JP2005026731A - 車載通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】利用者がダウンロードを希望するデータのダウンロードに要する時間と通信可能時間とを考慮してダウンロードを実行する車載通信装置を提供すること。
【解決手段】ユーザからのダウンロード要求に基づいて(ステップS1)、ダウンロード要求されたデータのファイル容量を取得し(ステップS3)、そのファイル容量に基づいてダウンロード時間を計算する(ステップS4)。また、外部に記憶された通信不能領域の情報によって自車両の走行経路上にある通信不能領域を検出し(ステップS5)、自車位置からこの通信不能領域に到達するまでの通信可能時間を計算する(ステップS7)。そして、計算された通信可能時間とダウンロード時間とを比較し(ステップS8)、ダウンロード時間が通信可能時間よりも小さい場合に、ダウンロード要求されたデータのダウンロードを実行する(ステップS9)。
【選択図】図2
【解決手段】ユーザからのダウンロード要求に基づいて(ステップS1)、ダウンロード要求されたデータのファイル容量を取得し(ステップS3)、そのファイル容量に基づいてダウンロード時間を計算する(ステップS4)。また、外部に記憶された通信不能領域の情報によって自車両の走行経路上にある通信不能領域を検出し(ステップS5)、自車位置からこの通信不能領域に到達するまでの通信可能時間を計算する(ステップS7)。そして、計算された通信可能時間とダウンロード時間とを比較し(ステップS8)、ダウンロード時間が通信可能時間よりも小さい場合に、ダウンロード要求されたデータのダウンロードを実行する(ステップS9)。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話などの通信端末を介して各種のデータのダウンロードを行う車載通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話を用いて種々の情報サービスを提供するプロバイダと接続し、各種のデータをダウンロードする車載通信装置が一般に利用されている。このような車載通信装置において、ダウンロード中に通信不能エリアに入って中断されることを未然に防ぐものが知られている。この車載通信装置は、車両の走行している現在位置と地図データ上に登録されている通信不能領域との地理的な関係により、現在位置から通信不能領域に到達するまでの通信可能時間を算出する。そして、算出された通信可能時間と、あらかじめ設定された所定情報量をダウンロードするのに要する基準時間とを比較し、基準時間よりも通信可能時間の方が短い場合には、携帯電話の回線接続を禁止する(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−326750号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の車載通信装置は、あらかじめ設定されている所定情報量に対する固定の基準時間よりも通信可能時間の方が短い場合に、携帯電話の回線接続を禁止する。しかし、ダウンロードするデータには、情報量が多いたとえば地図情報のようなものや、情報量が少ないたとえば音楽情報や天気情報のようなものなどがあり、それぞれのダウンロードに要する時間は異なる。そのため、利用者がダウンロードを希望するデータがダウンロード時間の短いものである場合には、基準時間より通信可能時間が短くても、通信可能時間内でこのデータをダウンロード可能なことがある。このような場合であっても、特許文献1の車載通信装置では、基準時間値より通信可能時間が短いために、携帯電話の回線接続が禁止されてダウンロードができない。
【0005】
本発明は、利用者がダウンロードを希望するデータのダウンロードに要する時間と通信可能時間とを考慮してダウンロードを実行する車載通信装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、地図情報を記憶している地図情報記憶手段と、地図情報に対応させて移動体通信装置の通信不能領域の情報を記憶している通信不能領域記憶手段と、自車両の現在位置である自車位置を検出する自車位置検出手段とを備えた車載ナビゲーション装置に接続され、各種情報データのうち選択されたものを移動体通信装置の回線接続を使用して外部の通信装置からダウンロードする車載通信装置において適用されるものであり、この車載通信装置は、自車位置検出手段により検出された自車位置、地図情報記憶手段により記憶された地図情報、および通信不能領域記憶手段により記憶された通信不能領域の情報に基づいて、自車両の前方の経路上に存在する通信不能領域を検出する通信不能領域検出手段と、自車両が自車位置から通信不能領域検出手段によって検出された通信不能領域に到達するまでの通信可能時間を計算する通信可能時間計算手段と、各種情報データのファイル容量を記憶する情報容量記憶手段と、情報容量記憶手段に記憶されているファイル容量のうち選択された情報データに対応するファイル容量を取得し、そのファイル容量に基づいて選択された情報データのダウンロードに要するダウンロード時間を計算するダウンロード時間計算手段と、通信可能時間とダウンロード時間とを比較し、ダウンロード時間が通信可能時間よりも小さい場合に、選択された情報データのダウンロードを実行する制御手段とを備えるものである。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、ダウンロード要求されたデータのファイル容量を取得し、そのファイル容量に基づいてダウンロード時間を計算する。また、外部に記憶された通信不能領域の情報によって自車両の走行経路上にある通信不能領域を検出し、自車位置からこの通信不能領域に到達するまでの通信可能時間を計算する。そして、計算された通信可能時間とダウンロード時間とを比較し、ダウンロード時間が通信可能時間よりも小さい場合に、ダウンロード要求されたデータのダウンロードを実行することとした。このようにしたので、利用者がダウンロードを希望するデータのダウンロードに要する時間と通信可能時間とを考慮してダウンロードを実行することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明による車載通信装置の一実施形態を図1に示す機能構成図を用いて説明する。車載通信装置1はナビゲーション装置2と接続されており、スイッチ4を介してユーザから要求された各種情報のデータを、携帯電話3を用いてダウンロードするものである。車載通信装置1は、通信不能領域検出部11、通信可能時間演算部12、ファイル容量格納部13、ダウンロード時間演算部14、途絶情報記憶部15、通信不能領域通過検出部16、データ通信部17、および制御部18の各機能構成部を有する。なお、これらの各機能構成部は、一般的なパソコンに組み込まれるアプリケーションや各種周辺機器などによって実現されるものである。
【0009】
ナビゲーション装置2は、目的地までの走行経路案内をユーザに対して行う車載の装置であり、GPSやジャイロなどによって自車位置を検出する位置検出部21、自車両から出力される車速パルスなどによって自車速度を検出する速度検出部22、道路交通情報通信システムにより提供される道路交通情報などによって走行経路の渋滞状況を検出する渋滞状況検出部23、書き換え可能な地図データをメモリやハードディスクなどによって記憶保持している地図データ記憶部24、および道路地図などの各種の画像情報をユーザに提供するディスプレイ25を有する。地図データ記憶部24に記憶されている地図データには、一般の地図情報として、道路や地形などの情報とともに走行経路の情報、高速道路や一般道路などの道路種別を示す道路情報等が含まれている。それに加え、これらの地図情報に対応させて、携帯電話3の通信が不能な地域(以下、通信不能領域という)の情報もこの地図データに含まれている。なお、通信不能領域には、トンネルやビル間などの電波が届かない地形の場所や、基地局からの電波が届かないサービス対象外の地域などが該当する。この通信不能領域の情報は、車載通信装置1の途絶情報記憶部15により記憶された通信不能領域が追加されることによって更新される。なお、途絶情報記憶部15が記憶する通信不能領域がどのようなものであるかについては後述する。
【0010】
車載通信装置1は、スイッチ4を介して行われるユーザからの各種情報データのダウンロード要求、たとえば音楽、ニュースなどのデータや、地図データなどのダウンロード要求を制御部18において受け付ける。ユーザからダウンロード要求が行われると、制御部18よりデータ通信部17を制御し、データ通信部17にブルートゥース接続された携帯電話3を移動体通信網などの通信インフラに回線接続する。これにより車外の不図示の通信装置と通信を行い、ユーザからダウンロードを要求されたデータをその通信装置からダウンロードする。
【0011】
本実施形態では、以上のようなダウンロードの実行時に、自車両が通信不能領域に到達するまでの所要時間(以下、通信可能時間という)と、ダウンロード要求されたデータのダウンロードに要する時間(以下、ダウンロード時間という)とに基づいて、ダウンロードの可否を判定する。このとき車載通信装置1が実行する処理のフローチャートを図2に示す。ステップS1では、制御部18において、ユーザからのデータのダウンロード要求があるか否かを判定する。このダウンロード要求はスイッチ4を介して行われる。ダウンロード要求がある場合は、次のステップS2へ進む。ダウンロード要求がない場合は、図2の処理フローをいったん終了する。いったん終了した後もこの処理フローは定期的に起動され、ステップS1においてダウンロード要求があると判定されると、ステップS2以降の処理が実行される。
【0012】
ステップS2では、ダウンロード要求されたデータのファイル容量(ファイルサイズ)の情報がファイル容量格納部13に格納されているか否かを判定する。ファイル容量格納部13には、各データの情報の内容やファイル種別、あるいは各データごとに、それぞれに対応するファイル容量が設定されている。ダウンロード要求されたデータのファイル容量の情報が格納されている場合はステップS3へ進み、格納されていない場合はステップS12へ進む。なお、ファイル容量格納部13には、後に説明するステップS17で過去に記憶されたファイル容量の情報が格納されている。ステップS3では、ダウンロード時間演算部14において、ダウンロード要求されたデータのファイル容量の情報をファイル容量格納部13より取得し、ステップS4へ進む。
【0013】
ステップS4では、ステップS3で取得したファイル容量の情報、または後述するステップS15で取得したファイル容量の情報に基づいて、ダウンロード時間を下記の式(1)を用いて計算する。
【数1】
Td=F/V ・・・・・・(1)
ただし
Td:ダウンロード時間
F:ダウンロード要求されたデータのファイル容量
V:ダウンロード時の通信速度
【0014】
ステップS5では、通信不能領域検出部11において、自車両の走行先に通信不能領域があるか否かを判定する。このとき、ナビゲーション装置2の位置検出部21より出力される自車位置の検出結果と、地図データ記憶部24に記憶されている通信不能領域の情報および走行経路の情報とに基づいて、自車両の走行経路を判断し、その走行先にある通信不能領域を検出する。自車両の走行先に通信不能領域が検出された場合はステップS6に進み、検出されない場合はステップS9へ進む。
【0015】
ステップS6では、通信可能時間演算部12において、ナビゲーション装置2の速度検出部22から出力される自車速度の検出結果と、渋滞状況検出部23から出力される走行経路の渋滞状況の検出結果とを取得し、ステップS7へ進む。ステップS7では、ステップS5において通信不能領域検出部11により検出された自車位置から通信不能領域までの距離と、ステップS6において取得した自車速度および渋滞状況とにより、通信可能時間を下記の式(2)を用いて計算する。
【数2】
Ta=D/S ・・・・・・(2)
ただし
Ta:通信可能時間
D:自車位置から通信不能領域までの距離
S:自車位置から通信不能領域までの間の予想平均自車速度
【0016】
上記式(2)において、予想平均自車速度Sは、所定期間において取得した自車速度の平均値に対し、取得した走行経路上の渋滞状況(混雑度と、その混雑度の累積距離)に比例した渋滞係数Jを積算することによって求められる。このとき、地図データ記憶部24に記憶された道路情報によって高速道路や一般道路などの道路種別を判断し、走行経路上に高速道路が含まれる場合は、一般道路に対する走行速度の増加分と、その高速道路の区間の距離とによって表される高速走行係数Hをさらに積算して予想平均自車速度Sを求めることで、より精度よく通信可能時間Taを求めることができる。
【0017】
ステップS8では、制御部18において、ステップS4でダウンロード時間演算部14により計算されたダウンロード時間と、ステップS7で通信可能時間演算部12により計算された通信可能時間とを比較する。ダウンロード時間が通信可能時間よりも小さい場合はステップS9へ進む。ステップS9では、後に説明するダウンロード処理を行うことにより、ダウンロード要求されたデータをダウンロードする。ステップS9を実行してダウンロードが完了したら、図2の処理フローを終了する。
【0018】
一方、ステップS8においてダウンロード時間が通信可能時間以上である場合は、ステップS10へ進む。ステップS10では、後に説明するダウンロード禁止処理を行うことにより、自車両が通信不能領域を抜けるまでの間ダウンロードを禁止する。ステップS10を実行した後、ステップS11では、ユーザがスイッチ4を介して行う選択の結果により、ステップS10でダウンロード禁止処理が行われたデータのダウンロードを続行するか否かを判定する。ユーザがダウンロードの続行を選択した場合はステップS5に戻り、続行しないことを選択した場合は図2の処理フローを終了する。このとき、ユーザによってダウンロード要求されたデータはダウンロードされない。
【0019】
前述のステップS2が否定判定された場合は、ファイル容量の情報を得るために、ステップS12において携帯電話3の通信回線の接続を実行する。ステップS13では、ステップS12において通信回線の接続が成功したか否かを判定する。成功した場合はステップS15へ進み、成功しなかった場合はステップS14へ進む。ステップS14では、ステップS12で通信回線の接続が成功しなかったときの自車両の現在位置を通信不能領域として途絶情報記憶部15に記憶する。途絶情報記憶部15は、このようにして通信不能領域の情報が記憶されると、ナビゲーション装置2の地図データ記憶部24に記憶された地図データにその通信不能領域の情報を追加して、地図データを更新する。
【0020】
ステップS15では、ステップS12において接続された通信回線を通じて車外の通信装置と接続し、その通信装置よりダウンロード要求されたデータのファイル容量情報を取得する。次のステップS16において通信回線を切断した後、ステップS17では、ステップS15で取得したファイル容量の情報をファイル容量格納部13に格納する。ステップS17の実行後は、ステップS4へ進む。
【0021】
次に、ステップS9で実行するダウンロード処理について、図3に示す処理フローを用いて説明する。ステップS21では、制御部18においてデータ通信部17を制御し、携帯電話3の通信回線の接続を実行する。ステップS22では、ステップS21において通信回線の接続が成功したか否かを判定する。成功した場合はステップS23へ進み、成功しなかった場合はステップS28へ進む。ステップS23では、ステップS21において接続された通信回線を通じて前述した通信装置と接続し、ダウンロード要求されたデータをその通信装置からダウンロードする。
【0022】
ステップS24では、ステップS23において実行したダウンロードが正常に終了したか否かを判定する。ダウンロードが正常に終了してファイルがダウンロードされた場合は、ステップS25に進んで通信回線を切断した後、図3の処理フローを終了する。これにより、図2のステップS9が実行され、その後に図2の処理フローが終了する。このとき、ユーザによりダウンロード要求されたデータがダウンロードされ、ユーザに対して各種の情報を提供することができる。
【0023】
一方、ステップS24においてダウンロードが正常に終了しなかった場合は、ステップS26に進み、ダウンロード中に通信回線が切断されたか否かを判定する。ダウンロード中に通信回線が切断されたと判定した場合は、ステップS27へ進み、図2のステップS14と同様に、自車両の現在位置を通信不能領域として途絶情報記憶部15に記憶する。ステップS27の実行終了後はステップS21へ戻り、再び通信回線の接続を実行する。また、ステップS26においてダウンロード中に通信回線が切断されなかったと判定した場合、すなわち他の何らかの原因によってダウンロードが正常に終了しなかった場合にも、ステップS21へ戻って再び通信回線の接続を実行する。
【0024】
ステップS22において通信回線の接続が成功しなかった場合は、ステップS28へ進む。ステップS28では、ステップS27や図2のステップS14と同様に、自車両の現在位置を通信不能領域として途絶情報記憶部15に記憶する。ステップS29では、ダウンロードを要求されたデータについて、このデータのダウンロードのリトライを実行するか否かを判定する。このとき、ディスプレイ25への画面表示や音声などによって、リトライを実行するか否かをユーザに選択するよう通知し、ユーザの選択結果によりリトライを実行するか否かを判定する。ユーザがスイッチ4の操作などによってリトライの実行を選択した場合は、リトライを実行すると判定してステップS21へ戻り、再度通信回線の接続を実行する。ユーザがリトライの実行を選択しなかった場合には、リトライを実行しないと判定して図3の処理フローを終了する。これにより、図2のステップS9が実行され、その後に図2の処理フローが終了する。このとき、ダウンロード要求されたファイルはダウンロードされない。
【0025】
次に、図2のステップS10のダウンロード禁止処理について、図4に示す処理フローを用いて説明する。ステップS31では、制御部18において携帯電話3による通信回線の接続を禁止し、通信回線の接続処理を行わないようにする。このステップS31の処理を実行した後、ステップS32において、通信不能領域に近づいているために通信回線の接続を禁止したことをユーザに対して通知する。この通知は、たとえば、ナビゲーション装置2のディスプレイ25による画面表示や音声などによって行う。
【0026】
ステップS33では、通信不能領域を通過するときの自車位置を通信不能領域検出部11より取得し、それを通信不能領域通過検出部16に記憶する。ステップS34では、通信不能領域通過検出部16において、記憶された通信不能領域を通過するときの自車位置と、ナビゲーション装置2の位置検出部21において検出された自車位置とを比較することにより、通信不能領域の通過を検出する。位置検出部21において検出された自車位置が、記憶された通信不能領域通過時の自車位置に達したとき、通信不能領域を通過したと判定し、図4の処理フローを終了して図2のステップS11へ戻る。これにより、ステップS31において禁止された携帯電話3による通信回線の接続が解除される。
【0027】
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)ユーザからのダウンロード要求に基づいて(ステップS1)、ダウンロード要求されたデータのファイル容量をファイル容量格納部13より取得し(ステップS3)、そのファイル容量に基づいてダウンロード時間計算部14においてダウンロード時間を計算する(ステップS4)。また、地図データ記憶部24に記憶された通信不能領域の情報によって、通信不能領域検出部11において自車両の走行経路上にある通信不能領域を検出し(ステップS5)、通信可能時間演算部12において、自車位置からこの通信不能領域に到達するまでの通信可能時間を計算する(ステップS7)。そして、計算された通信可能時間とダウンロード時間とを比較し(ステップS8)、ダウンロード時間が通信可能時間よりも小さい場合に、ダウンロード要求されたデータのダウンロードを実行することとした(ステップS9)。このようにしたので、ユーザからダウンロード要求されたデータのダウンロード時間と通信可能時間とに応じて、ダウンロードを実行することができる。
(2)ダウンロード時間が通信可能時間以上である場合には、ダウンロード禁止処理を実行して(ステップS10)、携帯電話3による通信回線の接続を禁止し、通信回線の接続処理を行わないようにすることとした(ステップS31)。このようにしたので、ダウンロード中に車両が通信不能領域に入ってしまい通信が途絶えることを未然に防ぐことができるため、無駄な通信を回避して通信費を低減することができる。
(3)ダウンロード要求されたデータのファイル容量がファイル容量格納部13に格納されているか否かを判定し(ステップS2)、格納されていない場合、外部の通信装置からそのファイル容量を取得することとした(ステップS15)。このようにしたので、ファイル容量が不明なデータについても、確実にダウンロードの実行の可否を判定することができる。
(4)携帯電話3による通信回線の接続が接続時およびダウンロード中において成功したか否かを判定し(ステップS12、S22、S26)、接続が成功しなかった場合、そのときの自車両の現在位置を通信不能領域として途絶情報記憶部15に記憶する。さらに、途絶情報記憶部15に通信不能領域の情報が記憶されると、ナビゲーション装置2の地図データ記憶部24に記憶された地図データにその通信不能領域の情報を追加して、地図データを更新するようにした。このようにしたので、通信不能領域を精度良く設定することができ、後日同じ道路を通過する場合などにおいて、ダウンロードの可否の判定精度を向上することができる。
(5)通信可能時間演算部12において通信可能時間を計算するとき、速度検出部22から出力される自車速度の検出結果と、渋滞状況検出部23から出力される走行経路の渋滞状況の検出結果とを取得し(ステップS6)、取得した自車速度と渋滞状況とに基づいて、自車位置から通信不能領域までの間の予想平均自車速度Sを計算し、その予想平均自車速度Sに基づいて通信可能時間を計算することとした(ステップS7)。このようにしたので、通信可能時間を精度良く計算することができる。
【0028】
なお、上記実施の形態では、ステップS10においてダウンロード禁止処理を実行した後、ステップS11においてダウンロードを続行するか否かを判定し、ダウンロードを続行する場合にはステップS5へ戻ることとした。これにより、ステップS5〜S8の処理によって再びダウンロードが実行可能か否かが判定され、ダウンロードが実行可能なときのみステップS9においてダウンロード処理が実行される。しかし、ステップS10においてダウンロード禁止処理を実行した後に、直接ダウンロード処理を実行するようにしてもよい。具体的には、ステップS11を無くして、ステップS10の後にはステップS9を実行するようにすればよい。このようにすることで、ユーザが一度ダウンロード要求したデータに対して、再度の操作を必要とせずにダウンロードを実行することができるので、ユーザの操作性向上を図ることができる。
【0029】
また、上記実施の形態では、地図情報と通信不能領域情報を合わせて、書き換え可能な地図データとして地図データ記憶部24に記憶する例について説明したが、本発明はこの内容に限定されない。地図情報と通信不能領域情報を別々に記憶し、これらを地図上で対応付けるようにしてもよい。この場合、地図情報については書き換え可能である必要はなく、DVD−ROMやCD−ROM等に記録された読み出し専用のデータを地図情報として用いてもよい。
【0030】
以上の実施の形態では、通信不能領域検出手段、通信可能時間計算手段、情報容量記憶手段、ダウンロード時間計算手段、制御手段、途絶情報記憶手段、および通信不能領域通過検出手段の各手段を、それぞれ通信不能領域検出部11、通信可能時間演算部12、ファイル容量格納部13、ダウンロード時間演算部14、制御部18、途絶情報記憶部15、および通信不能領域通過検出部16の各機能構成部によって実現している。また、地図情報記憶手段および通信不能領域記憶手段をナビゲーション装置2の地図データ記憶部24により実現し、自車位置検出手段、速度検出手段および渋滞状況検出手段を、それぞれナビゲーション装置2の位置検出部21、速度検出部22および渋滞状況検出部23により実現し、さらに、移動体通信装置を携帯電話3、入力手段をスイッチ4によってそれぞれ実現している。しかし、これらはあくまで一例であり、本発明の特徴が損なわれない限り、各構成要素は上記実施の形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】車載通信装置の一実施形態の形態の構成を示す図である。
【図2】ダウンロードの可否を判定するときの処理フローチャートを示す図である。
【図3】ダウンロード処理の内容を説明するための処理フローを示す図である。
【図4】ダウンロード禁止処理の内容を説明するための処理フローを示す図である。
【符号の説明】
1:車載通信装置 2:ナビゲーション装置
3:携帯電話 4:スイッチ
11:通信不能領域検出部 12:通信可能時間演算部
13:ファイル容量格納部 14:ダウンロード時間演算部
15:途絶情報記憶部 16:通信不能領域通過検出部
17:データ通信部 18:制御部
21:位置検出部 22:速度検出部
23:渋滞状況検出部 24:地図データ記憶部
25:ディスプレイ
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話などの通信端末を介して各種のデータのダウンロードを行う車載通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話を用いて種々の情報サービスを提供するプロバイダと接続し、各種のデータをダウンロードする車載通信装置が一般に利用されている。このような車載通信装置において、ダウンロード中に通信不能エリアに入って中断されることを未然に防ぐものが知られている。この車載通信装置は、車両の走行している現在位置と地図データ上に登録されている通信不能領域との地理的な関係により、現在位置から通信不能領域に到達するまでの通信可能時間を算出する。そして、算出された通信可能時間と、あらかじめ設定された所定情報量をダウンロードするのに要する基準時間とを比較し、基準時間よりも通信可能時間の方が短い場合には、携帯電話の回線接続を禁止する(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−326750号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の車載通信装置は、あらかじめ設定されている所定情報量に対する固定の基準時間よりも通信可能時間の方が短い場合に、携帯電話の回線接続を禁止する。しかし、ダウンロードするデータには、情報量が多いたとえば地図情報のようなものや、情報量が少ないたとえば音楽情報や天気情報のようなものなどがあり、それぞれのダウンロードに要する時間は異なる。そのため、利用者がダウンロードを希望するデータがダウンロード時間の短いものである場合には、基準時間より通信可能時間が短くても、通信可能時間内でこのデータをダウンロード可能なことがある。このような場合であっても、特許文献1の車載通信装置では、基準時間値より通信可能時間が短いために、携帯電話の回線接続が禁止されてダウンロードができない。
【0005】
本発明は、利用者がダウンロードを希望するデータのダウンロードに要する時間と通信可能時間とを考慮してダウンロードを実行する車載通信装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、地図情報を記憶している地図情報記憶手段と、地図情報に対応させて移動体通信装置の通信不能領域の情報を記憶している通信不能領域記憶手段と、自車両の現在位置である自車位置を検出する自車位置検出手段とを備えた車載ナビゲーション装置に接続され、各種情報データのうち選択されたものを移動体通信装置の回線接続を使用して外部の通信装置からダウンロードする車載通信装置において適用されるものであり、この車載通信装置は、自車位置検出手段により検出された自車位置、地図情報記憶手段により記憶された地図情報、および通信不能領域記憶手段により記憶された通信不能領域の情報に基づいて、自車両の前方の経路上に存在する通信不能領域を検出する通信不能領域検出手段と、自車両が自車位置から通信不能領域検出手段によって検出された通信不能領域に到達するまでの通信可能時間を計算する通信可能時間計算手段と、各種情報データのファイル容量を記憶する情報容量記憶手段と、情報容量記憶手段に記憶されているファイル容量のうち選択された情報データに対応するファイル容量を取得し、そのファイル容量に基づいて選択された情報データのダウンロードに要するダウンロード時間を計算するダウンロード時間計算手段と、通信可能時間とダウンロード時間とを比較し、ダウンロード時間が通信可能時間よりも小さい場合に、選択された情報データのダウンロードを実行する制御手段とを備えるものである。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、ダウンロード要求されたデータのファイル容量を取得し、そのファイル容量に基づいてダウンロード時間を計算する。また、外部に記憶された通信不能領域の情報によって自車両の走行経路上にある通信不能領域を検出し、自車位置からこの通信不能領域に到達するまでの通信可能時間を計算する。そして、計算された通信可能時間とダウンロード時間とを比較し、ダウンロード時間が通信可能時間よりも小さい場合に、ダウンロード要求されたデータのダウンロードを実行することとした。このようにしたので、利用者がダウンロードを希望するデータのダウンロードに要する時間と通信可能時間とを考慮してダウンロードを実行することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明による車載通信装置の一実施形態を図1に示す機能構成図を用いて説明する。車載通信装置1はナビゲーション装置2と接続されており、スイッチ4を介してユーザから要求された各種情報のデータを、携帯電話3を用いてダウンロードするものである。車載通信装置1は、通信不能領域検出部11、通信可能時間演算部12、ファイル容量格納部13、ダウンロード時間演算部14、途絶情報記憶部15、通信不能領域通過検出部16、データ通信部17、および制御部18の各機能構成部を有する。なお、これらの各機能構成部は、一般的なパソコンに組み込まれるアプリケーションや各種周辺機器などによって実現されるものである。
【0009】
ナビゲーション装置2は、目的地までの走行経路案内をユーザに対して行う車載の装置であり、GPSやジャイロなどによって自車位置を検出する位置検出部21、自車両から出力される車速パルスなどによって自車速度を検出する速度検出部22、道路交通情報通信システムにより提供される道路交通情報などによって走行経路の渋滞状況を検出する渋滞状況検出部23、書き換え可能な地図データをメモリやハードディスクなどによって記憶保持している地図データ記憶部24、および道路地図などの各種の画像情報をユーザに提供するディスプレイ25を有する。地図データ記憶部24に記憶されている地図データには、一般の地図情報として、道路や地形などの情報とともに走行経路の情報、高速道路や一般道路などの道路種別を示す道路情報等が含まれている。それに加え、これらの地図情報に対応させて、携帯電話3の通信が不能な地域(以下、通信不能領域という)の情報もこの地図データに含まれている。なお、通信不能領域には、トンネルやビル間などの電波が届かない地形の場所や、基地局からの電波が届かないサービス対象外の地域などが該当する。この通信不能領域の情報は、車載通信装置1の途絶情報記憶部15により記憶された通信不能領域が追加されることによって更新される。なお、途絶情報記憶部15が記憶する通信不能領域がどのようなものであるかについては後述する。
【0010】
車載通信装置1は、スイッチ4を介して行われるユーザからの各種情報データのダウンロード要求、たとえば音楽、ニュースなどのデータや、地図データなどのダウンロード要求を制御部18において受け付ける。ユーザからダウンロード要求が行われると、制御部18よりデータ通信部17を制御し、データ通信部17にブルートゥース接続された携帯電話3を移動体通信網などの通信インフラに回線接続する。これにより車外の不図示の通信装置と通信を行い、ユーザからダウンロードを要求されたデータをその通信装置からダウンロードする。
【0011】
本実施形態では、以上のようなダウンロードの実行時に、自車両が通信不能領域に到達するまでの所要時間(以下、通信可能時間という)と、ダウンロード要求されたデータのダウンロードに要する時間(以下、ダウンロード時間という)とに基づいて、ダウンロードの可否を判定する。このとき車載通信装置1が実行する処理のフローチャートを図2に示す。ステップS1では、制御部18において、ユーザからのデータのダウンロード要求があるか否かを判定する。このダウンロード要求はスイッチ4を介して行われる。ダウンロード要求がある場合は、次のステップS2へ進む。ダウンロード要求がない場合は、図2の処理フローをいったん終了する。いったん終了した後もこの処理フローは定期的に起動され、ステップS1においてダウンロード要求があると判定されると、ステップS2以降の処理が実行される。
【0012】
ステップS2では、ダウンロード要求されたデータのファイル容量(ファイルサイズ)の情報がファイル容量格納部13に格納されているか否かを判定する。ファイル容量格納部13には、各データの情報の内容やファイル種別、あるいは各データごとに、それぞれに対応するファイル容量が設定されている。ダウンロード要求されたデータのファイル容量の情報が格納されている場合はステップS3へ進み、格納されていない場合はステップS12へ進む。なお、ファイル容量格納部13には、後に説明するステップS17で過去に記憶されたファイル容量の情報が格納されている。ステップS3では、ダウンロード時間演算部14において、ダウンロード要求されたデータのファイル容量の情報をファイル容量格納部13より取得し、ステップS4へ進む。
【0013】
ステップS4では、ステップS3で取得したファイル容量の情報、または後述するステップS15で取得したファイル容量の情報に基づいて、ダウンロード時間を下記の式(1)を用いて計算する。
【数1】
Td=F/V ・・・・・・(1)
ただし
Td:ダウンロード時間
F:ダウンロード要求されたデータのファイル容量
V:ダウンロード時の通信速度
【0014】
ステップS5では、通信不能領域検出部11において、自車両の走行先に通信不能領域があるか否かを判定する。このとき、ナビゲーション装置2の位置検出部21より出力される自車位置の検出結果と、地図データ記憶部24に記憶されている通信不能領域の情報および走行経路の情報とに基づいて、自車両の走行経路を判断し、その走行先にある通信不能領域を検出する。自車両の走行先に通信不能領域が検出された場合はステップS6に進み、検出されない場合はステップS9へ進む。
【0015】
ステップS6では、通信可能時間演算部12において、ナビゲーション装置2の速度検出部22から出力される自車速度の検出結果と、渋滞状況検出部23から出力される走行経路の渋滞状況の検出結果とを取得し、ステップS7へ進む。ステップS7では、ステップS5において通信不能領域検出部11により検出された自車位置から通信不能領域までの距離と、ステップS6において取得した自車速度および渋滞状況とにより、通信可能時間を下記の式(2)を用いて計算する。
【数2】
Ta=D/S ・・・・・・(2)
ただし
Ta:通信可能時間
D:自車位置から通信不能領域までの距離
S:自車位置から通信不能領域までの間の予想平均自車速度
【0016】
上記式(2)において、予想平均自車速度Sは、所定期間において取得した自車速度の平均値に対し、取得した走行経路上の渋滞状況(混雑度と、その混雑度の累積距離)に比例した渋滞係数Jを積算することによって求められる。このとき、地図データ記憶部24に記憶された道路情報によって高速道路や一般道路などの道路種別を判断し、走行経路上に高速道路が含まれる場合は、一般道路に対する走行速度の増加分と、その高速道路の区間の距離とによって表される高速走行係数Hをさらに積算して予想平均自車速度Sを求めることで、より精度よく通信可能時間Taを求めることができる。
【0017】
ステップS8では、制御部18において、ステップS4でダウンロード時間演算部14により計算されたダウンロード時間と、ステップS7で通信可能時間演算部12により計算された通信可能時間とを比較する。ダウンロード時間が通信可能時間よりも小さい場合はステップS9へ進む。ステップS9では、後に説明するダウンロード処理を行うことにより、ダウンロード要求されたデータをダウンロードする。ステップS9を実行してダウンロードが完了したら、図2の処理フローを終了する。
【0018】
一方、ステップS8においてダウンロード時間が通信可能時間以上である場合は、ステップS10へ進む。ステップS10では、後に説明するダウンロード禁止処理を行うことにより、自車両が通信不能領域を抜けるまでの間ダウンロードを禁止する。ステップS10を実行した後、ステップS11では、ユーザがスイッチ4を介して行う選択の結果により、ステップS10でダウンロード禁止処理が行われたデータのダウンロードを続行するか否かを判定する。ユーザがダウンロードの続行を選択した場合はステップS5に戻り、続行しないことを選択した場合は図2の処理フローを終了する。このとき、ユーザによってダウンロード要求されたデータはダウンロードされない。
【0019】
前述のステップS2が否定判定された場合は、ファイル容量の情報を得るために、ステップS12において携帯電話3の通信回線の接続を実行する。ステップS13では、ステップS12において通信回線の接続が成功したか否かを判定する。成功した場合はステップS15へ進み、成功しなかった場合はステップS14へ進む。ステップS14では、ステップS12で通信回線の接続が成功しなかったときの自車両の現在位置を通信不能領域として途絶情報記憶部15に記憶する。途絶情報記憶部15は、このようにして通信不能領域の情報が記憶されると、ナビゲーション装置2の地図データ記憶部24に記憶された地図データにその通信不能領域の情報を追加して、地図データを更新する。
【0020】
ステップS15では、ステップS12において接続された通信回線を通じて車外の通信装置と接続し、その通信装置よりダウンロード要求されたデータのファイル容量情報を取得する。次のステップS16において通信回線を切断した後、ステップS17では、ステップS15で取得したファイル容量の情報をファイル容量格納部13に格納する。ステップS17の実行後は、ステップS4へ進む。
【0021】
次に、ステップS9で実行するダウンロード処理について、図3に示す処理フローを用いて説明する。ステップS21では、制御部18においてデータ通信部17を制御し、携帯電話3の通信回線の接続を実行する。ステップS22では、ステップS21において通信回線の接続が成功したか否かを判定する。成功した場合はステップS23へ進み、成功しなかった場合はステップS28へ進む。ステップS23では、ステップS21において接続された通信回線を通じて前述した通信装置と接続し、ダウンロード要求されたデータをその通信装置からダウンロードする。
【0022】
ステップS24では、ステップS23において実行したダウンロードが正常に終了したか否かを判定する。ダウンロードが正常に終了してファイルがダウンロードされた場合は、ステップS25に進んで通信回線を切断した後、図3の処理フローを終了する。これにより、図2のステップS9が実行され、その後に図2の処理フローが終了する。このとき、ユーザによりダウンロード要求されたデータがダウンロードされ、ユーザに対して各種の情報を提供することができる。
【0023】
一方、ステップS24においてダウンロードが正常に終了しなかった場合は、ステップS26に進み、ダウンロード中に通信回線が切断されたか否かを判定する。ダウンロード中に通信回線が切断されたと判定した場合は、ステップS27へ進み、図2のステップS14と同様に、自車両の現在位置を通信不能領域として途絶情報記憶部15に記憶する。ステップS27の実行終了後はステップS21へ戻り、再び通信回線の接続を実行する。また、ステップS26においてダウンロード中に通信回線が切断されなかったと判定した場合、すなわち他の何らかの原因によってダウンロードが正常に終了しなかった場合にも、ステップS21へ戻って再び通信回線の接続を実行する。
【0024】
ステップS22において通信回線の接続が成功しなかった場合は、ステップS28へ進む。ステップS28では、ステップS27や図2のステップS14と同様に、自車両の現在位置を通信不能領域として途絶情報記憶部15に記憶する。ステップS29では、ダウンロードを要求されたデータについて、このデータのダウンロードのリトライを実行するか否かを判定する。このとき、ディスプレイ25への画面表示や音声などによって、リトライを実行するか否かをユーザに選択するよう通知し、ユーザの選択結果によりリトライを実行するか否かを判定する。ユーザがスイッチ4の操作などによってリトライの実行を選択した場合は、リトライを実行すると判定してステップS21へ戻り、再度通信回線の接続を実行する。ユーザがリトライの実行を選択しなかった場合には、リトライを実行しないと判定して図3の処理フローを終了する。これにより、図2のステップS9が実行され、その後に図2の処理フローが終了する。このとき、ダウンロード要求されたファイルはダウンロードされない。
【0025】
次に、図2のステップS10のダウンロード禁止処理について、図4に示す処理フローを用いて説明する。ステップS31では、制御部18において携帯電話3による通信回線の接続を禁止し、通信回線の接続処理を行わないようにする。このステップS31の処理を実行した後、ステップS32において、通信不能領域に近づいているために通信回線の接続を禁止したことをユーザに対して通知する。この通知は、たとえば、ナビゲーション装置2のディスプレイ25による画面表示や音声などによって行う。
【0026】
ステップS33では、通信不能領域を通過するときの自車位置を通信不能領域検出部11より取得し、それを通信不能領域通過検出部16に記憶する。ステップS34では、通信不能領域通過検出部16において、記憶された通信不能領域を通過するときの自車位置と、ナビゲーション装置2の位置検出部21において検出された自車位置とを比較することにより、通信不能領域の通過を検出する。位置検出部21において検出された自車位置が、記憶された通信不能領域通過時の自車位置に達したとき、通信不能領域を通過したと判定し、図4の処理フローを終了して図2のステップS11へ戻る。これにより、ステップS31において禁止された携帯電話3による通信回線の接続が解除される。
【0027】
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)ユーザからのダウンロード要求に基づいて(ステップS1)、ダウンロード要求されたデータのファイル容量をファイル容量格納部13より取得し(ステップS3)、そのファイル容量に基づいてダウンロード時間計算部14においてダウンロード時間を計算する(ステップS4)。また、地図データ記憶部24に記憶された通信不能領域の情報によって、通信不能領域検出部11において自車両の走行経路上にある通信不能領域を検出し(ステップS5)、通信可能時間演算部12において、自車位置からこの通信不能領域に到達するまでの通信可能時間を計算する(ステップS7)。そして、計算された通信可能時間とダウンロード時間とを比較し(ステップS8)、ダウンロード時間が通信可能時間よりも小さい場合に、ダウンロード要求されたデータのダウンロードを実行することとした(ステップS9)。このようにしたので、ユーザからダウンロード要求されたデータのダウンロード時間と通信可能時間とに応じて、ダウンロードを実行することができる。
(2)ダウンロード時間が通信可能時間以上である場合には、ダウンロード禁止処理を実行して(ステップS10)、携帯電話3による通信回線の接続を禁止し、通信回線の接続処理を行わないようにすることとした(ステップS31)。このようにしたので、ダウンロード中に車両が通信不能領域に入ってしまい通信が途絶えることを未然に防ぐことができるため、無駄な通信を回避して通信費を低減することができる。
(3)ダウンロード要求されたデータのファイル容量がファイル容量格納部13に格納されているか否かを判定し(ステップS2)、格納されていない場合、外部の通信装置からそのファイル容量を取得することとした(ステップS15)。このようにしたので、ファイル容量が不明なデータについても、確実にダウンロードの実行の可否を判定することができる。
(4)携帯電話3による通信回線の接続が接続時およびダウンロード中において成功したか否かを判定し(ステップS12、S22、S26)、接続が成功しなかった場合、そのときの自車両の現在位置を通信不能領域として途絶情報記憶部15に記憶する。さらに、途絶情報記憶部15に通信不能領域の情報が記憶されると、ナビゲーション装置2の地図データ記憶部24に記憶された地図データにその通信不能領域の情報を追加して、地図データを更新するようにした。このようにしたので、通信不能領域を精度良く設定することができ、後日同じ道路を通過する場合などにおいて、ダウンロードの可否の判定精度を向上することができる。
(5)通信可能時間演算部12において通信可能時間を計算するとき、速度検出部22から出力される自車速度の検出結果と、渋滞状況検出部23から出力される走行経路の渋滞状況の検出結果とを取得し(ステップS6)、取得した自車速度と渋滞状況とに基づいて、自車位置から通信不能領域までの間の予想平均自車速度Sを計算し、その予想平均自車速度Sに基づいて通信可能時間を計算することとした(ステップS7)。このようにしたので、通信可能時間を精度良く計算することができる。
【0028】
なお、上記実施の形態では、ステップS10においてダウンロード禁止処理を実行した後、ステップS11においてダウンロードを続行するか否かを判定し、ダウンロードを続行する場合にはステップS5へ戻ることとした。これにより、ステップS5〜S8の処理によって再びダウンロードが実行可能か否かが判定され、ダウンロードが実行可能なときのみステップS9においてダウンロード処理が実行される。しかし、ステップS10においてダウンロード禁止処理を実行した後に、直接ダウンロード処理を実行するようにしてもよい。具体的には、ステップS11を無くして、ステップS10の後にはステップS9を実行するようにすればよい。このようにすることで、ユーザが一度ダウンロード要求したデータに対して、再度の操作を必要とせずにダウンロードを実行することができるので、ユーザの操作性向上を図ることができる。
【0029】
また、上記実施の形態では、地図情報と通信不能領域情報を合わせて、書き換え可能な地図データとして地図データ記憶部24に記憶する例について説明したが、本発明はこの内容に限定されない。地図情報と通信不能領域情報を別々に記憶し、これらを地図上で対応付けるようにしてもよい。この場合、地図情報については書き換え可能である必要はなく、DVD−ROMやCD−ROM等に記録された読み出し専用のデータを地図情報として用いてもよい。
【0030】
以上の実施の形態では、通信不能領域検出手段、通信可能時間計算手段、情報容量記憶手段、ダウンロード時間計算手段、制御手段、途絶情報記憶手段、および通信不能領域通過検出手段の各手段を、それぞれ通信不能領域検出部11、通信可能時間演算部12、ファイル容量格納部13、ダウンロード時間演算部14、制御部18、途絶情報記憶部15、および通信不能領域通過検出部16の各機能構成部によって実現している。また、地図情報記憶手段および通信不能領域記憶手段をナビゲーション装置2の地図データ記憶部24により実現し、自車位置検出手段、速度検出手段および渋滞状況検出手段を、それぞれナビゲーション装置2の位置検出部21、速度検出部22および渋滞状況検出部23により実現し、さらに、移動体通信装置を携帯電話3、入力手段をスイッチ4によってそれぞれ実現している。しかし、これらはあくまで一例であり、本発明の特徴が損なわれない限り、各構成要素は上記実施の形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】車載通信装置の一実施形態の形態の構成を示す図である。
【図2】ダウンロードの可否を判定するときの処理フローチャートを示す図である。
【図3】ダウンロード処理の内容を説明するための処理フローを示す図である。
【図4】ダウンロード禁止処理の内容を説明するための処理フローを示す図である。
【符号の説明】
1:車載通信装置 2:ナビゲーション装置
3:携帯電話 4:スイッチ
11:通信不能領域検出部 12:通信可能時間演算部
13:ファイル容量格納部 14:ダウンロード時間演算部
15:途絶情報記憶部 16:通信不能領域通過検出部
17:データ通信部 18:制御部
21:位置検出部 22:速度検出部
23:渋滞状況検出部 24:地図データ記憶部
25:ディスプレイ
Claims (6)
- 地図情報を記憶している地図情報記憶手段と、前記地図情報に対応させて移動体通信装置の通信不能領域の情報を記憶している通信不能領域記憶手段と、自車両の現在位置である自車位置を検出する自車位置検出手段とを備えた車載ナビゲーション装置に接続され、各種情報データのうち選択されたものを前記移動体通信装置の回線接続を使用して外部の通信装置からダウンロードする車載通信装置において、
前記自車位置検出手段により検出された自車位置、前記地図情報記憶手段により記憶された地図情報、および前記通信不能領域記憶手段により記憶された通信不能領域の情報に基づいて、前記自車両の前方の経路上に存在する通信不能領域を検出する通信不能領域検出手段と、
前記自車両が前記自車位置から前記通信不能領域検出手段によって検出された通信不能領域に到達するまでの通信可能時間を計算する通信可能時間計算手段と、
各種情報データのファイル容量を記憶する情報容量記憶手段と、
前記情報容量記憶手段に記憶されているファイル容量のうち選択された情報データに対応するファイル容量を取得し、そのファイル容量に基づいて前記選択された情報データのダウンロードに要するダウンロード時間を計算するダウンロード時間計算手段と、
前記通信可能時間と前記ダウンロード時間とを比較し、前記ダウンロード時間が前記通信可能時間よりも小さい場合に、前記選択された情報データのダウンロードを実行する制御手段とを備えることを特徴とする車載通信装置。 - 請求項1の車載通信装置において、
前記制御手段は、前記ダウンロード時間が前記通信可能時間以上である場合には、前記移動体通信装置の回線接続を禁止することを特徴とする車載通信装置。 - 請求項1または2の車載通信装置において、
前記制御手段は、前記選択された情報データに対応するファイル容量が前記情報容量記憶手段に記憶されているか否かを判定し、記憶されていない場合、そのファイル容量を前記移動体通信装置の回線接続を使用して前記通信装置から取得し、
前記ダウンロード時間計算手段は、前記制御手段により前記通信装置から取得されたファイル容量に基づいて、前記選択された情報データのダウンロードに要するダウンロード時間を計算することを特徴とする車載通信装置。 - 請求項1〜3のいずれかの車載通信装置において、
前記移動体通信装置の回線接続が成功しなかった場合、そのときの自車位置を通信不能領域として記憶し、前記通信不能領域記憶手段により記憶されている通信不能領域情報にその記憶された通信不能領域を追加して前記通信不能領域情報を更新する途絶情報記憶手段をさらに備えることを特徴とする車載通信装置。 - 請求項2の車載通信装置において、
前記通信不能領域検出手段によって検出された通信不能領域を前記自車両が通過するときの通過自車位置を記憶し、その通過自車位置と前記自車位置検出手段により検出された現在の自車位置とを比較することによって前記自車両が通信不能領域を通過したことを検出する通信不能領域通過検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記通信不能領域通過検出手段により前記自車両が通信不能領域を通過したことが検出された場合、前記移動体通信装置の回線接続の禁止を解除し、前記選択された情報データのダウンロードを実行することを特徴とする車載通信装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の車載通信装置において、
前記通信可能時間計算手段は、前記自車両の現在速度と経路の渋滞状況とに基づいて、前記自車両が前記自車位置から前記通信不能領域検出手段によって検出された通信不能領域に到達するまでの予想平均時間を計算し、その予想平均時間に基づいて前記通信可能時間を計算することを特徴とする車載通信装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003186622A JP2005026731A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 車載通信装置 |
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2003
- 2003-06-30 JP JP2003186622A patent/JP2005026731A/ja active Pending
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