JP2005028854A - コンクリートミキサの軸封装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンクリートミキサの回転軸の軸封装置において間隙部から異物が軸封部分へ侵入するのを防ぎ且つ充分なシール性を確保することを目的とする。
【解決手段】前記回転軸に固着する回転部に設けられ回転軸に対し一平面をなすシール面を有するシール板と、前記シール面に接し弾性体で形成されるリップを設け、該リップの先端が回転軸芯に対し外方へ傾斜する形状であるリップを有する一次シール部材と、該一次シール部材よりも混練槽外方に設けられ回転部の円周面と接する二次シール部材と、前記一次シール部材と二次シール部材との間に設けられた圧縮空気室へ圧縮空気を供給し前記リップの全域へ常に圧縮空気の圧力を均一に加える圧縮空気供給手段を備えること
【選択図】 図1

Description

本発明は、混練槽内に混練羽根を有する回転軸を備え生コンクリートを混練するコンクリートミキサの軸封装置に関するものである。
生コンクリートの混練には、混練槽が回転する重力式や、固定された混練槽内に回転する混練羽根を備えた強制式などのミキサが使用されている。
これらのミキサの中には混練槽内に混練羽根を有する回転軸が挿入された構造のものがあり、混練槽内の回転軸部におけるシールについて種々の提案がなされている。
中でも、回転軸と混練槽の槽壁との軸封装置の構造では、軸封部に圧縮空気を供給して混練する材料の侵入を防止する構造が提案されている。
従来の回転軸の軸封装置の例では、回転軸の回転部と槽壁部の非回転部との間に間隙部を備え、該間隙部にランタンリングを設けランタンリングへ圧縮空気を供給することにより圧縮空気で間隙部に侵入した異物をミキサ内へ吹き飛ばし、異物の侵入を阻止する軸封装置が示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−25341号公報
しかしながら、前記の軸封装置では、回転部と非回転部との間に間隙部を有しているので異物の侵入が容易となり、間隙部を通じて簡単に異物が侵入する。
また、圧縮空気により異物を吹き飛ばして異物の侵入を阻止する際には、大量の圧縮空気が必要となり、圧縮空気の圧力の低下や混練作用による混練槽内の一時的な内圧の上昇には対応できず、間隙部内に異物の侵入をゆるしてしまう。
本発明は、前記の点を鑑み、コンクリートミキサの回転軸の軸封装置において間隙部から異物が軸封部分へ侵入するのを防ぎ且つ充分なシール性を確保することを目的とする。
混練槽内に混練羽根を有する回転軸を備えるコンクリートミキサにおける回転軸の軸封装置において、前記回転軸に固着する回転部に設けられ回転軸に対し一平面をなすシール面を有するシール板と、前記シール面に接し弾性体で形成されるリップを設け、該リップの先端が回転軸芯に対し外方へ傾斜する形状であるリップを有する一次シール部材と、該一次シール部材よりも混練槽外方に設けられ回転部の円周面と接する二次シール部材と、前記一次シール部材と二次シール部材との間に設けられた圧縮空気室へ圧縮空気を供給し前記リップの全域へ常に圧縮空気の圧力を均一に加える圧縮空気供給手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、コンクリートミキサの回転軸の軸封装置において、シール性を確保し、間隙部からの異物の侵入を確実に防ぐことができる。また、間隙部から漏れる圧縮空気の量を抑え、空気消費量を少なくすることができる。
以下に発明の実施例について図を用いて説明する。
図1は、本発明によるコンクリート用ミキサの回転軸の軸封装置における第一実施例の側断面図を示す。
また、図2は、一次シール部材のリップ部の詳細断面図を示す。
図1において、回転軸1にはカラー2が固定され、該カラー2には回転軸に対して垂直な平面のシール面22を有するシール板3が固定されており、回転部としてカラー2とシール板3は回転軸1とともに回転する。回転しない混練槽の側壁5にはハウジング13が固定されている。ハウジング13とシール板3との間には隙間1.5mm程度の間隙部4が設けられている。
ハウジング13には、フィン形状のリップ8を有する一次シール部材7が内設され、該一次シール部材7のリップ8の先端がシール板3のシール面22に接するように設けられている。
カラー2の外側には、二次シール部材6を形成するフローティングシールがカラーの円周面に接するように配設され、フローティングシールの外側には、フローティングシールを固定するシールケース14がハウジング13に固着されている。一次シール部材6であるフローティングシールはカラー2とグリスを用いて接しており、カラー2とフローティングシールとの間へグリスを供給するグリス配管18がシールケース14に設けられている。非回転部としてハウジング13とシールケース14と一次シール部材7と二次シール部材6が設けられている。
一次シール部材7と二次シール部材6との間にはカラー2とシールケース14とハウジング13及びシール板3とで形成される圧縮空気室15が設けられ、間隔部4と連接し圧縮空気供給手段21により圧縮空気が送られる。
圧縮空気供給手段21は、圧縮空気源10であるコンプレッサと該コンプレッサからシールケース14に接続する空気配管9を備え、コンプレッサから供給される圧縮空気がシールケース14を介して圧縮空気室15へ送られる。空気配管9の途中には、供給する圧縮空気の圧力を一定圧に調整する圧力調整弁19と供給する圧縮空気に滴下給油するための給油手段12を配設している。また、配管内の空気圧を検出する圧力検出器11として圧力計が配設されている。前記圧力調整弁19により圧縮空気室15へ送られる圧縮空気の圧力は80kPaに調整される。
図2において、一次シール部材7に設けられたリップ8の先端は、回転軸芯に対して外方へ傾斜する形状になされ、リップ8の先端が図中上方となる傾斜を有し、リップ8の先端がシール板3に設けられたシール面22と接触した状態でハウジング13へ設けられている。
次に本発明の作用について説明する。
圧縮空気源10より供給された圧縮空気は、空気配管9を介してシールケース14に設けられた圧縮空気室15へ送られる。
該圧縮空気室15は、一次シール部材7と二次シール部材6との間に設けられており、圧縮空気は一次シール部材7と二次シール部材6の両方向へ流れるが、二次シール部材6はフローティングシールにより密閉されているため、圧縮空気は回転部のシール板3と非回転部のハウジング13との間の間隙部4へ送られる。
間隙部4を通った圧縮空気は、ハウジング13に設けられた一次シール部材7のリップ8へ圧縮空気室15からエア圧力Rを加える。
リップ8へ加えられる圧縮空気は圧縮空気供給手段21により常に均一の圧力で供給されるので、圧縮空気室15からリップ8へ加えられる圧縮空気によるエア圧力Rはリップ8の全域に渡ってムラなく均一に作用する。
図2において、図2(a)は、混練槽(図中上方)からリップ8に混練物などの異物による外力Pが加わり、混練槽より異物が侵入しようとする場合を示す。
このとき、リップ8が外力Pに押されるとリップ8の先端部が図中下方へ向けて変形される。
下方へ押されたリップ8は、リップ厚さTの中心線上のリップ8の根元部Aを変形中心点として下方へ回転変形をおこす。
リップ8の先端は外方へ傾斜しているので、変形中心点Aで回転変形すると垂直なシール面22に対して回転半径方向で必要なリップ長さが短くなり余分なリップ長さ分がシール面へくい込まれる。このときリップ8の先端がシール面22を押圧し、押圧力Qがリップ8の先端へ発生する。
この押圧力Qによりリップ8はシール面22へ圧接され、軸封部への異物の侵入を阻止することができる。
図2(b)は、圧縮空気室15(図中下方)から送られる圧縮空気のエア圧力Rがリップ8に加わる場合を示す。
この時、リップ8は下方からのエア圧力Rにより、図中上方へリップ8の先端を戻す作用力Sが働く。リップ8には圧縮空気のエア圧力Rが常に一定圧でリップ8の全周へ均一に加わるため、前記作用力Sはリップ8の全体に偏りなく均一に作用する。作用力Sはリップ8の先端を混練槽側(図中上方)へ動かし、そのリップ8の先端の動きによって侵入しようとする異物を混練槽(図中上方)へ押し戻す。
また、混練槽からの異物による外力Pにより図中下方へ向けて変形したリップ8は下方からのエア圧力Rにより図中上方へ向けて元の形状へ変形し、弾性体による形状復元性も加わり、リップ8の形状の復元作用が働く。これにより、混練槽からの外力Pによるリップ8の変形から生じるシール性の低減を防ぎ、リップ8でのシール性を長時間維持できる。
本発明は、非回転部である一次シール部材7のリップ8が回転部であるシール面22と平面で接する構成になされているので、回転軸の曲面で軸封する際に生じる軸のブレによる軸封部分の隙間が発生することなく、リップ8は全周に渡り均一にシール面22と接することができ、確実なシール性を保つことができる。
またリップ8へ圧力を与えるためにグリスではなく圧縮空気のエア圧力を用いるので、グリスを用いる際のグリスの不均一な注入やグリスの一部分の流出によるリップ8への圧力ムラが発生することなく、圧縮空気のエア圧力はリップ8全体に均一に加わるため、リップ8による均一なシール性が得られ、またリップ8に加わる圧力ムラによる異物の侵入がない。
また、一次シール部材7がシール面22と接することで、間隔部4への異物の侵入を阻止しシール性を高め、さらに、間隔部4からの空気流出がなくなり、圧縮空気の使用量の低減が可能となる。
混練槽からの圧力が高くなると変形することでシール面22へ押圧力を増すリップ8を供え、異物の侵入する圧力によってシール面22への押圧力を生じさせ一次シール部材7のシール性を保持し、且つ前記リップ8の変形を圧縮空気室15からの圧縮空気の圧力によって復元させ、元の形状を保つことでリップ8のシール性を維持する。また、前記圧縮空気の圧力とさらにはリップ8の弾性によるリップ形状の復元作用により、侵入した異物を混練槽へ押し戻す効果が得られる。
リップ8の形状は図2の第一実施例で示すリップ8の先端形状に限定するものではなく、例えば図3に示すようにシール面22に平行な先端形状としシール性をより向上することができる。
本発明の他の実施例として、図4にリップ部8の形状の異なる第二実施例を示す。
図4において、リップ8は、第一実施例で示すようなリップ8自体が傾斜を有する形状でなく、図中水平で傾斜を有しない形状をしており、リップ8の先端部に回転軸芯に対して外方へ傾斜を有する断面形状となす。
これにより、第一実施例と同様に図4(a)に示す混練槽(図中上方)からの外力Pに対しては、リップ8の先端部は変形中心点Aを中心に下方へ回転変形し、シール面22に圧接し、混練槽からの異物の侵入を防ぐ。
また、図4(b)に示すように、圧縮空気室15(図中下方)から送られる圧縮空気のエア圧力Rに対しては、リップ8の先端は変形中心点Aを中心に上方へ回転変形され、リップ8の形状を戻し、リップ8の変形によるシール性の低減を防ぐ。
本発明の第三実施例として、一次シール部材7がリップ8を複数供えた実施例を図5に示す。
本実施例の一次シール部材7はリップ8を連続して複数供えている。これにより、図中上方のリップ8aと図中下方のリップ8bとシール面22で密閉された気室17が形成され、気室17内の空気圧は一定に保たれる。
そのため、空気配管9からの空気もれ等のトラブルによる供給空気圧力の変動が発生しても、一次シール部材のシール性が損なわれることなく、常に確実なシール性を得ることができる。
本発明の軸封部を示す側断面図。 リップ部の詳細断面図。 他の実施例のリップ部の詳細断面図。 第二実施例のリップ部の詳細断面図。 第三実施例のリップ部の詳細断面図。
符号の説明
1 回転軸
3 シール板
6 二次シール部材
7 一次シール部材
8 リップ部
15 圧縮空気室

Claims (3)

  1. 混練槽内に混練羽根を有する回転軸を備えるコンクリートミキサにおける回転軸の軸封装置において、
    前記回転軸に固着する回転部に設けられ回転軸に対し一平面をなすシール面を有するシール板と、
    前記シール面に接し弾性体で形成されるリップを設け、該リップの先端が回転軸芯に対し外方へ傾斜する形状であるリップを有する一次シール部材と、
    該一次シール部材よりも混練槽外方に設けられ回転部の円周面と接する二次シール部材と、
    前記一次シール部材と二次シール部材との間に設けられた圧縮空気室へ圧縮空気を供給し前記リップの全域へ常に圧縮空気の圧力を均一に加える圧縮空気供給手段を備えること
    を特徴とするコンクリートミキサの軸封装置。
  2. 前記一次シール部材がリップを複数個設けることを特徴とする請求項1記載のコンクリートミキサの軸封装置。
  3. 前記圧縮空気供給手段が供給する圧縮空気の圧力を一定圧に調節する圧力調整弁と、空気配管内の圧縮空気の圧力を検出する圧力検出器を備えることを特徴とする請求項1乃至2記載のコンクリートミキサの軸封装置。
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