JP2005027847A - ミシン - Google Patents

ミシン Download PDF

Info

Publication number
JP2005027847A
JP2005027847A JP2003195894A JP2003195894A JP2005027847A JP 2005027847 A JP2005027847 A JP 2005027847A JP 2003195894 A JP2003195894 A JP 2003195894A JP 2003195894 A JP2003195894 A JP 2003195894A JP 2005027847 A JP2005027847 A JP 2005027847A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
bed
mechanism storage
feed
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003195894A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomio Arai
富夫 新井
Hidenori Takase
秀紀 高瀬
Junya Mizobuchi
順也 溝渕
Seiho O
性宝 応
Hidekazu Iijima
秀和 飯島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Juki Corp
Original Assignee
Juki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Juki Corp filed Critical Juki Corp
Priority to JP2003195894A priority Critical patent/JP2005027847A/ja
Publication of JP2005027847A publication Critical patent/JP2005027847A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Abstract

【課題】タイミングベルトの潤滑油による汚染及び潤滑油漏れを防止する。
【解決手段】下軸30と上軸50の間のタイミングベルト63を収納するタイミングベルト収納部14と、上軸とスプレッダ駆動軸の連結機構えお収納するアーム部連結機構収納部15と、上軸から針棒に駆動力を伝達する面部機構を収納する面部機構収納部16と、下軸をルーパ駆動軸65,布送り軸81,82に連結する連結機構を収納するベッド部連結機構収納部17と、送り歯を駆動する送り機構110を収納する送り機構収納部18と、オイルパン20と、潤滑油用のポンプ36とを備え、アーム部連結機構収納部とベッド部連結機構収納部内を油潤滑とし、面部機構収納部とルーパ収納部と送り機構収納部の内部をグリス潤滑とし、タイミングベルト収納部を無潤滑としている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二重環縫い又は飾り縫いを行うミシンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ミシン内部で高速に相対運動をする数多くの部品を潤滑するため従来から潤滑油が用いられている。この潤滑油はミシン内部で霧状となって飛散し、且つ高温高圧にさらされるのでミシン外部に漏洩することがある。潤滑油がミシン外部へ漏洩すると、縫製物の汚れや作業環境の劣悪化を招くので、極力避ける必要がある。
【0003】
このような油の漏洩を防ぐため、上軸の先端側に位置し針棒、天秤など上軸と継続的に同期して駆動する機構部品が配設された面部と、上軸の基端側に位置し上軸の回転を下軸に伝達する上軸ギアまたは下軸ギアが配設されたギア部とを有する工業用ミシンにおいて、面部とギア部を遮断する遮断部材を設け、面部側にグリースを収容するグリース収容都を形成し、このグリース収容部内に収容したグリースにより機構部品のうち少なくとも1つの摺動部を潤滑するとともに、ギア部内のうち少なくとも1つの摺動部を潤滑油により潤滑するように構成した工業用ミシンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−137479号公報(第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のミシンは、釜を用いる本縫いミシンに関するものであり、上軸に対して下軸は回転速度が2倍である。このため、上軸と下軸は変速ギヤ装置によって連給されてその回転を伝達する方式となっている。具体的には、モータによって回転される上軸の駆動力がギヤ装置を介して下軸に伝達される。ギヤ装置は高速で噛み合うため、このギヤ装置が収納されるギヤ装置収納部は潤滑油によって潤滑する必要がある。
【0006】
しかしながら釜を用いないミシンの場合には、上軸と下軸をタイミングベルトで連結することができ、この場合に上記の特許文献1の技術を適用すると、潤滑の必要がないタイミングベルトを潤滑することになり、タイミングベルトを油で汚すことになる。
【0007】
本発明は、タイミングベルトの潤滑油による汚染を防止し、油洩れを低減することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、ミシンモータの駆動力を下軸(30),上軸(50),スプレッダ駆動軸(41),ルーパ駆動軸(65),布送り軸(81,82,83)に伝達して、少なくとも二重環縫い又は飾り縫いを行うミシンにおいて、アーム部(13)からベッド部(11)に至る胴部(12)に配置され、下軸と上軸の間に掛け渡されたタイミングベルト(63)が収納されるタイミングベルト収納部(14)と、上軸の駆動力を少なくともスプレッダ駆動軸に伝達する連結機構が収納されるアーム部連結機構収納部(15)と、上軸の先端側に配置され、上軸から出力される駆動力を変換して少なくとも針棒(71)に伝達する面部機構が収納される面部機構収納部(16)と、ベッド部に配置され、下軸の駆動力を少なくともルーパ駆動軸,布送り軸に伝達する連結機構が収納されるベッド部連結機構収納部(17)と、布送り軸の先端側に配置され、布送り軸から出力される駆動力を所定の運動に変換して送り歯に伝達する送り機構が収納される送り機構収納部(18)と、ベッド部下方を覆うと共に、潤滑油が貯蔵されたオイルパン(20)と、オイルパン内の潤滑油を供給先に送り出すポンプ(36)と、アーム部連結機構収納部とベッド部連結機構収納部を個別に密閉して、それら連結機構の摺動部位をポンプによる油潤滑とし、面部機構収納部とルーパ収納部と送り機構収納部の内部に配設される機構の摺動部位をグリスによるグリス潤滑とし、タイミングベルト収納部を無潤滑とする、という構成を採っている。
【0009】
上記構成では、面部機構収納部及び送り機構収納部がグリス潤滑であるため、布地の上下に位置する各構成が潤滑油不使用となることから、潤滑油漏れによる布地の汚れの発生を効果的に防止することができる。
また、タイミングベルト収納部を設け、その内部を無潤滑とするので、タイミングベルトに不要な潤滑油の付着を回避することが可能となる。またこれにより、潤滑油を供給する領域が低減されるので潤滑油の使用量の低減が図られる。
さらに、タイミングベルト収納部を設けることにより、アーム部連結機構収納部とベッド部連結機構収納部の上下に潤滑油を供給する領域が分離することとなるが、ポンプによりこれら双方にオイルパン内の潤滑油を供給することができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、ポンプは、ベッド部連結機構収納部とタイミングベルト収納部との隔壁から離れてベッド部連結機構収納部内に設けられた支持壁に固定される、という構成を採っている。
上記構成では、ベッド部連結機構収納部とタイミングベルト収納部の隔壁から離間してベッド部連結機構収納部内に設けられた支持壁にポンプが取り付けられるため、ポンプをタイミングベルト収納部から離すことができる。従って、ベッド部連結機構収納部とタイミングベルト収納部の隔壁にポンプを装備する場合のようにポンプの存在が妨げとなることがなく、ベッド部連結機構収納部からタイミングベルト収納部への潤滑油の侵入を防止するために密閉することが可能となる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明と同様の構成を備えると共に、アーム部連結機構収納部の上方を閉塞する上面カバーと、ベッド連結機構収納部の下方を覆うオイルパンの少なくとも一方には、各収納部の周囲を覆う凸部が形成され、凸部とこれに対応する収納部との間にシール部材を挟持する、という構成を採っている。
【0012】
上記構成では、上面カバー又はオイルパンに収納部の周囲を覆う凸部を設けたことにより、上面カバー又はオイルパンをフレームに装着した場合、間に挟まれるシール部材に凸部が圧接する。この場合、この凸部により高い面圧でシール部材に圧接するため、シール性の向上が図られる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1,2又は3記載の発明と同様の構成を備えると共に、ベッド部連結機構収納部と送り機構収納部を隔てる隔壁と、隔壁に固定され、下軸を回動可能に支持する軸受けと、軸受けの送り機構収納部側に装着されたオイルシールと、オイルシールよりベッド部連結機構収納部側の下軸には、逆螺旋溝を形成する、という構成を採っている。
【0014】
ここでいう逆螺旋溝とは、一定方向で回転する下軸に対して、送り機構収納部からベッド部連結機構収納部側へ潤滑油が戻る方向に流れを生じさせる方向に切られた溝をいう。
このように、下軸に逆螺旋溝を設けることにより、オイルシールの位置よりもベッド部連結機構収納部側の領域について、潤滑油をベッド部連結機構収納部側に戻す方向に流れを生じさせることができるので、送り機構収納部側への潤滑油の侵入を効果的に抑制する。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1,2,3又は4記載の発明と同様の構成を備えると共に、下軸又は上軸の少なくとも一方は、アーム部連結機構収納部又はベッド部連結機構収納部と他の収納部とを隔てる隔壁に対して、当該隔壁に装備される筒状のハウジングと、このハウジング内に保持される軸受けと、ハウジング内での軸受けのスラスト方向の少なくとも一方の移動を規制するストッパと、ハウジング内に保持されるオイルシールとからなる軸受けユニットにより支持される、という構成を採っている。
【0016】
上記構成では、軸受けユニットは、軸受け,ストッパ,オイルシールをハウジングにより一体的に保持することから、下軸又は上軸の円滑な回転動作を保証し、下軸又は上軸のスラスト方向のガタつきを抑制すると共に潤滑油漏れを抑制する効果を具備しつつも、隔壁が肉薄であっても、これらの構成を有効に隔壁に設けることが可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1乃至図22に基づいて本発明の実施形態を説明する。図1は本実施形態たるミシン1の左側面図を示し、図2〜4はそれぞれ図1におけるU−U,V−V,W−W線に沿った断面をミシン1の正面方向から見た図を示す。
本実施形態たるミシン1は少なくとも二重環縫いまたは飾り縫いを行うミシンである。
ミシン1は、各構成を収容し且つ支持する機枠としてのフレーム10と、フレーム10の底部に設けられるオイルパン20と、図示しないミシンモータにより駆動する下軸30及び上軸50と、下軸30の駆動力を上軸50に伝達するタイミングベルト機構60と、上軸50の駆動力により図示しない縫い針を上下動させる面部機構としての針駆動機構70と、上軸50から分岐された駆動力を受けて図示しないスプレッダを駆動するスプレッダ連結機構40と、縫製時において布地の送りを行う送り機構110と、下軸30から分岐された駆動力を受けて送り機構を駆動する送り駆動機構80と、図示しないルーパの駆動を行うルーパ機構64と、下降した縫い針を挟む一対の針受け部材131,132の揺動動作を付与する針受け揺動機構130と、オイルパン内の潤滑油を所定の各部に供給するポンプ36とを備えている。
以下各部を詳説する。
【0018】
(フレーム)
フレーム10は、図1,2に示すように、外形的には、ミシン1の下部に位置するベッド部11と、ベッド部11から立設された胴部12と、胴部12の上部からベッド部11と同じ方向に沿って延設されたアーム部13とからなる。
ベッド部11は、その長手方向における胴部12と反対側の端部が、他の部位と比較して幅が狭く設定されたシリンダ部11aを備え、いわゆるシリンダベッド型ミシンの構造となっている。
以下の説明において、ベッド部11及びアーム部13の長手方向をY軸方向とし、Y軸方向と直行し且つ水平な方向をX軸方向とし、X軸方向及びY軸方向に直交する垂直上下方向をZ軸方向とする。
【0019】
アーム部13と胴部12の上部は開口しており、当該開口部には図示しないシール部材を介してアーム部上面カバー23が例えばネジ止めにより装着され、開口部を閉塞すると共に内部を密閉している。
また、アーム部13の左側面も開口しており、当該開口部にはアーム部側面カバー22が例えばネジ止めにより装着され、開口部を閉塞すると共に内部を密閉している。
また、ベッド部11の上部及び左側面部は開口しており、当該開口部には図示しないシール部材を介してベッド部上面カバー24とベッド部側面カバー25が例えばネジ止めにより装着され、開口部を閉塞している。なお、ベッド部側面カバー25は、ベッド部11の上面を一部閉塞しており、当該ベッド部側面カバー25に隣接して図示しない針板が設けられている。
また、ベッド部11の底部も開口しており、当該開口部にはシール部材29を介してオイルパン20が例えばネジ止めにより装着され、開口部を閉塞し、フレーム10の内部を密閉している。
【0020】
フレーム10の内部は、第一〜五の隔壁10a,10b,10d,10e,10fにより、タイミングベルト機構60が収納されるタイミングベルト収納部14と、上軸50の駆動力を後述するスプレッダ駆動軸41に伝達する機構の構成が収納されるアーム部連結機構収納部15と、上軸50の先端側に配置され、上軸50から出力される駆動力を変換して後述する針棒71に伝達する針駆動機構70としての機構の構成と図示しないスプレッダに揺動運動を付与するスプレッダ連結機構40とが収納されるスプレッダ連結機構収納部としての面部機構収納部16と、ベッド部11に設けられ,下軸30の駆動力をルーパ駆動軸65,布送り軸81,82及び上下送り軸86に伝達する機構の構成が収納されるベッド部連結機構収納部17と、布送り軸81,82の先端側に配置され、布送り軸81,82から出力される駆動力を所定の運動に変換して二つの送り歯111,112に伝達する送り機構110が収納される送り機構収納部18と、ルーパ駆動軸65の先端側に配置されるルーパ64aが収納されると共に、下軸30に連結され,針受け部材131,132に揺動運動を付与する針受け揺動機構130が収納されるルーパ・針受け揺動機構収納部19とからなる六つの部屋に区画されている。なお、上記面部機構収納部16は、スプレッダ連結機構収納部としても機能している。
【0021】
上記タイミングベルト収納部14は胴部12の内部に設けられている。
また、上記面部機構収納部16及びアーム部連結機構収納部15はアーム部13の内部に設けられ、アーム部連結機構収納部15がタイミングベルト収納部14と面部機構収納部16との間に位置する配置となっている。また、面部機構収納部16とアーム部連結機構収納部15とは第一の隔壁10aにより分離され、アーム部連結機構収納部15とタイミングベルト収納部14とは第二の隔壁10bにより分離されている。
【0022】
上記送り機構収納部18,ルーパ・針受け揺動機構収納部19及びベッド部連結機構収納部17はベッド部11の内部に設けられ、ベッド部連結機構収納部17がタイミングベルト収納部14と隣接する配置となっており、ルーパ・針受け揺動機構収納部19は、ベッド部連結機構収納部17と送り機構収納部18との間に位置する配置となる。即ち、送り機構収納部18は、ベッド部11内において最もシリンダ部11a側に位置している。
また、送り機構収納部18とルーパ・針受け揺動機構収納部19とは第三の隔壁10cにより区画され、ルーパ・針受け揺動機構収納部19とベッド部連結機構収納部17とは第四の隔壁10dにより分離され、ベッド部連結機構収納部17とタイミングベルト収納部14とは第五の隔壁10eにより分離されている。
【0023】
そして、オイルパン20から潤滑油を送り出すポンプ36によりアーム部連結機構収納部1およびベッド部連結機構収納部17に潤滑油を供給し、各収納部15,17内の連結機構の摺動部位を潤滑油による油潤滑としている。
また、アーム部連結機構収納部15は第一の隔壁10aと第二の隔壁10bにより内部に供給される潤滑油が隣接する両側の収納部14,16に漏れないようにシールされ、ベッド部連結機構収納部17は、第四の隔壁10dと第五の隔壁10eにより内部に供給される潤滑油が隣接する両側の収納部14,19に漏れないようにシールされている。
一方、面部機構収納部16,送り機構収納部18及びルーパ・針受け揺動機構収納部19は、その内部に配設される機構の各摺動部位をグリースによるグリース潤滑としている。
さらに、タイミングベルト収納部14は、潤滑油もグリースも用いず、無潤滑としている。
【0024】
(下軸)
図5,6は下軸30の支持構造を示す断面図である。下軸30は、図2,5,6に示すように、送り機構収納部18,ルーパ・針受け揺動機構収納部19,ベッド部連結機構収納部17及びタイミングベルト収納部14に渡ってY軸方向に沿って配設されている。この下軸30は、胴部12から外部に突出した端部に受動プーリ31が装備されており、図示しないミシンモータからの駆動トルクが入力される。
また、下軸30は、転がり軸受け32,軸受けユニット33,メタル軸受け34,35により回転可能に支持されている。
【0025】
転がり軸受け32は、胴部12の外壁に設けられると共に、下軸30に固定装備されたスリーブ32bを介して回転自在に支持を行う。
この転がり軸受け32は、その外周部にスラスト方向に沿った所定方向への移動を規制する鍔部32aを備えている。この鍔部32aは、壁面外側に設けられた軸受け32の周囲の凹部に係止され、軸受け32のY軸方向に沿ったシリンダ部11a側(図5における左方)への移動を規制する。
【0026】
軸受けユニット33は、タイミングベルト収納部14とベッド部連結機構収納部17との境界の第五の隔壁10eに設けられると共に、下軸30に固定装備されたスリーブ33fを介して回転自在に支持を行う。この軸受けユニット33は、第五の隔壁10eに止めネジ(図示略)により固定装備された筒状のハウジング33aと、このハウジング33a内に保持されると共にスリーブ33fを介して下軸30を回転自在に支持する転がり軸受け33bと、ハウジング33a内での軸受け33bのスラスト方向に沿った所定方向の移動を規制するストッパリング33cと、ハウジング33a内に保持されるバネ付きオイルシール33dとを備えている。
【0027】
ストッパリング33cは、ハウジング33a内の溝に係合してY軸方向に沿って移動しないように固定されている。そして、ハウジング33a内で図5における転がり軸受け33bの右側に位置していることから、軸受け33bの右側への移動を規制する。このため、下軸30は、前述した転がり軸受け32とこの軸受けユニット33とによりY軸方向について互いに相対する方向について移動が規制されることとなり、Y軸方向のガタつきを有効に抑制することが可能となる。
【0028】
ベッド部連結機構収納部17は、ポンプ36により、その内部に潤滑油が供給される。従って、ハウジング33aの外周にはOリング33eが設けられており、当該ハウジング33aの外周面と第五の隔壁10eとの間からタイミングベルト収納部14側への潤滑油の漏れを効果的に抑制する。
さらに、ハウジング33a内における最もタイミングベルト収納部14側の位置にオイルシール33dが設けられている。このため、ハウジング33a内には潤滑油がもたらされて滑動可能としつつも、タイミングベルト収納部14側への潤滑油の漏れを効果的に抑制することができる。
なお、Oリング33eの素材はフッ素ゴムであることが望ましい。また、前述したオイルシール33dもフッ素ゴムであることが望ましい。
【0029】
従って、軸受けユニット33は、軸受け33b,ストッパリング33c,オイルシール33dをハウジング33aにより一体的に保持することから、下軸30の円滑な回転動作を維持し、下軸30のスラスト方向のガタつきを抑制すると共に潤滑油漏れを抑制する効果を発揮する各構成を、例え、第五の隔壁10eが肉薄であっても、有効に隔壁10eに設けることが可能である。
【0030】
メタル軸受け34は、ベッド部連結機構収納部17とルーパ・針受け揺動機構収納部19との境界の第四の隔壁10dに設けられると共に、下軸30を回転自在に支持する。
このメタル軸受け34がその外周に接着剤を介して第四の隔壁10dに装備されており、その外周面と第四の隔壁10dとの間からの潤滑油の漏れを防止している。
さらに、このメタル軸受け34は、その送り機構収納部18側の端部にバネ付きオイルシール34cを保持しており、メタル軸受け34の内周と下軸30との間に潤滑油による潤滑を行う余地を残しつつもベッド部連結機構収納部17から送り機構収納部19側への潤滑油漏れを効果的に抑制する。なお、オイルシール34cはフッ素ゴムであることが望ましい。
【0031】
さらに、下軸30は、このメタル軸受け34と協働してベッド部連結機構収納部17内に潤滑油の供給を行っている。即ち、第四の隔壁10dにはメタル軸受け34が設けられている円孔の内周まで貫通する貫通穴11bが設けられると共に、当該貫通穴11bの一端部からはポンプ36から図示しないフィルタを介して引かれた配管36aにより潤滑油が供給される。一方、メタル軸受け34は、第四の隔壁10dの貫通穴11bの出口に対応する位置において、その外周面から内周面まで貫通したオイル供給穴34aが形成されており、メタル軸受け34と下軸30との間に潤滑油が供給される。
【0032】
これに対して下軸30は、その中心線に沿って中空に形成されたオイル貯留部30bと、メタル軸受け34のオイル供給穴34aに対応する位置において外周面を周回して設けられた溝と、この溝の底部からオイル貯留部30bに貫通するオイル取込穴30aと、ベッド部連結機構収納部17内でオイル貯留部30bから外周面まで貫通して設けられたオイル吐出穴30c,30dとを備えている。従って、下軸30はその回転時において、オイル貯留部30b内に潤滑油が供給されると共にオイル吐出穴30c,30dから周囲に潤滑油を散布し、ベッド部連結機構収納部17内に潤滑油を供給することができる。
【0033】
また、メタル軸受け34には、オイルシール34cの装着位置からベッド部連結機構収納部17側端面まで貫通するオイル戻し穴34bが設けられ、オイルシール34cに至った潤滑油をベッド部連結機構収納部17側に円滑に戻すことを可能としている。また、下軸30の前述したオイル取込穴30aとオイルシール34cの摺接位置との間には、逆螺旋溝30eが形成されている。この逆螺旋溝30eは、予め決められた方向で回転する下軸30の回転により、潤滑油を送り機構収納部側からベッド部連結機構収納部側に強制的に送り出す方向に傾斜した螺旋溝である。これらにより、ベッド部連結機構収納部17からルーパ・針受け揺動機構収納部19側への潤滑油漏れを効果的に抑制することが可能である。
【0034】
メタル軸受け35は、送り機構収納部18とルーパ・針受け揺動機構収納部19との境界に設けられた第三の隔壁10cに設けられると共に、下軸30の一端部を回転自在に支持する。このメタル軸受け35は、その両端部にそれぞれグリースが含浸されたフェルト材35a,35bを下軸30を取り囲むように保持しており、下軸30に対するグリース潤滑を行っている。また、メタル軸受け35の内周面には螺旋溝が形成されており、各フェルト材35a,35bのグリースが下軸30の回転により内周面に行き渡るようになっている。
【0035】
なお、上述した軸受けユニット33のハウジング33a,メタル軸受け34,35の外周面は、Oリングに替えて或いは併用して接着剤によりシールすることが望ましい。
【0036】
(上軸)
図7は上軸50の支持構造を示す断面図である。上軸50は、図2,7に示すように、面部機構収納部16,アーム部連結機構収納部15及びタイミングベルト収納部14に渡ってY軸方向に沿って配設されている。この上軸50は、胴部12から外部に突出した端部に手動操作用のハンドル54が装備されており、メンテナンス時等に手動操作により回転トルクが入力される。また、縫製時には、タイミングベルト機構60により下軸30を介してミシンモータから駆動トルクが伝達される。
また、上軸50は、転がり軸受け51,軸受けユニット52,53により回転可能に支持されている。
【0037】
転がり軸受け51は、胴部12の外壁に設けられている。この転がり軸受け51は、その外周部にスラスト方向に沿った所定方向への移動を規制する鍔部51aを備えている。この鍔部51aは、壁面外側に設けられた軸受け51の周囲の凹部に係止され、軸受け51のY軸方向に沿った面部機構収納部16側(図7における左方)への移動を規制する。
【0038】
軸受けユニット52は、タイミングベルト収納部14とアーム部連結機構収納部15との境界の第二の隔壁10bに設けられると共に、上軸50に固定装備されたスリーブ52fを介して回転自在に支持を行う。この軸受けユニット52は、第二の隔壁10bに止めネジ52eにより固定装備された筒状のハウジング52dと、このハウジング52d内に保持されると共にスリーブ52fを介して上軸50を回転自在に支持する転がり軸受け52aと、ハウジング52d内での軸受け52aのスラスト方向に沿った所定方向の移動を規制するストッパリング52bと、ハウジング52d内に保持されるバネ付きオイルシール52cとを備えている。
【0039】
ストッパリング52bは、ハウジング52d内の溝に係合してY軸方向に沿って移動しないように固定されている。そして、ハウジング52d内で図7における転がり軸受け52aの右側に位置していることから、軸受け52aの右側への移動を規制する。このため、上軸50は、前述した転がり軸受け51とこの軸受けユニット52とによりY軸方向について互いに相対する方向について移動が規制されることとなり、Y軸方向のガタつきを有効に抑制することが可能となる。
【0040】
アーム部連結機構収納部15は、ポンプ36により、その内部に潤滑油が供給される。従って、ハウジング52dの外周にはOリング52gが設けられており、当該ハウジング52dの外周面と第二の隔壁10bとの間からタイミングベルト収納部14側への潤滑油の漏れを効果的に抑制する。なお、Oリング52gの素材はフッ素ゴムであることが望ましい。
さらに、ハウジング52d内における最もタイミングベルト収納部14側の位置にオイルシール52cが設けられている。このため、転がり軸受け51までには潤滑油がもたらされて滑動可能としつつも、タイミングベルト収納部14側への潤滑油の漏れを効果的に抑制することができる。なお、オイルシール52cはフッ素ゴムであることが望ましい。
【0041】
従って、軸受けユニット52は、軸受け52a,ストッパリング52b,オイルシール52cをハウジング52dにより一体的に保持することから、上軸50の円滑な回転動作を保証し、上軸50のスラスト方向のガタつきを抑制すると共に潤滑油漏れを抑制する効果を具備しつつも、例え、第二の隔壁10bが肉薄であっても、これらの構成を有効に隔壁10bに設けることが可能である。
【0042】
軸受けユニット53は、アーム部連結機構収納部15と面部機構収納部16との境界の第一の隔壁10aに設けられると共に、上軸50の一端部に固定装備された後述する錘74の筒状部を介して回転自在に支持を行う。この軸受けユニット53は、第一の隔壁10aに止めネジ(図示略)により固定装備された筒状のハウジング53dと、このハウジング53d内に保持されると共にスリーブ53fを介して上軸50を回転自在に支持する転がり軸受け53a,53bと、ハウジング53d内に保持されるバネ付きオイルシール53cとを備えている。
【0043】
アーム部連結機構収納部15は、前述したように、潤滑油が供給されることから、ハウジング53dの外周にはOリング53eが設けられており、当該ハウジング53dの外周面と第一の隔壁10aとの間からタイミングベルト収納部14側への潤滑油の漏れを効果的に抑制する。なお、Oリング53eの素材はフッ素ゴムであることが望ましい。
さらに、ハウジング53d内における最もタイミングベルト収納部14側の位置にオイルシール53cが設けられている。このため、アーム部連結機構収納部15から面部機構収納部16側への潤滑油の漏れを効果的に抑制することができる。なお、オイルシール53cはフッ素ゴムであることが望ましい。
【0044】
なお、上述した各軸受けユニット52,53のハウジング52d,53dの外周面は、Oリングに替えて或いは併用して接着剤によりシールすることが望ましい。
【0045】
(タイミングベルト機構)
タイミングベルト機構60は、図2に示すように、タイミングベルト収納部14内に設けられている。このタイミングベルト機構60は、下軸30に固定装備された下プーリ61と、上軸50に固定装備された上プーリ62、下プーリ61と上プーリ62と間に掛け渡されたタイミングベルト63とを備えている。これにより、ミシンモータにより下軸30に付与される回転力の一部がタイミングベルト63を介して上軸50にも伝達され、双方の軸30,50を同時に回転駆動することができる。
【0046】
(オイルパン)
図8はオイルパン20及びそのシール部材21の斜視図、図9は図8のQ−Q線に沿った断面図である。
オイルパン20は、図8に示すように、フレーム10のベッド部連結機構収納部17及びタイミングベルト収納部14の底部を閉塞するように装着される。このオイルパン20は、その上端面20aがベッド部連結機構収納部17の開口部の周囲の端面及びタイミングベルト収納部14の開口部の周囲の端面に対応する形状に形成され、ベッド部連結機構収納部17とタイミングベルト収納部14とを個別に密閉することができる。そして、ベッド部連結機構収納部17の開口部の内側に対応する部位は下方に窪んだ凹状の受け皿となる部位を有しており、当該受け皿となる部位にベッド部連結機構収納部17に供給されて流れ落ちる潤滑油が貯留される。
【0047】
かかるオイルパン20の上端面20a上には、当該上端面20aの形状に応じて上端面20aの各部位の幅よりも狭小な幅であって上端面20aよりも総面積が小さく形成された凸部20bが形成されている。
これに対して、シール部材21は、弾性を有すると共に耐油性の素材かからなり、オイルパン20の上端面の形状と等しく形成された薄板である。なお、オイルパン20はフレーム10に対してネジ止めされるが、シール部材21にもオイルパン20と同じ各位置にネジ穴が形成されている。
かかるシール部材21を介挿した状態でオイルパン20をフレーム10の底面に止めネジの締結により装着すると、図9に示すように、幅及び面積が小さい凸部20bがシール部材21に圧接するので、上端面20aを直接フレーム10に圧接させる場合よりも高い面厚で密着させることができる。従って、凸部20bにより、タイミングベルト収納部14とベッド部連結機構収納部17のそれぞれをより効果的に密閉することができる。
なお、アーム部上面カバー22及びベッド部上面カバー24についても同様の凸部が形成されると共に同様のシール部材を介してフレーム10に装備されている。
【0048】
(ポンプ)
ポンプ36について、一般的な配置でポンプ36が設けられた比較例との比較を行いながら説明する。図10(A)は比較例におけるポンプ配置示すフレーム10の底面図であり、図10(B)は比較例におけるフレーム10の底面側を示す斜視図である。図11(A)は本実施形態におけるポンプ配置示すフレーム10の底面図であり、図11(B)は本実施形態におけるフレーム10の底面側を示す斜視図である。
【0049】
比較例においては、オイルパン20がベッド部連結機構収納部17とタイミングベルト収納部14とを個別に仕切って密閉していなかったため、第五の隔壁10eの下端面にはオイルパン20の上端面が非接触状態であった。このため、ポンプ36は、図10に示すように、その取付部が第五の隔壁10eの下端面上に取り付けられていた。このため、ポンプ36がタイミングベルト収納部14に近すぎて、潤滑油がタイミングベルト収納部14内に入りやすく、タイミングベルト63が潤滑油に対する耐性が低い素材の場合には劣化を生じやすくなる等の不都合があった。
【0050】
本実施例では、図11に示すように、第五の隔壁10eから離間してX軸方向にほぼ沿うようにベッド部連結機構収納部17内に設けられた支持壁10fに設けられた凹部に、ポンプ36がその取付部を介して取り付けられている。かかる状態でポンプ36はフレーム10の下端面から突出した状態となり、オイルパン20内に貯留された潤滑油に浸る状態となる。
このため、ポンプ36をタイミングベルト収納部14から離すことができ、オイルパン20が仕切ることによる効果と併せて、タイミングベルト収納部14内への潤滑油の侵入をより抑制し、より効果的にタイミングベルト収納部14内の無潤滑状態を維持することが可能となる。
【0051】
また、比較例は、ポンプ36から送り出される潤滑油を図示しないフィルタに送る供給管36bがタイミングベルト収納部14側に張り出されると共に折り返してフィルタの入口に接続されている。一方、本実施形態では、供給管36bはポンプ36からベッド部連結機構収納部17内上方に向かうと共に折り返してフィルタの入口に接続されている。このため、供給管36bはフレーム10にオイルパン20を装着する際に妨げとならないようになっている。
【0052】
また、ポンプ10は、フィルタを介してベッド部連結機構収納部17及びアーム部連結機構収納部15に潤滑油を供給する。ベッド部連結機構収納部17に潤滑油を供給する構成を前述したので、アーム部連結機構収納部15に潤滑油を供給する構成について、図12に基づいて説明する。
フィルタから送り出される潤滑油が通過する供給管36cがタイミングベルト収納部14の外壁内部を通ってベッド部連結機構収納部17からアーム部連結機構収納部15の内部の上面カバー23近傍まで配設されており、この供給管36cの上端部には上面カバー23に向かって略放射状に潤滑油を吐出するノズル36dが設けられている。かかる構成により、ポンプ36によりフィルタを介して送り出された潤滑油がノズル36dによって放射状に上方に向かって吐出され、上面カバー23に跳ね返ることでアーム部連結機構収納部15内の随所に潤滑油が行き渡ることとなる。
また、図1に示すように、タイミングベルト収納部14の外壁にはアーム部連結機構収納部15からベッド部連結機構収納部17に貫通する排油孔12aが設けられており、アーム部連結機構収納部15内で流れ落ちた潤滑油はこの排油孔12aを通ってさらにベッド部連結機構収納部17を通過してオイルパン20に回収される。
【0053】
(針駆動機構)
針駆動機構70は、図1に示すように、面部機構収納部16内に配置され、縫い針をその下端部に保持する針棒71と、針棒71を上下動可能に支持する上メタル軸受け72及び下メタル軸受け73と、面部機構とを備えている。また、面部機構は、上軸50の一端部に固定装備される釣合錘74と、一端部と他端部とがぞれぞれ釣合錘74と針棒71とにY軸方向を中心に回動自在に連結されるリンク体75とを備えている。そして、かかる構成により、上軸50の回転駆動により、リンク体75を介して針棒71に上下方向の駆動力が付与される。
【0054】
上記各メタル軸受け72,73には針棒との摺接部に、図示しないグリース封入部又はグリースをしみこませたフェルト材,不織布等を配設する図示しない格納部を備えている。また同様に、リンク体75の両端部にはその回動軸との摺接部に図示しないグリース封入部又はグリースをしみこませたフェルト材,不織布等を配設する図示しない格納部を備えている。また、下メタル軸受け73の下端部内側には図示しないオイルシールが配設されている。
これにより、面部機構収納部16内をグリース潤滑として潤滑油の供給を不要とし、また、グリース潤滑が行われている面部機構収納部16からのグリースの漏れを効果的に防止している。
【0055】
(スプレッダ連結機構)
スプレッダ連結機構40は、スプレッダ駆動軸41のY軸方向を中心とする揺動駆動力をZ軸方向を中心とする揺動駆動力に変換してスプレッダに伝達する機能を有している。図13はスプレッダ連結機構40の拡大断面図である。
まず、スプレッダ駆動軸41の支持状態について説明する。このスプレッダ駆動軸41は、図3,13に示すように、アーム部連結機構収納部15内に設けられたスプレッダ支持壁10gに設けられたメタル軸受け42と、第一の隔壁10aに設けられたメタル軸受け43とにより揺動可能に支持されている。
そして、メタル軸受け42はスプレッダ支持壁10gに対して接着により固定装備され、スプレッダ駆動軸41はメタル軸受け42に対してスラスト方向への移動を規制するストッパ41aを備えている。
【0056】
メタル軸受け43は、第一の隔壁10aに対して接着により固定装備されると共にその外周のシールを図っている。また、メタル軸受け43の面部機構収納部16側端部にはバネ付きのバネ付きオイルシール47が設けられている。このオイルシール47の素材は好ましくはフッ素ゴムである。さらに、メタル軸受け43にはオイルシール47からアーム部連結機構収納部15側に潤滑油を戻すためのオイル戻し穴43aが形成されている。その一方で、スプレッダ駆動軸41のオイルシール47よりもアーム部連結機構収納部15側の外周には、潤滑油供給用の螺旋溝が形成されており、アーム部連結機構収納部15内の潤滑油がオイルシール47の手前までは効果的に供給され、スプレッダ駆動軸41の揺動を円滑化し、なお且つ面部機構収納部16側への潤滑油の侵入を効果的に防止している。
【0057】
上記スプレッダ駆動軸41は、アーム部連結機構収納部15内において、周知の構成により回転駆動する上軸50から揺動駆動力が伝達される。即ち、アーム部連結機構収納部15内において、上軸50に固定装備された偏心カムと、この偏心カムに一端部が係合するリンク体と、スプレッダ駆動軸41にその基端部が固定装備されたアーム部材とが設けられ、リンク体の他端部とアーム部材の揺動端部とが回動可能に連結されてなる構成により、上軸50の回転駆動力が揺動駆動力に変換されてスプレッダ駆動軸41に伝達される。
【0058】
次に、スプレッダ連結機構40について詳説する。
スプレッダ連結機構40は、面部機構収納部16側に突出したスプレッダ駆動軸41の先端部にその基端部が固定連結されたスプレッダ腕44と、スプレッダ腕44の揺動端部に支持された腕ピン部材48と、その下端部で図示しないスプレッダを保持すると共に上端部に腕ピン部材48に連結された回動腕45aを備える縦軸45と、縦軸45をZ軸方向方向を中心として回動可能に支持するメタル軸受け46とを備えている。
【0059】
保持軸45は、メタル軸受け46によりZ軸方向に沿った状態で当該Z軸方向を中心として回動自在に保持される軸本体45bと、軸本体45bの上端部に当該軸本体45bと垂直方向に延設された回動腕45aと、回動腕45aの回動端部においてZ軸方向に沿って設けられ,上述した腕ピン部材48と係合する係合軸45cとを備えている。
【0060】
軸本体45bは、その上端面からZ軸方向に沿って中間深さまで穿孔することにより形成されたグリースの貯蔵部としての上保持孔45dと、その下端面からZ軸方向に沿って中間深さまで穿孔することにより形成されたグリースの貯蔵部としての下保持孔45eと、各保持孔45d,45e内に配設された吸収体としてのフェルト材45f,45gと、各保持孔45d,45eの開口部を閉塞する蓋体45h,45iとを備えている。
【0061】
各保持孔45d,45eは軸本体45bの中心において上下に位置しており、互いに分離している。各保持孔45d,45e内にはそれぞれフェルト材45f,45gが格納された状態でグリースが充填され、蓋体45h,45iにより密閉されている。さらに、軸本体45bには、各保持孔45d,45eの上部における内側から外周面に貫通するグリースの供給穴45j,45kが形成されている。
かかる構成により、軸本体45bは、各保持孔45d,45e内のグリースが供給穴45j,45kから外周面に供給され、メタル軸受け46とのグリース潤滑を行うことが可能となる。
さらに、各保持孔45d,45e内のグリースが消費され供給穴45j,45kより下部にたまった場合でも、フェルト材45f,45gにより各保持孔45d,45eの上部まで吸い上げられて供給穴45j,45kから安定してグリースの供給を行うことが可能である。
なお、軸本体45bの長さが短い場合には、内部のグリースの保持孔を上下に二分割しないで上下に渡って貫通した一つの保持孔を設けても良い。この場合、供給穴は少なくとも上部に一つ設けることが望ましい。
【0062】
軸本体45bの上端部からZ軸方向に直交する方向に延設された回動腕45aは、軸本体45bを中心に回動動作を行うことができる。回動腕45aの回動端部には上方に向かってZ軸方向に沿った状態で丸棒状の係合軸45cが保持されている。
【0063】
係合軸45cは、腕ピン部材48の貫通穴48aに遊挿された状態で係合している。さらに、この係合軸45cは、その上端面からZ軸方向に沿って穿孔することにより形成されたグリースの貯蔵部としての保持孔45lと、保持孔45l内に配設された吸収体としてのフェルト材45mと、保持孔45lの開口部を閉塞する蓋体45nとを備えている。
軸本体45bと同様に、保持孔45l内にはそれぞれグリースが充填され、蓋体45nにより密閉されている。そして、保持孔45l内のグリースは消費され少なくなってもフェルト材45mにより上方に吸い上げられ、保持孔45lから外部に貫通した供給穴45oにより係合軸45cの外周面に供給される。
かかる構成により、係合軸45cと腕ピン部材48の貫通穴48aとの間をグリース潤滑とすることができ、且つ長期間に渡って安定してグリースを供給することが可能となる。
【0064】
スプレッダ腕44は、その基端部を止めネジによりスプレッダ駆動軸41の先端部に連結され、当該スプレッダ駆動軸41を中心に揺動動作を行う。
スプレッダ腕44の揺動端部にはY軸方向を中心とする円筒部が形成されている。そして、この円筒部44aの内側には、円柱状の腕ピン部材48が円筒部44aと同心とした状態で格納されている。さらに、円筒部44aの外周面には前述した係合軸45cを外部から腕ピン部材48と係合させるための開口部44bが設けられている。この開口部44bは、スプレッダ腕44の揺動動作に対応するために、係合軸45cより大径に形成されている。
また、円筒部44aの内部にはグリースが充填され、当該円筒部44aの内部において腕ピン部材48の回動とY軸方向に沿った往動とをグリース潤滑により円滑に行うことを可能としている。
【0065】
腕ピン部材48は、円柱状であり、その中心線方向中間部に半径方向に沿って貫通穴48aが形成されている。この貫通穴48aは、係合軸45aが遊挿可能な長穴状に形成されている。
また、腕ピン部材48の両端面には凹部が形成されると共にグリースを含浸させる不織布48bが格納されている。そして、この凹部の内底部から貫通穴48aに通じる供給穴48cが形成されており、不織布48bが吸ったグリースを貫通穴48aに供給することが可能となっている。これらにより、腕ピン部材48は、円筒部44aの内部において、各摺動において良好にグリース潤滑が行われ、Y軸方向を中心とする回動とY軸方向に沿った往動とを円滑に行うことを可能としている。
【0066】
メタル軸受け46は、面部機構収納部16の底面壁部に、その中心がZ軸方向に沿うように設けられると共に、縦軸45の軸本体45bを回動可能に支持している。
このメタル軸受け46は、その外周に接着剤を介して面部機構収納部16の底面壁部に装備されており、その外周面と面部機構収納部16の底面壁部との間からのグリースの流出を防止している。
さらに、このメタル軸受け46は、その上端部にはグリースを含浸させた不織布46aを格納する凹部を備え、縦軸45の回動腕45aとの間でのグリース潤滑を行っている。さらに、その内周面のZ軸方向中間位置にはグリースが封入されるグリース貯留部46bが設けられ、メタル軸受け46と縦軸45の軸本体45bとの間におけるグリースの供給を行っている。
そして、メタル軸受け46の下端部には、バネ付きオイルシール46cを保持しており、メタル軸受け46の内周と縦軸45の軸本体45bとの間にグリースによる潤滑を行いつつも面部機構収納部16から下方へのグリース漏れを効果的に防止する。なお、オイルシール46cはフッ素ゴムであることが望ましい。
【0067】
スプレッダ連結機構40は、以上のように、各構成の摺動を生じる各部位にグリースを保持或いは供給する手段を設けているため、面部機構収納部16内において各部のグリース潤滑を可能とし、焼き付け等を効果的に回避すると共に各部の円滑な動作を可能とする。さらに、潤滑油に替えてグリースを使用するため、潤滑油漏れを効果的に防止し、特に縫製時において下方に位置する布地に対する潤滑油による汚染を効果的に防止することが可能となる。
【0068】
(布押さえ機構)
図14は、布押さえ機構の押さえ上げ軸76及び後述する送り駆動機構80の差動切替軸84の支持状態を示すミシン1の正面方向に沿った断面図である。
布押さえ機構は、図示しない布押さえと、当該布押さえをその下端部で保持する図示しない布押さえ保持軸と、面部機構収納部16の底面壁部を貫通した状態で接着装備される図示しないメタル軸受けと、外部から揺動操作を入力されることにより布押さえの上下位置の切替を行う押さえ上げ軸76とを備え、布押さえを下降させることで針板上の布地を押さえる状態となり、上昇させることで解除した状態に切り替えることができる。
【0069】
上記メタル軸受けには布押さえ保持軸との摺接部に、図示しないグリース封入部又はグリースをしみこませたフェルト材,不織布等を配設する図示しない格納部を設けても良い。そして、このメタル軸受けの下端部内側には図示しないオイルシールが配設されている。
これにより、グリース潤滑が行われている面部機構収納部16からのグリースの漏れを効果的に防止している。
【0070】
押さえ上げ軸76は、面部機構収納部16,アーム部連結機構収納部15及びタイミングベルト収納部14に渡ってY軸方向に沿って配設されている。そして、面部機構収納部16内において、その一端部が布押さえを保持する図示しない布押さえ保持軸と連結され、布押さえに対する上下方向の移動力を伝達する。また他端部には、タイミングベルト収納部14の外壁から外部に突出する操作入力アーム76aが設けられており、これにより布押さえの上下動の切替操作が入力される。
【0071】
また、押さえ上げ軸76は、第一及び第二の隔壁10a,10bに設けられた保持穴13a,13bに挿通された状態で揺動自在に支持されている。そして、当該各保持穴13a,13bにはアーム部連結機構収納部15内の潤滑油が面部機構収納部16とタイミングベルト収納部14のそれぞれに侵入しないようにOリング77,78が設けられている。なお、Oリング77,78の素材はフッ素ゴムであることが望ましい。
押さえ上げ軸76は、このように支持されることで、揺動を可能とすると共に各収納部14,15,16間での潤滑油のシール性を維持している。
なお、押さえ上げ軸76は保持穴13a,13bではなく、各位置に設けられたメタル軸受けにより支持しても良い。その場合、メタル軸受けの外周はOリング又は接着剤によりシールし、内周はOリングによりシールすることが望ましい。
【0072】
(ルーパ機構)
ルーパ機構64は、図3に示すように、ルーパ64a(図17参照)と、ルーパ64aをその先端部で保持するルーパ駆動軸65と、下軸30の回転駆動力をY軸方向に沿った往復駆動力に変換して伝える図示しない連結機構と、ルーパ駆動軸65を第四の隔壁10dにおいて往動可能に支持するメタル軸受け66と、ルーパ駆動軸65を第五の隔壁10eにおいて往動可能に支持するメタル軸受け67とを備えている。
【0073】
ルーパ駆動軸65は、ルーパ・針受け揺動機構収納部19,ベッド部連結機構収納部17,タイミングベルト収納部14に渡ってY軸方向に沿って配設されており、ベッド部連結機構収納部17内において連結機構により往復駆動力が付与される。この連結機構は、下軸の回転駆動力を直動駆動力に変換する周知の構成であり図示は省略する。
【0074】
図15は、メタル軸受け66の拡大断面図を示す。このメタル軸受け66はその外周に接着剤を介して第四の隔壁10dに装備されており、その外周面と第四の隔壁10dとの間からの潤滑油の漏れを防止している。
このメタル軸受66は、ルーパ・針受け揺動機構収納部19側に突出した突出部を有し、この突出部には更に、ルーパ・針受け揺動機構収納部19側に油切り部68が設けられている。メタル軸受66の突出部には第1の還流チューブねじ66aが設けられている。油切り部68の内部には2つのバネ付きオイルシール68a,68bと両オイルシール68a,68bの間に配置された第2の還流チューブねじ68cが設けられている。
上記各オイルシール68a,68bの素材は好ましくはフッ素ゴムである。各還流チューブねじ66a,68cにはそれぞれ図示しない還流チューブの一端が接続され、その還流チューブは途中で一体化されて一本のチューブとなるとともにその他端はベッド部連結機構収納部17又はオイルパン20内へ導入されている。
【0075】
このオイルシール68a,68b,第1,第2の還流チューブねじ66a,68cによる二重の油切り構造によりベッド部連結機構収納部17内の潤滑油が送り機構収納部18へ洩れるのを防止している。
また、ベッド部連結機構収納部17には機構部品が多く配置されている一方、送り機構収納部18はベッド部連結機構収納部17に比べるとスペース的に余裕がある。そこで本実施形態では上記のようにメタル軸受66を送り機構収納部18側に突出させて突出部とするとともにこの突出部には更に送り機構収納部18側に伸びる油切り部68を設け、これら突出部と油切り部68内に二重の油切り構造を配置したものである。これにより、二重の油切り構造のレイアウトの自由度が増す。
【0076】
メタル軸受け67は、図3に示すように、第五の隔壁10eに設けられると共に、ルーパ駆動軸65を回転自在に支持する。このメタル軸受け67がその外周に接着剤を介して第五の隔壁10eに装備されており、その外周面と第五の隔壁10eとの間からの潤滑油の漏れを防止している。
さらに、このメタル軸受け67は、そのタイミングベルト収納部14側の端部にバネ付きオイルシール69を保持しており、メタル軸受け67の内周とルーパ駆動軸65との間に潤滑油による潤滑が行われる余地を残しつつもベッド部連結機構収納部17からタイミングベルト収納部14側への潤滑油漏れを効果的に抑制する。なお、オイルシール69はフッ素ゴムであることが望ましい。
このオイルシール69により、ベッド部連結機構収納部17からタイミングベルト収納部14への潤滑油の漏れを効果的に抑制している。
【0077】
(送り駆動機構)
送り駆動機構80は、図3,4,14に示すように、下軸30の回転駆動力を揺動駆動力に変換されて付与される主送り軸81,副送り軸82及び上下送り軸86と、これら各軸81,82,86を第三の隔壁10cにおいて支持するメタル軸受け87と、第四の隔壁10dにおいて支持するメタル軸受け88と、第五の隔壁10eにおいて支持するメタル軸受け89と、副送り軸82の揺動角度を可変調節する差動切替軸90とを備えている。
【0078】
主送り軸81及び上下送り軸86は、ベッド部連結機構収納部17内において、それぞれ周知の連結機構により下軸30から所定角度範囲の揺動駆動力が付与される。また、主送り軸81の連結機構は、周知の構成によりその揺動角度量を調節することが可能な構成となっている。
また、副送り軸82は、主送り軸81から周知の連結機構により揺動駆動力が伝達され、この連結機構は、差動切替軸90により副送り軸82の揺動角度量を調節することが可能な構成となっている。
この差動切替軸90は、その一端部がタイミングベルト収納部14の外壁から外部に突出し、手動の操作ハンドル91により回動操作され、その操作に応じて副送り軸82の揺動角度範囲の調整を行う。
【0079】
主送り軸81,副送り軸82及び上下送り軸86は、支持構造が同じなので、主送り軸81のみについて説明を行うものとする。この主送り軸81は、送り機構収納部18,ルーパ・針受け揺動機構収納部19,ベッド部連結機構収納部17及びタイミングベルト収納部14に渡ってY軸方向に沿って配設されている。
図16は主送り軸81の支持構造の一部を拡大して示す断面図である。
メタル軸受け87は、その外周部が接着剤により第三の隔壁10cに固定され、その内周部には図示しないグリースを保持する構造が設けられている。これにより、主送り軸81の揺動及び直動を円滑に行わせ、送り機構収納部18内のグリース潤滑を実現する。
【0080】
メタル軸受け88は、その外周部が接着剤により第四の隔壁10dに固定され、そのルーパ・針受け揺動機構収納部19側にバネ付きオイルシール88aが併設されている。このオイルシール88aの素材は好ましくはフッ素ゴムである。これにより、ベッド部連結機構収納部17からルーパ・針受け揺動機構収納部19側への潤滑油の漏れが防止される。
メタル軸受け89は、その外周部が接着剤により第五の隔壁10eに固定され、そのタイミングベルト収納部14側にバネ付きオイルシール89aが併設されている。このオイルシール89aの素材は好ましくはフッ素ゴムである。これにより、ベッド部連結機構収納部17からタイミングベルト収納部14側への潤滑油の漏れが防止される。
【0081】
差動切替軸90は、ベッド部連結機構収納部17及びタイミングベルト収納部14に渡ってY軸方向に沿って配設されている。そして、この差動切替軸90は、支持壁10f,第五の隔壁10e及びタイミングベルト収納部14の外壁に設けられた保持穴17a,14a,14bに挿通された状態で揺動自在に支持されている。そして、当該保持穴14aにはベッド部連結機構収納部17内の潤滑油がタイミングベルト収納部14に侵入しないようにOリング91が設けられている。なお、Oリング91の素材はフッ素ゴムであることが望ましい。
差動切替軸90は、このように支持されることで、揺動を可能とすると共に各収納部14,17間での潤滑油のシール性を維持している。
なお、差動切替軸90は保持穴17a,14a,14bではなく、各位置に設けられたメタル軸受けにより支持しても良い。その場合、特に第四の隔壁10dに設けられるメタル軸受けの外周はOリング又は接着剤によりシールし、内周はOリングによりシールすることが望ましい。
【0082】
(送り機構)
図17は送り機構収納部18及びルーパ・針受け揺動機構収納部19の斜視図,図18,19,20はそれぞれ送り機構110の正面図、平面図、左側面図である。
送り機構110は、図3,4,17〜20に示すように、送り機構収納部18内に配置され、針板上の布地をX軸方向に沿って所定の送り量で送りを行う。この送り機構110は、針板下方から布送り方向に移動して布地を送る主送り歯111,副送り歯112と、各送り歯111,112を個別に支持し長円運動を行う主送り揺動桿113,副送り揺動桿114と、各布送り軸81,82に個別にその基端部が固定支持されると共にその揺動端部がX軸方向に沿って揺動動作を行う主揺動腕115,副揺動腕116と、各揺動腕115,116の揺動端部を個別に各送り揺動桿113,114に連結する主送りリンク体117,副送りリンク体118と、上下送り軸86の先端部において偏心カムを介して支持される角駒119と、下軸30の先端部において偏心カムを介して支持される角駒120と、上記各構成の摺動部位にグリース供給を行うグリース供給手段121とを備えている。
【0083】
各送り揺動桿113,114はいずれも板状であり、フレーム10内においてその平板面がX−Z平面と平行となるように且つX−Z平面に沿って移動可能に支持されている。そして、各送り揺動桿113,114には、その上端部においてそれぞれ各送り歯111,112を支持している。
【0084】
各揺動腕115,116は、その揺動端部において軸部材を介して各送りリンク体117,118の一端部にそれぞれ連結されている。そして、これにより、各揺動腕115,116に対して各送りリンク体117,118をY軸方向を中心として回動を可能としている。
さらに、各送りリンク体117,118は、その他端部において軸部材を介して各送り揺動桿113,114にそれぞれ連結されている。そして、これにより、各送り揺動桿113,114に対して各送りリンク体117,118をY軸方向を中心として回動を可能としている。
そして、各送りリンク体117,18は、ぞれぞれその一端部の上側に各揺動腕115,116及び軸部材との摺接部にグリースを供給するためのグリース供給孔115a,116aが設けられている。また、各送りリンク体117,18は、ぞれぞれその他端部の上側に各送り揺動桿113,114及び軸部材との摺接部にグリースを供給するためのグリース供給孔115b,116bが設けられている。
かかる構成により、各揺動腕115,116の揺動端部が揺動を行うと、各揺動リンク体117,118を介して連結された各送り揺動桿113,114には、各揺動リンク体117,118によりZ軸方向の変位が吸収されてX軸方向の往復移動力のみが伝達される。
【0085】
角駒119,120は、いずれも偏心カムを介して回転駆動する上下送り軸86と下軸30とにそれぞれ支持されているため、偏心距離に応じた円に沿って移動を行う。また、角駒119は、各送り揺動桿113,114のX軸方向一端部において、当該各送り揺動桿113,114に対してX軸方向については摺動し、Z軸方向についての往復移動力のみを伝達するように係合している。また、角駒120は、各送り揺動桿113,114のX軸方向他端部において、当該各送り揺動桿113,114に対してX軸方向については摺動し、Z軸方向についての往復移動力のみを伝達するように係合している。
【0086】
これにより、角駒119,120の円周に沿った運動により、各送り揺動桿113,114には、各揺動リンク体117,118によりZ軸方向の変位が吸収されてX軸方向の移動力のみが伝達される。
従って各角駒119,120及び揺動腕115,116の協働により、各送り揺動桿113,114を介して主送り歯111及び副送り歯112はそれぞれ長円運動を行い、針板上の布地を所定の送り方向に送ることができる。
【0087】
グリース供給手段121は、ベッド側面カバー25に支持されたフェルト押さえ板122と、このフェルト押さえ板122に支持された吸収体としてのフェルト材123とを備えている。
上記ベッド側面カバー25は、断面L字状に形成され、その一面がフレーム10のシリンダ部11aの上面の一部を覆い、もう一面がシリンダ部11aの左側面を覆う。また、このベッド側面カバー25は、図示しない止めネジによりシリンダ部11aに装着されるため、その着脱が可能となっている。
【0088】
グリース供給手段121のフェルト押さえ板122も断面L字状に形成されており、ベッド側面カバー25の各面の内面に対向するように当該ベッド側面カバー25に固定支持されている。
一方、フェルト材123はグリースが含浸された状態で、フェルト押さえ板122の各面の内側に装着されている。このフェルト材123は、前述した副送りリンク体118の各グリース供給孔118a,118bに上方から当接するようにフェルト押さえ板122により支持されている。これにより、副送りリンク体118はもとより、これを伝って送り機構110の各部にグリース供給を行うことを可能としている。
また、フェルト材123には、上方から主送りリンク体117の各グリース供給孔117a,117bに当接する枝状部123a,123bが垂下状態で設けられており、枝状部123a,123bを介して主送りリンク体117にも積極的なグリース供給を行っている。
なお、送り機構収納部18内の他の各構成について、上述と同様の枝状部を設け、積極的にグリース供給を行っても良いことはいうまでもない。
また、フェルト材123を送り機構収納部18内のより多くの各構成に対して接触するように近接配置しても良い。
【0089】
上述のように、送り機構収納部18内にあっては、グリース供給手段121により各構成についてグリース潤滑を可能としている。
また、上述のようにグリース供給手段121がフレーム10から着脱可能とするベッド側面カバー25に支持される構成であることから、ベッド側面カバー25の取り外しにより容易にグリースの補給等のメンテナンスが容易となり、作業性の向上を図ることが可能となる。
なお、図示の符号25aは、ベッド側面カバー25に対して開閉可能に設けられた開閉カバーである。上述のグリース供給手段121は、この開閉カバー25aに支持される構造としても良い。その場合、開閉カバー25aの開閉によりグリース供給手段121をフレーム10の外部に取り出すことが可能となるため、グリースの補給等のメンテナンスがさらに容易となり、さらなる作業性の向上を図ることが可能となる。
【0090】
送り機構110は、以上のように、各構成の摺動を生じる各部位にグリースを供給するグリース供給手段121を設けているため、送り機構収納部18内において各部のグリース潤滑を可能とし、焼き付け等を効果的に回避すると共に各部の円滑な動作を可能とする。さらに、潤滑油に替えてグリースを使用するため、潤滑油漏れを効果的に防止し、特に縫製時において真上に位置する布地に対する潤滑油による汚染を効果的に防止することが可能となる。
【0091】
(針受け揺動機構)
図21は送り機構収納部18とルーパ・針受け揺動機構収納部19の境界近傍の斜視図,図22は後述するグリース供給手段140の左側面図である。
針受け揺動機構130は、図21に示すように、送り機構収納部18内に配置され,針板の下方において縫い針を挟んで受ける主針受け部材131及び副針受け部材132に対して当該主針受け部材131及び副針受け部材132が接離するように各々に揺動動作の付与を行う機構であって、針受け揺動機構130自体は、ルーパ・針受け揺動機構収納部19内に配置されている。
【0092】
この針受け揺動機構130は、第三の隔壁10cに設けられた図示しないグリス封入型の軸受けによりY軸方向に沿って当該Y軸方向を中心に揺動自在の主針受け揺動軸133,副針受け揺動軸134と、下軸30に固定装備された主偏心カム135,副偏心カム136(図6参照)と、主針受け揺動軸133に軸支されると共に主偏心カム135のカム周面において直径方向両端部で摺接する主針受け二又部材137と、副針受け揺動軸134に軸支されると共に副偏心カム136のカム周面において直径方向両端部で摺接する副針受け二又部材138と、各針受け二又部材137,138の摺接部位にグリース供給を行うグリース供給手段140とを備えている。
【0093】
主針受け部材131,副針受け部材132は、主針受け揺動軸133,副針受け揺動軸134によりそれぞれ軸支されており、針落ち位置において互いに対向すると共にいずれもがY−Z平面に沿った針受け面を備えている。即ち、これらの針受け面により縫い針を挟むようにして針受けを行っている。
【0094】
主偏心カム135,副偏心カム136は、それぞれが外径の異なる円筒状に形成され、下軸30に対して偏心した状態で保持されている。
主針受け二又部材137は、略U字状に形成され、二又部分の間隔がほぼ主偏心カム135の外径と等しく設定されると共にこの主偏心カム135をその内側に擁するように配置され、主偏心カム135の回転により主針受け揺動軸133を中心に揺動を行う。従って、下軸30の回転駆動により主針受け二又部材137を介して主針受け部材131に主偏心カム135の外径及び偏心量に応じた揺動動作を付与することができる。
副針受け二又部材138は、略U字状に形成され、二又部分の間隔がほぼ副偏心カム136の外径と等しく設定されると共にこの副偏心カム136をその内側に擁するように配置され、副偏心カム136の回転により副針受け揺動軸134を中心に揺動を行う。従って、下軸30の回転駆動により副針受け二又部材138を介して副針受け部材132に副偏心カム136の外径及び偏心量に応じた揺動動作を付与することができる。
これらにより、針受け揺動機構130から揺動動作が付与されて、主針受け部材131及び副針受け部材132は針受け動作を行うことができる。
【0095】
グリース供給手段140は、図22に示すように、フレーム10の内側に支持されたフェルト押さえ板141と、このフェルト押さえ板122に支持された吸収体としての第一のフェルト材142と、各偏心カム135,136の外周面に摺接する第二のフェルト材143とを備えている。
【0096】
グリース供給手段140のフェルト押さえ板141は隣接配置された各針受け二又部材137,138の上方に覆い被さるように配置されている。
一方、第一のフェルト材142はグリースが含浸された状態で、フェルト押さえ板141の下面側に装着されている。この第一のフェルト材142は、枝状部142aを備え、この枝状部142aが、フェルト押さえ板141から垂下された状態で各針受け二又部材137,138の上部に設けられた貫通孔137a,138aから各偏心カム135,136と各針受け二又部材137,138との隙間に張り込み、相互間の摺動部にグリース供給を行うことでグリース潤滑を実現している。また、枝状部142aは垂下状態で設けられているので、第一のフェルト材142に含浸されたグリースが常時枝状部142aの先端部側に供給されるようになっている。
【0097】
また、第二のフェルト材143はグリースが含浸された状態で、フェルト押さえ板141の支持端部から垂下状態で支持され、各偏心カム135,136の外周面に摺接している。これにより、各偏心カム135,136の外周面にグリースが塗布され、グリース潤滑を実現している。また、第二のフェルト材143は垂下状態で設けられているので、第二のフェルト材143に含浸されたグリースが当該第二のフェルト材143の下端部側に供給されるようになっている。
なお、ルーパ・針受け揺動機構収納部19内の他の各構成について、上述と同様の枝状部を設け、積極的にグリース供給を行っても良いことはいうまでもない。
【0098】
針受け揺動機構130は、以上のように、各構成の摺動を生じる各部位にグリースを供給するグリース供給手段140を設けているため、ルーパ・針受け揺動機構収納部19内において各部のグリース潤滑を可能とし、焼き付け等を効果的に回避すると共に各部の円滑な動作を可能とする。さらに、潤滑油に替えてグリースを使用するため、潤滑油漏れを効果的に防止し、特に縫製時において真上に位置する布地に対する潤滑油による汚染を効果的に防止することが可能となる。
【0099】
(実施形態の効果)
上記ミシン1は、上述の構成からなることにより、アーム部連結機構収納部15及びベッド部連結機構収納部17を潤滑油による潤滑状態とすると共にこれら各収納部15,17をシールし、近接する面部機構収納部16,ルーパ・針受け揺動機構収納部19,送り機構収納部18及びタイミングベルト収納部14への潤滑油の侵入を効果的に抑制することが可能である。
また、面部機構収納部16,送り機構収納部18及びルーパ・針受け揺動機構収納部19は、グリース潤滑とすることで潤滑油漏れの発生を防止し、潤滑油による布地の汚れの発生を効果的に抑制することが可能となる。
また、タイミングベルト収納部14も密閉構造が実現されることから、タイミングベルトの潤滑油による汚れを防止すると共に潤滑油による劣化を防止することが可能となる。
また、上述のようにフレーム10内を各収納部14,15,16,17,18,19に分離することで、オイル潤滑とするアーム部連結機構収納部15とベッド部連結機構収納部17とがフレーム10内において上下に分離することとなるが、これら双方にポンプ36が潤滑油を供給する構造のため、これら各収納部15,17の安定したオイル潤滑を実現することが可能である。
【0100】
なお、特許請求の範囲の記載における「送り機構収納部」は、上記実施形態のミシン1では、送り機構収納部及びルーパ・針受け揺動機構収納部がこれに相当する。
また、上記実施形態では、図示省略のミシン下部に配置されたミシンモータの駆動力が下軸30に伝達され、下軸30の駆動力がタイミングベルト機構60により上軸50に伝達されている。これに代えて、上軸右端側にミシンモータを配置して上軸50を駆動し、上軸50の駆動力をタイミングベルト機構により伝達し、下軸30を駆動するミシンに本発明を適用することも容易に考えられる。
さらに、上記実施形態では、タイミングベルト収納部14とアーム部連結機構収納部15とに渡って上軸50が配置されている。そして、上軸50の回転により、アーム部連結機構収納部15の潤滑油がタイミングベルト収納部14に侵入しないように、バネ付きオイルシール33dやOリング33eが設けられている。これらはバネ付きオイルシールやOリング等を省略しても良い。そして、配置された空間内に、積極的に、最初から潤滑油がない状態を無潤滑の状態とする。
【0101】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、面部機構収納部及び送り機構収納部がグリス潤滑であるため、布地の上下に位置する各構成に潤滑油の供給が行われず、このため、潤滑油漏れによる布地の汚れの発生を効果的に防止することが可能となる。
また、潤滑油が供給される領域とは分離してタイミングベルト収納部を設け、その内部を無潤滑とするため、タイミングベルトに不要な潤滑油の付着を回避することが可能となる。また、潤滑油によるタイミングベルトの劣化を防止することが可能となる。
また、フレーム内を上述のように複数の領域に分割し、その一部にのみオイル潤滑を行うことにより、必要とするオイル潤滑量の低減を図ると共に、潤滑領域の縮小によりオイル漏れの発生の低減を図ることが可能となる。
さらに、タイミングベルト収納部を設けることにより、アーム部連結機構収納部とベッド部連結機構収納部の上下に潤滑油を供給する領域が分離することとなるが、ポンプによりこれら双方に安定して潤滑油を供給することが可能である。
【0102】
請求項2記載の発明は、ベッド部連結機構収納部とタイミングベルト収納部の隔壁から離間してベッド部連結機構収納部内に設けられた支持壁にポンプが取り付けられるため、ポンプをタイミングベルト収納部から離すことが可能となる。従って、ベッド部連結機構収納部とタイミングベルト収納部の隔壁にポンプを装備する場合のようにポンプの存在が妨げとなることがなく、ベッド部連結機構収納部からタイミングベルト収納部への潤滑油の侵入を防止するために密閉することが容易となり、タイミングベルト収納部の潤滑油の侵入をより効果的に図ることが可能となる。
【0103】
請求項3記載の発明は、上面カバー又はオイルパンに収納部の周囲を覆う凸部を備えるため、上面カバー又はオイルパンをフレームに装着した場合、間に挟まれるシール部材に対して凸部が高い面圧で圧接する。これにより、ベッド部連結機構収納部のシール性を向上し、潤滑油漏れをより効果的に抑制することが可能となる。
【0104】
請求項4記載の発明は、下軸に逆螺旋溝を設けることにより、オイルシールの位置よりもベッド部連結機構収納部側の領域について、潤滑油をベッド部連結機構収納部側に戻す方向に流れを生じさせることができるので、送り機構収納部側への潤滑油の侵入を効果的に抑制することが可能となる。
【0105】
請求項5記載の発明は、軸受けユニットが、軸受け,ストッパ,オイルシールをハウジングにより一体的に保持することから、下軸又は上軸の円滑な回転動作を保証し、下軸又は上軸のスラスト方向のガタつきを抑制すると共に潤滑油漏れを抑制する効果を具備しつつも、隔壁が肉薄であっても、これらの構成を有効に隔壁に設けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施形態たるミシンの左側面図を示す。
【図2】図1におけるU−U線に沿った断面をミシンの正面方向から見た図を示す。
【図3】図1におけるV−V線に沿った断面をミシンの正面方向から見た図を示す。
【図4】図1におけるW−W線に沿った断面をミシンの正面方向から見た図を示す。
【図5】下軸の支持構造の一部を示す断面図である。
【図6】下軸の支持構造の残る部分を示す断面図である。
【図7】上軸の支持構造を示す断面図である。
【図8】オイルパン及びそのシール材の斜視図である。
【図9】図8のQ−Q線に沿った断面図である。
【図10】図10(A)は比較例におけるポンプ配置示すフレームの底面図であり、図10(B)は比較例におけるフレームの底面側を示す斜視図である。
【図11】図11(A)は実施形態におけるポンプ配置示すフレームの底面図であり、図11(B)は実施形態におけるフレームの底面側を示す斜視図である。
【図12】アーム部連結機構収納部内に潤滑油を供給する構成を示すミシンの正面に沿った断面図である。
【図13】スプレッダ連結機構の拡大断面図である。
【図14】布押さえ機構の押さえ上げ軸及び後述する送り駆動機構の差動切替軸の支持状態を示すミシンの正面方向に沿った断面図である。
【図15】ルーパ機構のメタル軸受けの拡大断面図である。
【図16】主送り軸の支持構造の一部を拡大して示す断面図である。
【図17】送り機構収納部及びルーパ・針受け揺動機構収納部の斜視図である。
【図18】送り機構収納部及びルーパ・針受け揺動機構収納部の正面図である。
【図19】送り機構収納部及びルーパ・針受け揺動機構収納部の平面図である。
【図20】送り機構収納部及びルーパ・針受け揺動機構収納部の左側面図である。
【図21】送り機構収納部とルーパ・針受け揺動機構収納部の境界近傍の斜視図である。
【図22】グリース供給手段の左側面図である。
【符号の説明】
1 ミシン
10 フレーム(機枠)
10a,10b,10c,10d,10e 第一〜五の隔壁
11 ベッド部
12 胴部
13 アーム部
14 タイミングベルト収納部
15 アーム部連結機構収納部
16 面部機構収納部
17 ベッド部連結機構収納部
18 送り機構収納部
19 ルーパ・針受け揺動機構収納部
22 アーム部側面カバー
30 下軸
40 スプレッダ連結機構
41 スプレッダ駆動軸
44 スプレッダ腕
45 縦軸
45d 上保持孔
45e 下保持孔
45f,45g フェルト材
45j,45k 供給穴
48 腕ピン部材
50 上軸
60 タイミングベルト機構
63 タイミングベルト
64 ルーパ機構
64a ルーパ
65 ルーパ駆動軸
70 針駆動機構
80 送り駆動機構
81,82 布送り軸
110 送り機構
111 主送り歯
112 副送り歯
117 主送りリンク体
117a,117b グリース供給孔
118 副送りリンク体
118a,118b グリース供給孔
121 グリース供給手段
122 フェルト押さえ板(保持板)
123 フェルト材
123a,123b 枝状部
130 針受け揺動機構
131 主針受け部材
132 副針受け部材
137 主針受け二又部材
138 副針受け二又部材
140 グリース供給手段
141 フェルト押さえ板(保持板)
142 第一のフェルト材(吸収体)
143 第二のフェルト材(吸収体)

Claims (5)

  1. ミシンモータの駆動力を下軸,上軸,スプレッダ駆動軸,ルーパ駆動軸,布送り軸に伝達して、少なくとも二重環縫い又は飾り縫いを行うミシンにおいて、
    アーム部からベッド部に至る胴部に配置され、前記下軸と前記上軸の間に掛け渡されたタイミングベルトが収納されるタイミングベルト収納部と、
    前記上軸の駆動力を少なくとも前記スプレッダ駆動軸に伝達する連結機構が収納されるアーム部連結機構収納部と、
    前記上軸の先端側に配置され、前記上軸から出力される駆動力を変換して少なくとも針棒に伝達する面部機構が収納される面部機構収納部と、
    前記ベッド部に配置され、前記下軸の駆動力を少なくともルーパ駆動軸,布送り軸に伝達する連結機構が収納されるベッド部連結機構収納部と、
    前記布送り軸の先端側に配置され、前記布送り軸から出力される駆動力を所定の運動に変換して送り歯に伝達する送り機構が収納される送り機構収納部と、
    前記ベッド部下方を覆うと共に、潤滑油が貯蔵されたオイルパンと、
    前記オイルパン内の潤滑油を供給先に送り出すポンプと、
    前記アーム部連結機構収納部と前記ベッド部連結機構収納部を個別に密閉して、それら連結機構の摺動部位を前記ポンプによる油潤滑とし、
    前記面部機構収納部と前記ルーパ収納部と前記送り機構収納部の内部に配設される機構の摺動部位をグリスによるグリス潤滑とし、
    前記タイミングベルト収納部を無潤滑としたことを特徴とするミシン。
  2. 前記ポンプは、前記ベッド部連結機構収納部と前記タイミングベルト収納部との隔壁から離れて前記ベッド部連結機構収納部内に設けられた支持壁に固定されたことを特徴とする請求項1記載のミシン。
  3. 前記アーム部連結機構収納部の上方を閉塞する上面カバーと、前記ベッド連結機構収納部の下方を覆う前記オイルパンの少なくとも一方には、前記各収納部の周囲を覆う凸部が形成され、前記凸部とこれに対応する収納部との間にシール部材を挟持することを特徴とする請求項1又は2記載のミシン。
  4. 前記ベッド部連結機構収納部と前記送り機構収納部を隔てる隔壁と、
    前記隔壁に固定され、前記下軸を回動可能に支持する軸受けと、前記軸受けの前記送り機構収納部側に装着されたオイルシールと、
    前記オイルシールより前記ベッド部連結機構収納部側の前記下軸には、逆螺旋溝を形成したことを特徴とする請求項1,2又は3記載のミシン。
  5. 前記下軸又は上軸の少なくとも一方は、前記アーム部連結機構収納部又はベッド部連結機構収納部と他の前記収納部とを隔てる隔壁において、
    当該隔壁に装備される筒状のハウジングと、このハウジング内に保持される軸受けと、前記ハウジング内での前記軸受けのスラスト方向の少なくとも一方の移動を規制するストッパと、ハウジング内に保持されるオイルシールとからなる軸受けユニットにより支持されることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載のミシン。
JP2003195894A 2003-07-11 2003-07-11 ミシン Pending JP2005027847A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003195894A JP2005027847A (ja) 2003-07-11 2003-07-11 ミシン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003195894A JP2005027847A (ja) 2003-07-11 2003-07-11 ミシン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005027847A true JP2005027847A (ja) 2005-02-03

Family

ID=34206592

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003195894A Pending JP2005027847A (ja) 2003-07-11 2003-07-11 ミシン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005027847A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007021077A (ja) * 2005-07-21 2007-02-01 Brother Ind Ltd 工業用ミシン
JP2007029434A (ja) * 2005-07-27 2007-02-08 Brother Ind Ltd ミシン
JP2007117321A (ja) * 2005-10-26 2007-05-17 Matsushita Electric Works Ltd マッサージ機
JP2009247803A (ja) * 2008-04-10 2009-10-29 Yamato Sewing Mach Co Ltd 送り出し腕形偏平縫いミシン
CN102206907A (zh) * 2010-03-29 2011-10-05 飞马缝纫机制造株式会社 缝纫机的装饰针床横移机构
CN103820955A (zh) * 2014-02-27 2014-05-28 新杰克缝纫机股份有限公司 带有接油盘的缝纫机
KR101495273B1 (ko) 2014-07-29 2015-02-24 김광연 재봉틀의 하축 지지장치
EP3272924A1 (de) * 2016-07-20 2018-01-24 Dürkopp Adler AG Schmiermittel-zuführeinrichtung für eine nähmaschine, verfahren zur schmierung einer schmierstelle einer nähmaschine und nähmaschine

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007021077A (ja) * 2005-07-21 2007-02-01 Brother Ind Ltd 工業用ミシン
JP4552141B2 (ja) * 2005-07-21 2010-09-29 ブラザー工業株式会社 工業用ミシン
JP2007029434A (ja) * 2005-07-27 2007-02-08 Brother Ind Ltd ミシン
JP4730060B2 (ja) * 2005-10-26 2011-07-20 パナソニック電工株式会社 マッサージ機
JP2007117321A (ja) * 2005-10-26 2007-05-17 Matsushita Electric Works Ltd マッサージ機
JP2009247803A (ja) * 2008-04-10 2009-10-29 Yamato Sewing Mach Co Ltd 送り出し腕形偏平縫いミシン
JP4596349B2 (ja) * 2008-04-10 2010-12-08 ヤマトミシン製造株式会社 送り出し腕形偏平縫いミシン
CN102206907A (zh) * 2010-03-29 2011-10-05 飞马缝纫机制造株式会社 缝纫机的装饰针床横移机构
CN103820955A (zh) * 2014-02-27 2014-05-28 新杰克缝纫机股份有限公司 带有接油盘的缝纫机
KR101495273B1 (ko) 2014-07-29 2015-02-24 김광연 재봉틀의 하축 지지장치
WO2016017933A1 (ko) * 2014-07-29 2016-02-04 김광연 재봉틀의 하축 지지장치
EP3272924A1 (de) * 2016-07-20 2018-01-24 Dürkopp Adler AG Schmiermittel-zuführeinrichtung für eine nähmaschine, verfahren zur schmierung einer schmierstelle einer nähmaschine und nähmaschine
CN107641913A (zh) * 2016-07-20 2018-01-30 杜尔克普—阿德勒股份公司 用于缝纫机的润滑剂供给装置
CN107641913B (zh) * 2016-07-20 2021-11-19 杜尔克普—阿德勒有限责任公司 用于缝纫机的润滑剂供给装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5455080B2 (ja) 4サイクルエンジンの潤滑装置
JP2005027847A (ja) ミシン
KR102149066B1 (ko) 편심 요동형 기어 장치
JP4959953B2 (ja) ミシンの給油機構
JP2005027846A (ja) ミシン
JP2005027845A (ja) ミシン
JP4074176B2 (ja) ミシン
JP2013208335A (ja) ミシン
KR20040010182A (ko) 재봉기의 동력 전달 기구
KR100900367B1 (ko) 오버록 재봉틀
JP2011005164A (ja) ミシン及び治具
JP2018149248A (ja) ミシン
US6904854B1 (en) Transverse longitudinal-cylinder sewing machine
JP2010063740A (ja) ミシン
JP5941379B2 (ja) 偏心揺動型歯車装置
US6968793B2 (en) Transverse longitudinal-cylinder sewing machine
JP2006150025A (ja) 上ルーパ機構の漏油防止装置
JP4470204B2 (ja) ミシン
JP2003038885A (ja) ロックミシン
JP2003126581A (ja) ミシン
JP2005087461A (ja) 針棒駆動機構
CN108457017B (zh) 缝纫机的供油机构
JP4120921B2 (ja) ミシンのグリース供給機構
JP2003038884A (ja) ロックミシン
CN1492095A (zh) 缝纫机

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060614

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081216

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090512