JP2005032849A - ウェーハ研磨装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、窓部材と防水窓とが設けられた二重窓構造のものにおいて、ウェーハの研磨終点検出精度を向上させることができるウェーハ研磨装置を提供する。
【解決手段】実施の形態の防水窓27は、防水窓27の表面27A及び裏面27Bで反射した有害光が受光側ライトガイド30Bで受光されないように、照射側ライトガイド30Aの光軸31A及び受光側ライトガイド30Bの光軸31Bを含む面33に対し、防水窓27の表面27A及び裏面27Bが相対的に傾斜するように配置されている。これにより、受光側ライトガイド30Bは、ウェーハWの研磨面で反射した光のみ受光するので、ウェーハの研磨終点検出精度が向上する。
【選択図】 図4
【解決手段】実施の形態の防水窓27は、防水窓27の表面27A及び裏面27Bで反射した有害光が受光側ライトガイド30Bで受光されないように、照射側ライトガイド30Aの光軸31A及び受光側ライトガイド30Bの光軸31Bを含む面33に対し、防水窓27の表面27A及び裏面27Bが相対的に傾斜するように配置されている。これにより、受光側ライトガイド30Bは、ウェーハWの研磨面で反射した光のみ受光するので、ウェーハの研磨終点検出精度が向上する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は化学的機械研磨法(CMP:Chemical Mechanical Polishing )によって半導体ウェーハを研磨するウェーハ研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CMPによるウェーハの研磨は、回転する研磨パッドにウェーハを回転させながら所定の圧力で押し付け、その研磨パッドとウェーハとの間にメカノケミカル研磨剤(スラリー)を供給することによって行われる。このCMPの主な目的は、ウェーハ上のIC回路の表面に形成される段差を除去し、IC回路の高密度化の達成を容易にすること、及び不要な膜厚の層を除去することにある。
【0003】
この際、IC回路を形成する各層の膜厚は非常に小さく、前記段差が除去された後にも、僅かの膜厚を残していたりすることもある。したがって、不要な膜を除去した時点でCMPを停止させるCMPの終点の検出は非常に重要である。特に、装置稼働率の向上、生産性の向上等の観点より、CMP処理中での終点の検出がなされることが多く、そのための各種手段が提案されている。
【0004】
その終点検出手段として、研磨定盤及び研磨パッドの一部に貫通孔を形成し、この貫通孔に透光性の防水窓を取り付けた研磨パッドが使用されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
この研磨定盤の下方には、例えばレーザー干渉計が取り付けられ、レーザー干渉計から投射されるレーザービームを、研磨パッドの前記貫通孔及び防水窓を介してウェーハの研磨面に照射し、その反射レーザービームをレーザー干渉計で受光することによりCMP処理中でのウェーハ上の段差量が演算され、CMP処理中での終点検出が行なわれている。
【0006】
また、他の終点検出手段として、ウェーハの研磨面に投光装置から光を照射し、その反射光の分光強度分布を測定することにより研磨終点を検出するもの(例えば、特許文献2)、及びウェーハの研磨面に投光装置から光を照射し、その反射光の色成分を検出することにより研磨終点を検出するものがある(例えば、特許文献3)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−291686号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2000−186918号公報
【0009】
【特許文献3】
特開2000−183001号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、研磨パッド及び研磨定盤側に前記防水窓を設けたウェーハ研磨装置は、防水窓が透光性であるのにもかかわらず、防水窓を設けたことが原因でウェーハの研磨終点検出精度が悪化するという問題があった。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、防水窓が設けられたウェーハ研磨装置において、ウェーハの研磨終点検出精度を向上させることができるウェーハ研磨装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、ウェーハ研磨用の研磨パッドが研磨定盤に取り付けられるとともに、研磨定盤及び研磨パッドの一部に貫通孔が形成されて該研磨定盤の貫通孔に透光性の防水窓が設けられ、照射手段から照射された光を前記防水窓を介してウェーハの研磨面に照射し、該研磨面からの反射光を防水窓を介して受光手段により受光するウェーハ研磨装置であって、前記照射手段から照射され前記防水窓の面で反射した有害光が前記受光手段で受光されないように、前記照射手段及び前記受光手段の各々の光軸を含む面に対し、前記防水窓の面が相対的に傾斜して配置されたことを特徴としている。
【0013】
防水窓が設けられたウェーハ研磨装置において、ウェーハの研磨終点検出精度が悪くなる原因について本願出願人は探求した。レーザー干渉計や投光装置等の照射手段から照射された光の大部分は、防水窓を透過し、ウェーハの研磨面を照射する。この反射光のみを受光すれば、研磨終点の検出精度には悪影響を与えない。しかしながら、照射手段から照射された残りの数%の光は、防水窓の表面及び裏面で反射し、それが受光手段で受光される。すなわち、受光手段は、ウェーハの研磨面で反射した光と、防水窓の表面及び裏面で反射した有害光とを受光することになり、この有害光を受光することが、ウェーハの研磨終点検出精度を悪化させていたことを突き止めた。
【0014】
そこで、本発明によれば、照射手段から照射され防水窓の面で反射した有害光を受光手段で受光しないように、照射手段及び受光手段の各々の光軸を含む面に対し、防水窓の面を相対的に傾斜して配置した。これにより、受光手段は、ウェーハの研磨面で反射した光のみ受光するので、ウェーハの研磨終点検出精度が向上する。
【0015】
また、本発明によれば、研磨パッドの貫通孔若しくは研磨定盤の貫通孔に透光性の窓部材を設け、二重窓構造とすることにより、スラリの漏れを確実に防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係るウェーハ研磨装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0017】
図1は、実施の形態のウェーハ研磨装置10及び研磨終点検出装置12の構成を示したブロック図である。
【0018】
ウェーハ研磨装置10は、図示しないモータに駆動されて水平に回転するプラテン(研磨定盤)14と、このプラテン14の表面に貼着された研磨パッド16と、ウェーハWを保持して研磨パッド16に所定の圧力で押し付けるウェーハ保持ヘッド18と、研磨パッド16の表面にスラリを供給するスラリ供給ノズル20と、装置全体の駆動を統括制御する制御部22とによって構成されている。
【0019】
プラテン14は、円盤状に形成されるとともに所定の位置に観測孔(貫通孔)24が開口されている。観測孔24は、プラテン14を貫通して形成され、その上端開口部に対応する研磨パッド16にも観測孔(貫通孔)17が形成され、この観測孔17には透明な観測窓(窓部材)26が取り付けられている。また、観測孔24において、観察窓26の下方には、スラリの漏れを防止する透明な防水窓27が取り付けられている。なお、図1では防水窓27をプラテン14に取り付けているが、観察窓26と同様に研磨パッド16に取り付けてもよい。
【0020】
ウェーハ保持ヘッド18は、プラテン14の回転中心から偏心した位置でウェーハWを研磨パッド16に押圧するとともに、図示しないモータに駆動されて水平に回転する。また、このウェーハ保持ヘッド18は、図示しない昇降手段に駆動されることにより、研磨パッド16に対して垂直に昇降する。
【0021】
ウェーハWの研磨は、ウェーハ保持ヘッド18で保持したウェーハWを研磨パッド16に所定の圧力で押し付け、その研磨パッド16とウェーハWとを回転させながら、スラリ供給ノズル20から研磨パッド16にスラリを供給することにより行われる。
【0022】
研磨終点検出装置12は、主として照射・受光光学系28、2分岐ライトガイド30、光源ユニット32、ポリクロメータ34及びコンピュータ36によって構成されている。
【0023】
照射・受光光学系28は、図示しないブラケットに支持されて観測孔24の下方位置に設置される。この照射・受光光学系28は、図2の如くレンズ鏡筒38と、そのレンズ鏡筒38内に設置された集光レンズ40とで構成されている。
【0024】
図1の2分岐ライトガイド30は、多数本の光ファイバーを結束して構成されたもので、途中部分において2本に分岐されている。分岐された1本目のライトガイド(照射手段)30Aは照射側ライトガイドとして光源ユニット32に接続され、2本目のライトガイド(受光手段)30Bは受光側ライトガイドとしてポリクロメータ34に接続される。また、2分岐ライトガイド30の結束端部31は、図2の如く照射・受光光学系28に接続される。以上の構成により、この照射・受光光学系28は、照射手段であるライトガイド30Aの光軸31A(図4参照)と、受光手段であるライトガイド30Bの光軸31B(図4参照)とが垂直方向に平行に設定されている。
【0025】
図1に示した光源ユニット32は、ハロゲンランプを内蔵しており、このハロゲンランプからの白色光が照射側ライトガイド30Aを介して照射・受光光学系28に導かれる。そして、その2分岐ライトガイド30から出射された白色光が照射・受光光学系28の集光レンズ40で集光されたのち、プラテン14に形成された観測孔24から防水窓27及び観察窓26を介して研磨パッド16上のウェーハWの研磨面(下面)に照射される。そして、その反射光が照射・受光光学系28の集光レンズ40で集光されて2分岐ライトガイド30へと導かれ、受光側ライトガイド30Bを介してポリクロメータ34へと導かれる。
【0026】
ポリクロメータ34は、受光側ライトガイド30Bによって導かれた反射光を各波長ごとの光に分光する。そして、その分光した光を各波長ごとに光強度に応じた電気信号に変換し、各波長ごとの光強度信号としてコンピュータ36に出力する。
【0027】
ポリクロメータ34は図3の如く、入射スリット42、平面鏡44、凹面回折格子46、アレイ受光素子48及びマルチプレクサ50で構成されている。受光側ライトガイド30Bによってポリクロメータ34に導かれた反射光は、入射スリット42を介して平面鏡44で凹面回折格子46に導かれる。そして、凹面回折格子46によって各波長ごとの光に分光され、アレイ受光素子48に結像される。アレイ受光素子48に結像された光は、アレイ受光素子48によって各波長ごとに光強度に応じた電気信号に変換され、マルチプレクサ50を介して各波長ごとの光強度信号としてコンピュータ36に出力される。
【0028】
コンピュータ36は、ポリクロメータ34から出力された反射光の各波長ごとの光強度信号に基づいて研磨の終点判定を行う。すなわち、ウェーハWが研磨されて異なる膜が露出すると、反射光の各波長ごとの光強度分布(スペクトル)が変化するので、コンピュータ36は、これに基づき研磨の終点判定を行う。そして、その結果、終点と判定された時点でウェーハ研磨装置10の制御部22に研磨終点信号を出力し、研磨工程を終了させる。
【0029】
ところで、照射側ライトガイド30Aから照射された光の大部分は、防水窓27及び観察窓26を透過し、ウェーハWの研磨面を照射する。この反射光のみを受光側ライトガイド30Bで受光すれば、研磨終点の検出精度には悪影響を与えないが、照射側ライトガイド30Aから照射された残りの数%の光は、防水窓27の表面27A及び裏面27Bで反射する。これらの面27A、27Bで反射した、図2の破線で示す反射光A、Bを受光側ライトガイド30Bで受光すると、これらの反射光A、Bは有害光であるためにウェーハの研磨終点検出精度が悪化する。
【0030】
そこで、実施の形態の防水窓27は、防水窓27の表面27A及び裏面27Bで反射した有害光(反射光A、B)が受光側ライトガイド30Bで受光されないように、図4の如く照射側ライトガイド30Aの光軸31A及び受光側ライトガイド30Bの光軸31Bを含む面33に対し、防水窓27の表面27A及び裏面27Bが相対的に傾斜(直角を除く)するように配置した。
【0031】
すなわち、実施の形態の照射・受光光学系28は、光軸31A、31Bが垂直方向に平行となっているので、これらの光軸31A、31Bを含む面33は垂直方向に形成される面であり、よって、この面33に対し防水窓27の表面27A及び裏面27Bは水平なXY方向に対して、所定角度傾斜して観測孔24に取り付けられている。
【0032】
かかる構成により、受光側ライトガイド30Bは、ウェーハWの研磨面で反射した光のみ受光するので、ウェーハWの研磨終点検出精度が向上する。
【0033】
実施の形態では、照明手段としてハロゲンランプの光を伝送する光ファイバについて説明したが、これに限定されるものではなく、LED等の発光手段を用いてもよい。また、照明装置に代えてレーザー干渉計を設置して研磨終点を検出するようにしてもよい。
【0034】
また、実施の形態では、図2の如く観察窓26を研磨パッド16の観測孔17に設けた例を説明したが、図5の如く観察窓26をプラテン14の観測孔24に設けてもよく、また、図6の如く観察窓26を設けることなく、プラテン14の観測孔24に防水窓27のみを設けてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るウェーハ研磨装置によれば、照射手段から照射され防水窓の面で反射した有害光を受光手段で受光しないように、照射手段及び受光手段の各々の光軸を含む面に対し、防水窓の面を相対的に傾斜して配置した。これにより、受光手段は、ウェーハの研磨面で反射した光のみ受光するので、ウェーハの研磨終点検出精度が向上する。
【0036】
また、本発明によれば、研磨パッドの貫通孔若しくは研磨定盤の貫通孔に透光性の窓部材を設け、二重窓構造とすることにより、スラリの漏れを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態のウェーハ研磨装置の全体構成図
【図2】図1に示したウェーハ研磨装置の研磨パッド及び照射・受光光学系の断面図
【図3】図1に示したポリクロメータの構成を示したブロック図
【図4】照射・受光光学系に対する防水窓の取付姿勢を示した説明図
【図5】プラテンの観測孔に窓部材が設けられた例を示すプラテンの断面図
【図6】プラテンの観測孔に防水窓のみが設けられた例を示すプラテンの断面図
【符号の説明】
10…ウェーハ研磨装置、12…研磨終点検出装置、14…プラテン、16…研磨パッド、17、24…観測孔(貫通孔)、18…ウェーハ保持ヘッド、20…スラリ供給ノズル、26…観測窓(窓部材)、27…防水窓、28…照射・受光光学系、30…2分岐ライトガイド、32…光源ユニット、34…ポリクロメータ、36…コンピュータ、38…レンズ鏡筒
【発明の属する技術分野】
本発明は化学的機械研磨法(CMP:Chemical Mechanical Polishing )によって半導体ウェーハを研磨するウェーハ研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CMPによるウェーハの研磨は、回転する研磨パッドにウェーハを回転させながら所定の圧力で押し付け、その研磨パッドとウェーハとの間にメカノケミカル研磨剤(スラリー)を供給することによって行われる。このCMPの主な目的は、ウェーハ上のIC回路の表面に形成される段差を除去し、IC回路の高密度化の達成を容易にすること、及び不要な膜厚の層を除去することにある。
【0003】
この際、IC回路を形成する各層の膜厚は非常に小さく、前記段差が除去された後にも、僅かの膜厚を残していたりすることもある。したがって、不要な膜を除去した時点でCMPを停止させるCMPの終点の検出は非常に重要である。特に、装置稼働率の向上、生産性の向上等の観点より、CMP処理中での終点の検出がなされることが多く、そのための各種手段が提案されている。
【0004】
その終点検出手段として、研磨定盤及び研磨パッドの一部に貫通孔を形成し、この貫通孔に透光性の防水窓を取り付けた研磨パッドが使用されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
この研磨定盤の下方には、例えばレーザー干渉計が取り付けられ、レーザー干渉計から投射されるレーザービームを、研磨パッドの前記貫通孔及び防水窓を介してウェーハの研磨面に照射し、その反射レーザービームをレーザー干渉計で受光することによりCMP処理中でのウェーハ上の段差量が演算され、CMP処理中での終点検出が行なわれている。
【0006】
また、他の終点検出手段として、ウェーハの研磨面に投光装置から光を照射し、その反射光の分光強度分布を測定することにより研磨終点を検出するもの(例えば、特許文献2)、及びウェーハの研磨面に投光装置から光を照射し、その反射光の色成分を検出することにより研磨終点を検出するものがある(例えば、特許文献3)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−291686号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2000−186918号公報
【0009】
【特許文献3】
特開2000−183001号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、研磨パッド及び研磨定盤側に前記防水窓を設けたウェーハ研磨装置は、防水窓が透光性であるのにもかかわらず、防水窓を設けたことが原因でウェーハの研磨終点検出精度が悪化するという問題があった。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、防水窓が設けられたウェーハ研磨装置において、ウェーハの研磨終点検出精度を向上させることができるウェーハ研磨装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、ウェーハ研磨用の研磨パッドが研磨定盤に取り付けられるとともに、研磨定盤及び研磨パッドの一部に貫通孔が形成されて該研磨定盤の貫通孔に透光性の防水窓が設けられ、照射手段から照射された光を前記防水窓を介してウェーハの研磨面に照射し、該研磨面からの反射光を防水窓を介して受光手段により受光するウェーハ研磨装置であって、前記照射手段から照射され前記防水窓の面で反射した有害光が前記受光手段で受光されないように、前記照射手段及び前記受光手段の各々の光軸を含む面に対し、前記防水窓の面が相対的に傾斜して配置されたことを特徴としている。
【0013】
防水窓が設けられたウェーハ研磨装置において、ウェーハの研磨終点検出精度が悪くなる原因について本願出願人は探求した。レーザー干渉計や投光装置等の照射手段から照射された光の大部分は、防水窓を透過し、ウェーハの研磨面を照射する。この反射光のみを受光すれば、研磨終点の検出精度には悪影響を与えない。しかしながら、照射手段から照射された残りの数%の光は、防水窓の表面及び裏面で反射し、それが受光手段で受光される。すなわち、受光手段は、ウェーハの研磨面で反射した光と、防水窓の表面及び裏面で反射した有害光とを受光することになり、この有害光を受光することが、ウェーハの研磨終点検出精度を悪化させていたことを突き止めた。
【0014】
そこで、本発明によれば、照射手段から照射され防水窓の面で反射した有害光を受光手段で受光しないように、照射手段及び受光手段の各々の光軸を含む面に対し、防水窓の面を相対的に傾斜して配置した。これにより、受光手段は、ウェーハの研磨面で反射した光のみ受光するので、ウェーハの研磨終点検出精度が向上する。
【0015】
また、本発明によれば、研磨パッドの貫通孔若しくは研磨定盤の貫通孔に透光性の窓部材を設け、二重窓構造とすることにより、スラリの漏れを確実に防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係るウェーハ研磨装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0017】
図1は、実施の形態のウェーハ研磨装置10及び研磨終点検出装置12の構成を示したブロック図である。
【0018】
ウェーハ研磨装置10は、図示しないモータに駆動されて水平に回転するプラテン(研磨定盤)14と、このプラテン14の表面に貼着された研磨パッド16と、ウェーハWを保持して研磨パッド16に所定の圧力で押し付けるウェーハ保持ヘッド18と、研磨パッド16の表面にスラリを供給するスラリ供給ノズル20と、装置全体の駆動を統括制御する制御部22とによって構成されている。
【0019】
プラテン14は、円盤状に形成されるとともに所定の位置に観測孔(貫通孔)24が開口されている。観測孔24は、プラテン14を貫通して形成され、その上端開口部に対応する研磨パッド16にも観測孔(貫通孔)17が形成され、この観測孔17には透明な観測窓(窓部材)26が取り付けられている。また、観測孔24において、観察窓26の下方には、スラリの漏れを防止する透明な防水窓27が取り付けられている。なお、図1では防水窓27をプラテン14に取り付けているが、観察窓26と同様に研磨パッド16に取り付けてもよい。
【0020】
ウェーハ保持ヘッド18は、プラテン14の回転中心から偏心した位置でウェーハWを研磨パッド16に押圧するとともに、図示しないモータに駆動されて水平に回転する。また、このウェーハ保持ヘッド18は、図示しない昇降手段に駆動されることにより、研磨パッド16に対して垂直に昇降する。
【0021】
ウェーハWの研磨は、ウェーハ保持ヘッド18で保持したウェーハWを研磨パッド16に所定の圧力で押し付け、その研磨パッド16とウェーハWとを回転させながら、スラリ供給ノズル20から研磨パッド16にスラリを供給することにより行われる。
【0022】
研磨終点検出装置12は、主として照射・受光光学系28、2分岐ライトガイド30、光源ユニット32、ポリクロメータ34及びコンピュータ36によって構成されている。
【0023】
照射・受光光学系28は、図示しないブラケットに支持されて観測孔24の下方位置に設置される。この照射・受光光学系28は、図2の如くレンズ鏡筒38と、そのレンズ鏡筒38内に設置された集光レンズ40とで構成されている。
【0024】
図1の2分岐ライトガイド30は、多数本の光ファイバーを結束して構成されたもので、途中部分において2本に分岐されている。分岐された1本目のライトガイド(照射手段)30Aは照射側ライトガイドとして光源ユニット32に接続され、2本目のライトガイド(受光手段)30Bは受光側ライトガイドとしてポリクロメータ34に接続される。また、2分岐ライトガイド30の結束端部31は、図2の如く照射・受光光学系28に接続される。以上の構成により、この照射・受光光学系28は、照射手段であるライトガイド30Aの光軸31A(図4参照)と、受光手段であるライトガイド30Bの光軸31B(図4参照)とが垂直方向に平行に設定されている。
【0025】
図1に示した光源ユニット32は、ハロゲンランプを内蔵しており、このハロゲンランプからの白色光が照射側ライトガイド30Aを介して照射・受光光学系28に導かれる。そして、その2分岐ライトガイド30から出射された白色光が照射・受光光学系28の集光レンズ40で集光されたのち、プラテン14に形成された観測孔24から防水窓27及び観察窓26を介して研磨パッド16上のウェーハWの研磨面(下面)に照射される。そして、その反射光が照射・受光光学系28の集光レンズ40で集光されて2分岐ライトガイド30へと導かれ、受光側ライトガイド30Bを介してポリクロメータ34へと導かれる。
【0026】
ポリクロメータ34は、受光側ライトガイド30Bによって導かれた反射光を各波長ごとの光に分光する。そして、その分光した光を各波長ごとに光強度に応じた電気信号に変換し、各波長ごとの光強度信号としてコンピュータ36に出力する。
【0027】
ポリクロメータ34は図3の如く、入射スリット42、平面鏡44、凹面回折格子46、アレイ受光素子48及びマルチプレクサ50で構成されている。受光側ライトガイド30Bによってポリクロメータ34に導かれた反射光は、入射スリット42を介して平面鏡44で凹面回折格子46に導かれる。そして、凹面回折格子46によって各波長ごとの光に分光され、アレイ受光素子48に結像される。アレイ受光素子48に結像された光は、アレイ受光素子48によって各波長ごとに光強度に応じた電気信号に変換され、マルチプレクサ50を介して各波長ごとの光強度信号としてコンピュータ36に出力される。
【0028】
コンピュータ36は、ポリクロメータ34から出力された反射光の各波長ごとの光強度信号に基づいて研磨の終点判定を行う。すなわち、ウェーハWが研磨されて異なる膜が露出すると、反射光の各波長ごとの光強度分布(スペクトル)が変化するので、コンピュータ36は、これに基づき研磨の終点判定を行う。そして、その結果、終点と判定された時点でウェーハ研磨装置10の制御部22に研磨終点信号を出力し、研磨工程を終了させる。
【0029】
ところで、照射側ライトガイド30Aから照射された光の大部分は、防水窓27及び観察窓26を透過し、ウェーハWの研磨面を照射する。この反射光のみを受光側ライトガイド30Bで受光すれば、研磨終点の検出精度には悪影響を与えないが、照射側ライトガイド30Aから照射された残りの数%の光は、防水窓27の表面27A及び裏面27Bで反射する。これらの面27A、27Bで反射した、図2の破線で示す反射光A、Bを受光側ライトガイド30Bで受光すると、これらの反射光A、Bは有害光であるためにウェーハの研磨終点検出精度が悪化する。
【0030】
そこで、実施の形態の防水窓27は、防水窓27の表面27A及び裏面27Bで反射した有害光(反射光A、B)が受光側ライトガイド30Bで受光されないように、図4の如く照射側ライトガイド30Aの光軸31A及び受光側ライトガイド30Bの光軸31Bを含む面33に対し、防水窓27の表面27A及び裏面27Bが相対的に傾斜(直角を除く)するように配置した。
【0031】
すなわち、実施の形態の照射・受光光学系28は、光軸31A、31Bが垂直方向に平行となっているので、これらの光軸31A、31Bを含む面33は垂直方向に形成される面であり、よって、この面33に対し防水窓27の表面27A及び裏面27Bは水平なXY方向に対して、所定角度傾斜して観測孔24に取り付けられている。
【0032】
かかる構成により、受光側ライトガイド30Bは、ウェーハWの研磨面で反射した光のみ受光するので、ウェーハWの研磨終点検出精度が向上する。
【0033】
実施の形態では、照明手段としてハロゲンランプの光を伝送する光ファイバについて説明したが、これに限定されるものではなく、LED等の発光手段を用いてもよい。また、照明装置に代えてレーザー干渉計を設置して研磨終点を検出するようにしてもよい。
【0034】
また、実施の形態では、図2の如く観察窓26を研磨パッド16の観測孔17に設けた例を説明したが、図5の如く観察窓26をプラテン14の観測孔24に設けてもよく、また、図6の如く観察窓26を設けることなく、プラテン14の観測孔24に防水窓27のみを設けてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るウェーハ研磨装置によれば、照射手段から照射され防水窓の面で反射した有害光を受光手段で受光しないように、照射手段及び受光手段の各々の光軸を含む面に対し、防水窓の面を相対的に傾斜して配置した。これにより、受光手段は、ウェーハの研磨面で反射した光のみ受光するので、ウェーハの研磨終点検出精度が向上する。
【0036】
また、本発明によれば、研磨パッドの貫通孔若しくは研磨定盤の貫通孔に透光性の窓部材を設け、二重窓構造とすることにより、スラリの漏れを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態のウェーハ研磨装置の全体構成図
【図2】図1に示したウェーハ研磨装置の研磨パッド及び照射・受光光学系の断面図
【図3】図1に示したポリクロメータの構成を示したブロック図
【図4】照射・受光光学系に対する防水窓の取付姿勢を示した説明図
【図5】プラテンの観測孔に窓部材が設けられた例を示すプラテンの断面図
【図6】プラテンの観測孔に防水窓のみが設けられた例を示すプラテンの断面図
【符号の説明】
10…ウェーハ研磨装置、12…研磨終点検出装置、14…プラテン、16…研磨パッド、17、24…観測孔(貫通孔)、18…ウェーハ保持ヘッド、20…スラリ供給ノズル、26…観測窓(窓部材)、27…防水窓、28…照射・受光光学系、30…2分岐ライトガイド、32…光源ユニット、34…ポリクロメータ、36…コンピュータ、38…レンズ鏡筒
Claims (2)
- ウェーハ研磨用の研磨パッドが研磨定盤に取り付けられるとともに、研磨定盤及び研磨パッドの一部に貫通孔が形成されて該研磨定盤の貫通孔に透光性の防水窓が設けられ、照射手段から照射された光を前記防水窓を介してウェーハの研磨面に照射し、該研磨面からの反射光を防水窓を介して受光手段により受光するウェーハ研磨装置であって、
前記照射手段から照射され前記防水窓の面で反射した有害光が前記受光手段で受光されないように、前記照射手段及び前記受光手段の各々の光軸を含む面に対し、前記防水窓の面が相対的に傾斜して配置されたことを特徴とするウェーハ研磨装置。 - 前記研磨パッドの貫通孔若しくは前記研磨定盤の貫通孔には、透光性の窓部材が設けられ、前記照射手段から照射された光を前記防水窓及び前記窓部材を介して前記ウェーハの研磨面に照射することを特徴とする請求項1に記載のウェーハ研磨装置。
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2003
- 2003-07-09 JP JP2003194090A patent/JP2005032849A/ja active Pending
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US9138858B2 (en) | 2007-06-08 | 2015-09-22 | Applied Materials, Inc. | Thin polishing pad with window and molding process |
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