JP2005027204A - フィルタ装置 - Google Patents

フィルタ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005027204A
JP2005027204A JP2003270012A JP2003270012A JP2005027204A JP 2005027204 A JP2005027204 A JP 2005027204A JP 2003270012 A JP2003270012 A JP 2003270012A JP 2003270012 A JP2003270012 A JP 2003270012A JP 2005027204 A JP2005027204 A JP 2005027204A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter
coefficient
value
unit
parameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003270012A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4326282B2 (ja
Inventor
Hiroshi Tokuda
洋志 徳田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Korg Inc
Original Assignee
Korg Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Korg Inc filed Critical Korg Inc
Priority to JP2003270012A priority Critical patent/JP4326282B2/ja
Publication of JP2005027204A publication Critical patent/JP2005027204A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4326282B2 publication Critical patent/JP4326282B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Abstract

【課題】良好な周波数特性を持つチェンバリンフィルタ係数を簡素な構成で求めることが可能なフィルタ装置を実現すること。
【解決手段】チェンバリン型のフィルタ部300は、入力されるデジタル楽音信号を設定されるフィルタ係数に応じたフィルタリング特性でフィルタリングし、係数演算部200はフィルタ係数を求めてフィルタ部300に設定するが、係数演算部200は、第1のパラメータであるカットオフ周波数値(Fc)と第2のパラメータであるレゾナンス値(Q)とを得て、「F=(1+Q)・Fc、W=(1−Q)・(2−Fc)」なる式で2つのフィルタ係数(F、W)を直接求めるので、係数テーブルを不要とし補間演算も不要とした簡素な構成のフィルタ装置を実現することが可能になる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、入力されるデジタル楽音信号を設定される2つのフィルタ係数に応じたフィルタリング特性でフィルタリングするチェンバリン型のフィルタ部と、前記2つのフィルタ係数を求めて前記フィルタ部に設定する係数演算部と、を備えたフィルタ装置に関する。
電子楽器の音色設定用フィルタにあっては、エンベロープやLFOに応じてカットオフ周波数を変化させるため、カットオフ周波数を連続的に変化させる必要があった。しかしながら、カットオフ周波数が連続的に変化するように楽音が聞こえる程度のフィルタ係数をテーブル化しようとすれば、テーブル容量が膨大なものとなってしまう。そのため、従来技術にあっては、周知の補間演算、即ち1次元の補間演算を行い、例えばカットオフ周波数に対応するフィルタ係数のみを補間してデジタルフィルタにフィルタ係数を与えるようにするものが提案されていた(例えば、特許文献1参照。)。
即ち、図5のブロック構成図を参照すると、ROM12に記録された動作プログラムを実行することによってCPU10が2つのパラメータであるFc(カットオフ周波数値:増幅度が3dB低下する周波数を示すパラメータ)、Q(レゾナンス値:周波数特性のピーキング状態の程度を示すパラメータ)を与えると、係数F補間演算部50および係数W補間演算部60の夫々は、Fc、Qに対応したフィルタ係数の組を係数テーブル40から得てこれらを補間処理してフィルタ係数F、フィルタ係数Wを求めてフィルタ部30に設定するようにして、フィルタ部30のLPF(ローパスフィルタ)特性等を調整していた。
そして、このフィルタ部30には、状態変数型マルチモードフィルタであり、一つの2次フィルタでLPF(ローパスフィルタ)信号、HPF(ハイパスフィルタ)信号、BPF(バンドパスフィルタ)信号等が出力可能な2つのフィルタ係数F、Wが設定されるチェンバリンフィルタとなっている。しかしながら、このような従来の技術によれば、入力パラメータに応じてフィルタ係数F、Wを所要のものに調整するには大規模の係数テーブルが必要になり、また、補間演算を行う必要もあるためフィルタ装置の規模が大きくなる等の問題があった。
そこで、このチェンバリンフィルタの2つの係数F、Wを演算式で求めることが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。これによれば、例えば「F=2π・(Fc/Fs)、W=1/Q:但しFcはカットオフ周波数、Fsはサンプリング周波数、Qはレゾナンス値を示すパラメータでQ=1の時、レゾナンス値最小、Qが無限大の時、レゾナンス値最大」なる簡単な式で2つの係数F、Wを求めている。
特開平6−195079号公報(第3−4頁、第1図) ジョンダットロ(Jon Dattorro)著、「イフェクトデザイン(Effect Design)」、ジャーナルオブザエーイーエス(Journal of the AES)、(米国)、オーディオエンジニアリングソサエティ(AUDIO ENGINEERING SOCIETY,INC)、1997年9月、第45巻(vol.45)、第9号(No、9)、p660−p684
しかしながら、このような演算によって求めた周波数特性は使用することができないものとなっていた。図8は横軸に周波数(単位Hz)、縦軸に振幅(単位dB)としたもので、従来の手法によれば、カットオフ周波数を上げていくと、LPF(ローパスフィルタ)出力の周波数特性において、例えば、符合A〜Dに示すように周波数特性が持ち上がってしまい、そのままLPF出力周波数特性として使用することが困難であった。また、この演算式を用いた場合であって、ナイキスト周波数の半分程度以下の範囲であれば、ローパスフィルタとして利用できる特性を持っているので、例えば2倍オーバーサンプリングを行う等して一時的にサンプリング周波数を上げて、このフィルタでフィルタリングした後、元のサンプリング周波数に戻す等の方法も採用されていた。しかしながら、この場合にあっても、本来不要なレゾナンスが残ってしまったり、一時的にサンプリング周波数を上げることから演算量が増加してしまう等の問題があった。
そこで、本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、良好な周波数特性を持つチェンバリンフィルタ係数を簡素な構成で求めることが可能なフィルタ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、入力されるデジタル楽音信号を設定される2つのフィルタ係数(F、W)に応じたフィルタリング特性でフィルタリングするチェンバリン型のフィルタ部と、前記2つのフィルタ係数(F、W)を求めて前記フィルタ部に設定する係数演算部と、を備え、
前記係数演算部は、
第1のパラメータであるカットオフ周波数値(Fc)と第2のパラメータであるレゾナンス値(Q)とを受け付けて、「F=(1+Q)・Fc、W=(1−Q)・(2−Fc)」なる式で前記2つのフィルタ係数(F、W)を直接求め、求めたフィルタ係数(F、W)を前記フィルタ部に設定することを特徴とするようにした。
この発明によれば、フィルタ部が、入力されるデジタル楽音信号を設定されるフィルタ係数(F、W)に応じたフィルタリング特性でフィルタリングし、係数演算部は前記フィルタ係数を求めて前記フィルタ部に設定するが、この係数演算部は、第1のパラメータであるカットオフ周波数値(Fc)と第2のパラメータであるレゾナンス値(Q)とを受け付けて、「F=(1+Q)・Fc、W=(1−Q)・(2−Fc)」なる式で前記2つのフィルタ係数(F、W)を直接求め、求めたフィルタ係数(F、W)をフィルタ部に設定するので、係数テーブルを不要とし補間演算も不要とした簡素な構成でチェンバリンフィルタのフィルタ係数を求めることが可能なフィルタ装置を実現することが可能になる。なお、ここで、第1のパラメータであるカットオフ周波数値Fcは、増幅度が3dB低下する周波数を示すパラメータであり、第2のパラメータであるレゾナンス値Qは、周波数特性のピーキング状態の程度を示すパラメータである。
そして、この簡素な式で、チェンバリンフィルタの2つのフィルタ係数(F、W)を求めることができるのは以下に説明する理由による。単純な1次IIR(Infinite Impulse Response:無限インパルス応答)フィルタによるLPF(ローパスフィルタ)では係数によるカットオフ周波数の制御が簡単であることと、チェンバリンフィルタ(後に実施の形態にて詳細に説明)は、それ自体で2次のIIRフィルタを構成していることから、チェンバリンフィルタの伝達関数が1次IIRを2段縦続接続した場合と同等になるように、チェンバリンフィルタの係数F、Wを考えた。図6は、1次IIRフィルタを2段縦続接続したもので、1段目は、係数kの乗算器400と加算器402とを接続し、この加算器402の出力を遅延素子404および係数「1−k」の乗算器406を介してフィードバックする構成の1次IIRフィルタとなっており、2段目も同様の構成の1次IIRフィルタであり、係数kの乗算器410と加算器412とを接続し、この加算器412の出力を遅延素子414および係数「1−k」の乗算器416を介してフィードバックする構成となっている。
この1次IIRフィルタを2段縦続接続したタイプのフィルタの伝達関数は、図3の最上段に示すものとなる。一方、チェンバリンフィルタのLPF(ローパスフィルタ)の伝達関数は、図3の最上段から2番目に示すものとなる。そこで、最初に、レゾナンスをかけない状態を想定し、更に、1次IIRフィルタのカットオフ周波数は、係数kだけで容易に制御され、そのときの周波数特性も良好なため、これらの伝達関数が一致するようにチェンバリンフィルタの係数F、Wと係数kとを関連付けることを考える。まず、両伝達関数の分子が同じであるとしてkの2乗とFの2乗とが等しいことより「F=k」が導かれ、分母においては1次の項が等しいとして「−2(1−k)=−2+F・W+F∧2(以下∧は累乗を表現する。この場合のF∧2はFの2乗を意味する)」なる式と、「F=k」より「W=2−k」が得られる。なお、両伝達関数の分母の2次の項はこれらのF、Wを代入すると等しくなる。
これらのことから、「F=k、W=2−k」とすることによって、1次IIRフィルタを2段縦続接続したものと同じ伝達関数をチェンバリンフィルタのLPF出力から得られるので、良好な周波数特性のチェンバリンフィルタ係数を簡単に得ることができる。以上はレゾナンスをかけない状態についての説明であるが、以下に、この簡単なフィルタ係数演算式に変形を施して、レゾナンスをかけられるようにすることを考える。さて、レゾナンスQが最大になる時には、チェンバリンフィルタの係数Wは「0」になることが知られており、これを実現するために次の演算を追加した。
1次IIRフィルタを2段縦続接続したフィルタで、カットオフ周波数を最低にし、レゾナンスを最大に上げた時、即ち、直流分DCにピークが立つ状態の時の伝達関数は、図3の上から3番目のようになる。この時、チェンバリンフィルタではフィルタ係数Wが「0」になるので、係数Fについて考える。但し、1次IIRフィルタと全く同じ伝達関数とはならないので、伝達関数の分母の項だけに注目し、フィルタの極が一致するとすれば、分母の1次の項が等しいことから「−2=−2+F・W+F∧2」即ち、「F∧2+F・W=0」となり、これと「W=0」より、「F=0」となる。また、分母の2次の項では「W=0」により「F・W=0」となるのでフィルタ係数Fは求められない。
次に、1次IIRフィルタの2段縦続接続で、カットオフ周波数を最大にしてレゾナンスを最大にかけたときの伝達関数と、チェンバリンフィルタの伝達関数とから、チェンバリンフィルタのフィルタ係数Fを求める。1次IIRフィルタの2段縦続接続でカットオフ周波数、レゾナンスともに最大の場合の伝達関数は、図3の最下段(最上段から4番目)のようになる。ここで、伝達関数の分母のみについて考え、フィルタの極を一致させるものとする。両伝達関数の分母の1次の項が等しいとして「2=−2+F・W+F∧2」、即ち「F∧2+F・W=4」となり、これと「W=0」より、Fの2乗が4となり、「F=2」が得られる。
したがって、「カットオフ周波数最小でレゾナンス最大の時は、F=0、W=0」となり、また、「カットオフ周波数最大でレゾナンス最大の時はF=2、W=0」とすると、レゾナンス最大のときのチェンバリンフィルタ用フィルタ係数F、Wが得られる。これらと、レゾナンスなしの時のkを用いた係数演算式「F=k、W=2−k」と、レゾナンスのパラメータQ(ここではQが「0」の時レゾナンス最小、Qが「1」の時レゾナンス最大とする)から、レゾナンスを可変にすることを考える。
Fについては、「(1)レゾナンス最小(Q=0)の時、カットオフ周波数に係わらずF=k」、「(2)レゾナンス最大(Q=1)の時でカットオフ最小(k=0)の時、F=0」、「(3)レゾナンス最大(Q=1)の時でカットオフ最大(k=1)の時、F=2」となるので、これらを直線で結んで「F=(1+Q)・k」となる。一方、Wについては、カットオフ周波数に係わらず、「(1)レゾナンス最小(Q=0)の時、W=2−k」、「(2)レゾナンス最大(Q=1)の時、W=0」となるので、これらを直線で結んで「W=(1−Q)・(2−k)」となる。
したがって、これらをまとめると「F=(1+Q)・Fc、Q=(1−Q)・(2−Fc)」となり、簡単な演算でチェンバリンフィルタのフィルタ係数W、Fが求まり、大きな係数テーブルを不要とすることができるようになる。また、このフィルタ係数をチェンバリンフィルタに使用すると、レゾナンスをかけない状態ではその周波数特性は1次IIRフィルタを2段縦続接続したものと等しくなり、また、レゾナンスをかけた場合では最大ナイキスト周波数まで発振させることが可能となるため、これまでのチェンバリンフィルタの欠点を解消できるようになる。
また、入力されるデジタル楽音信号を設定されるフィルタ係数に応じたフィルタリング特性でフィルタリングするフィルタ部と、前記フィルタ係数を求めて前記フィルタ部に設定する係数演算部と、第1のパラメータであるカットオフ周波数値(Fc)とその数だけ所定値をかけあわせた累乗値(所定値のFc乗:Fcq)との組を複数組記憶する記憶部と、を備え、
前記係数演算部は、
前記記憶部の記憶内容を参照して、与えられた前記第1のパラメータであるカットオフ周波数値(Fc)に対応する累乗値(Fcq)を得る手段と、
与えられた第2のパラメータであるレゾナンス値(Q)と前記得られた累乗値を「F=(1+Q)・Fcq、W=(1−Q)・(2−Fcq)」なる式に代入して前記フィルタ係数(F、W)を求める手段と、を含むことを特徴とするフイルタ装置も提供される。この発明においても、係数テーブルを不要とし補間演算も不要とした簡素な構成のフィルタ装置を実現することが可能になる。
本発明によれば、良好な周波数特性を持つチェンバリンフィルタ係数を簡素な構成で求めることが可能なフィルタ装置を実現することが可能になるという効果が得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、本発明において、「チェンバリンフィルタ」とは、一般に、一つの2次IIR(Infinite Impulse Response:無限インパルス応答)フィルタからLPF(ローパスフィルタ)、HPF(ハイパスフィルタ)、BPF(バンドパスフィルタ)の出力を同時に得ることができるフィルタであり、状態変数型フィルタとも称され、アナログの状態変数型フィルタをデジタルに置きかえることで設計されるものである。
図1は本発明の実施形態のフィルタ装置1のブロック構成図である。このフィルタ装置1は、入力されるデジタル楽音信号を設定される2個のフィルタ係数F、Wに応じたフィルタリング特性でフィルタリングするチェンバリン型のフィルタ部300と、フィルタ係数F、Wを演算して求め、求めたフィルタ係数F、Wをフィルタ部300に設定する係数演算部200とを備えている。
そして、CPU10は、ROM12に格納されたプログラムにしたがった動作等によって、ローパスフィルタのカットオフ周波数値(Fc:増幅度が3dB低下する周波数)とレゾナンス値(Q:周波数特性のピーキング状態の程度を示すパラメータ)を2つのパラメータとして供給するように構成されている。この際、カットオフ周波数値Fcとレゾナンス値Qは直接、係数演算部200に供給される。
そして、係数演算部200は、先に説明した「F=(1+Q)・Fc、W=(1−Q)・(2−Fc)」なる簡単な式でフィルタ部300のフィルタ係数F、Wを求めて、フィルタ部300に設定するように構成されている。したがって、各々のフィルタ係数F、Wを求める式が簡単な式であるため、係数テーブル等を不要とし極めて簡単な演算式でフィルタ係数F、Wを求めることが可能になる。
図4はフィルタ部300(チェンバリンフィルタ)の構成例であり、加算器90、91、93、95、遅延素子97、98とフィルタ係数Fを有する乗算器92、94と、フィルタ係数Wを有する乗算器96とで構成されている。より詳細には、このチェンバリンフィルタは、第1の加算器である加算器90と、第2の加算器である加算器91と、フィルタ係数F(第1のフィルタ係数)を有する第1の乗算器である乗算器92と、第3の加算器である加算器93と、フィルタ係数F(第1のフィルタ係数)を有する第2の乗算器である乗算器94と、第4の加算器である加算器95とを直列に接続し、第1の遅延素子である遅延素子98によってフィルタ出力を第2の加算器である加算器91および第4の加算器である加算器95へ帰還させるように構成し、更に、第2の遅延素子である遅延素子97によって第3の加算器である加算器93の出力をこの加算器93へ帰還させると共にフィルタ係数W(第2のフィルタ係数)を有する第3の乗算器である乗算器96を介して第1の加算器である加算器90へ帰還させるように構成されている。そして、乗算器92、乗算器94、乗算器96のフィルタ係数F、Wは係数演算部200によって簡単な式によって求められ設定される。
そして、図4に示すようにフィルタリング信号としてBRF(バンドリジェクトフィルタ)信号、HPF(ハイパスフィルタ)信号、BPF(バンドパスフィルタ)信号、LPF(ローパスフィルタ)信号として装置外部に出力される。かくして、フィルタ係数F、Wを所要の値に設定することにより、楽音信号の所望のフィルタリング信号が出力されるように構成されている。
(動作)
フィルタ装置1の全体動作を説明すると以下のようになる。CPU10が2つのパラメータFc、Qを供給する。この際、パラメータFcとパラメータQは直接、係数演算部200に供給される。次いで、係数演算部200は、パラメータFc、パラメータQが与えられると、「F=(1+Q)・Fc、W=(1−Q)・(2−Fc)」なる簡単なフィルタ係数演算式でフィルタ部300のフィルタ係数F、Wを求めて、これをフィルタ部300に設定する。係数調整されたフィルタ部300は、調整された周波数特性で楽音信号のBRF信号、HPF信号、BPF信号、LPF信号を出力する。
したがって、この実施の形態によれば、フィルタ部300が、入力されるデジタル楽音信号を設定されるフィルタ係数F、Wに応じたフィルタリング特性でフィルタリングし、係数演算部200はフィルタ係数F、Wを求めてフィルタ部300に設定するが、この係数演算部200は、第1のパラメータであるカットオフ周波数値(Fc)と第2のパラメータであるレゾナンス値(Q)とを直接受け付けて、「F=(1+Q)・Fc、W=(1−Q)・(2−Fc)」なる式で2つのフィルタ係数F、Wを直接求め、求めたフィルタ係数F、Wをフィルタ部300に設定するので、係数テーブルを不要とし補間演算も不要とした簡素な構成でチェンバリンフィルタのフィルタ係数を求めることが可能なフィルタ装置を実現することが可能になる。
図9は本発明を適用したフィルタ装置1のLPF(ローパスフィルタ)出力の周波数特性の説明図であり、横軸に周波数(単位Hz)、縦軸に振幅(単位dB)としたもので、従来の手法に比べて(図8参照)、カットオフ周波数を上げていっても、LPF(ローパスフィルタ)出力の周波数特性において、特性曲線の持ち上がり等は発生せず、フィルタ係数が調整されても良好なローパスフィルタ特性を得ることができることが分かる。
(他の実施形態)
図7は他の実施形態のフィルタ装置2のブロック構成図である。このフィルタ装置2は、図1のフィルタ装置1において、CPU10と係数演算部200との間にFc指数変換テーブル100を設けた点に特徴があり、その他の構成上の点は図1のフィルタ装置1と変る点がなく、フィルタ装置1の構成要素と同一のものには同一符合を付している。このフィルタ装置2においては、ユーザの鍵入力操作に応じて、Fcが指数関数的に変化する楽器装置等において、本発明を適用した場合を想定している。
即ち、このフィルタ装置2は、入力されるデジタル楽音信号を設定されるフィルタ係数F、Wに応じたフィルタリング特性でフィルタリングするチェンバリン型のフィルタ部300と、フィルタ係数を演算して求め、求めたフィルタ係数(F、W)をフィルタ部300に設定する係数演算部200とを備えている。また、このフィルタ装置2はCPU10と係数演算部200との間にFc指数変換テーブル100を備えている。図2に示すように、このテーブル100は、パラメータFcと2のFc乗の値(Fcq:2(所定値)をFcで示す数だけかけあわせた累乗値)の組を複数組記憶している。図2に示す例では、Fc「a」、「b」、…、に対して夫々「2のa乗」、「2のb乗」、…、が組になって記憶されている。
そして、Fcが与えられると、係数演算部200は、このFcに対応する2のFc乗の値をテーブル100の記憶内容を参照して得るように構成され、毎回、累乗値を演算することが不要となる。
そして、CPU10は、ROM12に格納されたプログラムにしたがった動作等によって、ローパスフィルタのカットオフ周波数値(Fc:増幅度が3dB低下する周波数)とレゾナンス値(Q:周波数特性のピーキング状態の程度を示すパラメータ)を2つのパラメータとして供給するように構成されている。この際、レゾナンス値Qは直接、係数演算部200に供給される一方、カットオフ周波数FcはFc指数変換テーブル100に供給される。先にも説明したように係数演算部200は、Fcに対応する2のFc乗の値をテーブル100の記憶内容を参照して得る。
そして、2つのパラメータを用いて定義された式にカットオフ周波数値と2のFc乗値(Fcq)を代入してフィルタ係数F、Wを求める。具体的には、先に説明した「F=(1+Q)・Fc、W=(1−Q)・(2−Fc)」なる式のQの値はCPU10から直接得た値を代入する一方、Fcの値には、Fc指数変換テーブル100から得られた、2のFc乗値である「Fcq」を代入して、2つのフィルタ係数F、Wを得る。したがって、このフィルタ装置2にあっても、各々のフィルタ係数F、Wを求める式が簡単な式であるため、係数テーブル等を不要とし極めて簡単な演算式でフィルタ係数F、Wを求めることが可能になる。
(動作)
フィルタ装置2の全体動作を説明すると以下のようになる。CPU10が2つのパラメータFc、Qを供給する。この際、パラメータQは直接、係数演算部200に供給される一方、パラメータFcはFc指数変換テーブル100に供給される。
次いで、係数演算部200は、Fcが与えられると、このFcに対応する2のFc乗の値(Fcq)をテーブル100の記憶内容を参照して得る。そして、係数演算部200は、「F=(1+Q)・Fcq、W=(1−Q)・(2−Fcq)」なる簡単なフィルタ係数演算式でフィルタ部300のフィルタ係数F、Wを求めて、これをフィルタ部300に設定する。係数調整されたフィルタ部300は、調整された周波数特性で楽音信号のBRF信号、HPF信号、BPF信号、LPF信号を出力する。
したがって、本実施形態によれば、チェンバリン型のフィルタであるフィルタ部300が、入力されるデジタル楽音信号を設定されるフィルタ係数F、Wに応じたフィルタリング特性でフィルタリングし、係数演算部200はフィルタ係数を求めてフィルタ部300に設定するが、この係数演算部200は、Fc指数変換テーブル100(記憶部)の記憶内容を参照して、与えられた第1のパラメータであるカットオフ周波数値(Fc)に対応する累乗値(Fcq)を得て、直接与えられた第2のパラメータであるレゾナンス値(Q)と上記累乗値とを「F=(1+Q)・Fcq、W=(1−Q)・(2−Fcq)」なる式に代入してフィルタ係数F、Wを求めるので、係数テーブルを不要とし補間演算も不要とした簡素な構成のフィルタ装置を実現することが可能になる。しかも、ユーザの鍵入力操作に応じて、Fcが指数関数的に変化する楽器装置等において、本発明を適用することが極めて容易としている。
以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で上記実施形態に種々の変形や変更を施すことが可能となる。また、フィルタ装置1の構成を可能な限り専用のLSI等のハードウエアで実現することもできるし、その機能を可能な限りCPU(又はDSP)が動作プログラムを実行することによって実現することも可能である。また、図2に示すFc指数変換テーブル100にあっては、2のFc乗を設定しているが2以外の所定値のFc乗を設定するようにしても良い。
以上説明してきたように、チェンバリンフィルタ係数を簡素な構成で求めることが可能で、楽音信号等の処理に好適なフィルタ装置を提供することができる。
本発明の実施の形態のフィルタ装置1の構成図である。 Fc指数変換テーブルの構成図である。 各種フィルタとその伝達関数の説明図である。 フィルタ部200の構成図である。 従来技術の説明図である。 1次IIRフィルタの2段縦続接続したタイプのフィルタの説明図である。 他の実施形態のフィルタ装置2の構成図である。 従来方式の周波数特性(LPF出力)の説明図である。 本方式の周波数特性(LPF出力)の説明図である。
符号の説明
1 フィルタ装置
2 フィルタ装置
10 CPU
12 ROM
90 加算器
91 加算器
93 加算器
94 乗算器
95 加算器
96 乗算器
97 遅延素子
98 遅延素子
100 Fc指数変換テーブル
200 係数演算部
300 フィルタ部

Claims (2)

  1. 入力されるデジタル楽音信号を設定される2つのフィルタ係数(F、W)に応じたフィルタリング特性でフィルタリングするチェンバリン型のフィルタ部と、前記2つのフィルタ係数(F、W)を求めて前記フィルタ部に設定する係数演算部と、を備え、
    前記係数演算部は、
    第1のパラメータであるカットオフ周波数値(Fc)と第2のパラメータであるレゾナンス値(Q)とを受け付けて、「F=(1+Q)・Fc、W=(1−Q)・(2−Fc)」なる式で前記2つのフィルタ係数(F、W)を直接求め、求めたフィルタ係数(F、W)を前記フィルタ部に設定することを特徴とするフィルタ装置。
  2. 入力されるデジタル楽音信号を設定されるフィルタ係数に応じたフィルタリング特性でフィルタリングするフィルタ部と、前記フィルタ係数を求めて前記フィルタ部に設定する係数演算部と、第1のパラメータであるカットオフ周波数値(Fc)とその数だけ所定値をかけあわせた累乗値(所定値のFc乗:Fcq)との組を複数組記憶する記憶部と、を備え、
    前記係数演算部は、
    前記記憶部の記憶内容を参照して、与えられた前記第1のパラメータであるカットオフ周波数値(Fc)に対応する累乗値(Fcq)を得る手段と、
    与えられた第2のパラメータであるレゾナンス値(Q)と前記得られた累乗値を「F=(1+Q)・Fcq、W=(1−Q)・(2−Fcq)」なる式に代入して前記フィルタ係数(F、W)を求める手段と、を含むことを特徴とするフィルタ装置。
JP2003270012A 2003-07-01 2003-07-01 フィルタ装置 Expired - Fee Related JP4326282B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003270012A JP4326282B2 (ja) 2003-07-01 2003-07-01 フィルタ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003270012A JP4326282B2 (ja) 2003-07-01 2003-07-01 フィルタ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005027204A true JP2005027204A (ja) 2005-01-27
JP4326282B2 JP4326282B2 (ja) 2009-09-02

Family

ID=34190106

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003270012A Expired - Fee Related JP4326282B2 (ja) 2003-07-01 2003-07-01 フィルタ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4326282B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP4326282B2 (ja) 2009-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2010041381A1 (ja) 信号処理回路
JP4300272B2 (ja) デジタルフィルタおよびその設計方法
CN113395055A (zh) 数字滤波器及其设计方法、音频信号处理系统及存储介质
US7233833B2 (en) Method of modifying low frequency components of a digital audio signal
US8831236B2 (en) Generator and generation method of pseudo-bass
WO2009150949A1 (ja) フィルタ
JP2010041311A (ja) フィルタ、フィルタの構成システム及び構成方法
Bruschi et al. Linear-Phase Octave Graphic Equalizer
JP4326282B2 (ja) フィルタ装置
JP2004184472A (ja) 信号補間装置、音響再生装置、信号補間方法及びプログラム
JP2757740B2 (ja) ディストーション回路
WO2007102611A1 (ja) 補間関数生成回路
JP2002368584A (ja) ディジタルフィルタおよびそれを用いたディジタルビデオエンコーダ
JP3274503B2 (ja) 楽音加工装置
JP4420631B2 (ja) 効果装置
JP6289041B2 (ja) イコライザ
JPH1079644A (ja) デジタルフィルタ
JPH1051269A (ja) ローパスフィルタ
JP2019169840A (ja) デジタル音声信号処理装置およびそのプログラム
JP2005033307A (ja) デジタル・フィルタの設計方法
JP4322053B2 (ja) フィルタ装置
JP2005037759A (ja) 効果装置
JP2001326991A (ja) 音声処理装置
JPH0819088A (ja) 音響処理方法
JP2011109283A (ja) デジタルフィルタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090313

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090410

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090609

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090609

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120619

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4326282

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130619

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130619

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140619

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees