JP2005029820A - めっき方法、半導体装置の製造方法、及びめっき装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】凹部内にめっきを確実に埋め込むことができるめっき方法、断線し難い半導体装置を製造することができる半導体装置の製造方法、及び満遍なく基板を洗浄することができるめっき装置を提供する。
【解決手段】ウェハホルダ25の回転によりウェハWを回転させるとともに水供給ノズル40から水をウェハW上に供給し、ウェハWを洗浄する。ウェハWの洗浄は、水供給ノズル40を移動及びウェハホルダ25の回転数等を変化させながら行う。洗浄を行った後、ウェハWを回転させている状態で、水供給ノズル40からの水の供給を停止し、ウェハWの水切りを行う。水切りを行った後、アノード電極31とカソード電極28との間に電圧を印加し、かつ水供給ノズル40からめっき液をウェハW上に供給して、ウェハW上にめっきを施す。
【選択図】 図5
【解決手段】ウェハホルダ25の回転によりウェハWを回転させるとともに水供給ノズル40から水をウェハW上に供給し、ウェハWを洗浄する。ウェハWの洗浄は、水供給ノズル40を移動及びウェハホルダ25の回転数等を変化させながら行う。洗浄を行った後、ウェハWを回転させている状態で、水供給ノズル40からの水の供給を停止し、ウェハWの水切りを行う。水切りを行った後、アノード電極31とカソード電極28との間に電圧を印加し、かつ水供給ノズル40からめっき液をウェハW上に供給して、ウェハW上にめっきを施す。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板にめっきを施すめっき方法、半導体装置を製造する半導体装置の製造方法、及び基板の洗浄を行い得るめっき装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の高集積化と高機能化を達成するためにデバイスの動作速度の向上が要求されている。それに伴い、各素子を繋ぐ配線の微細化及び多層化が進んでいる。そして、この微細化及び多層化に対応すべく、配線材料として低抵抗でありエレクトロマイグレーション耐性に優れたCuを用いるとともに配線溝内及びビアホール内に配線材料を埋め込んで配線を形成するダマシン法が用いられている。
【0003】
ところで、配線溝等内にCuを埋め込む際には、埋め込み速度に優れた電解めっき法が用いられている。ところが、電解めっき法で配線溝等内にCuを埋め込むと、配線溝等内にボイドが発生してしまうことがある。このようなボイドは、断線原因となるので抑制されることが好ましい。現在、このようなボイドの発生を抑制するため、電解めっき法で配線を形成する前に界面活性剤或いは純水を半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)に供給して、前処理を施している(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。なお、このような前処理を行い得るめっき用前処理装置としては、前処理液をノズルからウェハに供給する装置が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−92953号公報
【特許文献2】
特開2002−129385号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような前処理をウェハに施した場合であっても、配線溝等内に確実に埋め込むことはできない。これは、ウェハの配線溝等内に気泡が発生し易いこと及びめっき液の濃度が変化してしまうことが原因であると考えられる。即ち、ウェハ表面には炭素含有物が付着しており、ウェハ表面が強度の疎水状態となっている。ここで、特許文献1では界面活性剤をウェハに供給しているが、このような界面活性剤は有機化合物であり、炭素含有物を除去することは困難である。また、特許文献2ではウェハ表面に純水を供給しているが、例えば純水を霧状にしてウェハに吹き付けることでウェハ表面を濡らし、ウェハ表面が濡れた状態のまま電解めっきを施しているため、ウェハ表面の炭素含有物は除去され難い。このため、界面活性剤及び純水をウェハに供給した場合であっても、依然として強度の疎水状態が維持されているので、配線溝等内に気泡が発生し易くなり、配線溝等内に確実に銅を埋め込むことができないものと考えられる。また、特許文献2では、純水で濡れた状態で電解めっきを施しているためにめっき液が希釈されてしまい、最適値に調整した銅濃度、添加剤濃度が変化してしまう。このため、めっき液の濃度が変化してしまい、配線溝等内に確実に銅を埋め込むことができないものと考えられる。
【0006】
また、上記したようなめっき用前処理装置でウェハに前処理を施した場合には、場所により前処理効果がばらついてしまう。
【0007】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものである。凹部内にめっきを確実に埋め込むことができるめっき方法、断線し難い半導体装置を製造することができる半導体装置の製造方法、及び満遍なく基板を洗浄することができるめっき装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明の一態様によれば、表面に凹部が形成された基板の表面に水を供給し、前記基板を洗浄する工程と、前記洗浄した基板を水切り或いは乾燥する工程と、前記水切り或いは乾燥した基板の表面にめっき液を供給し、前記基板にめっきを施す工程とを具備することを特徴とするめっき方法が提供される。
【0009】
本願発明の他態様によれば、表面に凹部が形成された基板の表面に水を供給し、前記基板に付着している炭素含有物を取り除く工程と、前記炭素含有物を取り除いた基板の表面にめっき液を供給し、前記基板にめっきを施す工程とを具備することを特徴とするめっき方法が提供される。
【0010】
本願発明の他態様によれば、半導体素子が形成され、かつ表面に凹部が形成された基板の表面に水を供給し、前記基板を洗浄する工程と、前記洗浄した基板を水切り或いは乾燥する工程と、前記水切り或いは乾燥した基板の表面にめっき液を供給し、めっき法により前記基板に配線膜を形成する工程と、前記凹部に埋め込まれた部分以外の配線膜を除去する工程とを具備することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0011】
本願発明の他態様によれば、半導体素子が形成され、かつ表面に凹部が形成された基板の表面に水を供給し、前記基板に付着している炭素含有物を取り除く工程と、前記炭素含有物を取り除いた基板を水切り或いは乾燥する工程と、前記水切り或いは乾燥した基板の表面にめっき液を供給し、めっき法により前記基板に配線膜を形成する工程と、前記凹部に埋め込まれた部分以外の配線膜を除去する工程とを具備することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0012】
本願発明の他態様によれば、表面に凹部が形成された基板を保持する基板保持部材と、前記基板保持部材に保持された基板の表面にめっきを施すめっき機構と、前記基板の表面に水を供給する水供給ノズルと、前記基板と前記水供給ノズルとを相対的に移動させる移動機構と、前記水供給ノズルから前記基板の表面に前記水を供給しているときに前記移動機構を作動させるコントローラと、前記基板を回転させる回転機構と、前記基板の回転数、回転方向を制御するコントローラと、を具備することを特徴とするめっき装置が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、第1の実施の形態について説明する。図1は本実施の形態に係る半導体装置の製造プロセスの流れを示したフローチャートであり、図2〜図3は本実施の形態に係る半導体装置の模式的な製造プロセス図である。
【0014】
図1及び図2(a)に示されるように、トランジスタ等のような半導体素子(図示せず)が形成された半導体ウェハW(以下、単に「ウェハ」という。)上に、例えば化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD)により層間絶縁膜1を形成する(ステップ1)。層間絶縁膜1は、例えば低誘電率絶縁物から構成されている。このような低誘電率絶縁物としては、例えば、SiOF、SiOC、或いは多孔質シリカ等が挙げられる。
【0015】
ウェハW上に層間絶縁膜1を形成した後、図2(b)に示されるように、フォトリソグラフィ技術により層間絶縁膜1に配線溝及びビアホールのような凹部1aを形成する(ステップ2)。具体的には、まず、ウェハWを回転させながら層間絶縁膜1上に化学増幅型のフォトレジストを塗布する。フォトレジストを塗布した後、所定のパターンが形成されたマスクを使用して、i線のような紫外線或いはKrF或いはArFのような遠紫外線で露光する。その後、現像液により現像して、層間絶縁膜1上にレジストパターンを形成する。層間絶縁膜1上にレジストパターンを形成した後、レジストパターンをマスクとして、CF4或いはCHF3のようなCF系のガスにより層間絶縁膜1をドライエッチングし、層間絶縁膜1に凹部1aを形成する。最後に、層間絶縁膜1に凹部1aを形成した後、アッシングによりレジストパターンを取り除く。
【0016】
層間絶縁膜1に凹部1aを形成した後、図2(c)に示されるように、層間絶縁膜1上に、例えばスパッタリング或いはCVDにより層間絶縁膜1への金属の拡散を抑制するためのバリア膜2を形成する(ステップ3)。バリア膜2は、導電性材料から構成されている。このような導電性材料は、後述する配線部4aを構成している金属より拡散係数が小さい金属或いは金属窒化物等から構成されている。このような金属としては例えばTa、Ti等が挙げられ、また金属窒化物としては例えばTiN、TaN、或いはWN等が挙げられる。なお、これらの物質を積層したものからバリア膜2を形成してもよい。
【0017】
層間絶縁膜1上にバリア膜2を形成した後、図2(d)に示されるように、バリア膜2上に、例えばスパッタリングにより電解メッキ時に電流を流すためのシード膜3を形成する(ステップ4)。シード膜3は、金属から構成されている。金属としては、例えば、Cu等が挙げられる。
【0018】
バリア膜2上にシード膜3を形成した後、図3(a)に示されるように、ウェハWの表面に水4を供給して、ウェハWを洗浄する(ステップ5)。洗浄の際に供給される水4は、純水であることが好ましい。また、洗浄の際に供給される水4は、炭素含有量が1mg/L未満のものが好ましい。炭素含有量が1mg/L未満の水を使用することにより、より確実にウェハの表面に付着している炭素含有物を除去することができる。
【0019】
ウェハWを洗浄した後、図3(b)に示されるように、ウェハWを回転させて、ウェハWを水切りする(ステップ6)。なお、水切りの代わりにウェハWを乾燥させてもよい。この場合、例えば、ウェハWを加熱することによる乾燥、或いはウェハWを回転させることによる乾燥等のいずれであってもよい。なお、ウェハWを回転させて乾燥する場合には、例えばウェハWの回転数約1000rpm以上で約15秒間以上ウェハWを回転させる。
【0020】
ウェハWを水切りした後、図3(c)に示されるように、ウェハW上にめっき液5を供給して、シード膜3上に電解めっき法により配線膜6を形成する(ステップ7)。ここで、シード膜3は凹部1a内にも形成されているので、配線膜6は凹部1a内にも形成される。配線膜6は、金属から構成されている。金属としては、Cu等が挙げられる。なお、無電解めっき法により配線膜6を形成してもよい。
【0021】
シード膜3上に配線膜6を形成した後、図3(d)に示されるように、例えば化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)により研磨して、凹部1a内に存在する配線膜6の部分6a、シード膜3の部分3a、及びバリア膜2の部分2aのみがそれぞれ残るように層間絶縁膜1上の配線膜6、シード膜3、及びバリア膜2を除去する(ステップ8)。具体的には、ウェハWを研磨パッド(図示せず)に接触させた状態で、ウェハW及び研磨パッドを回転させるとともにウェハW上にスラリ(図示せず)を供給して、配線膜6、シード膜3、及びバリア膜2を研磨する。なお、CMPで研磨する場合に限らず、その他の手法で研磨してもよい。その他の手法としては、例えば電解研磨が挙げられる。これにより、図1に示される半導体装置の製造プロセスが終了する。
【0022】
ステップ5〜ステップ7の工程は、以下のめっき装置により行うことが可能である。図4は本実施の形態に係るめっき装置の模式的な構成図である。図4に示されるように、めっき装置11は、搬送ロボット12,13、載置台14、めっきユニット15、エッチング・洗浄・乾燥ユニット16、アニールユニット17等から構成されている。搬送ロボット12,13は、ウェハ(基板)を搬送するためのものである。具体的には、搬送ロボット12はキャリアカセットCから載置台14に或いは載置台14からキャリアカセットCにウェハを搬送するものであり、搬送ロボット13は載置台14から各ユニットに或いは各ユニットから載置台14にウェハを搬送するものである。
【0023】
めっきユニット15は、前処理ユニット及びめっきユニットが一体化したものであり、前処理及びめっきを連続的に行うためのものである。なお、前処理は、洗浄と水切りとから構成されている。エッチング・洗浄・乾燥ユニット16は、べべルのエッチング、洗浄、乾燥を連続的に行うためのものである。アニールユニット17は、めっきの焼き締めを行うためのものである。
【0024】
めっきユニット15について詳細に説明する。図5は本実施の形態に係るめっきユニット15の模式的な垂直断面図であり、図6は本実施の形態に係るめっきユニット15の模式的な水平平面図であり、図7(a)〜図7(c)は本実施の形態に係るウェハホルダの回転方向及び回転数の模式的なタイミングチャートである。図8(a)〜図8(d)は本実施の形態に係る水供給ノズルの先端の模式的な垂直断面図及び水平断面図であり、図9(a)〜図9(d)は本実施の形態に係る水供給ノズルの移動状態を模式的に示した図である。
【0025】
図5及び図6に示されるように、めっきユニット15は、ハウジング21を備えている。ハウジング21の底面は、飛散しためっき液等を集めることができるように傾斜している。ハウジング21の底面には、排液配管22が接続されており、集められためっき液等が排液配管22を介してハウジング21内から排出されるように構成されている。なお、ハウジング21内から排出された排液は、図示しない排液貯留槽に貯留される。
【0026】
ハウジング21内には、めっき液等の飛散を抑制する飛散抑制カップ23が配置されている。飛散抑制カップ23の底面には、排気を行うための排気配管24が接続されている。飛散抑制カップ23内には、ウェハWを保持するウェハホルダ25(基板保持部材)が配置されている。本実施の形態では、ウェハWは、ウェハWの被めっき面が上向き(フェイスアップ)になるようにウェハホルダ25に保持される。
【0027】
ウェハホルダ25は、ウェハホルダ25を回転させる回転駆動源26の回転軸26aに接続されている。回転駆動源26は、洗浄中、水切り中、めっき中にウェハホルダ25が回転するようにコントローラ27により制御されている。ここで、ウェハホルダ25の回転数及び回転方向等はコントローラ27により制御可能となっている。これにより、ウェハホルダ25の回転及び回転停止が交互に繰り返されるような制御(図7(a))、ウェハホルダ25の正回転及び負回転が交互に繰り返されるような制御(図7(b))、ウェハホルダ25の正回転及び負回転が交互に繰り返され、かつウェハホルダ25の回転数が徐々に上昇及び下降するような制御(図7(c))が可能となる。
【0028】
ウェハホルダ25上には、シード膜3に接触させるカソード電極28が配置されている。カソード電極28にシード膜3を接触させることにより、ウェハWのシード膜3に電流を流すことができる。また、ウェハホルダ25上には、カソード電極28へのめっき液の接触を抑制するシールリング29が配置されている。シールリング29の開口をウェハWで塞ぐことにより、カソード電極28へのめっき液の接触を抑制することができる。
【0029】
ハウジング21内には、対極ヘッド30が配置されている。対極ヘッド30は、カソード電極28との間に電圧が印加されるアノード電極31と、ウェハWにめっき液を供給するためのめっき液供給ノズル32とを備えている。めっき液供給ノズル32とめっき液を貯留しためっき液供給源33とはめっき液供給管34により接続されている。めっき液供給管34には、ポンプ35及びバルブ36が介在している。バルブ36を開放した状態で、ポンプ35を作動させることによりめっき液供給源33からめっき液が汲み出され、めっき液供給ノズル32からめっき液が供給される。ポンプ35は、コントローラ27により制御されている。
【0030】
対極ヘッド30は、移動機構37の一部であるアーム38に取り付けられている。移動機構37は、対極ヘッド30を移動させるものであり、アーム38の他、回転軸39aを備えた回転駆動源39等から構成されている。移動機構37は、めっきが開始される際及びめっきが終了される際に対極ヘッド30が移動するようにコントローラ27により制御されている。具体的には、移動機構37は、めっきが開始される際には対極ヘッド30が退避位置からめっき位置に移動するように制御され、めっきが終了される際には対極ヘッド30がめっき位置から退避位置に移動するように制御されている。
【0031】
ハウジング21内には、ウェハWに水を供給する水供給ノズル40が配置されている。水供給ノズル40の先端形状としては、様々な形状のものが挙げられるが、例えば、図8(a)〜図8(d)に示されるような円筒形状のもの、コーン形状のもの、シャワーヘッド形状のもの等が挙げられる。なお、図5及び図6には水供給ノズル40の先端形状が円筒形状のものが示されている。
【0032】
水供給ノズル40と水を貯留した水供給源41とは水供給管42により接続されている。水供給管42には、ポンプ43及びバルブ44が介在している。バルブ44を開放した状態で、ポンプ43を作動させることにより水供給源41から水が汲み出され、水供給ノズル40から水が供給される。ポンプ43は、コントローラ27により制御されている。ここで、水供給ノズル40から供給される水の供給量等はコントローラ27により制御可能となっている。これにより、水供給ノズル40から勢い良く水が供給されるような制御、或いは水供給ノズル40から穏やかに水が供給されるような制御が可能となる。
【0033】
水供給管42には、脱気ユニット45が介在している。水供給管42に脱気ユニット45を介在させることにより、水に溶解しているガスが除去され、ウェハWへのマイクロバブルの付着を抑制することができる。脱気ユニット45は、ハウジング、ハウジング内に配置されたガスを透過し、かつ水を遮断する性質を有する膜、及びハウジング内の圧力を低下させる真空ポンプ等から構成されている。この真空ポンプが作動することにより、ガスが膜を透過し、水とガスとを分離することができる。
【0034】
なお、水供給管42には、H2、N2のような非酸化性のガスを水に溶解させるガス溶解ユニットを介在させてもよい。水供給管42にガス溶解ユニットを介在させることより、洗浄効率を高めることができる。ガス溶解ユニットは、ハウジングと、非酸化性のガスを貯留するガス供給源等から構成されている。ガス供給源から非酸化性のガスがハウジング内に供給されることにより、水にガスを溶解させることができる。ここで、ハウジング内に非酸化性のガスを圧入する場合には、常圧でハウジング内に非酸化性のガスを供給するよりも水中の非酸化性ガスの濃度を高めることができる。
【0035】
水供給ノズル40は、移動機構46の一部であるアーム47に取り付けられている。移動機構46は水供給ノズル40を移動するためのものである。移動機構46は、洗浄が開始される際及び洗浄が終了される際に水供給ノズル40が移動するようにコントローラ27により制御されている。具体的には、移動機構46は、洗浄が開始される際には水供給ノズル40が退避位置から洗浄位置に移動するように制御され、洗浄が終了される際には水供給ノズル40が洗浄位置から退避位置に移動するように制御されている。
【0036】
また、移動機構46は、洗浄中にも水供給ノズル40が移動するようにコントローラ27により制御されている。ここで、水供給ノズル40の移動方向はコントローラ27により制御可能となっている。これにより、水供給ノズル40がウェハWの直径方向に沿って移動するような制御(図9(a)及び図9(b))、水供給ノズル40がウェハWの周方向に沿って移動するような制御(図9(c))、或いは水供給ノズル40がウェハWの厚み方向に沿って移動するような制御(図9(d))が可能となる。
【0037】
以下、めっきユニット15を使用した場合のウェハWの前処理及びめっきについて説明する。搬送ロボット13によりウェハホルダ25上にウェハWが載置され、ウェハWがウェハホルダ25に保持される。また、ウェハWがカソード電極28に接触するとともにウェハWによりシールリング29の開口が覆われる。これにより、ウェハWの設置が完了する。
【0038】
その後、水供給ノズル40が退避位置から洗浄位置に移動する。水供給ノズル40が洗浄位置に移動した後、ウェハホルダ25の回転によりウェハWが回転するとともに水供給ノズル40から水がウェハW上に供給される。これにより、ウェハWが洗浄される。ここで、ウェハWの洗浄は、水供給ノズル40を移動させ、かつウェハホルダ25の回転数等を変化させながら行われる。
【0039】
十分に洗浄が行われた後、ウェハWが回転している状態で、水供給ノズル40からの水の供給が停止される。これにより、ウェハWの水切りが行われる。十分に水切りが行われた後、対極ヘッド30が退避位置からめっき位置に移動する。また、アノード電極31及びカソード電極28に電圧が印加される。その後、めっき液供給ノズル32からめっき液がウェハW上に供給される。これにより、ウェハW上にめっきが施される。
【0040】
所定の厚さのめっきがウェハW上に施された後、図示しないめっき液回収ノズルからめっき液が吸い上げられ、めっき液が回収される。その後、ウェハWの設置が解除され、ウェハWが搬送ロボット13により搬送される。
【0041】
本実施の形態では、めっき前にウェハWを水で洗浄し、その後水切りをしているので、確実に凹部1a内にめっきを埋め込むことができ、断線し難い半導体装置を製造することができる。即ち、めっき前にウェハWを水で洗浄し、かつ水切りをしているので、凹部1a内に付着している炭酸物或いは有機物等の炭素含有物が除去される。これにより、めっき時に凹部1a内に気泡が発生し難くなる。また、洗浄後水切りをしているので、めっき液が希釈され難く、めっき液の濃度変化を抑制することができる。それ故、凹部1a内に確実にめっきを埋め込むことができ、断線し難い半導体装置を製造することができる。
【0042】
本実施の形態では、洗浄中にウェハWを回転させているので、洗浄度を高めることができる。即ち、洗浄中にウェハWを回転させると、凹部1a内に水が確実に行き渡る。これにより、凹部1a内に付着している炭素含有物が確実に除去される。それ故、洗浄度を高めることができる。
【0043】
本実施の形態では、洗浄後水切りをしているので、ウェハWにめっきが施され易くなる。即ち、洗浄後水切りをすると、ウェハWの表面には水酸基が存在するようになる。これにより、ウェハWの表面のぬれ性が向上し、ウェハWにめっきが施され易くなる。
【0044】
本実施の形態では、洗浄中に水供給ノズル40を移動させるので、満遍なくウェハWの表面及び凹部1a内を洗浄することができる。即ち、例えば、水供給ノズル40からウェハWの中央部に向けて水を供給した場合では、ウェハWの中央部と外周部とでは水の接触状態が異なるので、場所により洗浄度のばらつきが発生してしまう。これに対し、本実施の形態では、洗浄中に水供給ノズル40を移動させるので、場所による洗浄度のばらつきが低減する。それ故、満遍なくウェハWの表面を洗浄することができる。
【0045】
本実施の形態では、前処理とめっきとを行い得るめっきユニット15を使用しているので、スループットを向上させることができるとともに炭素含有物が再び付着する前にめっきを施すことができる。
【0046】
(実施例1)
実施例1について説明する。本実施例では、好適な洗浄時間について調べた。以下、測定条件について説明する。ウェハとしては、上記第1の実施の形態で説明した洗浄前のウェハを使用した。なお、バリア膜は30nmであり、シード膜が60nmであった。洗浄中ウェハの回転数は400rpmであり、水の供給量は1L/minであった。このような条件下で、洗浄時間を変化させながらウェハを洗浄し、水切りを行った。その後、通常のめっき工程によりシード膜上に0.7μmの配線膜を形成し、化学的機械的研磨により余分な配線膜を除去した。そして、このようなウェハにおける凹部内に埋め込まれた配線膜中の欠陥数を欠陥検査装置により測定した。
【0047】
以下、測定結果について述べる。図10は、洗浄時間と欠陥数との関係を示したグラフである。図10に示されるように、洗浄を10秒間行った場合と洗浄を30秒間以上行った場合を比べると、洗浄を30秒間以上行った場合の方が洗浄を10秒間行った場合よりも欠陥数が少ないことが確認された。この結果から、洗浄は30秒間以上行うことが好ましいと考えられる。
【0048】
(実施例2)
実施例2について説明する。本実施例では、洗浄後のウェハ表面のぬれ性について調べた。以下、測定条件について説明する。ウェハとしては、上記第1の実施の形態で説明した洗浄前のウェハを使用した。なお、バリア膜は30nmであり、シード膜が60nmであった。洗浄中のウェハの回転数は400rpmであり、水の供給量は1L/minであった。このような条件下でウェハを洗浄し、水切りを行った。そして、このようなウェハの表面に水を滴下し、このときの水の接触角を測定した。なお、本実施例と比較するために比較例として洗浄していないウェハの表面にも水を滴下し、水の接触角を測定した。
【0049】
以下、測定結果について述べる。図11は、ウェハ中央からの距離と接触角との関係を示したグラフである。図11に示されるように、実施例に係る水の接触角は、比較例に係る水の接触角よりも小さかった。この結果から水で洗浄するとぬれ性が高くなることが確認された。
【0050】
(第2の実施の形態)
以下、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態と重複する内容等については説明を省略する。本実施の形態では、対極ヘッドの移動経路内に入らないような位置に水供給ノズルを配置した例について説明する。図12は本実施の形態に係るめっきユニットの模式的な垂直断面図である。
【0051】
図12に示されるように、ハウジング21の側面付近には、水供給ノズル40が配置されている。水供給ノズル40は、対極ヘッド30の移動経路内に入らないような位置に配置されている。具体的には、水供給ノズル40は、飛散抑制カップ23の外側に配置されている。
【0052】
移動機構46は、水供給ノズル40が洗浄中移動した場合であっても水供給ノズル40が対極ヘッド30の移動経路内に入らないようにコントローラ27により制御されている。
【0053】
本実施の形態では、対極ヘッド30の移動経路内に入らないような位置に水供給ノズル40を配置しているので、水供給ノズル40を退避させることなくウェハWにめっきを施すことができる。これにより、スループットを向上させることができる。
【0054】
(第3の実施の形態)
以下、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態では、前処理とめっきとをハウジング内に在るそれぞれ異なる位置で行う例について説明する。図13は本実施の形態に係るめっきユニットの模式的な垂直断面図である。
【0055】
図13に示されるように、ハウジング21内には、ウェハWに前処理を施す前処理部とウェハWにめっきを施すめっき部とに仕切り分けるための仕切板51が設置されている。なお、前処理部の空間とめっき部の空間とは上部で繋がっている。
【0056】
排液配管22は、前処理部側のハウジング21の底面に接続された排液配管22aと、めっき部側のハウジング21の底面に接続された排液配管22bとから構成されている。排液配管22aは主に水をハウジング21内から排出するためのものであり、排液配管22bは主にめっき液をハウジング21内から排出するためのものである。
【0057】
排気配管24は、前処理部側のハウジング21の側面に接続された排気配管24aと、めっき部側のハウジング21の側面に接続された排気配管24bから構成されている。排気配管24aは主に前処理部を排気するためのものであり、排気配管24bは主にめっき部を排気するためのものである。
【0058】
本実施の形態のウェハホルダ25は、ウェハWの被めっき面が下向き(フェイスダウン)になるようにウェハWを保持するものである。ウェハホルダ25は、回転・移動機構52の一部である回転駆動源53の回転軸53aに接続されている。回転・移動機構52はウェハホルダ25を回転、移送、及び昇降させるものであり、回転駆動源53の他、回転駆動源54、回転駆動源53と回転駆動源54の回転軸54aとに取り付けられた連結部材55等から構成されている。回転駆動源53は、洗浄中、水切り中、めっき中にウェハホルダ25が回転するようにコントローラ27により制御されている。ここで、コントローラ27により洗浄中のウェハホルダ25の回転数及び回転方向等を変化させることも可能である。また、回転駆動源54は、めっきが開始される際にウェハホルダ25が移動するようにコントローラ27により制御されている。具体的には、回転駆動源54は、めっきが開始される際にはウェハホルダ25が前処理部からめっき部に移動するように制御されている。
【0059】
水供給ノズル40は、前処理部に配置されている。本実施の形態では、複数の水供給ノズル40が配置されている。複数の水供給ノズル40を使用することにより、一度に広範囲に水を供給することができる。
【0060】
めっき部には、めっき液が貯留されるめっき液槽56が配置されている。めっき液槽56の底部にはめっき液供給管34が接続されている。めっき液槽56内には、アノード電極31及びめっき液の流れを制御する整流板57が配置されている。
【0061】
以下、めっきユニット15を使用した場合のウェハWの前処理及びめっきについて説明する。搬送ロボット13によりウェハホルダ25にウェハWが保持される。また、ウェハWがカソード電極28に接触するとともにウェハWによりシールリング29の開口が覆われる。これにより、ウェハWの設置が完了する。
【0062】
その後、ウェハホルダ25の回転によりウェハWが回転するとともに水供給ノズル40から水がウェハWに供給される。これにより、ウェハWが洗浄される。ここで、ウェハWの洗浄は、水供給ノズル40を移動及びウェハホルダ25の回転数等を変化させながら行われる。
【0063】
十分に洗浄が行われた後、ウェハWが回転している状態で、水供給ノズル40からの水の供給が停止される。これにより、ウェハWの水切りが行われる。十分に水切りが行われた後、回転・移動機構52の作動によりウェハホルダ25が上昇するとともに水平方向に半回転する。これにより、ウェハWが前処理部からめっき部に移送される。
【0064】
ウェハWが前処理部からめっき部に移動した後、アノード電極31及びカソード電極28に電圧が印加される。その後、回転・移動機構52の作動によりウェハホルダ25が下降し、ウェハWがめっき液に浸漬される。これにより、ウェハW上にめっきが施される。
【0065】
所定の厚さのめっきがウェハW上に施された後、回転・移動機構52の作動によりウェハホルダ25が上昇し、ウェハWがめっき液から引き上げられる。その後、ウェハWの設置が解除され、ウェハWが搬送ロボット13により搬送される。
【0066】
なお、本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されるものではなく、構造や材質、各部材の配置等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。上記実施の形態では、ウェハWを使用しているが、ガラス基板を使用してもよい。第1及び第2の実施の形態では、1つの水供給ノズル40を使用した場合について説明しているが、水供給ノズル40は複数であってもよい。また、第3の実施の形態では、複数の水供給ノズル40を使用した場合について説明しているが、水供給ノズル40は1つであってもよい。
【0067】
【発明の効果】
本発明のめっき方法によれば、凹部内にめっきを確実に埋め込むことができる。本発明の半導体装置の製造方法によれば、断線し難い半導体装置を製造することができる。本発明のめっき装置によれば、満遍なく基板を洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1の実施の形態に係る半導体装置の製造プロセスの流れを示したフローチャートである。
【図2】図2は第1の実施の形態に係る半導体装置の模式的な製造プロセス図である。
【図3】図3は第1の実施の形態に係る半導体装置の模式的な製造プロセス図である。
【図4】図4は第1の実施の形態に係るめっき装置の模式的な構成図である。
【図5】図5は第1の実施の形態に係るめっきユニットの模式的な垂直断面図である。
【図6】図6は第1の実施の形態に係るめっきユニットの模式的な水平平面図である。
【図7】図7(a)〜図7(c)は第1の実施の形態に係るウェハホルダの回転方向及び回転数の模式的なタイミングチャートである。
【図8】図8(a)〜図8(d)は第1の実施の形態に係る水供給ノズルの先端の模式的な垂直断面図及び水平断面図である。
【図9】図9(a)〜図9(d)は第1の実施の形態に係る水供給ノズルの移動状態を模式的に示した図である。
【図10】図10は実施例1に係る洗浄時間と欠陥数との関係を示したグラフである。
【図11】図11は実施例2に係るウェハ中央からの距離と接触角との関係を示したグラフである。
【図12】図12は第2の実施の形態に係るめっきユニットの模式的な垂直断面図である。
【図13】図13は第3の実施の形態に係るめっきユニットの模式的な垂直断面図である。
【符号の説明】
W…ウェハ、1a…凹部、4…水、5…めっき液、6…配線膜、15…めっきユニット、25…ウェハホルダ、27…コントローラ、28…カソード電極、31…アノード電極、40…水供給ノズル、46…移動機構、52…回転・移動機構。
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板にめっきを施すめっき方法、半導体装置を製造する半導体装置の製造方法、及び基板の洗浄を行い得るめっき装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の高集積化と高機能化を達成するためにデバイスの動作速度の向上が要求されている。それに伴い、各素子を繋ぐ配線の微細化及び多層化が進んでいる。そして、この微細化及び多層化に対応すべく、配線材料として低抵抗でありエレクトロマイグレーション耐性に優れたCuを用いるとともに配線溝内及びビアホール内に配線材料を埋め込んで配線を形成するダマシン法が用いられている。
【0003】
ところで、配線溝等内にCuを埋め込む際には、埋め込み速度に優れた電解めっき法が用いられている。ところが、電解めっき法で配線溝等内にCuを埋め込むと、配線溝等内にボイドが発生してしまうことがある。このようなボイドは、断線原因となるので抑制されることが好ましい。現在、このようなボイドの発生を抑制するため、電解めっき法で配線を形成する前に界面活性剤或いは純水を半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)に供給して、前処理を施している(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。なお、このような前処理を行い得るめっき用前処理装置としては、前処理液をノズルからウェハに供給する装置が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−92953号公報
【特許文献2】
特開2002−129385号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような前処理をウェハに施した場合であっても、配線溝等内に確実に埋め込むことはできない。これは、ウェハの配線溝等内に気泡が発生し易いこと及びめっき液の濃度が変化してしまうことが原因であると考えられる。即ち、ウェハ表面には炭素含有物が付着しており、ウェハ表面が強度の疎水状態となっている。ここで、特許文献1では界面活性剤をウェハに供給しているが、このような界面活性剤は有機化合物であり、炭素含有物を除去することは困難である。また、特許文献2ではウェハ表面に純水を供給しているが、例えば純水を霧状にしてウェハに吹き付けることでウェハ表面を濡らし、ウェハ表面が濡れた状態のまま電解めっきを施しているため、ウェハ表面の炭素含有物は除去され難い。このため、界面活性剤及び純水をウェハに供給した場合であっても、依然として強度の疎水状態が維持されているので、配線溝等内に気泡が発生し易くなり、配線溝等内に確実に銅を埋め込むことができないものと考えられる。また、特許文献2では、純水で濡れた状態で電解めっきを施しているためにめっき液が希釈されてしまい、最適値に調整した銅濃度、添加剤濃度が変化してしまう。このため、めっき液の濃度が変化してしまい、配線溝等内に確実に銅を埋め込むことができないものと考えられる。
【0006】
また、上記したようなめっき用前処理装置でウェハに前処理を施した場合には、場所により前処理効果がばらついてしまう。
【0007】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものである。凹部内にめっきを確実に埋め込むことができるめっき方法、断線し難い半導体装置を製造することができる半導体装置の製造方法、及び満遍なく基板を洗浄することができるめっき装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明の一態様によれば、表面に凹部が形成された基板の表面に水を供給し、前記基板を洗浄する工程と、前記洗浄した基板を水切り或いは乾燥する工程と、前記水切り或いは乾燥した基板の表面にめっき液を供給し、前記基板にめっきを施す工程とを具備することを特徴とするめっき方法が提供される。
【0009】
本願発明の他態様によれば、表面に凹部が形成された基板の表面に水を供給し、前記基板に付着している炭素含有物を取り除く工程と、前記炭素含有物を取り除いた基板の表面にめっき液を供給し、前記基板にめっきを施す工程とを具備することを特徴とするめっき方法が提供される。
【0010】
本願発明の他態様によれば、半導体素子が形成され、かつ表面に凹部が形成された基板の表面に水を供給し、前記基板を洗浄する工程と、前記洗浄した基板を水切り或いは乾燥する工程と、前記水切り或いは乾燥した基板の表面にめっき液を供給し、めっき法により前記基板に配線膜を形成する工程と、前記凹部に埋め込まれた部分以外の配線膜を除去する工程とを具備することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0011】
本願発明の他態様によれば、半導体素子が形成され、かつ表面に凹部が形成された基板の表面に水を供給し、前記基板に付着している炭素含有物を取り除く工程と、前記炭素含有物を取り除いた基板を水切り或いは乾燥する工程と、前記水切り或いは乾燥した基板の表面にめっき液を供給し、めっき法により前記基板に配線膜を形成する工程と、前記凹部に埋め込まれた部分以外の配線膜を除去する工程とを具備することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0012】
本願発明の他態様によれば、表面に凹部が形成された基板を保持する基板保持部材と、前記基板保持部材に保持された基板の表面にめっきを施すめっき機構と、前記基板の表面に水を供給する水供給ノズルと、前記基板と前記水供給ノズルとを相対的に移動させる移動機構と、前記水供給ノズルから前記基板の表面に前記水を供給しているときに前記移動機構を作動させるコントローラと、前記基板を回転させる回転機構と、前記基板の回転数、回転方向を制御するコントローラと、を具備することを特徴とするめっき装置が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、第1の実施の形態について説明する。図1は本実施の形態に係る半導体装置の製造プロセスの流れを示したフローチャートであり、図2〜図3は本実施の形態に係る半導体装置の模式的な製造プロセス図である。
【0014】
図1及び図2(a)に示されるように、トランジスタ等のような半導体素子(図示せず)が形成された半導体ウェハW(以下、単に「ウェハ」という。)上に、例えば化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD)により層間絶縁膜1を形成する(ステップ1)。層間絶縁膜1は、例えば低誘電率絶縁物から構成されている。このような低誘電率絶縁物としては、例えば、SiOF、SiOC、或いは多孔質シリカ等が挙げられる。
【0015】
ウェハW上に層間絶縁膜1を形成した後、図2(b)に示されるように、フォトリソグラフィ技術により層間絶縁膜1に配線溝及びビアホールのような凹部1aを形成する(ステップ2)。具体的には、まず、ウェハWを回転させながら層間絶縁膜1上に化学増幅型のフォトレジストを塗布する。フォトレジストを塗布した後、所定のパターンが形成されたマスクを使用して、i線のような紫外線或いはKrF或いはArFのような遠紫外線で露光する。その後、現像液により現像して、層間絶縁膜1上にレジストパターンを形成する。層間絶縁膜1上にレジストパターンを形成した後、レジストパターンをマスクとして、CF4或いはCHF3のようなCF系のガスにより層間絶縁膜1をドライエッチングし、層間絶縁膜1に凹部1aを形成する。最後に、層間絶縁膜1に凹部1aを形成した後、アッシングによりレジストパターンを取り除く。
【0016】
層間絶縁膜1に凹部1aを形成した後、図2(c)に示されるように、層間絶縁膜1上に、例えばスパッタリング或いはCVDにより層間絶縁膜1への金属の拡散を抑制するためのバリア膜2を形成する(ステップ3)。バリア膜2は、導電性材料から構成されている。このような導電性材料は、後述する配線部4aを構成している金属より拡散係数が小さい金属或いは金属窒化物等から構成されている。このような金属としては例えばTa、Ti等が挙げられ、また金属窒化物としては例えばTiN、TaN、或いはWN等が挙げられる。なお、これらの物質を積層したものからバリア膜2を形成してもよい。
【0017】
層間絶縁膜1上にバリア膜2を形成した後、図2(d)に示されるように、バリア膜2上に、例えばスパッタリングにより電解メッキ時に電流を流すためのシード膜3を形成する(ステップ4)。シード膜3は、金属から構成されている。金属としては、例えば、Cu等が挙げられる。
【0018】
バリア膜2上にシード膜3を形成した後、図3(a)に示されるように、ウェハWの表面に水4を供給して、ウェハWを洗浄する(ステップ5)。洗浄の際に供給される水4は、純水であることが好ましい。また、洗浄の際に供給される水4は、炭素含有量が1mg/L未満のものが好ましい。炭素含有量が1mg/L未満の水を使用することにより、より確実にウェハの表面に付着している炭素含有物を除去することができる。
【0019】
ウェハWを洗浄した後、図3(b)に示されるように、ウェハWを回転させて、ウェハWを水切りする(ステップ6)。なお、水切りの代わりにウェハWを乾燥させてもよい。この場合、例えば、ウェハWを加熱することによる乾燥、或いはウェハWを回転させることによる乾燥等のいずれであってもよい。なお、ウェハWを回転させて乾燥する場合には、例えばウェハWの回転数約1000rpm以上で約15秒間以上ウェハWを回転させる。
【0020】
ウェハWを水切りした後、図3(c)に示されるように、ウェハW上にめっき液5を供給して、シード膜3上に電解めっき法により配線膜6を形成する(ステップ7)。ここで、シード膜3は凹部1a内にも形成されているので、配線膜6は凹部1a内にも形成される。配線膜6は、金属から構成されている。金属としては、Cu等が挙げられる。なお、無電解めっき法により配線膜6を形成してもよい。
【0021】
シード膜3上に配線膜6を形成した後、図3(d)に示されるように、例えば化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)により研磨して、凹部1a内に存在する配線膜6の部分6a、シード膜3の部分3a、及びバリア膜2の部分2aのみがそれぞれ残るように層間絶縁膜1上の配線膜6、シード膜3、及びバリア膜2を除去する(ステップ8)。具体的には、ウェハWを研磨パッド(図示せず)に接触させた状態で、ウェハW及び研磨パッドを回転させるとともにウェハW上にスラリ(図示せず)を供給して、配線膜6、シード膜3、及びバリア膜2を研磨する。なお、CMPで研磨する場合に限らず、その他の手法で研磨してもよい。その他の手法としては、例えば電解研磨が挙げられる。これにより、図1に示される半導体装置の製造プロセスが終了する。
【0022】
ステップ5〜ステップ7の工程は、以下のめっき装置により行うことが可能である。図4は本実施の形態に係るめっき装置の模式的な構成図である。図4に示されるように、めっき装置11は、搬送ロボット12,13、載置台14、めっきユニット15、エッチング・洗浄・乾燥ユニット16、アニールユニット17等から構成されている。搬送ロボット12,13は、ウェハ(基板)を搬送するためのものである。具体的には、搬送ロボット12はキャリアカセットCから載置台14に或いは載置台14からキャリアカセットCにウェハを搬送するものであり、搬送ロボット13は載置台14から各ユニットに或いは各ユニットから載置台14にウェハを搬送するものである。
【0023】
めっきユニット15は、前処理ユニット及びめっきユニットが一体化したものであり、前処理及びめっきを連続的に行うためのものである。なお、前処理は、洗浄と水切りとから構成されている。エッチング・洗浄・乾燥ユニット16は、べべルのエッチング、洗浄、乾燥を連続的に行うためのものである。アニールユニット17は、めっきの焼き締めを行うためのものである。
【0024】
めっきユニット15について詳細に説明する。図5は本実施の形態に係るめっきユニット15の模式的な垂直断面図であり、図6は本実施の形態に係るめっきユニット15の模式的な水平平面図であり、図7(a)〜図7(c)は本実施の形態に係るウェハホルダの回転方向及び回転数の模式的なタイミングチャートである。図8(a)〜図8(d)は本実施の形態に係る水供給ノズルの先端の模式的な垂直断面図及び水平断面図であり、図9(a)〜図9(d)は本実施の形態に係る水供給ノズルの移動状態を模式的に示した図である。
【0025】
図5及び図6に示されるように、めっきユニット15は、ハウジング21を備えている。ハウジング21の底面は、飛散しためっき液等を集めることができるように傾斜している。ハウジング21の底面には、排液配管22が接続されており、集められためっき液等が排液配管22を介してハウジング21内から排出されるように構成されている。なお、ハウジング21内から排出された排液は、図示しない排液貯留槽に貯留される。
【0026】
ハウジング21内には、めっき液等の飛散を抑制する飛散抑制カップ23が配置されている。飛散抑制カップ23の底面には、排気を行うための排気配管24が接続されている。飛散抑制カップ23内には、ウェハWを保持するウェハホルダ25(基板保持部材)が配置されている。本実施の形態では、ウェハWは、ウェハWの被めっき面が上向き(フェイスアップ)になるようにウェハホルダ25に保持される。
【0027】
ウェハホルダ25は、ウェハホルダ25を回転させる回転駆動源26の回転軸26aに接続されている。回転駆動源26は、洗浄中、水切り中、めっき中にウェハホルダ25が回転するようにコントローラ27により制御されている。ここで、ウェハホルダ25の回転数及び回転方向等はコントローラ27により制御可能となっている。これにより、ウェハホルダ25の回転及び回転停止が交互に繰り返されるような制御(図7(a))、ウェハホルダ25の正回転及び負回転が交互に繰り返されるような制御(図7(b))、ウェハホルダ25の正回転及び負回転が交互に繰り返され、かつウェハホルダ25の回転数が徐々に上昇及び下降するような制御(図7(c))が可能となる。
【0028】
ウェハホルダ25上には、シード膜3に接触させるカソード電極28が配置されている。カソード電極28にシード膜3を接触させることにより、ウェハWのシード膜3に電流を流すことができる。また、ウェハホルダ25上には、カソード電極28へのめっき液の接触を抑制するシールリング29が配置されている。シールリング29の開口をウェハWで塞ぐことにより、カソード電極28へのめっき液の接触を抑制することができる。
【0029】
ハウジング21内には、対極ヘッド30が配置されている。対極ヘッド30は、カソード電極28との間に電圧が印加されるアノード電極31と、ウェハWにめっき液を供給するためのめっき液供給ノズル32とを備えている。めっき液供給ノズル32とめっき液を貯留しためっき液供給源33とはめっき液供給管34により接続されている。めっき液供給管34には、ポンプ35及びバルブ36が介在している。バルブ36を開放した状態で、ポンプ35を作動させることによりめっき液供給源33からめっき液が汲み出され、めっき液供給ノズル32からめっき液が供給される。ポンプ35は、コントローラ27により制御されている。
【0030】
対極ヘッド30は、移動機構37の一部であるアーム38に取り付けられている。移動機構37は、対極ヘッド30を移動させるものであり、アーム38の他、回転軸39aを備えた回転駆動源39等から構成されている。移動機構37は、めっきが開始される際及びめっきが終了される際に対極ヘッド30が移動するようにコントローラ27により制御されている。具体的には、移動機構37は、めっきが開始される際には対極ヘッド30が退避位置からめっき位置に移動するように制御され、めっきが終了される際には対極ヘッド30がめっき位置から退避位置に移動するように制御されている。
【0031】
ハウジング21内には、ウェハWに水を供給する水供給ノズル40が配置されている。水供給ノズル40の先端形状としては、様々な形状のものが挙げられるが、例えば、図8(a)〜図8(d)に示されるような円筒形状のもの、コーン形状のもの、シャワーヘッド形状のもの等が挙げられる。なお、図5及び図6には水供給ノズル40の先端形状が円筒形状のものが示されている。
【0032】
水供給ノズル40と水を貯留した水供給源41とは水供給管42により接続されている。水供給管42には、ポンプ43及びバルブ44が介在している。バルブ44を開放した状態で、ポンプ43を作動させることにより水供給源41から水が汲み出され、水供給ノズル40から水が供給される。ポンプ43は、コントローラ27により制御されている。ここで、水供給ノズル40から供給される水の供給量等はコントローラ27により制御可能となっている。これにより、水供給ノズル40から勢い良く水が供給されるような制御、或いは水供給ノズル40から穏やかに水が供給されるような制御が可能となる。
【0033】
水供給管42には、脱気ユニット45が介在している。水供給管42に脱気ユニット45を介在させることにより、水に溶解しているガスが除去され、ウェハWへのマイクロバブルの付着を抑制することができる。脱気ユニット45は、ハウジング、ハウジング内に配置されたガスを透過し、かつ水を遮断する性質を有する膜、及びハウジング内の圧力を低下させる真空ポンプ等から構成されている。この真空ポンプが作動することにより、ガスが膜を透過し、水とガスとを分離することができる。
【0034】
なお、水供給管42には、H2、N2のような非酸化性のガスを水に溶解させるガス溶解ユニットを介在させてもよい。水供給管42にガス溶解ユニットを介在させることより、洗浄効率を高めることができる。ガス溶解ユニットは、ハウジングと、非酸化性のガスを貯留するガス供給源等から構成されている。ガス供給源から非酸化性のガスがハウジング内に供給されることにより、水にガスを溶解させることができる。ここで、ハウジング内に非酸化性のガスを圧入する場合には、常圧でハウジング内に非酸化性のガスを供給するよりも水中の非酸化性ガスの濃度を高めることができる。
【0035】
水供給ノズル40は、移動機構46の一部であるアーム47に取り付けられている。移動機構46は水供給ノズル40を移動するためのものである。移動機構46は、洗浄が開始される際及び洗浄が終了される際に水供給ノズル40が移動するようにコントローラ27により制御されている。具体的には、移動機構46は、洗浄が開始される際には水供給ノズル40が退避位置から洗浄位置に移動するように制御され、洗浄が終了される際には水供給ノズル40が洗浄位置から退避位置に移動するように制御されている。
【0036】
また、移動機構46は、洗浄中にも水供給ノズル40が移動するようにコントローラ27により制御されている。ここで、水供給ノズル40の移動方向はコントローラ27により制御可能となっている。これにより、水供給ノズル40がウェハWの直径方向に沿って移動するような制御(図9(a)及び図9(b))、水供給ノズル40がウェハWの周方向に沿って移動するような制御(図9(c))、或いは水供給ノズル40がウェハWの厚み方向に沿って移動するような制御(図9(d))が可能となる。
【0037】
以下、めっきユニット15を使用した場合のウェハWの前処理及びめっきについて説明する。搬送ロボット13によりウェハホルダ25上にウェハWが載置され、ウェハWがウェハホルダ25に保持される。また、ウェハWがカソード電極28に接触するとともにウェハWによりシールリング29の開口が覆われる。これにより、ウェハWの設置が完了する。
【0038】
その後、水供給ノズル40が退避位置から洗浄位置に移動する。水供給ノズル40が洗浄位置に移動した後、ウェハホルダ25の回転によりウェハWが回転するとともに水供給ノズル40から水がウェハW上に供給される。これにより、ウェハWが洗浄される。ここで、ウェハWの洗浄は、水供給ノズル40を移動させ、かつウェハホルダ25の回転数等を変化させながら行われる。
【0039】
十分に洗浄が行われた後、ウェハWが回転している状態で、水供給ノズル40からの水の供給が停止される。これにより、ウェハWの水切りが行われる。十分に水切りが行われた後、対極ヘッド30が退避位置からめっき位置に移動する。また、アノード電極31及びカソード電極28に電圧が印加される。その後、めっき液供給ノズル32からめっき液がウェハW上に供給される。これにより、ウェハW上にめっきが施される。
【0040】
所定の厚さのめっきがウェハW上に施された後、図示しないめっき液回収ノズルからめっき液が吸い上げられ、めっき液が回収される。その後、ウェハWの設置が解除され、ウェハWが搬送ロボット13により搬送される。
【0041】
本実施の形態では、めっき前にウェハWを水で洗浄し、その後水切りをしているので、確実に凹部1a内にめっきを埋め込むことができ、断線し難い半導体装置を製造することができる。即ち、めっき前にウェハWを水で洗浄し、かつ水切りをしているので、凹部1a内に付着している炭酸物或いは有機物等の炭素含有物が除去される。これにより、めっき時に凹部1a内に気泡が発生し難くなる。また、洗浄後水切りをしているので、めっき液が希釈され難く、めっき液の濃度変化を抑制することができる。それ故、凹部1a内に確実にめっきを埋め込むことができ、断線し難い半導体装置を製造することができる。
【0042】
本実施の形態では、洗浄中にウェハWを回転させているので、洗浄度を高めることができる。即ち、洗浄中にウェハWを回転させると、凹部1a内に水が確実に行き渡る。これにより、凹部1a内に付着している炭素含有物が確実に除去される。それ故、洗浄度を高めることができる。
【0043】
本実施の形態では、洗浄後水切りをしているので、ウェハWにめっきが施され易くなる。即ち、洗浄後水切りをすると、ウェハWの表面には水酸基が存在するようになる。これにより、ウェハWの表面のぬれ性が向上し、ウェハWにめっきが施され易くなる。
【0044】
本実施の形態では、洗浄中に水供給ノズル40を移動させるので、満遍なくウェハWの表面及び凹部1a内を洗浄することができる。即ち、例えば、水供給ノズル40からウェハWの中央部に向けて水を供給した場合では、ウェハWの中央部と外周部とでは水の接触状態が異なるので、場所により洗浄度のばらつきが発生してしまう。これに対し、本実施の形態では、洗浄中に水供給ノズル40を移動させるので、場所による洗浄度のばらつきが低減する。それ故、満遍なくウェハWの表面を洗浄することができる。
【0045】
本実施の形態では、前処理とめっきとを行い得るめっきユニット15を使用しているので、スループットを向上させることができるとともに炭素含有物が再び付着する前にめっきを施すことができる。
【0046】
(実施例1)
実施例1について説明する。本実施例では、好適な洗浄時間について調べた。以下、測定条件について説明する。ウェハとしては、上記第1の実施の形態で説明した洗浄前のウェハを使用した。なお、バリア膜は30nmであり、シード膜が60nmであった。洗浄中ウェハの回転数は400rpmであり、水の供給量は1L/minであった。このような条件下で、洗浄時間を変化させながらウェハを洗浄し、水切りを行った。その後、通常のめっき工程によりシード膜上に0.7μmの配線膜を形成し、化学的機械的研磨により余分な配線膜を除去した。そして、このようなウェハにおける凹部内に埋め込まれた配線膜中の欠陥数を欠陥検査装置により測定した。
【0047】
以下、測定結果について述べる。図10は、洗浄時間と欠陥数との関係を示したグラフである。図10に示されるように、洗浄を10秒間行った場合と洗浄を30秒間以上行った場合を比べると、洗浄を30秒間以上行った場合の方が洗浄を10秒間行った場合よりも欠陥数が少ないことが確認された。この結果から、洗浄は30秒間以上行うことが好ましいと考えられる。
【0048】
(実施例2)
実施例2について説明する。本実施例では、洗浄後のウェハ表面のぬれ性について調べた。以下、測定条件について説明する。ウェハとしては、上記第1の実施の形態で説明した洗浄前のウェハを使用した。なお、バリア膜は30nmであり、シード膜が60nmであった。洗浄中のウェハの回転数は400rpmであり、水の供給量は1L/minであった。このような条件下でウェハを洗浄し、水切りを行った。そして、このようなウェハの表面に水を滴下し、このときの水の接触角を測定した。なお、本実施例と比較するために比較例として洗浄していないウェハの表面にも水を滴下し、水の接触角を測定した。
【0049】
以下、測定結果について述べる。図11は、ウェハ中央からの距離と接触角との関係を示したグラフである。図11に示されるように、実施例に係る水の接触角は、比較例に係る水の接触角よりも小さかった。この結果から水で洗浄するとぬれ性が高くなることが確認された。
【0050】
(第2の実施の形態)
以下、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態と重複する内容等については説明を省略する。本実施の形態では、対極ヘッドの移動経路内に入らないような位置に水供給ノズルを配置した例について説明する。図12は本実施の形態に係るめっきユニットの模式的な垂直断面図である。
【0051】
図12に示されるように、ハウジング21の側面付近には、水供給ノズル40が配置されている。水供給ノズル40は、対極ヘッド30の移動経路内に入らないような位置に配置されている。具体的には、水供給ノズル40は、飛散抑制カップ23の外側に配置されている。
【0052】
移動機構46は、水供給ノズル40が洗浄中移動した場合であっても水供給ノズル40が対極ヘッド30の移動経路内に入らないようにコントローラ27により制御されている。
【0053】
本実施の形態では、対極ヘッド30の移動経路内に入らないような位置に水供給ノズル40を配置しているので、水供給ノズル40を退避させることなくウェハWにめっきを施すことができる。これにより、スループットを向上させることができる。
【0054】
(第3の実施の形態)
以下、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態では、前処理とめっきとをハウジング内に在るそれぞれ異なる位置で行う例について説明する。図13は本実施の形態に係るめっきユニットの模式的な垂直断面図である。
【0055】
図13に示されるように、ハウジング21内には、ウェハWに前処理を施す前処理部とウェハWにめっきを施すめっき部とに仕切り分けるための仕切板51が設置されている。なお、前処理部の空間とめっき部の空間とは上部で繋がっている。
【0056】
排液配管22は、前処理部側のハウジング21の底面に接続された排液配管22aと、めっき部側のハウジング21の底面に接続された排液配管22bとから構成されている。排液配管22aは主に水をハウジング21内から排出するためのものであり、排液配管22bは主にめっき液をハウジング21内から排出するためのものである。
【0057】
排気配管24は、前処理部側のハウジング21の側面に接続された排気配管24aと、めっき部側のハウジング21の側面に接続された排気配管24bから構成されている。排気配管24aは主に前処理部を排気するためのものであり、排気配管24bは主にめっき部を排気するためのものである。
【0058】
本実施の形態のウェハホルダ25は、ウェハWの被めっき面が下向き(フェイスダウン)になるようにウェハWを保持するものである。ウェハホルダ25は、回転・移動機構52の一部である回転駆動源53の回転軸53aに接続されている。回転・移動機構52はウェハホルダ25を回転、移送、及び昇降させるものであり、回転駆動源53の他、回転駆動源54、回転駆動源53と回転駆動源54の回転軸54aとに取り付けられた連結部材55等から構成されている。回転駆動源53は、洗浄中、水切り中、めっき中にウェハホルダ25が回転するようにコントローラ27により制御されている。ここで、コントローラ27により洗浄中のウェハホルダ25の回転数及び回転方向等を変化させることも可能である。また、回転駆動源54は、めっきが開始される際にウェハホルダ25が移動するようにコントローラ27により制御されている。具体的には、回転駆動源54は、めっきが開始される際にはウェハホルダ25が前処理部からめっき部に移動するように制御されている。
【0059】
水供給ノズル40は、前処理部に配置されている。本実施の形態では、複数の水供給ノズル40が配置されている。複数の水供給ノズル40を使用することにより、一度に広範囲に水を供給することができる。
【0060】
めっき部には、めっき液が貯留されるめっき液槽56が配置されている。めっき液槽56の底部にはめっき液供給管34が接続されている。めっき液槽56内には、アノード電極31及びめっき液の流れを制御する整流板57が配置されている。
【0061】
以下、めっきユニット15を使用した場合のウェハWの前処理及びめっきについて説明する。搬送ロボット13によりウェハホルダ25にウェハWが保持される。また、ウェハWがカソード電極28に接触するとともにウェハWによりシールリング29の開口が覆われる。これにより、ウェハWの設置が完了する。
【0062】
その後、ウェハホルダ25の回転によりウェハWが回転するとともに水供給ノズル40から水がウェハWに供給される。これにより、ウェハWが洗浄される。ここで、ウェハWの洗浄は、水供給ノズル40を移動及びウェハホルダ25の回転数等を変化させながら行われる。
【0063】
十分に洗浄が行われた後、ウェハWが回転している状態で、水供給ノズル40からの水の供給が停止される。これにより、ウェハWの水切りが行われる。十分に水切りが行われた後、回転・移動機構52の作動によりウェハホルダ25が上昇するとともに水平方向に半回転する。これにより、ウェハWが前処理部からめっき部に移送される。
【0064】
ウェハWが前処理部からめっき部に移動した後、アノード電極31及びカソード電極28に電圧が印加される。その後、回転・移動機構52の作動によりウェハホルダ25が下降し、ウェハWがめっき液に浸漬される。これにより、ウェハW上にめっきが施される。
【0065】
所定の厚さのめっきがウェハW上に施された後、回転・移動機構52の作動によりウェハホルダ25が上昇し、ウェハWがめっき液から引き上げられる。その後、ウェハWの設置が解除され、ウェハWが搬送ロボット13により搬送される。
【0066】
なお、本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されるものではなく、構造や材質、各部材の配置等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。上記実施の形態では、ウェハWを使用しているが、ガラス基板を使用してもよい。第1及び第2の実施の形態では、1つの水供給ノズル40を使用した場合について説明しているが、水供給ノズル40は複数であってもよい。また、第3の実施の形態では、複数の水供給ノズル40を使用した場合について説明しているが、水供給ノズル40は1つであってもよい。
【0067】
【発明の効果】
本発明のめっき方法によれば、凹部内にめっきを確実に埋め込むことができる。本発明の半導体装置の製造方法によれば、断線し難い半導体装置を製造することができる。本発明のめっき装置によれば、満遍なく基板を洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1の実施の形態に係る半導体装置の製造プロセスの流れを示したフローチャートである。
【図2】図2は第1の実施の形態に係る半導体装置の模式的な製造プロセス図である。
【図3】図3は第1の実施の形態に係る半導体装置の模式的な製造プロセス図である。
【図4】図4は第1の実施の形態に係るめっき装置の模式的な構成図である。
【図5】図5は第1の実施の形態に係るめっきユニットの模式的な垂直断面図である。
【図6】図6は第1の実施の形態に係るめっきユニットの模式的な水平平面図である。
【図7】図7(a)〜図7(c)は第1の実施の形態に係るウェハホルダの回転方向及び回転数の模式的なタイミングチャートである。
【図8】図8(a)〜図8(d)は第1の実施の形態に係る水供給ノズルの先端の模式的な垂直断面図及び水平断面図である。
【図9】図9(a)〜図9(d)は第1の実施の形態に係る水供給ノズルの移動状態を模式的に示した図である。
【図10】図10は実施例1に係る洗浄時間と欠陥数との関係を示したグラフである。
【図11】図11は実施例2に係るウェハ中央からの距離と接触角との関係を示したグラフである。
【図12】図12は第2の実施の形態に係るめっきユニットの模式的な垂直断面図である。
【図13】図13は第3の実施の形態に係るめっきユニットの模式的な垂直断面図である。
【符号の説明】
W…ウェハ、1a…凹部、4…水、5…めっき液、6…配線膜、15…めっきユニット、25…ウェハホルダ、27…コントローラ、28…カソード電極、31…アノード電極、40…水供給ノズル、46…移動機構、52…回転・移動機構。
Claims (12)
- 表面に凹部が形成された基板の表面に水を供給し、前記基板を洗浄する工程と、
前記洗浄した基板を水切り或いは乾燥する工程と、
前記水切り或いは乾燥した基板の表面にめっき液を供給し、前記基板にめっきを施す工程と、
を具備することを特徴とするめっき方法。 - 表面に凹部が形成された基板の表面に水を供給し、前記基板に付着している炭素含有物を取り除く工程と、
前記炭素含有物を取り除いた基板の表面にめっき液を供給し、前記基板にめっきを施す工程と、
を具備することを特徴とするめっき方法。 - 前記水は、炭素含有量が1mg/L未満のものであることを特徴とする請求項1又は2記載のめっき方法。
- 前記水の供給は、前記基板を回転させながら行われることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のめっき方法。
- 前記水の供給は、前記基板と前記水を供給する水供給ノズルとを相対的に移動させながら行われることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のめっき方法。
- 半導体素子が形成され、かつ表面に凹部が形成された基板の表面に水を供給し、前記基板を洗浄する工程と、
前記洗浄した基板を水切り或いは乾燥する工程と、
前記水切り或いは乾燥した基板の表面にめっき液を供給し、めっき法により前記基板に配線膜を形成する工程と、
前記凹部に埋め込まれた部分以外の配線膜を除去する工程と、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 半導体素子が形成され、かつ表面に凹部が形成された基板の表面に水を供給し、前記基板に付着している炭素含有物を取り除く工程と、
前記炭素含有物を取り除いた基板を水切り或いは乾燥する工程と、
前記水切り或いは乾燥した基板の表面にめっき液を供給し、めっき法により前記基板に配線膜を形成する工程と、
前記凹部に埋め込まれた部分以外の配線膜を除去する工程と、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記水は、炭素含有量が1mg/L未満のものであることを特徴とする請求項6又は7記載の半導体装置の製造方法。
- 前記水の供給は、前記基板を回転させながら行われることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記水の供給は、前記基板と前記水を供給する水供給ノズルとを相対的に移動させながら行われることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 表面に凹部が形成された基板を保持する基板保持部材と、
前記基板保持部材に保持された基板の表面にめっきを施すめっき機構と、
前記基板の表面に水を供給する水供給ノズルと、
前記基板と前記水供給ノズルとを相対的に移動させる移動機構と、
前記水供給ノズルから前記基板の表面に前記水を供給しているときに前記移動機構を作動させるコントローラと、
前記基板を回転させる回転機構と、
前記基板の回転数、回転方向を制御するコントローラと、
を具備することを特徴とするめっき装置。 - 前記基板表面への水の供給と、前記水が供給された基板の水切り或いは乾燥と、前記水切り或いは乾燥した基板の表面にめっきを施すことによる配線膜の形成とを同一のユニットにて行うことを特徴とする請求項11記載のめっき装置。
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-
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