JP2005029852A - 銅および銅合金のエッチング液 - Google Patents

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Hideko Kuwabara
英子 桑原
Akiyoshi Hosomi
彰良 細見
Tomoyuki Azuma
友之 東
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Abstract

【課題】 電子工業分野におけるプリント配線板等の製造に有用な銅および銅合金のエッチング液を提供する。
【解決手段】 過酸化硫酸塩、アゾール類を含有するシャワー処理のエッチングレートが浸漬処理のエッチングレートの10倍以上である銅および銅合金のエッチング液。
【選択図】 なし

Description

本発明は、銅および銅合金のエッチング液に関するものである。特に、電子工業分野におけるプリント配線板等の製造に有用な銅および銅合金のエッチング液に関するものである。
銅および銅合金のエッチング液として、従来、塩化第2鉄溶液、塩化第2銅溶液やアルカリエッチング溶液が使用されている。これらの液では例えばシャワー処理と浸漬処理のように処理方法、処理状態が異なっても銅および銅合金のエッチングレートはほとんど変わらない。そのため不要な銅を除去する際に、配線間に溜まった液が左右の配線を大きく溶解し、配線幅を細らせる原因となっている。今後更に微細配線化が進むと、その配線幅減が大きな問題となってくる。
ここで、過酸化硫酸塩にアゾール類とりん酸または硫酸のうち少なくとも1種を含有させた水溶液にて銅および銅合金をエッチングすることが提案されているが(特許文献1参照)、処理方法、処理状態によるエッチングレート差には言及されていない。また記載されている過酸化硫酸塩、アゾール類の濃度では、シャワー処理と浸漬処理でのエッチングレートの差が小さいものもあり、不要な銅を除去する際に、配線間に溜まったエッチング液で配線幅を細らせてしまう。
特公昭52−21460号公報
本発明の目的は、銅および銅合金、特に電子工業分野におけるプリント配線板等の製造に有用な銅および銅合金のエッチング液であり、シャワー処理でのエッチングレートが浸漬状態でのエッチングレートの10倍以上大きく、不要な銅を除去する際に、配線間に溜まったエッチング液で配線幅を細らせることが少ない、今後、更に微細配線化が進んだ配線にも対応できるエッチング液である。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、過酸化硫酸塩にアゾール類を含有させることで、シャワー処理と浸漬処理でのエッチングレートが大きく異なり、更にそのエッチングレート比が10倍以上になる組成範囲を見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は、過酸化硫酸塩、アゾール類を含有するエッチング液であって、シャワー処理のエッチングレートが浸漬処理のエッチングレートの10倍以上である銅および銅合金のエッチング液に関するものである。
本発明のエッチング液はシャワー処理のエッチングレートが浸漬処理のエッチングレートの10倍以上ある。そのため、従来困難であった微細配線のエッチングも可能となる。
本発明の過酸化硫酸塩として、過酸化一硫酸塩のアンモニウム、ナトリウム、カリウム、リチウム塩類、過酸化二硫酸塩のアンモニウム、ナトリウム、カリウム、バリウム、リチウム、ストロンチウム塩類などが挙げられ、単独または混合して使用できる。また過酸化一硫酸塩は、単独では大変不安定な化合物であるため、過酸化一硫酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩との混合物であるデュポンのオキソン(登録商標)を適当量に希釈することで簡便に使用できる。
本発明のアゾール類としては、ベンゾトリアゾール、イミダゾール、4メチルチアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾールなどが挙げられる。特にテトラゾール化合物、またはトリアゾール化合物が好適であり、より好ましくは1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾールである。これらのアゾール類は単独または混合して使用できる。
過酸化硫酸塩の濃度により、シャワー処理のエッチングレートが浸漬処理のエッチングレートの10倍以上になるためのアゾール濃度範囲が決まる。過酸化硫酸塩の濃度が、0.1〜1重量%のとき、アゾール類の濃度は0.1ppm〜0.1重量%。過酸化硫酸塩の濃度が、1〜2.5重量%のとき、アゾール類の濃度は0.1ppm〜0.02重量%となる。この濃度範囲外で添加するとエッチングレート比が10倍以上にならず、シャワー処理のエッチング速度が小さくなる。
過酸化硫酸塩にアゾール類を添加することで、シャワー処理のエッチングレートは大きくなり、アゾール類の添加量によってシャワー処理のエッチングレートが変化する。しかし浸漬処理のエッチングレートはほとんど変わらない。
本発明のエッチング液を用いて、電解銅箔を使用した銅張り基板および銅メッキ基板を処理する方法には特に制限はなく、通常用いられる方法でよいが、シャワー処理と浸漬処理のエッチングレート比が10倍以上異なる本発明の特性を生かすためにも、スプレーエッチングマシンを使用したスプレー法が特に望ましい。処理の温度にも特に制限はないが、20〜60℃の範囲から要望するエッチング速度に合わせて任意に温度設定することが出来る。
銅の処理量に応じ、液中の銅濃度の上昇と成分低下が生じるため、各成分量をそれぞれ分析により算出し、不足分を補充すれば良い。この補充方法としては、各成分を個別に補充する方法でも、銅溶解量、処理液成分分析により、予め、求められた不足成分量をその比率で混合したいわゆる補充液による方法でも、安定的な処理面が連続して得られる。この際、一部の処理液が廃棄されることによって、処理液中に含有される銅濃度上昇に伴う銅化合物結晶の析出が抑えられる。
以下に本発明を実施例によって説明するが、本発明は実施例によって制限されるものではない。
実施例1〜4
オキソン(43重量% 過酸化一硫酸水素カリウム含有)2重量%に添加剤として1H−テトラゾール、5−アミノ−1,2,4−テトラゾール、1,2,4−トリアゾールをそれぞれ添加したエッチング液を作成した。スプレーエッチングマシンを用いてスプレー圧0.1MPa、30℃でめっき銅板を処理し、処理前後のめっき銅板の重量差からシャワー処理のエッチングレートを求めた。また、用意したエッチング液中にめっき銅板を浸漬し、処理前後のめっき銅板の重量差から浸漬処理でのエッチングレートを求めた。シャワー処理と浸漬処理のエッチングレートからエッチングレート比を求めた。結果を表1に示す。
実施例5
過酸化二硫酸アンモニウム0.86重量%に添加剤として1H−テトラゾールを0.3ppm添加したエッチング液を作成した。スプレーエッチングマシンを用いてスプレー圧0.1MPa、30℃でめっき銅板を処理し、処理前後のめっき銅板の重量差からシャワー処理のエッチングレートを求めた。また、用意したエッチング液中にめっき銅板を浸漬し、処理前後のめっき銅板の重量差から浸漬処理でのエッチングレートを求めた。シャワー処理と浸漬処理のエッチングレートからエッチングレート比を求めた。結果を表1に示す。
実施例6
過酸化二硫酸ナトリウム0.86重量%に添加剤として1H−テトラゾールを0.3ppm添加したエッチング液を作成した。スプレーエッチングマシンを用いてスプレー圧0.1MPa、30℃でめっき銅板を処理し、処理前後のめっき銅板の重量差からシャワー処理のエッチングレートを求めた。また、用意したエッチング液中にめっき銅板を浸漬し、処理前後のめっき銅板の重量差から浸漬処理でのエッチングレートを求めた。シャワー処理と浸漬処理のエッチングレートからエッチングレート比を求めた。結果を表1に示す。
比較例1
オキソン(43重量% 過酸化一硫酸カリウム含有)2重量%水溶液を作成した。スプレーエッチングマシンを用いてスプレー圧0.1MPa、30℃でめっき銅板を処理し、処理前後のめっき銅板の重量差からシャワー処理のエッチングレートを求めた。また、用意したエッチング液中にめっき銅板を浸漬し、処理前後のめっき銅板の重量差から浸漬処理でのエッチングレートを求めた。シャワー処理と浸漬処理のエッチングレートからエッチングレート比を求めた。結果を表1に示す。
比較例2
過酸化二硫酸アンモニウム0.86重量%水溶液を作成した。スプレーエッチングマシンを用いてスプレー圧0.1MPa、30℃でめっき銅板を処理し、処理前後のめっき銅板の重量差からシャワー処理のエッチングレートを求めた。また、用意したエッチング液中にめっき銅板を浸漬し、処理前後のめっき銅板の重量差から浸漬処理でのエッチングレートを求めた。シャワー処理と浸漬処理のエッチングレートからエッチングレート比を求めた。結果を表1に示す。


実施例7、8
オキソン(43重量% 過酸化一硫酸水素カリウム含有)5重量%に添加剤として1H−テトラゾール、5−アミノ−1,2,4−テトラゾールをそれぞれ添加したエッチング液を作成した。スプレーエッチングマシンを用いてスプレー圧0.1MPa、30℃でめっき銅板を処理し、処理前後のめっき銅板の重量差からシャワー処理のエッチングレートを求めた。また、用意したエッチング液中にめっき銅板を浸漬し、処理前後のめっき銅板の重量差から浸漬処理でのエッチングレートを求めた。シャワー処理と浸漬処理のエッチングレートからエッチングレート比を求めた。結果を表2に示す。
比較例3
オキソン (43重量% 過酸化一硫酸水素カリウム含有)5重量%水溶液を作成した。スプレーエッチングマシンを用いてスプレー圧0.1MPa、30℃でめっき銅板を処理し、処理前後のめっき銅板の重量差からシャワー処理のエッチングレートを求めた。また、用意したエッチング液中にめっき銅板を浸漬し、処理前後のめっき銅板の重量差から浸漬処理でのエッチングレートを求めた。シャワー処理と浸漬処理のエッチングレートからエッチングレート比を求めた。結果を表2に示す。
比較例4
オキソン(43重量% 過酸化一硫酸水素カリウム含有)10重量%に1H−テトラゾールを50ppm添加した水溶液を作成した。スプレーエッチングマシンを用いてスプレー圧0.1MPa、30℃でめっき銅板を処理し、処理前後のめっき銅板の重量差からシャワー処理のエッチングレートを求めた。また、用意したエッチング液中にめっき銅板を浸漬し、処理前後のめっき銅板の重量差から浸漬処理でのエッチングレートを求めた。シャワー処理と浸漬処理のエッチングレートからエッチングレート比を求めた。結果を表2に示す。
比較例5
37重量%塩化第二鉄エッチング処理剤にて、スプレーエッチングマシンを用いてスプレー圧0.1MPa、47℃でめっき銅板を処理し、処理前後のめっき銅板の重量差からシャワー処理のエッチングレートを求めた。また、用意したエッチング液中にめっき銅板を浸漬し、処理前後のめっき銅板の重量差から浸漬処理でのエッチングレートを求めた。シャワー処理と浸漬処理のエッチングレートからエッチングレート比を求めた。結果を表2に示す。
比較例6
過酸化二硫酸アンモニウム25重量%、85%りん酸5重量%、3アミノ−1,2,4−トリアゾール300ppmと塩化ナトリウム16ppmからなる特公昭52−21460号公報に記載のエッチング液にて、スプレーエッチングマシンを用いてスプレー圧0.1MPa、30℃でめっき銅板を処理し、処理前後のめっき銅板の重量差からシャワー処理のエッチングレートを求めた。また、用意したエッチング液中にめっき銅板を浸漬し、処理前後のめっき銅板の重量差から浸漬処理でのエッチングレートを求めた。シャワー処理と浸漬処理のエッチングレートからエッチングレート比を求めた。結果を表2に示す。

Claims (3)

  1. 過酸化硫酸塩、アゾール類を含有するエッチング液であって、シャワー処理のエッチングレートが浸漬処理のエッチングレートの10倍以上である銅および銅合金のエッチング液。
  2. 過酸化硫酸塩を0.1〜1重量%、アゾール類を0.1ppm〜0.1重量%含有する請求項1記載のエッチング液。
  3. 過酸化硫酸塩を1〜2.5重量%、アゾール類を0.1ppm〜0.02重量%含有する請求項1記載のエッチング液。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008227508A (ja) * 2007-03-15 2008-09-25 Dongjin Semichem Co Ltd 薄膜トランジスタ液晶表示装置のエッチング液組成物

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