JP2005029843A - 電解精錬用電極板とその製造方法、及びこの電解精錬用電極板を用いた電解精錬方法 - Google Patents

電解精錬用電極板とその製造方法、及びこの電解精錬用電極板を用いた電解精錬方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高品質なカソード電着物を容易に得る。
【解決手段】電極板1においてカソード電着物の析出に供される板本体2の縁部のうち、少なくとも下縁部2aを、ワックスによって被覆する代わりに、絶縁性、耐酸性、及び耐熱性を有する樹脂からなる絶縁層6によって被覆する。絶縁層6を構成する樹脂として、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、フッ素系樹脂、PPSF(ポリフェニルサルフォン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、またはPPE(ポリフェニルエーテル)を用いる。板本体2のうち、絶縁層6が設けられる絶縁層設置領域7では、その表面7aを、他の領域の表面Fに対して少なくとも絶縁層6の厚みD以上、厚み方向内方に位置するように形成して、絶縁層設置領域7に形成される絶縁層6の表面6aが、他の領域の表面Fと同一面をなすか,もしくは表面Fよりも厚み方向内方に位置するように図る。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属の電解精錬において陰極として用いられる電解精錬用電極板(以下、単に電極板とする)とその製造方法、及びこの電解精錬用電極板を用いた電解精錬方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
銅などの金属の電解精錬、特に長時間電解精製並びに電解採取工程においては、ステンレス鋼などの金属からなる電極板を陰極とし、これを粗銅などからなる陽極とともに電解槽に収納して硫酸を含む電解液に浸して電解を行って、電極板の両表面に陽極から溶出した金属を析出電着させ、これを剥離して板状精製物を得る(以下、析出電着物をカソード電着物とする)。ここで、上記電解精錬工程において、原料金属の供給は、前記のように原料金属からなる陽極を用いることで行われるほか、原料金属が含まれる電解液を用いることによっても行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この電極板には電極板の両面に電着するカソード電着物が電極板の縁部において接続するのを防止し、かつカソード電着物の剥離を容易にし、さらに陰陽両極が接触しないように、電極板の両側縁部には縁部絶縁部材が取り付けられ、下縁部にはワックス層が形成される。
ここで、電解液中には不純物が浮遊しているので、電極板の下縁部に縁部絶縁部材を取り付けると、その上部、すなわち電極板表面に対向する領域に不純物が堆積して、電極板表面に析出したカソード電着物中に取り込まれてしまう。
このため、下縁部には、電極板表面から突出する部分を極力少なくするため、縁部絶縁部材ではなく、より薄いワックス層が設けられる。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−036990号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、電極板表面に析出するカソード電着物は多孔質となるため、このように電極板にワックス層が設けられていると、カソード電着物中にワックスが取り込まれてしまう。このようにカソード電着物中にワックスが混入していると、カソード電着物を塑性加工する際に加工不良を招く恐れがあり、また、カソード電着物を溶融炉によって加熱溶融する際に、カソード電着物中に混入したワックスが燃焼して悪臭を発生させてしまう。
また、ワックス層に対しても電解液中の不純物の付着は依然として生じるので、カソード電着物中に不純物の混入が生じてしまう。
さらに、ワックスは、電極板の取り扱い時にこすれるなどして削り取られやすいので、下縁部の絶縁を確実にするために、電解精錬に使用するたびにワックスの除去と再塗布を行う必要があり、作業が煩雑となる上、ワックス塗布及び除去のための設備を設ける必要があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、高品質なカソード電着物を容易に得ることができる電極板とその製造方法、及びこの電解精錬用電極板を用いた電解精錬方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明にかかる電極板は、導電体からなる板本体の縁部のうち、少なくとも下縁部が、絶縁性、耐酸性、及び耐熱性を有するエンジニアリングプラスチック樹脂(以下、単に樹脂とする)からなる絶縁層によって被覆されていることを特徴としている。
【0007】
このように構成される電極板においては、板本体の縁部のうち、少なくとも下縁部が、絶縁性、耐酸性、及び耐熱性を有する樹脂からなる絶縁層によって被覆されていて、この部分の絶縁が図られている。
この樹脂からなる絶縁層は、ごく薄いシート状または膜状に形成することができるので、電極板表面からの突出量が抑えられて、絶縁層上に不純物の堆積が生じにくい。
そして、このように樹脂からなる絶縁層は、ワックスとは異なり、電極板表面に析出するカソード電着物に取り込まれることがない。
さらに、この絶縁層は、ワックスに比べてこすれるなどしても削り取られにくいので、繰り返しの使用に耐え、使用の都度、絶縁層の除去作業及び再設置作業を行う必要がない。
このような絶縁層は、前記樹脂を焼き付け成形または融着することによって被膜を形成するほか、シート状の前記樹脂を接着することによって設けてもよい。
【0008】
また、この電極板の板本体のうち、絶縁層が設けられる絶縁層設置領域では、その表面が,他の領域の表面に対して少なくとも絶縁層の厚みの分以上厚み方向内方に位置していてもよい。
この場合には、絶縁層設置領域に設けられる絶縁層の表面が板本体の他の領域と同一面をなすか、もしくは他の領域よりも厚み方向内方に位置することとなるので、絶縁層上に電解液中の不純物が堆積しにくくなる。
【0009】
また、この電極板においては、前記樹脂として、PPS、フッ素系樹脂、PPSF、PEEK、またはPPEを用いてもよい。
これらの樹脂は、十分な耐久性(耐酸性、耐熱性、耐磨耗性等)を持たせつつ、薄いシート状または膜状に加工することが可能であるので、電極板表面からの絶縁層の突出量をより少なくすることができる。また、このように絶縁層を薄く形成することで、絶縁層が電極板の熱変形に追従して伸縮しやすくなり、電極板に対する絶縁層の密着性が向上する。
【0010】
本発明にかかる電極板の製造方法は、導電体からなる板本体の縁部のうち、少なくとも下縁部に、絶縁性、耐酸性、及び耐熱性を有する樹脂を焼き付けて絶縁層を形成することを特徴としている。
この電極板の製造方法では、板本体の表面に前記樹脂を焼き付けることで形成することによって、板本体に対する付着強度の高い絶縁層を形成することができる。また、このようにして形成される絶縁層の表面は平滑となり、電解液中の不純物の付着が生じにくい。
【0011】
本発明にかかる電解精錬法は、電解精錬の陰極として、請求項1〜3のいずれかに記載の電極板を用いることを特徴としている。
この電解精錬法においては、ワックスが混入せず不純物の含有量も少ない高純度のカソード電着物を得ることができ、また電解精錬ごとの電極板のメンテナンスが不要となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図を用いて説明する。本実施の形態では、銅精錬に用いる電極板について説明するが、これに限らず、本発明は、他の金属の精錬に用いる電極板に適用してもよい。ここで、図1は、本実施形態にかかる電極板の形状を示す正面図、図2は本実施形態にかかる電極板の形状を示す側面図である。
電極板1は、図1及び図2に示すように、略四角形状をなす導体製の板本体2と、板本体2の上縁部に沿って両端を板本体の両側端から突出させて設けられる導体製のハンガーバー3とを有している。
本実施の形態では、板本体2はステンレス製とされており、ハンガーバー3は、ステンレス製の心棒の表面に銅を被覆した構成とされている。
【0013】
板本体2の縁部のうち、少なくとも下縁部2aは、絶縁性、耐酸性、及び耐熱性を有する樹脂からなる絶縁層6によって被覆されている。
絶縁層6を構成する樹脂としては、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、フッ素系樹脂、PPSF(ポリフェニルサルフォン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、またはPPE(ポリフェニルエーテル)を用いることができる。
これらの樹脂は、十分な耐久性(耐酸性、耐熱性、耐磨耗性等)を持たせつつ、薄いシート状または膜状に加工することが可能である。
【0014】
ここで、フッ素系樹脂自体は優れた耐酸性を有しているが、そのままでは金属製の電極板の表面に定着させることができず、電極板の表面に下地としてプライマーを設ける必要がある。しかし、プライマーはフッ素系樹脂ほどの耐酸性を有していないので、フッ素系樹脂からなる絶縁層6の実質的な耐酸性は、プライマーの耐酸性に左右される。
これに対して、PPS、PPSF、PEEK、PPEは、焼き付け等によって電極板の表面に直接定着させることができ、プライマーが不要であるから、絶縁層6をより長寿命とすることができる。
【0015】
本実施の形態では、板本体2はその下縁部2aのみを絶縁層6によって被覆されている。さらに、板本体2のうち、絶縁層6が設けられる絶縁層設置領域7では、その表面7aが、他の領域の表面Fに対して少なくとも絶縁層6の厚みD以上、厚み方向内方に位置しており、絶縁層6の表面6aが、他の領域の表面Fと同一面をなすか,もしくは表面Fよりも厚み方向内方に位置するように図られている。
【0016】
また、板本体2の両側縁部2b、2cのうち、少なくとも電解槽の電解液に浸けられる領域は、耐酸性及び耐熱性を有するシールテープ(図示せず)が貼り付けられて、さらにその上に、絶縁性、耐酸性、及び耐熱性を有する樹脂からなる縁部絶縁部材8が装着されている。
縁部絶縁部材8は、柱状の部材本体5の一側面に板本体2を装着する装着溝が形成されたものであって、この装着溝に板本体2の縁部を係合させることで板本体2に対してその縁部を覆った状態にして装着される。
【0017】
このように構成される電極板1は、以下のようにして製造される。
まず、略四角形状の導体板からなる板本体2において、絶縁層6が設けられる絶縁層設置領域7を、研磨等によってその表面7aが他の領域の表面Fに対して少なくとも絶縁層6の厚みD以上、厚み方向内方に位置するように加工する。
ここで、板本体2としては、予め絶縁層設置領域7が上記形状に形成されたものを用いてもよい。本実施の形態では、板本体2の絶縁層設置領域7を、他の領域の表面に対して絶縁層6の厚みDだけ、厚み方向内方に位置するように加工し、絶縁層6の表面が板本体2の表面Fと同一面をなすように図っている。
【0018】
そして、この板本体2の絶縁層設置領域7に、絶縁性、耐酸性、及び耐熱性を有する樹脂からなる層を形成して、絶縁層6とする。
絶縁層6は、板本体2に対して、樹脂を塗布または焼付けすることによって形成するほか、予め薄板状または薄膜状に形成した樹脂を接着することによって形成する。
ここで、絶縁層6を塗布や焼付けによって形成する場合には、絶縁層6にピンホールが生じないよう、絶縁層6の厚みDは50μm以上の厚みとされる。一方、電解精錬時の不純物の付着量を少なくするため、絶縁層6を電極板1の熱変形に追従して伸縮しやすくするため、また生産コストを低減するため、絶縁層6の厚みDは800μm以下とされる。また、絶縁層6を接着によって形成する場合には、接着剤として、耐酸性及び耐熱性を有する接着剤が用いられる。
【0019】
本実施の形態では、板本体2の絶縁層設置領域7に高高分子PPSを焼き付けることで絶縁層6を形成している。また、絶縁層6の厚みDは、100μmとしている。
樹脂の焼付けは、樹脂が溶解または懸濁された液を板本体2の絶縁層設置領域7に塗布または吹付けて乾燥させた後、焼成炉で焼付け、溶着させることにより行う。このように焼き付けを行うことで、絶縁層6の表面6aは平滑面とされる。
【0020】
最後に、板本体2の両側縁部2b、2cに、耐酸性及び耐熱性を有するシールテープを貼り付け、その上に縁部絶縁部材8を装着することによって電極板1を完成させる。
【0021】
以下より、このように構成される電極板1を用いた電解精錬の各工程について説明する。
まず、板本体2が電解槽内に収容されるようにしてハンガーバー3の両端部を陰極端子で支持して、板本体2を電解槽中の硫酸を含む電解液に浸す。ここで、銅の電解精錬の場合には、電解液の温度は50°Cから60°Cであり、この電解精錬工程は、例えば10日間継続して行われる。
そして、この状態で陽極に接続される陽極端子と前記陰極端子との間で電流を流すことで、陽極から溶出した金属、または電解液中に含まれる金属を電極板1の板本体2の表面に析出、電着させる。
【0022】
ここで、電解液中には不純物が浮遊しているが、本実施の形態にかかる電極板1では、板本体2の下縁部2aに設けられる絶縁層6の表面6aは、板本体2の表面Fと同一平面をなしているので、絶縁層6上に不純物が堆積することがない。また、絶縁層6は、樹脂を焼き付けることによって形成されており、その表面6aが平滑であるので、絶縁層6の表面6aにも不純物の付着が生じにくい。
また、絶縁層6が樹脂によって構成されているので、カソード電着物中に絶縁層6が取り込まれることがない。
このように、この電極板1を用いた電解精錬では、カソード電着物に不純物の混入が生じにくく、またワックスの混入も生じないので、高純度のカソード電着物を得ることができる。
【0023】
なお、電解精錬工程では、板本体2の両側縁部2b、2c近傍で析出金属が盛り上がって形成されるが、両側縁部2b、2cには、柱状の縁部絶縁部材8が装着されているので、この縁部絶縁部材8が障壁となって板本体2の両面からの析出金属の回りこみが防止され、板本体2の両面に析出する金属は分離した状態のまま成長する。
ここで、板本体2の下縁部2aでは電流密度が高くならないので、析出金属の盛り上がりが少なく、この部分においても析出金属の回り込みが生じない。
このため、この電極板1に析出する金属は、容易に剥離することができる。
【0024】
そして、電解精錬工程を終えた後、電極板1を電解槽から引き上げて、常温下で板本体2に析出したカソード電着物の剥離作業を行う。この剥離作業の所要時間は、2時間から3時間である。
この剥離作業を終えたのちは、70°Cから80°Cの温水によって電極板1を数秒間洗浄した後、再度電解精錬工程に使用する。
【0025】
ここで、電極板1に形成した絶縁層6は、50μm〜800μmとごく薄い膜状に形成されているので、板本体2に変形が生じても、絶縁層6は板本体2の変形に追従して伸縮しやすくなり、電極板に対する絶縁層の密着性が向上して剥離が生じにくくなる。そして、この絶縁層6は、樹脂を焼き付けることによって形成されているので、板本体2に対する付着強度が高い。
さらに、絶縁層6を構成する高高分子PPSは、その線膨張係数が、板本体2を構成するステンレスの線膨張係数に近いので、上記の各工程で板本体2に熱変形が生じても絶縁層6の剥離が生じにくい。
さらに、この絶縁層6は、ワックスに比べてこすれるなどしても削り取られにくい。
このように、本実施の形態にかかる電極板1は、板本体2の下縁部の絶縁層6が繰り返しの使用に耐えるので、使用の都度、絶縁層の除去作業及び再設置作業を行う必要がなくなり、電解精錬にかかる労力を低減することができる。
【0026】
ここで、上記実施の形態では、板本体2において下縁部2aのみに樹脂からなる絶縁層6を設けた例を示したが、これに限られることなく、板本体2の両側縁部2b、2cに縁部絶縁部材8を設ける代わりに絶縁層6を設けてもよい。
縁部絶縁部材8は、板本体2の縁部に係合溝を係合することによって装着されているが、電極板1の使用を繰り返すに従ってクリープするなどして係合溝の口が開いてしまうので、2年程度で縁部絶縁部材8を交換する必要があるが、絶縁層6にはクリープ等が生じず、縁部絶縁部材8よりも超寿命であるので、縁部絶縁部材8を設ける代わりに樹脂からなる絶縁層6を設けることで、縁部絶縁部材8の交換作業が不要となる。
【0027】
また、縁部絶縁部材8を絶縁層6に置き換えるのではなく、板本体2において縁部絶縁部材8が設置される領域にシールテープを絶縁層6に置き換えてもよい。この場合には、寿命が半年程度であるシールテープをより長寿命な絶縁層6に置き換えることで、シールテープの張り替えの手間をなくすことができる。
【0028】
また、上記実施の形態では、板本体2の絶縁層形成領域7の表面7aを、他の領域の表面Fよりも厚み方向内方に位置させた構成としたが、絶縁層形成領域7の表面7aは、他の領域の表面Fと同一面上に位置させてもよい。
【0029】
【発明の効果】
本発明にかかる電極板は、板本体の縁部が、絶縁性、耐酸性、及び耐熱性を有する樹脂からなる絶縁層によって被覆されており、この絶縁層は、ごく薄いシート状または膜状に形成することができるので、電極板表面からの突出量が抑えられて、絶縁層上に不純物の堆積が生じにくいので、電極板に析出するカソード電着物中に不純物が混入しにくく、高純度のカソード電着物を得ることができる。
そして、このように樹脂からなる絶縁層は、ワックスとは異なり、電極板表面に析出するカソード電着物に取り込まれることがなく、ワックス混入によるカソード電着物の品質低下が生じない。
さらに、この絶縁層は、ワックスに比べてこすれるなどしても削り取られにくいので、繰り返しの使用に耐え、使用の都度、絶縁層の除去作業及び再設置作業を行う必要がなくなり、電解精錬にかかる労力を低減することができる。
【0030】
本発明にかかる電極板の製造方法によれば、板本体の表面に前記樹脂を焼き付けるので、板本体に対する付着強度の高い絶縁層を形成することができ、絶縁層の耐久性を向上させることができる。
また、このようにして形成される絶縁層の表面は平滑となるので、この電極板電解液中の不純物の付着が生じにくくなり、電極板表面に析出するカソード電着物に不純物が取り込まれにくくなる。
【0031】
本発明にかかる電解精錬法によれば、電解精錬の陰極として、請求項1〜3のいずれかに記載の電極板を用いているので、ワックスが混入せず不純物の含有量も少ない高純度のカソード電着物を得ることができ、また電解精錬ごとの電極板のメンテナンスが不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる電極板の形状を示す正面図である。
【図2】本実施形態にかかる電極板の形状を示す側面図である。
【符号の説明】
1 電解精錬用電極板 2 板本体
2a 下縁部 6 絶縁層
7 絶縁層設置領域 7a 表面
D 絶縁層の厚み F 他の領域の表面

Claims (5)

  1. 導電体からなる板本体の縁部のうち、少なくとも下縁部が、絶縁性、耐酸性、及び耐熱性を有するエンジニアリングプラスチック樹脂からなる絶縁層によって被覆されていることを特徴とする電解精錬用電極板。
  2. 前記板本体のうち、前記絶縁層が設けられる絶縁層設置領域では、その表面が、他の領域の表面に対して少なくとも前記絶縁層の厚みの分以上厚み方向内方に位置していることを特徴とする請求項1記載の電解精錬用電極板。
  3. 前記エンジニアリングプラスチック樹脂が、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、フッ素系樹脂、PPSF(ポリフェニルサルフォン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、またはPPE(ポリフェニルエーテル)からなることを特徴とする請求項1または2に記載の電解精錬用電極板。
  4. 導電体からなる板本体の縁部のうち、少なくとも下縁部に、絶縁性、耐酸性、及び耐熱性を有するエンジニアリングプラスチック樹脂を焼き付けて絶縁層を形成することを特徴とする電解用電極板の製造方法。
  5. 電解精錬の陰極として、請求項1〜3のいずれかに記載の電解精錬用電極板を用いることを特徴とする電解精錬法。
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