JP2005032888A - 荷電粒子線露光装置及び荷電粒子線露光方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステージの加減速運転中も露光を可能とした荷電粒子線露光装置及び方法を提供する。
【解決手段】露光装置の照明光学系中は、照明ビームをレチクルの各サブフィールドに向けて偏向する主偏向器と、照明ビームをレチクルに当てないようにブランキングするブランキング偏向器と、を有する。ステージの加減速運転中のステージ移動速度Vrsが遅い時、ブランキング偏向器を制御してブランキング時間を変えて、主偏向器を各サブフィールドの1つに向けた偏向状態としておく時間(偏向滞在時間)Tsfを長くしてサブフィールド毎の露光時間を一定にする。この方法によりウェハステージとレチクルステージの加減速中にも露光を行うことができるため、装置のスループットを向上できる。
【選択図】 図1
【解決手段】露光装置の照明光学系中は、照明ビームをレチクルの各サブフィールドに向けて偏向する主偏向器と、照明ビームをレチクルに当てないようにブランキングするブランキング偏向器と、を有する。ステージの加減速運転中のステージ移動速度Vrsが遅い時、ブランキング偏向器を制御してブランキング時間を変えて、主偏向器を各サブフィールドの1つに向けた偏向状態としておく時間(偏向滞在時間)Tsfを長くしてサブフィールド毎の露光時間を一定にする。この方法によりウェハステージとレチクルステージの加減速中にも露光を行うことができるため、装置のスループットを向上できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路等のリソグラフィーに用いられる荷電粒子線露光装置及び荷電粒子線露光方法に関する。特には、スループットを上げることができるよう改良した荷電粒子線露光装置及び方法に関する。
【0002】
【背景技術】
露光の高解像と高スループットの両方を兼ね備えた電子ビームの露光方式として、分割転写方式の電子ビーム露光装置の開発が進められている。この方式においては、格子状に配列された多数のサブフィールドを有するレチクルを用いる。そして、レチクルステージ及び感応基板ステージを連続移動させるとともに、配列されたサブフィールド群を電子ビームを周期的に偏向しながら露光する。
【0003】
この分割転写方式の電子線投影露光技術の概要を図面を参照しつつ説明する。
図3は、分割転写方式の電子線投影露光装置の光学系全体における結像関係及び制御系の概要を示す図である。
光学系の最上流に配置されている電子銃1は、下方に向けて電子線を放射する。電子銃1の下方には2段のコンデンサレンズ2、3が備えられており、電子線は、これらのコンデンサレンズ2、3によって収束されブランキング開口7にクロスオーバーC.O.を結像する。
【0004】
二段目のコンデンサレンズ3の下には、矩形開口4が備えられている。この矩形開口(照明ビーム成形開口)4は、レチクル(マスク)10の一つのサブフィールド(露光の1単位となるパターン小領域)を照明する照明ビームのみを通過させる。この開口4の像は、レンズ9によってレチクル10に結像される。
【0005】
ビーム成形開口4の下方には、ブランキング偏向器5が配置されている。同偏向器5は、必要時に照明ビームを偏向させてブランキング開口7の非開口部に当て、ビームがレチクル10に当たらないようにする。
ブランキング開口7の下には、照明ビーム偏向器(主偏向器)8が配置されている。この偏向器8は、主に照明ビームを図3の横方向(X方向)に順次走査して、照明光学系の視野内にあるレチクル10の各サブフィールドの照明を行う。偏向器8の下方には、照明レンズ9が配置されている。照明レンズ9は、レチクル10上にビーム成形開口4を結像させる。
【0006】
レチクル10は、実際には(図4を参照しつつ後述)光軸垂直面内(X−Y面)に広がっており、多数のサブフィールドを有する。レチクル10上には、全体として一個の半導体デバイスチップをなすパターン(チップパターン)が形成されている。もちろん、複数のレチクルに1個の半導体デバイスチップをなすパターンを分割して配置しても良い。
【0007】
レチクル10は移動可能なレチクルステージ11上に載置されており、レチクル10を光軸垂直方向(XY方向)に動かすことにより、照明光学系の視野よりも広い範囲に広がるレチクル上の各サブフィールドを照明することができる。
レチクルステージ11には、レーザ干渉計を用いた位置検出器12が付設されており、レチクルステージ11の位置をリアルタイムで正確に把握することができる。
【0008】
レチクル10の下方には投影レンズ15及び19並びに偏向器16が設けられている。レチクル10の1つのサブフィールドを通過した電子線は、投影レンズ15、19、偏向器16によってウェハ23上の所定の位置に結像される。ウェハ23上には、適当なレジストが塗布されており、レジストに電子線のドーズが与えられ、レチクル上のパターンが縮小されてウェハ23上に転写される。
【0009】
レチクル10とウェハ23の間を縮小率比で内分する点にクロスオーバーC.O.が形成され、同クロスオーバー位置にはコントラスト開口18が設けられている。同開口18は、レチクル10の非パターン部で散乱された電子線がウェハ23に到達しないよう遮断する。
【0010】
ウェハ23の直上には反射電子検出器22が配置されている。この反射電子検出器22は、ウェハ23の被露光面やステージ上のマークで反射される電子の量を検出する。例えばレチクル10上のマークパターンを通過したビームでウェハ23上のマークを走査し、その際のマークからの反射電子を検出することにより、レチクル10とウェハ23の相対的位置関係を知ることができる。
【0011】
ウェハ23は、静電チャック(図示されず)を介して、XY方向に移動可能なウェハステージ24上に載置されている。上記レチクルステージ11とウェハステージ24とを、互いに逆の方向に同期走査することにより、投影光学系の視野を越えて広がるチップパターン内の各部を順次露光することができる。なお、ウェハステージ24にも、上述のレチクルステージ11と同様の位置検出器25が装備されている。
【0012】
上記各レンズ2、3、9、15、19及び各偏向器5、8、16は、各々のコイル電源制御部2a、3a、9a、15a、19a及び5a、8a、16aを介してコントローラ31によりコントロールされる。また、レチクルステージ11及びウェハステージ24も、ステージ制御部11a、24aを介して、コントローラ31により制御される。ステージ位置検出器12、25は、アンプやA/D変換器等を含むインターフェース12a、25aを介してコントローラ31に信号を送る。また、反射電子検出器22も同様のインターフェース22aを介してコントローラ31に信号を送る。
【0013】
コントローラ31は、ステージ位置の制御誤差やパターンビームの位置誤差を把握し、その誤差を像位置調整偏向器16で補正する。これにより、レチクル10上のサブフィールドの縮小像がウェハ23上の目標位置に正確に転写される。そして、ウェハ23上で各サブフィールド像が繋ぎ合わされて、レチクル上のチップパターン全体がウェハ上に転写される。
【0014】
次に、分割転写方式の電子線投影露光に用いられるレチクルの詳細例について、図4を参照しつつ説明する。
図4は、電子線投影露光用のレチクルの構成例を模式的に示す図である。図4(A)は全体の平面図であり、図4(B)は一部の斜視図であり、図4(C)は一つの小メンブレン領域の平面図である。このようなレチクルは、例えばシリコンウェハに電子線描画・エッチングを行うことにより製作できる。
【0015】
図4(A)には、レチクル10における全体のパターン分割配置状態が示されている。同図中に多数の正方形41で示されている領域が、一つのサブフィールドに対応したパターン領域を含む小メンブレン領域(厚さ0.1μm〜数μm)である。図4(C)に示すように、小メンブレン領域41は、中央部のパターン領域(サブフィールド)42と、その周囲の額縁状の非パターン領域(スカート43)とからなる。サブフィールド42は転写すべきパターンの形成された部分である。スカート43はパターンの形成されてない部分であり、照明ビームの縁の部分が当たる。パターン形成の形態としては、メンブレンに孔開き部を設けるステンシルタイプと、電子線の高散乱体からなるパターン層をメンブレン上に形成する散乱メンブレンタイプとがある。
【0016】
一つのサブフィールド42は、現在検討されているところでは、レチクル上で1mm角程度の大きさを有する。投影の縮小率は1/4であり、サブフィールドがウェハ上に縮小投影された投影像の大きさは、0.25mm角である。小メンブレン領域41の周囲の直交する格子状のグリレージと呼ばれる部分45は、レチクルの機械強度を保つための、例えば厚さ0.5〜1mm程度の梁である。グリレージ45の幅は、例えば0.1mm程度である。なお、スカート43の幅は、例えば0.05mm程度である。
【0017】
図4(A)に示すように、図の横方向(X方向)に多数の小メンブレン領域41が並んで一つのグループ(エレクトリカルストライプ44)をなし、そのようなエレクトリカルストライプ44が図の縦方向(Y方向)に多数並んで1つのメカニカルストライプ49を形成している。エレクトリカルストライプ44の長さ(メカニカルストライプ49の幅)は照明光学系の偏向可能視野の大きさによって制限される。
【0018】
メカニカルストライプ49は、X方向に並列に複数存在する。
隣り合うメカニカルストライプ49の間にストラット47として示されている幅の太い梁は、レチクル全体のたわみを小さく保つためのものである。ストラット47はグリレージ45と一体である。
【0019】
現在有力と考えられている方式によれば、1つのメカニカルストライプ49内のX方向のサブフィールド42の列(エレクトリカルストライプ44)は電子線偏向により順次露光される。一方、ストライプ49内のY方向の列は、連続ステージ走査により順次露光される。
【0020】
図5は、レチクルからウェハへのパターン転写の様子を模式的に示す斜視図である。図の上部にレチクル10上の1つのメカニカルストライプ49が示されている。メカニカルストライプ49には上述のように多数のサブフィールド42(スカートについては図示省略)及びグリレージ45が形成されている。図の下部には、レチクル10と対向するウェハ23が示されている。
【0021】
この図では、レチクル上のメカニカルストライプ49の一番手前のエレクトリカルストライプ44の左隅のサブフィールド42−1が上方からの照明ビームIBにより照明されている。そして、サブフィールド42−1を通過したパターンビームPBが、2段の投影レンズと像位置調整偏向器(図3の符号16)の作用によりウェハ23上の所定の領域52−1に縮小投影されている。
パターンビームPBは、レチクル10とウェハ23の間で、2段の投影レンズの作用により、光軸OAと平行な方向から光軸と交差する方向へ、そして再び光軸OAと平行になるように計2回偏向される。
【0022】
ウェハ23上におけるサブフィールド像の転写位置は、レチクル10とウェハ23との間の光路中に設けられた上記像位置調整偏向器により、各パターン小領域42に対応する被転写小領域52が互いに接するように調整される。すなわち、レチクル上のパターン小領域42を通過したパターンビームPBを第1投影レンズ及び第2投影レンズでウェハ23上に収束させるだけでは、レチクル10のパターン小領域42のみならずグリレージ45及びスカートの像までも所定の縮小率で転写することとなり、グリレージ45等の非パターン領域に相当する無露光領域が各被転写小領域52の間に生じる。このようにならないよう、非パターン領域の幅に相当する分だけ像の転写位置をずらしている。
【0023】
次に、ステージを連続移動させながら光学系を偏向させる場合のビーム走査経路の例について説明する。
図6(A)は、ウェハ上におけるビーム走査形態の一例を説明する図であり、図6(B)はレチクル上におけるビーム走査形態の一例を説明する図である。
この例では、各図に示すように、サブフィールド52、42は、X方向に11列配列されている。
【0024】
まず、図6(B)を参照して、レチクル10上における照明ビームの走査形態を説明する。
レチクル上のメカニカルストライプ49を露光する際は、レチクルステージを+Y方向に移動(メカ走査)させながら、照明ビームを、例えば、同ストライプ49内の最も端部のエレクトリカルストライプ44の右端のサブフィールド42−1−1から左端のサブフィールド42−1−11に向かって−X方向に偏向走査する。このとき、レチクルステージは+Y方向(図の上方向)に機械的に連続して送られているので、それに合わせて照明ビームも+Y方向に偏向させる必要がある。そのため、実際のビームの偏向は、図6(B)の下の図に示すように、経路は斜めになる。
【0025】
一つのエレクトリカルストライプ44の露光が終了すると、次に、−Y方向に照明ビームを偏向して、図の一つ下のエレクトリカルストライプの左端のサブフィールド42−2−11に露光を進める。そして、照明ビームを主に+X方向に偏向走査することにより、二本目のエレクトリカルストライプの右端のサブフィールド42−2−1まで露光する。このときも、上述の場合と同様に、図6(B)の下の図に示すように、実際のビーム偏向経路は斜めになる。
以下同様にして、ビームをXY方向に偏向しつつ、一つのメカニカルストライプ内の全てのサブフィールドの露光を行う。
【0026】
次に、図6(A)を参照して、ウェハ23上におけるパターンビームの走査形態を説明する。なお、パターンビームの電気的偏向は、前述の照明ビームの偏向に伴って起こるものと、投影光学系中の像位置調整偏向器(図3の符号16)を用いて意図的に行うものの合成されたものである。
ウェハ上のメカニカルストライプ59を露光する際は、ウェハステージを−Y方向に移動(メカ走査)させながら、パターンビームを、同ストライプ59内の最も端部のエレクトリカルストライプ54の左端のサブフィールド52−1−1から右端のサブフィールド52−1−11に向かって+X方向に偏向走査する。このとき、ウェハステージは−Y方向(図の下方向)に機械的に連続して送られているので、それに合わせてパターンビームも−Y方向に偏向させる必要がある。そのため、実際のパターンビームの偏向は、図6(A)の下の図に示すように経路は斜めになる。
【0027】
一つのエレクトリカルストライプ54の露光が終了すると、次に、+Y方向にパターンビームを走査して、図の一つ上のエレクトリカルストライプの右端のサブフィールド52−2−11に露光を進める。そして、パターンビームを主に−X方向に偏向走査することにより、二本目のエレクトリカルストライプの左端のサブフィールド52−2−1まで露光する。このときも、上述の場合と同様に、図6(A)の下の図に示すように、実際のビーム偏向経路は斜めになる。
以下同様にして、ビームをXY方向に偏向しつつ、一つのメカニカルストライプ内の全てのサブフィールドの露光を行う。
【0028】
一つのメカニカルストライプ54、44を露光する際、両ステージは上述のように機械的に移動しているため、ステージ移動時には速度変化が生じる。
図7は、ステージのメカ走査形態及び速度変化の一例を説明する図であり、図7(A)は、レチクルステージ及びウェハステージのメカ走査経路を示し、図7(B)は、レチクルステージの速度変化を示すグラフである。グラフの縦軸はステージの移動速度、横軸は時間を示す。
レチクルステージ及びウェハステージは、各メカニカルストライプの幅方向中心に沿ってメカ走査され、図7(A)の矢印で示すような軌跡をとる。そして、この走査中に、ビームをX方向に偏向走査しながらエレクトリカルストライプを照明する。
【0029】
図7(A)の左の図に示す例においては、レチクルステージは、レチクルの最も左のメカニカルストライプ49−1の下端からやや下方に離れたスタート位置Sa1から、同メカニカルストライプ49−1の上端からやや上方に離れた位置(停止位置So1)まで、+Y方向に移動して停止する。そして、次のメカニカルストライプ49−2を露光するために、メカニカルストライプ49−2の方向(+X方向)にメカ走査される。次に、メカニカルストライプ49−2の上端からやや上方に離れたスタート位置Sa2から、同メカニカルストライプ49−2の下端からやや下方に離れた位置(停止位置So2)まで、−Y方向に移動して停止する。この走査を繰り返して全てのメカニカルストライプ49を照明ビームで露光する。
【0030】
そして、ウェハステージは、図7(A)の右の図に示すように、ウェハの最も右のメカニカルストライプ59−1の上端からやや上方に離れたスタート位置Sa1から、同メカニカルストライプ59−1の下端からやや下方に離れた位置(停止位置So1)まで、−Y方向に移動して停止する。そして、次のメカニカルストライプ59−2を露光するために、メカニカルストライプ59−2の方向(−X方向)にメカ走査される。次に、メカニカルストライプ59−2の上端からやや上方に離れたスタート位置Sa2から、同メカニカルストライプ59−2の下端からやや下方に離れた位置(停止位置So2)まで、+Y方向に移動して停止する。この走査を繰り返して全てのメカニカルストライプ59をパターンビームで露光する。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、メカニカルストライプを露光する際に、各ステージはY方向に直線上をメカ走査される。このようなメカ走査は、図7(B)に示すように、運転開始後の加速運転及び運転停止前の減速運転を伴う。すなわち、各ステージは、運転開始後加速運転されて一定速度となり、一定速度中に露光を行い、露光終了後は減速運転されて停止する。一例で、ステージの一回の移動時間は全体で100msec程度であり、加減速運転時間はその内の半分程度である。1個のサブフィールドの露光時間を一定にするため、露光はステージの等速運転中のみ行われている。つまり、各ステージは運転開始後の加速運転時のために、メカニカルストライプ外の部分(スタート位置Saからメカニカルストライプ端部までの部分L1、及び、メカニカルストライプの端部から停止位置Soまでの部分L2)が設けられており、この部分の走査中には実際の露光は行われていない。
【0032】
つまり、ステージ運転時間の半分程度の時間であるステージの加減速運転中は露光を行っていないため、スループット上不利となる問題点があった。
【0033】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、ステージの加減速運転中も露光を可能とした荷電粒子線露光装置及び方法を提供することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解決するため、本発明の荷電粒子線露光装置は、 感応基板上に転写すべきデバイスパターンが複数のサブフィールドに分割して形成されているレチクルを載置するレチクルステージと、 前記レチクルの各サブフィールドに順次荷電粒子線(照明ビーム)を当てる照明光学系と、 前記感応基板を載置する感応基板ステージと、 前記レチクルの各サブフィールドを通過した荷電粒子線(パターンビーム)を前記感応基板上のしかるべき位置に順次投影する投影光学系と、を具備し、 前記レチクル上には、前記サブフィールドが、X方向及びY方向に格子状に並べて配置されており、 前記X方向には、前記照明光学系中で照明ビームを偏向してビーム走査し、 前記Y方向には、主に前記両ステージを機械的に連続移動させてメカ走査し、 前記投影光学系においても、前記感応基板上におけるパターン転写位置調整のために前記パターンビームを偏向させながら露光し、 前記感応基板上では、前記レチクルの各サブフィールドのパターンの像を繋ぎ合わせることにより前記デバイスパターン全体を転写する荷電粒子線露光装置であって、 前記両ステージのメカ走査における加減速中にも露光を行うことを特徴とする。
両ステージのメカ走査における加減速中にも露光を行うことができるため、装置のスループットを向上できる。
【0035】
本発明においては、 前記照明光学系中に、 前記照明ビームを前記レチクルの各サブフィールドに向けて偏向する主偏向器と、 前記照明ビームを前記レチクルに当てないようにブランキングするブランキング偏向器と、を有し、 前記主偏向器を各サブフィールドの1つに向けた偏向状態としておく時間である各サブフィールド毎の偏向滞在時間Tsfを可変とし、 前記ステージの移動速度Vrsから前記Tsfを決定することが好ましい。この場合、 各サブフィールドの露光時間を一定とし、各サブフィールドの偏向滞在時間から該露光時間を引いた時間をブランキング時間とすることとできる。
【0036】
偏向滞在時間Tsfは、ステージ移動速度Vrsやサブフィールド数、ステージ移動方向のサブフィールド間ピッチを用いた式によって決定される。この式において、ステージ移動速度Vrsと偏向滞在時間Tsfは反比例の関係をもち、加減速運転時などにステージ移動速度Vrsが変わると、偏向滞在時間Tsfも変わる。ステージの移動速度Vrsは予測して求めることができ、このステージ移動速度Vrsから偏向滞在時間Tsfを式を用いて求める。そして、ステージ移動速度Vrsが変化すると、ブランキング偏向器を制御してブランキング時間を変えて偏向滞在時間Tsfを変化させることにより、サブフィールド毎の露光時間を一定にできる。
【0037】
本発明の荷電粒子線露光方法は、 感応基板上に転写すべきデバイスパターンを、レチクル上に、X方向及びY方向に格子状に並べて配置した複数のサブフィールドに分割して形成し、 前記レチクルの各サブフィールドに順次荷電粒子線(照明ビーム)を当て、 前記レチクルの各サブフィールドを通過した荷電粒子線(パターンビーム)を前記感応基板上のしかるべき位置に順次投影し、 前記X方向には、前記照明光学系中で照明ビームを偏向してビーム走査し、 前記Y方向には、主に前記両ステージを機械的に連続移動させてメカ走査し、 前記感応基板上におけるパターン転写位置調整のために前記パターンビームを偏向させながら露光し、前記感応基板上で前記レチクルの各サブフィールドのパターンの像を繋ぎ合わせることにより前記デバイスパターン全体を転写する荷電粒子線露光方法であって、 前記両ステージのメカ走査における加減速中にも露光を行うことを特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る荷電粒子線露光方法を説明するための図である。図1の上の図は、ステージ速度と時間の関係を示すグラフであり、図1の下の図は、サブフィールド偏向滞在時間Tsfと時間の関係を示すグラフである。
本発明においては、ビーム偏向動作時に、偏向位置は従来の位置と同一で、偏向周期(サブフィールド毎の偏向滞在時間)を可変とすることにより、図に示すように、ステージの加速運転時及び減速運転時にも露光可能としている。なお、以下の説明においてはレチクルステージについて述べるが、ウェハステージにおいても同様のことがいえる。
【0039】
以下、詳細に説明する。
レチクルステージの速度Vrsは、電子ビームの偏向とステージ移動を整合させるために、数1で決定される。
【数1】
ここで、Tsfは、主偏向器を1つのサブフィールド位置に向けた偏向状態としておく時間(偏向滞在時間)である。PsfyはY方向(ステージ移動方向)のサブフィード配列ピッチ、NsfはX方向のサブフィールド数である。Psfy、Nsfは一定である。
【0040】
数1より、ステージ速度Vrsと偏向滞在時間Tsfは反比例の関係となる。上述のように、ステージは機械的に移動するため、ステージ運転開始時と停止時には加減速運転を行う。このような加減速運転中、すなわち、ステージ速度Vrsが変化すると、偏向滞在時間Tsfも変化する。例えば、加減速運転時のステージ速度Vrsが遅い場合は、偏向滞在時間Tsfは長くなる。
【0041】
偏向滞在時間Tsfは、主偏向器を1つのサブフィールドに向けた状態とする時間であり、同サブフィールドを露光する時間と、ブランキング時間とを含む。露光時間は感応基板上でのビーム電流密度とレジスト感度で決定され、基本的には、サブフィールド毎に一定の時間である。ブランキング時間は、ブランキング偏向器(図3の符号5)を作動させて照明ビームを偏向させてブランキング開口(図3の符号7)の非開口部に当て、ビームがレチクル(図3の符号10)に当たらないようにする時間である。ステージ速度Vrsが小さく(遅く)なって、偏向滞在時間Tsfを長くする場合には、偏向滞在時間Tsfから露光時間を引いた時間にブランキング時間を設定する。
【0042】
簡略化のために、ステージは加速度aの等加速で加速すると仮定すると、偏向滞在時間Tsfと時間tの関係は数2で示される。
【数2】
【0043】
図2は、偏向滞在時間Tsf、ステージ速度Vrfと時間tの関係の一例を示すグラフである。縦軸は偏向滞在時間Tsf、ステージ速度Vrfを示し、横軸は時間tを示す。
このグラフは、数2において、加速度a=2G、サブフィールド配列ピッチPsfy=1.3mm、サブフィールド数Nsf=20とした場合の偏向滞在時間Tsf及びステージ速度Vrfと時間tの関係を示す。グラフより、加速運転初期のステージ速度が低速な時には偏向滞在時間Tsfが長く、ステージ速度が高速になるにしたがって偏向滞在時間Tsfが短くなっている。
【0044】
したがって、加速運転時や減速運転時のステージ速度が遅い場合に露光を行うには、偏向滞在時間Tsfを長くする必要がある。偏向滞在時間Tsfを長くするためには、上述のようにブランキング時間を長くすればよい。
【0045】
実際のステージ運転時には、次のサブフィールドを通過する間のステージ移動速度を予測し、この移動速度からこのサブフィールドの偏向滞在時間Tsfを数1を用いて計算する。そして、この時間になるようにブランキング時間を調整することにより露光時間は一定のまま偏向滞在時間Tsfを変えることができる。
【0046】
再び図1を参照して説明する。
下のグラフから分かるように、ステージ運転初期の加速運転時や、ステージ運転終期の減速運転時のステージ速度が低いときには、偏向滞在時間Tsfを長くしている。この偏向滞在時間Tsfは、次のサブフィールドを通過する間のステージ移動速度を予測して、数1や数2を用いて計算する。そして、露光時間を一定のままとして、この偏向滞在時間Tsfとなるようにブランキング時間を加える。
【0047】
このように、偏向滞在時間Tsfをステージ速度Vrsに応じて変化させることにより、加速運転時間及び減速運転時間も露光可能時間とすることができる。このため、一つのメカニカルストライプを露光する際にステージをメカ走査する場合に、従来のように、必要な露光時間の分だけ等速運転期間を長くとる必要がなく、ステージの移動時間のほぼ全部を露光に活用できる。
【0048】
ただし、ステージの加速開始直後や停止直前のステージ速度がかなり遅い場合は、露光を行わないことが好ましい。上述のように、偏向滞在時間Tsfは、ブランキング偏向器で制御されるブランキング時間の調整により変更することができる。ここで、ブランキング時間に差があると、すなわち、ビームをブランキング位置に偏向させておく時間が変わると、偏向器の特性が変わることがある。例えば、偏向時間が長くなると、偏向器のコイルの温度が上昇して偏向特性が変わってしまい、偏向制御系の較正が煩雑になってしまう。このため、偏向器の偏向特性が変化しない範囲内でブランキング時間を変更できるように、図に示すように、ステージ速度がかなり遅い場合は露光を行わず、ステージ速度がある程度に達した時点で露光を開始している。
また、露光終了時間は、ステージのX方向移動タイミングとの関係も考慮して決定される。
【0049】
また、メカニカルストライプが短くステージの移動距離が短い場合は、加速運転後に等速運動を行う必要はない。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ステージの加減速運転中も露光を行うことができるため、装置のスループットを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る荷電粒子線露光方法を説明するための図である。
【図2】偏向滞在時間Tsf、ステージ速度Vrfと時間tの関係の一例を示すグラフである。
【図3】分割転写方式の電子線投影露光装置の光学系全体における結像関係及び制御系の概要を示す図である。
【図4】電子線投影露光用のレチクルの構成例を模式的に示す図である。図4(A)は全体の平面図であり、図4(B)は一部の斜視図であり、図4(C)は一つの小メンブレン領域の平面図である。
【図5】レチクルからウェハへのパターン転写の様子を模式的に示す斜視図である。
【図6】図6(A)は、ウェハ上におけるビーム走査形態の一例を説明する図であり、図6(B)はレチクル上におけるビーム走査形態の一例を説明する図である。
【図7】ステージのメカ走査の形態及び速度変化の一例を説明する図であり、図7(A)は、レチクルステージ及びウェハステージのメカ走査経路、図7(B)は、レチクルステージの速度変化を示すグラフである。
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【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路等のリソグラフィーに用いられる荷電粒子線露光装置及び荷電粒子線露光方法に関する。特には、スループットを上げることができるよう改良した荷電粒子線露光装置及び方法に関する。
【0002】
【背景技術】
露光の高解像と高スループットの両方を兼ね備えた電子ビームの露光方式として、分割転写方式の電子ビーム露光装置の開発が進められている。この方式においては、格子状に配列された多数のサブフィールドを有するレチクルを用いる。そして、レチクルステージ及び感応基板ステージを連続移動させるとともに、配列されたサブフィールド群を電子ビームを周期的に偏向しながら露光する。
【0003】
この分割転写方式の電子線投影露光技術の概要を図面を参照しつつ説明する。
図3は、分割転写方式の電子線投影露光装置の光学系全体における結像関係及び制御系の概要を示す図である。
光学系の最上流に配置されている電子銃1は、下方に向けて電子線を放射する。電子銃1の下方には2段のコンデンサレンズ2、3が備えられており、電子線は、これらのコンデンサレンズ2、3によって収束されブランキング開口7にクロスオーバーC.O.を結像する。
【0004】
二段目のコンデンサレンズ3の下には、矩形開口4が備えられている。この矩形開口(照明ビーム成形開口)4は、レチクル(マスク)10の一つのサブフィールド(露光の1単位となるパターン小領域)を照明する照明ビームのみを通過させる。この開口4の像は、レンズ9によってレチクル10に結像される。
【0005】
ビーム成形開口4の下方には、ブランキング偏向器5が配置されている。同偏向器5は、必要時に照明ビームを偏向させてブランキング開口7の非開口部に当て、ビームがレチクル10に当たらないようにする。
ブランキング開口7の下には、照明ビーム偏向器(主偏向器)8が配置されている。この偏向器8は、主に照明ビームを図3の横方向(X方向)に順次走査して、照明光学系の視野内にあるレチクル10の各サブフィールドの照明を行う。偏向器8の下方には、照明レンズ9が配置されている。照明レンズ9は、レチクル10上にビーム成形開口4を結像させる。
【0006】
レチクル10は、実際には(図4を参照しつつ後述)光軸垂直面内(X−Y面)に広がっており、多数のサブフィールドを有する。レチクル10上には、全体として一個の半導体デバイスチップをなすパターン(チップパターン)が形成されている。もちろん、複数のレチクルに1個の半導体デバイスチップをなすパターンを分割して配置しても良い。
【0007】
レチクル10は移動可能なレチクルステージ11上に載置されており、レチクル10を光軸垂直方向(XY方向)に動かすことにより、照明光学系の視野よりも広い範囲に広がるレチクル上の各サブフィールドを照明することができる。
レチクルステージ11には、レーザ干渉計を用いた位置検出器12が付設されており、レチクルステージ11の位置をリアルタイムで正確に把握することができる。
【0008】
レチクル10の下方には投影レンズ15及び19並びに偏向器16が設けられている。レチクル10の1つのサブフィールドを通過した電子線は、投影レンズ15、19、偏向器16によってウェハ23上の所定の位置に結像される。ウェハ23上には、適当なレジストが塗布されており、レジストに電子線のドーズが与えられ、レチクル上のパターンが縮小されてウェハ23上に転写される。
【0009】
レチクル10とウェハ23の間を縮小率比で内分する点にクロスオーバーC.O.が形成され、同クロスオーバー位置にはコントラスト開口18が設けられている。同開口18は、レチクル10の非パターン部で散乱された電子線がウェハ23に到達しないよう遮断する。
【0010】
ウェハ23の直上には反射電子検出器22が配置されている。この反射電子検出器22は、ウェハ23の被露光面やステージ上のマークで反射される電子の量を検出する。例えばレチクル10上のマークパターンを通過したビームでウェハ23上のマークを走査し、その際のマークからの反射電子を検出することにより、レチクル10とウェハ23の相対的位置関係を知ることができる。
【0011】
ウェハ23は、静電チャック(図示されず)を介して、XY方向に移動可能なウェハステージ24上に載置されている。上記レチクルステージ11とウェハステージ24とを、互いに逆の方向に同期走査することにより、投影光学系の視野を越えて広がるチップパターン内の各部を順次露光することができる。なお、ウェハステージ24にも、上述のレチクルステージ11と同様の位置検出器25が装備されている。
【0012】
上記各レンズ2、3、9、15、19及び各偏向器5、8、16は、各々のコイル電源制御部2a、3a、9a、15a、19a及び5a、8a、16aを介してコントローラ31によりコントロールされる。また、レチクルステージ11及びウェハステージ24も、ステージ制御部11a、24aを介して、コントローラ31により制御される。ステージ位置検出器12、25は、アンプやA/D変換器等を含むインターフェース12a、25aを介してコントローラ31に信号を送る。また、反射電子検出器22も同様のインターフェース22aを介してコントローラ31に信号を送る。
【0013】
コントローラ31は、ステージ位置の制御誤差やパターンビームの位置誤差を把握し、その誤差を像位置調整偏向器16で補正する。これにより、レチクル10上のサブフィールドの縮小像がウェハ23上の目標位置に正確に転写される。そして、ウェハ23上で各サブフィールド像が繋ぎ合わされて、レチクル上のチップパターン全体がウェハ上に転写される。
【0014】
次に、分割転写方式の電子線投影露光に用いられるレチクルの詳細例について、図4を参照しつつ説明する。
図4は、電子線投影露光用のレチクルの構成例を模式的に示す図である。図4(A)は全体の平面図であり、図4(B)は一部の斜視図であり、図4(C)は一つの小メンブレン領域の平面図である。このようなレチクルは、例えばシリコンウェハに電子線描画・エッチングを行うことにより製作できる。
【0015】
図4(A)には、レチクル10における全体のパターン分割配置状態が示されている。同図中に多数の正方形41で示されている領域が、一つのサブフィールドに対応したパターン領域を含む小メンブレン領域(厚さ0.1μm〜数μm)である。図4(C)に示すように、小メンブレン領域41は、中央部のパターン領域(サブフィールド)42と、その周囲の額縁状の非パターン領域(スカート43)とからなる。サブフィールド42は転写すべきパターンの形成された部分である。スカート43はパターンの形成されてない部分であり、照明ビームの縁の部分が当たる。パターン形成の形態としては、メンブレンに孔開き部を設けるステンシルタイプと、電子線の高散乱体からなるパターン層をメンブレン上に形成する散乱メンブレンタイプとがある。
【0016】
一つのサブフィールド42は、現在検討されているところでは、レチクル上で1mm角程度の大きさを有する。投影の縮小率は1/4であり、サブフィールドがウェハ上に縮小投影された投影像の大きさは、0.25mm角である。小メンブレン領域41の周囲の直交する格子状のグリレージと呼ばれる部分45は、レチクルの機械強度を保つための、例えば厚さ0.5〜1mm程度の梁である。グリレージ45の幅は、例えば0.1mm程度である。なお、スカート43の幅は、例えば0.05mm程度である。
【0017】
図4(A)に示すように、図の横方向(X方向)に多数の小メンブレン領域41が並んで一つのグループ(エレクトリカルストライプ44)をなし、そのようなエレクトリカルストライプ44が図の縦方向(Y方向)に多数並んで1つのメカニカルストライプ49を形成している。エレクトリカルストライプ44の長さ(メカニカルストライプ49の幅)は照明光学系の偏向可能視野の大きさによって制限される。
【0018】
メカニカルストライプ49は、X方向に並列に複数存在する。
隣り合うメカニカルストライプ49の間にストラット47として示されている幅の太い梁は、レチクル全体のたわみを小さく保つためのものである。ストラット47はグリレージ45と一体である。
【0019】
現在有力と考えられている方式によれば、1つのメカニカルストライプ49内のX方向のサブフィールド42の列(エレクトリカルストライプ44)は電子線偏向により順次露光される。一方、ストライプ49内のY方向の列は、連続ステージ走査により順次露光される。
【0020】
図5は、レチクルからウェハへのパターン転写の様子を模式的に示す斜視図である。図の上部にレチクル10上の1つのメカニカルストライプ49が示されている。メカニカルストライプ49には上述のように多数のサブフィールド42(スカートについては図示省略)及びグリレージ45が形成されている。図の下部には、レチクル10と対向するウェハ23が示されている。
【0021】
この図では、レチクル上のメカニカルストライプ49の一番手前のエレクトリカルストライプ44の左隅のサブフィールド42−1が上方からの照明ビームIBにより照明されている。そして、サブフィールド42−1を通過したパターンビームPBが、2段の投影レンズと像位置調整偏向器(図3の符号16)の作用によりウェハ23上の所定の領域52−1に縮小投影されている。
パターンビームPBは、レチクル10とウェハ23の間で、2段の投影レンズの作用により、光軸OAと平行な方向から光軸と交差する方向へ、そして再び光軸OAと平行になるように計2回偏向される。
【0022】
ウェハ23上におけるサブフィールド像の転写位置は、レチクル10とウェハ23との間の光路中に設けられた上記像位置調整偏向器により、各パターン小領域42に対応する被転写小領域52が互いに接するように調整される。すなわち、レチクル上のパターン小領域42を通過したパターンビームPBを第1投影レンズ及び第2投影レンズでウェハ23上に収束させるだけでは、レチクル10のパターン小領域42のみならずグリレージ45及びスカートの像までも所定の縮小率で転写することとなり、グリレージ45等の非パターン領域に相当する無露光領域が各被転写小領域52の間に生じる。このようにならないよう、非パターン領域の幅に相当する分だけ像の転写位置をずらしている。
【0023】
次に、ステージを連続移動させながら光学系を偏向させる場合のビーム走査経路の例について説明する。
図6(A)は、ウェハ上におけるビーム走査形態の一例を説明する図であり、図6(B)はレチクル上におけるビーム走査形態の一例を説明する図である。
この例では、各図に示すように、サブフィールド52、42は、X方向に11列配列されている。
【0024】
まず、図6(B)を参照して、レチクル10上における照明ビームの走査形態を説明する。
レチクル上のメカニカルストライプ49を露光する際は、レチクルステージを+Y方向に移動(メカ走査)させながら、照明ビームを、例えば、同ストライプ49内の最も端部のエレクトリカルストライプ44の右端のサブフィールド42−1−1から左端のサブフィールド42−1−11に向かって−X方向に偏向走査する。このとき、レチクルステージは+Y方向(図の上方向)に機械的に連続して送られているので、それに合わせて照明ビームも+Y方向に偏向させる必要がある。そのため、実際のビームの偏向は、図6(B)の下の図に示すように、経路は斜めになる。
【0025】
一つのエレクトリカルストライプ44の露光が終了すると、次に、−Y方向に照明ビームを偏向して、図の一つ下のエレクトリカルストライプの左端のサブフィールド42−2−11に露光を進める。そして、照明ビームを主に+X方向に偏向走査することにより、二本目のエレクトリカルストライプの右端のサブフィールド42−2−1まで露光する。このときも、上述の場合と同様に、図6(B)の下の図に示すように、実際のビーム偏向経路は斜めになる。
以下同様にして、ビームをXY方向に偏向しつつ、一つのメカニカルストライプ内の全てのサブフィールドの露光を行う。
【0026】
次に、図6(A)を参照して、ウェハ23上におけるパターンビームの走査形態を説明する。なお、パターンビームの電気的偏向は、前述の照明ビームの偏向に伴って起こるものと、投影光学系中の像位置調整偏向器(図3の符号16)を用いて意図的に行うものの合成されたものである。
ウェハ上のメカニカルストライプ59を露光する際は、ウェハステージを−Y方向に移動(メカ走査)させながら、パターンビームを、同ストライプ59内の最も端部のエレクトリカルストライプ54の左端のサブフィールド52−1−1から右端のサブフィールド52−1−11に向かって+X方向に偏向走査する。このとき、ウェハステージは−Y方向(図の下方向)に機械的に連続して送られているので、それに合わせてパターンビームも−Y方向に偏向させる必要がある。そのため、実際のパターンビームの偏向は、図6(A)の下の図に示すように経路は斜めになる。
【0027】
一つのエレクトリカルストライプ54の露光が終了すると、次に、+Y方向にパターンビームを走査して、図の一つ上のエレクトリカルストライプの右端のサブフィールド52−2−11に露光を進める。そして、パターンビームを主に−X方向に偏向走査することにより、二本目のエレクトリカルストライプの左端のサブフィールド52−2−1まで露光する。このときも、上述の場合と同様に、図6(A)の下の図に示すように、実際のビーム偏向経路は斜めになる。
以下同様にして、ビームをXY方向に偏向しつつ、一つのメカニカルストライプ内の全てのサブフィールドの露光を行う。
【0028】
一つのメカニカルストライプ54、44を露光する際、両ステージは上述のように機械的に移動しているため、ステージ移動時には速度変化が生じる。
図7は、ステージのメカ走査形態及び速度変化の一例を説明する図であり、図7(A)は、レチクルステージ及びウェハステージのメカ走査経路を示し、図7(B)は、レチクルステージの速度変化を示すグラフである。グラフの縦軸はステージの移動速度、横軸は時間を示す。
レチクルステージ及びウェハステージは、各メカニカルストライプの幅方向中心に沿ってメカ走査され、図7(A)の矢印で示すような軌跡をとる。そして、この走査中に、ビームをX方向に偏向走査しながらエレクトリカルストライプを照明する。
【0029】
図7(A)の左の図に示す例においては、レチクルステージは、レチクルの最も左のメカニカルストライプ49−1の下端からやや下方に離れたスタート位置Sa1から、同メカニカルストライプ49−1の上端からやや上方に離れた位置(停止位置So1)まで、+Y方向に移動して停止する。そして、次のメカニカルストライプ49−2を露光するために、メカニカルストライプ49−2の方向(+X方向)にメカ走査される。次に、メカニカルストライプ49−2の上端からやや上方に離れたスタート位置Sa2から、同メカニカルストライプ49−2の下端からやや下方に離れた位置(停止位置So2)まで、−Y方向に移動して停止する。この走査を繰り返して全てのメカニカルストライプ49を照明ビームで露光する。
【0030】
そして、ウェハステージは、図7(A)の右の図に示すように、ウェハの最も右のメカニカルストライプ59−1の上端からやや上方に離れたスタート位置Sa1から、同メカニカルストライプ59−1の下端からやや下方に離れた位置(停止位置So1)まで、−Y方向に移動して停止する。そして、次のメカニカルストライプ59−2を露光するために、メカニカルストライプ59−2の方向(−X方向)にメカ走査される。次に、メカニカルストライプ59−2の上端からやや上方に離れたスタート位置Sa2から、同メカニカルストライプ59−2の下端からやや下方に離れた位置(停止位置So2)まで、+Y方向に移動して停止する。この走査を繰り返して全てのメカニカルストライプ59をパターンビームで露光する。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、メカニカルストライプを露光する際に、各ステージはY方向に直線上をメカ走査される。このようなメカ走査は、図7(B)に示すように、運転開始後の加速運転及び運転停止前の減速運転を伴う。すなわち、各ステージは、運転開始後加速運転されて一定速度となり、一定速度中に露光を行い、露光終了後は減速運転されて停止する。一例で、ステージの一回の移動時間は全体で100msec程度であり、加減速運転時間はその内の半分程度である。1個のサブフィールドの露光時間を一定にするため、露光はステージの等速運転中のみ行われている。つまり、各ステージは運転開始後の加速運転時のために、メカニカルストライプ外の部分(スタート位置Saからメカニカルストライプ端部までの部分L1、及び、メカニカルストライプの端部から停止位置Soまでの部分L2)が設けられており、この部分の走査中には実際の露光は行われていない。
【0032】
つまり、ステージ運転時間の半分程度の時間であるステージの加減速運転中は露光を行っていないため、スループット上不利となる問題点があった。
【0033】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、ステージの加減速運転中も露光を可能とした荷電粒子線露光装置及び方法を提供することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解決するため、本発明の荷電粒子線露光装置は、 感応基板上に転写すべきデバイスパターンが複数のサブフィールドに分割して形成されているレチクルを載置するレチクルステージと、 前記レチクルの各サブフィールドに順次荷電粒子線(照明ビーム)を当てる照明光学系と、 前記感応基板を載置する感応基板ステージと、 前記レチクルの各サブフィールドを通過した荷電粒子線(パターンビーム)を前記感応基板上のしかるべき位置に順次投影する投影光学系と、を具備し、 前記レチクル上には、前記サブフィールドが、X方向及びY方向に格子状に並べて配置されており、 前記X方向には、前記照明光学系中で照明ビームを偏向してビーム走査し、 前記Y方向には、主に前記両ステージを機械的に連続移動させてメカ走査し、 前記投影光学系においても、前記感応基板上におけるパターン転写位置調整のために前記パターンビームを偏向させながら露光し、 前記感応基板上では、前記レチクルの各サブフィールドのパターンの像を繋ぎ合わせることにより前記デバイスパターン全体を転写する荷電粒子線露光装置であって、 前記両ステージのメカ走査における加減速中にも露光を行うことを特徴とする。
両ステージのメカ走査における加減速中にも露光を行うことができるため、装置のスループットを向上できる。
【0035】
本発明においては、 前記照明光学系中に、 前記照明ビームを前記レチクルの各サブフィールドに向けて偏向する主偏向器と、 前記照明ビームを前記レチクルに当てないようにブランキングするブランキング偏向器と、を有し、 前記主偏向器を各サブフィールドの1つに向けた偏向状態としておく時間である各サブフィールド毎の偏向滞在時間Tsfを可変とし、 前記ステージの移動速度Vrsから前記Tsfを決定することが好ましい。この場合、 各サブフィールドの露光時間を一定とし、各サブフィールドの偏向滞在時間から該露光時間を引いた時間をブランキング時間とすることとできる。
【0036】
偏向滞在時間Tsfは、ステージ移動速度Vrsやサブフィールド数、ステージ移動方向のサブフィールド間ピッチを用いた式によって決定される。この式において、ステージ移動速度Vrsと偏向滞在時間Tsfは反比例の関係をもち、加減速運転時などにステージ移動速度Vrsが変わると、偏向滞在時間Tsfも変わる。ステージの移動速度Vrsは予測して求めることができ、このステージ移動速度Vrsから偏向滞在時間Tsfを式を用いて求める。そして、ステージ移動速度Vrsが変化すると、ブランキング偏向器を制御してブランキング時間を変えて偏向滞在時間Tsfを変化させることにより、サブフィールド毎の露光時間を一定にできる。
【0037】
本発明の荷電粒子線露光方法は、 感応基板上に転写すべきデバイスパターンを、レチクル上に、X方向及びY方向に格子状に並べて配置した複数のサブフィールドに分割して形成し、 前記レチクルの各サブフィールドに順次荷電粒子線(照明ビーム)を当て、 前記レチクルの各サブフィールドを通過した荷電粒子線(パターンビーム)を前記感応基板上のしかるべき位置に順次投影し、 前記X方向には、前記照明光学系中で照明ビームを偏向してビーム走査し、 前記Y方向には、主に前記両ステージを機械的に連続移動させてメカ走査し、 前記感応基板上におけるパターン転写位置調整のために前記パターンビームを偏向させながら露光し、前記感応基板上で前記レチクルの各サブフィールドのパターンの像を繋ぎ合わせることにより前記デバイスパターン全体を転写する荷電粒子線露光方法であって、 前記両ステージのメカ走査における加減速中にも露光を行うことを特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る荷電粒子線露光方法を説明するための図である。図1の上の図は、ステージ速度と時間の関係を示すグラフであり、図1の下の図は、サブフィールド偏向滞在時間Tsfと時間の関係を示すグラフである。
本発明においては、ビーム偏向動作時に、偏向位置は従来の位置と同一で、偏向周期(サブフィールド毎の偏向滞在時間)を可変とすることにより、図に示すように、ステージの加速運転時及び減速運転時にも露光可能としている。なお、以下の説明においてはレチクルステージについて述べるが、ウェハステージにおいても同様のことがいえる。
【0039】
以下、詳細に説明する。
レチクルステージの速度Vrsは、電子ビームの偏向とステージ移動を整合させるために、数1で決定される。
【数1】
ここで、Tsfは、主偏向器を1つのサブフィールド位置に向けた偏向状態としておく時間(偏向滞在時間)である。PsfyはY方向(ステージ移動方向)のサブフィード配列ピッチ、NsfはX方向のサブフィールド数である。Psfy、Nsfは一定である。
【0040】
数1より、ステージ速度Vrsと偏向滞在時間Tsfは反比例の関係となる。上述のように、ステージは機械的に移動するため、ステージ運転開始時と停止時には加減速運転を行う。このような加減速運転中、すなわち、ステージ速度Vrsが変化すると、偏向滞在時間Tsfも変化する。例えば、加減速運転時のステージ速度Vrsが遅い場合は、偏向滞在時間Tsfは長くなる。
【0041】
偏向滞在時間Tsfは、主偏向器を1つのサブフィールドに向けた状態とする時間であり、同サブフィールドを露光する時間と、ブランキング時間とを含む。露光時間は感応基板上でのビーム電流密度とレジスト感度で決定され、基本的には、サブフィールド毎に一定の時間である。ブランキング時間は、ブランキング偏向器(図3の符号5)を作動させて照明ビームを偏向させてブランキング開口(図3の符号7)の非開口部に当て、ビームがレチクル(図3の符号10)に当たらないようにする時間である。ステージ速度Vrsが小さく(遅く)なって、偏向滞在時間Tsfを長くする場合には、偏向滞在時間Tsfから露光時間を引いた時間にブランキング時間を設定する。
【0042】
簡略化のために、ステージは加速度aの等加速で加速すると仮定すると、偏向滞在時間Tsfと時間tの関係は数2で示される。
【数2】
【0043】
図2は、偏向滞在時間Tsf、ステージ速度Vrfと時間tの関係の一例を示すグラフである。縦軸は偏向滞在時間Tsf、ステージ速度Vrfを示し、横軸は時間tを示す。
このグラフは、数2において、加速度a=2G、サブフィールド配列ピッチPsfy=1.3mm、サブフィールド数Nsf=20とした場合の偏向滞在時間Tsf及びステージ速度Vrfと時間tの関係を示す。グラフより、加速運転初期のステージ速度が低速な時には偏向滞在時間Tsfが長く、ステージ速度が高速になるにしたがって偏向滞在時間Tsfが短くなっている。
【0044】
したがって、加速運転時や減速運転時のステージ速度が遅い場合に露光を行うには、偏向滞在時間Tsfを長くする必要がある。偏向滞在時間Tsfを長くするためには、上述のようにブランキング時間を長くすればよい。
【0045】
実際のステージ運転時には、次のサブフィールドを通過する間のステージ移動速度を予測し、この移動速度からこのサブフィールドの偏向滞在時間Tsfを数1を用いて計算する。そして、この時間になるようにブランキング時間を調整することにより露光時間は一定のまま偏向滞在時間Tsfを変えることができる。
【0046】
再び図1を参照して説明する。
下のグラフから分かるように、ステージ運転初期の加速運転時や、ステージ運転終期の減速運転時のステージ速度が低いときには、偏向滞在時間Tsfを長くしている。この偏向滞在時間Tsfは、次のサブフィールドを通過する間のステージ移動速度を予測して、数1や数2を用いて計算する。そして、露光時間を一定のままとして、この偏向滞在時間Tsfとなるようにブランキング時間を加える。
【0047】
このように、偏向滞在時間Tsfをステージ速度Vrsに応じて変化させることにより、加速運転時間及び減速運転時間も露光可能時間とすることができる。このため、一つのメカニカルストライプを露光する際にステージをメカ走査する場合に、従来のように、必要な露光時間の分だけ等速運転期間を長くとる必要がなく、ステージの移動時間のほぼ全部を露光に活用できる。
【0048】
ただし、ステージの加速開始直後や停止直前のステージ速度がかなり遅い場合は、露光を行わないことが好ましい。上述のように、偏向滞在時間Tsfは、ブランキング偏向器で制御されるブランキング時間の調整により変更することができる。ここで、ブランキング時間に差があると、すなわち、ビームをブランキング位置に偏向させておく時間が変わると、偏向器の特性が変わることがある。例えば、偏向時間が長くなると、偏向器のコイルの温度が上昇して偏向特性が変わってしまい、偏向制御系の較正が煩雑になってしまう。このため、偏向器の偏向特性が変化しない範囲内でブランキング時間を変更できるように、図に示すように、ステージ速度がかなり遅い場合は露光を行わず、ステージ速度がある程度に達した時点で露光を開始している。
また、露光終了時間は、ステージのX方向移動タイミングとの関係も考慮して決定される。
【0049】
また、メカニカルストライプが短くステージの移動距離が短い場合は、加速運転後に等速運動を行う必要はない。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ステージの加減速運転中も露光を行うことができるため、装置のスループットを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る荷電粒子線露光方法を説明するための図である。
【図2】偏向滞在時間Tsf、ステージ速度Vrfと時間tの関係の一例を示すグラフである。
【図3】分割転写方式の電子線投影露光装置の光学系全体における結像関係及び制御系の概要を示す図である。
【図4】電子線投影露光用のレチクルの構成例を模式的に示す図である。図4(A)は全体の平面図であり、図4(B)は一部の斜視図であり、図4(C)は一つの小メンブレン領域の平面図である。
【図5】レチクルからウェハへのパターン転写の様子を模式的に示す斜視図である。
【図6】図6(A)は、ウェハ上におけるビーム走査形態の一例を説明する図であり、図6(B)はレチクル上におけるビーム走査形態の一例を説明する図である。
【図7】ステージのメカ走査の形態及び速度変化の一例を説明する図であり、図7(A)は、レチクルステージ及びウェハステージのメカ走査経路、図7(B)は、レチクルステージの速度変化を示すグラフである。
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Claims (4)
- 感応基板上に転写すべきデバイスパターンが複数のサブフィールドに分割して形成されているレチクルを載置するレチクルステージと、
前記レチクルの各サブフィールドに順次荷電粒子線(照明ビーム)を当てる照明光学系と、
前記感応基板を載置する感応基板ステージと、
前記レチクルの各サブフィールドを通過した荷電粒子線(パターンビーム)を前記感応基板上のしかるべき位置に順次投影する投影光学系と、
を具備し、
前記レチクル上には、前記サブフィールドが、X方向及びY方向に格子状に並べて配置されており、
前記X方向には、前記照明光学系中で照明ビームを偏向してビーム走査し、
前記Y方向には、主に前記両ステージを機械的に連続移動させてメカ走査し、
前記投影光学系においても、前記感応基板上におけるパターン転写位置調整のために前記パターンビームを偏向させながら露光し、
前記感応基板上では、前記レチクルの各サブフィールドのパターンの像を繋ぎ合わせることにより前記デバイスパターン全体を転写する荷電粒子線露光装置であって、
前記両ステージのメカ走査における加減速中にも露光を行うことを特徴とする荷電粒子線露光装置。 - 前記照明光学系中に、
前記照明ビームを前記レチクルの各サブフィールドに向けて偏向する主偏向器と、
前記照明ビームを前記レチクルに当てないようにブランキングするブランキング偏向器と、
を有し、
前記主偏向器を各サブフィールドの1つに向けた偏向状態としておく時間である各サブフィールド毎の偏向滞在時間Tsfを可変とし、
前記ステージの移動速度Vrsから前記Tsfを決定することを特徴とする請求項1記載の荷電粒子線露光装置。 - 各サブフィールドの露光時間を一定とし、各サブフィールドの偏向滞在時間から該露光時間を引いた時間をブランキング時間とすることを特徴とする請求項2記載の荷電粒子線露光装置。
- 感応基板上に転写すべきデバイスパターンを、レチクル上に、X方向及びY方向に格子状に並べで配置した複数のサブフィールドに分割して形成し、
前記レチクルの各サブフィールドに順次荷電粒子線(照明ビーム)を当て、
前記レチクルの各サブフィールドを通過した荷電粒子線(パターンビーム)を前記感応基板上のしかるべき位置に順次投影し、
前記X方向には、前記照明光学系中で照明ビームを偏向してビーム走査し、
前記Y方向には、主に前記両ステージを機械的に連続移動させてメカ走査し、
前記感応基板上におけるパターン転写位置調整のために前記パターンビームを偏向させながら露光し、
前記感応基板上で前記レチクルの各サブフィールドのパターンの像を繋ぎ合わせることにより前記デバイスパターン全体を転写する荷電粒子線露光方法であって、
前記両ステージのメカ走査における加減速中にも露光を行うことを特徴とする荷電粒子線露光方法。
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JP2003194713A JP2005032888A (ja) | 2003-07-10 | 2003-07-10 | 荷電粒子線露光装置及び荷電粒子線露光方法 |
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JP2006261342A (ja) * | 2005-03-16 | 2006-09-28 | Canon Inc | 荷電粒子露光装置およびデバイス製造方法 |
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- 2003-07-10 JP JP2003194713A patent/JP2005032888A/ja active Pending
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