JP2005026015A - 誘導灯 - Google Patents

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Abstract

【課題】2種類の2次電池から選択して筐体内に収納可能とし、かつ通信機能の有無にかかわらず筐体や他の部材の共通化を可能にした誘導灯を提供する。
【解決手段】筐体1の内部空間には、ランプ2と点灯ユニット4とを除く部位に、寸法の異なる2次電池3a,3bを収納可能な収納スペース5が形成される。また、筐体1の内部空間において、ランプ2と点灯ユニット4と収納スペース5とを除く部位には、外部装置との間でデータ通信が可能であって少なくとも2次電池3a,3bの交換を外部装置に通知する機能を有した通信ユニット6が収納可能になっている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導灯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
誘導灯は、通常時には商用電源から給電してランプを点灯させると同時に2次電池を充電し、停電時には2次電池から給電してランプを点灯させるように構成されている。したがって、停電時において誘導灯を正常に機能させるために、ランプの寿命や2次電池の健全性を定期的に点検する必要がある。ランプの寿命はランプの交換時からの点灯時間によって管理されることが多い。一方、2次電池の健全性を点検するには、例えば、各誘導灯ごとに商用電源を遮断するスイッチを操作し、スイッチにより商用電源を遮断してから所定時間が経過するまで2次電池の端子電圧が規定電圧以上に保たれているか否かを監視する。誘導灯には2次電池の端子電圧を監視する電圧監視回路が設けられており、2次電池の端子電圧が規定電圧以下になると発光ダイオードからなる表示灯が点滅するようになっている。したがって、スイッチにより商用電源を遮断してから所定時間が経過するまでに表示灯が点滅したときには2次電池を交換することになる。また、点検後にはスイッチを復帰させる操作が必要になる。
【0003】
上述のように、2次電池の健全性の管理にはスイッチの操作が必要であって、点検作業員は各誘導灯の設置場所において所定時間待つことになるから、点検作業は手間のかかる負担の大きい作業になる。
【0004】
このような問題を解決するために、リモコン端末による擬似停電指令を受けることができるように通信回路を筐体に内蔵した誘導灯が提案されている。この誘導灯は擬似停電指令を受けると、商用電源の停電状態と同様の状態を擬似的に実現するのである。また、誘導灯には、疑似停電指令を受けてから所定時間が経過した後の2次電池の端子電圧やランプの点灯状態を記憶する記憶装置が設けられ、記憶装置の記憶内容をリモコン端末で読み出すことが可能になっている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
また、誘導灯の筐体にネットワーク接続用の通信回路を内蔵しておき、ネットワークを介して誘導灯と通信可能な集中管理装置を設けて、集中管理装置において、誘導灯に点検の指示を与えたり、誘導灯の動作状態を監視したりすることも考えられている。とくに、防災システムでは種々の機器がネットワークを介して接続されているから、防災システムの構成要素としての誘導灯も他の機器とともに防災システムのネットワークに接続し、誘導灯の動作状態の監視や点検作業を集中管理装置において行うようにすれば利便性が高くなる。
【0006】
【特許文献1】
特開2003−92013号公報(第0026−0027段落、図1、5)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、防災システムのような大規模なシステムであって、多数台の誘導灯を管理する場合には、誘導灯の筐体に通信回路を内蔵することによって利便性が高まるが、誘導灯の台数が少ないような場合には、筐体に通信回路を内蔵した高価格の誘導灯を用いるよりも筐体に通信回路を内蔵していない低価格の誘導灯が選択されることも少なくない。したがって、筐体に通信回路を内蔵した誘導灯と、筐体に通信回路を内蔵していない誘導灯との両製品を用意するのが望ましいと言える。
【0008】
ただし、両製品を個別に設計すると、筐体や筐体に内蔵する部材を個々の製品で設計することになるから、開発費用が大きくなる上に、部材の種類が多くなって部材の管理に手間がかかる。この種の問題は、部材を共用化することによって解決することができるが、部材の共通化(いわゆる、MT化)によって大型化したりコスト高になることは避けなければならない。
【0009】
図6は誘導灯における代表的な部材の配置例であって、筐体1の上部に直管形蛍光ランプのようなランプ2を収納するとともに、重量の大きい2次電池3aを筐体1の下部に収納し、さらにランプ2を点灯させる点灯回路を回路基板に実装した点灯ユニット4を筐体1の上下方向の中間部に配置してある。筐体1の上下方向においてランプ2と点灯ユニット4との間には、商用電源を接続するための電源端子台11や接地用の端子ねじ12が配置され、この部位には筐体1を壁面のような施工面に取り付けるための取付金具10も設けられる。誘導灯には通常容量の2次電池3aを用いるもののほか、大容量の2次電池を用いるものも必要であって、両者で部材の共通化が可能となるように、図7に示す構成が考えられている。つまり、一般に通常容量の2次電池3aに比較して大容量の2次電池3bは体積が大きいから、筐体1内に各2次電池3a,3bに対応する収納スペース5a,5bを夫々設けているのであって、通常容量の2次電池3aを収納する収納スペース5aを筐体1の下部に設け、大容量の2次電池3bを収納する収納スペース5bを筐体1の側部に設けてある。このように筐体1内に収納スペース5a,5bを形成した誘導灯では、通常容量の2次電池3aと大容量の2次電池3bとを選択して収納することができる。
【0010】
ここで、両収納スペース5a,5bは連続してL字状に形成されており、一方の収納スペース5a,5bに2次電池3a,3bが収納されているときには、他方の収納スペース5a,5bは利用されていないから、いずれかの収納スペース5a,5bに通信回路を収納すれば、筐体1の寸法や他の部材の配置を変更することなく通信回路を備える誘導灯と通信回路を備えていない誘導灯とで部材の共通化が可能になると考えられる。しかしながら、一方の収納スペース5a,5bに通信回路を収納すると、容量の異なる2種類の2次電池3a,3bを使用することができなくなるという問題が生じる。
【0011】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、寸法の異なる2種類の2次電池から選択して筐体内に収納可能とし、しかも通信機能の有無にかかわらず筐体や他の部材を共通化することを可能とし、結果的に開発費用の増加を抑制し、かつ部材の管理を容易にした誘導灯を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、光源としてのランプと、商用電源により充電される2次電池と、ランプの電源を通常時は商用電源から供給し停電時は2次電池から供給する点灯ユニットとを筐体内に備え、2次電池は寸法の異なる複数種類から選択して用いられ、筐体内であってランプと点灯ユニットとを除く部位に、2次電池のうちの最小容量の2次電池を収納可能な容積を有した第1の収納スペースと、2次電池のうちの最大容量の2次電池を収納可能な容積を有した第2の収納スペースとが連続して形成され、第2の収納スペースのうち第1の収納スペースと合わせた容積が2次電池のうちの最大容量の2次電池を収納可能な容積となる部位を除いた一部に、外部装置との間でデータ通信が可能であって少なくとも2次電池の交換を外部装置に通知する機能を有した通信ユニットを収納可能としたことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、第1の収納スペースと第2の収納スペースの一部とを用いて、寸法の異なる2種類の2次電池から選択して筐体内に収納することができる。しかも、通信ユニットを設けるか否かにかかわらず、筐体や他の部材を共通化することができるから、通信ユニットを備える誘導灯と通信ユニットを持たない誘導灯とについて、通信ユニット以外の部材を共通に用いることができ、結果的に開発費用の増加を抑制することができる上に、部材の管理も容易になる。
【0014】
請求項2の発明は、光源としてのランプと、商用電源により充電される2次電池と、ランプの電源を通常時は商用電源から供給し停電時は2次電池から供給する点灯ユニットとを筐体内に備え、2次電池は寸法の異なる複数種類から選択して用いられ、筐体内であってランプと点灯ユニットとを除く部位に、2次電池のうちの最小容量の2次電池を収納可能な容積を有した第1の収納スペースと、2次電池のうちの最大容量の2次電池を収納可能な容積を有した第2の収納スペースとが連続して形成され、第1の収納スペースに、外部装置との間でデータ通信が可能であって少なくとも2次電池の交換を外部装置に通知する機能を有した通信ユニットを収納可能としたことを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、第2の収納スペースを用いて寸法の異なる2種類の2次電池から選択して筐体内に収納することができる。しかも、通信ユニットを設けるか否かにかかわらず、筐体や他の部材を共通化することができるから、通信ユニットを備える誘導灯と通信ユニットを持たない誘導灯とについて、通信ユニット以外の部材を共通に用いることができ、結果的に開発費用の増加を抑制することができる上に、部材の管理も容易になる。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記点灯ユニットに前記2次電池を接続する電池接続部と、点灯ユニットに前記通信ユニットを接続する信号線接続部とを隣接させて点灯ユニットに設けたことを特徴とする。
【0017】
通信ユニットの有無にかかわらず電池接続部は存在しているから、請求項3の構成を採用するとともに通信ユニットを付加する場合の信号線接続部と電池接続部とを合わせたスペースが、元々存在している電池接続部のスペースと同程度になるように設計すれば、点灯ユニットにおいて信号線接続部に接続される信号線を引き出す部位を電池線を引き出す部位とは別に設ける必要がなく、既製の点灯ユニットに対する設計変更を少なくすることができる。
【0018】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記筐体が前記外部装置に通信線を介して接続される通信用端子台を定位置に備え、前記通信ユニットと通信用端子台とを接続する器具内通信線と、前記電池接続部に前記2次電池を接続する電池線と、前記信号線接続部に前記通信ユニットを接続する信号線との合計長を小さくするように、通信ユニットと2次電池とが配置されることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、器具内通信線と電池線と信号線との合計長を短くするから、配線の引き回しが比較的容易になって組立作業の作業性が向上するとともに、配線のための材料が少なくなってコストの低減が可能になる。
【0020】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、前記通信ユニットが、2次電池の交換を前記外部装置に通知するように操作される電池交換スイッチを備えることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、2次電池の交換時を外部装置に通知することができるから、外部装置において2次電池の交換時期を管理することが可能になる。
【0022】
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5の発明において、前記通信ユニットが、前記外部装置との通信に用いるアドレスを設定するアドレス設定スイッチと、外殻となるユニットケースとを備え、ユニットケースにおいてアドレス設定スイッチの操作つまみの周部が他の部位よりも後退し、他の部位と操作スイッチの先端面とが同一面上に揃えられていることを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、アドレス設定スイッチに不用意に触れてもアドレスが変更されることがなく誤操作の可能性が低減される。ただし、操作つまみの周部は他の部位よりも後退しているから、意図的に操作つまみを操作することは可能であり、必要に応じてアドレス設定スイッチを比較的容易に操作することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本実施形態は、図1に示すように、基本的な構成は図6に示した従来構成と同様であって、図1に示す筐体1の上部にランプ2を収納するとともに、筐体1の下部に通常容量の2次電池3aを収納し、筐体1の上下方向の中間部に点灯回路を備える点灯ユニット4を収納してある。つまり、筐体1の内部空間において点灯ユニット4の下方に2次電池3aを収納する収納スペース5を形成している。図1の左右方向において、通常容量の2次電池3aの寸法は筐体1の幅寸法よりも小さく、筐体1の内部空間において2次電池3aの左側方には空きスペースが形成される。つまり、収納スペース5の左右方向の寸法は、通常容量の2次電池3aの左右方向の寸法よりも大きく形成される。
【0025】
図1における筐体1の上下方向においてランプ2と点灯ユニット4との間には、商用電源を接続するための電源端子台11と、接地用の端子ねじ12と、後述する通信ユニット6を接続する通信用端子台13とが配置される。電源端子台11は図1における左端部に配置され、通信用端子台13は図1における右端部に配置される。また、筐体1の上下方向においてランプ2と点灯ユニット4との間の部位に対応する筐体1の外側面(背面)には、筐体1を壁面のような施工面に取り付けるための取付金具10が設けられる。
【0026】
ところで、本実施形態では、ネットワーク接続用の通信回路を実装した回路基板を備える通信ユニット6を収納する収納スペース7を、筐体1内において点灯ユニット4の左側方に設けている。すなわち、図6に示した従来構成において大容量の2次電池3bを収納するために設けた収納スペース5bの上部を通信ユニット6の収納スペース7として用いている。収納スペース5bの下部は、上述した収納スペース5の一部になる。言い換えると、本実施形態では、図6に示した従来構成において全体としてL字状に形成されていた収納スペース5a,5bの区分を変更し、点灯ユニット4の左側方部分を通信ユニット6を収納可能な収納スペース7として用い、筐体1の下部における残りの部分を2次電池3aを収納する収納スペース5として用いるのである。言い換えると、収納スペース5bのうち、収納スペース5aと合わせた容積が大容量の2次電池3bを収納可能な容積となる部位を除いた一部を、通信ユニット6を収納可能な収納スペース7として用いるのである。
【0027】
上述したように、筐体1の左右方向における収納スペース5の寸法は、通常容量の2次電池3aの寸法よりも大きいから、収納スペース5には通常容量の2次電池3aよりも左右寸法の大きい大容量の2次電池3bを収納することが可能であって、大容量の2次電池3bの形状を収納スペース5に合わせて形成することにより、通常容量の2次電池3aと大容量の2次電池3bとを選択して筐体1に収納することが可能になる。要するに、大容量の2次電池3bを収納可能な容積を収納スペース5として確保するのである。したがって、図6に示した従来構成に対して、大容量の2次電池3bの形状を変更するだけで通信ユニット6を収納する収納スペース7を確保することが可能になり、部材の共通化が可能になる。
【0028】
以下、個々の部材についてさらに詳しく説明する。
【0029】
点灯ユニット4は、電源端子台11に接続された器具内電源線L1が接続される電源接続部21と、ランプ2にランプ線L2を介して接続されるランプ接続部22と、2次電池3a,3bを接続するための電池線L3が接続される電池接続部23と、後述する表示操作部14が入出力線L4を介して接続される表示操作接続部24と、通信ユニット6が信号線L5を介して接続される信号線接続部25とを接続部として備える。電池線L3は中間部にコネクタ26a,26bを備え、電池接続部23に接続されたコネクタ26aと、2次電池3a,3bに接続されたコネクタ26bとが着脱可能になっている。つまり、コネクタ26a,26bの着脱により2次電池3a,3bを交換可能になっている。
【0030】
点灯ユニット4には、押操作されるランプ交換スイッチSW1も設けられる。点灯ユニット4はランプ2の通算の点灯時間を計時するタイマを備えており、ランプ交換スイッチSW1は、ランプ2の交換時にタイマをリセットするために設けられている。ランプ2の通算の点灯時間をタイマにより計時しているのは、通算の点灯時間によってランプ2の寿命の管理を行うとともに、ランプ2の光出力が時間とともに低下するのを防止するために通算の点灯時間に合わせてランプ2に供給する電力を調節するためである。電源接続部21には器具内接地線L6を介して端子ねじ12も接続される。
【0031】
点灯ユニット4に入出力線L4を介して接続された表示操作部14は、発光ダイオードからなる表示灯と、押釦スイッチからなるテストスイッチとを備え、表示灯およびテストスイッチを筐体1の下面に位置させている。表示操作部14は、例えばランプ2の寿命や2次電池3a,3bの健全性を点検するために用いられ、テストスイッチを押操作すると擬似的な停電状態となって2次電池3a,3bからランプ2に電力が供給される状態になり、2次電池3a,3bの端子電圧が所定時間内に規定電圧を下回ると表示灯が点滅するようになっている。疑似的な停電状態は所定時間(たとえば、20分)が経過すると自動的に解除されるようにするのが望ましい。
【0032】
通信ユニット6は、器具内通信線L7を介して通信用端子台13に接続される。通信用端子台13は集中管理装置などの外部装置(上位システム)との間の通信線であるネットワーク線に接続される。通信ユニット6には、上述のように、点灯ユニット4が信号線L5を介して接続されており、点灯ユニット4の動作状態が信号線L5を介して通信ユニット6に入力され、また通信ユニット6から点灯ユニット4に対して動作内容の指示を与えることも可能になっている。例えば、表示操作部14におけるテストスイッチの操作と表示灯の表示状態とに相当する信号を、点灯ユニット4と通信ユニット6との間で伝送することができる。あるいはまた、ランプ交換スイッチSW1が押操作されたときに、タイマのリセットとともに通信ユニット6にもランプ2の交換が通知される。つまり、上位システムには通信ユニット6に設定されたアドレスとともにランプ2の交換が通知されるから、ランプ2の交換の履歴を人手によって記録する必要がなく、上位システムにランプ2の交換の履歴を自動的に残すことが可能になる。その他、必要に応じて通信ユニット6から点灯ユニット4に指令を与えることで、点灯ユニット4の動作に関する各種情報(ランプ電圧、ランプ電流など)を通信ユニット6で受け取ることができるようになっている。通信ユニット6は、上位システムとの間で情報の中継を行い、上位システムからの指令を点灯ユニット4に与え、点灯ユニット4からの各種情報を上位システムに転送する。
【0033】
通信ユニット6が上位システムとの間でデータ通信を行うために、通信ユニット6にはアドレスが必要であって、通信ユニット6のアドレスは2個のロータリスイッチからなるアドレス設定スイッチSW2により設定可能になっている。通信ユニット6には2次電池3a,3bの交換を上位システムに通知する際に押操作される電池交換スイッチSW3も設けられている。このように2次電池3a,3bの交換時点を上位システムに通知することによって、上位システムでは2次電池3a,3bの交換時期の管理などが可能になる。つまり、ランプ交換スイッチSW1と同様に、電池交換スイッチSW3の操作によって、上位システムには2次電池3a,3bの交換がアドレスとともに通知されるから、電池3a,3bの交換の履歴を人手によって記録する必要がなく、上位システムに電池3a,3bの交換の履歴を自動的に残すことが可能になる。
【0034】
(実施形態2)
実施形態1の構成では、器具内通信線L7の配置についてとくに考慮していなかったが、器具内電源線L1と器具内通信線L7とを交差させると、互いに他方への悪影響を与えることがある。例えば、上位システムとの間の通信仕様として、RS485規格のように差動式の信号を用いると2線に同相で印加されるノイズに強くなるものの、通信周波数帯域のノイズを電源側に与える可能性がある。つまり、器具内通信線L7が器具内電源線L1と交差していると器具内通信線L7を通過する信号が器具内電源線L1を通して供給される電源にノイズとして混入し、このノイズが外部に漏れる可能性がある。
【0035】
この種の問題を回避するために、本実施形態では、図2に示すように、筐体1内において器具内通信線L7を器具内電源線L1に対してできるだけ遠い部位に配置されるように引き回している。図示するように、器具内通信線L7は点灯ユニット4に重ならないように点灯ユニット4の周囲に配置することが望ましい。また、器具内通信線L7を図のように引き回すために、通信ユニット6において器具内通信線L7を接続する部位を、電源端子台11から遠い位置、すなわち通信ユニット6の下部に位置させてあり、このことによっても相互の影響が軽減される。
【0036】
上述した構成によって、器具内通信線L7は器具内電源線L1に交差せず、相互の影響を軽減することができる。なお、器具内通信線L7としてツイストペア線を用いれば、器具内通信線L7に混入するノイズの影響を低減することができ、また器具内通信線L7から電源線L1へのノイズの混入も抑制することができる。他の構成および動作は実施形態1と同様である。
【0037】
(実施形態3)
本実施形態は、図3に示すように、点灯ユニット4において、電池接続部23と表示操作接続部24と信号線接続部25とを1箇所に接続部27としてまとめたものである。つまり、通信ユニット6を接続するための信号線接続部25を、電池接続部23および表示操作接続部24と同じ場所に設けているのである。この構成を採用することによって、点灯ユニット2をケース内に収納している場合に、従来構成に対して信号線L5をケースから引き出すための別途の開口部を形成する必要がなく、従来構成と同じ形のケースを用いることができる。つまり、ケースを作製するための金型を新たに起こす必要がなく、開発費用の増加を抑制することができる。ここに、接続部27として1個のコネクタを用いれば、組立時において点灯ユニット4に対する誤結線の可能性が低減される。他の構成および機能は実施形態2と同様である。
【0038】
(実施形態4)
実施形態3では、図6に示した従来構成における収納スペース5a,5bのうち大容量の2次電池3bを収納する収納スペース5bの一部を、通信ユニット6を収納するための収納スペース7に用いたが、本実施形態は、図4に示すように、通常容量の2次電池3aを収納する収納スペース5aを、通信ユニット6を収納するための収納スペース7に用いている。
【0039】
通信ユニット6を収納スペース5aに配置しているのは、実施形態3のように電池接続部23と表示操作接続部24と信号線接続部25とを1箇所にまとめた接続部27を設けた場合に、通信ユニット6に接続された信号線L5および器具内通信線L7が長くなるからであって、本実施形態の構成を採用することによって、信号線L5および器具内通信線L7が実施形態3に比較して短くなる。つまり、電池線L3と信号線L5と器具内通信線L7との合計長を短くすることができる。このことによって、信号線L5および器具内通信線L7に要するコストを実施形態3の構成よりも低減することができ、しかも信号線L5や器具内通信線L7が他の部材に引掛かったり互いに絡まったりする可能性が低減される。
【0040】
また、大容量の2次電池3bを収納する収納スペース5bを、通常容量の2次電池3aを収納する収納スペースとしても兼用しているから、従来構成と同形状の2次電池3bを用いることができる。このことによって開発費用の増加が抑制される。他の構成および機能は実施形態3と同様である。
【0041】
ところで、通信ユニット6は図5に示すように外殻としてのユニットケース31を備え、ユニットケース31の一面に、アドレス設定スイッチSW2の操作つまみ32および電池交換スイッチSW3の押釦33が露出する。ここに、アドレス設定スイッチSW2の操作つまみ32の誤操作の可能性を低減するために、ユニットケース31において、アドレス設定スイッチSW2の操作つまみ32が突出する面には段差部34が形成され、操作つまみ32の周部を他の部位よりも後退させている。つまり、電池交換スイッチSW3の押釦33が露出する面よりも操作つまみ32の突出する面が後退し、かつ押釦33を設けた面と操作つまみ32の先端面とが略同一面に揃えられている。また図4に示すように、筐体1内においてユニットケース31の段差部34に点灯ユニット4のケースが対向している。これらの構成によって、操作つまみ32がつまみにくくなっているから、アドレス設定スイッチSW2が不用意に操作されにくくなる。ただし、アドレス設定スイッチSW2はアドレスの設定時に操作する必要があるから、意識して操作する場合には比較的容易に操作することができるように、操作つまみ32と段差部34との距離が適宜に設定される。他の構成および機能は実施形態3と同様である。本実施形態の技術思想は実施形態3の構成だけではなく、他の実施形態にも適用することが可能であって、アドレス設定スイッチSW2の周部が後退し、操作つまみ32が指で回しにくくなる形状であれば、図示した構成例以外の形状を採用することも可能である。
【0042】
なお、上述した各実施形態では、2種類の2次電池3a,3bから選択する構成を採用しているが、3種類以上の2次電池から選択する構成としてもよい。この場合、通常容量の2次電池3aを最小容量(最小体積)の2次電池と読み替え、大容量の2次電池3bを最大容量(最大体積)の2次電池と読み替えればよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明の構成によれば、第1の収納スペースと第2の収納スペースの一部とを用いて、寸法の異なる2種類の2次電池から選択して筐体内に収納するか、あるいは第2の収納スペースを用いて寸法の異なる2種類の2次電池から選択して筐体内に収納することができる。しかも、通信ユニットを設けるか否かにかかわらず、筐体や他の部材を共通化することができるから、通信ユニットを備える誘導灯と通信ユニットを持たない誘導灯とについて、通信ユニット以外の部材を共通に用いることができ、結果的に開発費用の増加を抑制することができる上に、部材の管理も容易になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示す概略構成図である。
【図2】実施形態2を示す概略構成図である。
【図3】実施形態3を示す概略構成図である。
【図4】実施形態4を示す概略構成図である。
【図5】同上に用いる通信ユニットを示す斜視図である。
【図6】従来例を示す概略構成図である。
【図7】従来例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 筐体
2 ランプ
3a,3b 2次電池
4 点灯ユニット
5 収納スペース
5a,5b 収納スペース
6 通信ユニット
7 収納スペース
13 通信用端子台
23 電池接続部
25 信号線接続部
31 ユニットケース
32 操作つまみ
L3 電池線
L5 信号線
L7 器具内通信線
SW2 アドレス設定スイッチ
SW3 電池交換スイッチ

Claims (6)

  1. 光源としてのランプと、商用電源により充電される2次電池と、ランプの電源を通常時は商用電源から供給し停電時は2次電池から供給する点灯ユニットとを筐体内に備え、2次電池は寸法の異なる複数種類から選択して用いられ、筐体内であってランプと点灯ユニットとを除く部位に、2次電池のうちの最小容量の2次電池を収納可能な容積を有した第1の収納スペースと、2次電池のうちの最大容量の2次電池を収納可能な容積を有した第2の収納スペースとが連続して形成され、第2の収納スペースのうち第1の収納スペースと合わせた容積が2次電池のうちの最大容量の2次電池を収納可能な容積となる部位を除いた一部に、外部装置との間でデータ通信が可能であって少なくとも2次電池の交換を外部装置に通知する機能を有した通信ユニットを収納可能としたことを特徴とする誘導灯。
  2. 光源としてのランプと、商用電源により充電される2次電池と、ランプの電源を通常時は商用電源から供給し停電時は2次電池から供給する点灯ユニットとを筐体内に備え、2次電池は寸法の異なる複数種類から選択して用いられ、筐体内であってランプと点灯ユニットとを除く部位に、2次電池のうちの最小容量の2次電池を収納可能な容積を有した第1の収納スペースと、2次電池のうちの最大容量の2次電池を収納可能な容積を有した第2の収納スペースとが連続して形成され、第1の収納スペースに、外部装置との間でデータ通信が可能であって少なくとも2次電池の交換を外部装置に通知する機能を有した通信ユニットを収納可能としたことを特徴とする誘導灯。
  3. 前記点灯ユニットに前記2次電池を接続する電池接続部と、点灯ユニットに前記通信ユニットを接続する信号線接続部とを隣接させて点灯ユニットに設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の誘導灯。
  4. 前記筐体は前記外部装置に通信線を介して接続される通信用端子台を定位置に備え、前記通信ユニットと通信用端子台とを接続する器具内通信線と、前記電池接続部に前記2次電池を接続する電池線と、前記信号線接続部に前記通信ユニットを接続する信号線との合計長を小さくするように、通信ユニットと2次電池とが配置されることを特徴とする請求項3記載の誘導灯。
  5. 前記通信ユニットは、2次電池の交換を前記外部装置に通知するように操作される電池交換スイッチを備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の誘導灯。
  6. 前記通信ユニットは、前記外部装置との通信に用いるアドレスを設定するアドレス設定スイッチと、外殻となるユニットケースとを備え、ユニットケースにおいてアドレス設定スイッチの操作つまみの周部が他の部位よりも後退し、他の部位と操作スイッチの先端面とが同一面上に揃えられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の誘導灯。
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