JP2006287472A - 多周波共用アンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】共平面構造を持つ多周波共用アンテナを小型かつ簡素に構成し、アンテナパッチ導体の対称性を確保することで、設計が容易で良好なアンテナ特性、特に高いアイソレーション特性を実現できる多周波共用アンテナを提供する。
【解決手段】本発明の多周波共用アンテナ1は、外側の低周波用パッチ導体5と、低周波用パッチ導体5に内包される内側の高周波用パッチ導体6と、両者を隔てる所定幅の間隙部7と、低周波用パッチ導体5と電気的に結合する低周波用給電点9と、高周波用パッチ導体6と電気的に結合する高周波用給電点10が設けられている。間隙部7のうちの2つの領域には、低周波用パッチ導体5と高周波用パッチ導体6を部分的に連結する導体の連結用パッチ導体11が形成されており、図面上矢印13の下方向にオフセットされている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の異なる周波数帯域に対応する多周波共用アンテナに関するもので、特に、車載情報端末に必要な周波数1.575GHz帯のGPS用アンテナと周波数2.5GHz帯のVICS用アンテナの双方に対応する車載用途の多周波共用アンテナの技術分野に関するものである。
近年、自動車に搭載される情報端末では、GPS(Global Positioning System)やVICS(Vehicle Information and Communication System)の利用が普及している。GPSは、自動車の位置情報をGPS衛星から受信してナビゲーション機能を実現するために有用なシステムであり、VICSは、移動経路上の施設の情報など多様な各種情報をリアルタイムで提供するシステムである。それぞれのシステムにおける情報送信において用いられる電波は、GPSでは周波数1.575GHz帯の円偏波であり、VICSでは周波数2.5GHz帯の直線偏波であるため、両者を複合的に利用するには、それぞれの電波に適合する受信アンテナを自動車に載置する必要がある。
ところで、上述のGPS用やVICS用などの複数のアンテナを別々に自動車に設置するのでは、設置スペースの確保や伝送ケーブルの配線など、小型化や簡素化の面で不利益が大きい。そこで、複数のアンテナパッチ導体(アンテナエレメント)が同一平面上に配置された平面アンテナとして、例えば特許文献1の従来例として記載されている、図8のようなものが知られている。この平面アンテナでは、基板上に低周波用パッチ導体が高周波用パッチ導体をリング状取り囲むような複数のアンテナパッチ導体と、それぞれに給電点が設けられている。また、特許文献1の図1に記載のものは、機構的に簡略化されるメリットがある。しかしながら、特許文献1のアンテナ構成は、本質的に1点で給電したアンテナを変形したものであり2周波を1点で駆動させるためにアンテナの給電特性において設計上の制約が大きい。また、そもそも受信電波2周波を独立にアンテナから出力させることができない。
一方で、同一平面上に形成された、複数のアンテナパッチ導体とそれぞれに給電点が設けられている平面アンテナにおいては、特許文献2に記載のとおり、アンテナ間アイソレーションが確保しにくいという問題がある。これに対し、例えば特許文献2では、図9に示すように、平面アンテナ81はアンテナパッチ導体82がアンテナパッチ導体83を取り囲まない構成としている。このように、一方のアンテナパッチ導体が他方のアンテナパッチ導体を取り囲まない構成とすることで、アンテナパッチ導体間の影響を抑制することが可能となっている。
また特許文献3では低周波用パッチ導体が高周波用パッチ導体を取り囲むようなリング状の平面アンテナにおいては、低周波側の帯域が狭くなる等の問題もあるが、外周のリング部分の一部を連結させる構造によりこの問題を解決している。
特開2004−289332号 特開2004−236014号 特開2005−033343号
上記特許文献2のアンテナ構成においては、アイソレーション特性が改善できるとしているが、このような構成では一方のアンテナパッチ導体82及び他方のアンテナパッチ導体83の位置関係が非対称となっている。
このように、アンテナアイソレーション特性を改善すべくアンテナパッチ導体の位置関係を大幅に非対称にすると、対称な放射特性を取得するのが困難になる等のアンテナ設計上の制約が大きくなってしまうという問題があった。
そこで、本発明は共平面構造を持つ多周波共用アンテナを小型かつ簡素に構成し、アンテナパッチ導体の対称性を確保したまま、上述の課題を解決すべく設計が容易で良好なアンテナ特性、特に低周波側の共振周波数の広帯域特性を化を維持したまま、高いアイソレーション特性を実現できる多周波共用アンテナを提供することを目的とする。
この発明の多周波共用アンテナの第1の態様は、複数の異なる周波数帯域を共用可能な多周波共用アンテナであって、誘電体基板乃至アンテナ導体地板を有する誘電体基板と、前記誘電体基板の上部平面において所定形状の範囲に形成された高周波用パッチ導体と、前記誘電体基板の上部平面において、前記所定形状の範囲から所定幅の間隙部を隔て、前記高周波用パッチ導体を内包する範囲に形成された低周波用パッチ導体と、前記高周波用パッチ導体における所定位置と電気的に結合される高周波用給電点と、前記低周波用パッチ導体における所定位置と電気的に結合される低周波用給電点と、前記間隙部のうち、少なくとも前記高周波用パッチ導体を挟んで互いに対向する2つの領域に形成され、前記高周波用パッチ導体と前記低周波用パッチ導体を連結する2つの連結用パッチ導体とを備え、前記高周波用給電点は、前記連結用パッチ導体が形成される2つの領域を結ぶ第1の方向と略直交する第2の方向に前記高周波用パッチ導体の中心からオフセットされた位置に設けられ、前記2つの連結用パッチ導体は、前記高周波用給電点が前記高周波用パッチ導体の中心から前記第2の方向にオフセットされたのとは反対の方向にオフセットされた位置に配置されることを特徴とする多周波共用アンテナである。
第2の態様は、前記高周波用パッチ導体は直線偏波を受信するアンテナとして機能し、前記低周波用パッチ導体は円偏波を受信するアンテナとして機能することを特徴とする多周波共用アンテナである。
第3の態様は、前記高周波用パッチ導体はVICS用アンテナとして機能し、前記低周波用パッチ導体はGPS用アンテナとして機能することを特徴とする多周波共用アンテナである。
第4の態様は、3周波以上の周波数に対して共用可能なアンテナであって、前記高周波用パッチ導体は、前記3周波以上の周波数のうちの直線偏波であるいずれかの周波数を受信するアンテナとして機能し、前記低周波用パッチ導体は、前記3周波以上の周波数のうちの円偏波であるいずれかの周波数を受信するアンテナとして機能することを特徴とする多周波共用アンテナである。
以上説明したように本発明によれば、複数共振のアンテナにおいて、連結用パッチ導体の存在により低周波側のアンテナ特性改善をはかり、かつ連結用パッチ導体位置を適切にオフセットさせることによって、同じ共振方向を持ちながら給電点での十分なアイソレーションの確保を可能とするものであり、特に低周波側でのアイソレーションを確保することが可能な多周波共用アンテナを提供することができる。
またこの発明によれば、低周波用パッチ導体や高周波用パッチ導体の形状が正方形/長方形等の形状に関わらず、また連結用パッチ導体の寸法や切欠部の有無等にかかわらず、さらに低周波用給電点が1点給電方式であるか2点給電方式であるかにかかわらず、アイソレーションの確保が可能である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る多周波共用アンテナは、2つの異なる周波数帯域に対応する平面アンテナであり、例えば、車載情報端末に必要な周波数1.575GHz帯のGPS用受信アンテナと、周波数2.5GHz帯のVICS用受信アンテナの双方の機能を有する車載用途のアンテナに利用可能である。以降は、本発明の基本的な形態の説明として、低周波側のGPSの円偏波と高周波側のVICSの直線偏波を受信する2周波共用を想定して述べていく。
図1は、本実施形態に係るアンテナの構造を示す図であり、平面図及び側面図を示している。図1に示すように、本実施形態に係る多周波共用アンテナ1は、十分にサイズの大きい導体板2に所定の誘電率を持つ誘電体基板3が所定の厚さで載置され、その上部平面に導体4が載置されアンテナパターンが形成される構造になっている。
図1の平面図に示すように、誘電体基板3の上部平面の導体4に形成されるアンテナパターンは、外側の低周波用パッチ導体5と内側の高周波用パッチ導体6とを含む共平面構造になっている。外側に配置される低周波用パッチ導体5は、矩形をなす導体4の外周の各辺に沿ってそれぞれ所定パッチ幅の矩形状に形成されている。また、内側に配置される高周波用パッチ導体6は、低周波用パッチ導体5に内包される比較的サイズの小さな矩形の範囲に形成されている。
図1に示すように、低周波用パッチ導体5と高周波用パッチ導体6の間には、両者を隔てる所定幅の間隙部7が設けられている。本実施形態では、高周波用パッチ導体6の中心8は低周波用パッチ導体5の中心と同一地点に位置している。
低周波用パッチ導体5及び高周波用パッチ導体6には、それぞれ所定位置で電気的に結合する低周波用給電点9と高周波用給電点10が設けられている。低周波用パッチ導体5や高周波用パッチ導体6は、電気的に接触した給電や、直接接触のない容量結合、及びそれらに整合回路を付加して給電するもの等の適当な手法を用いて給電できる。
そのような手法のうち、例えば図1においては、低周波用パッチ導体5はその近傍の低周波用給電点9で容量結合による給電を行っており、高周波用パッチ導体6は高周波用給電点10で誘電体基板3の下面から貫通する穴を介して直接給電している。低周波用給電点9及び高周波用給電点10のそれぞれの位置は、それぞれのアンテナ特性に応じて調整することが可能である。
本実施形態に係る多周波共用アンテナ1は、低周波用パッチ導体5と高周波用パッチ導体6を隔てる間隙部7のうちの2つの領域に、導体の連結用パッチ導体11を形成することにより、低周波用パッチ導体5と高周波用パッチ導体6が部分的に連結される構造としている。ここで、本実施形態に係る多周波共用アンテナ1は、図1に示すように、高周波用給電点10を高周波用パッチ導体6の中心8から図面上矢印13の上方向にオフセットした位置に設けている。また、給電を適切に行えるようにするため、2つの連結用パッチ導体11を図面上矢印13の下方向にオフセットした位置に設けている。
なお図1では、低周波用パッチ導体5及び高周波用パッチ導体6は、それぞれの形状を正方形及び長方形とした例を示しているが、低周波用パッチ導体5が高周波用パッチ導体6を内包し、それぞれ所望の周波数を受信できるようなパッチサイズを有する関係であれば、矩形形状にしても様々な組み合わせが存在し、円形等の他の形状を用いることもできる。
次に、アンテナ構造とそれに関わるアンテナ特性を合わせて説明していく。
まず、低周波側の対象周波数帯としてGPS帯を想定した場合、アンテナとしては円偏波動作を考慮する必要がある。前記円偏波動作は、直交する2方向の軸上において適当な位相差を持って共振している現象と捉えることができる。以下では、低周波側の円偏波に関しては、矢印12及び矢印13の2方向に分けてアンテナ共振を個別に説明していく。給電方式としては、前記2方向の共振モードを分離して理解することができる2点給電方式を取り上げる。
上述の図1の構造では、連結用パッチ導体11を形成したことにより、矢印12の方向の低周波側の共振電流が、連結用パッチ導体11を介して高周波用パッチ導体6の領域を電流経路に利用できるようになっている。このように、連結用パッチ導体11を設けて電流経路を多様化することで、低周波側のアンテナ利得の向上や周波数帯域幅の拡大などアンテナ特性を良好にすることができるというメリットが得られる。
これに対し、矢印13の方向の低周波側の共振が、高周波側の共振と同方向になるため十分なアイソレーションをとることができないという課題があった。多周波の共振を同じパッチ上で励起させ、別々の給電点で駆動させる際には、アイソレーションの確保が必要である。本発明は複数共振のアンテナにおいて、同じ共振方向を持ちながら給電点でのアイソレーションの確保を可能とするものであり、特に低周波側でのアイソレーションについて有効な技術である。本発明の多周波共用アンテナ1の特性について、シミュレーション結果をもとに以下に説明する。
図2は、本発明の多周波共用アンテナの設計条件を説明する図である。また、シミュレーションに用いた前記設計条件の具体的な数値を表1に示す。ここでは、表1の構造例(1)から(4)までの4種類の前記設計条件でシミュレーションを行った結果を用いてアンテナ特性を説明する。なお、表1の最上段3列目以降の32等の符号は、図2の符号に対応するものである。
Figure 2006287472
はじめに、図2を用いてアイソレーションの劣化原因について説明する。共通の共振中心を有する複数共振において、例えば高周波用給電点29による共振とX方向30の低周波用給電点27による共振のように共振モードが直交する場合には、共振時に互いの位置が共振電圧の節となることから、高周波用給電点29と低周波用給電点27の間を通過する電流が発生しにくい。すなわち、高周波用給電点29と低周波用給電点27の間のアイソレーションが確保されていると言える。
これに対し、高周波用給電点29による共振とY方向31の低周波用給電点28による共振のように共振モードが並行方向にある場合には、互いの位置が共振電圧の節ではなくなり、高周波用給電点29と低周波用給電点28の間を通過する電流が発生する。すなわち、高周波用給電点29と低周波用給電点28の間のアイソレーションの劣化につながる。本発明は、このような状況において本来発生する通過電流を発生させないように、パッチ構造上の工夫を施したものである。
以下、図2の具体的なパッチ構造例において、上述の高周波用給電点29とY方向31の低周波用給電点28との間のアイソレーションが、本発明によって改善されることを具体例を示しながら説明していく。
図2の構成において、それぞれの共振周波数を決める設計パラメータには、低周波パッチ導体22の外形寸法32、33、高周波パッチ導体23の外形寸法34、35、パッチ間間隙24の幅36、連結用パッチ導体25の寸法37、切欠部26の幅38等、多数の組み合わせがある。その中からアンテナ特性として要求されるものに応じて、適切な組み合わせを選択することができる。
表1に示した上記各設計パラメータの値は、GPS帯及びVICS帯の2周波を所望の周波数とした場合の典型的な組み合わせの例を示している。なお、表1に記載の各設計パラメータの値は、GPS帯、VICS帯それぞれの共振周波数における実効波長λ1,λ2に規格化して表したものである。従って、表1の最下段に記載されているλ1又はλ2を各数値に掛けたものが実際の寸法になる。
λ1,λ2は比誘電率εrの誘電体内での実効的な波長であり、真空中での低周波の共振波長をλL、高周波の共振波長をλHとしたとき、λ1,λ2は次式で表されるものである。
λ1=λL/√εr λ2=λH/√εr
表1の構造例(2)において、連結用パッチ導体25をY方向31にオフセットさせたときのシミュレーション結果を図3に示す。図3の縦軸は、低周波用給電点28と高周波用給電点29の間の低周波側での通過特性を表している。また、同図の横軸は、周波数fをGPSの共振周波数f0で規格化した(f/f0)で表している。
図3より、連結用パッチ導体25をオフセットしないケース42に比べて、Y方向31にオフセットさせたケース41では、共振周波数における通過特性(f/f0=1のときの通過特性)が小さくなっており、アイソレーションが改善されていることが分かる。このように、連結用パッチ導体25のオフセット値を適切に設定することによって、低周波側周波数帯におけるアイソレーションを改善することが可能である。また、2点給電方式では分配器を通すことになるが、低周波用給電点28と高周波用給電点29間のアイソレーションの改善は、前記分配器の出力点において2周波共用アンテナとしてのアイソレーションの改善につながる。
図3に示した前記通過特性の周波数特性より、連結用パッチ導体25のオフセット値を変化させたときの低周波側の共振周波数f0におけるアイソレーション値を図4に示す。同図は、表1の構造例(1)〜(4)のそれぞれに対するアイソレーション値の変化44、45、46、47を示している。同図より、各構造例ともアイソレーションが改善するオフセット値が存在することが確認できる。
また、連結用パッチ導体を適切にオフセットさせることでアイソレーションが改善できる効果は、低周波パッチ導体や高周波用パッチ導体の形状が正方形/長方形等の形状に関わらず、また連結用パッチ導体の寸法や切欠部の有無等にかかわらず、得られることが確認できる。よって本技術を様々な形状のものに展開可能であることが十分推察できる。
一方、連結用パッチ導体25を設けることによって広帯域化等の特性改善があった低周波側給電点27におけるX方向の共振の帯域特性(VSWR帯域)について、連結用パッチ導体25のオフセット値に対する変化を図5に示す。同図には、例として表1の構造例(2)の帯域特性としてVSWR2帯域48、VSWR3帯域49を示している。図5より、連結用パッチ導体25のオフセット値を変化させても、低周波側給電点27におけるVSWR帯域は維持されていることが分かる。従って、連結用パッチ導体25をオフセットさせても低周波側の広帯域特性を維持させることが確認できた。
以上の本発明の実施形態は、低周波側を2点給電方式により円偏波として捉えたものであったが、1点給電方式においても同様の効果が得られることを以下に説明する。
GPS帯及びVICS帯の2周波共用アンテナにおいて、GPS帯を1点給電方式としたときの構成例を図6に示す。
図6では、低周波用給電点53が1点のみとなっており、低周波用パッチ導体51には切り欠き部(以下では縮退分離構造と呼ぶ)56が設けられている。低周波用パッチ導体51に縮退分離構造56を設けることにより、低周波側の共振を低周波用給電点53のあるX方向57の共振だけでなく、これに直交するY方向58にも共振を発生させることができる。これにより、低周波側のGPS帯を直線偏波でなく円偏波化させることが可能となる。
図3と同様に、本実施形態における前記通過特性(アイソレーション)の周波数特性を図7に示す。図7では、縮退分離構造56を設けず直線偏波駆動させたときの通過特性60、縮退分離構造56を設け円偏波駆動させたときの通過特性61、及び縮退分離構造56を設け円偏波駆動させた上連結用パッチ導体55をY方向58にオフセットしたときの通過特性62を示している。ここでの規格化周波数は、60のアンテナ共振周波数(VSWR最下周波数)としている。
通過特性60では、高周波と低周波が互いに直交する方向のみに共振していることから、それぞれの給電点53、54がともに互いの共振電圧の節になり、アイソレーションが比較的確保できている。しかしながら、この状態では円偏波の励振ができない。
通過特性61では、円偏波の励振をさせるため、高周波の共振方向と直交するX方向57に加えて、高周波の共振方向と平行なY方向58にも共振が生じる。そのため、高周波用給電点54は、高周波用パッチ導体52の中心から見て低周波用給電点53と直交する位置にあるものの、円偏波動作の共振おいては共振電圧の節とはなりきらず、アイソレーションの劣化が起こる。
そこで通過特性62の例では、連結用パッチ導体55をY方向58にオフセットすることにより、アイソレーションの改善を図っている。前記アンテナ共振周波数のときの通過特性が63から64まで低下しており、アイソレーションが大幅に改善されていることがわかる。
以上のように、本実施形態の1点給電方式においても、縮退分離構造56を設けた上で連結用パッチ導体55をオフセットすることによってアイソレーションを改善できた。これは2点給電方式により共振モードを独立に駆動し分けて考えた場合に、連結用パッチ導体11又は25をオフセットすることによってアイソレーションを改善できたのと同様である。従って、複数の共振において各々の給電点が互いの共振電圧の節とならないで通過電流が発生する場合には、本発明の通り、当該通過電流を打ち消すようにパッチ構造を工夫するのが有効である。
以上は、GPS帯及びVICS帯の2周波の組み合わせに対し得られる本発明の効果を示したものであったが、他の周波数帯での組み合わせや3周波以上の多周波の組み合わせに対しても、本発明を適用することが可能である。また、誘電体基板の形状は、例示したような直方体のものに限られず、様々な形状の基板にも本発明を適用することが可能である。
図1は、本発明の実施形態に係るアンテナの構造を示す図であり、平面図及び側面図を示す。 図2は、本発明の多周波共用アンテナの設計条件を説明する図である。 図3は、本発明の多周波共用アンテナのシミュレーション結果である通過特性の周波数特性を示す図である。 図4は、本発明の多周波共用アンテナの低周波側の共振周波数におけるアイソレーション値を示す図である。 図5は、本発明の多周波共用アンテナの低周波側給電点における帯域特性(VSWR帯域)を示す図である。 図6は、低周波用給電点を1点給電方式としたときの本発明の多周波共用アンテナの構造を示す平面図である。 図7は、本発明の多周波共用アンテナの別の実施形態のシミュレーション結果である通過特性の周波数特性を示す図である。 図8は、従来の平面アンテナの構造を示す平面図である。 図9は、従来の別の平面アンテナの構造を示す平面図である。
符号の説明
1、21、71、81・・・多周波共用アンテナ
2・・・導体板
3、72・・・誘電体基板
4・・・導体
5、22、51、73、82・・・低周波用パッチ導体
6、23、52、74、83・・・高周波用パッチ導体
7、24、75、84・・・間隙部
8・・・高周波用パッチ導体の中心
9、27、28、53、76、85・・・低周波用給電点
10、29、54、77、86・・・高周波用給電点
11、25、55・・・連結用パッチ導体
12、13、30、31、57、58・・・矢印
26・・・切欠部
32、33・・・低周波用パッチ導体の寸法
34、35・・・高周波用パッチ導体の寸法
36・・・間隙部の幅
37・・・連結部の幅
38・・・切欠部の幅
41、42、43、61、62、63・・・通過特性
44、45、46、47・・・アイソレーション
48、49・・・VSWR帯域
56・・・縮退分離構造
59・・・共振周波数
64、65・・・共振周波数における通過特性

Claims (4)

  1. 複数の異なる周波数帯域を共用可能な多周波共用アンテナであって、
    誘電体基板乃至アンテナ導体地板を有する誘電体基板と、
    前記誘電体基板の上部平面において所定形状の範囲に形成された高周波用パッチ導体と、
    前記誘電体基板の上部平面において、前記所定形状の範囲から所定幅の間隙部を隔て、前記高周波用パッチ導体を内包する範囲に形成された低周波用パッチ導体と、
    前記高周波用パッチ導体における所定位置と電気的に結合される高周波用給電点と、
    前記低周波用パッチ導体における所定位置と電気的に結合される低周波用給電点と、
    前記間隙部のうち、少なくとも前記高周波用パッチ導体を挟んで互いに対向する2つの領域に形成され、前記高周波用パッチ導体と前記低周波用パッチ導体を連結する2つの連結用パッチ導体とを備え、
    前記高周波用給電点は、前記連結用パッチ導体が形成される2つの領域を結ぶ第1の方向と略直交する第2の方向に前記高周波用パッチ導体の中心からオフセットされた位置に設けられ、
    前記2つの連結用パッチ導体は、前記高周波用給電点が前記高周波用パッチ導体の中心から前記第2の方向にオフセットされたのとは反対の方向にオフセットされた位置に配置される
    ことを特徴とする多周波共用アンテナ。
  2. 前記高周波用パッチ導体は直線偏波を受信するアンテナとして機能し、
    前記低周波用パッチ導体は円偏波を受信するアンテナとして機能する
    ことを特徴とする請求項1に記載の多周波共用アンテナ。
  3. 前記高周波用パッチ導体はVICS用アンテナとして機能し、
    前記低周波用パッチ導体はGPS用アンテナとして機能する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多周波共用アンテナ。
  4. 3周波以上の周波数に対して共用可能なアンテナであって、
    前記高周波用パッチ導体は、前記3周波以上の周波数のうち直線偏波であるいずれかの周波数を受信するアンテナとして機能し、
    前記低周波用パッチ導体は、前記3周波以上の周波数のうち円偏波であるいずれかの周波数を受信するアンテナとして機能する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の多周波共用アンテナ。
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