と電気的に結合される低周波用給電点17と、間隙部15のうち少なくとも高周波用パッチ14を挟んで互いに対向する2領域に形成され高周波用パッチ14と低周波用パッチ13を連結する2以上の連結用パッチ16を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の異なる周波数帯域に対応する多周波共用アンテナに関するもので、特に、車載情報端末に必要な周波数1.575GHz帯のGPS用アンテナと周波数2.5GHz帯のVICS用アンテナの双方に対応する車載用途の多周波共用アンテナとして好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車に搭載される情報端末では、GPS(Global Positioning System)やVICS(Vehicle Information and Communication System)の利用が普及している。GPSは、自動車の位置情報をGPS衛星から受信してナビゲーション機能を実現するために有用なシステムであり、VICSは、移動経路上の施設の情報など多様な各種情報をリアルタイムで提供するシステムである。そして、それぞれのシステムにおける情報送信においては、GPSでは周波数1.575GHz帯の円偏波が用いられ、VICSでは周波数2.5GHz帯の直線偏波が用いられるので、両者を複合的に利用するには、それぞれの電波に適合する受信アンテナを自動車に設置する必要がある。
【0003】
ところで、上述のGPS用のアンテナとVICS用のアンテナを別々に自動車に設置するのでは、設置スペースの確保や伝送ケーブルの配線など、小型化や簡素化の面で不利益が大きい。そこで、複数の異なる周波数に対応するアンテナを同一平面上に構成した共平面構造を持つ多周波共用アンテナが提案されている(例えば、2001年電子情報通信学会総合大会B−1−174「マルチモード端末用2共振型アンテナの一検討」)。このような多周波共用アンテナは、図5に示すように、誘電体基板41の上部平面において、外側に低周波用パッチ42を形成するとともに、所定幅の間隙を隔てた内側に高周波用パッチ43を形成した構造になっている。そして、低周波用パッチ42と高周波用パッチ43のそれぞれの適切な位置に給電点を形成することにより、同一平面上に複数の異なる周波数用のアンテナが構成されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の共平面構造を持つ多周波共用アンテナを利用することは、小型かつ簡素に構成できる点ではメリットがあるが、良好なアンテナ特性を実現する点では十分ではない。すなわち、図5において、サイズが大きい低周波用パッチ42は、内側に高周波用パッチを内包する構造をとるために導体部分の面積が小さくなり、電流経路が制約される結果、アンテナ特性の劣化を招く恐れがある。特に、低周波用パッチ42については、周波数帯域幅が小さくなることにより製造ばらつきによる周波数特性の変動の影響を受けやすくなり、所望の周波数においてアンテナ利得の低下を招くことが問題となる。また、低周波用パッチ42と高周波用パッチ43の両者の配置関係がずれるとクリアランスが変化することに起因するアンテナ特性への悪影響も問題となる。
【0005】
一方、同一平面上に2つのパッチを形成することなく所定箇所にスロットを形成するなどの工夫により、2つの周波数に対応する平面アンテナを構成する方法も提案されている(例えば、特許文献1)。このような構成を採用した場合、形成するスロットの位置や形状と給電点の位置を調整しアンテナ特性を最適化することが必要となる。しかるに、この方式は本質的に1点で給電したアンテナを変形したものであり、2周波を1点で駆動するためにアンテナの調整が困難で設計の制約が大きい。
【0006】
そこで、本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、共平面構造を持つ多周波共用アンテナを小型かつ簡素に構成し、設計が容易で良好なアンテナ特性を実現可能な多周波共用アンテナを提供することを目的とする。
【0007】
【特許文献1】
特開2003−87049
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の多周波共用アンテナは、複数の異なる周波数帯域を共用可能な多周波共用アンテナであって、接地板に載置された誘電体基板乃至アンテナ接地導体を有した誘電体基板と、前記誘電体基板の上部平面における所定形状の範囲に形成された高周波用パッチと、前記誘電体基板の上部平面において、前記所定形状の範囲から所定幅の間隙部を隔て、前記高周波用パッチを内包する範囲に形成された低周波用パッチと、前記高周波用パッチにおける所定位置と電気的に結合される高周波用給電点と、前記低周波用パッチにおける所定位置と電気的に結合される低周波用給電点と、前記間隙部のうち、少なくとも前記高周波用パッチを挟んで互いに対向する2つの領域に形成され、前記高周波用パッチと前記低周波用パッチを連結する2以上の連結用パッチとを備えたことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、多周波共用アンテナにおいては、誘電体基板の上部平面に形成された高周波用パッチと低周波用パッチがそれぞれ異なる周波数帯域に対応している。外側の低周波用パッチは、内側の高周波用パッチを内包するように配置されるとともに、この両者を連結する連結用パッチが形成されている。よって、外側の低周波用パッチは、高周波用パッチと連結された分だけ面積が実効的に広くなる。そして、連結用パッチが形成される2つの領域を結ぶ方向と、高周波用給電点の位置と高周波用パッチの中心を結ぶ方向が略直交するような関係としたので、連結用パッチの存在が内側の高周波用パッチにおける共振電流の経路に影響を与えることなく、外側の低周波用パッチにおける共振電流の経路を十分に広い範囲で確保できる。そのため、多周波共用アンテナにおける高周波側のアンテナ特性を保ちつつ、低周波側のアンテナ特性を向上させることが可能となる。
【0010】
請求項2に記載の多周波共用アンテナは、請求項1に記載の多周波共用アンテナにおいて、前記連結用パッチが形成される2つの領域を結ぶ第1の方向と、前記高周波用給電点の位置と前記高周波用パッチの中心を結ぶ第2の方向とが、略直交する関係にあることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の多周波共用アンテナは、請求項1に記載の多周波共用アンテナにおいて、前記第2の方向における前記連結用パッチの幅は、前記第2の方向における前記高周波用パッチの長さに対し略2分の1以下に形成されていることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、連結用パッチの幅を制限したことにより、外側の低周波用パッチにおける多様な共振電流の経路の確保と、内側の高周波用パッチにおける共振電流の経路に与える影響の防止のいずれをも満足させる多周波共用アンテナの基本的な設計条件を得ることができる。
【0013】
請求項4に記載の多周波共用アンテナは、請求項1に記載の多周波共用アンテナにおいて、前記高周波用パッチはVICS用アンテナとして機能し、前記低周波用パッチはGPS用アンテナとして機能することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、VICS用の電波を高周波用パッチで受信し、GPS用の電波を低周波用パッチで受信する車載用途の好適な多周波共用アンテナを実現することができる。
【0015】
請求項5に記載の多周波共用アンテナは、3周波以上の周波数に対して共用可能なアンテナにおいて、そのうちの隣接する2周波以上の共用に請求項1又は2記載のアンテナを用いたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る多周波共用アンテナは、複数の異なる周波数帯域に対応する平面アンテナであり、例えば、車載情報端末に必要な周波数1.575GHz帯のGPS用受信アンテナと、周波数2.5GHz帯のVICS用受信アンテナの双方として機能する車載用途のアンテナに利用可能である。以降はまず、本発明の基本的な形態の説明として、低周波側のGPSの円偏波のうち1方向の偏波と高周波側のVICSの偏波を想定して述べていく。
【0017】
図1は、本実施形態に係る多周波共用アンテナ1の構造を示す図であり、平面図及び側面図をそれぞれ示している。図1に示すように本実施形態に係る多周波共用アンテナ1は、十分にサイズの大きい接地板11に所定の誘電率を持つ誘電体基板12が所定の厚さで載置され、その上部平面に導体でアンテナパターンが形成される構造になっている。
【0018】
図1の平面図に示すように、誘電体基板12の上部平面に形成されるアンテナパターンは、外側の低周波用パッチ13と内側の高周波用パッチ14とを含む共平面構造になっている。外側に配置される低周波用パッチ13は、2つの矩形に囲まれ所定のパッチ幅を持つ範囲に形成されている。また、内側に配置される高周波用パッチ14は、低周波用パッチ13に内包される比較的サイズの小さな矩形の範囲に形成されている。図1に示すように、低周波用パッチ13と高周波用パッチ14を隔てる所定幅の間隙部15が存在する。これら低周波用パッチ13及び高周波用パッチ14とは、それぞれの中心が共通となっている。
【0019】
なお、図1においては、低周波用パッチ13及び高周波用パッチ14は、正方形の形状を用いて範囲が定められる例を示しているが、低周波用パッチ13が高周波用パッチを内包する関係であれば例えば長方形や円形等の他の形状を用いることもできる。
【0020】
本実施形態に係る多周波共用アンテナ1は、低周波用パッチ13と高周波用パッチを隔てる間隙部15のうち、2つの領域に導体の連結用パッチ16を形成することにより、低周波用パッチ13と高周波用パッチ14が部分的に連結される構造を有している。図1の例では、2つの連結用パッチ16は、互いに高周波用パッチ14の中心を挟んで互いに対向する位置関係になっている。すなわち、2つの連結用パッチ16が、高周波用パッチ14の中心を通る直線上に配置されている。なお、後述するように、所望のアンテナ特性を確保できることを前提に、連結用パッチ16の配置を変更したり、連結用パッチ16の個数を増やすことは可能である。
【0021】
低周波用パッチ13上及び高周波用パッチ14においては、それぞれ所定位置で電気的に結合する低周波用給電点17と高周波用給電点18が設けられている。低周波用パッチ13や高周波用パッチ14は、電気的に接触した給電や、それに整合回路付きのものや、直接接触のない容量結合等、の適当な手法において給電できる。それらの手法の中で、例えば図1においては、低周波用パッチ13にはその側の低周波用給電点17で容量結合による給電をしており、高周波用パッチ14には高周波用給電点18で誘電体基板12の下面から貫通する穴を介して直接給電している。それぞれの低周波用給電点17及び高周波用給電点18の位置は、それぞれのアンテナ特性に応じて調整することが可能である。
【0022】
図1に示すように、高周波用給電点18の位置は、高周波用パッチ14の中心からオフセットした配置になっている。そして、高周波用給電点18の位置と高周波用パッチ14の中心を結ぶ方向は、上述の2つの連結用パッチ16を結ぶ方向に対し略直交する位置関係にあることがわかる。このような配置としたのは、主に多周波共用アンテナ1の良好なアンテナ特性を保つためであるが。詳しくは後述する。
【0023】
次に、本実施形態に係る多周波共用アンテナ1の構造とアンテナ特性の関係について図2を用いて説明する。
【0024】
図2は、多周波共用アンテナ1における共振電流の経路の分布を示している。まず、高周波用パッチ14においては、高周波側の電波を受信する際、図2に矢印aで示すように、高周波用給電点18がオフセットする方向と合致する共振方向を持つ電流の経路が分布している。この場合、多周波共用アンテナ1に連結用パッチ16を設けない場合と比べても、共振電流の経路は大きく変化しないので、連結用パッチ16の存在により高周波側の電波に対するアンテナ特性が劣化することはない。
【0025】
一方、低周波用パッチ13においては、低周波側の電波を受信する際、図2に矢印b、cで示すような共振方向の電流の経路が分布している。矢印bで示す共振方向の電流の経路は、低周波用パッチ13の外周部に沿う湾曲状の経路であり、連結用パッチ16を設けない場合であっても存在する経路である。これに対し、矢印cで示す共振方向の電流の経路は、2個の連結用パッチ16と高周波用パッチ14を通過する経路であり、連結用パッチ16を設けたことにより生じた経路である。この場合、2周波アンテナ1に連結用パッチ16を設けない場合と比べると、矢印cの電流の経路が新たに加わり、電流の経路が増えたことになる。
【0026】
このように、本実施形態に係る多周波共用アンテナ1においては、連結用パッチ16を形成した効果により、低周波側の電波によって発生する電流の経路が多様になる。すなわち、低周波側の電波の受信時には、低周波用パッチ13の領域に加えて、従来の構成では利用できなかった高周波用パッチ14の領域を連結用パッチ16を介して電流の経路として利用可能としたものである。これにより、低周波用パッチ13の実効的なパッチ面積は拡大し、アンテナ利得の向上や周波数帯域幅の拡大などアンテナ特性を良好にすることができる。
【0027】
なお、連結用パッチ16の幅は、高周波用パッチ14の共振方向の長さよりも狭いことが必要であり、低周波用パッチ13のアンテナ特性の面からは大きくすることが望ましいが、高周波用パッチ14の電流経路に与える影響が大きくなってしまう。よって、連結用パッチ16の適正な幅は、高周波用パッチ14における共振電流の経路の方向(中心から高周波用給電点18がオフセットする方向)に沿う長さに対し略2分の1以下に形成することが望ましい。
【0028】
上述したような多周波共用アンテナ1について所望のアンテナ特性を得るための設計条件は、シミュレーション又は実験により導くことができる。図3は、シミュレーションを行うことにより得られた多周波共用アンテナ1の最適な設計条件の具体例を示す図である。図3に示す誘電体基板12は、高周波平面アンテナで使用可能なものであり、その厚みは低周波の電波の波長に対して充分小さいものとした。誘電体基板12は一般的には比誘電率1〜40の範囲のものが用いられているが、本実施例では15〜30程度の比誘電率の基板で実験を行った。ただし、誘電体基板12は高周波平面アンテナ用基板として使用可能なものであれば、その比誘電率は前述の範囲に限定されるものではない。また、誘電体基板12の幅及び長さは低周波用パッチ13の幅及び長さよりも多少大きいものを用いた。この誘電体基板12の上部平面には、低周波用パッチ13、高周波用パッチ14、連結用パッチ16が一体的に形成される。
【0029】
誘電体基板12の比誘電率をε、低周波の電波の波長をλL、高周波の電波の波長をλHとし、λ1=λL/ε1/2、λ2=λH/ε1/2とすると、低周波用パッチ13の外径寸法は、0.45λ1程度であり、高周波用パッチの外径寸法は0.45λ2程度である。低周波用パッチ13と高周波用パッチ14の間隙の寸法については、高周波の共振方向の間隙は0.04λ2程度である。低周波の共振方向の間隙についてはアンテナ特性への影響が比較的小さいため、0.02λ2〜0.06λ2の範囲から選択できる。
【0030】
以上の設計条件の下でシミュレーションによりアンテナ特性を検証したところ、低周波数側として1.45GHz、高周波側として2.45GHzで2周波の共振を示した。このモデルにおいて低周波側のアンテナ特性として、天頂利得約5.3dBi、VSWR帯域約13MHzを得た。この結果は、接続用パッチ16を設けない従来の構成と比べ、天頂利得が1dBi近く向上し、VSWR帯域が3MHz程度大きくなることが確認された。また、高周波側のアンテナ特性は、接続用パッチ16を設けない従来の構成と概ね同様になることが確認された。このように、本実施形態に係る多周波共用アンテナ1により、低周波側のアンテナ特性が顕著に改善されることが明らかになった。
【0031】
ここで、例えば金型等を用いたパッチの製造方法をとる場合、従来の共平面構造では、低周波用パッチ13と高周波用パッチ14を別々に形成する必要があるので、位置ずれ等の問題があった。これに対し、本実施形態に係る多周波共用アンテナ1の場合は、製造時に上述のように一体的に形成することにより、位置ずれが生じにくくなり高い精度を確保することができる。
【0032】
本実施形態においては、上記の構成に限定されることなく様々な変形を加えることができる。例えば、図4は、本実施形態の変形例としての多周波共用アンテナ2の構造を示す図である。図4に示す多周波共用アンテナ2は、基本的な構造は図1の場合と同様であるが、高周波用パッチ14に切欠部19を形成した点が異なっている。すなわち、高周波用パッチ14のうち、各連結用パッチ16の両側の近端部を部分的に低周波用パッチ13が形成されない切欠部19としたものである。図4の例では、低周波用パッチ13に全部で4つの切欠部19が形成され、間隙部15が広がった状態になっている。
【0033】
図4に示すように低周波用パッチ13に切欠部19を形成することにより、高周波用パッチ14において分布する共振電流の経路は、図2の場合が直線であったのに対し、切欠部19の付近である程度湾曲するため若干長くなる。そのため、図4に示す変形例を採用することにより、高周波用パッチ14の大きさを変えず、周波数を低くする周波数調整が可能となる。
【0034】
さらに、各連結用パッチ16の配置の仕方により、様々な形状が有り得る。図6のように高周波側の共振方向において中央から離れた位置に配置することや、図7のように中心に対して略点対称に対向する位置に配置することや、図8のように2つ以上連結用パッチを配置することも可能である。
【0035】
また、図9においては高周波側の共振方向を所望のものとするため、給電位置と高周波用パッチ14の中心を結ぶ方向と、各連結用パッチ16を結ぶ方向を略直交する関係のまま高周波用パッチ14の中心を軸に回転して配置することも可能である。
【0036】
さらに、図10のように給電位置と高周波用パッチ14の位置関係を維持したまま、低周波用パッチ13内の中心位置からオフセットした位置への配置も可能である。
【0037】
以上は、本発明の基本的な形態の説明として、低周波側のGPSの円偏波のうち1方向の偏波に着目した場合である。本来GPS信号は円偏波であるため、アンテナも円偏波アンテナであることが望ましい。図2のような本発明形態の低周波用パッチ13を円偏波駆動させるためには縮退分離素子の付加や、90°の位相差をつけた2点での給電等の手法がとり得る。ここでアンテナの偏波を縦横方向に分けて考えた場合、従来例である図5のようなものは、パッチ外形が略90°回転対称なので縦横方向のパッチサイズ外形は同等となる。しかし、本発明の図1のような場合、連結用パッチ16を結ぶ方向の偏波の電気的な経路長は短くなるが、その直交する方向の経路長の変化は小さい。よってパッチ外形が略90°回転対称のままでは縦横方向の電気的な経路長に差が生じ、正常な円偏波駆動ができない。よって両方向の経路長をそろえるため、例えば、図11や図12に示すような90°回転対称ではないパッチ外形をとることにより、低周波用パッチ13を良好な円偏波アンテナとして駆動することが可能となる。
【0038】
これまでは、2つの周波を共用する例を示したが、図13には、3周波を共用した多周波共用アンテナ3の例を示す。3つの周波数をfL、fM、fHとし、fL<fM<fHとする。周波数fL用のパッチ31、周波数fM用のパッチ32、周波数fH用のパッチ33をそれぞれ連結用パッチ34、35で連結している。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、高周波用パッチと低周波用パッチからなる共平面構造を採用し、高周波用パッチと低周波用パッチを連結する連結用パッチを所定の設計条件に従って形成したので、高周波用パッチのアンテナ特性に悪影響を与えることなく低周波用パッチのアンテナ特性を大きく向上させることができる多周波共用アンテナを小型かつ簡素な構成で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る多周波共用アンテナの構造を示す図である。
【図2】本実施形態に係る多周波共用アンテナにおける共振電流の経路の分布を示し図である。
【図3】シミュレーションを行うことにより得られた多周波共用アンテナの最適な設計条件の具体例を示す図である。
【図4】本実施形態の変形例としての多周波共用アンテナの構造を示す図である。
【図5】従来の共平面構造を持つ多周波共用アンテナの構造を示す図である。
【図6】本発明のその他の実施形態例を示す図である
【図7】本発明のその他の実施形態例を示す図である
【図8】本発明のその他の実施形態例を示す図である
【図9】本発明のその他の実施形態例を示す図である
【図10】本発明のその他の実施形態例を示す図である。
【図11】本発明のその他の実施形態例で、低周波側を円偏波駆動させたときの例を示す図である。
【図12】本発明のその他の実施形態例で、低周波側を円偏波駆動させたときの例を示す図である。
【図13】本発明のその他の実施形態例で、3周波共用の多周波共用アンテナの例を示す図である。
【符号の説明】
1…多周波共用アンテナ
11…接地板
12…誘電体基板
13…低周波用パッチ
14…高周波用パッチ
15…間隙部
16…連結用パッチ
17…低周波用給電点
18…高周波用給電点
2…本実施形態の変形例
19…切欠部
3…多周波共用アンテナ(3周波共用タイプ)
31…周波数fL用のパッチ
32…周波数fM用のパッチ
33…周波数fH用のパッチ
34、35…連結用パッチ
4…従来型多周波共用アンテナ
41…低周波用パッチ
42…高周波用パッチ
43…間隙部

Claims (5)

  1. 複数の異なる周波数帯域を共用可能な多周波共用アンテナであって、
    接地板に載置された誘電体基板乃至アンテナ接地導体を有した誘電体基板と、
    前記誘電体基板の上部平面における所定形状の範囲に形成された高周波用パッチと、
    前記誘電体基板の上部平面において、前記所定形状の範囲から所定幅の間隙部を隔て、前記高周波用パッチを内包する範囲に形成された低周波用パッチと、
    前記高周波用パッチにおける所定位置と電気的に結合される高周波用給電点と、
    前記低周波用パッチにおける所定位置と電気的に結合される低周波用給電点と、
    前記間隙部のうち、少なくとも前記高周波用パッチを挟んで互いに対向する2つの領域に形成され、前記高周波用パッチと前記低周波用パッチを連結する2以上の連結用パッチと、
    を備えた多周波共用アンテナ。
  2. 前記連結用パッチが形成される2つの領域を結ぶ第1の方向と、前記高周波用給電点の位置と前記高周波用パッチの中心を結ぶ第2の方向とが、略直交する関係にあることを特徴とする請求項1に記載の多周波共用アンテナ。
  3. 前記第2の方向における前記連結用パッチの幅は、前記第2の方向における前記高周波用パッチの長さに対し略2分の1以下に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の多周波共用アンテナ。
  4. 前記高周波用パッチはVICS用アンテナとして機能し、前記低周波用パッチはGPS用アンテナとして機能することを特徴とする請求項1に記載の多周波共用アンテナ。
  5. 3周波以上の周波数に対して共用可能なアンテナにおいて、そのうちの隣接する2周波以上の共用に請求項1又は2記載のアンテナを用いたことを特徴とする多周波共用アンテナ。
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