JP2005028848A - 画像形成装置、およびプリントヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】 光書き込みを行うプリントヘッドにおいて、温度上昇による発光点とレンズとの相対位置変動を抑制する。
【解決手段】 LEDアレイ51と、発光素子からの光を結像するセルフォックレンズアレイ53と、ハウジング54と、プレート56とを含み、ハウジング54とプレート56とは第1接着点71で接合され、プレート56とセルフォックレンズアレイ53とは第2接着点72で接合され、ハウジング54とLEDアレイ51とは第3接着点73で接合され、ハウジング54の線膨張係数をβ、プレート56の線膨張係数をα、第1接着点71と第2接着点72における副走査方向距離をay、焦点方向距離をaz、第1接着点71と第3接着点73における副走査方向距離をby、焦点方向距離をbzとすると、
β/α≒ay/by≒az/bz
であることを特徴とする。
【選択図】 図5
【解決手段】 LEDアレイ51と、発光素子からの光を結像するセルフォックレンズアレイ53と、ハウジング54と、プレート56とを含み、ハウジング54とプレート56とは第1接着点71で接合され、プレート56とセルフォックレンズアレイ53とは第2接着点72で接合され、ハウジング54とLEDアレイ51とは第3接着点73で接合され、ハウジング54の線膨張係数をβ、プレート56の線膨張係数をα、第1接着点71と第2接着点72における副走査方向距離をay、焦点方向距離をaz、第1接着点71と第3接着点73における副走査方向距離をby、焦点方向距離をbzとすると、
β/α≒ay/by≒az/bz
であることを特徴とする。
【選択図】 図5
Description
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置等に係り、より詳しくは、光書き込みを行うプリントヘッドを備えた画像形成装置等に関する。
電子写真方式を採用した、プリンタや複写機、ファクシミリ等の画像形成装置では、一様に帯電された感光体上に、光記録手段によって光を照射することにより静電潜像を得た後、この静電潜像にトナーを付加して可視化し、記録紙上に転写して定着することによって画像形成が行われる。かかる光記録手段として、レーザを用いて主走査方向にレーザ光を走査させて露光する光走査方式の他、近年では、装置の小型化の要請を受けて、発光素子であるLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を主走査方向に多数、配列してなるLEDプリントヘッド(LPH:LED Print Head)を用いた光記録手段が採用されている。
LPHは、一般に、多数のLEDをライン状に配列したLEDチップが複数配置されたLEDアレイと、LEDから出力された光を感光体(感光体ドラム)表面に結像させるために多数のロッドレンズが配列されたセルフォックレンズアレイとを含んで構成されている。画像形成装置では、入力される画像データに基づいてLPHの各LEDを駆動させ、感光体へ向けて光を出力し、セルフォックレンズアレイによって感光体表面に光を結像させる。そして、感光体とLPHとを相対移動させることにより副走査方向に静電潜像を形成している。
このようなLPHは、支持部材に複数列からなるLEDが例えば中心軸を合わせて配列され、また、結像素子であるセルフォックレンズアレイも支持部材に保持される。しかしながら、環境温度の上昇や装置の稼動による温度上昇、LEDの発熱等により、それぞれの部材や支持部材が熱膨張を起こして歪み、例えば色ずれを起こしたり、ピントずれによる画像ボケ等が発生することが問題となっていた。そこで、従来技術として、例えば、発熱する部品を支持する支持部材とそうでない部品を支持する支持部材との間隙に熱伝導性部材を充填し、歪みの発生を防止する技術が存在している(例えば、特許文献1参照。)。また、像形成体と支持部材との間に配置され結像素子を保持する保持部材が、像形成体と支持部材との中間位置に結像素子の中心を設定するように熱膨張することで、ピントずれを防止する技術が存在している(例えば、特許文献2参照。)。
ここで、基板上に配列され、光を出射する発光チップが設けられる発光素子アレイと、光を収束させるセルフォックレンズアレイとは、所定の位置関係となるようにハウジングに固定されている。そして、セルフォックレンズアレイは、構造上、光学特性に周期的なむらを持ち、また、発光素子アレイも発光チップ間にばらつきがあることから、組みあがったLPHの出力露光エネルギ分布におけるむらを無くすために、光量補正が行われている。このとき、例えば熱膨張によって発光チップとセルフォックレンズアレイとの相対位置が変動すると、セルフォックレンズへ入射する光量が変化するため、光量補正によって得られていた露光エネルギ分布の一様性が崩れてしまう。特に、発光チップが千鳥状に配列される場合には、奇数チップと偶数チップとで光量差が顕著に生じ、例えばチップ幅の筋となって画質を乱してしまう。
かかる問題に対し、上記特許文献1に記載の技術では、発光点とレンズ位置の熱による相対位置ずれについて対処できるものではなく、この相対位置ずれによって発生する光量むらについては対応することができない。また、発光素子アレイとセルフォックレンズアレイとのハウジングへの取り付けが、例えば片側位置基準である片持ち構造である場合には、熱によってこれらの相対位置がY方向(主走査方向に直交する方向、副走査方向)およびZ方向(焦点方向)に共に変動する。上記特許文献2に記載の技術では、発光点の熱膨張によるZ方向の位置ずれは小さくすることが可能であるが、Y方向の位置ずれについては全く考慮されていない。また、Z方向の位置ずれについても、焦点位置変動にのみ着目しており、光量変動を起こす発光点とセルフォックレンズアレイとの相対位置ずれについては考慮されていない。
本発明は、かかる技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、発光点とセルフォックレンズアレイとの相対位置変動を抑制し、温度上昇に対して均一となる露光エネルギ分布を確保することにある。
また他の目的は、副走査方向(Y方向)および焦点方向(Z方向)の両方向に対して、発光点とセルフォックレンズアレイとの相対位置ずれを抑制することにある。
また他の目的は、副走査方向(Y方向)および焦点方向(Z方向)の両方向に対して、発光点とセルフォックレンズアレイとの相対位置ずれを抑制することにある。
かかる目的のもと、本発明が適用される画像形成装置は、像担持体と、複数の発光素子をアレイ状に配設した発光素子アレイとこの発光素子からの光を結像するレンズアレイとを含み像担持体を露光して静電潜像を形成するプリントヘッドとを備え、このプリントヘッドは、発光素子アレイおよびレンズアレイを片側位置基準となるハウジングにて支えると共に、ハウジングとレンズアレイとの間にハウジングとは線膨張係数の異なる部材が配置されることを特徴としている。
ここで、このプリントヘッドにおける部材は、発光素子アレイとレンズアレイとの間における副走査方向の位置ずれ、および/または発光素子アレイとレンズアレイとの間における焦点方向の位置ずれを補正することを特徴とすることができる。また、プリントヘッドにおける発光素子アレイは、発光素子が所定数配列された発光チップが千鳥状に配列され、また、プリントヘッドにおけるレンズアレイは、セルフォックレンズアレイであることを特徴とすることができる。
一方、本発明が適用されるプリントヘッドは、複数の発光素子をアレイ状に配設した発光素子アレイと、この発光素子アレイにおける発光素子からの光を結像するレンズアレイと、発光素子アレイおよびレンズアレイを支えるハウジングとして機能する第1の部材と、ハウジングとレンズアレイとの間に設けられる第2の部材とを含み、この第1の部材と第2の部材とは第1の接着点で接合され、第2の部材とレンズアレイとは第2の接着点で接合され、第1の部材と発光素子アレイとは第3の接着点で接合され、第1の部材における線膨張係数をβ、第2の部材における線膨張係数をα、第1の接着点と第2の接着点における副走査方向距離をay、焦点方向距離をaz、第1の接着点と第3の接着点における副走査方向距離をby、焦点方向距離をbzとすると、
β/α≒ay/by≒az/bz
であることを特徴とすることができる。
β/α≒ay/by≒az/bz
であることを特徴とすることができる。
ここで、この第1の部材は、片側位置基準にて発光素子アレイとレンズアレイとを支えることを特徴とすることができる。また、この発光素子アレイは、発光素子が所定数配列された発光チップが千鳥状に配列され、レンズアレイは、複数のセルフォックレンズが配列されたセルフォックレンズアレイであることを特徴とすることができる。
このように、本発明が適用されるプリントヘッドは、複数の発光素子をアレイ状に配設した発光素子アレイと、この発光素子アレイにおける発光素子からの光を結像するレンズアレイと、発光素子アレイおよびレンズアレイを片側位置基準にて支えるハウジングとを備え、この発光素子アレイとレンズアレイとの副走査方向の相対位置変動および焦点方向の相対位置変動を、ハウジングとは線膨張係数の異なる部材を用いて吸収している。より具体的には、この異なる部材をハウジングとレンズアレイとの間に介在させる。そして、ハウジングの線膨張係数をβ、この異なる部材の線膨張係数をα、ハウジングにおいて副走査方向の位置変動に関わる部分の長さをby、ハウジングにおいて焦点方向の位置変動に関わる部分の長さをbz、この異なる部材において副走査方向の位置変動に関わる部分の長さをay、この異なる部材において焦点方向の位置変動に関わる部分の長さをazとした場合に、
β/α≒ay/by≒az/bz
であることを特徴とすることができる。
β/α≒ay/by≒az/bz
であることを特徴とすることができる。
本発明によれば、光書き込みを行うプリントヘッドにおいて、温度上昇による発光点とレンズとの相対位置変動を抑制することが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本実施の形態が適用されるLEDプリントヘッドが用いられた画像形成装置の全体構成を示した図であり、所謂タンデム型のデジタルカラープリンタを示している。図1に示す画像形成装置は、本体1に、各色の階調データに対応して画像形成を行う画像プロセス系10、画像プロセス系10を制御する画像出力制御部30、例えばパーソナルコンピュータ(PC)2や画像読取装置(IIT)3に接続され、これらから受信された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部(IPS:Image Processing System)40を備えている。
図1は本実施の形態が適用されるLEDプリントヘッドが用いられた画像形成装置の全体構成を示した図であり、所謂タンデム型のデジタルカラープリンタを示している。図1に示す画像形成装置は、本体1に、各色の階調データに対応して画像形成を行う画像プロセス系10、画像プロセス系10を制御する画像出力制御部30、例えばパーソナルコンピュータ(PC)2や画像読取装置(IIT)3に接続され、これらから受信された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部(IPS:Image Processing System)40を備えている。
画像プロセス系10は、水平方向に一定の間隔を隔てて並列的に配置される複数のエンジンからなる画像形成ユニット11を備えている。この画像形成ユニット11としては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kで構成されている。これらの画像形成ユニット11(11Y,11M,11C,11K)は、夫々、静電潜像を形成してトナー像を担持させる像坦持体(感光体)である感光体ドラム12、感光体ドラム12の表面を一様に帯電する帯電器13、帯電器13によって帯電された感光体ドラム12を露光するプリントヘッドであるLEDプリントヘッド(LPH)14、LPH14によって得られた潜像を現像する現像器15を備えている。また、画像プロセス系10は、各画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12にて画像形成された各色のトナー像を記録用紙に多重転写させるために、この記録用紙を搬送する用紙搬送ベルト21、用紙搬送ベルト21を駆動させるロールである駆動ロール22、感光体ドラム12のトナー像を記録用紙に転写させる転写ロール23を備えている。
各画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kは、現像器15に収納されたトナーの種類等を除き、ほぼ同様な構成要素を備えている。PC2やIIT3から入力された画像信号は、画像処理部40によって画像処理が施され、インタフェースを介して各画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kに供給される。画像プロセス系10は、画像出力制御部30から供給された同期信号等の制御信号に基づいて動作する。まず、イエローの画像形成ユニット11Yでは、帯電器13により帯電された感光体ドラム12の表面に、画像処理部40から得られた画像信号に基づき、LPH14によって静電潜像を形成する。その静電潜像に対して現像器15によってイエローのトナー像を形成し、形成されたイエローのトナー像は、図の矢印方向に回動する用紙搬送ベルト21上の記録用紙に転写ロール23を用いて転写される。同様にして、マゼンタ、シアン、黒のトナー像が各々の感光体ドラム12上に形成され、用紙搬送ベルト21上の記録用紙に転写ロール23を用いて多重転写される。多重転写された記録用紙上のトナー像は、定着器24に搬送されて、熱および圧力によって記録用紙に定着される。
図2は、プリントヘッドであるLEDプリントヘッド(LPH)14の構成を示した図である。LPH14は、発光素子として多数のLEDからなるLEDチップ63が基板52上に千鳥状に配列された発光素子アレイであるLEDアレイ51を有している。この基板52は、LEDチップ63を支持すると共に各LEDの駆動を制御するための回路が形成されている。また、LPH14は、各LEDから出射された光ビームを感光体ドラム12上に結像させるセルフォックレンズアレイ(SLA)53を備え、基板52およびセルフォックレンズアレイ53は、片側位置基準とする片持ち構造のハウジング54(第1の部材)に保持されている。LEDアレイ51は、主走査方向に画素数分のLEDが配列されており、例えば、A3サイズの短手(297mm)を主走査方向とする場合、600dpiの解像度では、約42.3μm毎に7020個のLEDが配列されている。尚、配列は、千鳥状に配列される場合の他、一列に並んで配列される場合がある。セルフォックレンズアレイ53は、例えばバネ部材からなる封止材55によってハウジング54側に押し付けられている。また、ハウジング54に保持される際に、例えばアルミ材からなるプレート56(第2の部材)を間に介している。
ハウジング54とLEDアレイ51(基板52)、ハウジング54とプレート56、およびプレート56とセルフォックレンズアレイ53との間は、所定の接着剤によって接着される。接着点として、主走査方向(x方向)に、その両端で弾性が高い接着剤(例えば、変性シリコーン系)、中心で弾性の低い接着剤(例えば、エポキシ系)が使用される。主走査方向の両端にて弾性が高い接着剤を使用することで、各構成部材における熱膨張の差によって生じる歪みを抑制することができる。
図3(a),(b)は、セルフォックレンズアレイ53と発光素子アレイであるLEDアレイ51の構造を説明するための図である。図3(a)は、セルフォックレンズアレイ53を発光点側から見た図であり、図3(b)は、LEDチップ63が千鳥状に配列されたLEDアレイ51の構造を示している。図3(a)に示すように、セルフォックレンズアレイ53は、固定用側板61に、セルフォックレンズ62が整列して配置されている。しかしながら、「整列」といっても、その構造上、光学特性(光の透過率)に周期的なむらを有している。一方、LEDアレイ51は、図3(b)に示すように、基板52上にLEDチップ63が副走査方向(y方向)に2列に、千鳥状に配列されている。LEDの束であるLEDチップ63は、例えば1つのチップに256画素の発光点が配列されている。全てのLEDチップ63を直線状に並べると、LEDチップ63の接続部分でLEDの間隔を画素間隔(例えば1200dpiであれば21.16μm)にするため、チップ端部の切断面と発光点との間隔が非常に狭くなり、発光部にカケ等を生じる不具合が起こりやすい。そこで、図3(b)に示すように、LEDチップ63を千鳥状に配列して、チップ端部の切断面と発光点との距離を広くしたうえで、主走査方向(x方向)に必要画素分、配置させることが有効である。特に、例えば1200dpi以上の高密度実装を必要とする場合に、千鳥配列は有利である。
次に、セルフォックレンズアレイ53とLEDアレイ51との相対位置ずれと光量変化について説明する。
図4(a),(b)は、これらの相対位置ずれを説明するための図である。図4(a)はy方向(副走査方向)のずれを説明するための図であり、図4(b)はz方向(焦点方向)のずれを説明するための図である。図4以下の図面では、説明の都合上、セルフォックレンズアレイ53とLEDアレイ51の上下関係が図1および図2の場合と逆になっている。図4(a),(b)では、相対位置ずれをセルフォックレンズアレイ53のずれで表現しており、各々の相対ずれを実線と破線とで表現している。図4(a)および図4(b)の左側に示す図では、千鳥配列の奇数側列である奇数LEDチップ63-1から照射された光がセルフォックレンズアレイ53に集光される様子が示されている。また、図4(a)および図4(b)の右側に示す図では、千鳥配列の偶数側列である偶数LEDチップ63-2から照射された光がセルフォックレンズアレイ53に集光される様子が示されている。
図4(a),(b)は、これらの相対位置ずれを説明するための図である。図4(a)はy方向(副走査方向)のずれを説明するための図であり、図4(b)はz方向(焦点方向)のずれを説明するための図である。図4以下の図面では、説明の都合上、セルフォックレンズアレイ53とLEDアレイ51の上下関係が図1および図2の場合と逆になっている。図4(a),(b)では、相対位置ずれをセルフォックレンズアレイ53のずれで表現しており、各々の相対ずれを実線と破線とで表現している。図4(a)および図4(b)の左側に示す図では、千鳥配列の奇数側列である奇数LEDチップ63-1から照射された光がセルフォックレンズアレイ53に集光される様子が示されている。また、図4(a)および図4(b)の右側に示す図では、千鳥配列の偶数側列である偶数LEDチップ63-2から照射された光がセルフォックレンズアレイ53に集光される様子が示されている。
LEDチップ63(奇数LEDチップ63-1および偶数LEDチップ63-2)の発光光量分布の一部がセルフォックレンズアレイ53を通過するが、セルフォックレンズアレイ53とLEDチップ63(LEDアレイ51)との相対位置が変動すると、図3に示すセルフォックレンズ62へ入射する光量が変化する。そのために、光量補正によって得られていた露光エネルギ分布の一様性が崩される。図4(a),(b)に示すように、LEDチップ63が奇数LEDチップ63-1および偶数LEDチップ63-2の千鳥配列である場合に、この奇数LEDチップ63-1と偶数LEDチップ63-2との間で光量差が顕著に生じる。このような光量差が生じる場合には、チップ幅(例えば5.41mm程度)の筋が生じる。初期状態にて奇数LEDチップ63-1と偶数LEDチップ63-2がセルフォックレンズアレイ53の中心から均等位置になくy方向にずれている場合には、図4(b)に示すz方向のずれが生じた場合に、奇数LEDチップ63-1と偶数LEDチップ63-2との間で光量差が生じてしまう。特に、図2に示したように、ハウジング54への取り付けが片持ち構造である場合には、熱によってセルフォックレンズアレイ53とLEDチップ63との相対位置がy方向およびz方向に、共に変動し易くなる。
そこで、本実施の形態では、図2に示すように、ハウジング54とセルフォックレンズアレイ53との間に、ハウジング54とは線膨張係数の異なる部材であるプレート56を配設した。即ち、ハウジング54の熱による伸びをプレート56の伸びによってキャンセル(解消)し、セルフォックレンズアレイ53とLEDチップ63との相対位置ずれを同時にキャンセルできるように構成している。
図5は、LEDプリントヘッド(LPH)14において、相対位置ずれを解消するための設計値を説明する図である。図5では、相対位置ずれをキャンセルするための相殺部材であるプレート56とハウジング54との接着点を第1接着点71、プレート56とセルフォックレンズアレイ53との接着点を第2接着点72、ハウジング54とLEDアレイ51(LEDチップ63)を有する基板52との接着点を第3接着点73としている。この第3接着点73は、y方向にて光軸(LEDアレイ51およびセルフォックレンズアレイ53の中心)に合わせている。本実施の形態では、プレート56のy方向厚さである第1接着点71と第2接着点72によるy方向の寸法をay、プレート56のz方向幅である第1接着点71と第2接着点72によるz方向の寸法をazとしている。また、ハウジング54に対してLEDアレイ51(LEDチップ63)を支持するための基準として、第1接着点71と第3接着点73とのy方向の寸法をby、z方向の寸法をbzとしている。
図5に示すay,by,az,bzは、相対位置ずれを検討する際の基準寸法となる。このay,by,az,bzを検討すると、ayはプレート56において副走査方向(y方向)の位置変動に関わる部分の長さ、azはプレート56において焦点方向(z方向)の位置変動に関わる部分の長さ、byはハウジング54において副走査方向(y方向)の位置変動に関わる部分の長さ、bzはハウジング54において焦点方向(z方向)の位置変動に関わる部分の長さとすることができる。
図5に示すay,by,az,bzは、相対位置ずれを検討する際の基準寸法となる。このay,by,az,bzを検討すると、ayはプレート56において副走査方向(y方向)の位置変動に関わる部分の長さ、azはプレート56において焦点方向(z方向)の位置変動に関わる部分の長さ、byはハウジング54において副走査方向(y方向)の位置変動に関わる部分の長さ、bzはハウジング54において焦点方向(z方向)の位置変動に関わる部分の長さとすることができる。
図5に示すay,by,az,bzは、温度上昇ΔTに対して以下のように伸びる。
ay → ay・( 1 + α・ΔT )、by → by・( 1 + β・ΔT )
az → az・( 1 + α・ΔT )、bz → bz・( 1 + β・ΔT )
ここで、αはプレート56の線膨張係数、βはハウジング54の線膨張係数である。
このときに、ayの伸びとbyの伸び、azの伸びとbzの伸び、が等しくなるように構成することで、y方向およびz方向の相対位置変化をキャンセルすることができる。即ち、本実施の形態では、
ay・α・ΔT = by・β・ΔT および
az・α・ΔT = bz・β・ΔT
としている。設計上、所定のずれを許容値とすれば、
β/α ≒ ay/by ≒ az/bz
となるように構成することが好ましい。
ay → ay・( 1 + α・ΔT )、by → by・( 1 + β・ΔT )
az → az・( 1 + α・ΔT )、bz → bz・( 1 + β・ΔT )
ここで、αはプレート56の線膨張係数、βはハウジング54の線膨張係数である。
このときに、ayの伸びとbyの伸び、azの伸びとbzの伸び、が等しくなるように構成することで、y方向およびz方向の相対位置変化をキャンセルすることができる。即ち、本実施の形態では、
ay・α・ΔT = by・β・ΔT および
az・α・ΔT = bz・β・ΔT
としている。設計上、所定のずれを許容値とすれば、
β/α ≒ ay/by ≒ az/bz
となるように構成することが好ましい。
図6には、具体的な設計値の一例が示されている。ここでは、プレート56を線膨張係数α=24.0×10−6/℃のアルミ材、ハウジング54を線膨張係数β=12.3×10−6/℃からなる鉄の板金としている。この図6に示す設計値では、
β/α = 12.3/24.0 = 4.10/8.00 ≒ 1.54/3.00
としている。尚、図6に示す例では、セルフォックレンズアレイ53の大きさが、幅3.00mm、高さ4.35mm、セルフォックレンズアレイ53に集光される光およびセルフォックレンズアレイ53を通過した光によって形成される共役長Tcを9.9mmとしている。
β/α = 12.3/24.0 = 4.10/8.00 ≒ 1.54/3.00
としている。尚、図6に示す例では、セルフォックレンズアレイ53の大きさが、幅3.00mm、高さ4.35mm、セルフォックレンズアレイ53に集光される光およびセルフォックレンズアレイ53を通過した光によって形成される共役長Tcを9.9mmとしている。
このように、ハウジング54とは線膨張係数の異なるプレート56を配設することで、温度上昇による発光点とセルフォックとの相対位置変動をプレート56によって吸収することができる。このハウジング54の熱膨張を主たる理由として発生する相対位置変動を吸収することで、温度上昇に対して均一な露光エネルギ分布を保持することが可能となる。特に、LEDチップ63が副走査方向に千鳥状に配列された場合に、副走査方向の相対位置変動のみならず、焦点方向の相対位置変動により生じる光量むらも大きな問題となるが、本実施の形態によれば、この光量むらを抑制することが可能となる。
本発明の活用例としては、例えば、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に適用することができる。
1…本体、10…画像プロセス系、11…画像形成ユニット、12…感光体ドラム、14…LEDプリントヘッド(LPH)、51…LEDアレイ、52…基板、53…セルフォックレンズアレイ(SLA)、54…ハウジング、56…プレート、61…固定用側板、62…セルフォックレンズ、63…LEDチップ、71…第1接着点、72…第2接着点、73…第3接着点
Claims (11)
- 像担持体と、
複数の発光素子をアレイ状に配設した発光素子アレイと当該発光素子からの光を結像するレンズアレイとを含み、前記像担持体を露光して静電潜像を形成するプリントヘッドとを備え、
前記プリントヘッドは、前記発光素子アレイおよび前記レンズアレイを片側位置基準となるハウジングにて支えると共に、当該ハウジングと当該レンズアレイとの間に当該ハウジングとは線膨張係数の異なる部材が配置されることを特徴とする画像形成装置。 - 前記プリントヘッドにおける前記部材は、前記発光素子アレイと前記レンズアレイとの間における副走査方向の位置ずれを補正することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記プリントヘッドにおける前記部材は、前記発光素子アレイと前記レンズアレイとの間における焦点方向の位置ずれを補正することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
- 前記プリントヘッドにおける前記発光素子アレイは、発光素子が所定数配列された発光チップが千鳥状に配列されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記プリントヘッドにおける前記レンズアレイは、セルフォックレンズアレイであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 複数の発光素子をアレイ状に配設した発光素子アレイと、
前記発光素子アレイにおける前記発光素子からの光を結像するレンズアレイと、
前記発光素子アレイおよび前記レンズアレイを支えるハウジングとして機能する第1の部材と、
前記ハウジングと前記レンズアレイとの間に設けられる第2の部材とを含み、
前記第1の部材と前記第2の部材とは第1の接着点で接合され、当該第2の部材と前記レンズアレイとは第2の接着点で接合され、当該第1の部材と前記発光素子アレイとは第3の接着点で接合され、
当該第1の部材における線膨張係数をβ、当該第2の部材における線膨張係数をα、当該第1の接着点と当該第2の接着点における副走査方向距離をay、焦点方向距離をaz、当該第1の接着点と当該第3の接着点における副走査方向距離をby、焦点方向距離をbzとすると、
β/α≒ay/by≒az/bz
であることを特徴とするプリントヘッド。 - 前記第1の部材は、片側位置基準にて前記発光素子アレイと前記レンズアレイとを支えることを特徴とする請求項6記載のプリントヘッド。
- 前記発光素子アレイは、発光素子が所定数配列された発光チップが千鳥状に配列され、
前記レンズアレイは、複数のセルフォックレンズが配列されたセルフォックレンズアレイであることを特徴とする請求項6記載のプリントヘッド。 - 複数の発光素子をアレイ状に配設した発光素子アレイと、
前記発光素子アレイにおける前記発光素子からの光を結像するレンズアレイと、
前記発光素子アレイおよび前記レンズアレイを片側位置基準にて支えるハウジングとを備え、
前記発光素子アレイと前記レンズアレイとの副走査方向の相対位置変動および焦点方向の相対位置変動を、前記ハウジングとは熱膨張係数の異なる部材を用いて吸収することを特徴とするプリントヘッド。 - 前記部材を前記ハウジングと前記レンズアレイとの間に介在させたことを特徴とする請求項9記載のプリントヘッド。
- 前記ハウジングの線膨張係数をβ、前記部材の線膨張係数をα、当該ハウジングにおいて前記副走査方向の位置変動に関わる部分の長さをby、当該ハウジングにおいて前記焦点方向の位置変動に関わる部分の長さをbz、当該部材において当該副走査方向の位置変動に関わる部分の長さをay、当該部材において当該焦点方向の位置変動に関わる部分の長さをazとした場合に、
β/α≒ay/by≒az/bz
であることを特徴とする請求項9または10記載のプリントヘッド。
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---|---|---|---|
JP2003273446A JP2005028848A (ja) | 2003-07-11 | 2003-07-11 | 画像形成装置、およびプリントヘッド |
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Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007160656A (ja) * | 2005-12-13 | 2007-06-28 | Nippon Seiki Co Ltd | Ledプリントヘッド |
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-
2003
- 2003-07-11 JP JP2003273446A patent/JP2005028848A/ja active Pending
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