JP2005026047A - 擬似蝋燭 - Google Patents
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Abstract
【課題】油煙による煤が少なく、燃焼によって短くなることもロウが垂れて外観を損ねることもなく、更に点火が容易であって、立ち消えに対処する手間を省くことができる機構や、簡単な構造で転倒時に消火する機構を提供する。
【解決手段】ガスの燃焼により炎70が形成される擬似蝋燭1であって、ガスボンベ10を収納する燃料収納部20と、蝋燭を模した筒状体50と、筒状体50の上端付近に設けられ、ガスを噴出する噴出ノズル52と、燃料収納部20から噴出ノズルにガスを導くガス通路18,39と、噴出ノズル52から噴出するガスに電気火花によって点火する点火手段52,54とを備え、噴出ノズル52から噴出されるガスが点火によって燃焼して炎70が形成されるようにする。更に立ち消え検知手段55を備えて、立ち消えが検知されたときに自動的に再点火されるようにする。加えて簡単な構造の転倒時消火手段を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】ガスの燃焼により炎70が形成される擬似蝋燭1であって、ガスボンベ10を収納する燃料収納部20と、蝋燭を模した筒状体50と、筒状体50の上端付近に設けられ、ガスを噴出する噴出ノズル52と、燃料収納部20から噴出ノズルにガスを導くガス通路18,39と、噴出ノズル52から噴出するガスに電気火花によって点火する点火手段52,54とを備え、噴出ノズル52から噴出されるガスが点火によって燃焼して炎70が形成されるようにする。更に立ち消え検知手段55を備えて、立ち消えが検知されたときに自動的に再点火されるようにする。加えて簡単な構造の転倒時消火手段を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、祭典、宗教上の儀式、飲食店やパーティ会場等において蝋燭の代用とするに好適な、ガスの燃焼により炎が形成される擬似蝋燭に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
蝋燭は、電燈とは異なる独特の趣を有し、祭典、宗教上の儀式、飲食店やパーティ会場等において演出効果の高い灯火としてしばしば用いられる。しかし、蝋燭には油煙を発生させて他のものを煤けさせたり、溶けたロウが垂れて外観を損ねたり、或いは燃焼して短くなった蝋燭の交換が面倒であったりするなどの問題がある。
【0003】
そのような問題を解決するため、蝋燭を模した外観を有しながら、ガスを燃料とする炎を形成させて蝋燭の代用となす装置が知られている(例えば特許文献1参照。)。この装置によれば、炎による蝋燭相当の灯火を得つつ、油煙による煤が少なく、燃焼によって蝋燭(を模した部分)が短くなることもロウが垂れて外観を損ねることもないので管理が容易である。
【0004】
【特許文献1】
実開平5−31010号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記特許文献1に示される装置は、バイメタル等を加熱することによって開く弁を介してガスが噴出されるように構成されているので、点火の際には高温の熱源(マッチやライター)をいちいち点灯してガス噴出ノズル付近に近づける必要がある。即ち点火方法に関しては蝋燭と同一であり、蝋燭の有する点火の煩わしさに関しては未解決であった。
【0006】
また、炎の性質上、風等によって立ち消えすることが少なくない。従って、常に炎を監視し、不意に発生する立ち消えに対処して再点火しなければならない煩わしさもあった。
【0007】
更に、安全面から、装置転倒の際には速やかに消火するような機構が望まれる。特許文献1に示される装置は転倒時の消火機構も備えているが、球面座と、その座面に沿う球形弁とによって構成されており、形状や機構が複雑であった。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑み、炎による蝋燭相当の灯火を得つつ、油煙による煤が少なく、燃焼によって蝋燭(を模した部分)が短くなることもロウが垂れて外観を損ねることもなく、更に点火が容易であって、望ましくは立ち消えに対処する手間を省くことができる機構や、簡単な構造で転倒時に消火する機構を有する擬似蝋燭を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ガスの燃焼により炎が形成される擬似蝋燭であって、ガスボンベ又は液化ガスを収納する燃料収納部と、蝋燭を模した筒状体と、前記筒状体の上端付近に設けられ、ガスを噴出する噴出ノズルと、前記燃料収納部から前記噴出ノズルにガスを導くガス通路と、前記噴出ノズルから噴出するガスに電気火花によって点火する点火手段とを備え、前記噴出ノズルから噴出されるガスが点火によって燃焼して炎が形成されるようにしたことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、蝋燭を模した筒状体とガスによる炎とによって、蝋燭のような外観を有し、蝋燭相当の演出効果を奏する灯火として、蝋燭の代用に供することができる。そして、ガスを燃料とするので油煙による煤が少なく、燃焼によって蝋燭(を模した部分)が短くなることもロウが垂れて外観を損ねることもない。
【0011】
しかも、電気火花によって点火する点火手段を備えるので、点火の際にマッチやライターをいちいち点灯してガスに引火させる必要がなく、例えばスイッチをオンにするだけで蝋燭よりも格段に容易に点火させることができる。
【0012】
この擬似蝋燭において、炎が立ち消えしたことを検知する立ち消え検知手段を備え、立ち消えが検知されたとき、前記点火手段が自動的に再点火するように構成する(請求項2)ことも効果的である。
【0013】
この構成によると、立ち消えが起こっても自動的に再点火するので、その消灯時間を最小限にすることができる。また、立ち消えすることなく正常に燃焼していることを監視する必要がなく、人手によって再点火する手間も省くことができる。なお、この再点火は、後述する転倒時消火手段によって炎が消火されたときには作動しない、又は作動しても着火しないようにしておけば安全上更に望ましい。
【0014】
前記立ち消え検知手段の具体的構造として、前記噴出ノズルの近傍に設けられた赤外線センサを備え、燃焼中に前記赤外線センサが炎からの赤外線を検知しない状態となったとき、立ち消えが発生したとする(請求項3)ようにすれば良い。
【0015】
赤外線センサは、赤外線を検知するセンサとして一般に広く知られたものであり、例えばフォトトランジスタ、フォトダイオード、CdSセル等によって構成される。必要に応じて可視光カットフィルタを設けても良い。ガスの炎からは強い赤外線が放射されているので、その強い赤外線が検知されているときには正常に点灯(燃焼)している、検知されないときには立ち消えが起こったと判定することができる。
【0016】
また、前記立ち消え検知手段により炎の立ち消えが検知されて再点火を行っても所定時間以内に着火せず、立ち消え状態が解消されなかったときに警報を発する警報発生手段を備える(請求項4)ことも効果的である。
【0017】
このようにすると、立ち消え後に再点火を行っても何らかの原因により着火しなくなくなった場合、警報が発せられるので、この装置の管理者はその事態を速やかに認識し、必要な対処を行うことができる。再点火を行っても着火しない場合として、ガス切れや電気火花の異常(例えば電池消耗など)、或いは後述する転倒時消火がなされた場合等がある。なお、警報発生手段としては、一般的な警報ブザーの他に光や振動その他の信号を発するものでも良い。
【0018】
更に、本装置が転倒したとき、前記噴出ノズルからのガス噴出を停止して消火する転倒時消火手段を備える(請求項5)と、転倒によって炎が周囲の可燃物に燃え移ることが防止され、また噴出ノズルからガスのみが噴出し続ける危険も防止することができる。
【0019】
前記転倒時消火手段の具体的構造として、前記ガス通路に設けられたガス通路弁と、傾斜によってその方向に移動するように設けられた錘体とを備え、前記錘体が傾斜方向に所定以上移動したとき、前記ガス通路弁を閉側に切換えるように構成(請求項6)すると良い。
【0020】
このようにすると、本装置が所定以上に傾斜したとき(転倒または転倒の虞があるとき)、その傾斜方向に錘体が移動してガス通路弁を閉側に切換えるので、自動的にガスの噴出を停止させつつ消火することができる。錘体の形状、質量、移動方向等を適宜設定することにより消火を実行する傾斜角や傾斜方向を自由に設定することができる。
【0021】
前記燃料収納部にガスボンベを収納するように構成されたものにおいては、ガスボンベをガスの噴出可能な所定の位置に支持するガスボンベ支持部を備え、前記転倒時消火手段は、前記本装置が所定以上に傾斜したとき、前記ガスボンベ支持部がガスボンベの前記所定位置への支持を解除することによってガスの噴出を停止させるように構成(請求項7)しても良い。
【0022】
通常のガスボンベは、所定の操作(例えば噴出口を押下する)をしないとガスが噴出しないような構造になっている。従って、ガスボンベが所定の位置に支持されているときに前記所定の操作がなされるようにしておけば、ガスボンベを前記所定の位置に支持しておくだけでガスを噴出させることができる。そして、装置が所定以上に傾斜したときにはガスボンベの支持を解除(所定の位置から外す)するだけでガスボンベ自体の機能によってガスの噴出を停止させることができる。即ち、ガスの噴出を停止させるための弁等を設けることなく、ガスボンベ位置を移動させるだけでガスの噴出を停止して消火することができるので、簡単な構造で転倒時消火手段を構成することができる。
【0023】
ところで、燃料収納部に液化ガスを収納するものにおいて、従来の一般的な液化ガスを用いた点火装置(ライター等)では、吸い上げ芯を使用して液化ガスを吸い上げ、ガス量調整バルブ直前で気化させる構造が用いられている。この場合、ガス量調整バルブや、その付近に設けられたフィルタが気化熱によって冷却されるので、時間の経過に伴って気化ガスの温度が低下し、ガス圧が低下する。このため、長時間燃焼させると、炎の大きさが時間の経過に伴って小さくなるという現象が起こる。比較的長時間燃焼させることを前提とする本装置において、そのような現象が起こることは好ましくない。
【0024】
そこで、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の擬似蝋燭において、前記燃料収納部に液化ガスを収納するものについて、前記燃料収納部は、液化ガスの液面より上部に気化のための空間が形成されるように構成され、前記ガス通路の燃料収納部側端部が、前記気化のための空間内に開口するように設けられている(請求項8)ようにすれば前記現象を効果的に防止することができる。
【0025】
即ち、このような構成にすると、燃料収納部内の空間で予め気化されたガスがガス通路に導かれる。燃料収納部(一般的にはガスタンク)の熱容積はガス量調整バルブの熱容量よりも充分大きく、また周囲との熱交換量も多い。このため、気化熱によるガス温度の低下、ガス圧の低下は殆ど無視できる程度である。従って、長時間燃焼させてもガス通路に導かれるガス圧が低下することがなく、炎の大きさが時間の経過に伴って小さくなることが効果的に防止される。
【0026】
なお、ガス通路の燃料収納部側端部が、気化のための空間内に開口するように設けられていると、本装置を転倒させたり、燃料充填のために逆さにしたりしたとき、一時的に液化ガスがガス通路に流入する可能性がある。そして、その後正立させて正規の使用状態で使用しても、ガス通路内に残留した液化ガスが完全に気化しない状態で噴出ノズルから噴出し、一時的に炎が大きくなる虞がある。
【0027】
そのような現象は、前期ガス通路が、前記燃料収納部側端部付近で狭路となっている(請求項9)ようにすることで防止することができる。
【0028】
このようにすると、液化ガスが気化することなく一時的にガス通路に流入しても、狭路における表面張力によってそれ以上の浸入が阻止される。従って、その後の燃焼において、未気化のガスが噴出することが殆どなく、一時的に炎が大きくなる現象を防止することができる。
【0029】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の擬似蝋燭において、前記噴出ノズルの先端部にコイルバネ状の着火部材が取り付けられており、その着火部材は巻線間に隙間を設けつつ上端に近づくほどテーパ状に細くなるように成形(請求項10)しても良い。
【0030】
このようにすると、ガスは着火部材の巻線間の隙間を通り、斜め上方に分流するので炎の形を太くすることができる。また、隙間の間隔やテーパ角等を変更することにより、好みや用途に応じた炎の形状とすることが容易にできる。
【0031】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の擬似蝋燭において、前記噴出ノズルで形成される炎を囲むように、透明または半透明の風防を設ける(請求項11)ようにしても良い。
【0032】
このようにすれば、炎に風が直接当たる事が防止されるので、炎が立ち消えする頻度を効果的に削減することができる。また、風防による光の反射、屈折の作用により、炎による灯火の演出効果を一層引き立てることができる。この風防に適宜着色を施せば、その演出効果を更に高めることができる。
【0033】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の擬似蝋燭において、複数の前記筒状体と、それらに共通の前記燃料収納部を設ける(請求項12)ようにしても良い。
【0034】
このようにすると、各筒状体に対して個別の燃料収納部を設ける必要がないので、全体として装置を小型、軽量化することができる。また、複数の筒状体への点灯や消灯の作業を一度に行うことができ、作業性を向上することができる。更に、単一の基台から枝分かれした燭台の上にそれぞれ蝋燭が設けられたような外観形状となすことが容易となり、装置形状の自由度を高めることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施形態について図を参照しつつ説明する。
【0036】
図1は、第1実施形態に係る擬似蝋燭(以下装置1という)の側断面図である。装置1は、下部から順に基台部20、制御部40及び蝋燭状部60によって構成されている。
【0037】
基台部20は装置1の基台となる部位で、主に略円筒形状の下ボンベカバー9と、その上蓋となる上ボンベカバー14と、下蓋となる底板2からなる。これらは、その形成する空間にガスボンベ10を収納し得るように構成されている。即ち基台部20は燃料収納部として機能する。当実施形態では、ガスボンベ10として市販されている汎用品が使用できるように構成されている。従って、別途ガス充填をする必要がなく、ガスボンベ10の交換によって容易に燃料の補給を行うことができる。
【0038】
下ボンベカバー9は、その内径が、ガスボンベ10の外径に対し、上部では少し大きく、下部では更に大きくなるようなテーパ状に形成されている。
【0039】
底板2の中央部には、ガスボンベ10を支持するボンベ支持部3が設けられている。ボンベ支持部3は、上部に有底円筒状のフック4を、下部に円筒状のフック保持突起6を備え、それらはその内径部に設けられたコイル状のフック保持スプリング5で連結されている。フック4の上部は先端が丸みを帯びた円錐状に成形され、直接ガスボンベ10のボンベ底面11を支持する。フック保持突起6の下端は底板2に固定されている。下ボンベカバー9と上ボンベカバー14とは螺合により連結されており、切り離し自在となっている。
【0040】
上ボンベカバー14の中央部にはボンベノズル受け15が設けられ、その下部に設けられたOリング17とガスボンベ10のボンベ口金12とが圧接嵌合するように成形されている。そして、ボンベノズル13の先端部に当接する部位にもOリング16が設けられている。図の設置状態でボンベノズル13はOリング16に押し当てられ、押下されている。つまりガスボンベ10はガスを噴出する状態となっている。ボンベノズル13とOリング16との密着は、ボンベノズル13を上方に押し戻す付勢力(ガスボンベ10の内部機構)によって得られるが、必要に応じでボンベノズル受け15にスプリング等によって下向きの付勢力を与えて密着を強化しても良い。
【0041】
Oリング16の内径部からボンベノズル受け15の上部に貫通するガス通路18が設けられている。ガス通路18は、更に上方のガス通路と連結するためのチューブ19に接続されている。
【0042】
制御部40は、上ボンベカバー14の上部に設けられ、蝋燭の受け皿状に成形された制御部ケース22と制御部上蓋21とによって外形が形成されている。その内部には、下方にバルブ機構30が、上方にプリント基板25が設けられている。
【0043】
図2はバルブ機構30の拡大断面図である。バルブ機構30は、下部にガス吸入口36、上部にガス放出口38が設けられたバルブボディ31にバルブ軸32が螺入された構造となっている。ガス吸入口36はチューブ19に、ガス放出口38は更に上方のチューブ39に接続されている。
【0044】
バルブボディ31にはバルブ穴大径部31aとバルブ穴小径部31bとからなる段付き穴が設けられている。一方、バルブ軸32には、バルブ穴大径部31aに嵌挿され、それよりやや小径のバルブ軸大径部32aが設けられており、更にその先端側にはテーパ状に形成されたバルブ軸テーパ部32bが設けられている。バルブ軸テーパ部は、基端側ではバルブ穴小径部31bより大径であり、先端側ではバルブ穴小径部31bより小径である。バルブ穴小径部31bの底部とバルブ軸テーパ部32bの先端との間には隙間が形成されている。バルブ軸32を最も深く螺入したとき、バルブ軸テーパ部32bのテーパ面がバルブ穴大径部31aとバルブ穴小径部31bとの境界エッジ部を閉塞するようになっている。
【0045】
ガス吸入口36とガス放出口38は、バルブ穴大径部31aとバルブ軸大径部32aとの隙間に開口している。バルブ軸32には2本のOリング33,34が設けられ、その隙間をシールしている。即ち、Oリング33はガス吸入口36とバルブ外部とを連通する隙間を遮断し、Oリング34はガス吸入口36とガス放出口38とを連通する隙間を遮断する。バルブ軸32には、Oリング33,34間の隙間とバルブ軸テーパ部32bの先端部の隙間とを連通するガス通路37が設けられている。
【0046】
バルブ軸テーパ部32bの基端側平面部とバルブ穴大径部31aの底部との間に、円板リング状のポリウレタンフォームからなるフィルタ35が設けられている。フィルタ35は、バルブ穴大径部31aとバルブ軸大径部32aとの隙間と、バルブ穴小径部31bとを隔離する。フィルタ35は、バルブ軸32の螺入深さに応じて圧縮されたり弛緩したりする。
【0047】
バルブ軸32の基端側はバルブボディ31の外部に露出し、調整ツマミ27が設けられている。調整ツマミ27の最基端部は制御部ケース22の外部に露出しており、作業者が調整ツマミ27を回転操作することによってバルブ軸32の螺入深さが変化するようになっている。調整ツマミ27のバルブボディ31に近い側には、カム面28が成形されている。カム面28は、その上部に設けられたスイッチ26(後述するように制御系を作動させるスイッチ)に当接し、調整ツマミ27の回転量に応じてスイッチのオン・オフを切換える。
【0048】
バルブ軸32の螺入深さが最深のときにスイッチオフとなり、螺入深さが浅くなる方向に調整ツマミ27を回転させるとスイッチオンとなる。調整ツマミ27はスイッチオフの状態から最大3/4回転させることができる。
【0049】
再び図1を参照し、バルブ機構30の上部にはプリント基板25が設けられている。プリント基板25にはスイッチ26の他、電源回路41、制御回路42、検知回路43、タイマー回路44及び高圧パルス発生回路45が設けられている(図4参照)。各回路の詳細については後述する。
【0050】
制御部40の更に上方には蝋燭状部60が設けられている。蝋燭状部60には、蝋燭を模した外観を有し、内部空洞で放熱性の良い蝋燭状円筒50が設けられている。蝋燭状円筒50の下端は制御部上蓋21に固定されている。
【0051】
蝋燭状円筒50の内部上方には耐熱絶縁物によるノズルホルダ51が固定されている。ノズルホルダ51の中心部には細いパイプ状金属製で電気的に導通可能な噴出ノズル52が固定されている。噴出ノズル52の下部にはバルブ機構30のガス放出口38から導かれるチューブ39が接続されており、送られたガスが噴出ノズル52の上端から噴出するようになっている。
【0052】
また、噴出ノズル52の下部にはプリント基板25の高圧パルス発生回路45の高圧側である噴出ノズルリード線52aが結線されている。一方、蝋燭状円筒50の内側面の噴出ノズル52よりやや上方に、尖端を有するマイナス電極54が、その尖端を噴出ノズル52に向けるようにして設けられている。マイナス電極54の下端は、高圧パルス発生回路45の低圧側であるマイナス電極リード線54aが結線されている。
【0053】
ノズルホルダ51の中心部から少し離れた位置に可視光カットフィルタを備えた赤外線フォトセンサ55が、その先端をノズルホルダ51の上面より突出させて固定されている。赤外線フォトセンサ55には、プリント基板25のフォトセンサ検知回路(以下検知回路43という)に接続するセンサリード線55aが結線されている。赤外線フォトセンサ55はフォトトランジスタ、フォトダイオード、CdSセル等によって構成される一般的な赤外線センサであって、ガス燃焼時に発生する赤外線を検知する。可視光カットフィルタを備えているので、蛍光灯などの可視光には反応しない。
【0054】
蝋燭状円筒50の上端には先端キャップ56が回転自在に取り付けられている。その中心部には燃焼口57が設けられ、噴出ノズル52から噴出したガスが蝋燭状部60の上端に吹き抜けるようになっている。燃焼時には、そのガス流に沿って炎70が形成される。燃焼口57の周辺部に、開口部の大きさが調整可能な空気取入口58が設けられている。
【0055】
以上のように、ガス通路18、チューブ19、ガス吸入口36、ガス通路37、ガス放出口38及びチューブ39は基台部20(燃料収納部)から噴出ノズル52にガスを導くガス通路となっている。
【0056】
図3は、噴出ノズル52周辺の拡大断面図である。(a)は比較的細い炎を形成するノズル形状、(b)は中程度の太さの炎を形成するノズル形状、(c)は比較的太い炎を形成するノズル形状をそれぞれ示す。この何れかを用途に応じて選択的に用いても良く、カートリッジ式に付け替え可能としても良い。図3に示すように、噴出ノズル52,52b,52cの先端部に、巻線間に隙間を設けたコイルバネ状の着火部材53,53bが取り付けられている。炎70,70b,70cは、この着火部材53,53bの周囲に形成される。
【0057】
図3(a)に示すものは、比較的小径の噴出ノズル52の内径部に一定径の着火部材53が取り付けられたもので、矢印に示すようにガスの多くは真上に吹き抜け、比較的細い炎70となる。図3(b)に示すものは、比較的小径の噴出ノズル52の外径部に着火部材53bが取り付けられている。着火部材53bは上端に近づくほどテーパ状に細くなっている。矢印に示すようにガスは斜め上方に多く分流するので、中程度の太さの炎70bとなる。図3(c)に示すものは、比較的大径の噴出ノズル52の内径部に前記着火部材53bが取り付けられている。ガスはより多く側方に流れるので、比較的太い炎70cとなる。
【0058】
これら以外にも、隙間の間隔やテーパ角等を変更することにより、好みや用途に応じた炎の形状となるようにして良い。
【0059】
その他、装置1には制御系の電源となる電池46や警報音を発する警報ブザー47(警報発生手段)が備えられている(図4参照)。
【0060】
図4は、装置1の制御系ブロック図である。前述したとおり、プリント基板25には電源回路41、スイッチ26、制御回路42、検知回路43、タイマー回路44及び高圧パルス発生回路45が設けられている。電源回路41には電池46が接続されている。スイッチ26はバルブ機構30に連動して電源回路41から制御回路42に供給する電気のオン・オフを切換える。制御回路42は、スイッチ26がオンであり、かつ消灯状態(ガスが燃焼していない)のとき、所定の時間(後述するタイマー回路44からタイムアップ信号を受けるまで)高圧パルス発生回路45に放電指令を発する。
【0061】
高圧パルス発生回路45には、放電電極として高圧側に噴出ノズル52が、低圧側にマイナス電極54が接続されている。高圧パルス発生回路45は制御回路42からの放電指令を受けると、12〜15万ボルトの電圧を毎秒数回発生させて、噴出ノズル52とマイナス電極54との間に放電による電気火花を発生させる。消灯状態であり、かつ噴出ノズル52からガスが噴出しているときに電気火花を発生させるとガスに着火し、炎が形成される。つまり高圧パルス発生回路45、噴出ノズル52及びマイナス電極54は、噴出ノズル52から噴出するガスに電気火花によって点火する点火手段となっている。
【0062】
制御回路42は、検知回路43が炎を検知したとき点灯状態であると判定し、そうでないときに消灯状態であると判定する。検知回路43には赤外線フォトセンサ55が接続されている。炎からは強い赤外線が放射されているので、赤外線フォトセンサ55が強い赤外線を受けたとき、検知回路43は炎が検知されたとする。
【0063】
タイマー回路44には警報ブザー47が接続されている。タイマー回路44は、スイッチ26がオンであり、かつ検知回路43での炎の検知がなされない状態となったときタイマーをスタートさせ、その状態が所定時間以上継続したときに警報ブザー47から警報音を鳴らす。それとともに制御回路42にタイムアップ信号を発する。
【0064】
次に、装置1の作用について説明する。本装置の使用に際し、先ず基台部20内にガスボンベ10を装填する。即ち、上ボンベカバー14より上部を下ボンベカバー9から外し、下ボンベカバー9の内部にガスボンベ10を略垂直に載置する。このとき、ボンベ支持部3は図1に示すように垂直に自立してボンベ底面11を支持している。
【0065】
次に上ボンベカバー14と下ボンベカバー9とを螺合させると、ボンベノズル受け15のOリング17とボンベ口金12とが圧接嵌合してガスボンベ10の上部が支持されるとともに、Oリング16がボンベノズル13をシールしながら押下する。ガスボンベ10はガス噴出状態となり、噴出したガスは漏出することなくガス通路18に導かれる。なお、ガスボンベ10はボンベノズル13を上にして垂直に立てられているため、液化ガスが直接ボンベノズル13から噴出することはなく、気化したガスのみが噴出する。
【0066】
噴出したガスはチューブ19を経由してバルブ機構30のガス吸入口36に導かれる。そして更にガス通路37を経由してバルブ穴小径部31bに導かれる。こととき、調整ツマミ27がスイッチオフ状態、即ちバルブ軸32の螺入深さが最深の状態にあれば、ガス通路37がバルブ軸テーパ部32bのテーパ面によって閉塞されている。
【0067】
その状態から調整ツマミ27をスイッチオン状態に回転させると、バルブ軸32の螺入深さが浅くなり、バルブ穴小径部31bとバルブ軸テーパ部32bとの間に隙間が生じることにより、ガスはフィルタ35を経由してガス放出口38へ導かれる。ガス流量の調整は、調整ツマミ27を回転させてバルブ軸32の螺入深さを変化させることによって行う。即ち、フィルタ35がバルブ軸32の螺入深さに応じて圧縮されたり弛緩したりすることによりガス流量が調整される。こうすることにより微細な炎の調節が可能となっている。
【0068】
ガス放出口38に導かれたガスはチューブ39を経由して噴出ノズル52の先端から噴出する。一方、調整ツマミ27がスイッチオン状態とされると、カム面28がスイッチ26をオンに切換える。スイッチ26がオンに切換えられると、赤外線フォトセンサ55と検知回路43とが炎の検知を行う。そこで炎が検知されない、即ち燃焼中でないことが確認されると高圧パルス発生回路45によって噴出ノズル52とマイナス電極54との間に放電がなされ、電気火花が噴出したガスに着火する。着火によって形成された炎が検知されると、高圧パルス発生回路45はパルスの発生を停止し、放電を停止させる。
【0069】
以上のように、調整ツマミ27をスイッチオンにするだけで、ガスの噴出と点火が自動的に同時になされるので、例えばガスを噴出させてからマッチの炎を近づけるような2段階の操作が不要となり、操作が容易になっている。
【0070】
なお、タイマー回路44によって、所定時間放電を継続しても炎が検知されない、即ち着火されなかったと判定された場合、警報ブザー47から警報音を鳴らすと共に放電が停止される。着火しない原因として、噴出ノズル52からガスが噴出しない(ガスボンベ10の未装填や装填ミス、ガス切れ、或いは後述する転倒時消火がなされた場合など)か、放電による火花の不良(例えば電池が消耗して電池電圧が低下したとき。高圧回路は一定以上の電圧が印加されないと放電できないので。)が考えられる。いずれの場合も所定時間経過しても着火に至らないので、警報ブザー47が警報音を鳴らす(電池電圧が低下して放電できなくなってもある程度の電圧があれば警報ブザー47を鳴らすことができる)。このように着火に何らかの異常が発生すると警報音が鳴るので装置1の管理者はその事態を速やかに認識し、必要な対処を行うことができる。
【0071】
次に、装置1の自動再点火作用について説明する。スイッチ26がオン状態で燃焼している際、風等で炎が消えた、いわゆる立ち消えが発生した場合、赤外線フォトセンサ55が赤外線を検知しなくなる。従って検知回路43から制御回路42に炎の検知信号が送られなくなる。スイッチオンであるにもかかわらず炎が検知されないとき、自動的に高圧パルス発生回路45がパルスを発生させ、放電を開始する。これによって再点火がなされる。このように、赤外線フォトセンサ55と検知回路43とが立ち消え検知手段として作用し、自動再点火がなされる。なお、この自動再点火においても初期点火の場合と同様、所定時間の放電継続後に着火しない場合は警報ブザー47が警報音を鳴らし、放電を停止する。
【0072】
図5は装置1の制御系のフローチャートである。スイッチオン(ステップS1でYES)の状態となると、更に点灯中(炎が検知される状態)であるか否かが判定される(ステップS2)。YESであれば正常に燃焼中であるのでリターンする。NOであれば初期点火時、または立ち消え発生時であることを示す。その際は、タイマー回路44によってタイマーをスタート(ステップS3)させたうえで放電を開始する(ステップS4)。そして点灯が確認(ステップS5でYES)されれば放電を停止(ステップS8)し、そうでなければタイマー回路44のタイマー値が所定値を越えたか否かが判定される(ステップS6)。ステップS6でNOであればステップS4に戻り放電を継続する。ステップS6でYESであれば、何らかの着火異常が発生していると判定し、警報ブザー47から警報音を鳴らす(ステップS7)とともに放電を停止(ステップS8)してリターンする。
【0073】
次に、装置1の転倒時消火作用について説明する。図6はガスボンベ10付近の状態示す部分断面図であり、(a)は装置1が傾斜した状態、(b)はその後正立させた状態を示す。
【0074】
図6(a)に示すように、装置1が床面90に対し所定以上傾斜する(転倒を含む)と、ガスボンベ10は自重によりボンベ口金12の支持部を支点として傾斜方向に傾く。このとき、フック4は球面状のボンベ底面11に押されて倒れる。更に、ボンベノズル13が押下状態から復帰しようとする力も加わってガスボンベ10は図示のように下ボンベカバー9内で最大まで傾斜する。
【0075】
そしてフック4が倒れることとガスボンベ10が傾斜することにより、ボンベ口金12がOリング17から外れ、ガスボンベ10は所定の支持状態(ガスが噴出する位置での支持)から解除される。それと同時にボンベノズル13の押下も解除され、ガス噴出は停止する。
【0076】
こうして噴出ノズル52へのガス供給が停止されるので、炎は速やかに消火され、安全が確保される。なお、消火後、図5のフローチャートのステップS2でNOと判定される状態となり、自動再点火作用によって再点火が試みられる。しかしガス供給が停止されているので着火することはなく、所定時間経過後、警報ブザー47が警報音を鳴らして再点火を中止する。
【0077】
図6(b)は、ガスボンベ10がボンベノズル受け15から外れた後、装置1を正立させた状態である。フック4は倒れ、ガスボンベ10の支持機能を喪失している。ボンベノズル13は自由状態(押下されていない状態)に復帰しており、ガスの噴出が停止されている。この状態から再び点灯させるためには、ガスボンベ10を装填し直す必要がある。ガスボンベ10を持ち上げると、フック保持スプリング5の復元力によってフック4が直立するので、改めて正規の装填が可能となる。
【0078】
図7に、ボンベ支持部3の変形例を示す。ボンベ支持部3a,3b,3cの側断面図をそれぞれ(a)、(b)、(c)に示す。
【0079】
図7(a)に示すボンベ支持部3aは、フック保持突起6aの先端を突出させ、その上に底面がフック保持突起6aよりも少し小さいザグリをしたフック4aが設けられている。これらの外周面側にコイル状のフック保持スプリング5aが取り付けられている。フック保持スプリング5aの下部はフック保持突起6aに、上部はフック4aに固定されている。このようにすると比較的大径のフック保持スプリング5aとすることができ、特性の自由度が向上する。
【0080】
図7(b)に示すボンベ支持部3bは、フック4aの先端に先端ボール7が回転自在に設けられている。先端ボール7により、その先端がガスボンベ10のボンベ底面11を滑り易くなる。従って、ガスボンベ10が傾斜したときにフック4bがボンベ底面11上を滑動し、斜め方向からの力を受け易くなるので、倒れ易くなる。
【0081】
図7(c)に示すボンベ支持部3bは、フック4cの先端に摩擦力の大きい先端ゴム8が設けられている。先端ゴム8はボンベ10のボンベ底面11に密着し、ガスボンベ10が傾斜したときにボンベ底面11に引きずられるようにしてフック4cが倒される。
【0082】
以上のボンベ支持部3、3a、3b或いは3cの何れの構造を選択するかは、ボンベ底面11の形状や摩擦係数、或いはスプリングの特性等を考慮して適宜決定すれば良い。また、これらの構造以外にも、適宜好適な構造として良い。
【0083】
図8は、ボンベ用錘49によってガスボンベ10が倒れ易くしたものの部分側断面図である。(a)は通常の使用状態、(b)は装置1が傾斜した状態を示す。勾配付き底板2aは、外周付近に逆円錐状の勾配面を有している。その上に、3箇所以上の回転自在なボールを備えた受け台48に懸架されたボンベ用錘49を備える。ボンベ用錘49の外径はボンベ底面11の凹部径よりも少し小さく、且つボンベ用錘49の上面はボンベ底面11の凹部下端よりも上側となるように設けられている。
【0084】
装置1が傾斜すると、ボンベ用錘49がボンベ底面11の下部を押しながら勾配付き底板2aの勾配面上を移動するので、ガスボンベ10が傾斜し易くなる。ガスボンベ10が図8(b)に示されるように傾斜すると、フック4が倒れ、ガスボンベ10が不支持の状態となる。装置1を正立させると、ボンベ用錘49は中央に戻る。ボンベ用錘49は、ガスボンベ10の内容量が少ないとき、或いは短い形状のとき等でガスボンベ10の自重が軽いときに、ガスボンベ10の傾斜を効果的に補助することができる。
【0085】
図9は、炎70の周囲に風防を設けたものを示す部分側断面図である。(a)は、蝋燭状円筒50全体を覆う風防61、(b)は蝋燭状円筒50の上部のみを覆う風防62を示す。これらの風防61、62によれば、炎に風が直接当たる事が防止されるので、炎が立ち消えする頻度を効果的に削減することができる。また、風防による光の反射、屈折の作用により、炎による照明の演出効果を一層引き立てることができる。風防の形状はこれらに限定するものではなく、用途に応じて適宜その形状や透明度を設定して良い。また風防61,62に適宜着色を施せば、その演出効果を更に高めることができる。
【0086】
図10は、共通の基台部20(燃料収納部)からガス通路を3つに分岐させてそれぞれに蝋燭状部60を設けた擬似蝋燭(以下装置1aという)である。このようにすると、各蝋燭状部60に対して個別の基台部20(燃料収納部)を設ける必要がないので、全体として装置1aを小型、軽量化することができる。また、各蝋燭状部60への点灯や消灯の作業を一度に行うことができ、作業性を向上することができる。更に、赤外線フォトセンサ55やマイナス電極54を各蝋燭状部60に備えるので、立ち消え時の自動再点火は各蝋燭状部60で個別に行うことができる。また、転倒時にはガスボンベ10を所定の指示位置から移動させることによって、確実に一斉消火させることができる。そして更に、単一の基台部20から枝分かれした燭台(制御部ケース22)の上にそれぞれ蝋燭(蝋燭状部60)が設けられたような外観形状となすことが容易となり、装置形状の自由度が高くなっている。
【0087】
なお、特に図示しないが、上ボンベカバー14と制御部ケース22との間に円筒状の延長部材を挿入し、それに応じたチューブ19の長さとすることにより、容易に背高型の擬似蝋燭を得ることができる。その他、使用状況に応じて特許請求の範囲内で種々の変形が可能である。
【0088】
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。図11は、第2実施形態に係る擬似蝋燭(以下装置100という)の側断面図であり、図12はそのIII−III線断面図である。なお、以下の説明において第1実施形態と同一部分には同一符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【0089】
本体ケース101の下部には空洞部が形成され、ガスタンク103(燃料収納部)となっている。ガスタンク103内には液化ガス138が充填される。本体ケース101の底部には底蓋102が気密的に接着又は溶接されて設けられている。底蓋102の中央部には液化ガスを注入するための注入口112が設けられ、注入口ボルト104によって封止されている。注入口112の、ガスタンク103に臨む位置は周囲よりも高くなっている。
【0090】
ガスタンク103の中央上部にはガスライター等に用いられるバルブ機構105が設けられ、ガスタンク103と小径のガス通路である狭路106によって連通されている。狭路106の下部には上窄まりの皿状勾配面107が成形されている。なお、後述するように皿状勾配面107はガス液面138aよりも高い位置になるように設定されている。即ち、ガス液面138aの上部には気化のための空間109が存在し、狭路106は気化のための空間109内に開口するようになっている。
【0091】
本体ケース101の皿状上部に、蝋燭状円筒50と一体となった上蓋108が固定されている。上蓋108の右端は、下側に断面コ字状に折り曲げられ、フック120を形成している。
【0092】
本体ケース101の中央より右側に圧電素子ユニット116が上下方向に操作できるように固定され、上部スイッチ115に連設された点灯ボタン117が上蓋108より突出している。圧電素子ユニット116の高圧側は噴出ノズル52に、低圧側はマイナス電極54に接続されている。
【0093】
点灯ボタン117の側面下端に帯板状のフックスプリング119が固定されている。フックスプリング119は、その下端が固定され、上拡がりとなるように設定されている。図11及び図12に示す非点灯状態では、フックスプリング119の板面がフック120の左側面に当接し、それより上拡がりとなることが規制されている。
【0094】
バルブ機構105の中心部にはガスを噴出ノズル52に送出するバルブノズル111が、上下動可能に設けられている。即ち、バルブノズル111が上方に移動したときガス通路が開となり、下方に移動したとき閉となる。バルブノズル111の上端付近に、これを上下動させるためのノズル操作レバー121が連設されている。ノズル操作レバー121の一端は、U字溝が設けられてバルブノズル111の上部溝に嵌められ、他端は点灯ボタン117の底面に設けられた突起122に当接している。ノズル操作レバー121の、バルブノズル111寄りの下面側に本体ケース101から突出した突起123が設けられており、バルブノズル111は突起123を支点として揺動するようになっている。即ち、点灯ボタン117を、圧電素子ユニット116に内蔵された圧縮バネの付勢力に抗して押下すると、ノズル操作レバー121の右端が下がるとともに左端が上がり、バルブノズル111が開状態となる。
【0095】
上蓋108の裏面に沿うように、平面視でコ字状の摺動レバー124が設けられており、その右端には消灯ボタン125が設けられている。消灯ボタン125は本体ケース101の側面外部に突出している。摺動レバー124のコ字状折り返し位置にあたる箇所にはU字溝126が設けられ、上蓋108から下向きに突設されたピン127に嵌合している。摺動レバー124は、U字溝126とピン127にガイドされて、消灯ボタン125と一体となって左右方向に摺動可能となっている。
【0096】
本体ケース101の皿状上部の主に左側に、比重の大なる材質からなる錘体129が設けられている(図12には、その平面視外形を太線で示す)。錘体129は、左右中心より左側において特に厚みが大となっており、その重心は著しく左側に偏っている。錘体129は、規制範囲内で本体ケース101の中心ボス部130を中心に滑らかに回転可能であり、また左右方向に滑らかに移動することも可能である。
【0097】
錘体129から上方に突設された2本のピン131は、摺動レバー124から下方に折り曲げられた2本のアーム132とそれぞれ位置p1、p2で当接している。
【0098】
バルブ機構105の調整ボス134に、バルブ調整レバー133が嵌合圧入されている。バルブ調整レバー133は上蓋108の上方に突設され、円筒状の調整ツマミ136に固定されている。調整ツマミ136を回転させると、バルブ調整レバー133を介して調整ボス134が回転し、バルブ機構105の開度が調整されるようになっている。
【0099】
次に、装置100の作用を説明する。注入口112から液化ガス138を充填後、図13に示すように点灯ボタン117を押下(矢印A)すると、ノズル操作レバー121を介してバルブノズル111が上方に引き上げられる(矢印B)。つまりバルブ機構105が開状態となって、気化したガスが噴出ノズル52に送られる。一方、点灯ボタン117の押下と共に圧電素子ユニット116のスイッチがオンとなり、高圧パルスを発生させるので、噴出ノズル52とマイナス電極54との間に放電が起こり、着火する。
【0100】
点灯ボタン117を押下すると、図13に示すようにフックスプリング119がフック120の下面に入り込み、点灯ボタン117の戻りを阻止する。このため、点灯中(燃焼中)は点灯ボタン117の押下状態が継続し、ガス供給が継続される。
【0101】
消火の際には、消灯ボタン125を左側に押すことにより、フックスプリング119の上部がフック120下面から外れ、点灯ボタン117が上方に復帰する。それとともにバルブノズル111は、バルブ機構105の内部スプリング付勢力によって下方に移動する。従ってバルブ閉状態となり、ガス供給が停止されて速やかに消火される。
【0102】
次に、装置100の転倒時消火作用について説明する。装置100が点灯中に、図11に示す状態から右に転倒したとき、消灯ボタン125が床面90と衝突するので、消灯ボタン125が押し込まれ、自動的に消灯される。
【0103】
装置100が点灯中に、図11に示す状態から左に転倒又は所定以上傾斜したときは、錘体129が自重によって左側に移動する。すると、位置p1,p2でピン131と接触しているアーム132が左側に押され、結局摺動レバー124が全体的に左側に押される。これにより消灯ボタン125が左側に移動し、自動的に消火される。
【0104】
装置100が点灯中に、図11に示す状態から紙面手前に転倒又は所定以上傾斜したときは、錘体129の重心が著しく左に偏心しているため、図14に示すように中心ボス部130を中心に左回り(矢印C)に回転する。すると、位置p1でアーム132と接しているピン131が左に移動することになるので、結局アーム132を介して摺動レバー124が左(矢印D)に押される。これにより消灯ボタン125が左側に移動し、自動的に消火される。本体ケース101が反対側(図11の紙面奥側)に転倒した場合も同様に消火される。
【0105】
ところで、図11に示すように、装置100は、液化ガス138を最大量充填してもガス液面138aの上部には気化のための空間109が形成されるようになっている。図15に、その充填時の状態を示す。図に示すように、液化ガス138の充填は装置100を上下反転してなされる。その際、注入口112が液化ガス138で塞がれる位置まで充填された状態をフル充填としている。このとき、ガス液面138bの上部には空間109aが残っており、これが装置100を正立させたときの気化のための空間109となる。
【0106】
このように、気化のための空間109で予め気化されたガスが狭路106を経由してバルブ機構105に導かれる。ガスタンク103の熱容積はバルブ機構105の熱容量よりも充分大きく、また周囲との熱交換量も多い。このため、気化熱によるガス温度の低下、ガス圧の低下は殆ど無視できる程度である。従って、長時間燃焼させても気化熱が奪われることによってガス圧が低下することがなく、炎の大きさが時間の経過に伴って小さくなることが効果的に防止される。
【0107】
また、図15の状態で、狭路106が小径であるため、液化ガス138は表面張力によって狭路106の内部に入り込まない。つまりバルブ機構105が直接液化ガスに濡れることがないので、ガス通路内に残留した液化ガスが完全に気化しない状態で噴出ノズル52から噴出し、一時的に炎が大きくなることが効果的に防止されている。この作用は装置転倒後の点火時にも有効である。
【0108】
そして、液化ガス充填時や転倒時に皿状勾配面107に付着した液化ガスは、皿状勾配面に沿って速やかに落下するので残留し難く、狭路106から液化ガスが直接吸い上げられることを一層確実に防止している。
【0109】
以上、第1及び第2実施形態について説明したが、本発明は、前記の実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能である。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明の擬似蝋燭は、ガスの燃焼により炎が形成される擬似蝋燭であって、ガスボンベ又は液化ガスを収納する燃料収納部と、蝋燭を模した筒状体と、前記筒状体の上端付近に設けられ、ガスを噴出する噴出ノズルと、前記燃料収納部から前記噴出ノズルにガスを導くガス通路と、前記噴出ノズルから噴出するガスに電気火花によって点火する点火手段とを備え、前記噴出ノズルから噴出されるガスが点火によって燃焼して炎が形成されるようにしたので、炎による蝋燭相当の灯火を得つつ、油煙による煤が少なく、燃焼によって蝋燭(を模した部分)が短くなることもロウが垂れて外観を損ねることもなく、更に点火が容易となっている。
【0111】
より望ましくは、炎が立ち消えしたことを検知する立ち消え検知手段を備え、立ち消えが検知されたとき、前記点火手段が自動的に再点火するように構成することにより、立ち消えに対処する手間を省くことができる。
【0112】
更に望ましくは、装置が転倒したとき、前記噴出ノズルからのガス噴出を停止して消火する転倒時消火手段を簡単な構造で備えることにより、転倒時に消火する安全な機構を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る装置の側断面図である。
【図2】図1のバルブ機構付近の部分拡大図である。
【図3】第1実施形態に係る装置に関する、噴出ノズル付近の構造と炎の形状を示す説明図であり、(a)は比較的細い炎、(b)は中程度の太さの炎、(c)は比較的太い炎をそれぞれ形成する形状である。
【図4】第1実施形態における制御ブロック図である。
【図5】第1実施形態における制御フローチャートである。
【図6】(a)は第1実施形態における装置が傾斜した状態を示す部分側断面図、(b)はその後、装置を成立させた状態を示す部分側断面図である。
【図7】第1実施形態におけるボンベ支持部の変形例を示す説明図である。(a)はフック保持スプリングを外径部に設けたもの、(b)は先端ボールを設けたもの、(c)は先端ゴム8を設けたものをそれぞれ示す。
【図8】第1実施形態の変形例であって、ボンベ用錘を設けたものを示す。(a)は正立状態、(b)は傾斜状態を示す。
【図9】第1実施形態において風防を設けたものを示す部分側断面図である。(a)は蝋燭状円筒全体を覆うもの、(b)はその上部のみを覆うものである。
【図10】第1実施形態の変形例であって、共通の燃料収納部に対し、複数の蝋燭状部が形成された装置の斜視図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る装置の側断面図である。
【図12】図11のIII−III線断面図である。
【図13】図11の点灯ボタン付近の拡大断面図である。
【図14】第2実施形態における、転倒時の錘体の動作を示す説明図である。
【図15】第2実施形態における、液化ガス充填時の状態を示す部分側断面図である。
【符号の説明】
1,1a 装置(擬似蝋燭)
3 ガスボンベ支持部(転倒時消火手段)
18 ガス通路
19 チューブ(ガス通路)
20 基台部(燃料収納部)
36 ガス吸入口(ガス通路)
37 ガス通路(ガス通路)
38 ガス放出口(ガス通路)
39 チューブ(ガス通路)
43 検知回路(立ち消え検知手段)
45 高圧パルス発生回路(点火手段)
47 警報ブザー(警報発生手段)
50 蝋燭状円筒(筒状体)
52,52b,52c 噴出ノズル(兼点火手段)
53,53b 着火部材
54 マイナス電極(点火手段)
55 赤外線フォトセンサ(立ち消え検知手段)
61,62 風防
100 装置(擬似蝋燭)
103 ガスタンク(燃料収納部)
106 狭路
109 気化のための空間
111 バルブノズル(ガス通路弁)
129 錘体
【発明の属する技術分野】
本発明は、祭典、宗教上の儀式、飲食店やパーティ会場等において蝋燭の代用とするに好適な、ガスの燃焼により炎が形成される擬似蝋燭に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
蝋燭は、電燈とは異なる独特の趣を有し、祭典、宗教上の儀式、飲食店やパーティ会場等において演出効果の高い灯火としてしばしば用いられる。しかし、蝋燭には油煙を発生させて他のものを煤けさせたり、溶けたロウが垂れて外観を損ねたり、或いは燃焼して短くなった蝋燭の交換が面倒であったりするなどの問題がある。
【0003】
そのような問題を解決するため、蝋燭を模した外観を有しながら、ガスを燃料とする炎を形成させて蝋燭の代用となす装置が知られている(例えば特許文献1参照。)。この装置によれば、炎による蝋燭相当の灯火を得つつ、油煙による煤が少なく、燃焼によって蝋燭(を模した部分)が短くなることもロウが垂れて外観を損ねることもないので管理が容易である。
【0004】
【特許文献1】
実開平5−31010号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記特許文献1に示される装置は、バイメタル等を加熱することによって開く弁を介してガスが噴出されるように構成されているので、点火の際には高温の熱源(マッチやライター)をいちいち点灯してガス噴出ノズル付近に近づける必要がある。即ち点火方法に関しては蝋燭と同一であり、蝋燭の有する点火の煩わしさに関しては未解決であった。
【0006】
また、炎の性質上、風等によって立ち消えすることが少なくない。従って、常に炎を監視し、不意に発生する立ち消えに対処して再点火しなければならない煩わしさもあった。
【0007】
更に、安全面から、装置転倒の際には速やかに消火するような機構が望まれる。特許文献1に示される装置は転倒時の消火機構も備えているが、球面座と、その座面に沿う球形弁とによって構成されており、形状や機構が複雑であった。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑み、炎による蝋燭相当の灯火を得つつ、油煙による煤が少なく、燃焼によって蝋燭(を模した部分)が短くなることもロウが垂れて外観を損ねることもなく、更に点火が容易であって、望ましくは立ち消えに対処する手間を省くことができる機構や、簡単な構造で転倒時に消火する機構を有する擬似蝋燭を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ガスの燃焼により炎が形成される擬似蝋燭であって、ガスボンベ又は液化ガスを収納する燃料収納部と、蝋燭を模した筒状体と、前記筒状体の上端付近に設けられ、ガスを噴出する噴出ノズルと、前記燃料収納部から前記噴出ノズルにガスを導くガス通路と、前記噴出ノズルから噴出するガスに電気火花によって点火する点火手段とを備え、前記噴出ノズルから噴出されるガスが点火によって燃焼して炎が形成されるようにしたことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、蝋燭を模した筒状体とガスによる炎とによって、蝋燭のような外観を有し、蝋燭相当の演出効果を奏する灯火として、蝋燭の代用に供することができる。そして、ガスを燃料とするので油煙による煤が少なく、燃焼によって蝋燭(を模した部分)が短くなることもロウが垂れて外観を損ねることもない。
【0011】
しかも、電気火花によって点火する点火手段を備えるので、点火の際にマッチやライターをいちいち点灯してガスに引火させる必要がなく、例えばスイッチをオンにするだけで蝋燭よりも格段に容易に点火させることができる。
【0012】
この擬似蝋燭において、炎が立ち消えしたことを検知する立ち消え検知手段を備え、立ち消えが検知されたとき、前記点火手段が自動的に再点火するように構成する(請求項2)ことも効果的である。
【0013】
この構成によると、立ち消えが起こっても自動的に再点火するので、その消灯時間を最小限にすることができる。また、立ち消えすることなく正常に燃焼していることを監視する必要がなく、人手によって再点火する手間も省くことができる。なお、この再点火は、後述する転倒時消火手段によって炎が消火されたときには作動しない、又は作動しても着火しないようにしておけば安全上更に望ましい。
【0014】
前記立ち消え検知手段の具体的構造として、前記噴出ノズルの近傍に設けられた赤外線センサを備え、燃焼中に前記赤外線センサが炎からの赤外線を検知しない状態となったとき、立ち消えが発生したとする(請求項3)ようにすれば良い。
【0015】
赤外線センサは、赤外線を検知するセンサとして一般に広く知られたものであり、例えばフォトトランジスタ、フォトダイオード、CdSセル等によって構成される。必要に応じて可視光カットフィルタを設けても良い。ガスの炎からは強い赤外線が放射されているので、その強い赤外線が検知されているときには正常に点灯(燃焼)している、検知されないときには立ち消えが起こったと判定することができる。
【0016】
また、前記立ち消え検知手段により炎の立ち消えが検知されて再点火を行っても所定時間以内に着火せず、立ち消え状態が解消されなかったときに警報を発する警報発生手段を備える(請求項4)ことも効果的である。
【0017】
このようにすると、立ち消え後に再点火を行っても何らかの原因により着火しなくなくなった場合、警報が発せられるので、この装置の管理者はその事態を速やかに認識し、必要な対処を行うことができる。再点火を行っても着火しない場合として、ガス切れや電気火花の異常(例えば電池消耗など)、或いは後述する転倒時消火がなされた場合等がある。なお、警報発生手段としては、一般的な警報ブザーの他に光や振動その他の信号を発するものでも良い。
【0018】
更に、本装置が転倒したとき、前記噴出ノズルからのガス噴出を停止して消火する転倒時消火手段を備える(請求項5)と、転倒によって炎が周囲の可燃物に燃え移ることが防止され、また噴出ノズルからガスのみが噴出し続ける危険も防止することができる。
【0019】
前記転倒時消火手段の具体的構造として、前記ガス通路に設けられたガス通路弁と、傾斜によってその方向に移動するように設けられた錘体とを備え、前記錘体が傾斜方向に所定以上移動したとき、前記ガス通路弁を閉側に切換えるように構成(請求項6)すると良い。
【0020】
このようにすると、本装置が所定以上に傾斜したとき(転倒または転倒の虞があるとき)、その傾斜方向に錘体が移動してガス通路弁を閉側に切換えるので、自動的にガスの噴出を停止させつつ消火することができる。錘体の形状、質量、移動方向等を適宜設定することにより消火を実行する傾斜角や傾斜方向を自由に設定することができる。
【0021】
前記燃料収納部にガスボンベを収納するように構成されたものにおいては、ガスボンベをガスの噴出可能な所定の位置に支持するガスボンベ支持部を備え、前記転倒時消火手段は、前記本装置が所定以上に傾斜したとき、前記ガスボンベ支持部がガスボンベの前記所定位置への支持を解除することによってガスの噴出を停止させるように構成(請求項7)しても良い。
【0022】
通常のガスボンベは、所定の操作(例えば噴出口を押下する)をしないとガスが噴出しないような構造になっている。従って、ガスボンベが所定の位置に支持されているときに前記所定の操作がなされるようにしておけば、ガスボンベを前記所定の位置に支持しておくだけでガスを噴出させることができる。そして、装置が所定以上に傾斜したときにはガスボンベの支持を解除(所定の位置から外す)するだけでガスボンベ自体の機能によってガスの噴出を停止させることができる。即ち、ガスの噴出を停止させるための弁等を設けることなく、ガスボンベ位置を移動させるだけでガスの噴出を停止して消火することができるので、簡単な構造で転倒時消火手段を構成することができる。
【0023】
ところで、燃料収納部に液化ガスを収納するものにおいて、従来の一般的な液化ガスを用いた点火装置(ライター等)では、吸い上げ芯を使用して液化ガスを吸い上げ、ガス量調整バルブ直前で気化させる構造が用いられている。この場合、ガス量調整バルブや、その付近に設けられたフィルタが気化熱によって冷却されるので、時間の経過に伴って気化ガスの温度が低下し、ガス圧が低下する。このため、長時間燃焼させると、炎の大きさが時間の経過に伴って小さくなるという現象が起こる。比較的長時間燃焼させることを前提とする本装置において、そのような現象が起こることは好ましくない。
【0024】
そこで、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の擬似蝋燭において、前記燃料収納部に液化ガスを収納するものについて、前記燃料収納部は、液化ガスの液面より上部に気化のための空間が形成されるように構成され、前記ガス通路の燃料収納部側端部が、前記気化のための空間内に開口するように設けられている(請求項8)ようにすれば前記現象を効果的に防止することができる。
【0025】
即ち、このような構成にすると、燃料収納部内の空間で予め気化されたガスがガス通路に導かれる。燃料収納部(一般的にはガスタンク)の熱容積はガス量調整バルブの熱容量よりも充分大きく、また周囲との熱交換量も多い。このため、気化熱によるガス温度の低下、ガス圧の低下は殆ど無視できる程度である。従って、長時間燃焼させてもガス通路に導かれるガス圧が低下することがなく、炎の大きさが時間の経過に伴って小さくなることが効果的に防止される。
【0026】
なお、ガス通路の燃料収納部側端部が、気化のための空間内に開口するように設けられていると、本装置を転倒させたり、燃料充填のために逆さにしたりしたとき、一時的に液化ガスがガス通路に流入する可能性がある。そして、その後正立させて正規の使用状態で使用しても、ガス通路内に残留した液化ガスが完全に気化しない状態で噴出ノズルから噴出し、一時的に炎が大きくなる虞がある。
【0027】
そのような現象は、前期ガス通路が、前記燃料収納部側端部付近で狭路となっている(請求項9)ようにすることで防止することができる。
【0028】
このようにすると、液化ガスが気化することなく一時的にガス通路に流入しても、狭路における表面張力によってそれ以上の浸入が阻止される。従って、その後の燃焼において、未気化のガスが噴出することが殆どなく、一時的に炎が大きくなる現象を防止することができる。
【0029】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の擬似蝋燭において、前記噴出ノズルの先端部にコイルバネ状の着火部材が取り付けられており、その着火部材は巻線間に隙間を設けつつ上端に近づくほどテーパ状に細くなるように成形(請求項10)しても良い。
【0030】
このようにすると、ガスは着火部材の巻線間の隙間を通り、斜め上方に分流するので炎の形を太くすることができる。また、隙間の間隔やテーパ角等を変更することにより、好みや用途に応じた炎の形状とすることが容易にできる。
【0031】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の擬似蝋燭において、前記噴出ノズルで形成される炎を囲むように、透明または半透明の風防を設ける(請求項11)ようにしても良い。
【0032】
このようにすれば、炎に風が直接当たる事が防止されるので、炎が立ち消えする頻度を効果的に削減することができる。また、風防による光の反射、屈折の作用により、炎による灯火の演出効果を一層引き立てることができる。この風防に適宜着色を施せば、その演出効果を更に高めることができる。
【0033】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の擬似蝋燭において、複数の前記筒状体と、それらに共通の前記燃料収納部を設ける(請求項12)ようにしても良い。
【0034】
このようにすると、各筒状体に対して個別の燃料収納部を設ける必要がないので、全体として装置を小型、軽量化することができる。また、複数の筒状体への点灯や消灯の作業を一度に行うことができ、作業性を向上することができる。更に、単一の基台から枝分かれした燭台の上にそれぞれ蝋燭が設けられたような外観形状となすことが容易となり、装置形状の自由度を高めることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施形態について図を参照しつつ説明する。
【0036】
図1は、第1実施形態に係る擬似蝋燭(以下装置1という)の側断面図である。装置1は、下部から順に基台部20、制御部40及び蝋燭状部60によって構成されている。
【0037】
基台部20は装置1の基台となる部位で、主に略円筒形状の下ボンベカバー9と、その上蓋となる上ボンベカバー14と、下蓋となる底板2からなる。これらは、その形成する空間にガスボンベ10を収納し得るように構成されている。即ち基台部20は燃料収納部として機能する。当実施形態では、ガスボンベ10として市販されている汎用品が使用できるように構成されている。従って、別途ガス充填をする必要がなく、ガスボンベ10の交換によって容易に燃料の補給を行うことができる。
【0038】
下ボンベカバー9は、その内径が、ガスボンベ10の外径に対し、上部では少し大きく、下部では更に大きくなるようなテーパ状に形成されている。
【0039】
底板2の中央部には、ガスボンベ10を支持するボンベ支持部3が設けられている。ボンベ支持部3は、上部に有底円筒状のフック4を、下部に円筒状のフック保持突起6を備え、それらはその内径部に設けられたコイル状のフック保持スプリング5で連結されている。フック4の上部は先端が丸みを帯びた円錐状に成形され、直接ガスボンベ10のボンベ底面11を支持する。フック保持突起6の下端は底板2に固定されている。下ボンベカバー9と上ボンベカバー14とは螺合により連結されており、切り離し自在となっている。
【0040】
上ボンベカバー14の中央部にはボンベノズル受け15が設けられ、その下部に設けられたOリング17とガスボンベ10のボンベ口金12とが圧接嵌合するように成形されている。そして、ボンベノズル13の先端部に当接する部位にもOリング16が設けられている。図の設置状態でボンベノズル13はOリング16に押し当てられ、押下されている。つまりガスボンベ10はガスを噴出する状態となっている。ボンベノズル13とOリング16との密着は、ボンベノズル13を上方に押し戻す付勢力(ガスボンベ10の内部機構)によって得られるが、必要に応じでボンベノズル受け15にスプリング等によって下向きの付勢力を与えて密着を強化しても良い。
【0041】
Oリング16の内径部からボンベノズル受け15の上部に貫通するガス通路18が設けられている。ガス通路18は、更に上方のガス通路と連結するためのチューブ19に接続されている。
【0042】
制御部40は、上ボンベカバー14の上部に設けられ、蝋燭の受け皿状に成形された制御部ケース22と制御部上蓋21とによって外形が形成されている。その内部には、下方にバルブ機構30が、上方にプリント基板25が設けられている。
【0043】
図2はバルブ機構30の拡大断面図である。バルブ機構30は、下部にガス吸入口36、上部にガス放出口38が設けられたバルブボディ31にバルブ軸32が螺入された構造となっている。ガス吸入口36はチューブ19に、ガス放出口38は更に上方のチューブ39に接続されている。
【0044】
バルブボディ31にはバルブ穴大径部31aとバルブ穴小径部31bとからなる段付き穴が設けられている。一方、バルブ軸32には、バルブ穴大径部31aに嵌挿され、それよりやや小径のバルブ軸大径部32aが設けられており、更にその先端側にはテーパ状に形成されたバルブ軸テーパ部32bが設けられている。バルブ軸テーパ部は、基端側ではバルブ穴小径部31bより大径であり、先端側ではバルブ穴小径部31bより小径である。バルブ穴小径部31bの底部とバルブ軸テーパ部32bの先端との間には隙間が形成されている。バルブ軸32を最も深く螺入したとき、バルブ軸テーパ部32bのテーパ面がバルブ穴大径部31aとバルブ穴小径部31bとの境界エッジ部を閉塞するようになっている。
【0045】
ガス吸入口36とガス放出口38は、バルブ穴大径部31aとバルブ軸大径部32aとの隙間に開口している。バルブ軸32には2本のOリング33,34が設けられ、その隙間をシールしている。即ち、Oリング33はガス吸入口36とバルブ外部とを連通する隙間を遮断し、Oリング34はガス吸入口36とガス放出口38とを連通する隙間を遮断する。バルブ軸32には、Oリング33,34間の隙間とバルブ軸テーパ部32bの先端部の隙間とを連通するガス通路37が設けられている。
【0046】
バルブ軸テーパ部32bの基端側平面部とバルブ穴大径部31aの底部との間に、円板リング状のポリウレタンフォームからなるフィルタ35が設けられている。フィルタ35は、バルブ穴大径部31aとバルブ軸大径部32aとの隙間と、バルブ穴小径部31bとを隔離する。フィルタ35は、バルブ軸32の螺入深さに応じて圧縮されたり弛緩したりする。
【0047】
バルブ軸32の基端側はバルブボディ31の外部に露出し、調整ツマミ27が設けられている。調整ツマミ27の最基端部は制御部ケース22の外部に露出しており、作業者が調整ツマミ27を回転操作することによってバルブ軸32の螺入深さが変化するようになっている。調整ツマミ27のバルブボディ31に近い側には、カム面28が成形されている。カム面28は、その上部に設けられたスイッチ26(後述するように制御系を作動させるスイッチ)に当接し、調整ツマミ27の回転量に応じてスイッチのオン・オフを切換える。
【0048】
バルブ軸32の螺入深さが最深のときにスイッチオフとなり、螺入深さが浅くなる方向に調整ツマミ27を回転させるとスイッチオンとなる。調整ツマミ27はスイッチオフの状態から最大3/4回転させることができる。
【0049】
再び図1を参照し、バルブ機構30の上部にはプリント基板25が設けられている。プリント基板25にはスイッチ26の他、電源回路41、制御回路42、検知回路43、タイマー回路44及び高圧パルス発生回路45が設けられている(図4参照)。各回路の詳細については後述する。
【0050】
制御部40の更に上方には蝋燭状部60が設けられている。蝋燭状部60には、蝋燭を模した外観を有し、内部空洞で放熱性の良い蝋燭状円筒50が設けられている。蝋燭状円筒50の下端は制御部上蓋21に固定されている。
【0051】
蝋燭状円筒50の内部上方には耐熱絶縁物によるノズルホルダ51が固定されている。ノズルホルダ51の中心部には細いパイプ状金属製で電気的に導通可能な噴出ノズル52が固定されている。噴出ノズル52の下部にはバルブ機構30のガス放出口38から導かれるチューブ39が接続されており、送られたガスが噴出ノズル52の上端から噴出するようになっている。
【0052】
また、噴出ノズル52の下部にはプリント基板25の高圧パルス発生回路45の高圧側である噴出ノズルリード線52aが結線されている。一方、蝋燭状円筒50の内側面の噴出ノズル52よりやや上方に、尖端を有するマイナス電極54が、その尖端を噴出ノズル52に向けるようにして設けられている。マイナス電極54の下端は、高圧パルス発生回路45の低圧側であるマイナス電極リード線54aが結線されている。
【0053】
ノズルホルダ51の中心部から少し離れた位置に可視光カットフィルタを備えた赤外線フォトセンサ55が、その先端をノズルホルダ51の上面より突出させて固定されている。赤外線フォトセンサ55には、プリント基板25のフォトセンサ検知回路(以下検知回路43という)に接続するセンサリード線55aが結線されている。赤外線フォトセンサ55はフォトトランジスタ、フォトダイオード、CdSセル等によって構成される一般的な赤外線センサであって、ガス燃焼時に発生する赤外線を検知する。可視光カットフィルタを備えているので、蛍光灯などの可視光には反応しない。
【0054】
蝋燭状円筒50の上端には先端キャップ56が回転自在に取り付けられている。その中心部には燃焼口57が設けられ、噴出ノズル52から噴出したガスが蝋燭状部60の上端に吹き抜けるようになっている。燃焼時には、そのガス流に沿って炎70が形成される。燃焼口57の周辺部に、開口部の大きさが調整可能な空気取入口58が設けられている。
【0055】
以上のように、ガス通路18、チューブ19、ガス吸入口36、ガス通路37、ガス放出口38及びチューブ39は基台部20(燃料収納部)から噴出ノズル52にガスを導くガス通路となっている。
【0056】
図3は、噴出ノズル52周辺の拡大断面図である。(a)は比較的細い炎を形成するノズル形状、(b)は中程度の太さの炎を形成するノズル形状、(c)は比較的太い炎を形成するノズル形状をそれぞれ示す。この何れかを用途に応じて選択的に用いても良く、カートリッジ式に付け替え可能としても良い。図3に示すように、噴出ノズル52,52b,52cの先端部に、巻線間に隙間を設けたコイルバネ状の着火部材53,53bが取り付けられている。炎70,70b,70cは、この着火部材53,53bの周囲に形成される。
【0057】
図3(a)に示すものは、比較的小径の噴出ノズル52の内径部に一定径の着火部材53が取り付けられたもので、矢印に示すようにガスの多くは真上に吹き抜け、比較的細い炎70となる。図3(b)に示すものは、比較的小径の噴出ノズル52の外径部に着火部材53bが取り付けられている。着火部材53bは上端に近づくほどテーパ状に細くなっている。矢印に示すようにガスは斜め上方に多く分流するので、中程度の太さの炎70bとなる。図3(c)に示すものは、比較的大径の噴出ノズル52の内径部に前記着火部材53bが取り付けられている。ガスはより多く側方に流れるので、比較的太い炎70cとなる。
【0058】
これら以外にも、隙間の間隔やテーパ角等を変更することにより、好みや用途に応じた炎の形状となるようにして良い。
【0059】
その他、装置1には制御系の電源となる電池46や警報音を発する警報ブザー47(警報発生手段)が備えられている(図4参照)。
【0060】
図4は、装置1の制御系ブロック図である。前述したとおり、プリント基板25には電源回路41、スイッチ26、制御回路42、検知回路43、タイマー回路44及び高圧パルス発生回路45が設けられている。電源回路41には電池46が接続されている。スイッチ26はバルブ機構30に連動して電源回路41から制御回路42に供給する電気のオン・オフを切換える。制御回路42は、スイッチ26がオンであり、かつ消灯状態(ガスが燃焼していない)のとき、所定の時間(後述するタイマー回路44からタイムアップ信号を受けるまで)高圧パルス発生回路45に放電指令を発する。
【0061】
高圧パルス発生回路45には、放電電極として高圧側に噴出ノズル52が、低圧側にマイナス電極54が接続されている。高圧パルス発生回路45は制御回路42からの放電指令を受けると、12〜15万ボルトの電圧を毎秒数回発生させて、噴出ノズル52とマイナス電極54との間に放電による電気火花を発生させる。消灯状態であり、かつ噴出ノズル52からガスが噴出しているときに電気火花を発生させるとガスに着火し、炎が形成される。つまり高圧パルス発生回路45、噴出ノズル52及びマイナス電極54は、噴出ノズル52から噴出するガスに電気火花によって点火する点火手段となっている。
【0062】
制御回路42は、検知回路43が炎を検知したとき点灯状態であると判定し、そうでないときに消灯状態であると判定する。検知回路43には赤外線フォトセンサ55が接続されている。炎からは強い赤外線が放射されているので、赤外線フォトセンサ55が強い赤外線を受けたとき、検知回路43は炎が検知されたとする。
【0063】
タイマー回路44には警報ブザー47が接続されている。タイマー回路44は、スイッチ26がオンであり、かつ検知回路43での炎の検知がなされない状態となったときタイマーをスタートさせ、その状態が所定時間以上継続したときに警報ブザー47から警報音を鳴らす。それとともに制御回路42にタイムアップ信号を発する。
【0064】
次に、装置1の作用について説明する。本装置の使用に際し、先ず基台部20内にガスボンベ10を装填する。即ち、上ボンベカバー14より上部を下ボンベカバー9から外し、下ボンベカバー9の内部にガスボンベ10を略垂直に載置する。このとき、ボンベ支持部3は図1に示すように垂直に自立してボンベ底面11を支持している。
【0065】
次に上ボンベカバー14と下ボンベカバー9とを螺合させると、ボンベノズル受け15のOリング17とボンベ口金12とが圧接嵌合してガスボンベ10の上部が支持されるとともに、Oリング16がボンベノズル13をシールしながら押下する。ガスボンベ10はガス噴出状態となり、噴出したガスは漏出することなくガス通路18に導かれる。なお、ガスボンベ10はボンベノズル13を上にして垂直に立てられているため、液化ガスが直接ボンベノズル13から噴出することはなく、気化したガスのみが噴出する。
【0066】
噴出したガスはチューブ19を経由してバルブ機構30のガス吸入口36に導かれる。そして更にガス通路37を経由してバルブ穴小径部31bに導かれる。こととき、調整ツマミ27がスイッチオフ状態、即ちバルブ軸32の螺入深さが最深の状態にあれば、ガス通路37がバルブ軸テーパ部32bのテーパ面によって閉塞されている。
【0067】
その状態から調整ツマミ27をスイッチオン状態に回転させると、バルブ軸32の螺入深さが浅くなり、バルブ穴小径部31bとバルブ軸テーパ部32bとの間に隙間が生じることにより、ガスはフィルタ35を経由してガス放出口38へ導かれる。ガス流量の調整は、調整ツマミ27を回転させてバルブ軸32の螺入深さを変化させることによって行う。即ち、フィルタ35がバルブ軸32の螺入深さに応じて圧縮されたり弛緩したりすることによりガス流量が調整される。こうすることにより微細な炎の調節が可能となっている。
【0068】
ガス放出口38に導かれたガスはチューブ39を経由して噴出ノズル52の先端から噴出する。一方、調整ツマミ27がスイッチオン状態とされると、カム面28がスイッチ26をオンに切換える。スイッチ26がオンに切換えられると、赤外線フォトセンサ55と検知回路43とが炎の検知を行う。そこで炎が検知されない、即ち燃焼中でないことが確認されると高圧パルス発生回路45によって噴出ノズル52とマイナス電極54との間に放電がなされ、電気火花が噴出したガスに着火する。着火によって形成された炎が検知されると、高圧パルス発生回路45はパルスの発生を停止し、放電を停止させる。
【0069】
以上のように、調整ツマミ27をスイッチオンにするだけで、ガスの噴出と点火が自動的に同時になされるので、例えばガスを噴出させてからマッチの炎を近づけるような2段階の操作が不要となり、操作が容易になっている。
【0070】
なお、タイマー回路44によって、所定時間放電を継続しても炎が検知されない、即ち着火されなかったと判定された場合、警報ブザー47から警報音を鳴らすと共に放電が停止される。着火しない原因として、噴出ノズル52からガスが噴出しない(ガスボンベ10の未装填や装填ミス、ガス切れ、或いは後述する転倒時消火がなされた場合など)か、放電による火花の不良(例えば電池が消耗して電池電圧が低下したとき。高圧回路は一定以上の電圧が印加されないと放電できないので。)が考えられる。いずれの場合も所定時間経過しても着火に至らないので、警報ブザー47が警報音を鳴らす(電池電圧が低下して放電できなくなってもある程度の電圧があれば警報ブザー47を鳴らすことができる)。このように着火に何らかの異常が発生すると警報音が鳴るので装置1の管理者はその事態を速やかに認識し、必要な対処を行うことができる。
【0071】
次に、装置1の自動再点火作用について説明する。スイッチ26がオン状態で燃焼している際、風等で炎が消えた、いわゆる立ち消えが発生した場合、赤外線フォトセンサ55が赤外線を検知しなくなる。従って検知回路43から制御回路42に炎の検知信号が送られなくなる。スイッチオンであるにもかかわらず炎が検知されないとき、自動的に高圧パルス発生回路45がパルスを発生させ、放電を開始する。これによって再点火がなされる。このように、赤外線フォトセンサ55と検知回路43とが立ち消え検知手段として作用し、自動再点火がなされる。なお、この自動再点火においても初期点火の場合と同様、所定時間の放電継続後に着火しない場合は警報ブザー47が警報音を鳴らし、放電を停止する。
【0072】
図5は装置1の制御系のフローチャートである。スイッチオン(ステップS1でYES)の状態となると、更に点灯中(炎が検知される状態)であるか否かが判定される(ステップS2)。YESであれば正常に燃焼中であるのでリターンする。NOであれば初期点火時、または立ち消え発生時であることを示す。その際は、タイマー回路44によってタイマーをスタート(ステップS3)させたうえで放電を開始する(ステップS4)。そして点灯が確認(ステップS5でYES)されれば放電を停止(ステップS8)し、そうでなければタイマー回路44のタイマー値が所定値を越えたか否かが判定される(ステップS6)。ステップS6でNOであればステップS4に戻り放電を継続する。ステップS6でYESであれば、何らかの着火異常が発生していると判定し、警報ブザー47から警報音を鳴らす(ステップS7)とともに放電を停止(ステップS8)してリターンする。
【0073】
次に、装置1の転倒時消火作用について説明する。図6はガスボンベ10付近の状態示す部分断面図であり、(a)は装置1が傾斜した状態、(b)はその後正立させた状態を示す。
【0074】
図6(a)に示すように、装置1が床面90に対し所定以上傾斜する(転倒を含む)と、ガスボンベ10は自重によりボンベ口金12の支持部を支点として傾斜方向に傾く。このとき、フック4は球面状のボンベ底面11に押されて倒れる。更に、ボンベノズル13が押下状態から復帰しようとする力も加わってガスボンベ10は図示のように下ボンベカバー9内で最大まで傾斜する。
【0075】
そしてフック4が倒れることとガスボンベ10が傾斜することにより、ボンベ口金12がOリング17から外れ、ガスボンベ10は所定の支持状態(ガスが噴出する位置での支持)から解除される。それと同時にボンベノズル13の押下も解除され、ガス噴出は停止する。
【0076】
こうして噴出ノズル52へのガス供給が停止されるので、炎は速やかに消火され、安全が確保される。なお、消火後、図5のフローチャートのステップS2でNOと判定される状態となり、自動再点火作用によって再点火が試みられる。しかしガス供給が停止されているので着火することはなく、所定時間経過後、警報ブザー47が警報音を鳴らして再点火を中止する。
【0077】
図6(b)は、ガスボンベ10がボンベノズル受け15から外れた後、装置1を正立させた状態である。フック4は倒れ、ガスボンベ10の支持機能を喪失している。ボンベノズル13は自由状態(押下されていない状態)に復帰しており、ガスの噴出が停止されている。この状態から再び点灯させるためには、ガスボンベ10を装填し直す必要がある。ガスボンベ10を持ち上げると、フック保持スプリング5の復元力によってフック4が直立するので、改めて正規の装填が可能となる。
【0078】
図7に、ボンベ支持部3の変形例を示す。ボンベ支持部3a,3b,3cの側断面図をそれぞれ(a)、(b)、(c)に示す。
【0079】
図7(a)に示すボンベ支持部3aは、フック保持突起6aの先端を突出させ、その上に底面がフック保持突起6aよりも少し小さいザグリをしたフック4aが設けられている。これらの外周面側にコイル状のフック保持スプリング5aが取り付けられている。フック保持スプリング5aの下部はフック保持突起6aに、上部はフック4aに固定されている。このようにすると比較的大径のフック保持スプリング5aとすることができ、特性の自由度が向上する。
【0080】
図7(b)に示すボンベ支持部3bは、フック4aの先端に先端ボール7が回転自在に設けられている。先端ボール7により、その先端がガスボンベ10のボンベ底面11を滑り易くなる。従って、ガスボンベ10が傾斜したときにフック4bがボンベ底面11上を滑動し、斜め方向からの力を受け易くなるので、倒れ易くなる。
【0081】
図7(c)に示すボンベ支持部3bは、フック4cの先端に摩擦力の大きい先端ゴム8が設けられている。先端ゴム8はボンベ10のボンベ底面11に密着し、ガスボンベ10が傾斜したときにボンベ底面11に引きずられるようにしてフック4cが倒される。
【0082】
以上のボンベ支持部3、3a、3b或いは3cの何れの構造を選択するかは、ボンベ底面11の形状や摩擦係数、或いはスプリングの特性等を考慮して適宜決定すれば良い。また、これらの構造以外にも、適宜好適な構造として良い。
【0083】
図8は、ボンベ用錘49によってガスボンベ10が倒れ易くしたものの部分側断面図である。(a)は通常の使用状態、(b)は装置1が傾斜した状態を示す。勾配付き底板2aは、外周付近に逆円錐状の勾配面を有している。その上に、3箇所以上の回転自在なボールを備えた受け台48に懸架されたボンベ用錘49を備える。ボンベ用錘49の外径はボンベ底面11の凹部径よりも少し小さく、且つボンベ用錘49の上面はボンベ底面11の凹部下端よりも上側となるように設けられている。
【0084】
装置1が傾斜すると、ボンベ用錘49がボンベ底面11の下部を押しながら勾配付き底板2aの勾配面上を移動するので、ガスボンベ10が傾斜し易くなる。ガスボンベ10が図8(b)に示されるように傾斜すると、フック4が倒れ、ガスボンベ10が不支持の状態となる。装置1を正立させると、ボンベ用錘49は中央に戻る。ボンベ用錘49は、ガスボンベ10の内容量が少ないとき、或いは短い形状のとき等でガスボンベ10の自重が軽いときに、ガスボンベ10の傾斜を効果的に補助することができる。
【0085】
図9は、炎70の周囲に風防を設けたものを示す部分側断面図である。(a)は、蝋燭状円筒50全体を覆う風防61、(b)は蝋燭状円筒50の上部のみを覆う風防62を示す。これらの風防61、62によれば、炎に風が直接当たる事が防止されるので、炎が立ち消えする頻度を効果的に削減することができる。また、風防による光の反射、屈折の作用により、炎による照明の演出効果を一層引き立てることができる。風防の形状はこれらに限定するものではなく、用途に応じて適宜その形状や透明度を設定して良い。また風防61,62に適宜着色を施せば、その演出効果を更に高めることができる。
【0086】
図10は、共通の基台部20(燃料収納部)からガス通路を3つに分岐させてそれぞれに蝋燭状部60を設けた擬似蝋燭(以下装置1aという)である。このようにすると、各蝋燭状部60に対して個別の基台部20(燃料収納部)を設ける必要がないので、全体として装置1aを小型、軽量化することができる。また、各蝋燭状部60への点灯や消灯の作業を一度に行うことができ、作業性を向上することができる。更に、赤外線フォトセンサ55やマイナス電極54を各蝋燭状部60に備えるので、立ち消え時の自動再点火は各蝋燭状部60で個別に行うことができる。また、転倒時にはガスボンベ10を所定の指示位置から移動させることによって、確実に一斉消火させることができる。そして更に、単一の基台部20から枝分かれした燭台(制御部ケース22)の上にそれぞれ蝋燭(蝋燭状部60)が設けられたような外観形状となすことが容易となり、装置形状の自由度が高くなっている。
【0087】
なお、特に図示しないが、上ボンベカバー14と制御部ケース22との間に円筒状の延長部材を挿入し、それに応じたチューブ19の長さとすることにより、容易に背高型の擬似蝋燭を得ることができる。その他、使用状況に応じて特許請求の範囲内で種々の変形が可能である。
【0088】
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。図11は、第2実施形態に係る擬似蝋燭(以下装置100という)の側断面図であり、図12はそのIII−III線断面図である。なお、以下の説明において第1実施形態と同一部分には同一符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【0089】
本体ケース101の下部には空洞部が形成され、ガスタンク103(燃料収納部)となっている。ガスタンク103内には液化ガス138が充填される。本体ケース101の底部には底蓋102が気密的に接着又は溶接されて設けられている。底蓋102の中央部には液化ガスを注入するための注入口112が設けられ、注入口ボルト104によって封止されている。注入口112の、ガスタンク103に臨む位置は周囲よりも高くなっている。
【0090】
ガスタンク103の中央上部にはガスライター等に用いられるバルブ機構105が設けられ、ガスタンク103と小径のガス通路である狭路106によって連通されている。狭路106の下部には上窄まりの皿状勾配面107が成形されている。なお、後述するように皿状勾配面107はガス液面138aよりも高い位置になるように設定されている。即ち、ガス液面138aの上部には気化のための空間109が存在し、狭路106は気化のための空間109内に開口するようになっている。
【0091】
本体ケース101の皿状上部に、蝋燭状円筒50と一体となった上蓋108が固定されている。上蓋108の右端は、下側に断面コ字状に折り曲げられ、フック120を形成している。
【0092】
本体ケース101の中央より右側に圧電素子ユニット116が上下方向に操作できるように固定され、上部スイッチ115に連設された点灯ボタン117が上蓋108より突出している。圧電素子ユニット116の高圧側は噴出ノズル52に、低圧側はマイナス電極54に接続されている。
【0093】
点灯ボタン117の側面下端に帯板状のフックスプリング119が固定されている。フックスプリング119は、その下端が固定され、上拡がりとなるように設定されている。図11及び図12に示す非点灯状態では、フックスプリング119の板面がフック120の左側面に当接し、それより上拡がりとなることが規制されている。
【0094】
バルブ機構105の中心部にはガスを噴出ノズル52に送出するバルブノズル111が、上下動可能に設けられている。即ち、バルブノズル111が上方に移動したときガス通路が開となり、下方に移動したとき閉となる。バルブノズル111の上端付近に、これを上下動させるためのノズル操作レバー121が連設されている。ノズル操作レバー121の一端は、U字溝が設けられてバルブノズル111の上部溝に嵌められ、他端は点灯ボタン117の底面に設けられた突起122に当接している。ノズル操作レバー121の、バルブノズル111寄りの下面側に本体ケース101から突出した突起123が設けられており、バルブノズル111は突起123を支点として揺動するようになっている。即ち、点灯ボタン117を、圧電素子ユニット116に内蔵された圧縮バネの付勢力に抗して押下すると、ノズル操作レバー121の右端が下がるとともに左端が上がり、バルブノズル111が開状態となる。
【0095】
上蓋108の裏面に沿うように、平面視でコ字状の摺動レバー124が設けられており、その右端には消灯ボタン125が設けられている。消灯ボタン125は本体ケース101の側面外部に突出している。摺動レバー124のコ字状折り返し位置にあたる箇所にはU字溝126が設けられ、上蓋108から下向きに突設されたピン127に嵌合している。摺動レバー124は、U字溝126とピン127にガイドされて、消灯ボタン125と一体となって左右方向に摺動可能となっている。
【0096】
本体ケース101の皿状上部の主に左側に、比重の大なる材質からなる錘体129が設けられている(図12には、その平面視外形を太線で示す)。錘体129は、左右中心より左側において特に厚みが大となっており、その重心は著しく左側に偏っている。錘体129は、規制範囲内で本体ケース101の中心ボス部130を中心に滑らかに回転可能であり、また左右方向に滑らかに移動することも可能である。
【0097】
錘体129から上方に突設された2本のピン131は、摺動レバー124から下方に折り曲げられた2本のアーム132とそれぞれ位置p1、p2で当接している。
【0098】
バルブ機構105の調整ボス134に、バルブ調整レバー133が嵌合圧入されている。バルブ調整レバー133は上蓋108の上方に突設され、円筒状の調整ツマミ136に固定されている。調整ツマミ136を回転させると、バルブ調整レバー133を介して調整ボス134が回転し、バルブ機構105の開度が調整されるようになっている。
【0099】
次に、装置100の作用を説明する。注入口112から液化ガス138を充填後、図13に示すように点灯ボタン117を押下(矢印A)すると、ノズル操作レバー121を介してバルブノズル111が上方に引き上げられる(矢印B)。つまりバルブ機構105が開状態となって、気化したガスが噴出ノズル52に送られる。一方、点灯ボタン117の押下と共に圧電素子ユニット116のスイッチがオンとなり、高圧パルスを発生させるので、噴出ノズル52とマイナス電極54との間に放電が起こり、着火する。
【0100】
点灯ボタン117を押下すると、図13に示すようにフックスプリング119がフック120の下面に入り込み、点灯ボタン117の戻りを阻止する。このため、点灯中(燃焼中)は点灯ボタン117の押下状態が継続し、ガス供給が継続される。
【0101】
消火の際には、消灯ボタン125を左側に押すことにより、フックスプリング119の上部がフック120下面から外れ、点灯ボタン117が上方に復帰する。それとともにバルブノズル111は、バルブ機構105の内部スプリング付勢力によって下方に移動する。従ってバルブ閉状態となり、ガス供給が停止されて速やかに消火される。
【0102】
次に、装置100の転倒時消火作用について説明する。装置100が点灯中に、図11に示す状態から右に転倒したとき、消灯ボタン125が床面90と衝突するので、消灯ボタン125が押し込まれ、自動的に消灯される。
【0103】
装置100が点灯中に、図11に示す状態から左に転倒又は所定以上傾斜したときは、錘体129が自重によって左側に移動する。すると、位置p1,p2でピン131と接触しているアーム132が左側に押され、結局摺動レバー124が全体的に左側に押される。これにより消灯ボタン125が左側に移動し、自動的に消火される。
【0104】
装置100が点灯中に、図11に示す状態から紙面手前に転倒又は所定以上傾斜したときは、錘体129の重心が著しく左に偏心しているため、図14に示すように中心ボス部130を中心に左回り(矢印C)に回転する。すると、位置p1でアーム132と接しているピン131が左に移動することになるので、結局アーム132を介して摺動レバー124が左(矢印D)に押される。これにより消灯ボタン125が左側に移動し、自動的に消火される。本体ケース101が反対側(図11の紙面奥側)に転倒した場合も同様に消火される。
【0105】
ところで、図11に示すように、装置100は、液化ガス138を最大量充填してもガス液面138aの上部には気化のための空間109が形成されるようになっている。図15に、その充填時の状態を示す。図に示すように、液化ガス138の充填は装置100を上下反転してなされる。その際、注入口112が液化ガス138で塞がれる位置まで充填された状態をフル充填としている。このとき、ガス液面138bの上部には空間109aが残っており、これが装置100を正立させたときの気化のための空間109となる。
【0106】
このように、気化のための空間109で予め気化されたガスが狭路106を経由してバルブ機構105に導かれる。ガスタンク103の熱容積はバルブ機構105の熱容量よりも充分大きく、また周囲との熱交換量も多い。このため、気化熱によるガス温度の低下、ガス圧の低下は殆ど無視できる程度である。従って、長時間燃焼させても気化熱が奪われることによってガス圧が低下することがなく、炎の大きさが時間の経過に伴って小さくなることが効果的に防止される。
【0107】
また、図15の状態で、狭路106が小径であるため、液化ガス138は表面張力によって狭路106の内部に入り込まない。つまりバルブ機構105が直接液化ガスに濡れることがないので、ガス通路内に残留した液化ガスが完全に気化しない状態で噴出ノズル52から噴出し、一時的に炎が大きくなることが効果的に防止されている。この作用は装置転倒後の点火時にも有効である。
【0108】
そして、液化ガス充填時や転倒時に皿状勾配面107に付着した液化ガスは、皿状勾配面に沿って速やかに落下するので残留し難く、狭路106から液化ガスが直接吸い上げられることを一層確実に防止している。
【0109】
以上、第1及び第2実施形態について説明したが、本発明は、前記の実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能である。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明の擬似蝋燭は、ガスの燃焼により炎が形成される擬似蝋燭であって、ガスボンベ又は液化ガスを収納する燃料収納部と、蝋燭を模した筒状体と、前記筒状体の上端付近に設けられ、ガスを噴出する噴出ノズルと、前記燃料収納部から前記噴出ノズルにガスを導くガス通路と、前記噴出ノズルから噴出するガスに電気火花によって点火する点火手段とを備え、前記噴出ノズルから噴出されるガスが点火によって燃焼して炎が形成されるようにしたので、炎による蝋燭相当の灯火を得つつ、油煙による煤が少なく、燃焼によって蝋燭(を模した部分)が短くなることもロウが垂れて外観を損ねることもなく、更に点火が容易となっている。
【0111】
より望ましくは、炎が立ち消えしたことを検知する立ち消え検知手段を備え、立ち消えが検知されたとき、前記点火手段が自動的に再点火するように構成することにより、立ち消えに対処する手間を省くことができる。
【0112】
更に望ましくは、装置が転倒したとき、前記噴出ノズルからのガス噴出を停止して消火する転倒時消火手段を簡単な構造で備えることにより、転倒時に消火する安全な機構を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る装置の側断面図である。
【図2】図1のバルブ機構付近の部分拡大図である。
【図3】第1実施形態に係る装置に関する、噴出ノズル付近の構造と炎の形状を示す説明図であり、(a)は比較的細い炎、(b)は中程度の太さの炎、(c)は比較的太い炎をそれぞれ形成する形状である。
【図4】第1実施形態における制御ブロック図である。
【図5】第1実施形態における制御フローチャートである。
【図6】(a)は第1実施形態における装置が傾斜した状態を示す部分側断面図、(b)はその後、装置を成立させた状態を示す部分側断面図である。
【図7】第1実施形態におけるボンベ支持部の変形例を示す説明図である。(a)はフック保持スプリングを外径部に設けたもの、(b)は先端ボールを設けたもの、(c)は先端ゴム8を設けたものをそれぞれ示す。
【図8】第1実施形態の変形例であって、ボンベ用錘を設けたものを示す。(a)は正立状態、(b)は傾斜状態を示す。
【図9】第1実施形態において風防を設けたものを示す部分側断面図である。(a)は蝋燭状円筒全体を覆うもの、(b)はその上部のみを覆うものである。
【図10】第1実施形態の変形例であって、共通の燃料収納部に対し、複数の蝋燭状部が形成された装置の斜視図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る装置の側断面図である。
【図12】図11のIII−III線断面図である。
【図13】図11の点灯ボタン付近の拡大断面図である。
【図14】第2実施形態における、転倒時の錘体の動作を示す説明図である。
【図15】第2実施形態における、液化ガス充填時の状態を示す部分側断面図である。
【符号の説明】
1,1a 装置(擬似蝋燭)
3 ガスボンベ支持部(転倒時消火手段)
18 ガス通路
19 チューブ(ガス通路)
20 基台部(燃料収納部)
36 ガス吸入口(ガス通路)
37 ガス通路(ガス通路)
38 ガス放出口(ガス通路)
39 チューブ(ガス通路)
43 検知回路(立ち消え検知手段)
45 高圧パルス発生回路(点火手段)
47 警報ブザー(警報発生手段)
50 蝋燭状円筒(筒状体)
52,52b,52c 噴出ノズル(兼点火手段)
53,53b 着火部材
54 マイナス電極(点火手段)
55 赤外線フォトセンサ(立ち消え検知手段)
61,62 風防
100 装置(擬似蝋燭)
103 ガスタンク(燃料収納部)
106 狭路
109 気化のための空間
111 バルブノズル(ガス通路弁)
129 錘体
Claims (12)
- ガスの燃焼により炎が形成される擬似蝋燭であって、ガスボンベ又は液化ガスを収納する燃料収納部と、蝋燭を模した筒状体と、前記筒状体の上端付近に設けられ、ガスを噴出する噴出ノズルと、前記燃料収納部から前記噴出ノズルにガスを導くガス通路と、前記噴出ノズルから噴出するガスに電気火花によって点火する点火手段とを備え、前記噴出ノズルから噴出されるガスが点火によって燃焼して炎が形成されるようにしたことを特徴とする擬似蝋燭。
- 炎が立ち消えしたことを検知する立ち消え検知手段を備え、立ち消えが検知されたとき、前記点火手段が自動的に再点火するように構成されたことを特徴とする請求項1記載の擬似蝋燭。
- 前記立ち消え検知手段として、前記噴出ノズルの近傍に設けられた赤外線センサを備え、燃焼中に前記赤外線センサが炎からの赤外線を検知しない状態となったとき、立ち消えが発生したとすることを特徴とする請求項2記載の擬似蝋燭。
- 前記立ち消え検知手段により炎の立ち消えが検知されて再点火を行っても所定時間以内に着火せず、立ち消え状態が解消されなかったときに警報を発する警報発生手段を備えたことを特徴とする請求項2又は3記載の擬似蝋燭。
- 本装置が転倒したとき、前記噴出ノズルからのガス噴出を停止して消火する転倒時消火手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の擬似蝋燭。
- 前記転倒時消火手段として、前記ガス通路に設けられたガス通路弁と、傾斜によってその方向に移動するように設けられた錘体とを備え、前記錘体が傾斜方向に所定以上移動したとき、前記ガス通路弁を閉側に切換えるように構成されたことを特徴とする請求項5記載の擬似蝋燭。
- 前記燃料収納部にガスボンベを収納するように構成され、ガスボンベをガスの噴出可能な所定の位置に支持するガスボンベ支持部を備え、前記転倒時消火手段は、本装置が所定以上に傾斜したとき、前記ガスボンベ支持部がガスボンベの前記所定位置への支持を解除することによってガスの噴出を停止させるように構成されたことを特徴とする請求項5記載の擬似蝋燭。
- 前記燃料収納部に液化ガスを収納するものであって、前記燃料収納部は、液化ガスの液面より上部に気化のための空間が形成されるように構成され、前記ガス通路の燃料収納部側端部が、前記気化のための空間内に開口するように設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の擬似蝋燭。
- 前期ガス通路は、前記燃料収納部側端部付近で狭路となっていることを特徴とする請求項8記載の擬似蝋燭。
- 前記噴出ノズルの先端部にコイルバネ状の着火部材が取り付けられており、その着火部材は巻線間に隙間を設けつつ上端に近づくほどテーパ状に細くなるように成形されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の擬似蝋燭。
- 前記噴出ノズルで形成される炎を囲むように、透明または半透明の風防が設けられたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の擬似蝋燭。
- 複数の前記筒状体と、それらに共通の前記燃料収納部が設けられたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の擬似蝋燭。
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