JP2005033097A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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健一郎 松崎
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Abstract

【課題】 弁作用金属の焼結体からなる陽極体に誘電体皮膜層、固体電解質層、陰極引出層を順次形成し、前記陽極体の一端面に植立されており、前記陽極体に埋設した埋設部を有する陽極リード部材を備えた固体電解コンデンサにおいて、固体電解コンデンサ完成品としてのESRが低減すると共に、機械的衝撃により前期陽極リード部材が抜け落ちる等による不良を防ぎ、歩留まりを改善する。
【解決手段】 前記陽極体の一端面には該陽極体に埋設した埋設部を有する陽極リード部材が植立され、前記埋設部に2つ以上の矛先形状を設けたこと、又は0.5周以上のうずまき形状を設けたこと、又は蛇行形状を設けたことを特徴とする。

【選択図】 図1

Description

本発明は、加工した陽極リード部材を用いた固体電解コンデンサに関する。
従来、固体電解コンデンサとして図7に示す構造のものが知られている。
この固体電解コンデンサは、弁作用金属(タンタル、ニオブ、チタン、アルミニウム等)の焼結体からなる陽極体1表面に、該陽極体表面を酸化させた誘電体皮膜層2、二酸化マンガン等の導電性無機材料、或いはTCNQ錯塩、導電性ポリマー等の導電性有機材料からなる固体電解質層3、カーボン、銀等からなる陰極引出層4を順次形成してコンデンサ素子15を構成し、前記陽極体1の一端面に植立された陽極リード部材16に陽極リードフレーム20を接続し、前記陰極引出層4に陰極リードフレーム21を導電性接着材5により接続し、前記コンデンサ素子15の外側にエポキシ樹脂等からなる外装樹脂層7にて被覆密封したものである(例えば特許文献1)。
特開平10−64761(図1)
上記のような固体電解コンデンサにおいて、陽極体に植立された陽極リード部材は、陽極体と焼結結合している。しかし、前記陽極体との結合強度が弱い場合、前記陽極リード部材に外部から機械的衝撃が加わると、前記焼結結合が壊れ、それに伴い誘電体皮膜層が損傷し、固体電解コンデンサ完成品としての漏れ電流特性の悪化、もしくはショート不良が起こり、歩留りが低下する等の問題がある。さらに結合強度が弱い場合には前記陽極リード部材が前記陽極体から抜け落ちるといった問題がある。
また、等価直列抵抗(ESR)の低い固体電解コンデンサにおいては、陽極体と陽極リード部材との接触抵抗が大きな割合を占めるため、前記陽極体と前記陽極リード部材の接触面積が小さいとESRが大きくなるという問題がある。
本発明は、上記問題を鑑み、陽極体と陽極リード部材の接触面積を増大することにより、接触抵抗を低減すると共に、前記陽極体と陽極リード部材の接続強度を向上させ、不良による歩留りを改善した固体電解コンデンサを提供する。
本発明は、弁作用金属の焼結体からなる陽極体に誘電体皮膜層、固体電解質層、陰極引出層を順次形成した固体電解コンデンサにおいて、前記陽極体の一端面には該陽極体に埋設した埋設部を有する陽極リード部材が植立され、前記埋設部に2つ以上の矛先形状を設けたこと、又は0.5周以上のうずまき形状を設けたこと、又は蛇行形状を設けたことを特徴とする。
上記構成により、前記陽極体と前記陽極リード部材との接触面積が向上し固体電解コンデンサ完成品としてのESRが低減すると共に、外部からの機械的衝撃により前記陽極リード素子が抜け落ちる等による不良を防ぎ歩留りを改善することができる。
弁作用金属の焼結体からなる陽極体に誘電体皮膜層、固体電解質層、陰極引出層を順次形成した固体電解コンデンサにおいて、
固体電解コンデンサ完成品としてのESRが低減すると共に、機械的衝撃により前記陽極リード素子が抜け落ちる等による不良を防ぎ歩留りを改善することができる。
本発明の実施例における固体電解コンデンサを図2に示す。
この固体電解コンデンサは、タンタル焼結体からなる陽極体1表面に、該陽極体表面を酸化させた誘電体皮膜層2、導電性ポリマーからなる固体電解質層3、カーボン、銀等からなる陰極引出層4を順次形成してコンデンサ素子15を構成し、前記陽極体1の一端面に埋設された陽極リード部材16に陽極リードフレーム20を抵抗溶接により接続し、前記陰極引出層4に陰極リードフレーム21を導電性接着材5により接続し、前記コンデンサ素子15の外側にエポキシ樹脂等からなる外装樹脂層7にて被覆密封したものである。
ここで陽極体に埋設する陽極リード部材として、以下の実施例を示して説明する。
(実施例1)陽極リード部材16として図1に示すようにワイヤ形状に形成された埋設部30に、先端が2つに割れた矛先形状を設けたものを用いた。
(実施例2)陽極リード部材16として図3に示すようにワイヤ形状に形成された埋設部30に、先端が4つに割れた矛先形状を設けたものを用いた。
(実施例3)陽極リード部材16として図4に示すようにワイヤ形状に形成された埋設部30に、0.5周のうずまき形状を設けたものを用いた。
(実施例4)陽極リード部材16として図5に示すようにワイヤ形状に形成された埋設部30に、1周のうずまき形状を設けたものを用いた。
(実施例5)陽極リード部材16として図6に示すようにワイヤ形状に形成された埋設部30に、蛇行形状を設けたものを用いた。
上記形状の陽極リード部材を用いることにより、陽極体と前記リード部材との接触面積が大きくなり、接触抵抗が減少し、固体電解コンデンサ完成品としての、ESRを低減させることができる。また、前記陽極体との接続強度が向上し、外部からの機械的衝撃により前記焼結結合が壊れ、それに伴い誘電体皮膜層が損傷する等の問題がなくなり、歩留りが向上する。
実施例では、陽極リード部材としてワイヤ形状のものを用いたが、先端が矛先形状、又はうずまき形状、又は蛇行形状であれば特に限定はなく、同様の効果が得られる。
実施例1における陽極リード部材の上面図及び側面図である。 実施例1における固体電解コンデンサの縦断面図である。 実施例2における陽極リード部材の上面図及び側面図である。 実施例3における陽極リード部材の上面図及び側面図である。 実施例4における陽極リード部材の上面図及び側面図である。 実施例5における陽極リード部材の上面図及び側面図である。 従来の固体電解コンデンサにおける縦断面図である。
符号の説明
1 陽極体
2 誘電体皮膜層
3 固体電解質層
4 陰極引出層
5 導電性接着剤
7 外装樹脂層
15 コンデンサ素子
16 陽極リード部材
20 陽極リードフレーム
21 陰極リードフレーム
30 埋設部
31 矛先形状部
32 うずまき形状部
33 蛇行形状部

Claims (3)

  1. 弁作用金属の焼結体からなる陽極体に誘電体皮膜層、固体電解質層、陰極引出層を順次形成した固体電解コンデンサにおいて、
    前記陽極体の一端面には該陽極体に埋設した埋設部を有する陽極リード部材が植立され、前記埋設部に2つ以上の矛先形状を設けたことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 弁作用金属の焼結体からなる陽極体に誘電体皮膜層、固体電解質層、陰極引出層を順次形成した固体電解コンデンサにおいて、
    前記陽極体の一端面には該陽極体に埋設した埋設部を有する陽極リード部材が植立され、前記埋設部に0.5周以上のうずまき形状を設けたことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  3. 弁作用金属の焼結体からなる陽極体に誘電体皮膜層、固体電解質層、陰極引出層を順次形成した固体電解コンデンサにおいて、
    前記陽極体の一端面には該陽極体に埋設した埋設部を有する陽極リード部材が植立され、前記埋設部に蛇行形状を設けたことを特徴とする固体電解コンデンサ。
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