JP2005029509A - 直接染毛剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】均一な染色性と、優れた耐性を有し、染毛後、毛髪がごわついたりせず、髪に光沢や滑らかさを与える等のコンディショニング効果の高い直接染毛剤組成物を提供する。
【解決手段】アミンオキシド基含有エチレン性不飽和単量体に由来するに相当するアミンオキシド基含有繰り返し単位から成り、更に他のエチレン性不飽和単量体に由来するに相当する繰り返し単位を含んでいてもよい、重量平均分子量が5,000〜1,000,000のアミンオキシド基含有樹脂0.05〜10重量%と、少なくとも1種の直接染料を含有する直接染毛剤組成物。
【解決手段】アミンオキシド基含有エチレン性不飽和単量体に由来するに相当するアミンオキシド基含有繰り返し単位から成り、更に他のエチレン性不飽和単量体に由来するに相当する繰り返し単位を含んでいてもよい、重量平均分子量が5,000〜1,000,000のアミンオキシド基含有樹脂0.05〜10重量%と、少なくとも1種の直接染料を含有する直接染毛剤組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直接染毛剤組成物に関するもので、詳しくは、均一な染色性と、優れた耐性を有し、染毛後、毛髪がごわついたりせず、髪に光沢や滑らかさを与える等のコンディショニング効果の高い直接染毛剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、直接染料を用いた、いわゆる半永久染毛剤は、酸化染料を用いた永久染毛に比べ簡便であるため、広く利用されてきている。しかしながら、通常、直接染料として使用される酸性染料は酸性領域で使用し、塩基性染料は塩基性領域で使用するため、毛髪に損傷を与え、毛髪が粗くなり、もつれや脆弱になる場合があった。また、酸化染料に比べ、染着性が劣り、染毛の効果が持続しないという問題を生じる場合があった。
【0003】
そのため、髪の毛の補修、及び染着性の改善を目的として、直接染毛剤へコンディショニング効果や染着効果のある種々の樹脂を使用することが提案されてきた。例えば、コンディショニング効果を有し、また、酸性染料をイオン相互作用により染着させる効果を有するカチオン性樹脂を染毛の前後に併用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。あるいは、直接染毛剤の中にカチオン性樹脂を配合する事が提案されてきた(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、カチオン性樹脂の使用で染着性は向上するものの、過剰に髪に付着するなどで逆にごわつきの原因にもなるため、ごわつき感を緩和し、染着性を改善するためにカチオン性樹脂と共に両性樹脂、アニオン性樹脂、ノニオン性樹脂を組み合わせた樹脂を含有させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、本発明者等の検討によると、カチオン性樹脂と共に両性樹脂、アニオン性樹脂、ノニオン性樹脂を組み合わせた樹脂を含有させても、使用後の感触、特にごわつき感を完全に解消するまでには至らず、また、染料の染着性も満足するまでには至らなかった。
【0004】
【特許文献1】
特開平2002−29947号公報
【特許文献2】
特開2000−7542号公報
【特許文献3】
特開2002−249419号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術に鑑みなされたものであり、染毛後の毛髪の染毛性、対摩耗性、光沢、滑らかさに優れ、特にごわつき感を低減し、さらに、染着性を向上させたた直接染毛剤組成物の提供を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、カチオン性樹脂よりも極性の弱い、特定の分極性構造を持つ樹脂を、特定量、直接染毛剤に配合することにより前記目的を達成することを見出し本発明を完成したものである。
即ち、本発明の要旨は、アミンオキシド基含有エチレン性不飽和単量体に由来するに相当するアミンオキシド基含有繰り返し単位から成り、更に他のエチレン性不飽和単量体に由来するに相当する繰り返し単位を含んでいてもよい、重量平均分子量が5,000〜1,000,000のアミンオキシド基含有樹脂(以下「アミンオキシド基含有樹脂」と略記する)0.05〜10重量%と、少なくとも1種の直接染料を含有する直接染毛剤組成物に存している。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の直接染毛剤組成物に用いる上記アミンオキシド基含有樹脂の重量平均分子量は、5,000〜1,000,000である。重量平均分子量が5,000未満では、コンディショニング効果(毛髪の保護効果)が充分でなく、1,000,000を超えると粘度が高くなり、取り扱いに支障をきたす。
【0008】
アミンオキシド基含有樹脂は、アミンオキシド基含有単量体を単独で重合、あるいは必要に応じてその他の単量体を共重合して得ることができる。また、アミンオキシド基含有単量体の代わりに、3級アミノ基を有する特定の単量体を用いて、これを重合又は共重合させた後にオキシド化する事によっても得られる。さらに、反応活性な官能基を持つ単量体を重合した後、該官能基と反応しうる活性基およびアミンオキシド基を、併せ持つ化合物を反応させることによっても得られる。
【0009】
本発明に用いられるアミンオキシド基含有単量体としては、例えば式(I)〜(IV)で示される単量体が挙げられる。
【0010】
【化2】
(式中、R1 は水素原子又はメチル基を、R2 とR3 は同一又は異なっていても良いC1 〜C24のアルキル基、C6〜C24のアリール基、又はC7〜C24のアリールアルキル基を、R4とR5 はC1 〜C24のアルキル基、C6〜C24のアリール基、又はC7〜C24のアリールアルキル基を、Xは2価の結合基を、mは0〜1の整数を、nは0〜4の整数を、pは0〜3の整数を、Yは−C(R11)(R12)−、−N(R13)−、−S−及び−O−からなる郡から選ばれる少なくとも1種の二価結合基を表す。
【0011】
R6 〜R13は水素原子又はC1 〜C24のアルキル基、C6〜C24のアリール基、又はC7〜C24のアリールアルキル基を、qとrは同一又は異なっていてもよい1〜10の整数をそれぞれ示す。)
一般式(I)で示される単量体には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピオン酸ビニル、p−ジメチルアミノメチルスチレン、p−ジメチルアミノエチルスチレン、p−ジエチルアミノメチルスチレン、p−ジエチルアミノエチルスチレン等のアミンオキシド化物、あるいは、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水クロトン酸等の不飽和基含有酸無水物と、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、アニリン等の酸無水物との反応活性基を含有した物との反応物、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体とN,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン等のエポキシ基との反応活性基を含有した物との反応物、等のアミンオキシド化物が例示される。また、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体とヒドロキシエチル−N,N−ジメチルアミンオキシドの様にエポキシ基と反応活性な基を含有したアミンオキシド含有物との生成物、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基含有単量体とヒドロキシエチル−N,N−ジメチルアミンオキシド等のイソシアネート基と反応活性な基を含有したアミンオキシド含有物との生成物が例示される。
【0012】
一般式(II)で示される単量体には2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、3−メチル−5−ビニルピリジン、4−メチル−5−ビニルピリジン、6−メチル−5−ビニルピリジン、2−メチル−4−ビニルピリジン、3−メチル−4−ビニルピリジン、2−ラウリル−5−ビニルピリジン、2−ラウリル−4−ビニルピリジン、2−(t−ブチル)−5−ビニルピリジン、2−(t−ブチル)−4−ビニルピリジン、等のアルキル、アリール、アルキルアリール基の付加物等のアミンオキシド化物が例示される。
【0013】
一般式(III )で示される単量体には1−ビニルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、4−メチル−1−ビニルイミダゾール、5−メチル−1−ビニルイミダゾール、2−ラウリル−1−ビニルイミダゾール、4−(t−ブチル)−1−ビニルイミダゾール等のアミンオキシド化物が例示される。一般式(IV)で示される単量体には4−ビニルモルホリン、2−メチル−4−ビニルモルホリン、4−アリルモルホリン、1−ビニルピペリジン、4−メチル−4−ビニルピペリジン、2−ラウリル−1−ビニルピペラジン、2−メチルピペラジノエチルメタクリレート、等のアミンオキシド化物が例示される。
【0014】
これらの中でも、一般式(I)で示される単量体が最も好ましく、特に一般式(I)のR2 とR3 がC1 〜C4 のアルキル基であるものが最も好ましい。
オキシド化される前の3級アミノ基を有する有単量体としては、次式(V)〜(VIII)の単量体が挙げられる。
【0015】
【化3】
(式中のR1 〜R10、m、n、p、q、r、X、Yの定義は、前記式(I)〜(IV)におけるのと同じである。)
本発明のアミンオキシド基含有樹脂は、
(A)アミンオキシド基含有繰り返し単位を含む単量体に由来するに相当する繰り返し単位:30〜100重量%
(B)その他の単量体に由来するに相当する繰り返し単位:0〜70重量%
よりなるものであることが好ましい。
【0016】
アミンオキシド基含有繰り返し単位を含む単量体に由来するに相当する繰り返し単位が30%より少ないと、得られる重合体のコンディショニング効果が劣る。また、その他の単量体に由来するに相当する繰り返し単位が、70重量%超過では、得られる重合体のコンディショニング効果が劣る。その他の単量体はコンディショニング効果を阻害しなければ疎水性単量体でも親水性単量体でも構わない。
【0017】
疎水性単量体としては、C1 〜C24のアルコールの(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸のフルオロアルキルエステル等の(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン等のビニル基含有芳香族化合物、ビニルメチルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等の疎水性ビニルモノマー、ラジカル重合性不飽和基含有シリコンマクロモノマー等の不飽和基含有マクロモノマー等が例示される。ここで疎水性とは25℃における水への溶解度が10g/100g水未満のものを言う。これらの内、炭素数1〜24のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルの具体的例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸セカンダリーブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸セカンダリーペンチル、(メタ)アクリル酸1−エチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチルブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーペンチル、(メタ)アクリル酸3−メチルブチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチルペンチル、(メタ)アクリル酸4−メチルペンチル、(メタ)アクリル酸2−エチルブチル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−ヘプチル、(メタ)アクリル酸3−ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸3,3,5−トリメチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸ドコシル、(メタ)アクリル酸テトラコシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル等が例示される。
【0018】
親水性単量体としては、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、又は同一分子中にアニオン及びカチオン両イオン性を有する両性の単量体がある。
そのような単量体のうち、ノニオン性単量体の具体例を挙げればヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール/プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、N−ポリアルキレンオキシ(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリルアミドと炭素数2〜4のアルキレンオキシドとから誘導される単量体、および(メタ)アクリロニトリル、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ビニルピロリドン、N−(メタ)アクリロイルモルフォリン、アクリルアミド等の親水性モノマーが例示される。
【0019】
アニオン性単量体の具体例を挙げれば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸単量体;不飽和多塩基酸無水物(例えば無水コハク酸、無水フタル酸等)と、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)とのハーフエステル;スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート等のスルホン酸基を有する単量体;アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート等のリン酸基を有する単量体等が例示される。
【0020】
これらのアニオン性不飽和単量体は、酸のまま若しくは部分中和又は完全中和して使用することができ、あるいは、酸のまま共重合に供してから部分中和又は完全中和することもできる。中和に使用する塩基物としては例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アンモニア水、モノ、ジ、トリエタノールアミン、トリメチルアミン等のアミン化合物がある。
【0021】
カチオン性単量体の具体例を挙げれば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、p−ジメチルアミノメチルスチレン、p−ジメチルアミノエチルスチレン、p−ジエチルアミノメチルスチレン、p−ジエチルアミノエチルスチレン等を、カチオン化剤、例えば塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル類、ジメチル硫酸等のジアルキル硫酸類、N−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド等の第3級アミン鉱酸塩のエピクロルヒドリン付加物、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機塩、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸等でカチオン化したカチオン性単量体が例示される。
【0022】
両性不飽和単量体の具体例を挙げれば、前述のカチオン性単量体を、変性化剤としてハロ酢酸ナトリウム又はカリウム等の変性化剤を用いることにより両性イオン系単量体として使用することができる。
その他の単量体として好ましい疎水性単量体としては炭素数4〜24のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルやラジカル重合性不飽和基含有シリコンマクロモノマーであり、好ましい親水性単量体としては両性またはカチオン性単量体が挙げられる。これらはコンディショニング効果を低下させないか、あるいは補助成分として使用する事ができる。
【0023】
中でもより好ましいその他の単量体として、ラジカル重合性不飽和基含有シリコンマクロモノマーが挙げられる。
直接染毛剤における好ましい他のコンディショニング成分としてシリコーン化合物が好適に使用されるが、本アミンオキシド基含有樹脂にシリコーン化合物としての性能を付与する手段として、下記式(IX)で表される少なくとも1つの末端に重合性不飽和基を含有するポリシロキサン化合物を共重合する事ができる。
【0024】
【化4】
式中、D、Eは下記式(X)または式(XI)で表される不飽和結合含有基を示し、それぞれ同一でも異なっていても良い。
【0025】
【化5】
ここで、式中R1及びR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、又は末端がヒドロキシル基、アルコキシ基もしくはアルキルカルボニルオキシ基で置換されたポリオキシアルキレン基を示し、R2は水素原子又はメチル基を示し、Xはイミノ基又は酸素原子を示し、nは4〜500の整数を示し、pは1〜4の整数を示し、qは0〜4の整数示し、mは0〜4の整数を示す。
【0026】
この少なくとも1つの末端に重合性不飽和基を含有するポリシロキサン化合物が好ましく、その他の単量体として使用する場合には0.1〜30重量%がより好ましい。
本共重合体はアミンオキシド基によるコンディショニング効果の他にシリコーンのコンディショニング効果を有するのでより好ましいと言える。
【0027】
実際に、本発明のアミンオキシド基含有樹脂を製造する場合は、
▲1▼前記式(V)〜(VIII)で表わされる窒素含有前駆体単量体をオキシド化し、得られたアミンオキシド基含有単量体を重合又は共重合させる方法、
▲2▼前記式(V)〜(VIII)で表わされる窒素含有前駆体単量体を単独あるいは共重合させ、得られた窒素含有重合体をオキシド化する方法
▲3▼反応活性な官能基をもつ単量体を重合した後、当該官能基と反応し得る活性基及びアミンオキシド基を合せ持った物質を反応させる方法
等が採用できる。中でも▲2▼の方法が好ましい。
【0028】
アミンオキシド基含有樹脂は、上記単量体成分を通常ラジカル重合開始剤の存在下に、溶液重合、バルク重合、懸濁重合等の公知の方法で重合させることにより得られる。特に溶液重合により好適に得ることが出来る。また、重合溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等の有機溶剤が単独または、2種以上を混合して使用される。
【0029】
ラジカル重合開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジーt−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の過酸化物等が用いられる。これらの重合開始剤は(A)(B)成分に対して、通常0.01〜5重量%用いられる。重合は通常窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で30℃〜120℃、好ましくは40℃〜100℃で1〜20時間の範囲で行われる。
【0030】
次にオキシド化については、例えば上記▲2▼の方法で、本発明に用いられるアミンオキシド基含有水溶性樹脂を製造する場合、単量体成分を重合させて得られた前駆体ポリマー溶液に、オキシド化剤を加えて20℃〜100℃の範囲で0.1〜100時間、好ましくは1〜50時間オキシド化することによってアミンオキシド基含有水溶性樹脂が得られる。
【0031】
オキシド化剤としては過酸化物又はオゾン等の酸化剤が用いられる。過酸化物は、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、過酢酸、メタクロロ過安息香酸、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキシド等が挙げられるが、一般的には過酸化水素が、通常は水溶液の形で用いられる。オキシド化剤の使用量は前駆体ポリマー中に含まれるオキシド化可能な官能基に対して、0.2〜3倍モル当量の割合で使用し、更に0.5〜2倍モル当量使用するのがより好ましい。得られた樹脂溶液は、残存した過酸化物を未処理のままで毛髪化粧料に使用することもできるが、公知の方法で処理した後、使用することもできる。具体的には還元剤添加処理、イオン交換処理、活性炭処理、金属触媒による処理等があげられる。
【0032】
得られた樹脂溶液はそのまま使用することもできるが、必要に応じて再沈殿、溶媒留去等の公知の方法でアミンオキシド基含有樹脂を単離して使用することも出来る。また、単離したアミンオキシド基含有樹脂は、必要ならば再沈殿や、溶剤洗浄、膜分離、吸着処理等によってさらに精製できる。得られる樹脂の分子量は、重合反応時における開始剤濃度、単量体濃度、反応温度等によりコントロールすることが可能である。
【0033】
これらアミンオキシド基含有樹脂の基本的製造法は特開平10−72323号公報などに公知である。
直接染毛剤組成物におけるアミンオキシド基含有樹脂の含有量は組成物総重量の0.05〜10重量%である。0.05重量%以下であると髪を保護する効果に乏しく、10重量%を超えても効果の改善は認められない。
【0034】
本発明に用いられる直接染料はニトロ染料、アゾ染料、ニトロソ染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、キノリン染料、アントラキノリン染料、インジゴ染料などが挙げられる。
好ましい酸性染料の具体的例としてはアシッドブラック1、アシッドブルー1、アシッドブルー5、アシッドブルー9、アシッドブルー74、アシッドレッド18、アシッドレッド26、アシッドレッド27、アシッドレッド33、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド87、アシッドレッド88、アシッドレッド92、アシッドレッド94、アシッドレッド95、アシッドオレンジ7、アシッドオレンジ20、アシッドオレンジ24、アシッドバイオレッド9、アシッドバイオレッド43、アシッドイエロー1,アシッドイエロー3、アシッドイエロー23、アシッドイエロー73、アシッドグリーン5、アシッドグリーン25、アシッドグリーン36、フッドレッド1、フッドレッド6、フッドグリーン3、ソルベントグリーン7等が挙げられる。
【0035】
好ましい塩基性染料の具体例としてはベーシックブルー6、ベーシックブルー7、ベーシックブルー9、ベーシックブルー26、ベーシックブルー41、ベーシックブルー99、ベーシックブラウン4、ベーシックブラウン16、ベーシックブラウン17、ナチュラルブラウン7、ベーシックグリーン1、ベーシックレッド2、ベーシックレッド22、ベーシックレッド51、ベーシックレッド76、ベーシックバイオレッド1、ベーシックバイオレッド3、ベーシックバイオレッド10、ベーシックバイオレッド14、ベーシックイエロー57、ベーシックイエロー87、ベーシックオレンジ31等が挙げられる。
【0036】
また、植物染料を単独または前述の酸性染料や塩基性染料と組み合わせて用いることもできる。例えばヘンナ、アルカンナ根、ラッカイン根、インディゴ、ロッグウッド粉、アカネ根、ダイオウ粉等を使用することができる。
これら直接染料は、組成物総重量に対して、通常0.01〜15重量%、好ましくは0.05〜10重量%である。0.01重量%より少ないと、染色に十分な効果が得られず、15重量%を超えても添加量の増加に見合うような効果の改善は見られず、経済的でない。
【0037】
一般に酸性染料は染毛性の点から酸性領域で使用される。組成物のpHは1.5〜5.5が好ましく、より好ましくは1.5〜5である。pHが1.5より低いと頭髪や頭皮を痛め、pHが5.5より高いと染毛性が低下する。このpHの調整は、例えば、乳酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸等の有機酸、リン酸、塩酸等の無機酸で行うことができる。
【0038】
一方、塩基性染料は特に制限されないが、pH6〜10が好ましい。このpHの調整には前記のような酸類、あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等のアルカリ類が使用される。
本発明の直接染毛剤組成物に用いられる媒体は、好ましくは、水を中心とする水性溶媒であるが、アルコール類、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール及びフェニルエチルアルコール、グリコール類又はグリコールエステル類、例えばエチレングリコールのモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテル、プロピレングリコール又はそのエーテル、例えばプロピレングリコールのモノメチルエーテル、ブチレングリコール、ジブチレングリコール並びにジエチレングリコールのアルキルエーテル、例えば、ジエチレングリコールのモノエチルエーテル又はモノブチルエーテル、あるいはN−メチルピロリドン等の化粧品的に許容される有機溶媒から選択することができる。
【0039】
特に、ベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、フェネチルエタノール、ベンジルオキシエタノール、フェニルエタノール等の芳香族アルコールが染着効果を上げる点で好適に使用される。
本発明の直接染毛剤組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて種々の添加剤を使用することができる。例えば、酸化剤は本発明の染毛剤組成物に必須の成分ではないが、毛髪のメラニンを明るくさせて、染毛を引き立てるために配合される場合がある。好適に使用される酸化剤としては過酸化水素、過酸化尿素、アルカリ金属の臭素酸塩類、過ホウ素酸塩類、過硫酸塩類から選択される。特に好ましくは過酸化水素の水溶液が使用される。
【0040】
更に、流動パラフィンやワセリン等の炭化水素類、高級アルコール類、エステル油、脂肪酸、シリコーン及びその誘導体、多価アルコール、紫外線吸収剤、防腐剤、界面活性剤、ヒドロキシセルロースやポリアクリル酸アミドなどの有機あるいは無機増粘剤、噴射剤、香料、パール化剤、金属封止剤、酸化防止剤、アミノ酸、防腐剤、抗炎剤などを配合しても良い。そして、これらの添加剤は公知のものを使用する事ができる。
【0041】
本発明の直接染毛剤組成物の剤型としては、液状、乳液状、クリーム状、ゲル状あるいはエアゾール状など、通常使用されている形態を用いることができる。
本発明の直接染毛剤組成物を使用する場合は、当該染毛剤を毛髪に塗布し、しばらく放置した後、シャンプーなどにより毛髪に残存する染毛料を洗い流せばよい。放置にあたってはそのまま30〜60分放置しても良いが、加温器等で30〜60℃、5〜30分間加温することが好ましい。
【0042】
本発明の直接染毛剤組成物はアミンオキシド基含有樹脂の配合効果により、染毛の際の髪へのダメージを低減し、染毛後、毛髪がごわついたりせず、髪に光沢や滑らかさを与える。髪のダメージを低減するコンディショニング効果の他に、アミンオキシド基は分極性のため、酸性染料、塩基性染料いずれの染料に対しても一定の親和性があり、かつ毛髪に対する親和性も良好なため、染着性にも効果を発揮する。特に直接染料として酸性染料を酸性領域で用いた場合には、酸性染料の定着性を促し、優れた染毛効果を与える点でより好ましい直接染毛剤組成物を提供する。アミンオキシド基含有樹脂が酸性領域における酸性染料の染着性に効果がある理由は明確では無いが、酸性領域ではアミンオキシド基がより強くカチオン性を示すため、染着効果を発揮するためでは無いかと推定される。尚、洗髪後は分極性に戻るためアミンオキシド基自体の持つコンディショニング効果に影響は少ないと考えられる。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
<製造例>
製造例1:
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管及び撹拌装置付きの反応器にN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート90重量部、ラウリルメタクリレート10重量部、及び無水エタノール150重量部を入れ、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を仕込み、窒素雰囲気下80℃で6時間反応、更に2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を追加して、80℃で6時間反応を継続した。
【0044】
次に60℃に冷却した後、用いたN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートと当モルの過酸化水素の35%水溶液を滴下ロートにて重合溶液に1時間で滴下し、さらに20時間撹拌を続けることによってジメチルアミノ基のオキシド化を行った。オキシド化反応の終了は、反応液のアミン価測定(自動滴定装置(平沼産業(株)製COMTITE−101)を用いた中和滴定法)により確認した。冷却後、精製水加えてを樹脂濃度を30%に調整し、アミンオキシド基含有樹脂の溶液「P−1」を得た。尚、得られた樹脂の重量平均分子量は、PEGを標準物質として、ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(TOSOH製GPC)法により求め、180,000であった。また、赤外吸収スペクトル法(日本分光工業(株)製、IR−700)により、N−Oの吸収が認められ、アミンオキシド基の生成を確認した。
製造例2:
製造例1と同様な反応器にN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート70部、メチルメタクリレート10部、ステアリルメタクリレート20部、及び無水エタノール100部を入れ、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.4部を仕込み、窒素雰囲気下、80℃で8時間反応後、60℃に冷却した。次に、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートの0.8倍モルの過酸化水素35%水溶液を1時間で滴下し、更に15時間攪拌を続け、次いで、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートの0.2倍モルのモノクロル酢酸ナトリウムの40%無水エタノール溶液を添加し、更に10時間撹拌を続けることにより、ジメチルアミノ基のオキシド化ならびにカルボキシベタイン化を行なった。冷却後、精製水加えてを樹脂濃度を30%に調整し、アミンオキシド基とカルボキシベタイン基を含有する樹脂の溶液「P−2」を得た。尚、得られた樹脂の平均分子量は110,000であった。
製造例3:
製造例1と同様な反応器にN,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド95重量部、片末端メタクリロイルオキシ基含有ポリシロキサン(チッソ(株)製、FM0721) 5重量部、2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.6重量部、及び無水エタノール150重量部を加え窒素雰囲気下80℃で加熱還流し更に10時間重合を行った。
【0045】
次に、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドの1.0倍モルの過酸化水素の35%水溶液を滴下ロートにて重合溶液に1時間で滴下し、さらに10時間撹拌を続けることによってジメチルアミノ基のオキシド化を行った。オキシド化反応の終了は、反応液のアミン価測定により確認した。次いで精製水を添加して調整し、樹脂含量30重量%の溶液「P−3」を得た。尚、得られた樹脂の重量平均分子量は80,000であった。また、赤外吸収スペクトルよりN−Oの吸収が認められ、アミンオキシド基の生成を確認した。
<評価方法>
白髪混じりの人毛毛束に直接染毛組成物を塗布し、45℃で10〜15分放置した。その後、更に室温で5〜10分放置後、通常のシャンプーにて洗浄、乾燥させた。この毛束を下記の3項目について評価した。
1)染毛力: 上記毛束の染まり具合を下記の基準で目視にて評価した。
【0046】
◎:非常に良く染まる
○:良く染まる
△:ふつう
×:あまり染まらない
2)付着性: 染毛剤組成物を男女20名に使用してもらい、下記基準で付着性について官能評価をおこなった。
【0047】
◎: 18人以上が良いと感じた
○: 13人以上、17人以下が良いと感じた
△: 5人以上、12人以下満が良いと感じた
×: 4人以下が良いと感じた
3)感触: 染毛剤組成物を男女20名に使用してもらい、下記基準で感触について官能評価をおこなった。
【0048】
◎: 18人以上が良いと感じた
○: 13人以上、17人以下が良いと感じた
△: 5人以上、12人以下満が良いと感じた
×: 4人以下が良いと感じた
<実施例1〜3、比較例1〜2>
表1に示した直接染毛剤組成物の配合例の配合に従って、上記の評価を実施した。数値は重量%を示す。評価結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
<結果の評価>
1)比較例1、2の直接染毛剤組成物は、本発明のアミンオキシド基含有樹脂を含有しておらず、本発明の範囲外であり、染毛力、付着性、感触が劣っている。
【発明の属する技術分野】
本発明は、直接染毛剤組成物に関するもので、詳しくは、均一な染色性と、優れた耐性を有し、染毛後、毛髪がごわついたりせず、髪に光沢や滑らかさを与える等のコンディショニング効果の高い直接染毛剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、直接染料を用いた、いわゆる半永久染毛剤は、酸化染料を用いた永久染毛に比べ簡便であるため、広く利用されてきている。しかしながら、通常、直接染料として使用される酸性染料は酸性領域で使用し、塩基性染料は塩基性領域で使用するため、毛髪に損傷を与え、毛髪が粗くなり、もつれや脆弱になる場合があった。また、酸化染料に比べ、染着性が劣り、染毛の効果が持続しないという問題を生じる場合があった。
【0003】
そのため、髪の毛の補修、及び染着性の改善を目的として、直接染毛剤へコンディショニング効果や染着効果のある種々の樹脂を使用することが提案されてきた。例えば、コンディショニング効果を有し、また、酸性染料をイオン相互作用により染着させる効果を有するカチオン性樹脂を染毛の前後に併用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。あるいは、直接染毛剤の中にカチオン性樹脂を配合する事が提案されてきた(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、カチオン性樹脂の使用で染着性は向上するものの、過剰に髪に付着するなどで逆にごわつきの原因にもなるため、ごわつき感を緩和し、染着性を改善するためにカチオン性樹脂と共に両性樹脂、アニオン性樹脂、ノニオン性樹脂を組み合わせた樹脂を含有させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、本発明者等の検討によると、カチオン性樹脂と共に両性樹脂、アニオン性樹脂、ノニオン性樹脂を組み合わせた樹脂を含有させても、使用後の感触、特にごわつき感を完全に解消するまでには至らず、また、染料の染着性も満足するまでには至らなかった。
【0004】
【特許文献1】
特開平2002−29947号公報
【特許文献2】
特開2000−7542号公報
【特許文献3】
特開2002−249419号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術に鑑みなされたものであり、染毛後の毛髪の染毛性、対摩耗性、光沢、滑らかさに優れ、特にごわつき感を低減し、さらに、染着性を向上させたた直接染毛剤組成物の提供を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、カチオン性樹脂よりも極性の弱い、特定の分極性構造を持つ樹脂を、特定量、直接染毛剤に配合することにより前記目的を達成することを見出し本発明を完成したものである。
即ち、本発明の要旨は、アミンオキシド基含有エチレン性不飽和単量体に由来するに相当するアミンオキシド基含有繰り返し単位から成り、更に他のエチレン性不飽和単量体に由来するに相当する繰り返し単位を含んでいてもよい、重量平均分子量が5,000〜1,000,000のアミンオキシド基含有樹脂(以下「アミンオキシド基含有樹脂」と略記する)0.05〜10重量%と、少なくとも1種の直接染料を含有する直接染毛剤組成物に存している。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の直接染毛剤組成物に用いる上記アミンオキシド基含有樹脂の重量平均分子量は、5,000〜1,000,000である。重量平均分子量が5,000未満では、コンディショニング効果(毛髪の保護効果)が充分でなく、1,000,000を超えると粘度が高くなり、取り扱いに支障をきたす。
【0008】
アミンオキシド基含有樹脂は、アミンオキシド基含有単量体を単独で重合、あるいは必要に応じてその他の単量体を共重合して得ることができる。また、アミンオキシド基含有単量体の代わりに、3級アミノ基を有する特定の単量体を用いて、これを重合又は共重合させた後にオキシド化する事によっても得られる。さらに、反応活性な官能基を持つ単量体を重合した後、該官能基と反応しうる活性基およびアミンオキシド基を、併せ持つ化合物を反応させることによっても得られる。
【0009】
本発明に用いられるアミンオキシド基含有単量体としては、例えば式(I)〜(IV)で示される単量体が挙げられる。
【0010】
【化2】
(式中、R1 は水素原子又はメチル基を、R2 とR3 は同一又は異なっていても良いC1 〜C24のアルキル基、C6〜C24のアリール基、又はC7〜C24のアリールアルキル基を、R4とR5 はC1 〜C24のアルキル基、C6〜C24のアリール基、又はC7〜C24のアリールアルキル基を、Xは2価の結合基を、mは0〜1の整数を、nは0〜4の整数を、pは0〜3の整数を、Yは−C(R11)(R12)−、−N(R13)−、−S−及び−O−からなる郡から選ばれる少なくとも1種の二価結合基を表す。
【0011】
R6 〜R13は水素原子又はC1 〜C24のアルキル基、C6〜C24のアリール基、又はC7〜C24のアリールアルキル基を、qとrは同一又は異なっていてもよい1〜10の整数をそれぞれ示す。)
一般式(I)で示される単量体には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピオン酸ビニル、p−ジメチルアミノメチルスチレン、p−ジメチルアミノエチルスチレン、p−ジエチルアミノメチルスチレン、p−ジエチルアミノエチルスチレン等のアミンオキシド化物、あるいは、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水クロトン酸等の不飽和基含有酸無水物と、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、アニリン等の酸無水物との反応活性基を含有した物との反応物、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体とN,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン等のエポキシ基との反応活性基を含有した物との反応物、等のアミンオキシド化物が例示される。また、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体とヒドロキシエチル−N,N−ジメチルアミンオキシドの様にエポキシ基と反応活性な基を含有したアミンオキシド含有物との生成物、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基含有単量体とヒドロキシエチル−N,N−ジメチルアミンオキシド等のイソシアネート基と反応活性な基を含有したアミンオキシド含有物との生成物が例示される。
【0012】
一般式(II)で示される単量体には2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、3−メチル−5−ビニルピリジン、4−メチル−5−ビニルピリジン、6−メチル−5−ビニルピリジン、2−メチル−4−ビニルピリジン、3−メチル−4−ビニルピリジン、2−ラウリル−5−ビニルピリジン、2−ラウリル−4−ビニルピリジン、2−(t−ブチル)−5−ビニルピリジン、2−(t−ブチル)−4−ビニルピリジン、等のアルキル、アリール、アルキルアリール基の付加物等のアミンオキシド化物が例示される。
【0013】
一般式(III )で示される単量体には1−ビニルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、4−メチル−1−ビニルイミダゾール、5−メチル−1−ビニルイミダゾール、2−ラウリル−1−ビニルイミダゾール、4−(t−ブチル)−1−ビニルイミダゾール等のアミンオキシド化物が例示される。一般式(IV)で示される単量体には4−ビニルモルホリン、2−メチル−4−ビニルモルホリン、4−アリルモルホリン、1−ビニルピペリジン、4−メチル−4−ビニルピペリジン、2−ラウリル−1−ビニルピペラジン、2−メチルピペラジノエチルメタクリレート、等のアミンオキシド化物が例示される。
【0014】
これらの中でも、一般式(I)で示される単量体が最も好ましく、特に一般式(I)のR2 とR3 がC1 〜C4 のアルキル基であるものが最も好ましい。
オキシド化される前の3級アミノ基を有する有単量体としては、次式(V)〜(VIII)の単量体が挙げられる。
【0015】
【化3】
(式中のR1 〜R10、m、n、p、q、r、X、Yの定義は、前記式(I)〜(IV)におけるのと同じである。)
本発明のアミンオキシド基含有樹脂は、
(A)アミンオキシド基含有繰り返し単位を含む単量体に由来するに相当する繰り返し単位:30〜100重量%
(B)その他の単量体に由来するに相当する繰り返し単位:0〜70重量%
よりなるものであることが好ましい。
【0016】
アミンオキシド基含有繰り返し単位を含む単量体に由来するに相当する繰り返し単位が30%より少ないと、得られる重合体のコンディショニング効果が劣る。また、その他の単量体に由来するに相当する繰り返し単位が、70重量%超過では、得られる重合体のコンディショニング効果が劣る。その他の単量体はコンディショニング効果を阻害しなければ疎水性単量体でも親水性単量体でも構わない。
【0017】
疎水性単量体としては、C1 〜C24のアルコールの(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸のフルオロアルキルエステル等の(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン等のビニル基含有芳香族化合物、ビニルメチルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等の疎水性ビニルモノマー、ラジカル重合性不飽和基含有シリコンマクロモノマー等の不飽和基含有マクロモノマー等が例示される。ここで疎水性とは25℃における水への溶解度が10g/100g水未満のものを言う。これらの内、炭素数1〜24のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルの具体的例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸セカンダリーブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸セカンダリーペンチル、(メタ)アクリル酸1−エチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチルブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーペンチル、(メタ)アクリル酸3−メチルブチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチルペンチル、(メタ)アクリル酸4−メチルペンチル、(メタ)アクリル酸2−エチルブチル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−ヘプチル、(メタ)アクリル酸3−ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸3,3,5−トリメチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸ドコシル、(メタ)アクリル酸テトラコシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル等が例示される。
【0018】
親水性単量体としては、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、又は同一分子中にアニオン及びカチオン両イオン性を有する両性の単量体がある。
そのような単量体のうち、ノニオン性単量体の具体例を挙げればヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール/プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、N−ポリアルキレンオキシ(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリルアミドと炭素数2〜4のアルキレンオキシドとから誘導される単量体、および(メタ)アクリロニトリル、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ビニルピロリドン、N−(メタ)アクリロイルモルフォリン、アクリルアミド等の親水性モノマーが例示される。
【0019】
アニオン性単量体の具体例を挙げれば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸単量体;不飽和多塩基酸無水物(例えば無水コハク酸、無水フタル酸等)と、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)とのハーフエステル;スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート等のスルホン酸基を有する単量体;アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート等のリン酸基を有する単量体等が例示される。
【0020】
これらのアニオン性不飽和単量体は、酸のまま若しくは部分中和又は完全中和して使用することができ、あるいは、酸のまま共重合に供してから部分中和又は完全中和することもできる。中和に使用する塩基物としては例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アンモニア水、モノ、ジ、トリエタノールアミン、トリメチルアミン等のアミン化合物がある。
【0021】
カチオン性単量体の具体例を挙げれば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、p−ジメチルアミノメチルスチレン、p−ジメチルアミノエチルスチレン、p−ジエチルアミノメチルスチレン、p−ジエチルアミノエチルスチレン等を、カチオン化剤、例えば塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル類、ジメチル硫酸等のジアルキル硫酸類、N−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド等の第3級アミン鉱酸塩のエピクロルヒドリン付加物、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機塩、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸等でカチオン化したカチオン性単量体が例示される。
【0022】
両性不飽和単量体の具体例を挙げれば、前述のカチオン性単量体を、変性化剤としてハロ酢酸ナトリウム又はカリウム等の変性化剤を用いることにより両性イオン系単量体として使用することができる。
その他の単量体として好ましい疎水性単量体としては炭素数4〜24のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルやラジカル重合性不飽和基含有シリコンマクロモノマーであり、好ましい親水性単量体としては両性またはカチオン性単量体が挙げられる。これらはコンディショニング効果を低下させないか、あるいは補助成分として使用する事ができる。
【0023】
中でもより好ましいその他の単量体として、ラジカル重合性不飽和基含有シリコンマクロモノマーが挙げられる。
直接染毛剤における好ましい他のコンディショニング成分としてシリコーン化合物が好適に使用されるが、本アミンオキシド基含有樹脂にシリコーン化合物としての性能を付与する手段として、下記式(IX)で表される少なくとも1つの末端に重合性不飽和基を含有するポリシロキサン化合物を共重合する事ができる。
【0024】
【化4】
式中、D、Eは下記式(X)または式(XI)で表される不飽和結合含有基を示し、それぞれ同一でも異なっていても良い。
【0025】
【化5】
ここで、式中R1及びR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、又は末端がヒドロキシル基、アルコキシ基もしくはアルキルカルボニルオキシ基で置換されたポリオキシアルキレン基を示し、R2は水素原子又はメチル基を示し、Xはイミノ基又は酸素原子を示し、nは4〜500の整数を示し、pは1〜4の整数を示し、qは0〜4の整数示し、mは0〜4の整数を示す。
【0026】
この少なくとも1つの末端に重合性不飽和基を含有するポリシロキサン化合物が好ましく、その他の単量体として使用する場合には0.1〜30重量%がより好ましい。
本共重合体はアミンオキシド基によるコンディショニング効果の他にシリコーンのコンディショニング効果を有するのでより好ましいと言える。
【0027】
実際に、本発明のアミンオキシド基含有樹脂を製造する場合は、
▲1▼前記式(V)〜(VIII)で表わされる窒素含有前駆体単量体をオキシド化し、得られたアミンオキシド基含有単量体を重合又は共重合させる方法、
▲2▼前記式(V)〜(VIII)で表わされる窒素含有前駆体単量体を単独あるいは共重合させ、得られた窒素含有重合体をオキシド化する方法
▲3▼反応活性な官能基をもつ単量体を重合した後、当該官能基と反応し得る活性基及びアミンオキシド基を合せ持った物質を反応させる方法
等が採用できる。中でも▲2▼の方法が好ましい。
【0028】
アミンオキシド基含有樹脂は、上記単量体成分を通常ラジカル重合開始剤の存在下に、溶液重合、バルク重合、懸濁重合等の公知の方法で重合させることにより得られる。特に溶液重合により好適に得ることが出来る。また、重合溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等の有機溶剤が単独または、2種以上を混合して使用される。
【0029】
ラジカル重合開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジーt−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の過酸化物等が用いられる。これらの重合開始剤は(A)(B)成分に対して、通常0.01〜5重量%用いられる。重合は通常窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で30℃〜120℃、好ましくは40℃〜100℃で1〜20時間の範囲で行われる。
【0030】
次にオキシド化については、例えば上記▲2▼の方法で、本発明に用いられるアミンオキシド基含有水溶性樹脂を製造する場合、単量体成分を重合させて得られた前駆体ポリマー溶液に、オキシド化剤を加えて20℃〜100℃の範囲で0.1〜100時間、好ましくは1〜50時間オキシド化することによってアミンオキシド基含有水溶性樹脂が得られる。
【0031】
オキシド化剤としては過酸化物又はオゾン等の酸化剤が用いられる。過酸化物は、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、過酢酸、メタクロロ過安息香酸、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキシド等が挙げられるが、一般的には過酸化水素が、通常は水溶液の形で用いられる。オキシド化剤の使用量は前駆体ポリマー中に含まれるオキシド化可能な官能基に対して、0.2〜3倍モル当量の割合で使用し、更に0.5〜2倍モル当量使用するのがより好ましい。得られた樹脂溶液は、残存した過酸化物を未処理のままで毛髪化粧料に使用することもできるが、公知の方法で処理した後、使用することもできる。具体的には還元剤添加処理、イオン交換処理、活性炭処理、金属触媒による処理等があげられる。
【0032】
得られた樹脂溶液はそのまま使用することもできるが、必要に応じて再沈殿、溶媒留去等の公知の方法でアミンオキシド基含有樹脂を単離して使用することも出来る。また、単離したアミンオキシド基含有樹脂は、必要ならば再沈殿や、溶剤洗浄、膜分離、吸着処理等によってさらに精製できる。得られる樹脂の分子量は、重合反応時における開始剤濃度、単量体濃度、反応温度等によりコントロールすることが可能である。
【0033】
これらアミンオキシド基含有樹脂の基本的製造法は特開平10−72323号公報などに公知である。
直接染毛剤組成物におけるアミンオキシド基含有樹脂の含有量は組成物総重量の0.05〜10重量%である。0.05重量%以下であると髪を保護する効果に乏しく、10重量%を超えても効果の改善は認められない。
【0034】
本発明に用いられる直接染料はニトロ染料、アゾ染料、ニトロソ染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、キノリン染料、アントラキノリン染料、インジゴ染料などが挙げられる。
好ましい酸性染料の具体的例としてはアシッドブラック1、アシッドブルー1、アシッドブルー5、アシッドブルー9、アシッドブルー74、アシッドレッド18、アシッドレッド26、アシッドレッド27、アシッドレッド33、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド87、アシッドレッド88、アシッドレッド92、アシッドレッド94、アシッドレッド95、アシッドオレンジ7、アシッドオレンジ20、アシッドオレンジ24、アシッドバイオレッド9、アシッドバイオレッド43、アシッドイエロー1,アシッドイエロー3、アシッドイエロー23、アシッドイエロー73、アシッドグリーン5、アシッドグリーン25、アシッドグリーン36、フッドレッド1、フッドレッド6、フッドグリーン3、ソルベントグリーン7等が挙げられる。
【0035】
好ましい塩基性染料の具体例としてはベーシックブルー6、ベーシックブルー7、ベーシックブルー9、ベーシックブルー26、ベーシックブルー41、ベーシックブルー99、ベーシックブラウン4、ベーシックブラウン16、ベーシックブラウン17、ナチュラルブラウン7、ベーシックグリーン1、ベーシックレッド2、ベーシックレッド22、ベーシックレッド51、ベーシックレッド76、ベーシックバイオレッド1、ベーシックバイオレッド3、ベーシックバイオレッド10、ベーシックバイオレッド14、ベーシックイエロー57、ベーシックイエロー87、ベーシックオレンジ31等が挙げられる。
【0036】
また、植物染料を単独または前述の酸性染料や塩基性染料と組み合わせて用いることもできる。例えばヘンナ、アルカンナ根、ラッカイン根、インディゴ、ロッグウッド粉、アカネ根、ダイオウ粉等を使用することができる。
これら直接染料は、組成物総重量に対して、通常0.01〜15重量%、好ましくは0.05〜10重量%である。0.01重量%より少ないと、染色に十分な効果が得られず、15重量%を超えても添加量の増加に見合うような効果の改善は見られず、経済的でない。
【0037】
一般に酸性染料は染毛性の点から酸性領域で使用される。組成物のpHは1.5〜5.5が好ましく、より好ましくは1.5〜5である。pHが1.5より低いと頭髪や頭皮を痛め、pHが5.5より高いと染毛性が低下する。このpHの調整は、例えば、乳酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸等の有機酸、リン酸、塩酸等の無機酸で行うことができる。
【0038】
一方、塩基性染料は特に制限されないが、pH6〜10が好ましい。このpHの調整には前記のような酸類、あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等のアルカリ類が使用される。
本発明の直接染毛剤組成物に用いられる媒体は、好ましくは、水を中心とする水性溶媒であるが、アルコール類、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール及びフェニルエチルアルコール、グリコール類又はグリコールエステル類、例えばエチレングリコールのモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテル、プロピレングリコール又はそのエーテル、例えばプロピレングリコールのモノメチルエーテル、ブチレングリコール、ジブチレングリコール並びにジエチレングリコールのアルキルエーテル、例えば、ジエチレングリコールのモノエチルエーテル又はモノブチルエーテル、あるいはN−メチルピロリドン等の化粧品的に許容される有機溶媒から選択することができる。
【0039】
特に、ベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、フェネチルエタノール、ベンジルオキシエタノール、フェニルエタノール等の芳香族アルコールが染着効果を上げる点で好適に使用される。
本発明の直接染毛剤組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて種々の添加剤を使用することができる。例えば、酸化剤は本発明の染毛剤組成物に必須の成分ではないが、毛髪のメラニンを明るくさせて、染毛を引き立てるために配合される場合がある。好適に使用される酸化剤としては過酸化水素、過酸化尿素、アルカリ金属の臭素酸塩類、過ホウ素酸塩類、過硫酸塩類から選択される。特に好ましくは過酸化水素の水溶液が使用される。
【0040】
更に、流動パラフィンやワセリン等の炭化水素類、高級アルコール類、エステル油、脂肪酸、シリコーン及びその誘導体、多価アルコール、紫外線吸収剤、防腐剤、界面活性剤、ヒドロキシセルロースやポリアクリル酸アミドなどの有機あるいは無機増粘剤、噴射剤、香料、パール化剤、金属封止剤、酸化防止剤、アミノ酸、防腐剤、抗炎剤などを配合しても良い。そして、これらの添加剤は公知のものを使用する事ができる。
【0041】
本発明の直接染毛剤組成物の剤型としては、液状、乳液状、クリーム状、ゲル状あるいはエアゾール状など、通常使用されている形態を用いることができる。
本発明の直接染毛剤組成物を使用する場合は、当該染毛剤を毛髪に塗布し、しばらく放置した後、シャンプーなどにより毛髪に残存する染毛料を洗い流せばよい。放置にあたってはそのまま30〜60分放置しても良いが、加温器等で30〜60℃、5〜30分間加温することが好ましい。
【0042】
本発明の直接染毛剤組成物はアミンオキシド基含有樹脂の配合効果により、染毛の際の髪へのダメージを低減し、染毛後、毛髪がごわついたりせず、髪に光沢や滑らかさを与える。髪のダメージを低減するコンディショニング効果の他に、アミンオキシド基は分極性のため、酸性染料、塩基性染料いずれの染料に対しても一定の親和性があり、かつ毛髪に対する親和性も良好なため、染着性にも効果を発揮する。特に直接染料として酸性染料を酸性領域で用いた場合には、酸性染料の定着性を促し、優れた染毛効果を与える点でより好ましい直接染毛剤組成物を提供する。アミンオキシド基含有樹脂が酸性領域における酸性染料の染着性に効果がある理由は明確では無いが、酸性領域ではアミンオキシド基がより強くカチオン性を示すため、染着効果を発揮するためでは無いかと推定される。尚、洗髪後は分極性に戻るためアミンオキシド基自体の持つコンディショニング効果に影響は少ないと考えられる。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
<製造例>
製造例1:
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管及び撹拌装置付きの反応器にN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート90重量部、ラウリルメタクリレート10重量部、及び無水エタノール150重量部を入れ、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を仕込み、窒素雰囲気下80℃で6時間反応、更に2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を追加して、80℃で6時間反応を継続した。
【0044】
次に60℃に冷却した後、用いたN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートと当モルの過酸化水素の35%水溶液を滴下ロートにて重合溶液に1時間で滴下し、さらに20時間撹拌を続けることによってジメチルアミノ基のオキシド化を行った。オキシド化反応の終了は、反応液のアミン価測定(自動滴定装置(平沼産業(株)製COMTITE−101)を用いた中和滴定法)により確認した。冷却後、精製水加えてを樹脂濃度を30%に調整し、アミンオキシド基含有樹脂の溶液「P−1」を得た。尚、得られた樹脂の重量平均分子量は、PEGを標準物質として、ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(TOSOH製GPC)法により求め、180,000であった。また、赤外吸収スペクトル法(日本分光工業(株)製、IR−700)により、N−Oの吸収が認められ、アミンオキシド基の生成を確認した。
製造例2:
製造例1と同様な反応器にN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート70部、メチルメタクリレート10部、ステアリルメタクリレート20部、及び無水エタノール100部を入れ、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.4部を仕込み、窒素雰囲気下、80℃で8時間反応後、60℃に冷却した。次に、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートの0.8倍モルの過酸化水素35%水溶液を1時間で滴下し、更に15時間攪拌を続け、次いで、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートの0.2倍モルのモノクロル酢酸ナトリウムの40%無水エタノール溶液を添加し、更に10時間撹拌を続けることにより、ジメチルアミノ基のオキシド化ならびにカルボキシベタイン化を行なった。冷却後、精製水加えてを樹脂濃度を30%に調整し、アミンオキシド基とカルボキシベタイン基を含有する樹脂の溶液「P−2」を得た。尚、得られた樹脂の平均分子量は110,000であった。
製造例3:
製造例1と同様な反応器にN,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド95重量部、片末端メタクリロイルオキシ基含有ポリシロキサン(チッソ(株)製、FM0721) 5重量部、2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.6重量部、及び無水エタノール150重量部を加え窒素雰囲気下80℃で加熱還流し更に10時間重合を行った。
【0045】
次に、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドの1.0倍モルの過酸化水素の35%水溶液を滴下ロートにて重合溶液に1時間で滴下し、さらに10時間撹拌を続けることによってジメチルアミノ基のオキシド化を行った。オキシド化反応の終了は、反応液のアミン価測定により確認した。次いで精製水を添加して調整し、樹脂含量30重量%の溶液「P−3」を得た。尚、得られた樹脂の重量平均分子量は80,000であった。また、赤外吸収スペクトルよりN−Oの吸収が認められ、アミンオキシド基の生成を確認した。
<評価方法>
白髪混じりの人毛毛束に直接染毛組成物を塗布し、45℃で10〜15分放置した。その後、更に室温で5〜10分放置後、通常のシャンプーにて洗浄、乾燥させた。この毛束を下記の3項目について評価した。
1)染毛力: 上記毛束の染まり具合を下記の基準で目視にて評価した。
【0046】
◎:非常に良く染まる
○:良く染まる
△:ふつう
×:あまり染まらない
2)付着性: 染毛剤組成物を男女20名に使用してもらい、下記基準で付着性について官能評価をおこなった。
【0047】
◎: 18人以上が良いと感じた
○: 13人以上、17人以下が良いと感じた
△: 5人以上、12人以下満が良いと感じた
×: 4人以下が良いと感じた
3)感触: 染毛剤組成物を男女20名に使用してもらい、下記基準で感触について官能評価をおこなった。
【0048】
◎: 18人以上が良いと感じた
○: 13人以上、17人以下が良いと感じた
△: 5人以上、12人以下満が良いと感じた
×: 4人以下が良いと感じた
<実施例1〜3、比較例1〜2>
表1に示した直接染毛剤組成物の配合例の配合に従って、上記の評価を実施した。数値は重量%を示す。評価結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
<結果の評価>
1)比較例1、2の直接染毛剤組成物は、本発明のアミンオキシド基含有樹脂を含有しておらず、本発明の範囲外であり、染毛力、付着性、感触が劣っている。
Claims (5)
- アミンオキシド基含有エチレン性不飽和単量体に由来するに相当するアミンオキシド基含有繰り返し単位から成り、更に他のエチレン性不飽和単量体に由来するに相当する繰り返し単位を含んでいてもよい、重量平均分子量が5,000〜1,000,000のアミンオキシド基含有樹脂(以下「アミンオキシド基含有樹脂」と略記する)0.05〜10重量%と、少なくとも1種の直接染料を含有する直接染毛剤組成物。
- アミンオキシド基含有樹脂中のアミンオキシド基含有繰り返し単位が、式(I)〜(IV)よりなる群から選ばれる化合物に由来するに相当するものである請求項1に記載の直接染毛剤組成物。
R6〜R13の少なくとも1つは、CH2=C(R1)−(X)m−で表される二重結合含有基であり、その他のR6 〜R13は水素原子又はC1 〜C24のアルキル基、C6〜C24のアリール基、又はC7〜C24のアリールアルキル基を、qとrは同一又は異なっていてもよい1〜10の整数をそれぞれ示す。) - アミンオキシド基含有樹脂が、3級アミノ基を有する繰り返し単位を含む樹脂の3級アミノ基をアミンオキシド基に転換することにより製造されたものである請求項1又は2に記載の直接染毛剤組成物。
- アミンオキシド基含有樹脂が、
(A)アミンオキシド基含有繰り返し単位を含む単量体に由来するに相当する繰り返し単位:30〜100重量%
(B)その他の単量体に由来するに相当する繰り返し単位:0〜70重量%
より成るものである請求項1乃至3の何れか1項に記載の直接染毛剤組成物。 - 上記直接染料が酸性染料であり、染毛剤組成物のpHが1.5〜5.5である請求項1に記載の直接染毛剤組成物。
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2003
- 2003-07-14 JP JP2003196539A patent/JP2005029509A/ja active Pending
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