JP2005029407A - 誘電体磁器組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】εrが比較的大きな新規な誘電体磁器組成物、特にεrが比較的大きく且つQuが大きい誘電体磁器組成物を提供する。
【解決手段】A(Ca及びSr等のアルカリ土類金属元素)、M1(Al等の希土類金属元素を除く3価の金属元素)、M2(Nb及びTa等の5価の金属元素)及びM3(Ti等の4価の金属元素)を含み、組成式[A(M1xM2xM3(1−2x))O3](但し、0.15<x<0.35)で表される主結晶相とM2を含有し且つA、M1及びM3のうちの少なくとも1種を含有する複酸化物又はM2の酸化物からなる副相とを含有する誘電体磁器組成物。また、この主結晶相と主結晶相中に固溶されたM2を含有し且つA、M1及びM3のうちの少なくとも1種を含有する複酸化物又はM2の酸化物とを含有する誘電体磁器組成物。
【選択図】 図1
【解決手段】A(Ca及びSr等のアルカリ土類金属元素)、M1(Al等の希土類金属元素を除く3価の金属元素)、M2(Nb及びTa等の5価の金属元素)及びM3(Ti等の4価の金属元素)を含み、組成式[A(M1xM2xM3(1−2x))O3](但し、0.15<x<0.35)で表される主結晶相とM2を含有し且つA、M1及びM3のうちの少なくとも1種を含有する複酸化物又はM2の酸化物からなる副相とを含有する誘電体磁器組成物。また、この主結晶相と主結晶相中に固溶されたM2を含有し且つA、M1及びM3のうちの少なくとも1種を含有する複酸化物又はM2の酸化物とを含有する誘電体磁器組成物。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘電体磁器組成物に関し、更に詳しくは、所定の主結晶相と主結晶相に固溶された副組成物及び/又は副相として生成された副組成物とを含有し、比誘電率が比較的大きい新規な組成の誘電体磁器組成物に関する。更には、比誘電率が比較的大きく、且つ、無負荷品質係数が大きい誘電体磁器組成物に関する。
本発明の誘電体磁器組成物は、電子部品関連分野で広く利用される。例えば、高周波領域において使用される共振器、フィルタ、多層回路基板、及び各種マイクロ波回路のインピーダンス整合部材等に利用される。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車電話、携帯電話、及び衛星放送など、マイクロ波領域の電磁波を利用した各種の通信システムが急速に発展しており、これに伴って多くの誘電体材料が開発されている。これらの誘電体材料には、▲1▼比誘電率(εr)が高いこと、▲2▼無負荷品質係数(Qu)が大きいこと、▲3▼共振周波数の温度係数(τf)の絶対値が小さいことの3つの特性を満たすことが要求されている。
従来、上記のような用途で使用される誘電体材料として、下記特許文献1に開示されたBaO−ZnO−Ta2O5系材料(εrは20〜30)、及び、下記特許文献2に開示されたBaO−RE2O3−TiO2(RE:希土類元素)系材料(εrは60〜80)が知られており、高周波用の共振器やフィルタの材料として実用化されている。
【0003】
【特許文献1】
特公昭59−48484号公報
【特許文献2】
特公昭59−37526号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、比誘電率において上記BaO−ZnO−Ta2O5系及びBaO−RE2O3−TiO2系の中間的領域に位置するεrを発現できる材料であって、且つ、高周波用誘電体材料に要求される上記▲1▼〜▲3▼の特性を十分に充足する有用な材料は得られていない。
本発明は上記観点に鑑みてなされたものであり、上記中間領域のεrを発現できる新規な誘電体磁器組成物を提供し、特にεrが45以上と大きく且つQuが大きい誘電体磁器組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、各種の誘電体磁器組成物について検討を行ってきた。これまで、母組成に含まれない他元素を母組成中に固溶させること等により母組成よりも優れた誘電特性を得ようとする試みは多くされている。しかし、本発明者らは、母組成を構成する元素のみからなる複酸化物又は所定の酸化物が含有される場合に、母組成のみよりも優れた誘電特性及び焼結性が得られる組成を見出した。なかでも、組成式[A(M1xM2xM3(1−2x))O3]で表される主結晶相を有する組成は、目的とする中間領域のεrを発現できることを見出した。また、この組成では、εrが45以上と大きく且つQuも大きい特性を発揮させることができ、更には、幅広くこれらの誘電特性を制御することができ、そのため優れた誘電特性がバランスよく得られ、種々目的に応じて誘電特性を選択できる組成であることが分かった。本発明はこれらの知見に基づき完成された。
【0006】
本発明は以下に示すとおりである。
(1)アルカリ土類金属元素をA、希土類金属元素を除く3価の金属元素をM1、5価の金属元素をM2、4価の金属元素をM3とした場合に、
組成式[A(M1xM2xM3(1−2x))O3](但し、0.15<x<0.35)で表される主結晶相と、
M2を含有し且つA、M1及びM3のうちの少なくとも1種を含有する複酸化物、又はM2の酸化物からなる副相と、を含有することを特徴とする誘電体磁器組成物。
(2)アルカリ土類金属元素をA、希土類金属元素を除く3価の金属元素をM1、5価の金属元素をM2、4価の金属元素をM3とした場合に、
組成式[A(M1xM2xM3(1−2x))O3](但し、0.15<x<0.35)で表される主結晶相と、
該主結晶相中に固溶された、M2を含有し且つA、M1及びM3のうちの少なくとも1種を含有する複酸化物、又はM2の酸化物と、を含有することを特徴とする誘電体磁器組成物。
(3)上記複酸化物を含有し、該複酸化物はM2とAとを含有し、且つ組成式[(1−α1)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α1Aβ1M2(1−β1)Oδ]で表した場合に、0.15≦x≦0.35、0<α1≦0.5且つ0<β1≦0.6である上記(1)又は(2)に記載の誘電体磁器組成物。
(4)上記複酸化物を含有し、該複酸化物はM2とM1とを含有し、且つ組成式[(1−α2)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α2M1β2M2(1−β2)Oδ]で表した場合に、0.15≦x≦0.35、0<α2≦0.25且つ0<β2≦0.5である上記(1)又は(2)に記載の誘電体磁器組成物。
(5)上記複酸化物を含有し、該複酸化物はM2とM3とを含有し、且つ組成式[(1−α3)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α3M3β3M2(1−β3)Oδ]で表した場合に、0.15≦x≦0.35、0<α3≦0.25且つ0<β3≦0.33である上記(1)又は(2)に記載の誘電体磁器組成物。
(6)上記複酸化物を含有し、該複酸化物はM2とAとM3とを含有し、且つ組成式[(1−α4)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α4Aγ1M3γ2M2(1−γ1−γ2)Oδ]で表した場合に、0.15≦x≦0.35、0<α4≦0.8、0<γ1≦0.375且つ0<γ2≦0.375である上記(1)又は(2)に記載の誘電体磁器組成物。
(7)上記M2の酸化物を含有し、且つ組成式[(1−α5)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α5M22O5]で表した場合に、0.15≦x≦0.35且つ0<α5≦0.25である上記(1)又は(2)に記載の誘電体磁器組成物。
(8)上記AがCa及び/又はSrであり、上記M1がAl及び/又はGaであり、上記M2がNb及び/又はTaであり、上記M3がTiである上記(1)乃至(7)のうちのいずれかに記載の誘電体磁器組成物。
(9)全体を100質量%とした場合に、MnをMnO2換算で5質量%以下含有する上記(1)乃至(7)のうちのいずれかに記載の誘電体磁器組成物。
(10)上記M2、上記A、上記M1及び上記M3のうちの少なくとも該M2の量が、上記主結晶相を構成する量を超えるように、M2を含有するM2原料、Aを含有するA原料、M1を含有するM1原料及びM3を含有するM3原料を配合して得た原料組成物を加熱して、上記(1)乃至(9)のうちのいずれかに記載の誘電体磁器組成物を得ることを特徴とする誘電体磁器組成物の製造方法。
【0007】
【発明の効果】
本発明の誘電体磁器組成物によれば、比誘電率が45以上と大きい誘電体が得られる。
M2とAとを含有する複酸化物を含有し、所定の条件を満たす場合は、εr、Qu及びτfのいずれの誘電特性も良好な範囲で幅広く制御することができる。また、特にQuが大きい誘電特性を得易い。
M2とM1とを含有する複酸化物を含有し、所定の条件を満たす場合は、同様にεr、Qu及びτfのいずれの誘電特性も良好な範囲で幅広く制御することができる。
M2とM3とを含有する複酸化物を含有し、所定の条件を満たす場合は、同様にεr、Qu及びτfのいずれの誘電特性も良好な範囲で幅広く制御することができる。
M2とAとM3とを含有する複酸化物を含有し、所定の条件を満たす場合は、バランスよく各種誘電特性を得ることができる。また、特にτfは0より大きい範囲において制御し易い。
M2の酸化物を含有し、所定の条件を満たす場合は、同様にバランスよく各種誘電特性を得ることができる。
AがCa及び/又はSrであり、M1がAl及び/又はGaであり、M2がNb及び/又はTaであり、M3がTiである場合は、各種誘電特性を幅広く制御でき、また、特に優れた誘電特性をバランスよく得ることができる。
MnをMnO2換算で5質量%以下含有する場合は、特に優れた誘電特性を得ることができる。
本発明の誘電体磁器組成物の製造方法によれば、本発明の誘電体磁器組成物を確実に得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
[1]誘電体磁器組成物
本発明の第1観点に係る誘電体磁器組成物は、アルカリ土類金属元素をA、希土類金属元素を除く3価の金属元素をM1、5価の金属元素をM2、4価の金属元素をM3とした場合に、組成式[A(M1xM2xM3(1−2x))O3](但し、0.15<x<0.35)で表される主結晶相と、M2を含有し且つA、M1及びM3のうちの少なくとも1種を含有する複酸化物、又は、M2の酸化物、からなる副相と、を含有する。
【0009】
また、本発明の第2観点に係る誘電体磁器組成物は、アルカリ土類金属元素をA、希土類金属元素を除く3価の金属元素をM1、5価の金属元素をM2、4価の金属元素をM3とした場合に、組成式[A(M1xM2xM3(1−2x))O3](但し、0.15<x<0.35)で表される主結晶相と、主結晶相中に固溶された、M2を含有し且つA、M1及びM3のうちの少なくとも1種を含有する複酸化物、又は、M2の酸化物と、を含有する。
【0010】
即ち、上記第1観点に係る誘電体磁器組成物及び第2観点に係る誘電体磁器組成物(以下、総じて「本発明の誘電体磁器組成物」という)は、主結晶相を構成する金属元素からなる複酸化物及びM2の酸化物を含有する。また、この複酸化物及びM2の酸化物は、副相として含有されてもよく、主結晶相中に固溶されて含有されてもよく、更には、副相としても含有され且つ主結晶相中に固溶されて含有されていてもよい。
【0011】
上記「A」は、アルカリ土類金属元素を表す。このアルカリ土類金属元素の種類は特に限定されないが、例えば、Mg、Ca、Sr及びBa等が挙げられる。なかでもCa及び/又はSrが好ましく、特にCaを含有することが好ましい。これらのAは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記「M1」は、希土類金属元素を除く3価の金属元素を表す。この3価の金属元素の種類は、希土類金属元素以外であれば特に限定されないが、通常、13族(3B族)元素である。これらの元素としてはAl、Ga及びIn等が挙げられる。なかでもAl及び/又はGaが好ましく、特にAlを含有することが好ましい。これらのM1は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記「M2」は、5価の金属元素を表す。この5価の金属元素の種類は特に限定されないが、通常、5族(5A族)元素である。これらの元素としてはNb、Ta及びV等が挙げられる。なかでもNb及び/又はTaが好ましく、特にNbを含有することが好ましい。これらのM2は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記「M3」は、4価の金属元素を表す。この4価の金属元素の種類は特に限定されないが、通常、4族(4A族)元素及び14族(4B族)元素である。これらの元素としてはTi、Zr、Hf、Ge及びSn等を挙げられる。なかでもTiが特に好ましい。これらのM3は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
尚、上記A、M1及びM2でいう「元素イ及び/又は元素ロ」とは、即ち、元素イ及び元素ロからなるグループから選択される少なくとも一方を意味する。
【0012】
上記「主結晶相」は、組成式[A(M1xM2xM3(1−2x))O3](但し、0.15<x<0.35)で表される。この主結晶相は、X線回折測定により、その存在を確認できる。
上記「x」は、主結晶相中におけるM1及びM2のモル比を表す。このモル比は、M1では1/2M12O3換算により、M2では1/2M12O5換算による。このxは、0.15≦x≦0.35とすることができ、0.2≦x≦0.35であることが好ましい。この範囲であれば、例えば、τfの絶対値を適正な範囲に保つことができる。
尚、この主結晶相は、上記のA、M1、M2、M3及びOのみからなってもよいが、通常、後述するMn等の元素が固溶されて含有されている。
【0013】
上記「副相」は、M2を含有し且つA、M1及びM3のうちの少なくとも1種を含有する複酸化物、又は、M2の酸化物からなる。この副相は、結晶相(副結晶相等)であっても、非晶質相(粒界相等)であってもよいが、通常、結晶相として析出され、更には、副結晶相である。結晶相として析出されている場合は、X線回折測定により、上記主結晶相のものとは異なるピークを有することによりその存在を確認できる。
上記「固溶」は、上記複酸化物又はM2の酸化物が、上記主結晶相に含有されることである。この固溶を生じている誘電体磁器組成物は、X線回折測定を行った場合に、主結晶相のピークがブロード化又はシフトしている。ブロード化とは、主結晶相のみのピークよりも、ピークの立上り部が広がっていることを意味し、シフトとは主結晶相のみのピークがx軸に対して水平方向に移動していることを意味する。
【0014】
上記「複酸化物」は、上記主結晶相を構成する金属元素から構成され、少なくともM2を含有する。即ち、例えば、A−M2−O系複酸化物、M1−M2−O系複酸化物、M3−M2−O系複酸化物、A−M3−M2−O系複酸化物、及び、M1−M3−M2−O系複酸化物等が挙げられる。この複酸化物は、その種類により誘電体磁器組成物の焼結性及び誘電特性を調整できる。
これらの複酸化物のなかでも、A−M2−O系複酸化物、M1−M2−O系複酸化物、M3−M2−O系複酸化物、及び、A−M3−M2−O系複酸化物が好ましい。これらはその含有により特に誘電特性に優れるからである。
尚、ここでいう「〜系酸化物」とは、A、M1、M2及びM3を含む複酸化物であるが、これらの各金属元素間のモル比が限定されないものであることを表す。
【0015】
上記複酸化物のうち、A−M2−O系複酸化物であって、特に組成式[Aβ1M2(1−β1)Oδ]で表される複酸化物が含有される場合は、εr、Qu及びτfのいずれにおいても幅広く制御でき、特に大きなQuが得られる傾向にある。
このA−M2−O系複酸化物(組成式[Aβ1M2(1−β1)Oδ]で表される複酸化物)を含有する場合、本発明の誘電体磁器組成物は、組成式[(1−α1)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α1Aβ1M2(1−β1)Oδ]で表される。この組成式におけるα1は、0<α1≦0.5(より好ましくは0<α1≦0.4)であることが好ましい。α1がこの範囲であればQuを低下させることなく、また、τfの絶対値を過度に大きくすることなく、バランスのよい誘電特性を得ることができる。また、β1は0<β1≦0.6(より好ましくは0<β1≦0.5)であることが好ましい。β1がこの範囲であればQuを低下させることなくバランスのよい誘電特性を得ることができる。
【0016】
上記複酸化物のうち、M1−M2−O系複酸化物であって、特に組成式[M1β2M2(1−β2)Oδ]で表される複酸化物が含有される場合は、同様にQuを低下させることなく、また、τfの絶対値を過度に大きくすることなく、バランスのよい誘電特性を得ることができる。
このM1−M2−O系複酸化物(組成式[M1β2M2(1−β2)Oδ]で表される複酸化物)を含有する場合、本発明の誘電体磁器組成物は、組成式[(1−α2)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α2M1β2M2(1−β2)Oδ]で表される。この組成式におけるα2は、0<α2≦0.25(より好ましくは0<α2≦0.2)であることが好ましい。α2がこの範囲であればQuを低下させることなく、また、τfの絶対値を過度に大きくすることなく、バランスのよい誘電特性を得ることができる。また、β2は0<β2≦0.5であることが好ましい。β2がこの範囲であればQuを低下させることなくバランスのよい誘電特性を得ることができる。
【0017】
上記複酸化物のうち、M3−M2−O系複酸化物であって、特に組成式[M3β3M2(1−β3)Oδ]で表される複酸化物)が含有される場合は、各誘電特性がバランスよく得られる傾向にある。
このM3−M2−O系複酸化物(組成式[M3β3M2(1−β3)Oδ]で表される複酸化物)を含有する場合、本発明の誘電体磁器組成物は、組成式[(1−α3)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α3M3β3M2(1−β3)Oδ]で表される。この組成式におけるα3は、0<α3≦0.25(より好ましくは0<α3≦0.2)であることが好ましい。α3がこの範囲であれば、Quを低下させることなく、且つτfの絶対値を過度に大きくすることなくバランスのよい誘電特性を得ることができる。また、β3は0<β3≦0.5であることが好ましい。β3がこの範囲であればQuを低下させることなくバランスのよい誘電特性を得ることができる。
【0018】
上記複酸化物のうち、A−M3−M2−O系複酸化物であって、特に組成式[Aγ1M3γ2M2(1−γ1−γ2)Oδ]で表される複酸化物が含有される場合は、各誘電特性がバランスよく得られる傾向にある。
このA−M3−M2−O系複酸化物(組成式[Aγ1M3γ2M2(1−γ1−γ2)Oδ]で表される複酸化物)を含有する場合、本発明の誘電体磁器組成物は、組成式[(1−α4)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α4Aγ1M3γ2M2(1−γ1−γ2)Oδ]で表される。この組成式におけるα4は、0<α4≦0.8(より好ましくは0<α4≦0.7)であることが好ましい。α4がこの範囲であればQuを低下させることなくバランスのよい誘電特性を得ることができる。また、γ1は0<γ1≦0.375であることが好ましい。γ1がこの範囲であればQuを低下させることなくバランスのよい誘電特性を得ることができる。更に、γ2は0<γ2≦0.375であることが好ましい。γ2がこの範囲であればQuを低下させることなくバランスのよい誘電特性を得ることができる。
【0019】
上記「M2の酸化物」は、M2とOのみからなる酸化物であり、通常、M22O5である。副相又は固溶物がM22O5である場合は、同様に各誘電特性がバランスよく得られる。
このM2の酸化物を含有する場合、本発明の誘電体磁器組成物は、組成式[(1−α5)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α5M22O5]で表される。また、この組成式におけるα5は、0<α5≦0.25(より好ましくは0<α5≦0.2)であることが好ましい。α5がこの範囲であれば各誘電特性をバランスよく得ることができる。
【0020】
本発明の誘電体磁器組成物には、A、M1、M2及びM3により構成される成分以外に、他の成分が含有されてもよい。他の成分としては、例えば、Mn、V、Cr、Fe、Ni、Cu、Zn、Zr、Mo、Hf及びW等の遷移金属元素の酸化物、並びに、B、Si、Ga、In、Sn、Sb及びBi等の酸化物等が挙げられる。これらの他の成分は、上記元素のうちの1種のみを含有する酸化物であってもよく、それらのうちの2種以上を含有する複酸化物であってもよい。これらの他の成分を含有することにより、Quを大きな値に保持することができるからである。この他の成分の中でも特にMnO2が好ましい。
【0021】
これらの他の成分の含有量は、特に限定されないが、誘電体磁器組成物全体に対して酸化物換算で5質量%以下(好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、通常0.1質量%以上)であることが好ましい。この範囲であればQuを効果的に向上させることができる。尚、上記酸化物換算は、例えば、上記に例示した各元素については、MnO2、V2O5、Cr2O3、Fe2O3、NiO、CuO、ZnO、ZrO2、MoO3、HfO2、WO3、B2O3、SiO2、Ga2O3、In2O3、SnO2、Sb2O3及びBi2O3として換算するものとする。
【0022】
また、本発明の誘電体磁器組成物は、比誘電率εrが45〜65(好ましくは45〜60、より好ましくは45〜55)、無負荷品質係数と共振周波数の積Qu×f0が9500GHz以上(好ましくは11000GHz以上、より好ましくは12000GHz以上、更に好ましくは13000GHz以上)、及び、共振周波数の温度係数τfが−25〜+55ppm/℃(好ましくは−20〜+30ppm/℃、より好ましくは−10〜+10ppm/℃、更に好ましくは−5〜+5ppm/℃)とすることができる。
【0023】
特にA−M2−O系複酸化物が含有される誘電体磁器組成物では、比誘電率εrが45〜65(好ましくは45〜60、より好ましくは45〜55)、無負荷品質係数と共振周波数の積Qu×f0が10000GHz以上(好ましくは12000GHz以上、より好ましくは13000GHz以上)、及び、共振周波数の温度係数τfが−25〜+40ppm/℃(好ましくは−20〜+30ppm/℃、より好ましくは−10〜+10ppm/℃、更に好ましくは−5〜+5ppm/℃)とすることができる。
【0024】
また、M1−M2−O系複酸化物が含有される誘電体磁器組成物では、比誘電率εrが45〜65(好ましくは45〜60、より好ましくは50〜60)、無負荷品質係数と共振周波数の積Qu×f0が10000GHz以上(好ましくは12000GHz以上、より好ましくは13000GHz以上)、及び、共振周波数の温度係数τfが−25〜+30ppm/℃(好ましくは−10〜+25ppm/℃、より好ましくは−10〜+20ppm/℃)とすることができる。
【0025】
更に、M3−M2−O系複酸化物が含有される誘電体磁器組成物では、比誘電率εrが45〜65(好ましくは47〜65、より好ましくは49〜65)、無負荷品質係数と共振周波数の積Qu×f0が10000GHz以上(好ましくは12000GHz以上、より好ましくは13000GHz以上)、及び、共振周波数の温度係数τfが−25〜+55ppm/℃(好ましくは−10〜+25ppm/℃、より好ましくは−10〜+20ppm/℃)とすることができる。
【0026】
また、A−M3−M2−O系複酸化物が含有される誘電体磁器組成物では、比誘電率εrが45〜65(好ましくは45〜60、より好ましくは50〜60)、無負荷品質係数と共振周波数の積Qu×f0が10000GHz以上(好ましくは12000GHz以上、より好ましくは13000GHz以上)、及び、共振周波数の温度係数τfが−25〜+30ppm/℃(好ましくは−10〜+25ppm/℃、より好ましくは−10〜+20ppm/℃)とすることができる。
【0027】
更に、M2−O系酸化物が含有される誘電体磁器組成物では、比誘電率εrが45〜65(好ましくは50〜65)、無負荷品質係数と共振周波数の積Qu×f0が10000GHz以上(好ましくは12000GHz以上、)及び、共振周波数の温度係数τfが−25〜+35ppm/℃(好ましくは−10〜+30ppm/℃)とすることができる。
【0028】
[2]誘電体磁器組成物の製造方法
本発明の誘電体磁器組成物の製造方法は、本発明の誘電体磁器組成物を得る方法であって、M2、上記A、上記M1及び上記M3のうちの少なくとも該M2の量が、上記主結晶相を構成する量を超えるように、M2を含有するM2原料、Aを含有するA原料、M1を含有するM1原料及びM3を含有するM3原料を配合して得た原料組成物を熱処理して得るものである。
従って、前記本発明の誘電体磁器組成物は、本発明の製造方法により得られたことを特徴とする誘電体磁器組成物を含むものである。
【0029】
上記「M2原料」、上記「A原料」、上記「M1原料」、及び、上記「M3原料」は、各金属元素の酸化物又は熱処理されて酸化物となる化合物である。熱処理されて酸化物となる化合物の種類は特に限定されず、例えば、炭酸塩、水酸化物、炭酸水素塩、硝酸塩及び有機金属化合物等が挙げられる。これら(酸化物及び熱処理されて酸化物となる化合物)は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。また、各原料の形態も特に限定されず、粉末又は液状物等を用いることができる。
上記「原料組成物」は、M2原料、A原料、M1原料及びM3原料を含有するものである。但し、この原料組成物がM2原料等を含有するとは、各原料を各々別々に含有する場合、及び、M2、A、M1及びM3のうちの少なくとも2種以上を同時に含有する化合物(複酸化物等)を含有する場合を含む意味である。この原料組成物の性状は特に限定されないが、通常、粉末状である。
また、MnO2等の前記他の成分が含有される必要がある場合、この原料組成物には、前記各酸化物及び/又は熱処理により前記他の成分となる化合物を配合することができる。
【0030】
上記「熱処理」は、誘電体磁器組成物が得られる条件であれば特に限定されない。即ち、例えば、熱処理は1段(焼成工程のみ)であってもよいが、通常、仮焼工程と焼成工程との2段で行うことが好ましい。
仮焼工程(第1熱処理工程)は、原料組成物を仮焼(熱処理)して仮焼物を得る工程である。原料組成物を混合し、成形して得た成形体を仮焼工程を経ずに直接焼成した場合、後の焼成工程においても十分に焼結させることができない場合がある。これに対して仮焼を行うと、上記の原料組成物が反応して目的の化合物が生成し、後の焼成工程における焼成温度を効果的に低下させることができる。
仮焼工程における仮焼温度は特に限定されないが600〜1400℃(より好ましくは800〜1300℃)とすることが好ましい。この温度範囲であれば、未反応の原料成分が残存し難く、また、焼結してしまい仮焼物の粉砕が困難となることもない。この仮焼における仮焼時間は特に限定されないが、通常、1時間以上(通常20時間以下)である。
更に、仮焼時の仮焼雰囲気は特に限定されないが、大気雰囲気等の酸化性雰囲気が好ましい。
【0031】
また、焼成工程(第2熱処理工程)は、焼成されて誘電体磁器組成物となる、仮焼粉末を含む成形体を焼成する工程である。焼成工程における焼成温度は特に限定されないが1100〜1700℃(より好ましくは1300〜1600℃)とすることが好ましい。この温度範囲であれば、成形体を十分に焼結できると共に緻密化することができる。また、焼成時間は特に限定されないが、通常、1時間以上(通常100時間以下)である。
更に、焼成時の焼成雰囲気は特に限定されないが、大気雰囲気等の酸化性雰囲気が好ましい。また、成形体には、通常、バインダ等の有機物が含有されるが、この有機物を脱脂する必要がある。脱脂を行う脱脂工程は、通常、焼成工程を行う際の昇温過程で、有機物が分解される温度で一定時間保持することにより行うことができる。
【0032】
本発明の製造方法では、上記加熱を行う加熱工程以外にも他の工程を備えることができる。他の工程としては、例えば、(1)仮焼物を粉砕して得られた仮焼粉末を造粒する造粒工程、及び、(2)上記(1)で得られた造粒粉末を成形して成形体を得る成形工程等が挙げられる。
上記造粒工程は、仮焼により得られた仮焼物を粉砕等して得られた仮焼粉末にバインダ、溶剤、可塑剤及び分散剤等を含有させて成形に適した粒子状態にする工程である。造粒方法は特に限定されず、スプレードライ法等を用いることができる。また、成形工程は、前記造粒工程で得られた造粒粉末を成形して成形体を得る工程である。この工程では、通常、造粒粉末等には、バインダ、溶剤、可塑剤及び分散剤等を含有させることで成形性を付与する。また、成形方法は、特に限定されず、一軸プレスや、冷間等方静水圧プレス(以下、単に「CIP」という)等の種々の方法で行うことができる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を詳しく説明する。
(1)誘電体磁器組成物の作製
市販のCaCO3粉末、TiO2粉末、Al2O3粉末、Nb2O5粉末及びMn2O粉末を用い、「x」、「α1」〜「α5」、「β1」〜「β3」、「γ1」、「γ2」の各値が表1〜表5の値となるように秤量した。次いで、これらの各粉末を、エタノールを溶媒として湿式混合し、得られた混合物を大気雰囲気において1000〜1400℃で1〜20時間仮焼した。得られた仮焼物に分散剤、バインダ及びエタノールを加え、ボールミルにより粉砕してスラリーにした。次いで、このスラリーを造粒して得られた造粒粉末を、20MPaの圧力で一軸プレスを行い、円柱状に成形した。その後、150MPaの圧力でCIP処理を行い、この成形体を大気雰囲気において1300〜1700℃で1〜100時間保持して焼成し、実験例1〜27を得た。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
(2)X線回折測定
上記(1)で得られた実験例1と実験例3との各誘電体磁器組成物をX線回折測定に供した。この結果を多重チャートにて図1に示した。図1中の上段は実験例3のチャートであり、下段は実験例1のチャートである。
この各チャートの同定を行ったところ、上段のチャート内の黒塗りの逆三角マークが施された各ピークはいずれも主結晶相のピークであることが分かった。また、上段のチャート内の黒丸マークが施された各ピークは析出された副結晶相によるものであることが分かった。
一方、下段のチャート内の黒塗りの逆三角マークが施された各ピークはいずれも、上段のチャート内に示された主結晶相のピークに極めて似ているとが、一部のピークの立上り部分にブロード化及びピーク位置のシフト等が認められた。更に、この実験例1では主結晶相のみを構成するのに必要量を超える量の原料を配合しているにも関わらず、主結晶相以外のピークが認められない。これらのことから、下段のチャートは余剰な成分が主結晶相中に固溶していることを示すものであることが分かる。
【0040】
(3)誘電特性
上記(1)で得られた実験例1〜27の各誘電体磁器組成物の表面を研磨した後、平行導体板型誘電体共振器法により、測定周波数3〜5GHzにおいて、εr、Qu及びτfを測定した。但し、τfの測定温度範囲は25〜80℃とした。得られた結果を表1〜5に併記した。尚、Quは共振周波数f0との積で示した。
この結果、表1〜5より、本発明の誘電体磁器組成物は、εrがいずれも45以上と大きく、良好な誘電特性が発現されていることが分かる。
【0041】
また、特に表1において実験例3を除いた実験例1、2及び4〜10は、A−M2−O系複酸化物を含有し、α1が0<α1≦0.5のものである。実験例3のα1が0.6と大きいため、誘電特性は得られるもののQu×f0が2600GHzと小さめである。これに対して、実験例1、2及び4〜10は、Qu×f0が10500〜14300GHzと大きく無負荷品質係数が優れていることが分かる。また、各特性はεrが45〜68、Qu×f0が10500〜14300GHz、τfが−25〜+40ppm/℃と幅広く制御可能であることが分かる。従って、種々目的に応じた誘電体を得ることができる。更に、実施例6、7及び9では13000〜14300GHzと特に大きい値が得られている。
【0042】
また、表2において実験例11〜13を除いた実験例14及び15は、M1−M2−O系複酸化物を含有し、α2が0<α2≦0.25のものである。実験例11〜13は、α2が0.3〜0.5と大きいため、誘電特性は得られるもののQu×f0が200〜3400GHzと小さめである。これに対して、実験例14及び15は、Qu×f0が10000〜13200GHzと大きく無負荷品質係数が優れていることが分かる。また、各特性はεrが51〜55、Qu×f0が10000〜13200GHz、τfが+15〜+18ppm/℃と、優れた誘電特性がバランスよく得られることが分かる。
【0043】
更に、表3において実験例17〜19を除いた実験例16及び20は、M3−M2−O系複酸化物を含有し、α3が0<α3≦0.25のものである。実験例17〜19は、α3が0.3〜0.4と大きいため、誘電特性は得られるもののQu×f0が200〜2700GHzと小さめである。これに対して、実験例16及び20は、Qu×f0が10000〜13000GHzと大きく無負荷品質係数が優れていることが分かる。また、各特性はεrが50〜64、Qu×f0が10000〜13000GHz、τfが+15〜+55ppm/℃と、優れた誘電特性がバランスよく得られることが分かる。特にεrは50以上と大きな値を得ることができる。
【0044】
更に、表4において実験例21〜24は、A−M3−M2−O系複酸化物を含有し、α4が0<α4≦0.8のものである。実験例21〜24は、Qu×f0が9900〜13600GHzと大きく無負荷品質係数が優れていることが分かる。また、各特性はεrが48〜58、Qu×f0が9900〜13600GHz、τfが−9〜+26ppm/℃と、優れた誘電特性がバランスよく得られることが分かる。特に実験例21及び22のように、τfが−9〜1ppm/℃とその絶対値が小さい範囲で、Qu×f0が13000GHz以上である優れた誘電特性を得ることができる。
【0045】
更に、表5において実験例27を除いた実験例25〜26は、M2−O系酸化物を含有し、α5が0<α5≦0.25のものである。実験例27ではα5が0.3と大きいため、誘電特性は得られるもののQu×f0が200GHzと小さめである。これに対して、実験例25〜26は、Qu×f0が10600〜12300GHzと大きく無負荷品質係数が優れていることが分かる。また、各特性はεrが56〜60、Qu×f0が10600〜12300GHz、τfが+26〜+32ppm/℃と、優れた誘電特性がバランスよく得られることが分かる。
【0046】
即ち、表1〜表5より、所定の複酸化物を所定の割合で含有する誘電体磁器組成物では、εrは45〜62と大きく、また、幅広く制御できることが分かる。更に、Qu×f0は9900(約10000)〜14300GHzと大きい値を得ることができる。また、τfは−25〜55ppm/℃(絶対値では55ppm/℃以下)と小さい値に制御できる。従って、これらの各誘電特性をバランスよく備え、また、その範囲内で幅広く制御した各種の誘電体を得ることができることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例1(下段チャート)及び実験例3(上段チャート)のX線回折測定により得られたチャートによる説明図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘電体磁器組成物に関し、更に詳しくは、所定の主結晶相と主結晶相に固溶された副組成物及び/又は副相として生成された副組成物とを含有し、比誘電率が比較的大きい新規な組成の誘電体磁器組成物に関する。更には、比誘電率が比較的大きく、且つ、無負荷品質係数が大きい誘電体磁器組成物に関する。
本発明の誘電体磁器組成物は、電子部品関連分野で広く利用される。例えば、高周波領域において使用される共振器、フィルタ、多層回路基板、及び各種マイクロ波回路のインピーダンス整合部材等に利用される。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車電話、携帯電話、及び衛星放送など、マイクロ波領域の電磁波を利用した各種の通信システムが急速に発展しており、これに伴って多くの誘電体材料が開発されている。これらの誘電体材料には、▲1▼比誘電率(εr)が高いこと、▲2▼無負荷品質係数(Qu)が大きいこと、▲3▼共振周波数の温度係数(τf)の絶対値が小さいことの3つの特性を満たすことが要求されている。
従来、上記のような用途で使用される誘電体材料として、下記特許文献1に開示されたBaO−ZnO−Ta2O5系材料(εrは20〜30)、及び、下記特許文献2に開示されたBaO−RE2O3−TiO2(RE:希土類元素)系材料(εrは60〜80)が知られており、高周波用の共振器やフィルタの材料として実用化されている。
【0003】
【特許文献1】
特公昭59−48484号公報
【特許文献2】
特公昭59−37526号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、比誘電率において上記BaO−ZnO−Ta2O5系及びBaO−RE2O3−TiO2系の中間的領域に位置するεrを発現できる材料であって、且つ、高周波用誘電体材料に要求される上記▲1▼〜▲3▼の特性を十分に充足する有用な材料は得られていない。
本発明は上記観点に鑑みてなされたものであり、上記中間領域のεrを発現できる新規な誘電体磁器組成物を提供し、特にεrが45以上と大きく且つQuが大きい誘電体磁器組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、各種の誘電体磁器組成物について検討を行ってきた。これまで、母組成に含まれない他元素を母組成中に固溶させること等により母組成よりも優れた誘電特性を得ようとする試みは多くされている。しかし、本発明者らは、母組成を構成する元素のみからなる複酸化物又は所定の酸化物が含有される場合に、母組成のみよりも優れた誘電特性及び焼結性が得られる組成を見出した。なかでも、組成式[A(M1xM2xM3(1−2x))O3]で表される主結晶相を有する組成は、目的とする中間領域のεrを発現できることを見出した。また、この組成では、εrが45以上と大きく且つQuも大きい特性を発揮させることができ、更には、幅広くこれらの誘電特性を制御することができ、そのため優れた誘電特性がバランスよく得られ、種々目的に応じて誘電特性を選択できる組成であることが分かった。本発明はこれらの知見に基づき完成された。
【0006】
本発明は以下に示すとおりである。
(1)アルカリ土類金属元素をA、希土類金属元素を除く3価の金属元素をM1、5価の金属元素をM2、4価の金属元素をM3とした場合に、
組成式[A(M1xM2xM3(1−2x))O3](但し、0.15<x<0.35)で表される主結晶相と、
M2を含有し且つA、M1及びM3のうちの少なくとも1種を含有する複酸化物、又はM2の酸化物からなる副相と、を含有することを特徴とする誘電体磁器組成物。
(2)アルカリ土類金属元素をA、希土類金属元素を除く3価の金属元素をM1、5価の金属元素をM2、4価の金属元素をM3とした場合に、
組成式[A(M1xM2xM3(1−2x))O3](但し、0.15<x<0.35)で表される主結晶相と、
該主結晶相中に固溶された、M2を含有し且つA、M1及びM3のうちの少なくとも1種を含有する複酸化物、又はM2の酸化物と、を含有することを特徴とする誘電体磁器組成物。
(3)上記複酸化物を含有し、該複酸化物はM2とAとを含有し、且つ組成式[(1−α1)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α1Aβ1M2(1−β1)Oδ]で表した場合に、0.15≦x≦0.35、0<α1≦0.5且つ0<β1≦0.6である上記(1)又は(2)に記載の誘電体磁器組成物。
(4)上記複酸化物を含有し、該複酸化物はM2とM1とを含有し、且つ組成式[(1−α2)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α2M1β2M2(1−β2)Oδ]で表した場合に、0.15≦x≦0.35、0<α2≦0.25且つ0<β2≦0.5である上記(1)又は(2)に記載の誘電体磁器組成物。
(5)上記複酸化物を含有し、該複酸化物はM2とM3とを含有し、且つ組成式[(1−α3)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α3M3β3M2(1−β3)Oδ]で表した場合に、0.15≦x≦0.35、0<α3≦0.25且つ0<β3≦0.33である上記(1)又は(2)に記載の誘電体磁器組成物。
(6)上記複酸化物を含有し、該複酸化物はM2とAとM3とを含有し、且つ組成式[(1−α4)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α4Aγ1M3γ2M2(1−γ1−γ2)Oδ]で表した場合に、0.15≦x≦0.35、0<α4≦0.8、0<γ1≦0.375且つ0<γ2≦0.375である上記(1)又は(2)に記載の誘電体磁器組成物。
(7)上記M2の酸化物を含有し、且つ組成式[(1−α5)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α5M22O5]で表した場合に、0.15≦x≦0.35且つ0<α5≦0.25である上記(1)又は(2)に記載の誘電体磁器組成物。
(8)上記AがCa及び/又はSrであり、上記M1がAl及び/又はGaであり、上記M2がNb及び/又はTaであり、上記M3がTiである上記(1)乃至(7)のうちのいずれかに記載の誘電体磁器組成物。
(9)全体を100質量%とした場合に、MnをMnO2換算で5質量%以下含有する上記(1)乃至(7)のうちのいずれかに記載の誘電体磁器組成物。
(10)上記M2、上記A、上記M1及び上記M3のうちの少なくとも該M2の量が、上記主結晶相を構成する量を超えるように、M2を含有するM2原料、Aを含有するA原料、M1を含有するM1原料及びM3を含有するM3原料を配合して得た原料組成物を加熱して、上記(1)乃至(9)のうちのいずれかに記載の誘電体磁器組成物を得ることを特徴とする誘電体磁器組成物の製造方法。
【0007】
【発明の効果】
本発明の誘電体磁器組成物によれば、比誘電率が45以上と大きい誘電体が得られる。
M2とAとを含有する複酸化物を含有し、所定の条件を満たす場合は、εr、Qu及びτfのいずれの誘電特性も良好な範囲で幅広く制御することができる。また、特にQuが大きい誘電特性を得易い。
M2とM1とを含有する複酸化物を含有し、所定の条件を満たす場合は、同様にεr、Qu及びτfのいずれの誘電特性も良好な範囲で幅広く制御することができる。
M2とM3とを含有する複酸化物を含有し、所定の条件を満たす場合は、同様にεr、Qu及びτfのいずれの誘電特性も良好な範囲で幅広く制御することができる。
M2とAとM3とを含有する複酸化物を含有し、所定の条件を満たす場合は、バランスよく各種誘電特性を得ることができる。また、特にτfは0より大きい範囲において制御し易い。
M2の酸化物を含有し、所定の条件を満たす場合は、同様にバランスよく各種誘電特性を得ることができる。
AがCa及び/又はSrであり、M1がAl及び/又はGaであり、M2がNb及び/又はTaであり、M3がTiである場合は、各種誘電特性を幅広く制御でき、また、特に優れた誘電特性をバランスよく得ることができる。
MnをMnO2換算で5質量%以下含有する場合は、特に優れた誘電特性を得ることができる。
本発明の誘電体磁器組成物の製造方法によれば、本発明の誘電体磁器組成物を確実に得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
[1]誘電体磁器組成物
本発明の第1観点に係る誘電体磁器組成物は、アルカリ土類金属元素をA、希土類金属元素を除く3価の金属元素をM1、5価の金属元素をM2、4価の金属元素をM3とした場合に、組成式[A(M1xM2xM3(1−2x))O3](但し、0.15<x<0.35)で表される主結晶相と、M2を含有し且つA、M1及びM3のうちの少なくとも1種を含有する複酸化物、又は、M2の酸化物、からなる副相と、を含有する。
【0009】
また、本発明の第2観点に係る誘電体磁器組成物は、アルカリ土類金属元素をA、希土類金属元素を除く3価の金属元素をM1、5価の金属元素をM2、4価の金属元素をM3とした場合に、組成式[A(M1xM2xM3(1−2x))O3](但し、0.15<x<0.35)で表される主結晶相と、主結晶相中に固溶された、M2を含有し且つA、M1及びM3のうちの少なくとも1種を含有する複酸化物、又は、M2の酸化物と、を含有する。
【0010】
即ち、上記第1観点に係る誘電体磁器組成物及び第2観点に係る誘電体磁器組成物(以下、総じて「本発明の誘電体磁器組成物」という)は、主結晶相を構成する金属元素からなる複酸化物及びM2の酸化物を含有する。また、この複酸化物及びM2の酸化物は、副相として含有されてもよく、主結晶相中に固溶されて含有されてもよく、更には、副相としても含有され且つ主結晶相中に固溶されて含有されていてもよい。
【0011】
上記「A」は、アルカリ土類金属元素を表す。このアルカリ土類金属元素の種類は特に限定されないが、例えば、Mg、Ca、Sr及びBa等が挙げられる。なかでもCa及び/又はSrが好ましく、特にCaを含有することが好ましい。これらのAは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記「M1」は、希土類金属元素を除く3価の金属元素を表す。この3価の金属元素の種類は、希土類金属元素以外であれば特に限定されないが、通常、13族(3B族)元素である。これらの元素としてはAl、Ga及びIn等が挙げられる。なかでもAl及び/又はGaが好ましく、特にAlを含有することが好ましい。これらのM1は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記「M2」は、5価の金属元素を表す。この5価の金属元素の種類は特に限定されないが、通常、5族(5A族)元素である。これらの元素としてはNb、Ta及びV等が挙げられる。なかでもNb及び/又はTaが好ましく、特にNbを含有することが好ましい。これらのM2は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記「M3」は、4価の金属元素を表す。この4価の金属元素の種類は特に限定されないが、通常、4族(4A族)元素及び14族(4B族)元素である。これらの元素としてはTi、Zr、Hf、Ge及びSn等を挙げられる。なかでもTiが特に好ましい。これらのM3は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
尚、上記A、M1及びM2でいう「元素イ及び/又は元素ロ」とは、即ち、元素イ及び元素ロからなるグループから選択される少なくとも一方を意味する。
【0012】
上記「主結晶相」は、組成式[A(M1xM2xM3(1−2x))O3](但し、0.15<x<0.35)で表される。この主結晶相は、X線回折測定により、その存在を確認できる。
上記「x」は、主結晶相中におけるM1及びM2のモル比を表す。このモル比は、M1では1/2M12O3換算により、M2では1/2M12O5換算による。このxは、0.15≦x≦0.35とすることができ、0.2≦x≦0.35であることが好ましい。この範囲であれば、例えば、τfの絶対値を適正な範囲に保つことができる。
尚、この主結晶相は、上記のA、M1、M2、M3及びOのみからなってもよいが、通常、後述するMn等の元素が固溶されて含有されている。
【0013】
上記「副相」は、M2を含有し且つA、M1及びM3のうちの少なくとも1種を含有する複酸化物、又は、M2の酸化物からなる。この副相は、結晶相(副結晶相等)であっても、非晶質相(粒界相等)であってもよいが、通常、結晶相として析出され、更には、副結晶相である。結晶相として析出されている場合は、X線回折測定により、上記主結晶相のものとは異なるピークを有することによりその存在を確認できる。
上記「固溶」は、上記複酸化物又はM2の酸化物が、上記主結晶相に含有されることである。この固溶を生じている誘電体磁器組成物は、X線回折測定を行った場合に、主結晶相のピークがブロード化又はシフトしている。ブロード化とは、主結晶相のみのピークよりも、ピークの立上り部が広がっていることを意味し、シフトとは主結晶相のみのピークがx軸に対して水平方向に移動していることを意味する。
【0014】
上記「複酸化物」は、上記主結晶相を構成する金属元素から構成され、少なくともM2を含有する。即ち、例えば、A−M2−O系複酸化物、M1−M2−O系複酸化物、M3−M2−O系複酸化物、A−M3−M2−O系複酸化物、及び、M1−M3−M2−O系複酸化物等が挙げられる。この複酸化物は、その種類により誘電体磁器組成物の焼結性及び誘電特性を調整できる。
これらの複酸化物のなかでも、A−M2−O系複酸化物、M1−M2−O系複酸化物、M3−M2−O系複酸化物、及び、A−M3−M2−O系複酸化物が好ましい。これらはその含有により特に誘電特性に優れるからである。
尚、ここでいう「〜系酸化物」とは、A、M1、M2及びM3を含む複酸化物であるが、これらの各金属元素間のモル比が限定されないものであることを表す。
【0015】
上記複酸化物のうち、A−M2−O系複酸化物であって、特に組成式[Aβ1M2(1−β1)Oδ]で表される複酸化物が含有される場合は、εr、Qu及びτfのいずれにおいても幅広く制御でき、特に大きなQuが得られる傾向にある。
このA−M2−O系複酸化物(組成式[Aβ1M2(1−β1)Oδ]で表される複酸化物)を含有する場合、本発明の誘電体磁器組成物は、組成式[(1−α1)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α1Aβ1M2(1−β1)Oδ]で表される。この組成式におけるα1は、0<α1≦0.5(より好ましくは0<α1≦0.4)であることが好ましい。α1がこの範囲であればQuを低下させることなく、また、τfの絶対値を過度に大きくすることなく、バランスのよい誘電特性を得ることができる。また、β1は0<β1≦0.6(より好ましくは0<β1≦0.5)であることが好ましい。β1がこの範囲であればQuを低下させることなくバランスのよい誘電特性を得ることができる。
【0016】
上記複酸化物のうち、M1−M2−O系複酸化物であって、特に組成式[M1β2M2(1−β2)Oδ]で表される複酸化物が含有される場合は、同様にQuを低下させることなく、また、τfの絶対値を過度に大きくすることなく、バランスのよい誘電特性を得ることができる。
このM1−M2−O系複酸化物(組成式[M1β2M2(1−β2)Oδ]で表される複酸化物)を含有する場合、本発明の誘電体磁器組成物は、組成式[(1−α2)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α2M1β2M2(1−β2)Oδ]で表される。この組成式におけるα2は、0<α2≦0.25(より好ましくは0<α2≦0.2)であることが好ましい。α2がこの範囲であればQuを低下させることなく、また、τfの絶対値を過度に大きくすることなく、バランスのよい誘電特性を得ることができる。また、β2は0<β2≦0.5であることが好ましい。β2がこの範囲であればQuを低下させることなくバランスのよい誘電特性を得ることができる。
【0017】
上記複酸化物のうち、M3−M2−O系複酸化物であって、特に組成式[M3β3M2(1−β3)Oδ]で表される複酸化物)が含有される場合は、各誘電特性がバランスよく得られる傾向にある。
このM3−M2−O系複酸化物(組成式[M3β3M2(1−β3)Oδ]で表される複酸化物)を含有する場合、本発明の誘電体磁器組成物は、組成式[(1−α3)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α3M3β3M2(1−β3)Oδ]で表される。この組成式におけるα3は、0<α3≦0.25(より好ましくは0<α3≦0.2)であることが好ましい。α3がこの範囲であれば、Quを低下させることなく、且つτfの絶対値を過度に大きくすることなくバランスのよい誘電特性を得ることができる。また、β3は0<β3≦0.5であることが好ましい。β3がこの範囲であればQuを低下させることなくバランスのよい誘電特性を得ることができる。
【0018】
上記複酸化物のうち、A−M3−M2−O系複酸化物であって、特に組成式[Aγ1M3γ2M2(1−γ1−γ2)Oδ]で表される複酸化物が含有される場合は、各誘電特性がバランスよく得られる傾向にある。
このA−M3−M2−O系複酸化物(組成式[Aγ1M3γ2M2(1−γ1−γ2)Oδ]で表される複酸化物)を含有する場合、本発明の誘電体磁器組成物は、組成式[(1−α4)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α4Aγ1M3γ2M2(1−γ1−γ2)Oδ]で表される。この組成式におけるα4は、0<α4≦0.8(より好ましくは0<α4≦0.7)であることが好ましい。α4がこの範囲であればQuを低下させることなくバランスのよい誘電特性を得ることができる。また、γ1は0<γ1≦0.375であることが好ましい。γ1がこの範囲であればQuを低下させることなくバランスのよい誘電特性を得ることができる。更に、γ2は0<γ2≦0.375であることが好ましい。γ2がこの範囲であればQuを低下させることなくバランスのよい誘電特性を得ることができる。
【0019】
上記「M2の酸化物」は、M2とOのみからなる酸化物であり、通常、M22O5である。副相又は固溶物がM22O5である場合は、同様に各誘電特性がバランスよく得られる。
このM2の酸化物を含有する場合、本発明の誘電体磁器組成物は、組成式[(1−α5)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α5M22O5]で表される。また、この組成式におけるα5は、0<α5≦0.25(より好ましくは0<α5≦0.2)であることが好ましい。α5がこの範囲であれば各誘電特性をバランスよく得ることができる。
【0020】
本発明の誘電体磁器組成物には、A、M1、M2及びM3により構成される成分以外に、他の成分が含有されてもよい。他の成分としては、例えば、Mn、V、Cr、Fe、Ni、Cu、Zn、Zr、Mo、Hf及びW等の遷移金属元素の酸化物、並びに、B、Si、Ga、In、Sn、Sb及びBi等の酸化物等が挙げられる。これらの他の成分は、上記元素のうちの1種のみを含有する酸化物であってもよく、それらのうちの2種以上を含有する複酸化物であってもよい。これらの他の成分を含有することにより、Quを大きな値に保持することができるからである。この他の成分の中でも特にMnO2が好ましい。
【0021】
これらの他の成分の含有量は、特に限定されないが、誘電体磁器組成物全体に対して酸化物換算で5質量%以下(好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、通常0.1質量%以上)であることが好ましい。この範囲であればQuを効果的に向上させることができる。尚、上記酸化物換算は、例えば、上記に例示した各元素については、MnO2、V2O5、Cr2O3、Fe2O3、NiO、CuO、ZnO、ZrO2、MoO3、HfO2、WO3、B2O3、SiO2、Ga2O3、In2O3、SnO2、Sb2O3及びBi2O3として換算するものとする。
【0022】
また、本発明の誘電体磁器組成物は、比誘電率εrが45〜65(好ましくは45〜60、より好ましくは45〜55)、無負荷品質係数と共振周波数の積Qu×f0が9500GHz以上(好ましくは11000GHz以上、より好ましくは12000GHz以上、更に好ましくは13000GHz以上)、及び、共振周波数の温度係数τfが−25〜+55ppm/℃(好ましくは−20〜+30ppm/℃、より好ましくは−10〜+10ppm/℃、更に好ましくは−5〜+5ppm/℃)とすることができる。
【0023】
特にA−M2−O系複酸化物が含有される誘電体磁器組成物では、比誘電率εrが45〜65(好ましくは45〜60、より好ましくは45〜55)、無負荷品質係数と共振周波数の積Qu×f0が10000GHz以上(好ましくは12000GHz以上、より好ましくは13000GHz以上)、及び、共振周波数の温度係数τfが−25〜+40ppm/℃(好ましくは−20〜+30ppm/℃、より好ましくは−10〜+10ppm/℃、更に好ましくは−5〜+5ppm/℃)とすることができる。
【0024】
また、M1−M2−O系複酸化物が含有される誘電体磁器組成物では、比誘電率εrが45〜65(好ましくは45〜60、より好ましくは50〜60)、無負荷品質係数と共振周波数の積Qu×f0が10000GHz以上(好ましくは12000GHz以上、より好ましくは13000GHz以上)、及び、共振周波数の温度係数τfが−25〜+30ppm/℃(好ましくは−10〜+25ppm/℃、より好ましくは−10〜+20ppm/℃)とすることができる。
【0025】
更に、M3−M2−O系複酸化物が含有される誘電体磁器組成物では、比誘電率εrが45〜65(好ましくは47〜65、より好ましくは49〜65)、無負荷品質係数と共振周波数の積Qu×f0が10000GHz以上(好ましくは12000GHz以上、より好ましくは13000GHz以上)、及び、共振周波数の温度係数τfが−25〜+55ppm/℃(好ましくは−10〜+25ppm/℃、より好ましくは−10〜+20ppm/℃)とすることができる。
【0026】
また、A−M3−M2−O系複酸化物が含有される誘電体磁器組成物では、比誘電率εrが45〜65(好ましくは45〜60、より好ましくは50〜60)、無負荷品質係数と共振周波数の積Qu×f0が10000GHz以上(好ましくは12000GHz以上、より好ましくは13000GHz以上)、及び、共振周波数の温度係数τfが−25〜+30ppm/℃(好ましくは−10〜+25ppm/℃、より好ましくは−10〜+20ppm/℃)とすることができる。
【0027】
更に、M2−O系酸化物が含有される誘電体磁器組成物では、比誘電率εrが45〜65(好ましくは50〜65)、無負荷品質係数と共振周波数の積Qu×f0が10000GHz以上(好ましくは12000GHz以上、)及び、共振周波数の温度係数τfが−25〜+35ppm/℃(好ましくは−10〜+30ppm/℃)とすることができる。
【0028】
[2]誘電体磁器組成物の製造方法
本発明の誘電体磁器組成物の製造方法は、本発明の誘電体磁器組成物を得る方法であって、M2、上記A、上記M1及び上記M3のうちの少なくとも該M2の量が、上記主結晶相を構成する量を超えるように、M2を含有するM2原料、Aを含有するA原料、M1を含有するM1原料及びM3を含有するM3原料を配合して得た原料組成物を熱処理して得るものである。
従って、前記本発明の誘電体磁器組成物は、本発明の製造方法により得られたことを特徴とする誘電体磁器組成物を含むものである。
【0029】
上記「M2原料」、上記「A原料」、上記「M1原料」、及び、上記「M3原料」は、各金属元素の酸化物又は熱処理されて酸化物となる化合物である。熱処理されて酸化物となる化合物の種類は特に限定されず、例えば、炭酸塩、水酸化物、炭酸水素塩、硝酸塩及び有機金属化合物等が挙げられる。これら(酸化物及び熱処理されて酸化物となる化合物)は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。また、各原料の形態も特に限定されず、粉末又は液状物等を用いることができる。
上記「原料組成物」は、M2原料、A原料、M1原料及びM3原料を含有するものである。但し、この原料組成物がM2原料等を含有するとは、各原料を各々別々に含有する場合、及び、M2、A、M1及びM3のうちの少なくとも2種以上を同時に含有する化合物(複酸化物等)を含有する場合を含む意味である。この原料組成物の性状は特に限定されないが、通常、粉末状である。
また、MnO2等の前記他の成分が含有される必要がある場合、この原料組成物には、前記各酸化物及び/又は熱処理により前記他の成分となる化合物を配合することができる。
【0030】
上記「熱処理」は、誘電体磁器組成物が得られる条件であれば特に限定されない。即ち、例えば、熱処理は1段(焼成工程のみ)であってもよいが、通常、仮焼工程と焼成工程との2段で行うことが好ましい。
仮焼工程(第1熱処理工程)は、原料組成物を仮焼(熱処理)して仮焼物を得る工程である。原料組成物を混合し、成形して得た成形体を仮焼工程を経ずに直接焼成した場合、後の焼成工程においても十分に焼結させることができない場合がある。これに対して仮焼を行うと、上記の原料組成物が反応して目的の化合物が生成し、後の焼成工程における焼成温度を効果的に低下させることができる。
仮焼工程における仮焼温度は特に限定されないが600〜1400℃(より好ましくは800〜1300℃)とすることが好ましい。この温度範囲であれば、未反応の原料成分が残存し難く、また、焼結してしまい仮焼物の粉砕が困難となることもない。この仮焼における仮焼時間は特に限定されないが、通常、1時間以上(通常20時間以下)である。
更に、仮焼時の仮焼雰囲気は特に限定されないが、大気雰囲気等の酸化性雰囲気が好ましい。
【0031】
また、焼成工程(第2熱処理工程)は、焼成されて誘電体磁器組成物となる、仮焼粉末を含む成形体を焼成する工程である。焼成工程における焼成温度は特に限定されないが1100〜1700℃(より好ましくは1300〜1600℃)とすることが好ましい。この温度範囲であれば、成形体を十分に焼結できると共に緻密化することができる。また、焼成時間は特に限定されないが、通常、1時間以上(通常100時間以下)である。
更に、焼成時の焼成雰囲気は特に限定されないが、大気雰囲気等の酸化性雰囲気が好ましい。また、成形体には、通常、バインダ等の有機物が含有されるが、この有機物を脱脂する必要がある。脱脂を行う脱脂工程は、通常、焼成工程を行う際の昇温過程で、有機物が分解される温度で一定時間保持することにより行うことができる。
【0032】
本発明の製造方法では、上記加熱を行う加熱工程以外にも他の工程を備えることができる。他の工程としては、例えば、(1)仮焼物を粉砕して得られた仮焼粉末を造粒する造粒工程、及び、(2)上記(1)で得られた造粒粉末を成形して成形体を得る成形工程等が挙げられる。
上記造粒工程は、仮焼により得られた仮焼物を粉砕等して得られた仮焼粉末にバインダ、溶剤、可塑剤及び分散剤等を含有させて成形に適した粒子状態にする工程である。造粒方法は特に限定されず、スプレードライ法等を用いることができる。また、成形工程は、前記造粒工程で得られた造粒粉末を成形して成形体を得る工程である。この工程では、通常、造粒粉末等には、バインダ、溶剤、可塑剤及び分散剤等を含有させることで成形性を付与する。また、成形方法は、特に限定されず、一軸プレスや、冷間等方静水圧プレス(以下、単に「CIP」という)等の種々の方法で行うことができる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を詳しく説明する。
(1)誘電体磁器組成物の作製
市販のCaCO3粉末、TiO2粉末、Al2O3粉末、Nb2O5粉末及びMn2O粉末を用い、「x」、「α1」〜「α5」、「β1」〜「β3」、「γ1」、「γ2」の各値が表1〜表5の値となるように秤量した。次いで、これらの各粉末を、エタノールを溶媒として湿式混合し、得られた混合物を大気雰囲気において1000〜1400℃で1〜20時間仮焼した。得られた仮焼物に分散剤、バインダ及びエタノールを加え、ボールミルにより粉砕してスラリーにした。次いで、このスラリーを造粒して得られた造粒粉末を、20MPaの圧力で一軸プレスを行い、円柱状に成形した。その後、150MPaの圧力でCIP処理を行い、この成形体を大気雰囲気において1300〜1700℃で1〜100時間保持して焼成し、実験例1〜27を得た。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
(2)X線回折測定
上記(1)で得られた実験例1と実験例3との各誘電体磁器組成物をX線回折測定に供した。この結果を多重チャートにて図1に示した。図1中の上段は実験例3のチャートであり、下段は実験例1のチャートである。
この各チャートの同定を行ったところ、上段のチャート内の黒塗りの逆三角マークが施された各ピークはいずれも主結晶相のピークであることが分かった。また、上段のチャート内の黒丸マークが施された各ピークは析出された副結晶相によるものであることが分かった。
一方、下段のチャート内の黒塗りの逆三角マークが施された各ピークはいずれも、上段のチャート内に示された主結晶相のピークに極めて似ているとが、一部のピークの立上り部分にブロード化及びピーク位置のシフト等が認められた。更に、この実験例1では主結晶相のみを構成するのに必要量を超える量の原料を配合しているにも関わらず、主結晶相以外のピークが認められない。これらのことから、下段のチャートは余剰な成分が主結晶相中に固溶していることを示すものであることが分かる。
【0040】
(3)誘電特性
上記(1)で得られた実験例1〜27の各誘電体磁器組成物の表面を研磨した後、平行導体板型誘電体共振器法により、測定周波数3〜5GHzにおいて、εr、Qu及びτfを測定した。但し、τfの測定温度範囲は25〜80℃とした。得られた結果を表1〜5に併記した。尚、Quは共振周波数f0との積で示した。
この結果、表1〜5より、本発明の誘電体磁器組成物は、εrがいずれも45以上と大きく、良好な誘電特性が発現されていることが分かる。
【0041】
また、特に表1において実験例3を除いた実験例1、2及び4〜10は、A−M2−O系複酸化物を含有し、α1が0<α1≦0.5のものである。実験例3のα1が0.6と大きいため、誘電特性は得られるもののQu×f0が2600GHzと小さめである。これに対して、実験例1、2及び4〜10は、Qu×f0が10500〜14300GHzと大きく無負荷品質係数が優れていることが分かる。また、各特性はεrが45〜68、Qu×f0が10500〜14300GHz、τfが−25〜+40ppm/℃と幅広く制御可能であることが分かる。従って、種々目的に応じた誘電体を得ることができる。更に、実施例6、7及び9では13000〜14300GHzと特に大きい値が得られている。
【0042】
また、表2において実験例11〜13を除いた実験例14及び15は、M1−M2−O系複酸化物を含有し、α2が0<α2≦0.25のものである。実験例11〜13は、α2が0.3〜0.5と大きいため、誘電特性は得られるもののQu×f0が200〜3400GHzと小さめである。これに対して、実験例14及び15は、Qu×f0が10000〜13200GHzと大きく無負荷品質係数が優れていることが分かる。また、各特性はεrが51〜55、Qu×f0が10000〜13200GHz、τfが+15〜+18ppm/℃と、優れた誘電特性がバランスよく得られることが分かる。
【0043】
更に、表3において実験例17〜19を除いた実験例16及び20は、M3−M2−O系複酸化物を含有し、α3が0<α3≦0.25のものである。実験例17〜19は、α3が0.3〜0.4と大きいため、誘電特性は得られるもののQu×f0が200〜2700GHzと小さめである。これに対して、実験例16及び20は、Qu×f0が10000〜13000GHzと大きく無負荷品質係数が優れていることが分かる。また、各特性はεrが50〜64、Qu×f0が10000〜13000GHz、τfが+15〜+55ppm/℃と、優れた誘電特性がバランスよく得られることが分かる。特にεrは50以上と大きな値を得ることができる。
【0044】
更に、表4において実験例21〜24は、A−M3−M2−O系複酸化物を含有し、α4が0<α4≦0.8のものである。実験例21〜24は、Qu×f0が9900〜13600GHzと大きく無負荷品質係数が優れていることが分かる。また、各特性はεrが48〜58、Qu×f0が9900〜13600GHz、τfが−9〜+26ppm/℃と、優れた誘電特性がバランスよく得られることが分かる。特に実験例21及び22のように、τfが−9〜1ppm/℃とその絶対値が小さい範囲で、Qu×f0が13000GHz以上である優れた誘電特性を得ることができる。
【0045】
更に、表5において実験例27を除いた実験例25〜26は、M2−O系酸化物を含有し、α5が0<α5≦0.25のものである。実験例27ではα5が0.3と大きいため、誘電特性は得られるもののQu×f0が200GHzと小さめである。これに対して、実験例25〜26は、Qu×f0が10600〜12300GHzと大きく無負荷品質係数が優れていることが分かる。また、各特性はεrが56〜60、Qu×f0が10600〜12300GHz、τfが+26〜+32ppm/℃と、優れた誘電特性がバランスよく得られることが分かる。
【0046】
即ち、表1〜表5より、所定の複酸化物を所定の割合で含有する誘電体磁器組成物では、εrは45〜62と大きく、また、幅広く制御できることが分かる。更に、Qu×f0は9900(約10000)〜14300GHzと大きい値を得ることができる。また、τfは−25〜55ppm/℃(絶対値では55ppm/℃以下)と小さい値に制御できる。従って、これらの各誘電特性をバランスよく備え、また、その範囲内で幅広く制御した各種の誘電体を得ることができることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例1(下段チャート)及び実験例3(上段チャート)のX線回折測定により得られたチャートによる説明図である。
Claims (10)
- アルカリ土類金属元素をA、希土類金属元素を除く3価の金属元素をM1、5価の金属元素をM2、4価の金属元素をM3とした場合に、
組成式[A(M1xM2xM3(1−2x))O3](但し、0.15<x<0.35)で表される主結晶相と、
M2を含有し且つA、M1及びM3のうちの少なくとも1種を含有する複酸化物、又はM2の酸化物からなる副相と、を含有することを特徴とする誘電体磁器組成物。 - アルカリ土類金属元素をA、希土類金属元素を除く3価の金属元素をM1、5価の金属元素をM2、4価の金属元素をM3とした場合に、
組成式[A(M1xM2xM3(1−2x))O3](但し、0.15<x<0.35)で表される主結晶相と、
該主結晶相中に固溶された、M2を含有し且つA、M1及びM3のうちの少なくとも1種を含有する複酸化物、又はM2の酸化物と、を含有することを特徴とする誘電体磁器組成物。 - 上記複酸化物を含有し、該複酸化物はM2とAとを含有し、且つ組成式[(1−α1)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α1Aβ1M2(1−β1)Oδ]で表した場合に、0.15≦x≦0.35、0<α1≦0.5且つ0<β1≦0.6である請求項1又は2記載の誘電体磁器組成物。
- 上記複酸化物を含有し、該複酸化物はM2とM1とを含有し、且つ組成式[(1−α2)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α2M1β2M2(1−β2)Oδ]で表した場合に、0.15≦x≦0.35、0<α2≦0.25且つ0<β2≦0.5である請求項1又は2記載の誘電体磁器組成物。
- 上記複酸化物を含有し、該複酸化物はM2とM3とを含有し、且つ組成式[(1−α3)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α3M3β3M2(1−β3)Oδ]で表した場合に、0.15≦x≦0.35、0<α3≦0.25且つ0<β3≦0.33である請求項1又は2記載の誘電体磁器組成物。
- 上記複酸化物を含有し、該複酸化物はM2とAとM3とを含有し、且つ組成式[(1−α4)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α4Aγ1M3γ2M2(1−γ1−γ2)Oδ]で表した場合に、0.15≦x≦0.35、0<α4≦0.8、0<γ1≦0.375且つ0<γ2≦0.375である請求項1又は2記載の誘電体磁器組成物。
- 上記M2の酸化物を含有し、且つ組成式[(1−α5)A(M1xM2xM3(1−2x))O3−α5M22O5]で表した場合に、0.15≦x≦0.35且つ0<α5≦0.25である請求項1又は2記載の誘電体磁器組成物。
- 上記AがCa及び/又はSrであり、上記M1がAl及び/又はGaであり、上記M2がNb及び/又はTaであり、上記M3がTiである請求項1乃至7のうちのいずれかに記載の誘電体磁器組成物。
- 全体を100質量%とした場合に、MnをMnO2換算で5質量%以下含有する請求項1乃至7のうちのいずれかに記載の誘電体磁器組成物。
- 上記M2、上記A、上記M1及び上記M3のうちの少なくとも該M2の量が、上記主結晶相を構成する量を超えるように、M2を含有するM2原料、Aを含有するA原料、M1を含有するM1原料及びM3を含有するM3原料を配合して得た原料組成物を熱処理して、請求項1乃至9のうちのいずれかに記載の誘電体磁器組成物を得ることを特徴とする誘電体磁器組成物の製造方法。
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