JP2005026489A - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents

基板処理方法および基板処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】表面にパターンが形成された円形基板であっても、その表面に対して処理液による処理を良好に施すことができる基板処理方法および基板処理装置を提供する。
【解決手段】ウエハWの表面に硫酸の液膜を形成する工程(ステップS3)に先立って、ウエハWが高速回転されつつ、その高速回転しているウエハWの表面の中央部に硫酸が供給されることにより、ウエハWの表面の全域が硫酸によって湿潤した状態にされる(ステップS1,S2)。これにより、硫酸の液膜を形成する工程では、たとえウエハWの表面にパターンが形成されていても、静止状態のウエハWの表面の中央部に供給された硫酸が、パターンの影響を受けずに、ウエハWの表面上をその供給位置を中心とする同心円状に拡がるので、ウエハWの表面上の全域に硫酸の液膜をむらなく形成することができる。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、処理液を用いて基板を処理するための基板処理方法および基板処理装置に関する。処理の対象となる基板には、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などが含まれる。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置や液晶表示装置の製造工程では、半導体ウエハや液晶表示パネル用ガラス基板などの基板の表面に形成されたレジスト膜を剥離するための処理(レジスト剥離処理)が行われる。
レジスト剥離処理の方式としては、たとえば、複数枚の基板を一括してレジスト剥離液中に浸漬させるバッチ式と、基板の表面にレジスト剥離液を供給して、基板を1枚ずつ処理する枚葉式とが考えられる。しかし、バッチ式のレジスト剥離処理を実施するためには、複数の基板を収容することのできる大きな処理槽が必要であることから、最近では、処理対象の基板が大型化してきていることもあって、そのような大きな処理槽を必要としない枚葉式のレジスト剥離処理が注目されている。
【0003】
枚葉式のレジスト剥離処理を実施する装置は、たとえば、基板をほぼ水平に保持して回転させるスピンチャックと、このスピンチャックに保持された基板の上面に硫酸(HSO)および過酸化水素水(H)をそれぞれ供給するためのノズルとを備えている。このような装置によるレジスト剥離処理は、スピンチャックに静止状態で保持された基板の表面(表面)に硫酸を供給して、基板上に硫酸を液膜の状態で溜めた後、スピンチャックによって基板を低速で回転させ始め、つづいて、その回転している基板の表面に過酸化水素水を供給することにより達成できる。過酸化水素水が供給されると、基板上で硫酸と過酸化水素水との化学反応が生じて、強い酸化力を有するHSOを含むレジスト剥離液が生成され、その酸化力によって、基板の表面に形成されているレジスト膜が化学的に剥離されて除去される。
【0004】
【特許文献1】
特開昭50−21681号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
基板の表面全域からレジスト膜を良好に剥離するためには、基板の表面全域にレジスト剥離液をむらなく供給しなければならない。ところが、静止状態の基板の表面に硫酸を供給したのでは、硫酸が基板の表面上で良好に拡がらず、基板の表面全域に硫酸が行き渡らない場合があった。基板の上面に硫酸が供給されない部分があると、その部分では、レジスト剥離液が生成されないので、レジスト膜をきれいに除去することができない。
【0006】
そこで、本願発明者らは、スピンチャックによって基板を極低速(基板上から硫酸が流れ落ちない程度の回転速度)で回転させつつ、その回転している基板の表面の回転中心付近に硫酸を供給して、基板の回転による遠心力で硫酸を基板の周縁部まで導くことを考えた。しかしながら、硫酸供給時に基板を極低速で回転させても、表面に格子状のパターンが形成された円形基板の場合、基板の表面に供給された硫酸がパターンの影響を受けて矩形状に拡がるために、基板の周縁部に硫酸の供給されない部分を生じることがあった。基板の回転速度を上げれば、基板の周縁部まで硫酸を導くことができるかもしれないが、基板上から硫酸が流れ落ちるため、基板上に硫酸を液膜の状態で溜めることができない。
【0007】
そこで、この発明の目的は、表面にパターンが形成された円形基板であっても、その表面に対して処理液による処理を良好に施すことができる基板処理方法および基板処理装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、処理対象の基板(W)の表面に処理液を供給して、その基板の表面上に処理液を液盛りすることによって処理液の液膜を形成する液膜形成工程(S3)と、この液膜形成工程に先立って、処理対象の基板の表面に上記液膜形成工程で用いられる処理液と同種の処理液を供給して、その処理液で当該基板の表面を湿潤させる処理液湿潤工程(S1,S2)とを含むことを特徴とする基板処理方法である。
【0009】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
上記の方法によれば、基板の表面に処理液の液膜を形成する液膜形成工程に先立って、その基板の表面が液膜を形成する処理液と同種の処理液で湿潤した状態にされる。
これにより、たとえ基板の表面にパターンが形成されていても、液膜形成工程では、基板の表面に供給された処理液がパターンの影響を受けずに基板の表面上に拡がるので、基板の表面上の全域に硫酸の液膜をむらなく形成することができる。
【0010】
また、液膜形成前に基板の表面を純水で湿潤させる手法では、基板の表面上に形成される処理液の液膜の濃度が全体的に薄まったり、濃度に部分的なばらつきを生じたりするおそれがある。これに対して、上記の方法では、液膜形成前の基板の表面は、液膜を形成する処理液と同種の処理液を用いて湿潤されるから、基板の表面上に形成される硫酸の液膜の濃度が全体的に薄まったり、濃度に部分的なばらつきを生じたりすることはない。
【0011】
請求項2記載の発明は、上記処理液湿潤工程は、処理対象の基板をその基板の表面に交差する回転軸線まわりに所定の高回転速度で回転させる高速回転工程と、この高速回転工程中に、上記高回転速度で回転している基板の回転中心付近に上記液膜形成工程で用いられる処理液と同種の処理液を供給する処理液供給工程とを含むことを特徴とする請求項1記載の基板処理方法である。
請求項2に記載のように、基板を高速回転させつつ、その高速回転している基板の回転中心付近に処理液を供給することにより、基板の表面の全域を処理液によって湿潤させることができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、上記処理液湿潤工程は、処理対象の基板をその基板の表面に交差する回転軸線まわりに回転させる基板回転工程と、この基板回転工程中に、基板の表面に上記液膜形成工程で用いられる処理液と同種の処理液を供給する一方で、基板の表面上での処理液の供給位置を当該基板の回転半径を含む領域内で移動させるスキャン処理液供給工程とを含むことを特徴とする請求項1記載の基板処理方法である。
【0013】
請求項3に記載のように、基板を回転させつつ、その回転している基板の表面上で処理液の供給位置がスキャンされることにより、基板の表面に処理液をむらなく供給することができ、基板の表面の全域を処理液によって湿潤させることができる。
請求項4記載の発明は、上記処理液湿潤工程は、処理対象の基板をその基板の表面に交差する回転軸線まわりに回転させる基板回転工程と、この基板回転工程中に、基板の表面上の当該基板の回転半径を含む範囲に上記液膜形成工程で用いられる処理液と同種の処理液を供給する処理液供給工程とを含むことを特徴とする請求項1または2記載の基板処理方法である。
【0014】
基板の表面における処理液の供給範囲が基板の回転半径を含むような範囲であれば、請求項4に記載のように、基板を回転させつつ、その回転している基板の表面に処理液を供給することによって、処理液の供給位置のスキャンを行わなくても、基板の表面の全域を処理液によって湿潤させることができる。
なお、処理液の供給範囲内において、処理液の供給量にばらつきがある場合には、基板の回転半径を含む範囲に処理液を供給できる構成であっても、基板の表面上で処理液の供給範囲をスキャンさせることが望ましく、そうすることによって、基板の表面全域をより均一に処理液で湿潤させることができる。
【0015】
請求項5記載の発明は、上記液膜形成工程の後に、基板の表面上に形成されている処理液の液膜に対して、その液膜を形成している処理液とは異種の処理液を供給して混合させる処理液混合工程(S5)をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の基板処理方法である。
請求項5に記載のように、液膜形成工程の後に処理液混合工程が行われる場合、液膜形成工程で基板の表面に均一な処理液の液膜が形成されているから、処理液混合工程では、その基板表面上の処理液の液膜と異種の処理液とを良好に混合させることができ、その混合液による処理を基板の表面に対して良好に施すことができる。
【0016】
請求項6記載の発明は、処理対象の基板(W)を保持する基板保持手段(1)と、この基板保持手段に保持された基板を回転させる基板回転手段(13)と、上記基板保持手段によって保持されている基板の表面に処理液を供給する処理液供給手段(2,23,3,34,36;7,74,76)と、上記基板回転手段および処理液供給手段を制御して、上記基板保持手段に保持された基板の表面を処理液で湿潤させる湿潤制御手段(6,S1,S2)と、この湿潤制御手段による制御に引き続いて、上記基板回転手段および処理液供給手段を制御して、処理液で湿潤している基板の表面上に処理液の液膜を形成する液膜形成制御手段(6,S3)とを含むことを特徴とする基板処理装置である。
【0017】
この発明によれば、請求項1に関連して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を図解的に示す図である。この基板処理装置は、基板の一例であるシリコン半導体ウエハW(以下、単に「ウエハW」という。)の表面(上面)から不要になったレジスト膜を剥離するレジスト剥離処理を行う枚葉式の装置であり、ウエハWをほぼ水平に保持して回転するスピンチャック1と、このスピンチャック1に保持されたウエハWの表面に硫酸(HSO)を供給するための硫酸ノズル2と、スピンチャック1に保持されたウエハWの表面に過酸化水素水を供給するための過酸化水素水ノズル3と、スピンチャック1に保持されたウエハWの表面にDIW(脱イオン化された純水)を供給するためのDIWノズル4とを備えている。
【0019】
スピンチャック1は、たとえば、真空吸着式チャックであって、ほぼ鉛直な方向に延びたスピン軸11と、このスピン軸11の上端に取り付けられて、ウエハWをほぼ水平な姿勢でその裏面(下面)を吸着して保持する吸着ベース12とを有している。スピン軸11には、モータなどを含む回転駆動機構13が結合されていて、ウエハWを吸着ベース12に吸着保持した状態で、回転駆動機構13からスピン軸11に駆動力を入力することにより、ウエハWをほぼ水平な姿勢でスピン軸11の中心軸線まわりに回転させることができる。
【0020】
なお、スピンチャック1としては、このような真空吸着式チャックに限らず、たとえば、ウエハWの端面を複数個の挟持部材で挟持することにより、ウエハWをほぼ水平な姿勢で保持し、さらにその状態でほぼ鉛直な軸線まわりに回転することにより、その保持したウエハWを回転させることができる構成のものが採用されてもよい。
硫酸ノズル2には、硫酸供給源からの硫酸を供給する硫酸供給管21が接続されている。硫酸供給管21の途中部には、硫酸供給源側から順に、硫酸の温度を調節するための温度調節器22と、硫酸ノズル2からの硫酸の吐出を制御するための硫酸供給バルブ23とが介装されている。硫酸ノズル2から吐出される硫酸は、たとえば、連続流の状態(硫酸の液流が柱状をなしている状態)でウエハWの表面の中央部(回転中心付近)に供給される。
【0021】
過酸化水素水ノズル3は、たとえば、過酸化水素水を霧化してウエハWに供給する噴霧ノズルであり、過酸化水素水供給源からの過酸化水素水を供給する過酸化水素水供給管31と、窒素ガス供給源からの窒素ガス(N)を供給する窒素ガス供給管32とが接続されている。過酸化水素水ノズル3に過酸化水素水と窒素ガスとが同時に供給されると、過酸化水素水ノズル3内で過酸化水素水が霧化され、この霧化した過酸化水素水が過酸化水素水ノズル3の先端からウエハWの表面に供給される。過酸化水素水供給管31の途中部には、過酸化水素水供給源側から順に、過酸化水素水の温度を調節するための温度調節器33と、過酸化水素水ノズル3への過酸化水素水の供給を制御するための過酸化水素水供給バルブ34とが介装されている。また、窒素ガス供給管32の途中部には、窒素ガス供給源側から順に、窒素ガスの温度を調節するための温度調節器35と、過酸化水素水ノズル3への窒素ガスの供給を制御するための窒素ガス供給バルブ36とが介装されている。
【0022】
DIWノズル4には、DIW供給源からのDIWを供給するDIW供給管41が接続されている。DIW供給管41の途中部には、DIWノズル4からのDIWの吐出を制御するためのDIW供給バルブ42が介装されている。DIWノズル4から吐出されるDIWは、たとえば、連続流の状態(DIWの液流が柱状をなしている状態)でウエハWの表面の中央部(回転中心付近)に供給される。
また、スピンチャック1の側方には、旋回軸51が鉛直方向にほぼ沿って配置されており、過酸化水素水ノズル3は、その旋回軸51の上端部からほぼ水平に延びたアーム52に取り付けられている。旋回軸51には、この旋回軸51を中心軸線まわりに回転駆動する旋回駆動機構53が結合されている。旋回駆動機構53から旋回軸51に駆動力を入力して、旋回軸51をその中心軸線まわりに所定の角度範囲内で往復回転させることにより、スピンチャック1に保持されたウエハWの上方でアーム52を揺動させることができ、これに伴って、スピンチャック1に保持されたウエハWの表面上で、過酸化水素水ノズル3からの過酸化水素水の供給位置をスキャン(移動)させることができる。また、旋回軸51および旋回駆動機構53は、昇降駆動機構54によって昇降されるようになっている。
【0023】
図2は、過酸化水素水ノズル3の構成を示す断面図である。過酸化水素水ノズル3は、円筒状の内周面301aを有する中空のノズル本体301と、このノズル本体301の中空部分に挿入された過酸化水素水流通部材302と、ノズル本体301の先端に接続されたノズルヘッド303とを有している。ノズルヘッド303は、キャップ304によって、ノズル本体301の先端に接続された状態で固定されている。
【0024】
過酸化水素水流通部材302は、ノズル本体301の内周面301aに気密性を保って密着した封止部305と、外径がノズル本体301の内径(内周面301aの径)よりも小さく形成された管状の小径部306と、この小径部306の先端部付近から側方に(内周面301aに向けて)突出した環状のフランジ部307とで構成されている。過酸化水素水流通部材302の内部には、封止部305および小径部306を貫通して、過酸化水素水をノズルヘッド303に向けて導くための過酸化水素水流通路308が形成されている。また、過酸化水素水流通部材302には、ノズル本体301に溶接された接続部材309を介して過酸化水素水供給管31が接続されており、過酸化水素水供給管31から供給される過酸化水素水は、接続部材309に貫通形成された接続路310を通して、過酸化水素水流通路308に流入するようになっている。
【0025】
ノズルヘッド303は、先端部が半球状に形成された中空体であり、ノズル本体301の内周面301aに段差なく連続した円筒状の内周面303aと、この内周面303aに段差面303bを介して接続されていて、過酸化水素水流通部材302の小径部306の外径よりも少し大きな径に形成された円筒状の内周面303cとを有している。また、半球状の先端部には、吐出口311が形成されている。
【0026】
過酸化水素水流通部材302の先端は、ノズルヘッド303の内周面303aに囲まれた空間内に入り込んでいて、過酸化水素水流通路308は、ノズルヘッド303の内周面303cに囲まれた空間内で吐出口311に向けて開口している。また、過酸化水素水流通部材302のフランジ部307は、その周面がノズル本体301の内周面301aとノズルヘッド303の内周面303aとに跨った状態で密着しており、フランジ部307よりも封止部305側の小径部306の周囲には、ノズル本体301の内周面301aとの間に隙間312が形成され、フランジ部307よりも先端側の小径部306の周囲には、ノズルヘッド303の内周面303aとの間に隙間313が形成されている。そして、フランジ部307には、環状の連通孔314が貫通形成されていて、フランジ部307によって仕切られた隙間312,313は、その環状の連通孔314を介して連通されている。さらに、過酸化水素水流通部材302(小径部306)の先端部とノズルヘッド303の内周面303cとの間には、微小な環状のガス流路315が形成されており、このガス流路315を介して、隙間313とノズルヘッド303の内周面303cに囲まれた空間とが連通している。
【0027】
また、ノズル本体301の外側面には、窒素ガス供給管32を接続するための接続部316が突出して形成されている。接続部316には、窒素ガス供給管32からの窒素ガスが流通する窒素ガス流通路317が形成されている。窒素ガス流通路317は、ノズル本体301の内周面301aに形成された開口318を介して隙間312に連通している。
この構成により、過酸化水素水供給管31から供給される過酸化水素水は、接続路310および過酸化水素水流通路308を通って、ノズルヘッド303内の内周面303cに囲まれた空間に吐出される。一方、窒素ガス供給管32から供給される窒素ガスは、窒素ガス流通路317を通って隙間312に流入し、さらに連通孔314、隙間313およびガス流路315を順に通って、ガス流路315からノズルヘッド303内の内周面303cに囲まれた空間に適当な圧力で吐出される。これにより、過酸化水素水ノズル3に過酸化水素水と窒素ガスとが同時に供給されると、ノズルヘッド303内の内周面303cに囲まれた空間で、過酸化水素水流通路308から吐出される過酸化水素水にガス流路315から吐出される窒素ガスが衝突し、この衝突によって過酸化水素水が霧化されて、スリット状の吐出口311から霧状の過酸化水素水が吐出される。
【0028】
図3は、ウエハWの表面上における過酸化水素水の供給範囲(形状)について説明するための図解図である。ウエハWの表面上における過酸化水素水の供給範囲は、過酸化水素水ノズル3のノズルヘッド303に形成された吐出口311の形状と、過酸化水素水ノズル3とスピンチャック1に保持されたウエハWの表面との間の距離によって決まる。
この実施形態では、吐出口311は、ノズルヘッド303の半球状の先端部に、その頂点を通る円弧に沿ってスリット状に長く形成されている。これにより、吐出口311から吐出される霧状の過酸化水素水は、吐出口311の長手方向に拡がりつつウエハWの表面に向けて進み、ウエハWの表面上のスリット状の範囲SAに供給される。
【0029】
図4は、この基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。この基板処理装置はさらに、マイクロコンピュータを含む構成の制御装置6を備えている。
制御装置6には、回転駆動機構13、旋回駆動機構53、昇降駆動機構54、硫酸供給バルブ23、過酸化水素水供給バルブ34、窒素ガス供給バルブ36およびDIW供給バルブ42などが制御対象として接続されている。制御装置6は、レジスト剥離処理のために、予め定められたプログラムに従って、回転駆動機構13、旋回駆動機構53および昇降駆動機構54の動作を制御し、また、硫酸供給バルブ23、過酸化水素水供給バルブ34、窒素ガス供給バルブ36およびDIW供給バルブ42の開閉を制御する。
【0030】
図5は、レジスト剥離処理について説明するための図である。処理対象のウエハWが搬送ロボット(図示せず)によって搬入されてきて、そのウエハWが搬送ロボットからスピンチャック1に受け渡されると、まず、回転駆動機構13が制御されて、スピンチャック1に保持されたウエハWが3000rpmの高回転速度で回転される。その一方で、硫酸供給バルブ23が開かれて、硫酸ノズル2から高速回転中のウエハWの表面の中央部に硫酸が連続流の状態で供給される(ステップS1)。ウエハWの表面に供給された硫酸は、ウエハWの高速回転による大きな遠心力を受け、その供給位置からウエハWの周縁へ向けて、ウエハWの表面上を比較的強い液流となって流れる。これにより、ウエハWの表面に格子状のパターンが形成されていても、ウエハWの表面に供給された硫酸は、そのパターンの影響をほとんど受けずにウエハWの表面の全域に行き渡る。この結果、ウエハWの表面の全域が硫酸によって湿潤した状態になる。
【0031】
このようなウエハWの高速回転中における硫酸の供給は、所定の硫酸湿潤時間(たとえば、1秒間)にわたって行われる。その後は、回転駆動機構13が制御されて、スピンチャック1によるウエハWの回転速度が3000rpmから0rpmまで徐々に減速(たとえば、3秒間かけて毎秒1000rpmずつ減速)されていく(ステップS2)。この減速の間も、硫酸ノズル2からウエハWの表面への硫酸の供給が続けられており、ウエハWがほとんど静止した状態になるまで、ウエハWの表面に供給された硫酸は、ウエハWの表面上を流れて、ウエハWの周縁から流下する。
【0032】
ウエハWの回転速度が0rpmまで減速されて、ウエハWが静止した状態になった後も、さらに所定の硫酸パドル時間(たとえば、10〜20秒間)、ウエハWは静止した状態のまま、硫酸ノズル2からウエハWの表面への硫酸の供給が続けられる(ステップS3)。これにより、ウエハWの表面に供給された硫酸は、ウエハWの表面上に拡がり、その表面張力でウエハWの表面上に液膜となって溜められていく。すなわち、ウエハWの表面上に硫酸が液盛りされて、ウエハWの表面上に硫酸の液膜が形成されていく。この液膜形成に先立って、ウエハWの表面全域が硫酸で湿潤されているので、静止状態のウエハWの表面に供給される硫酸は、そのウエハWの表面にパターンが形成されていても、パターンの影響を受けずに、ウエハWの表面上をその供給位置を中心とする同心円状に拡がる。これによって、ウエハWの表面上には、その全域にほぼ均一な膜厚を有する硫酸の液膜がむらなく形成される。
【0033】
ウエハWの静止状態での硫酸の供給が上記硫酸パドル時間行われると、硫酸供給バルブ23が閉じられて、硫酸ノズル2からウエハWへの硫酸の供給が停止される。そして、ウエハWが静止し、そのウエハWの表面上に硫酸の液膜が形成されている状態で数秒間(たとえば、2〜3秒間)放置される(ステップS4)。この放置後、回転駆動機構13が制御されて、スピンチャック1に保持されたウエハWが10rpmの低回転速度で回転される。そして、昇降駆動機構54が制御されて、ウエハWの表面に過酸化水素水ノズル3が近づけられ、ウエハWが回転されている一方で、過酸化水素水供給バルブ34および窒素ガス供給バルブ36が開かれて、過酸化水素水ノズル3から低速回転中のウエハWの表面に霧状の過酸化水素水が供給される(ステップS5)。
【0034】
過酸化水素水ノズル3からの霧状の過酸化水素水は、図3を参照して説明したように、ウエハWの表面上に設定されたスリット状の供給範囲SAに向けて供給される。また、霧状の過酸化水素水がウエハWの表面に供給されている間、旋回駆動機構53が制御されて、ウエハWの表面上における過酸化水素水の供給範囲SAが、ウエハWの回転中心を含むセンタ位置とウエハWの周縁部を含むエッジ位置との間で繰り返し移動(スキャン)させられる。具体的には、ウエハWの回転中心を含むセンタ位置からスキャンが開始され、過酸化水素水の供給範囲SAがウエハWの周縁部を含むエッジ位置に達すると、スキャン方向が反転されて、過酸化水素水の供給範囲SAがセンタ位置に戻され、さらに、過酸化水素水の供給範囲SAがセンタ位置に達すると、スキャン方向が再び反転されるといったようにして、過酸化水素水の供給範囲SAがセンタ位置とエッジ位置との間で2.5往復される。このように、スピンチャック1によってウエハWが低速回転される一方で、過酸化水素水の供給範囲SAのスキャンが行われることにより、ウエハWの表面上の硫酸の液膜に対して過酸化水素水がむらなく供給される。
【0035】
なお、ウエハWの表面上における過酸化水素水のスリット状の供給範囲SAの長手方向の長さがウエハWの半径よりも長く、また、その供給範囲SAがウエハWの回転中心から周縁まで及ぶように、過酸化水素水ノズル3が設計されていれば、ウエハWの表面上で過酸化水素水の供給範囲SAをスキャンさせなくても、ウエハWの表面の全域に過酸化水素水を供給することができる。しかしながら、供給範囲SA内における過酸化水素水の供給量が均一であるとは限らないので、過酸化水素水ノズル3がそのように設計されている場合であっても、ウエハWの表面上で過酸化水素水の供給範囲SAをスキャンさせることが望ましく、そうすることによって、ウエハWの表面全域にむらなく均一に過酸化水素水を供給することができる。
【0036】
過酸化水素水ノズル3からウエハWの表面に向けて供給される過酸化水素水は霧状であるから、この霧状の過酸化水素水は、ウエハWの表面上に形成されている硫酸の液膜を破壊することなく、硫酸の液膜の表面の全域からその液膜内に浸透する。これにより、ウエハWの表面上では、その全域で、硫酸と過酸化水素水との化学反応(HSO+H→HSO+HO)が生じて、強い酸化力を有するHSOを含むレジスト剥離液が良好に生成される。また、このとき化学反応による発熱(反応生成熱)を生じるから、たとえば、硫酸ノズル2からウエハWの表面に供給される硫酸の温度を室温程度に温度調節し、過酸化水素水ノズル3から供給される霧状の過酸化水素水の温度を約40℃に温度調節しても、ウエハWの表面上に生成されるレジスト剥離液の温度は、ウエハWの表面に形成されているレジスト膜を良好に剥離可能な約100℃以上の高温に達する。よって、ウエハW上における硫酸と過酸化水素水との混合は、エネルギー効率の点から望ましい。
【0037】
霧状の過酸化水素水の供給は、所定の過酸化水素水供給時間(たとえば、15秒間)にわたって行われる。そして、過酸化水素水の供給停止後は、そのままの状態(ウエハWが静止し、そのウエハWの表面上にレジスト剥離液の液膜が形成されている状態)で、予め定める時間(たとえば、30〜120秒間)が経過するまで放置される(ステップS6)。過酸化水素水が供給されている期間およびその後の放置されている期間に、ウエハWの表面に形成されているレジスト膜が約100℃以上の高温に昇温したレジスト剥離液による酸化を受け、ウエハWの表面から剥離されて除去されていく。
【0038】
ウエハWの静止状態での硫酸の供給(ステップS3)、ウエハWの表面上に硫酸の液膜が形成された状態での放置(ステップS4)、過酸化水素水の供給(ステップS5)およびウエハWの表面上にレジスト剥離液の液膜が形成された状態での放置(ステップS6)の一連の工程は、たとえば、その後2回(全3回)繰り返される。これにより、ウエハWの表面に形成されているレジスト膜を残すことなくきれいに除去することができる。
【0039】
その後は、ウエハWの表面にDIWが供給されて、ウエハWの表面に付着しているレジスト剥離液がDIWによって洗い流される(ステップS7)。すなわち、回転駆動機構13が制御されて、ウエハWが300〜1500rpm程度の回転速度で回転されつつ、その回転中のウエハWの表面の中央部にDIWノズル4からDIWが供給される。ウエハWの表面に供給されたDIWは、ウエハWの回転による遠心力を受けて、その供給位置からウエハWの周縁に向けて流れる。これによって、ウエハWの表面全域にDIWが行き渡り、ウエハWの表面に付着しているレジスト剥離液がDIWによって洗い流される。
【0040】
このDIWによるウエハWのリンス処理が所定のリンス時間(たとえば、60秒間)にわたって行われると、DIW供給バルブ42が閉じられて、DIWノズル4からウエハWの表面へのDIWの供給が停止される。この後は、スピンチャック1によるウエハWの回転速度が3000rpmまで上げられて、リンス処理後のウエハWの表面に付着しているDIWを遠心力で振り切って乾燥させるスピンドライ処理が行われる(ステップS8)。スピンドライ処理が終了すると、スピンチャック1によるウエハWの回転が止められて、図示しない搬送ロボットにより、スピンチャック1から処理後のウエハWが搬出されていく。
【0041】
以上のように、この実施形態によれば、ウエハWの表面に硫酸の液膜を形成する工程(ステップS3)に先立って、ウエハWが高速回転されつつ、その高速回転しているウエハWの表面の中央部に硫酸が供給されることにより、ウエハWの表面の全域が硫酸によって湿潤した状態にされる。これにより、たとえウエハWの表面にパターンが形成されていても、硫酸の液膜を形成する工程では、静止状態のウエハWの表面の中央部に供給された硫酸が、パターンの影響を受けずに、ウエハWの表面上をその供給位置を中心とする同心円状に拡がるので、ウエハWの表面上の全域に硫酸の液膜をむらなく形成することができる。よって、硫酸の液膜の形成後、過酸化水素水を供給することにより、ウエハWの表面の全域でレジスト剥離液を生成させることができ、そのレジスト剥離液(液膜)によってウエハWの表面に形成されているレジスト膜を残すことなくきれいに除去することができる。
【0042】
また、硫酸液膜形成前にウエハWの表面を純水で湿潤させる手法では、ウエハWの表面上に形成される硫酸の液膜の濃度が全体的に薄まったり、濃度に部分的なばらつきを生じたりするおそれがある。これに対して、この実施形態では、硫酸液膜形成前のウエハWの表面は、液膜を形成する処理液と同種の処理液、つまり硫酸を用いて湿潤されるから、ウエハWの表面上に形成される硫酸の液膜の濃度が全体的に薄まったり、濃度に部分的なばらつきを生じたりすることはない。
【0043】
なお、このレジスト剥離処理についての説明で挙げた具体的な数値は、いずれも単なる一例であり、たとえば、ウエハWの表面を硫酸で湿潤させるときのウエハWの回転速度は、ウエハWの表面にパターンが形成されている場合であっても、そのウエハWの表面の全域に硫酸を行き渡らせることができる遠心力を生じさせるような回転速度(好ましくは、1000rpm以上)であればよい。
また、この実施形態では、ウエハWの表面上に硫酸の液膜を形成する際にウエハWを静止させているが、ウエハWの表面上に溜められた硫酸が回転による遠心力を受けてウエハW上から流下しない程度の低回転速度(好ましくは、10rpm以下)であれば、ウエハWの表面上に硫酸の液膜を形成する際にウエハWが回転されてもよい。
【0044】
図6は、この発明の他の実施形態に係る基板処理装置の構成を図解的に示す図である。この図6において、図1に示す各部に相当する部分には、図1の場合と同一の参照符号が付されている。
この実施形態に係るレジスト剥離装置では、ウエハWの表面を硫酸で湿潤させるための専用のノズルとして、硫酸を霧化してウエハWの表面に供給する噴霧ノズルからなる硫酸ノズル7が追加して設けられている。
【0045】
硫酸ノズル7は、たとえば、過酸化水素水ノズル3が取り付けられたアーム52に取り付けられている。硫酸ノズル7には、硫酸供給源からの硫酸を供給する硫酸供給管71と、窒素ガス供給源からの窒素ガス(N)を供給する窒素ガス供給管72とが接続されている。硫酸ノズル7の具体的な構成は、過酸化水素水ノズル3とほぼ同様であり、硫酸ノズル7に硫酸と窒素ガスとが同時に供給されると、硫酸ノズル7内で硫酸が霧化され、この霧化した硫酸が硫酸ノズル7の先端からウエハWの表面上のスリット状の範囲に供給される。
【0046】
硫酸供給管71の途中部には、硫酸供給源側から順に、硫酸の温度を調節するための温度調節器73と、硫酸ノズル7への硫酸の供給を制御するための硫酸供給バルブ74とが介装されている。また、窒素ガス供給管72の途中部には、窒素ガス供給源側から順に、窒素ガスの温度を調節するための温度調節器75と、硫酸ノズル7への窒素ガスの供給を制御するための窒素ガス供給バルブ76とが介装されている。
【0047】
この実施形態に係るレジスト装置では、ウエハWの表面に硫酸の液膜を形成する工程に先立って、硫酸ノズル7からの硫酸の供給が所定の硫酸湿潤時間(たとえば、12秒間)にわたって行われることにより、ウエハWの表面が硫酸で湿潤した状態にされる。
具体的には、処理対象のウエハWがスピンチャック1に受け渡されると、回転駆動機構13が制御されて、スピンチャック1に保持されているウエハWが所定の回転速度(たとえば、100rpm)で回転される。そして、昇降駆動機構54が制御されて、その回転中のウエハWの表面に硫酸ノズル7が近づけられる。その後、ウエハWが回転されている一方で、硫酸供給バルブ74および窒素ガス供給バルブ76が開かれて、硫酸ノズル7から回転中のウエハWの表面に霧状の硫酸が供給される。
【0048】
硫酸ノズル7からの霧状の硫酸がウエハWの表面に供給されている間、旋回駆動機構53が制御されて、ウエハWの表面上における硫酸の供給位置(スリット状の供給範囲)が、ウエハWの回転中心を含むセンタ位置とウエハWの周縁部を含むエッジ位置との間で繰り返し移動(スキャン)させられる。スピンチャック1によってウエハWが回転される一方で、硫酸の供給範囲のスキャンが行われることにより、ウエハWの表面に硫酸をむらなく供給することができ、ウエハWの表面の全域を硫酸によって湿潤させることができる。
【0049】
これにより、その後、スピンチャック1によるウエハWの回転速度を0rpmにして、硫酸ノズル2からウエハWの表面に硫酸が供給されると、ウエハWの表面に供給された硫酸は、たとえウエハWの表面にパターンが形成されていても、そのパターンの影響を受けずに、ウエハWの表面上をその供給位置を中心とする同心円状に拡がる。よって、ウエハWの表面上の全域に硫酸の液膜をむらなく形成することができる。
【0050】
なお、硫酸ノズル7からの硫酸のウエハWの表面上における供給範囲の長手方向の長さがウエハWの半径よりも長く、また、その供給範囲がウエハWの回転中心から周縁まで及ぶように、硫酸ノズル7が設計されていれば、ウエハWの表面上で硫酸の供給範囲をスキャンさせなくても、ウエハWの表面の全域に過酸化水素水を供給することができる。よって、その場合には、硫酸ノズル7は、アーム52に取り付けられている必要はなく、スピンチャック1に対して固定配置されていてもよい。
【0051】
また、この実施形態では、硫酸ノズル2とは別に硫酸ノズル7を設けているが、硫酸ノズル7からの硫酸の供給によってウエハWの表面を湿潤させた後、ウエハWを静止させ、その静止したウエハWの表面に対して硫酸ノズル7からの硫酸の供給を続けることによって、ウエハWの表面上に硫酸を液盛りして、ウエハWの表面上に硫酸の液膜を形成するようにしてもよい。この場合、硫酸ノズル2は、不要であるから省略することができる。
【0052】
以上、この発明のいくつかの実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。たとえば、過酸化水素水ノズル3および硫酸ノズル7は、それぞれ霧状の過酸化水素水および硫酸をスリット状の範囲に供給するように構成されているとしたが、過酸化水素水ノズル3および硫酸ノズル7としては、それぞれ霧状の過酸化水素水および硫酸をコーン状(円錐状)に吐出して、ウエハWの表面上のウエハWの半径を含む円形状の範囲に供給する構成のノズル(コーンノズル)を採用してもよい。
【0053】
また、上記の実施形態では、ウエハWの表面に硫酸の液膜を形成しておき、その硫酸の液膜が形成されたウエハWの表面に霧状の過酸化水素水を供給する場合の構成を取り上げたが、スピンチャック1に保持されたウエハWの表面に過酸化水素水を連続流の状態で供給するノズルと、ウエハWの表面に硫酸を霧化して供給するノズルとを設けて、ウエハWの表面に過酸化水素水の液膜を形成した後、その過酸化水素水の液膜が形成されたウエハWの表面に霧状の硫酸を供給するようにしてもよい。この場合、過酸化水素水の液膜の形成に先立って、ウエハWの表面を過酸化水素水で湿潤させておけば、ウエハWの表面上の全域に過酸化水素水の液膜をむらなく形成することができる。
【0054】
さらにまた、上記の実施形態では、ウエハWの表面から不要になったレジスト膜を剥離するレジスト剥離処理を例にとったが、処理対象となる基板は、ウエハWに限らず、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディプレイパネル用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板および磁気/光ディスク用基板などの他の種類の基板であってもよい。
また、基板に対する処理は、レジスト剥離処理に限らず、たとえば、レジストアッシング処理後の基板の表面上に酸化性溶液(たとえば、H、O、SC1(NHOH+H+HO)またはSC2(HCl+H+HO)など)の液膜を形成して、基板の表面に付着しているポリマー(レジスト残渣)を酸化性溶液で酸化させた後、その酸化したポリマーをポリマー除去液で除去するポリマ−除去処理であってもよい。この場合、酸化性溶液の液膜を形成する前に、その酸化性溶液と同種の酸化性溶液で基板の表面を湿潤させておくことにより、基板の表面上の全域に酸化性溶液の液膜をむらなく形成することができる。
【0055】
さらに、基板の表面上に液盛りされる処理液としては、選択露光を受けたレジスト膜を部分的に除去してレジストパターンを形成する現像処理のための現像液、あるいは、疎水性の膜(たとえば、Low−k膜等)が表面に形成された基板の洗浄に用いられる界面活性剤溶液を例示することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を図解的に示す図である。
【図2】過酸化水素水ノズルの構成を示す断面図である。
【図3】基板(ウエハ)表面上における過酸化水素水の供給範囲について説明するための図解図である。
【図4】上記基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】レジスト剥離処理について説明するための図である。
【図6】この発明の他の実施形態に係る基板処理装置の構成を図解的に示す図である。
【符号の説明】
1 スピンチャック
2 硫酸ノズル
3 過酸化水素水ノズル
6 制御装置
7 硫酸ノズル
23 硫酸供給バルブ
34 過酸化水素水供給バルブ
36 窒素ガス供給バルブ
74 硫酸供給バルブ
76 窒素ガス供給バルブ
W シリコン半導体ウエハ

Claims (6)

  1. 処理対象の基板の表面に処理液を供給して、その基板の表面上に処理液を液盛りすることによって処理液の液膜を形成する液膜形成工程と、
    この液膜形成工程に先立って、処理対象の基板の表面に上記液膜形成工程で用いられる処理液と同種の処理液を供給して、その処理液で当該基板の表面を湿潤させる処理液湿潤工程と
    を含むことを特徴とする基板処理方法。
  2. 上記処理液湿潤工程は、
    処理対象の基板をその基板の表面に交差する回転軸線まわりに所定の高回転速度で回転させる高速回転工程と、
    この高速回転工程中に、上記高回転速度で回転している基板の回転中心付近に上記液膜形成工程で用いられる処理液と同種の処理液を供給する処理液供給工程と
    を含むことを特徴とする請求項1記載の基板処理方法。
  3. 上記処理液湿潤工程は、
    処理対象の基板をその基板の表面に交差する回転軸線まわりに回転させる基板回転工程と、
    この基板回転工程中に、基板の表面に上記液膜形成工程で用いられる処理液と同種の処理液を供給する一方で、基板の表面上での処理液の供給位置を当該基板の回転半径を含む領域内で移動させるスキャン処理液供給工程と
    を含むことを特徴とする請求項1記載の基板処理方法。
  4. 上記処理液湿潤工程は、
    処理対象の基板をその基板の表面に交差する回転軸線まわりに回転させる基板回転工程と、
    この基板回転工程中に、基板の表面上の当該基板の回転半径を含む範囲に上記液膜形成工程で用いられる処理液と同種の処理液を供給する処理液供給工程と
    を含むことを特徴とする請求項1または2記載の基板処理方法。
  5. 上記液膜形成工程の後に、基板の表面上に形成されている処理液の液膜に対して、その液膜を形成している処理液とは異種の処理液を供給して混合させる処理液混合工程をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の基板処理方法。
  6. 処理対象の基板を保持する基板保持手段と、
    この基板保持手段に保持された基板を回転させる基板回転手段と、
    上記基板保持手段によって保持されている基板の表面に処理液を供給する処理液供給手段と、
    上記基板回転手段および処理液供給手段を制御して、上記基板保持手段に保持された基板の表面を処理液で湿潤させる湿潤制御手段と、
    この湿潤制御手段による制御に引き続いて、上記基板回転手段および処理液供給手段を制御して、処理液で湿潤している基板の表面上に処理液の液膜を形成する液膜形成制御手段と
    を含むことを特徴とする基板処理装置。
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