JP2005031348A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、剥離ローラの表面とベルトの接触面との抵抗を上記ヒートローラの表面とベルトの接触面との抵抗よりも大きくすることができ、上記剥離ローラを上記ベルトにより上記ヒートローラを駆動手段で駆動するだけで、上記剥離ローラ及び上記ベルトを効率良く従動させることができる定着装置を提供できる。
【解決手段】この発明は、ヒートローラと剥離ローラとによりベルトが保持され、上記剥離ローラが上記ヒートローラに従動する定着装置において、上記ヒートローラの表面よりも上記剥離ローラの表面を粗くするようにしたものである。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、複写機やプリンタなどの画像形成装置に搭載され、用紙上の現像剤像を定着させる定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、たとえば、電子複写機などの画像形成装置では、加圧状態で加熱することにより現像剤像を用紙に定着させる定着装置を有している。
例えば、電子複写機では、スキャナにより読み取った原稿の画像としての画像信号に応じたレーザ光を感光体ドラムに照射し、感光体ドラムの周面に静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像剤(トナー)の付着により顕像化される。この顕像化された現像剤像(トナー像)は、感光体ドラムから中間転写体としての転写ベルトに転写される。さらに、転写ベルトに転写されたトナー像は、その転写ベルト上のトナー像のタイミングを合わせて搬送される用紙に転写される。このように、現像剤像が転写された用紙は、さらに、定着装置に送られ、定着装置による定着処理が行なわれる。
【0003】
従来の定着装置は、加熱ローラと、この加熱ローラに加圧状態で接しながらその加熱ローラと共に回転する加圧ローラとを備え、この両ローラ間に用紙を挟み込んでその用紙を搬送しながら、加熱ローラの熱によって用紙上の現像剤像を定着させる。
【0004】
また、近年では、加熱ローラと剥離ローラとにかけられたベルト(定着ベルト)を有する定着装置(ベルト定着器)が提案されている。この種のベルト定着器では、ベルトを挟んで加圧状態で接している加熱ローラ及び加圧ローラによりトナー像が転写されている用紙を加圧状態で加熱することで熱定着を行う。さらに、ベルト定着器内で定着処理された用紙は、用紙搬送路に沿って張られたベルトにより搬送される。この用紙は、上記ベルトから剥離ローラにより剥離される。上記剥離ローラ部分をベルトから用紙を剥離する剥離ポイントとすることで、爪痕の無い良好な画像形成結果を得ることができるようになっている。
【0005】
上記のようなベルト定着器では、ヒートローラ、剥離ローラ、ベルト、及びプレスローラの関係が重要である。例えば、ベルト定着器がヒートローラにのみ駆動力を与え、剥離ローラ、ベルト及びプレスローラをヒートローラに従動する構成である場合、剥離ローラは、ベルトを介してヒートローラにより回転される。この場合、剥離ローラとベルトとが滑ってしまうと、定着器内におけるベルトの駆動あるいは用紙の搬送等に不具合が生じ、結果として良好な画質が得られなくなってしまう可能性がある。このため、ベルト定着器内の各部を効率良く、かつ、確実に駆動することができる技術が要望されている。
【0006】
また、上記のようなベルト定着器において、上記ベルトは上記剥離ローラと上記ヒートローラとにより支持されている。このため、ベルト定着器では、上記剥離ローラ、ヒートローラ、及びベルトの関係が良好でなければ、ベルトの破損などの不具合が発生してしまう可能性がある。このため、上記ベルト、剥離ローラ、及びヒートローラの関係が良好に保つことができる技術が要望されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2003−76202号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記の事情を考慮したもので、その目的とするところは、定着装置内の各部を確実に、かつ、効率良く駆動させることができる定着装置を提供することを目的とする。
また、この発明は、ベルト、剥離ローラ、ヒートローラの関係良好に保ち、ベルトの破損などの不具合の発生率を抑えることができる定着装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の定着装置は、被画像形成媒体に現像剤を定着させるものであって、熱源により加熱される加熱ローラと、この加熱ローラの近傍に配置される剥離ローラと、前記加熱ローラと前記剥離ローラに掛け渡された状態で支持されたベルトと、前記ベルトを挟んで前記加熱ローラとの間に所定の圧力をもって接する加圧ローラとを具備し、前記加熱ローラは、駆動手段により駆動され、前記剥離ローラ、前記ベルト、及び前記加圧ローラは、前記駆動手段により駆動される前記加熱ローラに従動し、前記剥離ローラの表面は前記ベルトの接触面よりも粗いことを特徴とする。
【0010】
この発明の定着装置は、被画像形成媒体に現像剤を定着させるものであって、熱源により加熱される加熱ローラと、この加熱ローラの近傍に配置される剥離ローラと、前記加熱ローラと前記剥離ローラに掛け渡された状態で支持されたベルトと、前記ベルトを挟んで前記加熱ローラとの間に所定の圧力をもって接する加圧ローラとを具備し、前記剥離ローラの幅は、前記ベルトの幅よりも大きいことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の定着装置が適用される画像形成装置としての複合型電子複写機の内部構成を概略的に示す断面図である。
まず、本体の上面部には、原稿載置用の透明の原稿台(ガラス板)に載置された原稿Oの画像を光学的に読み取るスキャナ部11が設けられている。このスキャナ部11にて読み取られた原稿の画像信号は、デジタル信号に変換され、そのデジタル信号が適宜に処理された後、画像形成装置としてのプリンタ部12へ供給される。
【0012】
一方、本体1内の上記スキャナ部11の下方には、被画像形成媒体としての用紙に画像を形成するプリンタ部12が設けられている。まず、上記プリンタ部12に供給された画像信号は、レーザユニット21に供給される。このレーザユニット21は、画像データとしての入力信号に応じてレーザビームを感光体ドラム22の外周面に照射する。この感光体ドラム22は、回転自在に設けられており、レーザユニット21から照射されるレーザビームによって、外周面上に静電潜像が形成される。
【0013】
また、上記感光体ドラム22の周囲には、帯電器23、ブラック現像ユニット24、カラー現像ユニット25、及び中間転写ベルト26などが設けられている。これらの構成により、上記感光体ドラム22上に形成された静電潜像は、既知のプロセス方法にて、上記ブラック現像ユニット24あるいは上記カラー現像ユニット25により現像され、そのトナー像が上記中間転写ベルト26上に形成される。
【0014】
上記中間転写ベルト26上に形成されたトナー像は、所定の転写位置で被画像形成媒体としての用紙に転写される。トナー像が転写された用紙は、後で詳細に説明する定着装置27に搬送される。この定着装置27では、用紙上のトナー像を用紙に定着させ、その用紙を排出口から胴内排紙型の排出部28へ排出する。
【0015】
次に、定着装置27について詳細に説明する。
図2は、定着装置27の概略構成を示すものである。
図2において定着装置27は、ヒートローラ(加熱ローラ)31、プレスローラ(加圧ローラ)32、ベルト33、及び剥離ローラ34を有している。
上記ヒートローラ31は、駆動手段としての図示しない駆動モータなどにより図示a方向(右方向)に回転駆動される。また、上記ヒートローラ31には、熱源が内蔵されている。この熱源により上記ヒートローラ31の表面は、定着温度に加熱される。上記ヒートローラ31の熱源としては、IHコイル、あるいはハロゲンランプ等の発熱体などが用いられる。
【0016】
例えば、IHコイルがヒートローラ31の熱源として用いられる場合、上記ヒートローラ31は、導電性材料、例えば鉄を筒状に成形し、さらに、その鉄の外周面に、例えば、4フッ化エチレン樹脂等のフッ素樹脂などが被覆される。また、IHコイルが熱源として用いられる場合、上記IHコイルには高周波電力が与えられ、誘導加熱用の高周波磁界を発する。この高周波磁界が発せられることにより、ヒートローラ31に渦電流が生じ、その渦電流によるジュール熱で上記ヒートローラ31が自己発熱するようになっている。
【0017】
上記ヒートローラ31と剥離ローラ34には、ベルト33が掛け渡されている。上記ベルト33は、上記ベルト33は、上記ヒートローラ31からの熱を効率良く伝導する必要があり、例えば、ニッケルなどの金属で形成されている。特に、上記ヒートローラ31の熱源としてIHコイルを用いる場合、ヒートローラ31からの熱をベルト33に効率良く必要があるため、上記ベルト33は、金属で形成するのが好ましい。
【0018】
また、上記剥離ローラ34は、後述する加圧機構によりヒートローラ31から離れる方向に力が加えられている。これに対して、上記ヒートローラ31の軸は固定されている。このため、上記ベルト33は、上記加圧機構から剥離ローラ34に与えられる所定の圧力で張られている。つまり、上記ベルト33に加えられる力は、上記加圧機構が剥離ローラ34をヒートローラ31から離れる方向に与える力となる。
【0019】
また、上記ヒートローラ31の駆動力は、上記ベルト33により上記剥離ローラ34に伝えられる。すなわち、上記剥離ローラ34は、上記ベルト33により上記ヒートローラ31に従動するようになっている。
【0020】
上記プレスローラ32は、図示しない加圧機構により、上記ベルト33を挟んで上記ヒートローラ31に所定の圧力(例えば、約20kg)で押し付けられている。上記プレスローラ32の表面は、例えば、スポンジやゴムなどの、耐熱性の弾性部材で構成されている。従って、上記プレスローラ32は、上記ヒートローラ31と対向する位置において上記ベルト33の周面に加圧状態で接している。このプレスローラ32と上記ベルト33との接触部は、一定のニップ幅となるように構成されている。
【0021】
また、上記ヒートローラ31の駆動力は、上記ベルト33を介して上記プレスローラ32にも伝えられ、上記プレスローラ32も上記ヒートローラ31に従動する。すなわち、本定着装置27内では、ヒートローラ31のみが駆動手段により駆動され、上記プレスローラ32、上記ベルト33、及び、上記剥離ローラ34は、上記ヒートローラ31に従動するように構成されている。
【0022】
本定着装置27において、トナー像が転写された被画像形成媒体としての用紙は、上記プレスローラ32と上記ベルト33とのニップ部に供給される。このニップ部では、トナー像が転写されている用紙に対して、上記ヒートローラ31からの熱が加えられるとともに、所定の圧力で加圧される。これにより、被画像形成媒体としての用紙上のトナーは、溶融して用紙に定着される。
【0023】
上記剥離ローラ34は、上記プレスローラ32と上記ベルト33とニップ部において定着処理された被画像形成媒体としての用紙を上記ベルト33から剥離するために設けられている。上記剥離ローラ34は、その曲面により用紙を剥離するようになっている。なお、上記剥離ローラ34の曲面でも剥離せずに上記ベルト33に貼りついている用紙は、剥離プレートにより上記ベルト33から剥離するようになっている。
【0024】
また、上記剥離ローラ34は、セラミックなどの部材で形成されている。上記剥離ローラ34の部材として使用されるセラミックは、例えば、かさ密度が0.7±0.1g/cm、気孔率が69〜77%のものが使用される。また、上記剥離ローラ34は、そのローラ部分の曲率で定着処理された用紙をベルト33から剥離する必要がある。このため、上記剥離ローラ34のローラ部分の直径は、少なくとも上記ヒートローラ31のローラ部分の直径よりも小さくなるように設計されている。
【0025】
上記のような構成により、本定着装置27内では、上記ヒートローラ31が図示しない駆動手段により駆動され、上記プレスローラ32、上記ベルト33、及び上記剥離ローラ34が上記ヒートローラ31の回転を受けて従動されるようになっている。
【0026】
次に、上記剥離ローラ34近傍の機構について説明する。
図3〜図6は、上記剥離ローラ34近傍の機構を示す図である。図3及び図4は、上記剥離ローラ34を回転軸方向から見た場合の機構を示す図である。また、図5及び図6は、剥離ローラ34近傍の機構を示す斜視図である。
【0027】
図3及び図5に示すように、上記剥離ローラ34の軸34aには、プレート41が固定されている。さらに、上記プレート41には、図4及び図6に示すように、可動プレート42が固定されている。上記可動プレート42は、弾性部材などの加圧部材43により上方向の力(ヒートローラ31から離れる方向への力)が加えられている。
【0028】
上記加圧部材43は、図4及び図6に示すように、上側の端が画像形成装置本体内の固定の板などに固定され、下側の端が可動プレート42に固定されているため、上記可動プレート42に上側方向の力を与える。また、上記可動プレート42は、上記加圧部材43から与えられる力に応じて上下方向に可動するようになっている。上記加圧部材43により上記可動プレート42に加えられる上方向の力は、固定プレート41を介して剥離ローラ34の軸34aに伝えらえる。つまり、上記剥離ローラ34には、上記固定プレート41、上記可動プレート42、及び上記加圧部材43を有する加圧機構により上記ヒートローラ31から離れる方向への(図3〜図6では上方向の力)が加えられる。
【0029】
次に、上記ベルト33と上記剥離ローラ34との関係について説明する。
上記のように、上記ベルト33は、上述した加圧機構により加圧される剥離ローラ34とヒートローラ31とにより引っ張られている。ここで、ヒートローラ31の位置が固定されているものとすると、上記ベルト33に加えられる力は、上述した加圧機構により上記剥離ローラ34に与えられる力となる。
【0030】
上記剥離ローラ34に対して加圧機構により大きな力を与えると、上記ベルト33には強い力がかかるため、上記ベルト33等の破損の原因となる可能性がある。このため、上記ベルト33を引っ張る力は、所定の許容範囲内である必要がある。しかしながら、上記ベルト33を引っ張る力が弱すぎると、上記ベルト33と上記剥離ローラ34との抵抗が小さくなり、剥離ローラ34の表面とベルト33の内側の面とが滑る可能性が大きくなる。このため、上記剥離ローラ34に与える力は、約2〜3kg程度に設定されている。
【0031】
上記のような構成により上記剥離ローラ34と上記ベルト33とは、加圧機構により与えらえる圧力と剥離ローラ34表面と上記ベルト33の内側の面との静止摩擦係数とにより保持される。一方、上記ヒートローラ31と上記ベルト33とは、上述したベルト33を引っ張る力に加えて、上記プレスローラ32から加えられる圧力で、ヒートローラ31表面とベルト33の内側の面とが押さえつけられている。
【0032】
上記プレスローラ32が上記ヒートローラ31上の上記ベルト33とのニップ部分に加える力は、上述したように、上記剥離ローラ34に加えられる力よりも非常に大きい。例えば、上記剥離ローラ34に加える力が約2〜3kgであるのに対して、上記プレスローラ32が加圧する力は、10倍程度の約20kgである。さらに、上記ヒートローラ31の径は、上記剥離ローラ34の径よりも大きい。つまり、上記ヒートローラ31表面が上記ベルト33の内側と接触する面の大きさは、上記剥離ローラ34表面が上記ベルト33の内側と接触する面の大きさよりも大きい。
【0033】
これらのことから、上記ヒートローラ31を駆動手段により駆動させた場合、上記ヒートローラ31の表面が滑らかであっても、上記ヒートローラ31表面とベルト33の内側の面とが滑ることが少ない。
【0034】
これに対して、上記ヒートローラ31を駆動手段により駆動させた場合、上記剥離ローラ34は、上記ベルト33により上記ヒートローラ31に従動する。上記剥離ローラ34とベルト33とが滑らずに保持する要素は、上記剥離ローラ34に加えられるヒートローラ31から離れる方向の力と、上記剥離ローラ34表面とベルト内側の面との表面抵抗、及び、剥離ローラ34の径(剥離ローラ34表面とベルト内側との接触面の大きさ)などである。
【0035】
上述したように、上記剥離ローラ34に加えられるヒートローラ31から離れる方向への力は、上記ベルト33の破損を防止するため、所定の許容範囲以上に大きくすることができない。また、上記剥離ローラ34の径は、用紙をベルト33から剥離する機能を維持するためにできるだけ小さいことが好ましいため、大きくすることができない。
【0036】
従って、本定着装置27では、上記ヒートローラ31を駆動させた場合、上記剥離ローラ34とベルト33とが滑らないように、上記剥離ローラ34の表面を粗くし、剥離ローラ34表面とベルト33の内側の面との表面抵抗が大きくなるように設計されている。
【0037】
たとえば、上記剥離ローラ34の表面は、上述したように、ニッケルなどの金属などで形成されたベルト33の内側の面よりも粗くするする。また、上記剥離ローラ34は、上述のようなセラミック製で形成することにより、表面を粗くすることが可能である。また、上記剥離ローラ34をセラミック製で形成することにより、定着装置27のウォームアップ時間を短くすることができる。これは、セラミックがアルミなどの金属に比べて熱容量が小さいためである。
【0038】
上記のように、ヒートローラと剥離ローラとによりベルトが保持され、上記剥離ローラが上記ヒートローラに従動する定着装置において、上記ベルト33の内側の面よりも上記剥離ローラ34の表面の粗さを大きくし、上記剥離ローラ34の表面とベルト33との内側の面との表面抵抗を大きくしている。
【0039】
これにより、剥離ローラの表面とベルトの接触面との抵抗を大きくすることができ、上記剥離ローラを上記ヒートローラに確実に従動させることができ、上記剥離ローラ及び上記ベルトを効率良く従動させることができる。
【0040】
また、上記剥離ローラをセラミック製とすることにより、定着装置におけるウォームアップ時間を短くできるとともに、上記剥離ローラの表面と上記ベルトの接触面との抵抗を大きくすることができ、定着装置の効率的な駆動が実現できる。
【0041】
次に、上記ヒートローラ31、上記ベルト33、及び上記剥離ローラ34との関係について説明する。
図7は、ヒートローラ31、ベルト33、及び剥離ローラ34との関係を示す図である。
図7に示す例では、ベルト33の幅が310mm、剥離ローラ34の幅が313mm、ヒートローラ31のベルトガイド部51a、51b間の幅が313mmとなっている。
【0042】
上記ベルト33の幅は、当該定着装置27で定着処理する被画像形成媒体としての用紙の大きさに応じて設計される。すなわち、本定着装置27において、上記ベルト33の幅は、定着処理する最大の用紙サイズよりも大きくなるように設計される。例えば、図7に示す例では、定着処理する最大の用紙サイズとして304mmの用紙を想定し、最大の用紙サイズに対して6mmほどの余裕を設けている。
【0043】
これは、実際には、上記プレスローラ32と上記ベルト33とのニップ部へ供給される用紙に横方向ずれが発生する可能性があるためである。従って、上記ベルト33の幅は、最大サイズの用紙の大きさと想定される横ずれの範囲に基づいて設計される。図7に示す例では、左右方向に約3mmずつの余裕が設けられおり、このような範囲内で最大サイズの用紙についても安定した定着処理が実現できる。
【0044】
また、上記剥離ローラ34の幅及び上記ヒートローラ31のベルトガイド部間の幅は、上記ベルト33の幅に応じて設計される。すなわち、本定着装置27において、上記剥離ローラ34の幅、及び、上記ヒートローラ31のベルトガイド部間の幅は、少なくとも上記ベルト33の幅よりも大きくなるように設計される。例えば、図7に示す例では、ベルト33の幅を310mmで設計しているため、ベルトの幅に対して3mmほどの余裕を設けている。
【0045】
上記剥離ローラ34の幅を上記ベルトの幅よりも大きくするのは、ベルト33の端部を保護するためである。つまり、上記ベルト33がずれてベルト33の端部が剥離ローラ34の端にかかると、その部分に大きな力が加わるため、ベルト33が疲労破壊してしまうことがある。
【0046】
従って、上記剥離ローラ34の幅は、上記ベルト33の両端を確実に支持できる幅であれば良く、ベルト33の幅よりも大きくすれば良い。また、図7に示すように、上記ヒートローラ31にベルトガイド部51a、51bを設ける場合、上記剥離ローラ34の幅は、上記ヒートローラ31のベルトガイド部51a、51b間の幅と同じか、あるいは、上記ヒートローラ31のベルトガイド部51a、51b間の幅よりも大きくすれば良い。例えば、図7に示す例では、上記剥離ローラ34の幅と上記ヒートローラ31のベルトガイド部51a、51b間の幅とを同じ大きさとしたが、上記剥離ローラ34の幅は、上記ヒートローラ31のベルトガイド部51a、51b間の幅よりも大きくても良い。
【0047】
上記のように、本定着装置では、最大サイズの用紙の大きさに基づいて設計さあれるベルトの幅よりも、剥離ローラの幅を大きくするようにしたものである。これにより、剥離ローラの端部で、ベルトの端部が疲労破壊することを防止できる。
【0048】
また、剥離ローラの幅を上記ヒートローラに設けられるベルトガイド部間の幅と同じか、あるいは、それよりも大きくすることにより、ベルト全体を確実に剥離ローラで支持することができ、ベルトの疲労破壊などの不具合を防止できる。
【0049】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、定着装置内の各部を確実に、かつ、効率良く駆動させることができる定着装置を提供できる。また、ベルト、剥離ローラ、ヒートローラの関係良好に保ち、ベルトの破損などの不具合の発生率を抑えることができる定着装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る定着装置を有する画像形成装置の概略構成を示す図。
【図2】この発明の実施の形態に係る定着装置におけるヒートローラ、プレスローラ、ベルト、及び剥離ローラの概略構成を示す図。
【図3】剥離ローラの加圧機構を説明するための側面図。
【図4】剥離ローラの加圧機構を説明するための側面図。
【図5】剥離ローラの加圧機構を説明するための斜視図。
【図6】剥離ローラの加圧機構を説明するための斜視図。
【図7】ヒートローラ、ベルト及び剥離ローラの関係を説明するための図。
【符号の説明】
12…プリンタ部、27…定着装置、31…ヒートローラ、32…プレスローラ、33…ベルト、34…剥離ローラ、51a、51b…ベルトガイド部

Claims (5)

  1. 被画像形成媒体に現像剤を定着させる定着装置であって、
    熱源により加熱される加熱ローラと、
    この加熱ローラの近傍に配置される剥離ローラと、
    前記加熱ローラと前記剥離ローラに掛け渡された状態で支持されたベルトと、
    前記ベルトを挟んで前記加熱ローラとの間に所定の圧力をもって接する加圧ローラと、を具備し、
    前記加熱ローラは、駆動手段により駆動され、前記剥離ローラ、前記ベルト、及び前記加圧ローラは、前記駆動手段により駆動される前記加熱ローラに従動し、前記剥離ローラの表面は前記ベルトの接触面よりも粗い、ことを特徴とする定着装置。
  2. 前記ベルトは、金属部材で形成され、前記剥離ローラは、熱容量が小さく、かつ、表面が所定の粗さとなる部材で形成される、ことを特徴とする前記請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記剥離ローラは、セラミックで形成されることを特徴とする前記請求項2に記載の定着装置。
  4. 被画像形成媒体に現像剤を定着させる定着装置であって、
    熱源により加熱される加熱ローラと、
    この加熱ローラの近傍に配置される剥離ローラと、
    前記加熱ローラと前記剥離ローラに掛け渡された状態で支持されたベルトと、
    前記ベルトを挟んで前記加熱ローラとの間に所定の圧力をもって接する加圧ローラと、を具備し、
    前記剥離ローラの幅は、前記ベルトの幅よりも広い、ことを特徴とする定着装置。
  5. 前記加熱ローラには、ベルトの両端をガイドするガイド部が設けられており、前記剥離ローラの幅は、前記加熱ローラにおけるガイド部の間隔以上であることを特徴とする前記請求項4に記載の定着装置。
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