JP2005028501A - ラフィングエンドミル - Google Patents
ラフィングエンドミルInfo
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Abstract
【課題】ラフィングエンドミルの突切刃部による仕上げ面を改善し、仕上げ加工の効率を向上させる。
【解決手段】軸線O回りに回転されるエンドミル本体11の外周に、軸線Oに対して傾斜した切刃仮想線Lに沿うようにして切刃15が形成されるとともに、この切刃15には、エンドミル本体11外周側から見て切刃仮想線Lに対しエンドミル回転方向T側に凸となる突切刃部20が形成され、この突切刃部20の切刃仮想線Lに垂直な方向への突端21を、切刃仮想線Lに沿った突切刃部20の幅方向中心Cを通って切刃仮想線Lに垂直に延びる突切刃部中心線Mよりも、切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T側に位置させる。
【選択図】 図2
【解決手段】軸線O回りに回転されるエンドミル本体11の外周に、軸線Oに対して傾斜した切刃仮想線Lに沿うようにして切刃15が形成されるとともに、この切刃15には、エンドミル本体11外周側から見て切刃仮想線Lに対しエンドミル回転方向T側に凸となる突切刃部20が形成され、この突切刃部20の切刃仮想線Lに垂直な方向への突端21を、切刃仮想線Lに沿った突切刃部20の幅方向中心Cを通って切刃仮想線Lに垂直に延びる突切刃部中心線Mよりも、切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T側に位置させる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンドミル本体の外周に軸線に対して傾斜するように形成された切刃に、エンドミル本体外周側から見てエンドミル回転方向側に凸となる突切刃部が形成されたラフィングエンドミルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ラフィングエンドミルは、エンドミル本体外周の切刃が波刃状とされるなどして該切刃に凸となる突切刃部が複数形成されたものであって、周方向に隣接する切刃間で互いの突切刃部がエンドミル本体の軸線方向にオーバーラップするようにずらされて配置されることにより、切屑を分断して切屑処理を容易にしたり、切削抵抗を低減したりする効果を有し、金型などの加工において荒加工を高能率化するために使用される。
【0003】
この種のラフィングエンドミルにおいては、エンドミル回転方向側すなわち上記切刃のすくい面側から見て該切刃が波刃状に形成されて上記突切刃部がエンドミル本体外周側に凸となるようにされたものが一般的であるが、例えば特許文献1〜3などにはエンドミル本体外周側すなわち切刃の逃げ面側から見て、該切刃にエンドミル回転方向側に凸となる突切刃部が形成されたものも提案されており、このうち特許文献1には、こうして切刃をエンドミル本体外周側から見て波刃状に形成してエンドミル回転方向側から見たときには真っ直ぐな線形状をとなるようにすることにより、切屑処理性等は維持しつつも加工面粗さを改良することが記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特公昭61−13927号公報
【特許文献2】
特開昭62−68217号公報
【特許文献3】
実開平7−11219号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これら従来のラフィングエンドミルにおいては、エンドミル本体外周側から見て波刃状をなす上記切刃が、エンドミル本体の先端から後端側に向かうに従いエンドミル回転方向の後方側に捩れる仮想線を中心に波打つように形成されていたり、あるいは直線状の仮想線を中心に波打つ切刃が形成されたインサート(スローアウェイチップ)がこの仮想線をやはりエンドミル本体先端から後端側に向かうに従いエンドミル回転方向の後方側に向かうようにエンドミル本体に取り付けられたりするなどして、エンドミル本体の軸線に対して傾斜した切刃仮想線に沿うようにして形成されているのに対し、この波刃状の切刃がエンドミル本体外周側から見てなす波形は、正弦曲線状とされたり凸円弧と凹円弧とを交互に連ねた形状とされたりしていて、上記切刃仮想線に沿った方向に対称形を呈するようにされている。
【0006】
すなわち、図8および図9に示すように、エンドミル本体1の外周に形成された上記波刃状の切刃2のうち、この切刃仮想線Lよりもエンドミル回転方向T側に凸となる突切刃部3は、その切刃仮想線Lに垂直な方向への突端4がこの切刃仮想線Lに沿った該突切刃部3の幅方向の中心Cを通って該切刃仮想線Lに垂直に延びる突切刃部中心線M上に位置するようにされていて、該突切刃部3がこの突切刃部中心線Mに対して対称な形状とされることとなる。なお、これら図8および図9においては、波刃状の切刃1のうち切刃仮想線Lよりも後退して凹となる波底部分は、説明のため図示を略してある。また、図9に符号θで示すのは、上記切刃仮想線Lがエンドミル本体1の軸線Oに対してなす捩れ角であって、通常は一定の角度とされている。
【0007】
ところが、この切刃2の逃げ面5には、上記突切刃部3も含め切刃2の全長に亙って図10に示すように軸線Oに直交する断面において上記切刃仮想線Lからエンドミル回転方向Tに向けて一定の逃げ角αが与えられるようにされており、従ってこの突切刃部3上においては、該突切刃部3がなす凸形状にもよるが、概ね上記突端4から切刃仮想線Lに沿って僅かにエンドミル回転方向T後方側にかけての部分(図9ではエンドミル本体1の後端側(図9の上側)にかけての部分)の間の部位で、回転方向Tと平行な方向に測ったこの切刃仮想線Lと突切刃部3との距離が最大となるのに伴い、突切刃部3と軸線Oとの距離も最大となる。
【0008】
そして、このため、当該突切刃部3の切刃2が軸線O回りになす回転軌跡の軸線Oを含む仮想平面への投影線Qは、図11に示すように切刃仮想線Lとの切刃2との距離が最大となる上記部位で、この切刃仮想線Lから最もエンドミル本体1の外周側(図11において左側)に突出し、これよりもエンドミル本体1の先端側(切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T側)では緩傾斜で、また反対側のエンドミル本体1後端側(切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T後方側)では急傾斜で、それぞれ上記切刃仮想線Lに向かう凸曲線状を呈することとなり、すなわちこのエンドミル本体1後端側に膨らんだ縦割りの半涙滴状を呈することとなる。
【0009】
例えば、図9および図10に符号U〜Zで示すように軸を定め、突切刃部3上の点Sについて、上記切刃仮想線Lに沿った軸U方向の上記突切刃部3の幅方向中心Cからの距離uの位置に対し、上記突切刃部中心線Mに沿った軸V方向の切刃仮想線Lからの距離がg(u)で与えられるとすると(U,V座標において突切刃部3がなす凸曲線が関数g(u)で与えられるとすると)、この点Sの軸線Oに平行な軸X方向の上記幅方向中心Cからの距離xは(u+g(u)tanθ)cosθで与えられ、上記仮想平面においてこの軸Xに垂直な軸Z方向における上記投影線Q上での点Sの上記切刃仮想線Lからの距離zはg(u)/cosθtanαで与えられる。
【0010】
しかしながら、このように突切刃部3の回転軌跡が上記仮想平面において半涙滴状の投影線Qを呈することとなると、上述のように周方向に隣接する切刃2間で互いの突切刃部3が軸線O方向にオーバーラップするようにずらされて配置されていても、これらの突切刃部3の回転軌跡が転写されることとなるワークWの加工面Pは、該突切刃部3間のピッチをよほど小さくしたりしなければ、図12に示すようにその断面において1つの突切刃部3で削り取られた凹曲部の底部から次の突切刃部3で削り取られる凹曲部との間に残される突部までの高さHが大きく、すなわち凹凸が大きくなって仕上げ面の悪化を招くこととなる。
【0011】
このため、当該ラフィングエンドミルによる荒加工の後の仕上げ工程においては、高さHの大きい上記突部を削り取るために切込みを大きくしなければならないが、こうして仕上げ工程の切込みが増えると仕上げ工具にビビリ振動を生じたり工具の撓みが大きくなったりして加工精度が悪化するので好ましくなく、結局は切込みを複数回に分けて個々の切込みを小さくするなど加工条件を下げて仕上げ加工を行わざるを得ず、加工効率を損なう結果となっていた。
【0012】
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のようにエンドミル本体の軸線に対して傾斜した切刃に外周側から見てエンドミル回転方向側に凸となる突切刃部が形成されたラフィングエンドミルにおいて、この突切刃部による仕上げ面を改善し、仕上げ加工の効率を向上させることが可能なラフィングエンドミルを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転されるエンドミル本体の外周に、上記軸線に対して傾斜した切刃仮想線に沿うようにして切刃が形成されるとともに、この切刃には、上記エンドミル本体外周側から見て上記切刃仮想線に対しエンドミル回転方向側に凸となる突切刃部が形成されてなるラフィングエンドミルにおいて、この突切刃部の上記切刃仮想線に垂直な方向への突端を、この切刃仮想線に沿った該突切刃部の幅方向中心を通って該切刃仮想線に垂直に延びる突切刃部中心線よりも、上記切刃仮想線に沿ってエンドミル回転方向側に位置させたことを特徴とする。
【0014】
従って、従来のラフィングエンドミルでは、切刃が切刃仮想線に沿って正弦曲線や凹凸円弧の突切刃部中心線に対称な波刃形状とされて、その突切刃部の回転軌跡の投影線が半涙滴状と軸線方向に偏った形状とされていたのに対し、本発明によれば、突切刃部の突端が突切刃部中心線よりも切刃仮想線に沿ってエンドミル回転方向側に位置していることにより、その回転軌跡の投影線においてエンドミル外周側に膨らむこの突端の位置が、上記仮想平面上において上記幅方向中心を通り軸線に直交する投影中心線に近づくこととなり、この突端から上記投影線の両端に向かう部分同士の傾斜に緩急が生じるのが抑えられる。このため、周方向に隣接する切刃間の軸線方向にオーバーラップするようにずらされた突切刃部同士の間に残されるワーク加工面の突起高さも小さく抑えることが可能となり、仕上げ面粗さを改善することが可能となる。
【0015】
ここで、上記突切刃部は、その上記軸線回りの回転軌跡の上記軸線を含む仮想平面への投影線が、該仮想平面上において上記幅方向中心を通り上記軸線に直交する投影中心線上に上記突端が位置し、かつ少なくともこの突端の近傍において上記投影中心線に対し略対称とされるのが望ましく、これにより上記投影線両端部の傾斜も揃えられるので、仕上げ面粗さをさらに向上させることができる。また、この切刃は、その上記軸線回りの回転軌跡の上記軸線を含む仮想平面への投影線の曲率半径が、上記突端の近傍で最も大きく、両端側に向かうに従い漸次小さくされるのが望ましく、これにより該投影線は、上記投影中心線方向(図9における軸Z方向)に偏平した略半楕円状を呈することとなるので、ワーク加工面に転写される断面に投影線両端部の曲率半径の小さい部分による突部が残されないように、隣接する切刃間の突切刃部のピッチ(オーバーラップ量)を設定することにより、曲率半径の大きい上記突端近傍だけで加工面を形成することができて、より一層の仕上げ面粗さの向上を図ることが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1ないし図5は、本発明の第1の実施形態を示すものである。本実施形態におけるエンドミル本体11は、図1に示すように円筒状のシャンク12の先端に切刃部材13が図示されないクランプ機構によって着脱可能に取り付けられて構成されたものであって、このシャンク12を介して切刃部材13が該エンドミル本体11の中心軸線O回りにエンドミル回転方向Tに一体に回転されて切削加工に使用される。そして、この切刃部材13のシャンク12から突出する先端部には、その最先端に当該エンドミル本体11の中心軸線O近傍から外周側に延びる底刃14が形成されるとともに、この底刃14の外周端から後端側に向けてのエンドミル本体11外周には外周刃が形成されていて、この外周刃が本実施形態における切刃15とされている。また、この切刃部材13の後端部は、シャンク12先端部に取り付けられて上記クランプ機構により固定される取付部16とされている。
【0017】
ここで、この切刃(外周刃)15は、エンドミル本体11の後端側に向かうに従い軸線O回りにエンドミル回転方向Tの後方側に一定のねじれ角θで捩れるように軸線Oに対して傾斜する切刃仮想線Lに沿って螺旋状に形成されていて、その軸線O回りの回転軌跡が該軸線Oを中心とした円筒面をなすようにされている。なお、本実施形態ではこのような底刃14と切刃15とが周方向に等間隔に複数(本実施形態では4つ)形成されている。
【0018】
そして、各切刃15のすくい面17上には、このすくい面17から突出するとともに軸線Oに略垂直に外周側に延びて該切刃15の逃げ面18に達する複数(多数)の突起19が軸線O方向に一定のピッチをあけて並列に形成されており、これらの突起19と上記逃げ面18との交差稜線に、エンドミル本体11外周側から見て上記切刃仮想線Lに対しエンドミル回転方向T側に凸となる突切刃部20が形成されている。従って、切刃15には、上記切刃仮想線Lに沿って延びる部分とこれに対してエンドミル回転方向Tに凸となる上記突切刃部20とが交互に配置されることとなる。なお、このように切刃15のすくい面17上に突起19を有する切刃部材13は、例えば超硬合金等の硬質材料の射出成形によって一体的に形成して焼結することにより製造可能である。
【0019】
ここで、当該エンドミル本体11に設けられる突起19および突切刃部20は、すべて同形同大とされ、かつ各切刃15上における突切刃部20間のピッチも等しくされている。なお、突切刃部20の切刃15からの突出高さは例えば0.3〜3mmの範囲に、切刃15上で隣接する突切刃部20間のピッチは例えば0.5〜10mmの範囲とされる。ただし、周方向に隣接する切刃15間において突切刃部20は、その最先端と最後端の突切刃部20を除いて、一方の切刃15の突切刃部20の回転軌跡の先後両端部が、他方の切刃15の隣接する一対の突切刃部20の回転軌跡の後端部および先端部とオーバーラップするように、かつ一方の切刃15の突切刃部20における上記切刃仮想線Lに沿った幅方向の中心Cが、軸線O方向において他方の切刃15の隣接する一対の突切刃部20の幅方向中心C同士の中央に位置するように、その軸線O方向の位置が互いにずらされて配置されている。また、上記逃げ面18には、図3に示すように上記切刃仮想線Lからエンドミル回転方向Tに向けて一定の大きさの逃げ角αが与えられている。
【0020】
さらに、個々の突切刃部20は、図2に示すようにエンドミル本体11の外周側すなわち逃げ面18に対向する方向から見てエンドミル回転方向Tに凸となる凸曲線状をなすように形成されている。そして、この突切刃部20がなす凸曲線は、切刃仮想線Lに沿った該突切刃部20の上記幅方向中心Cを通って該切刃仮想線Lに垂直に延びる突切刃部中心線Mに対して非対称となるように、上述のような凸曲線を維持したまま全体的に上記切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T側に偏った形状とされており、これにより該突切刃部20の上記切刃仮想線Lに垂直な方向への突端21は、上記突切刃部中心線Mよりも切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T側(図2において左下側)に位置するように、すなわち本実施形態ではエンドミル本体11の先端側に位置するようにされている。従って、エンドミル本体11の外周側から見て、突切刃部20のこの突端21から切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T側に向かう部分(図2において突端21より下側の部分)は、反対の突端21から切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T後方側に向かう部分(図2において突端21より上側の部分)よりも曲率半径の小さな凸曲線を描くこととなる。
【0021】
一方、本実施形態では、こうして全体的に突切刃部中心線Mよりも切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T側に偏った形状とされた突切刃部20が、上記軸線O回りの回転軌跡においては、その上記軸線Oを含む仮想平面への投影線Qが、図4に示すように該仮想平面上において上記幅方向中心Cを通って上記軸線Oに直交する投影中心線N上に上記突端21が位置し、この突端21の位置で上記投影線Qが最もエンドミル本体11の外周側に突出するようにされている。そして、さらにこの突切刃部20の投影線Qは、少なくともこの突端21の近傍において上記投影中心線Nに対し略対称とされており、特に本実施形態では図4に示すように該投影線Qがその全長に亙って投影中心線Nに対して対称となるように突切刃部20が形成されている。
【0022】
さらにまた、本実施形態では、この突切刃部20の軸線O回りの回転軌跡の軸線Oを含む仮想平面への投影線Qが、上記突端21の近傍でその曲率半径が最も大きく、これよりも両端側に向かうに従い曲率半径が漸次小さくなるように、突切刃部20が形成されている。従って、本実施形態における上記投影線Qは、図4に示すように上記投影中心線N上に短軸を有する楕円を長軸に沿って二等分した、エンドミル本体11外周側(図4において左側)に膨らむ半楕円形状を呈することとなり、この半楕円の短軸上(上記投影中心線N上)に位置する突端21の近傍が他の部分よりも平坦な形状とされることとなる。
【0023】
なお、このような投影線Qをなすように上記突切刃部20を形成するには、例えば図2ないし図4に符号X〜Zで示すように軸を定めて、まず図4に示すように突切刃部20の幅方向中心Cからの距離xに対して上述のような投影線Qを与える関数(例えば、上述のような半楕円を呈する関数)f(x)を決定し、上記距離xに対応する突切刃部20上の点Sの位置を、その切刃仮想線Lからのエンドミル回転方向T側への距離(図2における軸Y方向の距離)yをy=f(x)/tanαによって求めることにより、該突切刃部20がなす上記凸曲線を決定すればよい。
【0024】
従って、このように構成されたラフィングエンドミルにおいては、突切刃部20の切刃仮想線Lに垂直な方向への突端21が突切刃部中心線Mよりも切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T側に位置しており、突切刃部3の突端4がこの突切刃部中心線M上に位置した従来のラフィングエンドミルに比べ、その回転軌跡の上記仮想平面上への投影線Qにおいては、この突端21を上記投影中心線Nの近傍(本実施形態では投影中心線N上)に位置させることができる。このため、図4に示したように、この投影線Q上においてその突端21の位置からエンドミル本体11の先端側と後端側とに延びる部分の間で、その傾斜に緩急が生じたり、曲率半径に大きな差が生じたりするのを防ぐことができるので、上述のように周方向に隣接する切刃15の端部がオーバーラップする突切刃部20によって切削を行った際には、図5に示すようにこのような投影線Qが投射されることとなるワークWの加工面Pに残される突部の高さHを小さく抑えることができ、仕上げ面粗さを改善することが可能となる。
【0025】
因みに、図8ないし図11に示した従来のラフィングエンドミルと上記実施形態とで、突切刃部3,20の切刃仮想線Lに沿った幅寸法および該切刃仮想線Lから垂直な方向の突端4,21までの高さ寸法とをそれぞれ互いに同一寸法とし、また捩れ角θ、逃げ角α、および切刃2,15上の突切刃部3,20のピッチも互いに同一として切削を行ったところ、図12および図5に示したようなワークWの加工面Pに残された突部の高さHは、上記実施形態では従来のラフィングエンドミルの1/2未満にまで抑えられた。ただし、この従来のラフィングエンドミルにおいて上記関数g(u)で与えられる曲線は正弦曲線であり、また上記実施形態において関数f(x)で与えられる曲線は上述のような半楕円曲線であった。
【0026】
従って、上記構成のラフィングエンドミルによれば、こうして加工面Pの仕上げ面粗さが改善されることにより、当該ラフィングエンドミルによる荒加工の後の仕上げ加工工程において、仕上げ工具による切込み量をそれほど大きくする必要がなくなり、ビビリ振動の発生や工具の撓みを防いで加工精度の向上を図ることができるとともに、例えば1回の切込みによって仕上げ加工を行うことが可能となり、加工効率の向上を図ることができる。また、このように突切刃部20がエンドミル本体11の外周側から見てエンドミル回転方向T側に凸となるように切刃15に形成されたラフィングエンドミルでは、この突切刃部20も含めて切刃15に摩耗が生じたりした際に、逃げ面18を再研磨することによって新たな切刃15および突切刃部20を生成することができるので、例えばこの逃げ面上に突起が形成されたりすることによりすくい面側から見て切刃に突切刃部が形成されたラフィングエンドミルに比べ、逃げ面18の再研磨に特殊な形状の専用砥石を要したりすることもなく、より経済的かつ効率的であるという利点も得ることができる。
【0027】
また、上記実施形態のラフィングエンドミルでは、特に突切刃部20の上記投影線Qが上述のような半楕円形状をなしていて、その突端21が上記投影中心線N上に位置してこの投影中心線Nに関し投影線Qが対称とされているので、この突端21から投影線Qの両端に延びる部分の傾斜の緩急や曲率半径の差を一層小さく抑えることができ、これによってワークWの加工面Pの突起の高さHもより確実に低くすることが可能となって、仕上げ面粗さの一層の向上を図ることができる。ただし、本実施形態ではこのように投影線Qを半楕円形状とすることにより、この投影線Qが正確に投影中心線Nに対して対称となるようにしているが、上記突端21がこの投影中心線Nの近傍に位置してその両端側の投影線Qの傾斜や曲率半径が略等しくされていれば、投影線Qが厳密に投影中心線Nに対して対称とされていなくても仕上げ面粗さの向上を図ることができる。特に、投影線Qの両端部は、図5に示されるように加工面Pの仕上げ面粗さには影響を及ぼさないので、場合によっては全く非対称な形状とされていてもよい。
【0028】
さらに、上記実施形態では、こうして突切刃部20の投影線Qが上記投影中心線N上に短軸を有する半楕円形状とされることにより、上記突端21の近傍で曲率半径が大きく平坦で、この突端21から投影線Qの両端に向かうに従い漸次曲率半径が小さくなって傾斜が急になるようにされている。従って、上記とは反対に加工面Pの仕上げ面粗さに大きな影響を及ぼす突端21の近傍で、このように投影線Qが平坦で曲率半径が大きくされていることにより、この投影線Qが転写されることとなる加工面Pの突部の高さHもさらに確実に低く抑えることが可能となり、その仕上げ面粗さのより一層の向上を促すことができる。ただし、この投影線Qについても、上記投影中心線Nに対して略対称な凸円弧状や正弦曲線状とされていてもよい。
【0029】
一方、上記第1の実施形態では、切刃仮想線Lがエンドミル本体11の先端から後端側に向かうに従いエンドミル回転方向Tの後方側に捩れる螺旋状とされていて、この切刃仮想線Lに沿って形成される切刃15の捩れ角θが正角側(ポジ)とされている場合について説明したが、これとは反対に、図6および図7に示す第2の実施形態のように切刃仮想線Lがエンドミル本体11の先端から後端側に向かうに従いエンドミル回転方向T側に捩れる螺旋状とされて、上記捩れ角θが負角側(ネガ)とされたラフィングエンドミルにも本発明を適用することは可能であり、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0030】
なお、この第2の実施形態においても、突切刃部20の回転軌跡が軸線Oを含む仮想平面においてなす投影線Qは、第1の実施形態と同様の投影中心線N上に短軸を有する半楕円形状とされているので、図3に相当する断面図ともども図示を省略する。また、その他の第1の実施形態と共通する部分には、これと同一の符号を配して説明を省略する。ただし、この第2の実施形態では、捩れ角θが上述のように負角側に設定されていることにより、突切刃部20の突端21は、突切刃部中心線Mよりも切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T側(図7において左上側)、すなわち第1の実施形態とは逆にエンドミル本体11の後端側に位置することとなり、図7においてこの突端21より上側の切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T側に向かう突切刃部20部分が、反対の突端21より下側の切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T後方側に向かう部分よりも曲率半径の小さな凸曲線を描くこととなる。
【0031】
また、これら第1、第2の実施形態では、切刃15の突切刃部20の間の部分は切刃仮想線Lに沿って延びる螺旋状とされているが、例えばこの突切刃部20の間の部分を切刃仮想線Lに対してエンドミル回転方向Tの後方側に凹む凹曲線状に形成したりして、切刃20全体を切刃仮想線Lを中心に波打つ波刃形状としたりしてもよい。さらに、本実施形態では上述のようにシャンク12の先端に切刃(外周刃)15が形成された切刃部材13を着脱可能に取り付けてエンドミル本体11を構成しているが、例えばエンドミル本体全体が一体に形成されたソリッドエンドミルや、上記切刃部分のみがエンドミル本体にろう付けされたろう付けエンドミル、あるいは切刃部分がスローアウェイチップに形成されてエンドミル本体に着脱可能に取り付けられるスローアウェイ式エンドミルに本発明を適用することも可能である。特に、こうしてスローアウェイ式エンドミルに適用する場合などには、切刃は螺旋状に形成されることなく、例えば特許文献1に記載のラフィングエンドミルと同様に切刃仮想線Lが直線状に延びて軸線Oに対し傾斜して配設されるように構成されていてもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ラフィングエンドミルによる荒加工においてワークの加工面に残される突部の高さを小さく抑えることができ、これによって仕上げ面粗さを向上させて、その後の仕上げ加工において高い加工精度を維持しつつも加工効率の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すエンドミル本体11先端部の側面図である。
【図2】図1に示す実施形態の突切刃部20の拡大側面図(ただし、展開図)である。
【図3】図2におけるAA断面図である。
【図4】図2に示す突切刃部20の回転軌跡の軸線Oを含む仮想平面上の投影線Qを示す図である。
【図5】第1の実施形態によりワークWを切削した場合の加工面Pを示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を示すエンドミル本体11先端部の簡略化した側面図である。
【図7】図6に示す実施形態の突切刃部20の拡大側面図(ただし、展開図)である。
【図8】従来のラフィングエンドミルのエンドミル本体1先端部を示す簡略化した側面図である。
【図9】図8に示す従来のラフィングエンドミルにおける突切刃部3の拡大側面図(ただし、展開図)である。
【図10】図9におけるAA断面図である。
【図11】図9に示す突切刃部3の回転軌跡の軸線Oを含む仮想平面上の投影線Qを示す図である。
【図12】従来のラフィングエンドミルによりワークWを切削した場合の加工面Pを示す断面図である。
【符号の説明】
11 エンドミル本体
13 切刃部材
14 底刃
15 切刃(外周刃)
17 すくい面
18 逃げ面
20 突切刃部
21 突切刃部20の突端
O エンドミル本体11の軸線
T エンドミル回転方向
L 切刃仮想線
C 切刃仮想線Lに沿った突切刃部20の幅方向の中心
M 突切刃部中心線
Q 突切刃部20の投影線
N 投影中心線
W ワーク
P 加工面
H 加工面Pに残される突部の高さ
θ 捩れ角
α 逃げ角
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンドミル本体の外周に軸線に対して傾斜するように形成された切刃に、エンドミル本体外周側から見てエンドミル回転方向側に凸となる突切刃部が形成されたラフィングエンドミルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ラフィングエンドミルは、エンドミル本体外周の切刃が波刃状とされるなどして該切刃に凸となる突切刃部が複数形成されたものであって、周方向に隣接する切刃間で互いの突切刃部がエンドミル本体の軸線方向にオーバーラップするようにずらされて配置されることにより、切屑を分断して切屑処理を容易にしたり、切削抵抗を低減したりする効果を有し、金型などの加工において荒加工を高能率化するために使用される。
【0003】
この種のラフィングエンドミルにおいては、エンドミル回転方向側すなわち上記切刃のすくい面側から見て該切刃が波刃状に形成されて上記突切刃部がエンドミル本体外周側に凸となるようにされたものが一般的であるが、例えば特許文献1〜3などにはエンドミル本体外周側すなわち切刃の逃げ面側から見て、該切刃にエンドミル回転方向側に凸となる突切刃部が形成されたものも提案されており、このうち特許文献1には、こうして切刃をエンドミル本体外周側から見て波刃状に形成してエンドミル回転方向側から見たときには真っ直ぐな線形状をとなるようにすることにより、切屑処理性等は維持しつつも加工面粗さを改良することが記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特公昭61−13927号公報
【特許文献2】
特開昭62−68217号公報
【特許文献3】
実開平7−11219号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これら従来のラフィングエンドミルにおいては、エンドミル本体外周側から見て波刃状をなす上記切刃が、エンドミル本体の先端から後端側に向かうに従いエンドミル回転方向の後方側に捩れる仮想線を中心に波打つように形成されていたり、あるいは直線状の仮想線を中心に波打つ切刃が形成されたインサート(スローアウェイチップ)がこの仮想線をやはりエンドミル本体先端から後端側に向かうに従いエンドミル回転方向の後方側に向かうようにエンドミル本体に取り付けられたりするなどして、エンドミル本体の軸線に対して傾斜した切刃仮想線に沿うようにして形成されているのに対し、この波刃状の切刃がエンドミル本体外周側から見てなす波形は、正弦曲線状とされたり凸円弧と凹円弧とを交互に連ねた形状とされたりしていて、上記切刃仮想線に沿った方向に対称形を呈するようにされている。
【0006】
すなわち、図8および図9に示すように、エンドミル本体1の外周に形成された上記波刃状の切刃2のうち、この切刃仮想線Lよりもエンドミル回転方向T側に凸となる突切刃部3は、その切刃仮想線Lに垂直な方向への突端4がこの切刃仮想線Lに沿った該突切刃部3の幅方向の中心Cを通って該切刃仮想線Lに垂直に延びる突切刃部中心線M上に位置するようにされていて、該突切刃部3がこの突切刃部中心線Mに対して対称な形状とされることとなる。なお、これら図8および図9においては、波刃状の切刃1のうち切刃仮想線Lよりも後退して凹となる波底部分は、説明のため図示を略してある。また、図9に符号θで示すのは、上記切刃仮想線Lがエンドミル本体1の軸線Oに対してなす捩れ角であって、通常は一定の角度とされている。
【0007】
ところが、この切刃2の逃げ面5には、上記突切刃部3も含め切刃2の全長に亙って図10に示すように軸線Oに直交する断面において上記切刃仮想線Lからエンドミル回転方向Tに向けて一定の逃げ角αが与えられるようにされており、従ってこの突切刃部3上においては、該突切刃部3がなす凸形状にもよるが、概ね上記突端4から切刃仮想線Lに沿って僅かにエンドミル回転方向T後方側にかけての部分(図9ではエンドミル本体1の後端側(図9の上側)にかけての部分)の間の部位で、回転方向Tと平行な方向に測ったこの切刃仮想線Lと突切刃部3との距離が最大となるのに伴い、突切刃部3と軸線Oとの距離も最大となる。
【0008】
そして、このため、当該突切刃部3の切刃2が軸線O回りになす回転軌跡の軸線Oを含む仮想平面への投影線Qは、図11に示すように切刃仮想線Lとの切刃2との距離が最大となる上記部位で、この切刃仮想線Lから最もエンドミル本体1の外周側(図11において左側)に突出し、これよりもエンドミル本体1の先端側(切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T側)では緩傾斜で、また反対側のエンドミル本体1後端側(切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T後方側)では急傾斜で、それぞれ上記切刃仮想線Lに向かう凸曲線状を呈することとなり、すなわちこのエンドミル本体1後端側に膨らんだ縦割りの半涙滴状を呈することとなる。
【0009】
例えば、図9および図10に符号U〜Zで示すように軸を定め、突切刃部3上の点Sについて、上記切刃仮想線Lに沿った軸U方向の上記突切刃部3の幅方向中心Cからの距離uの位置に対し、上記突切刃部中心線Mに沿った軸V方向の切刃仮想線Lからの距離がg(u)で与えられるとすると(U,V座標において突切刃部3がなす凸曲線が関数g(u)で与えられるとすると)、この点Sの軸線Oに平行な軸X方向の上記幅方向中心Cからの距離xは(u+g(u)tanθ)cosθで与えられ、上記仮想平面においてこの軸Xに垂直な軸Z方向における上記投影線Q上での点Sの上記切刃仮想線Lからの距離zはg(u)/cosθtanαで与えられる。
【0010】
しかしながら、このように突切刃部3の回転軌跡が上記仮想平面において半涙滴状の投影線Qを呈することとなると、上述のように周方向に隣接する切刃2間で互いの突切刃部3が軸線O方向にオーバーラップするようにずらされて配置されていても、これらの突切刃部3の回転軌跡が転写されることとなるワークWの加工面Pは、該突切刃部3間のピッチをよほど小さくしたりしなければ、図12に示すようにその断面において1つの突切刃部3で削り取られた凹曲部の底部から次の突切刃部3で削り取られる凹曲部との間に残される突部までの高さHが大きく、すなわち凹凸が大きくなって仕上げ面の悪化を招くこととなる。
【0011】
このため、当該ラフィングエンドミルによる荒加工の後の仕上げ工程においては、高さHの大きい上記突部を削り取るために切込みを大きくしなければならないが、こうして仕上げ工程の切込みが増えると仕上げ工具にビビリ振動を生じたり工具の撓みが大きくなったりして加工精度が悪化するので好ましくなく、結局は切込みを複数回に分けて個々の切込みを小さくするなど加工条件を下げて仕上げ加工を行わざるを得ず、加工効率を損なう結果となっていた。
【0012】
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のようにエンドミル本体の軸線に対して傾斜した切刃に外周側から見てエンドミル回転方向側に凸となる突切刃部が形成されたラフィングエンドミルにおいて、この突切刃部による仕上げ面を改善し、仕上げ加工の効率を向上させることが可能なラフィングエンドミルを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転されるエンドミル本体の外周に、上記軸線に対して傾斜した切刃仮想線に沿うようにして切刃が形成されるとともに、この切刃には、上記エンドミル本体外周側から見て上記切刃仮想線に対しエンドミル回転方向側に凸となる突切刃部が形成されてなるラフィングエンドミルにおいて、この突切刃部の上記切刃仮想線に垂直な方向への突端を、この切刃仮想線に沿った該突切刃部の幅方向中心を通って該切刃仮想線に垂直に延びる突切刃部中心線よりも、上記切刃仮想線に沿ってエンドミル回転方向側に位置させたことを特徴とする。
【0014】
従って、従来のラフィングエンドミルでは、切刃が切刃仮想線に沿って正弦曲線や凹凸円弧の突切刃部中心線に対称な波刃形状とされて、その突切刃部の回転軌跡の投影線が半涙滴状と軸線方向に偏った形状とされていたのに対し、本発明によれば、突切刃部の突端が突切刃部中心線よりも切刃仮想線に沿ってエンドミル回転方向側に位置していることにより、その回転軌跡の投影線においてエンドミル外周側に膨らむこの突端の位置が、上記仮想平面上において上記幅方向中心を通り軸線に直交する投影中心線に近づくこととなり、この突端から上記投影線の両端に向かう部分同士の傾斜に緩急が生じるのが抑えられる。このため、周方向に隣接する切刃間の軸線方向にオーバーラップするようにずらされた突切刃部同士の間に残されるワーク加工面の突起高さも小さく抑えることが可能となり、仕上げ面粗さを改善することが可能となる。
【0015】
ここで、上記突切刃部は、その上記軸線回りの回転軌跡の上記軸線を含む仮想平面への投影線が、該仮想平面上において上記幅方向中心を通り上記軸線に直交する投影中心線上に上記突端が位置し、かつ少なくともこの突端の近傍において上記投影中心線に対し略対称とされるのが望ましく、これにより上記投影線両端部の傾斜も揃えられるので、仕上げ面粗さをさらに向上させることができる。また、この切刃は、その上記軸線回りの回転軌跡の上記軸線を含む仮想平面への投影線の曲率半径が、上記突端の近傍で最も大きく、両端側に向かうに従い漸次小さくされるのが望ましく、これにより該投影線は、上記投影中心線方向(図9における軸Z方向)に偏平した略半楕円状を呈することとなるので、ワーク加工面に転写される断面に投影線両端部の曲率半径の小さい部分による突部が残されないように、隣接する切刃間の突切刃部のピッチ(オーバーラップ量)を設定することにより、曲率半径の大きい上記突端近傍だけで加工面を形成することができて、より一層の仕上げ面粗さの向上を図ることが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1ないし図5は、本発明の第1の実施形態を示すものである。本実施形態におけるエンドミル本体11は、図1に示すように円筒状のシャンク12の先端に切刃部材13が図示されないクランプ機構によって着脱可能に取り付けられて構成されたものであって、このシャンク12を介して切刃部材13が該エンドミル本体11の中心軸線O回りにエンドミル回転方向Tに一体に回転されて切削加工に使用される。そして、この切刃部材13のシャンク12から突出する先端部には、その最先端に当該エンドミル本体11の中心軸線O近傍から外周側に延びる底刃14が形成されるとともに、この底刃14の外周端から後端側に向けてのエンドミル本体11外周には外周刃が形成されていて、この外周刃が本実施形態における切刃15とされている。また、この切刃部材13の後端部は、シャンク12先端部に取り付けられて上記クランプ機構により固定される取付部16とされている。
【0017】
ここで、この切刃(外周刃)15は、エンドミル本体11の後端側に向かうに従い軸線O回りにエンドミル回転方向Tの後方側に一定のねじれ角θで捩れるように軸線Oに対して傾斜する切刃仮想線Lに沿って螺旋状に形成されていて、その軸線O回りの回転軌跡が該軸線Oを中心とした円筒面をなすようにされている。なお、本実施形態ではこのような底刃14と切刃15とが周方向に等間隔に複数(本実施形態では4つ)形成されている。
【0018】
そして、各切刃15のすくい面17上には、このすくい面17から突出するとともに軸線Oに略垂直に外周側に延びて該切刃15の逃げ面18に達する複数(多数)の突起19が軸線O方向に一定のピッチをあけて並列に形成されており、これらの突起19と上記逃げ面18との交差稜線に、エンドミル本体11外周側から見て上記切刃仮想線Lに対しエンドミル回転方向T側に凸となる突切刃部20が形成されている。従って、切刃15には、上記切刃仮想線Lに沿って延びる部分とこれに対してエンドミル回転方向Tに凸となる上記突切刃部20とが交互に配置されることとなる。なお、このように切刃15のすくい面17上に突起19を有する切刃部材13は、例えば超硬合金等の硬質材料の射出成形によって一体的に形成して焼結することにより製造可能である。
【0019】
ここで、当該エンドミル本体11に設けられる突起19および突切刃部20は、すべて同形同大とされ、かつ各切刃15上における突切刃部20間のピッチも等しくされている。なお、突切刃部20の切刃15からの突出高さは例えば0.3〜3mmの範囲に、切刃15上で隣接する突切刃部20間のピッチは例えば0.5〜10mmの範囲とされる。ただし、周方向に隣接する切刃15間において突切刃部20は、その最先端と最後端の突切刃部20を除いて、一方の切刃15の突切刃部20の回転軌跡の先後両端部が、他方の切刃15の隣接する一対の突切刃部20の回転軌跡の後端部および先端部とオーバーラップするように、かつ一方の切刃15の突切刃部20における上記切刃仮想線Lに沿った幅方向の中心Cが、軸線O方向において他方の切刃15の隣接する一対の突切刃部20の幅方向中心C同士の中央に位置するように、その軸線O方向の位置が互いにずらされて配置されている。また、上記逃げ面18には、図3に示すように上記切刃仮想線Lからエンドミル回転方向Tに向けて一定の大きさの逃げ角αが与えられている。
【0020】
さらに、個々の突切刃部20は、図2に示すようにエンドミル本体11の外周側すなわち逃げ面18に対向する方向から見てエンドミル回転方向Tに凸となる凸曲線状をなすように形成されている。そして、この突切刃部20がなす凸曲線は、切刃仮想線Lに沿った該突切刃部20の上記幅方向中心Cを通って該切刃仮想線Lに垂直に延びる突切刃部中心線Mに対して非対称となるように、上述のような凸曲線を維持したまま全体的に上記切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T側に偏った形状とされており、これにより該突切刃部20の上記切刃仮想線Lに垂直な方向への突端21は、上記突切刃部中心線Mよりも切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T側(図2において左下側)に位置するように、すなわち本実施形態ではエンドミル本体11の先端側に位置するようにされている。従って、エンドミル本体11の外周側から見て、突切刃部20のこの突端21から切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T側に向かう部分(図2において突端21より下側の部分)は、反対の突端21から切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T後方側に向かう部分(図2において突端21より上側の部分)よりも曲率半径の小さな凸曲線を描くこととなる。
【0021】
一方、本実施形態では、こうして全体的に突切刃部中心線Mよりも切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T側に偏った形状とされた突切刃部20が、上記軸線O回りの回転軌跡においては、その上記軸線Oを含む仮想平面への投影線Qが、図4に示すように該仮想平面上において上記幅方向中心Cを通って上記軸線Oに直交する投影中心線N上に上記突端21が位置し、この突端21の位置で上記投影線Qが最もエンドミル本体11の外周側に突出するようにされている。そして、さらにこの突切刃部20の投影線Qは、少なくともこの突端21の近傍において上記投影中心線Nに対し略対称とされており、特に本実施形態では図4に示すように該投影線Qがその全長に亙って投影中心線Nに対して対称となるように突切刃部20が形成されている。
【0022】
さらにまた、本実施形態では、この突切刃部20の軸線O回りの回転軌跡の軸線Oを含む仮想平面への投影線Qが、上記突端21の近傍でその曲率半径が最も大きく、これよりも両端側に向かうに従い曲率半径が漸次小さくなるように、突切刃部20が形成されている。従って、本実施形態における上記投影線Qは、図4に示すように上記投影中心線N上に短軸を有する楕円を長軸に沿って二等分した、エンドミル本体11外周側(図4において左側)に膨らむ半楕円形状を呈することとなり、この半楕円の短軸上(上記投影中心線N上)に位置する突端21の近傍が他の部分よりも平坦な形状とされることとなる。
【0023】
なお、このような投影線Qをなすように上記突切刃部20を形成するには、例えば図2ないし図4に符号X〜Zで示すように軸を定めて、まず図4に示すように突切刃部20の幅方向中心Cからの距離xに対して上述のような投影線Qを与える関数(例えば、上述のような半楕円を呈する関数)f(x)を決定し、上記距離xに対応する突切刃部20上の点Sの位置を、その切刃仮想線Lからのエンドミル回転方向T側への距離(図2における軸Y方向の距離)yをy=f(x)/tanαによって求めることにより、該突切刃部20がなす上記凸曲線を決定すればよい。
【0024】
従って、このように構成されたラフィングエンドミルにおいては、突切刃部20の切刃仮想線Lに垂直な方向への突端21が突切刃部中心線Mよりも切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T側に位置しており、突切刃部3の突端4がこの突切刃部中心線M上に位置した従来のラフィングエンドミルに比べ、その回転軌跡の上記仮想平面上への投影線Qにおいては、この突端21を上記投影中心線Nの近傍(本実施形態では投影中心線N上)に位置させることができる。このため、図4に示したように、この投影線Q上においてその突端21の位置からエンドミル本体11の先端側と後端側とに延びる部分の間で、その傾斜に緩急が生じたり、曲率半径に大きな差が生じたりするのを防ぐことができるので、上述のように周方向に隣接する切刃15の端部がオーバーラップする突切刃部20によって切削を行った際には、図5に示すようにこのような投影線Qが投射されることとなるワークWの加工面Pに残される突部の高さHを小さく抑えることができ、仕上げ面粗さを改善することが可能となる。
【0025】
因みに、図8ないし図11に示した従来のラフィングエンドミルと上記実施形態とで、突切刃部3,20の切刃仮想線Lに沿った幅寸法および該切刃仮想線Lから垂直な方向の突端4,21までの高さ寸法とをそれぞれ互いに同一寸法とし、また捩れ角θ、逃げ角α、および切刃2,15上の突切刃部3,20のピッチも互いに同一として切削を行ったところ、図12および図5に示したようなワークWの加工面Pに残された突部の高さHは、上記実施形態では従来のラフィングエンドミルの1/2未満にまで抑えられた。ただし、この従来のラフィングエンドミルにおいて上記関数g(u)で与えられる曲線は正弦曲線であり、また上記実施形態において関数f(x)で与えられる曲線は上述のような半楕円曲線であった。
【0026】
従って、上記構成のラフィングエンドミルによれば、こうして加工面Pの仕上げ面粗さが改善されることにより、当該ラフィングエンドミルによる荒加工の後の仕上げ加工工程において、仕上げ工具による切込み量をそれほど大きくする必要がなくなり、ビビリ振動の発生や工具の撓みを防いで加工精度の向上を図ることができるとともに、例えば1回の切込みによって仕上げ加工を行うことが可能となり、加工効率の向上を図ることができる。また、このように突切刃部20がエンドミル本体11の外周側から見てエンドミル回転方向T側に凸となるように切刃15に形成されたラフィングエンドミルでは、この突切刃部20も含めて切刃15に摩耗が生じたりした際に、逃げ面18を再研磨することによって新たな切刃15および突切刃部20を生成することができるので、例えばこの逃げ面上に突起が形成されたりすることによりすくい面側から見て切刃に突切刃部が形成されたラフィングエンドミルに比べ、逃げ面18の再研磨に特殊な形状の専用砥石を要したりすることもなく、より経済的かつ効率的であるという利点も得ることができる。
【0027】
また、上記実施形態のラフィングエンドミルでは、特に突切刃部20の上記投影線Qが上述のような半楕円形状をなしていて、その突端21が上記投影中心線N上に位置してこの投影中心線Nに関し投影線Qが対称とされているので、この突端21から投影線Qの両端に延びる部分の傾斜の緩急や曲率半径の差を一層小さく抑えることができ、これによってワークWの加工面Pの突起の高さHもより確実に低くすることが可能となって、仕上げ面粗さの一層の向上を図ることができる。ただし、本実施形態ではこのように投影線Qを半楕円形状とすることにより、この投影線Qが正確に投影中心線Nに対して対称となるようにしているが、上記突端21がこの投影中心線Nの近傍に位置してその両端側の投影線Qの傾斜や曲率半径が略等しくされていれば、投影線Qが厳密に投影中心線Nに対して対称とされていなくても仕上げ面粗さの向上を図ることができる。特に、投影線Qの両端部は、図5に示されるように加工面Pの仕上げ面粗さには影響を及ぼさないので、場合によっては全く非対称な形状とされていてもよい。
【0028】
さらに、上記実施形態では、こうして突切刃部20の投影線Qが上記投影中心線N上に短軸を有する半楕円形状とされることにより、上記突端21の近傍で曲率半径が大きく平坦で、この突端21から投影線Qの両端に向かうに従い漸次曲率半径が小さくなって傾斜が急になるようにされている。従って、上記とは反対に加工面Pの仕上げ面粗さに大きな影響を及ぼす突端21の近傍で、このように投影線Qが平坦で曲率半径が大きくされていることにより、この投影線Qが転写されることとなる加工面Pの突部の高さHもさらに確実に低く抑えることが可能となり、その仕上げ面粗さのより一層の向上を促すことができる。ただし、この投影線Qについても、上記投影中心線Nに対して略対称な凸円弧状や正弦曲線状とされていてもよい。
【0029】
一方、上記第1の実施形態では、切刃仮想線Lがエンドミル本体11の先端から後端側に向かうに従いエンドミル回転方向Tの後方側に捩れる螺旋状とされていて、この切刃仮想線Lに沿って形成される切刃15の捩れ角θが正角側(ポジ)とされている場合について説明したが、これとは反対に、図6および図7に示す第2の実施形態のように切刃仮想線Lがエンドミル本体11の先端から後端側に向かうに従いエンドミル回転方向T側に捩れる螺旋状とされて、上記捩れ角θが負角側(ネガ)とされたラフィングエンドミルにも本発明を適用することは可能であり、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0030】
なお、この第2の実施形態においても、突切刃部20の回転軌跡が軸線Oを含む仮想平面においてなす投影線Qは、第1の実施形態と同様の投影中心線N上に短軸を有する半楕円形状とされているので、図3に相当する断面図ともども図示を省略する。また、その他の第1の実施形態と共通する部分には、これと同一の符号を配して説明を省略する。ただし、この第2の実施形態では、捩れ角θが上述のように負角側に設定されていることにより、突切刃部20の突端21は、突切刃部中心線Mよりも切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T側(図7において左上側)、すなわち第1の実施形態とは逆にエンドミル本体11の後端側に位置することとなり、図7においてこの突端21より上側の切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T側に向かう突切刃部20部分が、反対の突端21より下側の切刃仮想線Lに沿ってエンドミル回転方向T後方側に向かう部分よりも曲率半径の小さな凸曲線を描くこととなる。
【0031】
また、これら第1、第2の実施形態では、切刃15の突切刃部20の間の部分は切刃仮想線Lに沿って延びる螺旋状とされているが、例えばこの突切刃部20の間の部分を切刃仮想線Lに対してエンドミル回転方向Tの後方側に凹む凹曲線状に形成したりして、切刃20全体を切刃仮想線Lを中心に波打つ波刃形状としたりしてもよい。さらに、本実施形態では上述のようにシャンク12の先端に切刃(外周刃)15が形成された切刃部材13を着脱可能に取り付けてエンドミル本体11を構成しているが、例えばエンドミル本体全体が一体に形成されたソリッドエンドミルや、上記切刃部分のみがエンドミル本体にろう付けされたろう付けエンドミル、あるいは切刃部分がスローアウェイチップに形成されてエンドミル本体に着脱可能に取り付けられるスローアウェイ式エンドミルに本発明を適用することも可能である。特に、こうしてスローアウェイ式エンドミルに適用する場合などには、切刃は螺旋状に形成されることなく、例えば特許文献1に記載のラフィングエンドミルと同様に切刃仮想線Lが直線状に延びて軸線Oに対し傾斜して配設されるように構成されていてもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ラフィングエンドミルによる荒加工においてワークの加工面に残される突部の高さを小さく抑えることができ、これによって仕上げ面粗さを向上させて、その後の仕上げ加工において高い加工精度を維持しつつも加工効率の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すエンドミル本体11先端部の側面図である。
【図2】図1に示す実施形態の突切刃部20の拡大側面図(ただし、展開図)である。
【図3】図2におけるAA断面図である。
【図4】図2に示す突切刃部20の回転軌跡の軸線Oを含む仮想平面上の投影線Qを示す図である。
【図5】第1の実施形態によりワークWを切削した場合の加工面Pを示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を示すエンドミル本体11先端部の簡略化した側面図である。
【図7】図6に示す実施形態の突切刃部20の拡大側面図(ただし、展開図)である。
【図8】従来のラフィングエンドミルのエンドミル本体1先端部を示す簡略化した側面図である。
【図9】図8に示す従来のラフィングエンドミルにおける突切刃部3の拡大側面図(ただし、展開図)である。
【図10】図9におけるAA断面図である。
【図11】図9に示す突切刃部3の回転軌跡の軸線Oを含む仮想平面上の投影線Qを示す図である。
【図12】従来のラフィングエンドミルによりワークWを切削した場合の加工面Pを示す断面図である。
【符号の説明】
11 エンドミル本体
13 切刃部材
14 底刃
15 切刃(外周刃)
17 すくい面
18 逃げ面
20 突切刃部
21 突切刃部20の突端
O エンドミル本体11の軸線
T エンドミル回転方向
L 切刃仮想線
C 切刃仮想線Lに沿った突切刃部20の幅方向の中心
M 突切刃部中心線
Q 突切刃部20の投影線
N 投影中心線
W ワーク
P 加工面
H 加工面Pに残される突部の高さ
θ 捩れ角
α 逃げ角
Claims (3)
- 軸線回りに回転されるエンドミル本体の外周に、上記軸線に対して傾斜した切刃仮想線に沿うようにして切刃が形成されるとともに、この切刃には、上記エンドミル本体外周側から見て上記切刃仮想線に対しエンドミル回転方向側に凸となる突切刃部が形成されてなるラフィングエンドミルにおいて、この突切刃部の上記切刃仮想線に垂直な方向への突端が、この切刃仮想線に沿った該突切刃部の幅方向中心を通って該切刃仮想線に垂直に延びる突切刃部中心線よりも、上記切刃仮想線に沿ってエンドミル回転方向側に位置していることを特徴とするラフィングエンドミル。
- 上記突切刃部は、その上記軸線回りの回転軌跡の上記軸線を含む仮想平面への投影線が、該仮想平面上において上記幅方向中心を通り上記軸線に直交する投影中心線上に上記突端が位置し、かつ少なくともこの突端の近傍において上記投影中心線に対し略対称とされていることを特徴とする請求項1に記載のラフィングエンドミル。
- 上記突切刃部は、その上記軸線回りの回転軌跡の上記軸線を含む仮想平面への投影線の曲率半径が、上記突端の近傍で最も大きく、両端側に向かうに従い漸次小さくされていることを請求項1または請求項2に記載のラフィングエンドミル。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006315156A (ja) * | 2005-05-16 | 2006-11-24 | Univ Nihon | 切削工具及び切削方法 |
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2003
- 2003-07-11 JP JP2003195933A patent/JP2005028501A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006315156A (ja) * | 2005-05-16 | 2006-11-24 | Univ Nihon | 切削工具及び切削方法 |
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