JP2005027719A - 連結具、これを備えたバンドおよび時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】小さな力で容易に抜き差しできる連結具、これを備えたバンドおよび時計を提供すること。
【解決手段】筒状部材31内部に弾性部材33を収納し、係合部332を弾性部材33の弾性力により筒状部材31に対して出没可能に設ける。連結ピン3を駒2の貫通孔23に挿通すると、係合部332が筒状部材31の径方向内側に押し込まれ、大径部231に対応する位置まで移動する時に、ばね部331の弾性力により筒状部材31の径方向外側に突出して大径部231に係合する。係合部332が筒状部材31に対して出没可能に設けられているので、連結ピン3が貫通孔23に過剰な力で係合されることがなく、小さな力で容易に抜き差しできる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、隣接する部材を互いに連結する連結具、これを備えたバンドおよび時計に関し、例えば時計のバンドの駒部材を連結する連結具、これを備えたバンドおよび時計に関する。
【0002】
【背景技術】
時計の金属バンドの駒や、ブレスレッドを連結する場合、連結部分に貫通孔を形成し、両方の貫通孔に共通の連結ピンを挿通することで両者を連結するものが知られている(例えば特許文献1)。この連結方法に用いられる連結ピンは、断面甲丸状の線状部材を二つに折り曲げ、その先端側に、外側に突出する突出部を形成したものである。この連結ピンを連結部分の貫通孔に挿通すると、突出部が貫通孔内周に圧入されて貫通孔内周で固定される。これにより、連結部分が互いに連結される。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−38218号公報 (第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような連結ピンでは、突出部が貫通孔内周に圧入されるため、連結ピンを貫通孔に挿入する際や、取り付けた連結ピンを貫通孔から取り外す際には、相当の力を必要とする。したがって、例えば時計のバンドの長さ調整を行う場合では、バンドの駒を外すためにペンチやハンマなどの工具を用いて連結ピンの取付、取外を行わなくてはならず、手間である。また、連結ピンの取外、取付には、工具を用いて相当程度の力を必要とするので、一般ユーザが家庭でバンドの長さ調整を行うことが難しく、時計を購入した店頭に持ち込まなくてはならない。ところが、時計を通信販売で購入した場合や、贈答品として送られた場合などでは、購入店舗に行くことができない場合があり、バンドの長さ調整が非常に困難となる。
【0005】
本発明の目的は、小さい力で容易に取外および取付できる連結具、これを備えたバンドおよび時計を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の連結具は、隣接する駒部材にそれぞれ形成された貫通孔に挿通されることで駒部材を互いに連結する連結具であって、貫通孔に挿通されるとともに、軸方向に平行なスリットを側面に有する筒状部材と、この筒状部材の内部に収納され、貫通孔内周に係合される係合部を含む弾性部材とを備え、係合部は、弾性部材の弾性力によりスリットから筒状部材の外部に出没可能に設けられていることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、連結具を貫通孔に挿通すると、係合部が貫通孔内周に係合されて固定され、これにより隣接する駒部材が連結される。この時、係合部は、筒状部材のスリットを貫通して筒状部材に対して出没可能に設けられているので、係合部が貫通孔内周の寸法に合わせて筒状部材内側方向に退避する。したがって、係合部が貫通孔に対して過剰な力で係合することがなく、連結具の取外、取付の際に必要な力が低減される。よって、連結具の取外、取付に工具などが不要となり、作業が容易となる。
また、係合部は弾性部材の弾性力によって出没可能に設けられているので、弾性部材の弾性力を調整することにより、連結具の取外、取付に要する力を容易に調整可能となる。
ここで、係合部が貫通孔内周に係合するとは、係合部が貫通孔内周に適切な付勢力(弾性力)で押し付けられる場合や、係合部が貫通孔内周に形成された凹部などに係合される場合などを含み、連結具が貫通孔の軸方向に対して位置決めされて貫通孔からの抜け落ちが防止されている状態をいう。
【0008】
本発明では、筒状部材内部に収納されるとともに、筒状部材の軸方向に対して弾性部材の両側に設けられる固定部材と、この固定部材の筒状部材に対する軸方向の位置を規制する位置規制手段とを備えたことが望ましい。
この発明によれば、固定部材に位置規制手段が設けられているので、固定部材の軸方向の位置が筒状部材に対して規制される。したがって、連結具を貫通孔に挿通するために固定部材を押した場合にも、固定部材が筒状部材内部で摺動せずに筒状部材とともに移動し、間に介装された弾性部材を押圧することがないので、弾性部材の弾性力を変化させることなく、連結具が適切な抜き差し力で良好に貫通孔に挿通される。また、連結具を貫通孔から引き出すために固定部材を引き出した場合にも、固定部材が位置規制手段によって筒状部材に対して位置決めされているので、固定部材が筒状部材から抜け落ちることなく連結具全体を貫通孔から抜き出すことが可能となり、作業性が良好となる。
なお、本発明では、位置規制手段は、固定部材が筒状部材の軸方向に対して所定距離以上移動しないように構成されていればよい。したがって、例えば固定部材および筒状部材間のがた程度の距離を移動可能に構成されているものは、許容範囲内であり、本発明の位置規制手段に含まれる。
【0009】
本発明では、位置規制手段は、固定部材の端部に形成された凹部を備えて構成され、この凹部には筒状部材端部が係合されることが望ましい。
この発明によれば、筒状部材端部が固定部材の凹部に係合されることで固定部材の位置が規制されるので、位置規制手段の構成が簡単となり、位置規制手段の固定部材への形成が簡単になる。また、位置規制手段には筒状部材の端部が係合するので、固定部材が筒状部材内部の端部側に位置決めされ、固定部材間の弾性部材のスペースが確実に確保される。
【0010】
本発明では、位置規制手段は、固定部材間に介在されるスペーサ部材を備えて構成され、このスペーサ部材には、弾性部材が一体的に設けられていることが望ましい。
この発明によれば、固定部材間にスペーサ部材が介在されているので、連結具を貫通孔に挿通するために固定部材を押す場合にも、固定部材がスペーサ部材に当接され、それ以上筒状部材内部に入り込むことがなく、これにより固定部材が筒状部材内で軸方向に位置決めされる。したがって、固定部材を押すことで連結具を貫通孔に挿通することが可能となり、作業性が良好となる。
また、固定部材がスペーサ部材により位置決めされるので、固定部材が間に配置された弾性部材を押圧することがなく、したがって弾性部材の弾性力が安定し、連結具の抜き差し力が安定する。
さらに、スペーサ部材に弾性部材が一体的に設けられているので、弾性部材がスペーサ部材に予め位置決めされる。したがって、スペーサ部材を筒状部材内に配置すれば、同時に弾性部材が筒状部材内で所定位置に位置決めされるので、連結具の組立工程が簡単になる。
【0011】
本発明では、弾性部材は、係合部が筒状部材の径方向内側に押圧された状態では弾性変形し、係合部が筒状部材の径方向外側に突出した状態では弾性変形しないように構成されていることが望ましい。
この発明によれば、係合部が筒状部材の径方向内側に押圧された時に弾性部材が弾性変形するので、係合部が弾性部材によって付勢されながら筒状部材の径方向内側に移動する。したがって、弾性部材の弾性力を調整することによって、係合部が筒状部材に対して出没する際に要する力を調整可能となる。つまり、弾性部材の弾性力を調整することにより、連結具の貫通孔への抜き差し力が調整可能となる。
また、係合部が筒状部材の径方向外側に突出した状態では、弾性部材が弾性変形しないように構成されているので、例えば貫通孔内周に凹部を設け、係合部をこの凹部に係合させた場合では、係合部がスリットから突出することとなり、弾性部材が弾性変形しない。したがって、係合部に付勢力が働かないので、係合部が凹部に押圧されることなく係合し、摩擦などによる劣化が確実に防止され、連結具の耐久性が向上する。また、この場合、連結具が貫通孔に挿通された状態で、弾性部材に弾性力が発生しないので、弾性部材の弾性性能の劣化が防止され、これによっても連結具の耐久性が向上する。
【0012】
本発明では、係合部には、筒状部材からの突出部分の先端から筒状部材の軸方向に向かって傾斜する傾斜部が形成され、この傾斜部は、軸方向に対して所定角度を有することが望ましい。
この発明によれば、係合部には筒状部材の軸方向両側に向かって傾斜部が形成されているので、傾斜部によって係合部が良好に貫通孔内周に案内される。また、傾斜部は筒状部材の軸方向に対して所定角度を有するので、所定角度を予め適切に設定することにより、傾斜部が貫通孔内周に対して案内される際の連結具の抜き差し力を調整可能となる。つまり、弾性部材の弾性力を調整する場合と同様に、連結具の取付、取外に必要な力を設定することが可能となり、連結具の使用条件や用途などに応じて柔軟な取付力、取外力の設定が可能となる。
【0013】
本発明では、弾性部材は、筒状部材の軸方向に沿って配置されたコイルばねであることが望ましい。
この発明によれば、弾性部材がコイルばねで構成されているので、コイルばねの線径や巻数を調整することで弾性部材の弾性力が簡単に調整可能となる。また、コイルばねが筒状部材の軸方向に沿って配置されているので、筒状部材内のスペースを有効に活用することができ、弾性力の調整可能範囲が広くなる。
【0014】
本発明では、コイルばねは、筒状部材の軸方向に対して係合部の両側に形成されていることが望ましい。
この発明によれば、コイルばねが係合部の両側に形成されているので、連結具を貫通孔両端のいずれから挿通してもコイルばねによる弾性力が係合部に伝達される。したがって、いずれの方向からでも連結具を貫通孔に挿通することが可能となり、連結具の取付、取外作業の作業性が良好となる。
【0015】
本発明では、コイルばねは、筒状部材の軸方向に対して係合部の片側に形成されていることが望ましい。
この発明によれば、コイルばねが係合部の片側に形成されているので、弾性部材の構造が簡単となる。これにより、例えばコイルばねの端部を加工することにより係合部を形成することが可能となり、連結具の製造が簡単となる。
【0016】
本発明では、弾性部材は、板状部材または線状部材で構成された板ばねまたは線ばねであることが望ましい。
この発明によれば、弾性部材が板ばねまたは線ばねで構成されているので、弾性部材の製造が簡単となり、連結具の製造コストが低減される。
【0017】
本発明では、弾性部材は、一端に係合部を有する略U字形に形成され、筒状部材のスリットを含む径方向の面内で、かつ当該径方向に弾性力を発生する位置に配置されていることが望ましい。
この発明によれば、弾性部材が略U字形に形成されているので、弾性部材の形成が簡単となる。また、弾性部材が略U字形に形成されているので、筒状部材の軸方向における弾性部材の寸法が比較的小さくなり、筒状部材内部での専有スペースが比較的小さくなる。これにより、例えば連結具が幅の狭い駒部材に使用される場合にも良好に対応可能となる。
さらに、弾性部材が筒状部材の径方向に弾性力を発生する位置に配置されているので、弾性力の方向が係合部の筒状部材に対する出没方向に略一致する。したがって、弾性部材の弾性力が効率よく係合部に伝達される。
【0018】
本発明では、弾性部材は、係合部の両側が湾曲されて略V字形に形成され、筒状部材のスリットを含む径方向の面内で、かつ当該径方向に弾性力を発生する位置に配置されていることが望ましい。
この発明によれば、弾性部材が略V字形に形成されているので、弾性部材の形成が簡単となる。また、弾性部材が略V字形に形成されているので、筒状部材の軸方向における弾性部材の寸法が比較的小さくなり、筒状部材内部での専有スペースが比較的小さくなる。これにより、例えば連結具が幅の狭い駒部材に使用される場合にも良好に対応可能となる。
さらに、弾性部材が筒状部材の径方向に弾性力を発生するように配置されているので、弾性力の方向が係合部の出没方向に略一致し、弾性力が効率よく係合部に伝達される。
【0019】
本発明では、筒状部材内部に収納されるとともに、弾性部材の両側に設けられる固定部材を備え、この固定部材の係合部に隣接する端部には、係合部の出没方向を規制する凹部が形成されていることが望ましい。
この発明によれば、固定部材には、係合部の出没方向を規制する凹部が形成されているので、係合部が筒状部材内側に押圧された場合でも、係合部が筒状部材内部で回転してしまうことがなく、係合部が確実にスリットに対応する位置に戻り、スリットを貫通して筒状部材外側に突出する。これにより係合部の出没動作が安定し、連結具の故障が防止される。
【0020】
本発明のバンドは、複数の駒部材と、前述の連結具とを備え、駒部材に形成された貫通孔に連結具が挿通されるとともに、貫通孔に形成された凹部に係合部が係合されることを特徴とする。
この発明によれば、前述のような連結具を備えているので、前述の効果と同様の効果を得られ、小さい力でバンドの連結部分の連結、取外が容易に可能となる。これにより、バンドの長さ調整が簡単になり、一般ユーザが特殊な工具などを用いることなくバンドの長さを調整することが可能となる。また、この時、貫通孔には凹部が形成されているので、係合部の貫通孔に対する係合がより一層確実となる。
【0021】
本発明の時計は、前述のバンドが時計ケースに取り付けられていることを特徴とする。
この発明によれば、時計が前述のようなバンドを備えているので、前述の効果と同様の効果を得られ、小さい力でバンドの連結部分の連結、取外が容易に可能となる。これにより、時計のバンドの長さ調整が簡単になり、一般ユーザが特殊な工具などを用いることなく時計のバンドの長さを調整することが可能となる。また、この時、貫通孔には凹部が形成されているので、係合部の貫通孔に対する係合がより一層確実となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、後述する第二実施形態以降で、以下に説明する第一実施形態での構成部品と同じ部品および同様な機能を有する部品には同一符号を付し、説明を簡単にあるいは省略する。
【0023】
〔第一実施形態〕
図1には、第一実施形態にかかる時計100が示されている。また、図2には、時計100のバンド1の斜視図が示されている。これらの図1および図2において、バンド1は、複数の駒(駒部材)2が互いに連結されて構成されている。駒2は、略矩形板状に形成され、長辺の略中央には凸部21が形成されている。また凸部21とは反対側の長辺略中央には、凹部22が形成されている。凸部21の先端側および凹部22両側の突出部分には、長辺方向に貫通する貫通孔23がそれぞれ形成されている。凸部21の貫通孔23と凹部22の貫通孔23とは、隣接する凹部22に凸部21が係合した時に一直線上に配置されるようになっている。凸部21に形成された貫通孔23端部には、他の部分よりも径寸法の大きい大径部(凹部)231が所定長さにわたって形成されている。
これらの駒2は、凸部21が隣接する駒2の凹部22に係合した状態で、両者の貫通孔23に共通の連結ピン(連結具)3が挿通されることにより、互いに連結されている。
【0024】
図3には、連結ピン3の断面図が示されている。この図3において、連結ピン3は、円筒状の筒状部材31と、筒状部材31の内部に収納される弾性部材33と、弾性部材33の両側に設けられ、弾性部材33の筒状部材31内における位置決めを行う固定部材32とを備えている。
筒状部材31は、その外径が駒2の貫通孔23の孔径よりも小さい径寸法で形成されており、両端は開口端311となっている。また、筒状部材31の側面には、連結ピン3を貫通孔23に挿通した時に大径部231に対応する位置に、所定長さのスリット312が軸方向に沿って形成されている。
【0025】
弾性部材33は、両端がコイルばね状に形成されたばね部331となっており、略中央には、貫通孔23内周の大径部231に係合する係合部332が形成されている。係合部332は、径方向外側に向かって突出する略V字形に形成されており、両側のばね部331端部から連続して一体的に形成されている。係合部332の突出部分先端の一部は、筒状部材31のスリット312を貫通して筒状部材31の外部に突出している。
ここで、係合部332は略V字形に形成されているので、突出部分先端の両側には、筒状部材31の軸方向に沿って傾斜部333が形成される。この傾斜部333は、貫通孔23の軸方向、つまり筒状部材31の軸方向に対して所定角度θを有している。
【0026】
固定部材32は、円柱状に二つ設けられ、それぞれ一端に外周に沿って凹部322が形成され、そのさらに端部側にはフランジ部321が形成されている。これらのフランジ部321は、筒状部材31の外部に配置されており、筒状部材31の開口端311がかしめによって縮径されて、固定部材32の凹部322に係合され、これにより固定部材32が筒状部材31内部の所定位置に保持されている。つまり、凹部322は、筒状部材31が係合されることによって、固定部材32の筒状部材31に対する軸方向の位置を規制する位置規制手段となっている。
ここで、ばね部331の両端部と固定部材32の筒状部材31内部側の端部との間にはそれぞれ寸法L1、L2の隙間が形成されている。また、フランジ部321と開口端311との間には寸法M1,M2の隙間が形成されている。この時、これらの寸法L1,L2,M1,M2は、L1+L2≧M1+M2となるように予め設定されている。つまり、フランジ部321が軸方向に押されると、固定部材32が筒状部材31内で軸方向に寸法M1または寸法M2の分だけ移動するが、この時固定部材32が弾性部材33を押圧して圧縮させることがないように、それぞれの寸法L1,L2,M1,M2が設定されている。
【0027】
また、弾性部材33の材料や線径、ばね部331の巻径や巻数などは、弾性部材33に必要な弾性力、つまり係合部332を筒状部材31の径方向内側に押し込む際に必要な押し込み力などを勘案して適宜設定される。
さらに、貫通孔23の孔軸方向に対して傾斜部333がなす所定角度θは、連結ピン3を貫通孔23から抜き差しする時に係合部332の大径部231への係合が適切な力で外れるように、適宜設定されている。
【0028】
図4には、連結ピン3を駒2の貫通孔23に挿通する場合の断面図が示されており、図4(A)は、連結ピン3を貫通孔23に挿通する途中の図であり、図4(B)は、貫通孔23への挿通が終了した状態の図である。
駒2の凸部21を隣接する駒2の凹部22に係合すると、それぞれの貫通孔23が一直線上に並ぶ。この状態で、貫通孔23に連結ピン3を挿通する。まず、弾性部材33の係合部332が駒2の端面に当接される。係合部332を含む連結ピン3の断面方向の寸法は、貫通孔23の内径よりも大きく設定されているため、フランジ部321を押しながらさらに連結ピン3を貫通孔23に押し込むと、係合部332は、貫通孔23の内周によって筒状部材31の内周側に押圧される。係合部332は、筒状部材31に対して出没可能に設けられているため、筒状部材31の径方向内側に押し込まれ、図4(A)に示されるように、貫通孔23内周に係合する。この時、係合部332端部は、貫通孔23内周からの押圧力により両側のばね部331を軸方向に押圧する。したがって、ばね部331の端部は固定部材32の端部に当接されて軸方向に圧縮され、当該軸方向に弾性力を発生させる。これにより、係合部332は、貫通孔23内周に所定の付勢力で押しつけられることとなる。
【0029】
連結ピン3をさらに押し込み、係合部332が貫通孔23の大径部231に対応する位置に到達すると、係合部332がばね部331のばね力によって筒状部材31の径方向外側に突出し、図4(B)に示されるように、大径部231に係合する。これにより、連結ピン3は貫通孔23内周で軸方向に位置決めされる。なお、この状態では、係合部332の突出部分を含む筒状部材31の断面方向の寸法は、大径部231の内径よりも小さく形成されているので、係合部332が貫通孔23の内周に押圧されることなく大径部231に係合する。つまり、係合部332にはばね部331によるばね力が働かず、係合部332は大径部231に押圧されていない状態となっている。
【0030】
図5には、連結ピン3を貫通孔23から外す場合の係合部332および大径部231の力の作用関係が示されている。ピンなどの適宜な治具を用いてフランジ部321を押すと、図5に示されるように、係合部332の傾斜部333が大径部231と貫通孔23との段差部分に当接される。さらに連結ピン3を押す、あるいは反対側から手などで連結ピン3をつまんで引っ張ると、傾斜部333は貫通孔23の軸方向に対して所定角度θを有して形成されているので、傾斜部333に作用する力Fにより、傾斜部333には、筒状部材31の径方向内側に沿った方向に力F1が作用する。この力F1が、ばね部331による係合部332への付勢力より大きくなった時、係合部332は筒状部材31の径方向内側に押圧されて引っ込み、段差部分を乗り越えて大径部231から外れ、貫通孔23内周に係合する。その後、連結ピン3をさらに移動させれば、貫通孔23から連結ピン3が外れ、駒2の連結が外れる。
このように連結ピン3を貫通孔23に挿通して隣接する駒2を連結する、あるいは連結ピン3を取り外して隣接する駒2の連結を外すことによって、駒2の連結数を調整し、バンド1の長さを調節する。
【0031】
このような第一実施形態によれば、以下のような効果が得られる。
(1) 係合部332が弾性部材33の弾性力によって筒状部材31に対して出没可能に設けられているので、連結ピン3が貫通孔23に挿通される場合には、係合部332が筒状部材31の径方向内側に退避し、適切な付勢力で当接される。したがって、係合部332が貫通孔23に過剰な力で係合することがなく、連結ピン3を貫通孔23に対して小さな力で容易に抜き差しすることができる。これにより、例えば一般ユーザが容易にバンドの長さ調整を行うことができる。
【0032】
(2) 係合部332が大径部231に係合されるので、時計のバンド1の使用中に駒2が連結ピン3周りに回動しても、係合部332が大径部231から外れにくく、連結ピン3の抜け落ちを防止できる。また、この時、係合部332を含む筒状部材31の断面方向の寸法が大径部231の断面方向の寸法より小さいので、係合部332が大径部231内周に押し付けられることがない。したがって、係合部332が摩耗したり腐食したりするのを防止でき、連結ピン3およびバンド1の耐久性を向上させることができる。
また、係合部332が大径部231に係合された時、ばね部331が弾性変形しないので、長期間の使用にわたってばね部331のばね力の劣化や連結ピン3の性能劣化を防止でき、これによっても連結ピン3の耐久性を向上させることができる。
【0033】
(3) ばね部331と係合部332とが連続して一体的に形成されているので、弾性部材33の構造を簡単にでき、製造コストを低減できる。また、弾性部材33の線径や巻数などを調整することにより、係合部332の貫通孔23内周への付勢力を調整できる。そしてこの時、ばね部331がコイルばねで構成され、筒状部材31の軸方向に沿って配置されているので、軸方向に沿って簡単に巻数を増加させることができる。これにより、筒状部材31内のスペースを有効に利用することができ、弾性部材33による係合部332の付勢力の調整可能範囲を広げることができる。
【0034】
(4) 係合部332の両側にばね部331が設けられているので、連結ピン3を貫通孔23のどちらの方向から挿通しても、係合部332が筒状部材31内側に退避して大径部231に係合できる。したがって、連結ピン3の方向性を確認する必要がなく、連結ピン3の連結作業の作業性を良好にできる。
【0035】
(5) 係合部332の筒状部材31軸方向に所定角度θの傾斜部333が形成されているので、係合部332を貫通孔23にスムーズに案内でき、係合部332を手などで引っ込めるなどの作業が不要となる。したがって連結ピン3の取付、取外作業の作業性を向上させることができる。
また、係合部332を大径部231から外す際にも、傾斜部333に作用する抜き差し力が弾性部材33による付勢力に打ち勝った時に係合部332が筒状部材31内側に押し込まれる。したがって、傾斜部333の所定角度θを適切に設定することにより、連結ピン3の抜き差し力を最適に調整することができる。
【0036】
(6) 固定部材32の端部に凹部322が形成され、筒状部材31の端部がかしめられて凹部322に係合しているので、固定部材32を筒状部材31の軸方向に対して位置決めできる。したがって、連結ピン3を貫通孔23に挿通する際にフランジ部321を押しても、固定部材32が弾性部材33を押圧するのを防止して、弾性部材33の付勢力が変化するのを防止できる。
【0037】
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
図6には、第二実施形態にかかるバンド1の連結部分の断面図が示されている。この図6に示されるように、連結ピン3の弾性部材33は、コイルばねで構成されるばね部331の片側の端部に係合部332が形成された構造となっている。係合部332は、ばね部331の端部から連続して一体的に略円形状に形成されている。この略円形状部分の円形中心位置は、筒状部材31の中心位置よりも外周側に配置されており、これにより円弧部分の一部はスリット312から突出して配置されている。また、ばね部331の係合部332から遠い側の端部と一方の固定部材32の端部との隙間の寸法L1と、係合部332と他方の固定部材32の端部との隙間の寸法L2は、フランジ部321と開口端311との間の寸法M1,M2に対して、L1+L2≧M1+M2となるように設定されている。また、係合部332が、大径部231と貫通孔23との段差部分に当接された時の接点における接線は、貫通孔23の孔軸方向(図6では貫通孔23の内周面軸方向)に対して所定角度θを有して配置されている。
【0038】
このような連結ピン3においても、第一実施形態と同様に連結ピン3を貫通孔23に挿通すると、係合部332が大径部231に係合して固定され、隣接する駒2が連結される。この時、連結ピン3は、ばね部331の付勢力が適切に作用するように、係合部332に近い側の端部(図6中右側の端部)側から貫通孔23に挿通する。
係合部332が大径部231に係合された状態では、係合部332は貫通孔23内周(大径部231内周)からの押圧力が解除された状態となる。また、駒2の連結を外す際には、フランジ部321を押して係合部332の大径部231に対する係合を外せば、連結ピン3を貫通孔23から抜き出すことができる。
【0039】
このような第二実施形態によれば、第一実施形態の(1)、(2)、(3)、(5)、(6)と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
(7) ばね部331が、筒状部材31の軸方向において係合部332の片側のみに設けられているので、第一実施形態の弾性部材33に較べて、構造を簡単にできる。したがってコイルばねの端部を曲げ加工するなどして弾性部材33を簡単に製造でき、弾性部材33の製造コストを低減できる。また、ばね部331が係合部332の片側のみに設けられているので、弾性部材33全体の長さを短くでき、幅の狭い駒2にも十分対応できる。
【0040】
〔第三実施形態〕
次に、本発明の第三実施形態について説明する。
図7には、第三実施形態にかかるバンド1の連結部分の断面図が示されており、図7(A)はバンド1の連結部分の側断面図であり、図7(B)は平断面図である。
弾性部材33は、第一実施形態とは異なり、所定長さの線状部材を曲げ加工などによって湾曲させて略V字形に形成した、いわゆる線ばねである。弾性部材33の略中央には、先端が略円弧形の突起状の係合部332が形成されており、この係合部332の先端は、第一実施形態と同様に筒状部材31のスリット312から突出している。この時、係合部332は略円弧状に形成されることにより、貫通孔23内周との軸方向両側における接点での接線方向が、貫通孔23内周に対して所定角度θを有して配置される。
係合部332の両側には、略円弧状部分に連続してばね部331が形成されている。このばね部331は、筒状部材31の軸方向に沿って配置され、筒状部材31のスリット312とは反対側の内周面に当接あるいは近接している。そしてばね部331の端部は、筒状部材31内周に向かって再び湾曲しており、このような形状によりばね部331は筒状部材31の径方向に沿ったばね性を備えている。ここで、ばね部331の弾性力は、線状部材の径や材料を調整したり、ばね部331の湾曲形状を調整するなどにより、適宜調整できる。
【0041】
固定部材32において筒状部材31内部側の端部には、固定部材32の円形断面の直径を通りかつ固定部材32の長さ方向に沿って切欠323が形成されている。固定部材32は、それぞれの切欠323の径方向が筒状部材31のスリットを含む径方向に沿うように配置されており、これらの切欠323にはそれぞればね部331の全部および係合部332の両端部が収納されている。これにより、弾性部材33による弾性力の作用方向がこの径方向に規制され、また係合部332の筒状部材31に対する出没方向も規制される。
このような連結ピン3においても、連結ピン3を貫通孔23に挿通していくと、係合部332が貫通孔23の内周に押圧され、ばね部331が撓んで係合部332が筒状部材31内側に移動する。その後、係合部332が大径部231に対応する位置まで移動すると、ばね部331の弾性力によって係合部332が筒状部材31の径方向外側に突出し、係合部332が大径部231に係合して、連結ピン3が貫通孔23内で位置決めされる。係合部332が大径部231に係合した状態では、係合部332は大径部231に押圧されないようになっており、したがって、ばね部331には弾性力が発生しない。
【0042】
このような第三実施形態によれば、第一実施形態の(1)、(2)、(3)、(5)、(6)と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
(8) 固定部材32に切欠323が形成され、ばね部331および係合部332の両端部が切欠323に挿入されているので、ばね部331の弾性力発生方向および係合部332の出没方向を一方向に規制することができ、係合部332の動作を安定させることができる。また、これによりばね部331の弾性力を効率よく係合部332に伝達できる。
【0043】
(9) 弾性部材33が線ばねで構成されているので、ばね部331の構造を簡単にでき、線状部材の曲げ加工などにより弾性部材33を簡単に製造できる。また、弾性部材33が筒状部材31の径方向に沿って配置されているので、筒状部材31の軸方向に対する寸法を小さくすることができ、これにより、幅の狭い駒2に対しても確実に対応できる。
さらに、ばね部331の弾性力の発生方向が筒状部材31の径方向となるので、ばね部331の弾性力がそのまま係合部332への付勢力となり、よってばね部331の弾性力を効率よく係合部332へ伝達できる。
そして、ばね部331の弾性力発生方向が筒状部材31の径方向であり、かつ係合部332が先端両側において貫通孔23内周と所定角度θを有するので、連結ピン3を貫通孔23に挿通する際に、係合部332およびばね部331の動作がどちらの方向に対しても同様となる。つまり、連結ピン3をどちらの方向から抜き差ししても、係合部332が良好に出没できる。これにより、連結ピン3の作業性を良好にできる。
【0044】
〔第四実施形態〕
次に、本発明の第四実施形態について説明する。
図8には、第四実施形態にかかるバンド1の連結部分の断面図が示されており、図8(A)はバンド1の連結部分の側断面図であり、図8(B)は平断面図である。
固定部材32は、第一実施形態とは異なり、凹部322およびフランジ部321を備えておらず、単純に円柱状に形成されて筒状部材31の内部に収納されている。二つの固定部材32の間には、筒状部材31内の固定部材32間のスペースを埋めるスペーサ部材34が設けられている。このスペーサ部材34によって、両側の固定部材32は筒状部材31内部で位置決めされており、つまりこのスペーサ部材34が固定部材32の位置規制手段となっている。
【0045】
スペーサ部材34は、円柱状に形成されており、長さ方向に沿ってかつ円形断面の半径に相当する深さで形成された凹部341を備えている。この凹部341は、その深さ方向が筒状部材31のスリット312を含む径方向に沿って配置されており、その内部には弾性部材33が収納されている。
弾性部材33は、線状部材を曲げ加工するなどして形成した、いわゆる線ばねであり、その一端がインサート成形やアウトサート成形などによってスペーサ部材34の凹部341に固定されている。弾性部材33は、凹部341の長さ方向に沿って配置される直線状のばね部331と、先端側に形成された略円弧状の係合部332とを備えている。係合部332は、筒状部材31の外側に向かって凸に形成され、その一部がスリット312から筒状部材31の外部に突出している。ここで、ばね部331の全部および係合部332の端部が凹部341に収納されているので、ばね部331の弾性力発生方向および係合部332の出没方向が当該凹部341の深さ方向に規制されている。
【0046】
このような連結ピン3では、一方の固定部材32の端部を押圧して貫通孔23に挿入すると、一方の固定部材32の端部がスペーサ部材34端部に当接され、さらにスペーサ部材34の反対側の端部が他方の固定部材32端部に当接されることにより、これらの部材が互いに連結され、連結ピン3全体を貫通孔23内部で移動させる。係合部332が貫通孔23の内周に押圧されると、ばね部331が凹部341の深さ方向、つまり筒状部材31の径方向に沿って撓み、係合部332が貫通孔23の内側に移動することにより、連結ピン3が貫通孔23の内周に係合される。係合部332が大径部231に対応する位置まで移動すると、ばね部331の弾性力によって筒状部材31外側に突出して大径部231に係合する。これにより、連結ピン3は貫通孔23内で位置決めされて固定される。
【0047】
このような第四実施形態によれば、第一実施形態の(1)、(2)、(3)および(5)の効果と同様の効果、第二実施形態の(7)の効果と同様の効果、および第三実施形態の(8)および(9)の効果と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
(10) スペーサ部材34を固定部材32間に設けて固定部材32の筒状部材31内部での位置規制を行うように構成したので、固定部材32を単純な円柱状に形成することができ、固定部材32の構造を簡単にできる。
また、インサート成形などにより弾性部材33をスペーサ部材34に一体的に形成したので、これによっても連結ピン3の構造を簡単にできる。そして、弾性部材33がスペーサ部材34に予め位置決めされて固定されているので、スペーサ部材34を筒状部材31に挿入すれば、同時に弾性部材33を位置決めでき、連結ピン3の組み立て工程を簡略化できる。
【0048】
〔第五実施形態〕
次に、本発明の第五実施形態について説明する。
図9には、第五実施形態にかかるバンド1の連結部分の断面図が示されている。この図9において、固定部材32端部のうち、筒状部材31の内部側には、第三実施形態と同様に切欠323が形成されている。
弾性部材33は、線状部材を曲げ加工などするなどして形成したいわゆる線ばねであり、線状部材の略中央を円状に一周分湾曲させた円状のばね部331と、このばね部331から互いに略平行に直線状に形成された直線状部331Aとを備え、全体として略U字形に形成されている。弾性部材33は、スリット312を含む筒状部材31の径方向に沿った面内に配置されており、一方の直線状部331Aの端部には、筒状部材31の外側に向かって凸となる略円弧状の係合部332が形成されている。他方の直線状部331Aは、筒状部材31の内周に当接あるいは近接している。また、ばね部331、直線状部331Aの一部、および係合部332の両端は、固定部材32の切欠323に収納されている。
【0049】
連結ピン3が貫通孔23に挿通されると、係合部332がばね部331の弾性力によって筒状部材31内側に撓む。係合部332が大径部231に対応する位置に移動すると、ばね部331の弾性力によって係合部332が筒状部材31外側に突出して、大径部231に係合する。
このような第五実施形態によれば、第一実施形態の(1)、(2)、(3)、(5)および(6)の効果と同様の効果、および第三実施形態の(8)および(9)の効果と同様の効果が得られる。
【0050】
〔第六実施形態〕
次に、本発明の第六実施形態について説明する。
図10には、第六実施形態にかかるバンド1の連結部分の断面図が示されている。この図10において、固定部材32は、第一実施形態とは異なり、フランジ部321が設けられておらず、単純に円柱状に形成されて、筒状部材31の内部に収納されている。二つの固定部材32の間には、円柱状のスペーサ部材34が介装されている。スペーサ部材34の周囲には、コイルばね状のばね部331が巻き付けられることによって弾性部材33が配置されている。弾性部材33は、第一実施形態と同様の形状に形成されており、係合部332がスリット312から突出している。
このような第六実施形態においては、第四実施形態と同様に、二つの固定部材32間に介装されたスペーサ部材34が位置規制となり、固定部材32が筒状部材31内部で移動するのを防止している。
このような第六実施形態によれば、第一実施形態の(1)、(2)、(3)、(4)および(5)の効果と同様の効果、および第四実施形態の(10)の効果と同様の効果が得られる。
【0051】
なお、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、第二実施形態では、固定部材32には切欠が形成されていなかったが、これに限らず例えば図11に示されるように、固定部材32に第三実施形態と同様の切欠323を形成し、この切欠323に係合部332の端部を挿入してもよい。この場合には、係合部332の出没方向が一方向に規制されるので、係合部332の出没動作を安定させることができる。
【0052】
また逆に、図12に示されるように第三実施形態の固定部材32に切欠323が設けられていなくてもよい。この場合では、例えば係合部332がスリット312よりも内側に入らない条件下で使用すれば、係合部332がスリット312から外れて筒状部材31内部に入ってしまうことがなく、係合部332が良好に大径部231に係合するので、本発明の目的を達成できる。
第五実施形態では、ばね部331は線状部材を円形に一周させて円状に形成されていたが、これに限らず、例えば図13に示されるように、略U字形に曲げるだけであってもよい。この場合でも、U字形の円弧部分がばね性を有するので、ばね部331としての機能を有する。
【0053】
各実施形態において貫通孔23には内周全周にわたって大径となる大径部231が形成されていたが、これに限らず例えば貫通孔内周の一部に凹部が形成されているものであってもよい。この場合でも、係合部の周方向の位置が凹部に一致するように連結具の挿通向きを調整すれば、係合部を凹部に係合させることができるので、連結具を良好に位置決めできる。
また、係合部は、各実施形態において貫通孔23の大径部231に係合していたが、これに限らず例えば大径部が形成されず、係合部が貫通孔内周に係合されるものであってもよい。この場合には、弾性部材によって係合部を適切な付勢力で貫通孔内周に押し付ければよい。このような構成であっても、弾性部材の弾性力を設定することにより、係合部が適切な弾性力で出没するので、連結具が貫通孔に過剰な力で係合せず、取付、取り外す際の力を低減できる。
【0054】
係合部は、貫通孔の凹部に押圧されないものに限らず、凹部に所定の付勢力で付勢されているものであってもよい。この場合には、係合部を含む連結具の断面方向の寸法を、凹部を含む貫通孔の断面方向の寸法より大きく形成しておけば、係合部が凹部に係合したときに、係合部が凹部に押しつけられることとなる。このように構成すれば、連結具の貫通孔に対する固定力を高めることができ、駒部材が激しく動いても抜け落ち等を確実に防止できる。
また、係合部が筒状部材の径方向外側に突出した状態で、係合部を弾性部材によって予めスリットに付勢しておき、筒状部材の径方向内側への係合部の押し込み力をより高く設定してもよい。
弾性部材は、コイルばねや線ばねに限らず、例えば板状部材を曲げ加工するなどして形成される板ばねであってもよく、またばねに限らず例えばゴムや弾性流体など任意のものを採用できる。
固定部材は、筒状部材内で摺動可能となっているものに限らず、例えば接着などによって予め筒状部材に固定されていてもよい。
【0055】
駒部材の形状は、凸部や凹部が設けられているものに限らず、機能やデザインを考慮して任意に設定できる。また、本発明の連結具は、各実施形態のような時計のバンドに限らず、ブレスレットや、その他任意の連結部を有する部品、製品に適用できる。
【0056】
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0057】
【発明の効果】
このような本発明によれば、連結具の筒状部材内に係合部を含む弾性部材が配置され、係合部が筒状部材に対して出没可能に配置されているので、連結具を駒部材の貫通孔に挿通する場合に、係合部が所定の付勢力を有しながら貫通孔に対して退避し、これにより係合部が貫通孔に過剰な力で係合されることがなく、連結具の挿通に必要な力を低減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態にかかる時計を示す図。
【図2】第一実施形態にかかるバンドの駒部材を示す斜視図。
【図3】第一実施形態にかかる連結具を示す断面図。
【図4】連結具の駒への係合を示す断面図。
【図5】連結具および駒部材の力の作用関係を示す図。
【図6】本発明の第二実施形態にかかるバンドの連結部分を示す断面図。
【図7】本発明の第三実施形態にかかるバンドの連結部分を示す断面図。
【図8】本発明の第四実施形態にかかるバンドの連結部分を示す断面図。
【図9】本発明の第五実施形態にかかるバンドの連結部分を示す断面図。
【図10】本発明の第六実施形態にかかるバンドの連結部分を示す断面図。
【図11】第二実施形態の連結具の変形例を示す断面図。
【図12】第三実施形態の連結具の変形例を示す断面図。
【図13】第五実施形態の連結具の変形例を示す断面図。
【符号の説明】
1…バンド、2…駒(駒部材)、3…連結ピン(連結具)、23…貫通孔、31…筒状部材、32…固定部材、33…弾性部材、34…スペーサ部材、100…時計、231…大径部(凹部)、312…スリット、321…フランジ部、322…凹部、331…ばね部、332…係合部、333…傾斜部。

Claims (15)

  1. 隣接する駒部材にそれぞれ形成された貫通孔に挿通されることで前記駒部材を互いに連結する連結具であって、
    前記貫通孔に挿通されるとともに、軸方向に平行なスリットを側面に有する筒状部材と、この筒状部材の内部に収納され、前記貫通孔内周に係合される係合部を含む弾性部材とを備え、前記係合部は、前記弾性部材の弾性力により前記スリットから前記筒状部材の外部に出没可能に設けられていることを特徴とする連結具。
  2. 請求項1に記載の連結具において、
    前記筒状部材内部に収納されるとともに、前記筒状部材の軸方向に対して前記弾性部材の両側に設けられる固定部材と、この固定部材の前記筒状部材に対する軸方向の位置を規制する位置規制手段とを備えたことを特徴とする連結具。
  3. 請求項2に記載の連結具において、
    前記位置規制手段は、前記固定部材の端部に形成された凹部を備えて構成され、この凹部には前記筒状部材端部が係合されることを特徴とする連結具。
  4. 請求項2に記載の連結具において、
    前記位置規制手段は、前記固定部材間に介在されるスペーサ部材を備えて構成され、このスペーサ部材には、前記弾性部材が一体的に設けられていることを特徴とする連結具。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の連結具において、
    前記弾性部材は、前記係合部が前記筒状部材の径方向内側に押圧された状態では弾性変形し、前記係合部が前記筒状部材の径方向外側に突出した状態では弾性変形しないように構成されていることを特徴とする連結具。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の連結具において、
    前記係合部には、前記筒状部材からの突出部分の先端から前記筒状部材の軸方向に向かって傾斜する傾斜部が形成され、この傾斜部は、前記軸方向に対して所定角度を有することを特徴とする連結具。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の連結具において、
    前記弾性部材は、前記筒状部材の軸方向に沿って配置されたコイルばねであることを特徴とする連結具。
  8. 請求項7に記載の連結具において、
    前記コイルばねは、前記筒状部材の軸方向に対して前記係合部の両側に形成されていることを特徴とする連結具。
  9. 請求項7に記載の連結具において、
    前記コイルばねは、前記筒状部材の軸方向に対して前記係合部の片側に形成されていることを特徴とする連結具。
  10. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の連結具において、
    前記弾性部材は、板状部材または線状部材で構成された板ばねまたは線ばねであることを特徴とする連結具。
  11. 請求項10に記載の連結具において、
    前記弾性部材は、一端に係合部を有する略U字形に形成され、前記筒状部材の前記スリットを含む径方向の面内で、かつ当該径方向に弾性力を発生する位置に配置されていることを特徴とする連結具。
  12. 請求項10に記載の連結具において、
    前記弾性部材は、前記係合部の両側が湾曲されて略V字形に形成され、前記筒状部材の前記スリットを含む径方向の面内で、かつ当該径方向に弾性力を発生する位置に配置されていることを特徴とする連結具。
  13. 請求項1から請求項12のいずれかに記載の連結具において、
    前記筒状部材内部に収納されるとともに、前記弾性部材の両側に設けられる固定部材を備え、この固定部材の前記係合部に隣接する端部には、前記係合部の出没方向を規制する凹部が形成されていることを特徴とする連結具。
  14. 複数の駒部材と、請求項1から請求項13のいずれかに記載の連結具とを備え、前記駒部材に形成された貫通孔に前記連結具が挿通されるとともに、前記貫通孔に形成された凹部に前記係合部が係合されることを特徴とするバンド。
  15. 請求項14に記載のバンドが時計ケースに取り付けられていることを特徴とする時計。
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