JP2000228351A - 荷電粒子線転写露光方法及びそれに用いるマスク - Google Patents

荷電粒子線転写露光方法及びそれに用いるマスク

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JP2000228351A
JP2000228351A JP3091999A JP3091999A JP2000228351A JP 2000228351 A JP2000228351 A JP 2000228351A JP 3091999 A JP3091999 A JP 3091999A JP 3091999 A JP3091999 A JP 3091999A JP 2000228351 A JP2000228351 A JP 2000228351A
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charged particle
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Mamoru Nakasuji
護 中筋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写露光中に発生したウエハの回転や平行移
動あるいはビーム位置変動を高精度に補正できる転写露
光方法等を提供する。 【解決手段】 本露光方法は、全体転写領域71を荷電
粒子線光学系の偏向可能視野内の寸法を短辺とする複数
のストライプ72に分割し、ストライプの短辺方向には
荷電粒子線を偏向走査し、ストライプの長辺方向には主
にマスクと感応基板を機械的に走査して全体転写領域を
転写する。各ストライプ72の長手方向端部について、
マスク上には検出ビーム形成用のマークパターン91、
93を設け、感応基板上には該検出ビームによって照射
される被照射マーク91、93を設け、各ストライプの
両端部において検出ビームで被照射マークの位置を検出
し、その結果に基づいて露光の諸条件を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線やイオンビ
ーム等の荷電粒子線を用いてマスク上のパターンを感応
基板(ウエハ等)に転写する方法等に関する。特には、
マスクステージ及びウエハステージの機械的走査と荷電
粒子線の電気的偏向を併用して光学系の視野寸法を超え
る大パターンを転写できる荷電粒子線転写方法等に関す
る。
【0002】
【従来の技術】マスク上のパターンをウエハ上に転写す
る際には、ウエハ上にすでに形成されれている前層のパ
ターンとの重ね合わせ精度を確保するため、今回転写す
るパターンの像がウエハ上の所望の位置に所望の形状・
寸法で投影結像することを要する。そのために、マスク
上のマークパターンのウエハ上における像(検出ビー
ム)とウエハ上のマーク(被照射マーク)との相対的位
置関係を測定し、その結果に基づいてパターン像の位置
・倍率・回転を調整している。このようなマークの相対
的位置測定をマーク検出と呼び、マーク検出及びその後
のパターン像の位置・倍率・回転などの調整をアライメ
ントという。
【0003】アライメントの方式として次のようなもの
がある。 (1)ウエハの各所に配布したマークを検出して、ウエ
ハ全体における位置関係を把握して行うもの(グローバ
ルアライメント)。 (2)ウエハ上の1つのデバイスパターン(ダイ)ごと
にマーク検出を行い、光学系やマスクステージ、ウエハ
ステージの調整を行うもの(ダイバイダイアライメン
ト)。 (3)1つのデバイスパターンの露光中にステージやビ
ーム走査を行う露光方式において、走査中においてもマ
ーク検出を行うもの(USP4,818,885)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)の方式で
は、ウエハ上の多くのダイを露光している間に、マスク
及びウエハの熱膨張などのため次第に転写精度が悪くな
るという問題がある。特に、荷電粒子線を用いて高スル
ープットをねらう露光では、マスクやウエハへの入熱が
高いとともに、もともと目標としている精度レベルが高
いために問題が重大である。
【0005】上記(2)や(3)の方式では、マーク検
出を光学系の視野の端の方で行うと、光学系の収差(視
野歪や偏向歪等)によりマーク検出精度が劣化する。さ
らに、パターン像の回転や倍率を、ダイ毎あるいは1つ
のダイの転写中に調整する方式の場合は、高精度のマー
ク検出をいかに行うかについての提案がなされていなか
った。
【0006】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、転写中に発生したウエハの回転や平行移動
あるいはビーム位置変動を高精度に補正できる転写露光
方法等を提供することを目的とする。さらに、視野歪や
偏向歪を気にしなくてマーク検出を行うことができる方
法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】上
記課題を解決するため、本発明の第1態様の荷電粒子線
転写露光方法は、全体転写領域を荷電粒子線光学系の偏
向可能視野内の寸法を短辺とする複数のストライプに分
割し、ストライプの短辺方向には荷電粒子線を偏向走査
し、ストライプの長辺方向には主にマスクと感応基板を
機械的に走査して全体転写領域を転写する荷電粒子線転
写露光方法であって、各ストライプの長手方向端部につ
いて、マスク上には検出ビーム形成用のマークパターン
を設け、感応基板上には該検出ビームによって照射され
る被照射マークを設け、各ストライプの両端部において
検出ビームで被照射マークの位置を検出し、その結果に
基づいて露光の諸条件を補正することを特徴とする。
【0008】本発明のマスクは、全体転写領域を荷電粒
子線光学系の偏向可能視野内の寸法を短辺とする複数の
ストライプに分割したマスクであって、各ストライプの
長手方向端部に検出ビーム形成用のマークパターンが設
けられていることを特徴とする。
【0009】1本のストライプの両端、あるいは異なる
複数ストライプの反対側の2ヶ所の端部でマーク検出を
行えば、相当離れた2つの位置でマーク検出できる。そ
のため、露光中におけるマスクやウエハの熱膨張等に起
因するパターン像の回転や倍率の変動を高精度で測定で
きる。したがって、アライメント調整も高精度に行えパ
ターン転写精度を向上できる。
【0010】本発明の第2態様の荷電粒子線転写露光方
法は、全体転写領域を荷電粒子線光学系の偏向可能視野
内の寸法を短辺とする複数のストライプに分割し、スト
ライプの短辺方向には荷電粒子線を偏向走査し、ストラ
イプの長辺方向には主にマスクと感応基板を機械的に走
査して全体転写領域を転写する荷電粒子線転写露光方法
であって、マスク上には検出ビーム形成用のマークパタ
ーンを設け、感応基板上には該検出ビームによって照射
される被照射マークを設け、投影光学系における荷電粒
子線の偏向量が荷電粒子線ビーム寸法以内のときにマー
ク検出を行うことを特徴とする。
【0011】光学系の偏向可能範囲のほぼ中央部でマー
ク検出を行うので偏向歪の小さい状態でマーク検出でき
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ説明す
る。まず、荷電粒子線の一種である電子線を用いる露光
技術の概要(例)について説明する。図3は、分割転写
方式の電子線投影露光装置の光学系全体における結像関
係及び制御系の概要を示す図である。光学系の最上流に
配置されている電子銃1は、下方に向けて電子線を放射
する。電子銃1の下方には2段のコンデンサレンズ2、
3が備えられており、電子線は、これらのコンデンサレ
ンズ2、3を通ってブランキング開口7にクロスオーバ
ーC.O.を結像する。
【0013】コンデンサレンズ3の下には、矩形開口4
が備えられている。この矩形開口(照明ビーム成形開
口)4は、マスク(レチクル)10の一つのサブフィー
ルド(単位露光パターン領域)を照明する照明ビームの
みを通過させる。具体的には、開口4は、照明ビームを
マスクサイズ換算で1mm角強の寸法の正方形に成形す
る。この開口4の像は、レンズ9によってマスク10に
結像される。
【0014】ビーム成形開口4の下方には、ブランキン
グ偏向器5が配置されている。同偏向器5は、照明ビー
ムを偏向させてブランキング開口7の非開口部に当て、
ビームがマスク10に当たらないようにする。ブランキ
ング開口7の下には、照明ビーム偏向器8が配置されて
いる。この偏向器8は、主に照明ビームを図3の左右方
向(X方向)に順次走査して、照明光学系の視野内にあ
るマスク10の各サブフィールドの照明を行う。偏向器
8の下方には、コンデンサレンズ9が配置されている。
コンデンサレンズ9は、電子線を平行ビーム化してマス
ク10に当て、マスク10上にビーム成形開口4を結像
させる。
【0015】マスク10は、図3では光軸上の1サブフ
ィールドのみが示されているが、実際には(図2を参照
しつつ後述)光軸垂直面内(X−Y面)に広がっており
多数のサブフィールドを有する。マスク10上には、全
体として一個の半導体デバイスチップをなすパターン
(チップパターン)が形成されている。
【0016】照明光学系の視野内で各サブフィールドを
照明するため、上述のように偏向器8で電子線を偏向す
ることができる。照明光学系の視野を越えて各サブフィ
ールドを照明するためには、マスク10を機械的に移動
させる。すなわち、マスク10は、XY方向に移動可能
なマスクステージ11上に載置されている。
【0017】マスク10の下方には投影レンズ12及び
14並びに偏向器13が設けられている。そして、マス
ク10のあるサブフィールドに照明ビームが当てられ、
マスク10のパターン部を通過した電子線は、投影レン
ズ12、14によって縮小されるとともに、偏向器13
により偏向されてウエハ15上の所定の位置に結像され
る。ウエハ15上には、適当なレジストが塗布されてお
り、レジストに電子ビームのドーズが与えられてマスク
上のパターンが縮小されてウエハ15上に転写される。
【0018】なお、マスク10とウエハ15の間を縮小
率比で内分する点にクロスオーバーC.O.が形成され、同
クロスオーバー位置にはコントラスト開口18が設けら
れている。同開口18は、マスク10の非パターン部で
散乱された電子線がウエハ15に到達しないよう遮断す
る。第2の投影レンズ14とウエハ15の間には、反射
電子検出器19が配置されている。この反射電子検出器
19は、ウエハ15に当たって反射する電子線を検出す
る。検出した反射電子信号から、ウエハ15上のマーク
の位置を知ることができ、ウエハと光学系やマスクとの
間のアライメントの基礎情報を得ることができる。
【0019】ウエハ15は、静電チャック16を介し
て、XY方向に移動可能なウエハステージ17上に載置
されている。上記マスクステージ11とウエハステージ
17とを、互いに逆の方向に同期走査することにより、
チップパターン内で多数配列されたサブフィールドを順
次露光することができる。なお、両ステージ11、17
には、レーザ干渉計を用いた正確な位置測定システムが
装備されており、ステージ位置は正確にコントロールさ
れる。
【0020】上記各レンズ2、3、9、12、14及び
各偏向器5、8、13は、各々のコイル電源2a、3
a、9a、12a、14a及び5a、8a、13aを介
して制御部21によりコントロールされる。また、マス
クステージ11及びウエハステージ17も、ステージ駆
動モータ制御部11a、17aを介して、制御部21に
よりコントロールされる。静電チャック16は、静電チ
ャック制御部16aを介して、メインコントローラ21
によりコントロールされる。正確なステージ位置と光学
系のコントロールにより、ウエハ15上でマスク10上
のサブフィールドの縮小像が正確に繋ぎ合わされ、マス
ク上のチップパターン全体がウエハ上に転写される。
【0021】次に、分割転写方式の電子線投影露光に用
いられるマスクの詳細例について、図2を用いて説明す
る。図2は、電子線露光用のマスクの構成例を模式的に
示す図である。(A)は全体の平面図であり、(B)は
一部の斜視図であり、(C)は一つの小メンブレイン領
域の平面図である。
【0022】図2中、多数の正方形41で示されている
領域が、一つのサブフィールドに対応したパターン領域
を含む小メンブレイン領域(厚さ0.1μm 〜数μm )
である。図2(C)に示すように、小メンブレイン領域
41は、中央部のパターン領域(サブフィールド)42
と、その周囲の額縁状の非パターン領域のスカート43
とからなる。サブフィールド42は転写すべきパターン
の形成された部分である。スカート43はパターンの形
成されてない部分であり、照明ビームの縁の部分が当た
る。
【0023】一つのサブフィールド42は、現在検討さ
れているところでは、マスク上で0.5〜5mm角程度の
大きさを有する。このサブフィールドがウエハ上に縮小
投影された投影像の領域(イメージフィールド)の大き
さは、縮小率1/5として0.1〜1mm角である。小メ
ンブレイン領域41の周囲の直交する格子状のグリレー
ジと呼ばれる部分45は、メンブレインの機械強度を保
つための、厚さ0.5〜1mm程度の梁である。グリレー
ジ45の幅は0.1mm程度である。
【0024】図のX方向には多数の小メンブレイン領域
41が並んで一つのグループ(偏向帯)をなし、そのよ
うな列がY方向に多数並んで1つのストライプ49を形
成している。ストライプ49の幅は電子線光学系の偏向
可能視野の広さに対応している。ストライプ49は、X
方向に並列に複数存在する。隣り合うストライプ49の
間にストラット47として示されている幅の太い梁は、
マスク全体のたわみを小さく保つためのものである。ス
トラット47はグリレージと一体で、厚さ0.5〜1mm
程度であり、幅は数mmである。なお、一つの偏向帯内に
おいて隣り合うサブフィールド間には、スカートやグリ
レージのような非パターン領域を設けない方式も検討さ
れている。
【0025】現在有力と考えられている方式によれば、
投影露光の際に1つのストライプ49内のX方向のサブ
フィールドの列(偏向帯)は電子線偏向により順次露光
される。一方、ストライプ49内のY方向の列は、連続
ステージ走査により順次露光される。隣のストライプ4
9に進む際はステージを間欠的に送る。
【0026】投影露光の際、ウエハ上では、スカートや
グリレージ等の非パターン領域はキャンセルされ、各サ
ブフィールドのパターンがチップ全体で繋ぎ合わせされ
る。なお、転写の縮小率は1/4あるいは1/5が検討
されており、ウエハ上における1チップのサイズは、4
GDRAMで27mm×44mmが想定されているので、マ
スクのチップパターンの非パターン部を含む全体のサイ
ズは、120〜230mm×150〜350mm程度とな
る。
【0027】図1は、本発明の1実施例に係る電子線転
写露光方法におけるパターンの配置を模式的に示す平面
図である。(A)は全体のパターンの配置を示し、
(B)は(A)の一部であるB部を拡大して示す。な
お、この図は、マスク上におけるパターン及びウエハ上
におけるパターンの双方を概念的に示すものである。
【0028】図1(A)に示すパターン全体領域71
は、X方向に並ぶ6本のストライプ72に分割されてい
る。各ストライプ72は、図2で説明した多数のサブフ
ィールドのX方向の列である偏向帯73、75、83、
85等にさらに分割されている。この例では、パターン
全体領域71の各ストライプ72のY方向の両端には、
ビーム位置評価用マーク(図1(B)の符号91、93
参照)を配置した偏向帯73、75、85、87等が並
べられている。それら両端部の偏向帯以外の偏向帯83
等は、一般のパターン(デバイスパターン)を形成した
部分である。
【0029】ビーム位置評価用マーク91、93は、図
1(B)に示すように、何本かの線状マークが並べられ
たものである。X方向のビーム位置評価用マーク91
は、Y方向に延びる線状マークがX方向に列べられてい
る。Y方向のビーム位置評価用マーク93は、X方向に
延びる線状マークがY方向に列べられている。なお、こ
れらのマーク91、93は、マスク上では電子線の比較
的通過しやすい部分(孔や低散乱メンブレイン部)であ
り、ウエハ上では電子線を反射しやすい金属層等であ
る。
【0030】この例では、パターンの露光は矢印で示す
転写進行方向79に沿って行われる。すなわち、図の左
下のマーク配置偏向帯85の露光から始まり、一番目ス
トライプ72aを上方に進み、一番目ストライプ72a
の上でUターンして二番目ストライプ72bを下方向に
進む。その後は二番目ストライプ72bの下でUターン
して次のストライプへ進む。
【0031】次に、図1のパターンの転写露光における
アライメントについて説明する。ウエハステージにウエ
ハを載置した段階で、ウエハ上に別途形成しておいた光
マークを電子線露光装置付属の光学顕微鏡で位置測定
し、ウエハ全体をグローバルアライメントしておく。
【0032】転写は、上述のように矢印79の順に行わ
れ、まず図の左下端のマーク配置偏向帯85から露光が
始まる。このマーク配置偏向帯85には、図1(B)に
示すビーム位置評価用マーク91、93が設けられてお
りマーク検出が行われる。光軸が偏向帯85の内部に入
り始めたらマーク検出を始める。この時は転写はまだ行
われていないので熱歪は生じておらず、ビームとマーク
の相対位置のみ検出できれば、転写時の補正値(平行移
動成分、ビームとウエハマークとの相対位置の差)を算
出できる。光軸のX方向位置は、マーク91、93が設
けられた偏向帯85の中心95に合わされる。
【0033】上記補正データを用いて一番目のストライ
プ72aを図の上端まで転写露光する。次に、ステージ
をX方向に送って二番目のストライプ72bを光軸下に
置き、二番目のストライプ72bの下方向に露光を進め
る。その際、二番目のストライプ72bの最上部の偏向
帯75に光軸が入ったらマーク検出を行う。そして、最
初に一番目のストライプ72aの下端の偏向帯85で検
出したデータと、今回の偏向帯75で検出したデータと
からウエハの回転変化(熱膨張等による)を算出する。
ビームとウエハの相対位置については、二番目のストラ
イプ72bのマーク配置偏向帯75におけるマーク検出
結果をもとに転写位置を補正してストライプ72bの転
写を行う。
【0034】このように、ウエハの回転を算出するため
のデータを、ウエハ上のストライプ72の長辺の長さ
(例えば25mm)離れた偏向帯85と75にあるマーク
を用いて測定することにより得ている。したがって、例
えば長さ5mmの偏向帯の両端にマークを設け、そのマー
ク検出によって回転を算出するようなやり方よりも、は
るかに高精度に回転値を求めることができる。さらに、
ビームとウエハとの相対位置については転写の直前に測
定した値を用いて補正するため、熱歪を有効に補正でき
る。
【0035】なお、後述するように、マスクの移動速度
とウエハの移動連続速度の関係から、各偏向帯で1回は
投影光学系の偏向量が0であってもパターン像が所定の
転写されるべき位置に一致する時があるので、マーク検
出もその付近を選んで行う。この場合、投影光学系の偏
向歪がない状態で精度の高いマーク検出を行うことがで
きる。このマーク検出の際、本例では2個のマーク(図
1(B)の符号91、93)を走査するのみなので、偏
向帯の全長(例えば5mm)を走査するのに比べて短時間
しか要しない。したがって、マーク検出は収差の影響の
最も小さい条件を選んで行うことができる。
【0036】次に具体的な数値計算例について検討す
る。まず数値計算の前提条件であるが、偏向帯の長さが
長い方がウエハステージの移動速度が低くてもスループ
ットを維持できるので、マーク検出に多くの時間を使え
楽である。そこで、偏向帯長さがウエハ上で5mmと短い
場合について検討する。なお、偏向帯の幅は0.25mm
とする。また、レジスト感度が高く、ウエハステージ速
度を高くできる条件の方がマーク検出には厳しくなる。
そこで、ウエハステージY方向連続移動速度が500mm
/sec の場合について検討する。
【0037】一方、マスク上の偏向帯寸法は1mm×20
mm、偏向帯間の非パターン領域の幅は0.2mm(スカー
ト幅:50μm 、グリレージ幅:100μm )とする。
ウエハ速度が500mm/sec であるから、マスク速度は
縮小率1/4の逆数の4倍と非パターン領域分の長さを
考慮して以下となる。 500×4(1+0.2)=2,400mm/sec
【0038】ステージ速度をこのようにすることによっ
て、ストライプ内の全ての偏向帯において、投影光学系
の偏向器の偏向量が0でもマスクの像がウエハ上の転写
されるべき位置に必ず1回は一致する時がある。すなわ
ち、投影光学系の偏向器でマスク像をY方向に偏向しな
いで状況を想定すると、最初はウエハの位置が進んでい
て、マスクの像が少し遅れているが、マスク像の速度は
20%程度速いので、やがてマスク像がウエハに追いつ
く。そして、マスク像がウエハを追い越しても、マスク
上にはグリレージとスカートがあるため、マスク像が再
び遅れるサイクルを繰り返す。したがって、転写パター
ンの端にマーク検出用のマークを設けておけば、投影光
学系におけるY方向偏向が0でもマーク像とウエハマー
クがほぼ一致する時期があり、当然マークの連続移動方
向(Y方向)位置が光軸と一致する時期もある。その時
にマーク検出を行えばよい。
【0039】マーク検出にどれくらい時間を使えるか
は、ウエハステージが500mm/secでサブフィールド
の幅0.25mmを走るのに要する時間で与えられる。す
なわち、500μs 使える。このマーク検出は転写の途
中で行っているので、悪くとも10nmの精度でマーク位
置が明らかになっている。したがって、50nmの範囲を
走査すれば十分マークを検出できる。0.5nmのアドレ
ス単位(デジタルスキャンにおける)を1μsec で走査
すれば、50nmの走査は100μs で可能である。した
がって、X方向とY方向のマーク検出は200μs で終
了し、残り300μs で補正計算を行えばよい。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の1態様によれば、1本のストライプの両端、あるいは
異なる複数ストライプの反対側の2ヶ所の端部でマーク
検出を行うので、相当離れた2つの位置でマーク検出で
き、露光中におけるマスクやウエハの熱膨張等に起因す
るパターン像の回転や倍率の変動を高精度で測定でき
る。したがって、アライメント調整も高精度に行えパタ
ーン転写精度を向上できる。また、本発明の他の1態様
によれば、光学系の偏向可能範囲のほぼ中央部でマーク
検出を行うので偏向歪の小さい状態でマーク検出でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、本発明の1実施例に係る電子線転写
露光方法におけるパターンの配置を模式的に示す平面図
であり、全体のパターンの配置を示す。(B)は、
(A)の一部であるB部を拡大して示す。
【図2】電子線露光用のマスクの構成例を模式的に示す
図である。(A)は全体の平面図であり、(B)は一部
の斜視図であり、(C)は一つの小メンブレイン領域の
平面図である。
【図3】分割転写方式の電子線投影露光装置の光学系全
体における結像関係及び制御系の概要を示す図である。
【符号の説明】
1 電子銃 2,3 コンデ
ンサレンズ 4 照明ビーム成形開口 5 ブランキン
グ偏向器 7 ブランキング開口 8 偏向器 9 コンデンサレンズ 10 マスク 11 マスクステージ 12 投影レン
ズ 13 偏向器 14 投影レン
ズ 15 ウエハ 16 静電チャ
ック 17 ウエハステージ 18 コントラ
スト開口 19 反射電子検出器 71 パターン
全体領域 72 ストライプ 72a 一番目
ストライプ 72b 二番目ストライプ 73 予備マー
ク配置偏向帯 75 マーク配置偏向帯 79 転写進行
方向 83 一般パターン偏向帯 85 マーク配
置偏向帯 91 X方向ビーム位置評価用マーク 93 Y方向ビ
ーム位置評価用マーク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全体転写領域を荷電粒子線光学系の偏向
    可能視野内の寸法を短辺とする複数のストライプに分割
    し、ストライプの短辺方向には荷電粒子線を偏向走査
    し、ストライプの長辺方向には主にマスクと感応基板を
    機械的に走査して全体転写領域を転写する荷電粒子線転
    写露光方法であって、 各ストライプの長手方向端部について、マスク上には検
    出ビーム形成用のマークパターンを設け、感応基板上に
    は該検出ビームによって照射される被照射マークを設
    け、 各ストライプの両端部において検出ビームで被照射マー
    クの位置を検出し、 その結果に基づいて露光の諸条件を補正することを特徴
    とする荷電粒子線転写露光方法。
  2. 【請求項2】 上記マーク検出によりマスク像と感応基
    板との相対的回転及び位置ズレを検出し、転写により生
    じたマスクや感応基板の熱変形を補正することを特徴と
    する請求項1記載の荷電粒子線転写露光方法。
  3. 【請求項3】 全体転写領域を荷電粒子線光学系の偏向
    可能視野内の寸法を短辺とする複数のストライプに分割
    し、ストライプの短辺方向には荷電粒子線を偏向走査
    し、ストライプの長辺方向には主にマスクと感応基板を
    機械的に走査して全体転写領域を転写する荷電粒子線転
    写露光方法であって、 マスク上には検出ビーム形成用のマークパターンを設
    け、感応基板上には該検出ビームによって照射される被
    照射マークを設け、投影光学系における荷電粒子線の偏
    向量が荷電粒子線ビーム寸法以内のときにマーク検出を
    行うことを特徴とする荷電粒子線転写露光方法。
  4. 【請求項4】 上記マークパターン及び/又は被照射マ
    ークが光軸から荷電粒子線ビーム寸法以内に接近してい
    る時にマーク検出を行うことを特徴とする請求項3記載
    の荷電粒子線転写露光方法。
  5. 【請求項5】 全体転写領域を荷電粒子線光学系の偏向
    可能視野内の寸法を短辺とする複数のストライプに分割
    したマスクであって、 各ストライプの長手方向端部に検出ビーム形成用のマー
    クパターンが設けられていることを特徴とするマスク。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20220130643A (ko) * 2016-11-18 2022-09-27 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 노광 장치, 노광 방법 및 기억 매체

Cited By (3)

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KR102576504B1 (ko) 2016-11-18 2023-09-07 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 노광 장치, 노광 방법 및 기억 매체

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