JP2005024592A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トナーの重量平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)の比(Dv/Dn)が1.20以下である。現像剤の帯電量Q/Mが30〜60(−μC/g)である。攪拌部材20,21の回転数及びスパイラルピッチ幅から計算される単位時間当りの現像剤の移動距離が55〜175(mm/s)であり、現像剤担持体19の幅をL、攪拌部材のスパイラルピッチ幅をpとした場合に、0.05≦(p/L)≦0.10の関係を満足する。現像剤規制部材の下流側における現像剤担持体上の単位面積あたり現像剤の担持量が30〜80mg/cm2である。以上のように設定する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の電子写真方式の画像形成装置に用いらる2成分現像剤を用いた現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トナーと磁性キャリアとを含む2成分現像剤を用いた現像装置が広く用いられている。この現像装置は、現像剤担持体上に2成分現像剤を担持して、画像形成装置の感光体ドラム等の像担持体との対向する領域へ搬送する。この領域で画像情報に応じて像担持体上に形成されている静電潜像を現像して顕像化する。上記現像剤担持体としては、複数個の磁極を持ち、2成分現像剤を磁力でその表面に直接担持しながら回動して搬送するものが一般に使用されている。像担持体と現像剤担持体の間に交互(交番)電界を印加しながら静電潜像を現像して顕像化する現像装置も知られている。
【0003】
上記現像現像装置で用いられる磁気ブラシ現像法では、非磁性トナー粒子と磁性キャリア粒子からなる2成分現像剤により、内部に磁界発生手段である磁石を有する現像剤担持体の表面に所謂磁気ブラシを形成させる。この磁気ブラシを潜像担持体表面に当接または近接させて現像を行う。例えば、連続的に交番電界を印加している現像剤担持体と像担持体間で、現像剤担持体側から像担持体側への転移及び逆転移をトナー粒子に繰返し行うことで現像を行う。
【0004】
2成分現像剤を使用しての磁気ブラシ現像用の現像装置は、現像室と攪拌室からなる現像容器を備えている。現像室と攪拌室にはそれぞれ回転可能な攪拌搬送スクリュー等の攪拌部材が収容されている。現像室の開口部には、所定方向に回転する現像剤担持体が配置されている。上記現像容器中にはトナー粒子と磁性キャリア粒子が混合させてなる2成分現像剤が収容されている。トナーと磁性キャリアの混合比は、現像によって2成分現像剤中のトナーが消費されると変化する。具体的には、全重量分のトナーの重量の比率であるトナー濃度が低下する。このため通常は、トナーが収容されているトナータンクから、その消費量等に見合う分のトナーを現像装置の本体内に補給し、現像装置の本体内に収容されている2成分現像剤のトナー濃度がはぼ一定に保たれるようになっている。
【0005】
このトナー濃度の維持は、画像安定化のためには非常に重要であり、トナー濃度の検知及び維持手段として種々の方法が提案されている。例えば感光体ドラム周辺に設けた検知手段により、感光体ドラム上の現像トナー像に光を照射してその透過光もしくは反射光からトナー濃度を検知し、トナー補給量を調整する方式がある。トナー濃度の検知については、現像スリーブ近傍に設けた検知手段により、現像スリーブ上に担持された現像剤に光を照射したときの反射光からトナー濃度を検知する方式もある。コイルのインダクタンスを利用して現像容器中に設けられたセンサ近傍の一定体積内における現像剤の見掛け透磁率変化を検知してトナー濃度を検知する方式などもある。
【0006】
一方、近年では電子写真方式のカラー化が進み、高画質、高再現性の要求が高まってきている。フルカラー電子写真トナーにはイエロー、マゼンタ、シアンに着色されたトナーが使用される。また必要に応じてブラックトナーも使用される。さらに、高い解像力と画像の鮮明さを得るためにトナーの粒径も小粒径であることが望ましい。しかしトナーの小粒径化に伴い、単位重量当りの表面積が増加して、剤帯電量が高くなりすぎる傾向にあり、画像濃度低下によるカスレ画像の発生や剤寿命低下などの副作用が発生しやすくなる。また二成分現像剤を用いた電子写真装置で多数枚、画像を出力した場合、カブリ・地汚れが発生したり、カスレ画像でエッジが強調された画像になったりして、階調性及び鮮明性に乏しい画像になってしまう。これらは、特にカラー画像においては致命的な欠点になることが懸念される。
【0007】
一般的に白黒画像を出力する場合、画像面積は10%以下であるのに対して、カラー画像を出力する場合、連続階調性を有するベタ画像などが使われる機会が多くなり、画像面積は20%以上にもなると言われている。このような画像面積が広い画像を多数枚連続で出力する場合、初期には鮮明で良好な画像が得られるが、トナー補給が追いつかなくなり画像濃度低下、カスレなどで画像品質を損なう可能性が高くなる。またトナーが小粒径になるほど、剤帯電量やトナー濃度の安定性確保が困難になり、前記のような傾向は顕著になる。これはトナーの小粒径化に伴う現像剤の流動性低下が主要因と考えられている。トナー補給時に流動性が低下している現像剤では、キャリアに補給トナーが付着しにくくなり所望の帯電性能が得られなくなるのである。現像剤の帯電性能の低下は地汚れなどで画像品質を損なうばかりでなく、トナーが十分にキャリアに付着しない状態で現像剤担持体に供給されてしまい、現像部からトナーが噴き出す、所謂トナー飛散も発生しやすくなる。
【0008】
トナー小粒径化による現像剤の流動性低下の課題に対して、トナーの流動性を向上される目的で、添加剤(流動性付与剤)を多く添加する方法が考えられる。しかし、添加剤を多く入れ過ぎると像担持体表面を磨耗しやすくなり、像担持体の表面電位低下、感度の低下を引き起こして、地肌汚れ、縦スジなどの異常画像発生が懸念される。よって添加剤投入量には限度がある。また、上記画像濃度低下や画像カスレという不具合に対する現像装置自身の改善方法として、現像能力を向上される目的で、剤担持体の周速を早くすることや、剤担持体の外径を大きくすることが考えられる。しかし、剤担持体の周速を早くすると、現像剤規制手段付近における現像剤に掛かるストレスが増大して、トナー表面に添加剤が埋め込まれる現象が確認されている。このような埋め込まれ現象によりベタ画像部に濃度ムラができて、所謂ボソツキ画像が発生する。剤担持体の外径を大きくすると、装置の大型化に伴うコストアップや駆動部の負荷が増大して装置寿命を低下させることが予測され、やはり現実的な改善手段ではない。
【0009】
以上のような画像面積や、多数枚連続出力かどうかといった使用状況、あるいは、従来から画質に影響することが知られている温度・湿度といった使用環境によらず安定した画像品質を確保する目的で、現像装置の現像条件に関する提案や現像剤を構成するトナー、キャリアに関する提案がされている。しかし、いずれの提案でも、安定した画像品質は十分に確保できず、未だに品質改善効果で満足のいくものは提案されるに至っていない。
(1)現像装置の現像条件に関する提案
特許文献1では、剤層厚規制手段横の剤搬送方向上流側に滞留する現像剤の量を、全現像剤の量の1/3以下にする方法が提案されている。この提案では、滞留現像剤のよる他の現像剤への加圧効果、滞留現像剤と他の現像剤への入替わり等が考慮されているが、現像剤中のトナー濃度の均一性、現像剤規制部材下流側における現像剤担持量については考慮されておらず、目的としている長期に亘って安定した画像品質が得られるものではない。また特許文献2では、凝集度が30%以上である低流動性現像剤を使用する方法が提案されている。本発明者が検討したところ、流動性が低い現像剤ほど、現像剤規制部材下流側における現像剤担持量が画像出力初期から減少する傾向にあり、安定した画像品質を得るためには致命的な欠点が顕在化してくることが明らかになった。また現像剤の流動性が低いほど、トナー濃度均一性が確保されにくくなり、ベタ画像などを有する高面積などの画像を出力したボソツキ画像が発生しやすくなる傾向も確認された。また現像装置中の攪拌部材に着目した提案として、特許文献3では、現像剤攪拌部におけるスクリューオーガー間の間隔とスクリューピッチの関係を規定した提案が為されている。この提案では、現像剤の流動性については考慮されておらず、本発明者が確認したところ流動性が高い現像剤では、品質改善効果は認められるものの、流動性が低い現像剤を使用した場合には、画像出力初期から画像濃度低下やボソツキ画像などの異常画像が発生して、所望の画像品質にはほど遠い水準であることが確認された。
(2)現像剤を構成するトナー、キャリアに関する提案
特許文献4では、▲1▼.キャリアの重量平均粒径、抵抗、▲2▼.トナー及び外添剤の重量平均粒径、を規定して、かつ現像剤担持体下流側の位置に電極板を設けるという方法が提案されている。この提案では、現像剤の特性のみならず、現像条件についても規定されているが、現像条件についてはトナー飛散抑制を目的しているものであり、画像品質への効果は僅かである。またトナー、キャリアの特性については規定されているものの、現像装置中の現像剤については考慮されておらず、良好な画像品質を得るには至らない。また高面積の画像を連続出力した場合でも一定の画像濃度を保持できる目的で、特許文献5では微粉の存在量及び粗粉の存在量を規定した粒度分布の狭いキャリアが提案されている。確かにキャリア粒度分布を狭分布化させることは、現像剤の流動性を向上させてトナー濃度を均一化させるという点において効果はあるが、その効果としては僅かである。現像剤はキャリア表面をトナーが被覆する構成を有しており、現像剤の流動性に対してはトナー粒度分布の寄与の方が圧倒的に支配的である。即ち、画像濃度安定化に対する効果としては、期待通りの水準には達しない。
【0010】
【特許文献1】
特開平5−188767号公報
【特許文献2】
特開平6−274017号公報
【特許文献3】
特開2000−89549号公報
【特許文献4】
特開平7−271133号公報
【特許文献5】
特開平2−281280号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は2成分現像剤を用いて、画像出力する画像の面積によらず、また使用環境、使用状況が変化しても、長期に亘って安定した画像品質が得られて画像濃度変動を抑制できる現像装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体上に形成された静電潜像を可視画像に現像するために、表面に複数個の磁極を持ち、該表面に非磁性トナーと磁性キャリアからなる2成分現像剤を磁力で担持しながら回動する現像剤担持体を用いて、該現像剤担持体に担持されて搬送される現像剤の量を規制する現像剤規制部材と、該現像剤規制部材の上流に剤攪拌室を有し、該剤攪拌室内にはトナー濃度センサと、トナーとキャリアを攪拌するための攪拌部材を有する現像装置において、▲1▼トナーの重量平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)の比(Dv/Dn)が1.20以下であり、現像剤の帯電量Q/Mが30〜60(−μC/g)であって、▲2▼攪拌部材の回転数及びスパイラルピッチ幅から計算される単位時間当りの現像剤の移動距離が55〜175(mm/s)であり、現像剤担持体の幅をL、攪拌部材のスパイラルピッチ幅をpとした場合に、0.05≦(p/L)≦0.10の関係を満足して、▲3▼現像剤規制部材の下流側における現像剤担持体上の単位面積あたり現像剤の担持量が30〜80mg/cm2であることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の現像装置において、上記現像剤として、トナー濃度が5.0〜9.0(wt%)の現像剤を使用することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の現像装置において、現像剤として、重量平均粒径が4.5〜8.0μmのトナー及び重量平均粒径が30〜60μmのキャリアを含むものを使用することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3の現像装置において、現像剤として、トナーが3μm以下の粒子個数比率が5%以下のものを使用することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2,3又は4の現像装置において、現像剤に使用されるトナー及びキャリアが、常温常湿下、トナー濃度5%以下の条件下でキャリアとトナーを10分間攪拌混合したときに得られる帯電量Q600に対して、同一条件下で20秒間攪拌混合した時に得られる帯電量Q20とすると、Z(%)=(Q20/Q600)×100で計算される帯電立ち上がり比率Z(%)が70(%)以上得られるトナー及びキャリアを使用することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1の現像装置において、現像剤担持体の周速度をVs、像担持体の周速度をVpとした場合、1.5≦(Vs/Vp)≦2.5の関係を満足することを特徴とするものである。
【0013】
以下に本発明の詳細を説明する。本発明者らが鋭意検討したところによれば、次のこと明らかになった。
(1)高品質であり、安定した画像品質を確保するという目的に対して、従来技術にあるような現像条件(現像剤規制部材上流側の滞留現像剤量、攪拌部材条件)の規定や、トナー、キャリアの重量平均粒径の規定などでは満足のいく品質は得られない。
(2)現像剤としては、帯電量Q/Mとキャリアを被覆するトナーの粒径分布、さらには現像装置内での現像剤の攪拌状態、及び現像剤担持体上の担持量が非常に重要な因子である。2成分現像剤を用いた現像方式では、画像出力により現像剤中のトナーが消費されて、消費量に応じてトナーが補給されて更に画像が出力されるというサイクルを繰返すのが一般的である。トナー補給された際に、素早く、かつ均一にトナーをキャリアに付着させて現像剤を均一な混合状態して、現像剤担持体上に規定量の担持量を確保する必要がある。このような均一な混合状態を実現するためには、▲1▼.現像剤の帯電特性、▲2▼.トナー粒度分布の均一性、及び、▲3▼.現像装置中の現像剤に対する攪拌状態が重要である。これら3つの特性を規定することにより前記課題を解決することが可能で、ひとつでも欠落した特性が存在すると品質改善効果が得られない。
【0014】
上記▲1▼.現像剤の帯電特性にいて
現像剤の帯電量としては、30〜60(−μC/g)であることが望ましい。60(−μC/g)よりも高い帯電量の現像剤では、所望の画像濃度を得る為には、現像剤担持体と像担持体間に形成する電界をより大きくする必要がある。このような大きな電界を形成すると、キャリアまでが像担持体に移行する傾向が顕在化し、トナー像を転写材に静電転写する際にキャリアまでも転写されてしまい画像上に白抜け部が発生して異常画像になる可能性が高くなる。また、トナーとキャリアの付着力が強過ぎて逆に現像剤の流動性を阻害してしまい、トナー濃度の均一性確保に対しては不利な方向に作用する。また帯電量が30(−μC/g)よりも低い場合には、トナーとキャリアの付着力が弱過ぎて、非画像部がトナーで汚れる地肌汚れが発生しやすくなる。さらに現像剤の透磁率変化を検知するトナー濃度センサを用いてトナー濃度を制御するようなシステムの場合には、帯電量が低いと実際のトナー濃度よりも低く検知させる方向になり、トナー補給過多になる傾向がある。この場合、トナー飛散を誘発する可能性が高くなる。
【0015】
上記▲2▼.トナー粒度分布の均一性について
現像剤の均一な混合状態、即ち現像剤の全領域においてトナー濃度が同一水準になるためには、トナーの粒度分布が均一であることが求められる。つまりトナーの重量平均と個数平均の粒子径比率Dv/Dnが1に近いことが望ましく、1.20以下にすることにより、トナー濃度の均一性が得られる。
【0016】
上記▲3▼.現像機中の現像剤に対する攪拌状態について
トナーとキャリアを素早く、均一に混合するためには、現像装置中の攪拌部材に関する条件に適切に設定する必要がある。現像装置中での現像剤の移動距離、スパイラルピッチ幅が重要な因子である。現像剤の移動距離は攪拌部材の回転数、スパイラルピッチ幅から算出できて、具体的には、(1秒間あたりの回転数:r/sec)*(スパイラルピッチ幅:mm)で計算される。そして本発明者の検討結果より、移動距離が55〜175(mm/sec)の範囲内のものになるように設定することにより、補給されたトナーが現像剤上に到達した地点から短距離でキャリアに付着し始めて、短時間で均一な混合状態が得られることが明らかになった。さらにスパイラルピッチ幅としては、現像剤担持体幅に対しての比率において、0.05から0.10の範囲にする必要がある。この関係を満足するスパイラルピッチ幅において、現像剤の移動距離が55(mm/sec)より小さい場合は、現像剤の攪拌能力が不十分であり、均一な混合状態になる時間が掛かりすぎる。また移動距離が175(mm/sec)よりも大きい場合には、短時間で均一な混合状態が得られるものの、トナーがキャリア表面を汚染する所謂キャリアスペントが発生しやすくなり、現像剤の帯電能力低下や、トナー濃度が一定にも関わらず嵩密度の水準変動が起きてしてしまい、地肌汚れ、トナー飛散などの不具合が発生する可能性が高くなる。また前述のようにトナー粒度分布、剤帯電量、現像装置の攪拌部材の条件を規定することにより、高面積の画像出力した場合には、品質改善効果は顕著である。即ち、高面積の画像を出力する場合、トナー補給が低面積画像出力時と比較して積極的に行われるが、本発明を用いればトナー補給された後に、キャリア汚染することなく短時間で均一な混合状態になり、像担持体上に効率よく、かつ潜像に対して忠実にトナーを現像させることが可能となる。その結果として、現像剤担持体上に短時間で補給トナーを供給できて、画像連続出力時でも安定した画像品質を確保することができる。
【0017】
また、本発明者らが鋭意検討したところによれば、次のことも明らかになった。
(3)現像剤規制部材の下流側における現像剤担持体上の単位面積あたり現像剤の担持量は30〜80(mg/cm2)になるように調製する必要がある。担持量が30(mg/cm2)より低い場合には、現像剤担持体と像担持体間に印加させる電界をより大きくする必要があり、キャリア付着に対して不利である。また担持量が80(mg/cm2)よりも高い場合には、現像剤担持体の回動方向の下流側において剤落ちが発生しやすくなる。さらに像担持体と現像剤担持体との空間において、現像剤の充填密度が高くなる方向であり、この空間での現像剤の流動性が低下する傾向にある。この流動性低下に伴い、像担持体上の静電潜像に対してのトナー供給が円滑に行われなくなり、画像濃度低下や濃度ムラが発生しやすくなる。
【0018】
本発明において現像剤のトナー濃度は5.0〜9.0(wt%)の範囲で使用することが望ましい。トナー濃度が5.0(wt%)より低い場合には、現像剤の帯電量Q/Mが高くなる方向であり、像担持体上の静電潜像を現像する交番電界をより高く印加する必要がある。この場合、やはり所謂キャリア付着が発生してしまい、画像品質を損なう恐れがある。さらに現像剤の帯電量Q/Mが高すぎる場合には、画像濃度が低下してしまう。またトナー濃度が9.0(wt%)よりも高い場合には、トナー飛散が発生しやすくなり、トナー飛散のレベルが悪くなるにつれて、画像地肌部がトナーで汚れる所謂地肌汚れが発生して画像品質低下を招く。
【0019】
また、本発明においてトナーの重量平均粒径が4.5〜8.0μm、キャリアの重量平均粒径が30〜60μmであることが望ましい。トナーの小粒径化は解像度を上げるためには不可欠であるが、副作用として、流動性、保存性において悪化傾向にある。トナー粒径が4.5μm未満では、現像剤の流動性が極端に悪化して、現像剤中の均一なトナー濃度を確保することが困難となる。またトナー小粒径化はキャリアに対する被覆率が上昇する方向であり、被覆率が高くなり過ぎた場合には、キャリア汚染の加速化及びトナー飛散誘発が懸念される。このメカニズムはキャリアについても適用され、キャリアの小粒径化はトナーの場合同様に流動性低下を招き、特に重量平均粒径が30μm未満では、キャリア付着が発生する。またキャリアを大粒径化した場合、キャリア被覆率が上昇する方向であり、やはり不具合がある。即ちトナーの重量平均粒径が4.5〜8.0μm、キャリアの重量平均粒径が30〜60μmにすることにより、画像濃度安定性に加えて、解像度の向上も図られ、さらに高品質な画像が得られる。またトナー粒度分布における3μm以下の粒子個数比率を5%以下にすることによって、流動性、保存性における品質改善効果は顕著であり、現像装置中へのトナー補給性及びトナーの帯電立ち上がり特性において良好な水準が得られる。
【0020】
また、トナーの帯電立ち上がり比率が70(%)以上にすることによって、トナー飛散、及び地肌汚れにも大きな改善効果が認められた。すなわち、補給されたトナーが如何に効率良く、均一にキャリアに付着して、均一な混合状態にするために重要な特性であり、特に帯電立ち上がり特性が優れているということは、短時間でキャリアに対して静電力、ファンデアワールス力が働き、所望の帯電量が得られることであり、トナー飛散、地肌汚れの抑制も可能になる。
【0021】
更に現像剤担持体の周速度をVs、に対する像担持体の周速度Vpとした場合、Vs/Vpを1.5から2.5の範囲になるように調整することにより、より高品質な画像を得ることが可能となる。まず、Vs/Vpが1.5よりも低い場合には、静電潜像を通過する現像剤の通過時間が短くなるために、現像能力が低下してしまい、高面積を有する画像を出力した場合、画像濃度低下が顕著となってくる。またVs/Vpが2.5よりも高い場合、即ち現像剤と静電潜像との接触時間を長くする方向は異常画像が発生することが知られている。ここでいう異常画像とは、ベタ画像部後端の画像濃度低下、画像抜け、特にハーフトーン画像の後端部で顕著にみられる画像抜けや、ベタ画像とハーフトーン画像境界部での画像濃度変化を意味する。これらは何れも潜像電位の異なる場所や潜像電位が不連続に急激に変化する画像濃度の境界部に現れる。即ち、現像ニップを現像剤が通過する過程で現像剤中のトナーが移動することや、そもそも誘導体としての静電容量を持つ現像剤層が異なる不連続な現像電界を通過するときの過渡現象に起因するものと考えられている。
【0022】
前述の帯電量Q600、Q20の測定方法としては、以下のとおりである。常温常湿下、キャリア50gとトナー濃度5%に相当するトナーを所定の時間混合(装置名:(株)伊藤製作所社製のボールミル架台S4−2型、回転数:280rpm)することにより現像剤を作成する。この現像剤3gを目開き635メッシュ(SUS316製 東洋コーポレーション(株)製)をセットした測定用ゲージに入れ、60秒間ブローオフ(ブローオフ装置:東芝ケミカル(株)製TB−200、ブローガス:窒素エアー、ブロー圧力:1.5±0.1(kg/cm2))した後、飛散した粉体の電荷量Q(μC)と質量M(g)を測定し、帯電量Q/M(−μC/g)を得ることができる。さらに請求項1の現像剤帯電量としては、現像剤3gを測定用ゲージに入れた後は、上記同一手順で測定される。
【0023】
トナーの粒度分布は種々の方法で測定できるが、本発明では小孔通過法(コールターカウンター法)を用いて行なった。測定装置として、COULTER COUNTER MODEL TA2(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイスを接続して、100μmのアパチャー(細孔)を使用した。測定方法として、まず電解水溶液に界面活性剤を加えた中に、トナー測定用試料を分散させる。前記試料を別の1%NaCl電界液に注入して、アパチャーチューブのアパチャーの両側に電極が置かれている電解液を通して両電極間に電流を流して、この抵抗変化から2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して、平均分布から個数平均粒径、重量平均粒径を求める。またキャリアの粒度分布測定には、マイクロトラック粒度分布計(モデルSRA、日機装社製)を用いて、0.7〜125μmの範囲で測定を実施した。
【0024】
本発明の現像装置に使用されるトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤と帯電制御剤とから構成される。本発明のトナーで使用される結着樹脂としては従来からトナー用結着樹脂として使用されてきたものは全てが適用される。具体的にはポリスチレン、ポリクロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチレン/ビニルナフタレン共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン/ビニルメチルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/アクリロニトリル/インデン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルブチルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、これらは単独であるいは2種以上を混合して使用される。
【0025】
次に本発明の現像装置に使用されるトナーの着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な染顔料が使用できて、従来からトナー用着色剤として使用されてきた顔料及び染料の全てが適用される。具体的には、ニグロシン染料、アニリンブルー、カルコオイルブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローGローダミン6Cレーキ、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、マラカイトグリーン、マラカイトグリーンヘキサレート、ローズベンガル、モノアゾ系染顔料、ジスアゾ系染顔料、トリスアゾ系染顔料などが挙げられる。これらの着色剤の使用量は、結着樹脂に対して、通常1〜30wt%、好ましくは3〜20wt%である。
【0026】
本発明の現像装置に使用されるトナーの帯電制御剤としては、正の帯電制御剤及び負の帯電制御剤、いずれのものも使用可能であるが、カラートナーの場合、色調を損なうことのない透明色から白色のものを使用するのが好ましい。例えば正極性のものとしては4級アンモニウム塩類、イミダゾール金属錯体や塩類等が用いられ、負極性のものとしては、サリチル酸錯体や塩類、有機ホウ素塩類、カリックスアレン系化合物等などが挙げられる。
【0027】
また本発明の現像装置に使用されるトナーにおいては、離型性を持たせるために、低分子量のポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成ワックス類の他、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバ油などの植物系ワックス類;みつろう、ラノリン、鯨ろうなどの動物系ワックス類;モンタンワックス、オゾケライトなどの鉱物系ワックス類;硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系ワックス類を含有することができ、これらは単独であるいは2種以上混合して使用される。
【0028】
更に本発明の現像装置に使用されるトナーには、前記の離型剤の他に必要に応じてトナーの熱特性、電気特性、物理特性を調整する目的で、各種の可塑剤(フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチルなど)、抵抗調整剤(酸化錫、酸化鉛、酸化アンチモンなど)等の助剤を添加することも可能である。更に本発明のトナーには、必要に応じて前記の離型剤、助剤等以外の流動性付与剤を混合することもできる。その流動性付与剤としては、例えばシリカ微粒子、酸化チタン微粒子、酸化アルミニウム微粒子、フッ化マグネシウム微粒子、炭化ケイ素微粒子、炭化ホウ素微粒子、炭化チタン微粒子、炭化ジルコニウム微粒子、窒化ホウ素微粒子、窒化チタン微粒子、窒化ジルコニウム微粒子、マグネタイト微粒子、二硫化モリブデン微粒子、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸マグネシウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子、フッ素系樹脂微粒子、アクリル系樹脂微粒子等が挙げられ、これらは単独であるいは2種以上使用することが可能である。なお、流動性付与剤としては、一次粒子の粒径が0.1μmより小さく、表面をシランカップリング剤やシリコンオイル等で疎水化処理し、疎水化度40以上のものが好ましい。
【0029】
本発明の現像装置に使用されるトナーの製造方法としては公知の方法が用いられるが、例えば結着樹脂、着色剤及び顔料、帯電制御剤さらに必要に応じて離型剤等を適当な比率でヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機を使用して十分に混合した後、スクリュー型押出し式連続混練機、2本ロールミル、3本ロールミル、加圧加熱ニーダーを用いて溶融混練を行なう。またカラートナーの場合、顔料の分散性を向上させる目的で結着樹脂の一部と顔料を予め溶融混練して得られるマスターバッチ顔料を着色剤として使用することが一般的である。
【0030】
上記方法で得られた混練物を冷却固化させた後にハンマーミルなどの粉砕機を用いて粗粉砕をする。さらに、粗粉砕物をジェットミル粉砕機で粉砕処理した後に気流式分級機などに連結されたローター粉砕機などを用いて表面処理を行なうが、例えば衝突式粉砕機としてはハンマーミル、ボールミル、チューブミル、振動ミル等を挙げることができるが、圧縮空気及び衝突板を主構成要素として具備してなるジェット式粉砕機としてIタイプ及びIDSタイプ衝突式粉砕機(日本ニューマチック工業社製)を好ましく使用できる。またローター粉砕機としてはロールミル、ピンミル、流動層式ジェットミル等を例示できるが、特に外壁としての固定容器と該固定容器と中心軸を同一にする回転片とを主構成要素として具備してなるローター式粉砕機としてターボミル(ターボ工業社製)、クリプトロン(川崎重工業社製)、ファインミル(日本ニューマチック工業社製)等が使用でき、連結された分級機には気流式分級機としてディスパージョンセパレータ(DS)式分級機(日本ニューマチック工業社製)、多分割式分級機(エルボージェット;日鉄鉱業社製)などが使用できる。さらに気流式分級機、機械式分級機を用いて微粉分級を行ない、微細粒子を得ることができる。
【0031】
さらに上記方法で得られた微細粒子に流動性付与剤の添加混合を行う場合、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ボールミル等の公知の設備が使用可能である。また懸濁重合法、非水分散重合法により、モノマーと着色剤、流動性付与剤から直接トナーを製造する方法であってもよい。
【0032】
本発明の現像装置に使用されるキャリアは少なくとも芯材及び結着樹脂から構成されており、芯材としては感光体ドラムへのキャリア付着防止の点から重量平均粒径が小さくとも20μmの大きさのものを使用し、キャリアスジ等の発生防止の点から大きくとも100μmのものを使用する。具体的材料としては、電子写真用現像剤用2成分キャリアとして公知のもの、例えば、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル等キャリアの用途、使用目的に合わせ適宜選択して用いればよい。
【0033】
本発明の現像装置に使用されるキャリアの被覆樹脂としては、従来からキャリア用被覆樹脂として一般的に用いられているものを使用することができ、例えば、アクリル樹脂、アミノ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスルフィン酸系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリプチラール系樹脂、尿素系樹脂、ウレタン/ウレア系樹脂、シリコン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、テフロン(登録商標)系樹脂等の各種熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂及びその混合物、ならびにこれらの樹脂の共重合体、ブロック重合体、グラフト重合体およびポリマーブレンド等であるが、これらに限るものではない。
【0034】
また上記キャリアにおける結着樹脂の膜厚としては0.05〜1.00μmが適当であり、好ましくは0.1〜0.8μmである。膜厚が0.05μm未満の場合、膜が薄過ぎて、現像装置中でトナーとキャリア攪拌混合時に被覆した膜が削れやすくなり、十分な耐久性が得られず好ましくない。一方、膜厚が1.00μm以上の場合、キャリア抵抗が高くなり過ぎて、キャリア付着が悪化する傾向にある。また現像剤の流動性も悪化する傾向があり、トナー濃度センサ制御面からも好ましくない。
【0035】
さらに上記キャリアには必要に応じて抵抗調整剤を使用することも可能であり、抵抗調整剤として用いられる導電性物質は従来知られているものであれば、いずれもを用いても構わないが、安価な導電性物質という点からはカーボンブラックを用いることが好ましい。しかも、カーボンブラックとしてはBET比表面積が800m2/g、好ましくは1000m2/g以上、DBP吸油量が200ml/100g、好ましくは250ml/100g以上のカーボンブラックを用いることが最も好ましい。またカラーキャリア等で色汚れが問題となる場合には、白色系金属酸化物を用いることが好ましい。白色系金属酸化物としては、酸化チタン系、酸化亜鉛系及び酸化スズ系粒子が挙げられる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、発明を適用した現像装置及びそれを備えた画像形成装置の実施形態について説明する。図2は、本発明にかかる画像形成装置としての電子写真方式のフルカラープリンタを示す。図2において、箱状の装置本体1内には複数個の像担持体ユニットとしての感光体ユニット2Y、2M、2C、3Kそれぞれ装置本体1に着脱可能に装着されている。装置本体1内の中央部には記録材担持体としての転写ベルト3が、装置本体1の対角線方向に斜めに配置されている。転写ベルト3は、その一つに回転駆動力が伝達される複数のローラに架け渡されて矢印Aで示す方向に回転駆動可能に設けられている。
【0037】
感光体ユニット2Y、2M、2C、2Kは、像担持体としてのドラム状の感光体4Y、4M、4C、4Kを有し、各感光体の表面が転写ベルト3と接触するように、同ベルトの上方に配設されている。感光体ユニット2Y、2M、2C、2Kの配列は、感光体2Yを給紙側とし、感光体ユニット2Kが定着装置9側に位置するように4Y、4M、4C、4Kの順となっている。感光体4Y、4M、4C、4Kとしては、ベルト状の感光体等を用いてもよい。
【0038】
現像装置5Y、5M、5C、5Kは、感光体4Y、4M、4C、4Kとそれぞれ対向配置されている。現像装置5Y、5M、5C、5Kは、複数色、例えばイエロー(以下Yという)ろキャリアを有する2成分現像剤、マゼンタ(以下Mという)とキャリアを有する2成分現像剤、シアン(以下Cという)とキャリアを有する2成分現像剤、ブラック(以下Kという)とキャリアを有する2成分現像剤をそれぞれ感光体4Y、4M、4C、4K上の静電潜像に供給して各静電潜像を現像するものである。
【0039】
感光体ユニット2Y、2M、2C、2Kの上方には露光手段としての書き込み装置6が配置され、感光体ユニット2Y、2M、2C、2Kの下方には図示を省略した両面ユニットが配置されている。両面ユニットの下方には、サイズの異なる転写材が収納可能な給紙ユニット7、8が配設されている。転写ベルト3の下流側には定着装置9が配置されている。定着装置9の転写材搬送方向下流側であって装置上部に設けられた排紙トレイ10に案内している。
【0040】
感光体ユニット2Y、2M、2C、2Kは、感光体4Y、4M、4C、4K上にY、M、C、K各色のトナー像を形成するためのユニットであり、装置本体1に配置される場所を除いては同一構成となっている。例えば、感光体ユニット2Yは、図2中に2点差線で囲って示すように、感光体4Yと、感光体4Yに当接する帯電手段としての帯電ローラ11Yと、感光体4Yの表面をブラシローラ12Y及びクリーニングブレード13Yでクリーニングするクリーニング装置14Yとを一体のユニット構成としたもので、装置本体1に着脱可能に取付けられる。感光体ユニット2M、2C、2Kの構成の説明は省略する。
【0041】
書き込み装置6は、図1に示すように、回転多面鏡、レーザ光源としてのレーザダイオード、fθレンズ、ミラーなどを備えており、Y画像データ、M画像データ、C画像データ、K画像データでそれぞれ変調されたY用レーザ光、M用レーザ光、C用レーザ光、K用レーザ光を、感光体ユニット4Y、4M、4C、4Kの感光体4Y、4M、4C、4Kに照射する。
【0042】
本形態では、図示しない操作部により画像形成が指示されると、図2において感光体4Y、4M、4C、4Kが図示しない駆動源により回転駆動されて時計回り方向に回転する。感光体ユニット2Y、2M、2C、2Kの各帯電ローラ11Y…は、図示しない電源から帯電バイアスが印加されて感光体4Y、4M、4C、4Kをそれぞれ一様に帯電させる。感光体4Y、4M、4C、4Kは、それぞれ帯電ローラ11Y…により一様に帯電された後に書き込み装置6にて、Y、M、C、K各色の画像データで変調されたレーザ光により露光されて、各表面に静電潜像が形成される。これらの感光体4Y、4M、4C、4K上の静電潜像は、現像装置5Y、5M、5C、5Kにより現像されてY、M、C、K各色のトナー像となる。
【0043】
給紙カセット7、8のうち選択された方の給紙カセットからは、1枚の転写材が分離されて、感光体ユニット2Yよりも給紙側に配置されたレジストローラ15へ給紙される。本形態では、装置本体1の右方側部に図示を省略した手差しトレイが配置され、この手差しトレイからも転写材がレジストローラ15へ給紙可能である。レジストローラ15は、各転写材を感光体4Y、4M、4C、4K上のトナー像と先端が一致するタイミングで転写ベルト3上へ送り出す。送り出された転写材は、紙吸着ローラ16によって帯電される転写ベルト3に静電的に吸着されて各転写部へと搬送される。
【0044】
搬送された転写材には、各転写部を順に通過する際に、転写ブラシ17Y・・・により感光体4Y、4M、4C、4K上のY、M、C、K各色のトナー像が順次に重ね合わせて転写されることで、4色重ね合わせのフルカラートナー像が形成される。フルカラートナー像が形成された転写材は、定着装置9によりフルカラートナー像が定着され、その後は指定されたモードに応じた排出路を通って排紙トレイ10に反転排出される場合や、定着装置9から直進して図示しない反転ユニット内を通ってストレートに排紙される。
【0045】
以上の作像動作は、4色重ね合わせのフルカラーモードが図示しない操作部で選択された時の動作であるが、3色重ね合わせのフルカラーモードが操作部で選択された時にはKトナー像の形成が省略されてY、M、C3色のトナー像の重ね合わせによるフルカラー画像が転写材上に形成される。また白黒画像形成モードが操作部で選択された時には、Kトナー像の形成のみが行われて白黒画像が転写材上に形成される。
【0046】
現像装置5Y、5M、5C、5Kは、トナー色が異なる以外は同一構成になっているので、現像装置5Yを代表して、その構成を説明する。図2中に現像装置5Yが示されている。図1は現像装置5Yを上方から見た一部破断した図である。
【0047】
図1、図3において、現像装置5Yは、Yトナーとキャリアを有する2成分現像剤が収容された現像ケース18内に配置され、この現像ケースの感光体4Yに向けた開口部を介して感光体4Yと対向するように配置された現像剤担持体としての現像スリーブ19と、現像ケース18内に配置され、現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌搬送部材としてのスクリュー部材20、21とを備えている。
【0048】
現像ケース18Yは、感光体4Yへの現像剤の供給側に位置する第1の空間部22Yと、供給口23から補給トナーの供給を受ける第2の空間部24側とに仕切り壁25によって分割されている。スクリュー部材20は空間部22に、スクリュー部材21は空間部24にそれぞれ配置され、現像ケース18に設けた図示しない軸受部材によって回転自在に支持されている。無論、現像スリーブ19も図示しない軸受部材を介して現像ケース18に回転自在に支持されている。現像スリーブ19は、図示しない駆動手段から回転駆動力が伝達されることで回転する。
【0049】
図1に示すように、スクリュー部材20、21は転写材の幅方向に延設されていて、互いに平行配置されている。スクリュー部材20、21の一端は歯数の同じ歯車26、27が互いに噛合するように装着されている。本形態では、歯車26に対して図示しない駆動モータからの回転駆動力が伝達されることで、スクリュー部材20、21が互いに相反する方向に回転駆動される。図1において、スクリュー部材21は現像剤を左方から右方に向かって搬送する向きに回転し、スクリュー部材20は現像剤を右方から左方に向かって搬送する向きに回転する。
【0050】
仕切り壁25の図1中左側の一端と現像ケース18の内側面18aの間には、空間部22から空間部24へ現像剤を送る受け渡し部28が形成され、仕切り壁25の他端と現像ケース18に内側面18bの間には、空間部24から空間部22へ現像剤を送る受け渡し部29がそれぞれ形成されている。受け渡し部29の幅Wは、受け渡し部28の幅W1よりも狭くなるように形成されている。受け渡し部29が形成される現像ケース18の端部は、現像スリーブ19の両端面間に形成される感光体の画像形成領域Lの外方へ突出していて、受け渡し部29が画像形成領域Lの外方に位置するように形成されている。
【0051】
現像ケース18には、図3中に示すように現像剤中のトナー濃度を検知して出力するトナー濃度検知手段としてのトナー濃度センサ30が装着されている。このトナー濃度センサ30はコイルインダクタンスセンサであって、図1に示すように、空間部24内にその検知面30aが臨んでいるとともに、画像形成領域Lの中央線を基準として受け渡し部28よりも受け渡し部29寄りに配置されている。
【0052】
このような構成の現像装置5Yの動作を現像剤の搬送について説明する。現像ケース18内の2成分現像剤は、スクリュー部材20、21が等速回転すると、攪拌されつつ図1において左方から右方へと搬送され、受け渡しに29から搬送スクリュー20が配置された空間部22へと送られる。受け渡し部29から空間部22に送られた2成分現像剤は、搬送スクリュー20により攪拌されると同時に図1において左方向に搬送された後、受け渡し部28から空間部24側に送られ、再び搬送スクリュー21により攪拌されると同時に図1において右方向に搬送される。このように現像剤を攪拌しながら搬送することで、現像剤は現像装置5Y内を循環しながらYトナーとキャリアが攪拌により摩擦帯電する。
【0053】
搬送スクリュー20は現像剤の一部を現像スリーブ19に供給し、現像スリーブ19はその現像剤を磁気的に担持して搬送する。現像スリーブ19上の現像剤は、図3に示すように、現像ケース18に配置された規制部材31により、その高さ(量)が規制される。感光体4Y上の静電潜像は、現像スリーブ19上のYトナーで現像されてYトナー像となる。現像ケース18内の現像剤のトナー濃度が所定の値になると、Yトナーがトナー補給口23から現像ケース18内の空間部24側に補給される。このYトナーはスクリュー部材21による攪拌で現像剤と混合される。
【0054】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、ここでの部は重量基準である。また、各実施例及び比較例についての主な特性は最後の方の表12にまとめ、評価の結果は表13にまとめている。
【0055】
〔実施例1〕
*トナー製造例
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロール表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い、マスターバッチ顔料(1)を得た。次に、該マスターバッチ顔料を用いて、以下の方法によりトナーを作成した。
からなる組成の混合物を2軸混練機にて溶融混練し、該混練物を粉砕部に平板型衝突板を具備したジェットミル粉砕機で平均粒径12μmになるように微粉砕し、さらにDSタイプ気流式分級機に連結したターボミルを使用して表面処理を行なったが平均粒径11.5μmであった。さらに微粉分級して、重量平均粒径が12.1μm、3μm以下の粒子個数比率が0%の微細粒子を得た。該微細粒子20kgに対して平均粒径0.3μmの疎水性シリカ微粒子100g、平均粒径0.3μmの疎水性酸化チタン微粒子100gを添加及び攪拌混合を行って、マゼンタ電子写真用トナーを得た。
*キャリア製造例
シリコーン樹脂(SR2411 トーレダウコーニングシリコーン社製)を希釈して、シリコーン樹脂溶液(固形分:5%)を得た。流動床型コーティング装置を用いて、重量平均粒径70μmのキャリア芯材粒子(MnMgSr系フェライト)5kgの粒子表面上に、上記シリコーン樹脂溶液を、100℃の雰囲気下で約40g/minの割合で塗布し、更に240℃2時間加熱して、真比重5.0g/cm3のキャリアAを得た。
上記方法で得られたカラートナー及びキャリアを用いてトナー濃度(TC)4.5wt%の現像剤を作成して、リコー製IPSiO color 8100機を以下に示す現像条件に改造して品質評価を行った。現像剤の初期設定として、トナー濃度センサ出力が3.00Vになるように調製を行い、基準値とする。該基準値を維持する状態で画像を出力した。ちなみに画像面積は20%の画像を出力して評価を行った。通紙枚数に対するトナー濃度推移、トナー飛散、画像品質について評価を実施した。
【表1】
【0056】
〔実施例2〕
上記実施例1におけるトナーで重量平均粒径8.4μm、3μm以下粒子個数比率を2%に調製した以外は実施例1と同一方法でマゼンタ電子写真用トナーを得た。また実施例1のキャリアを用いて、同様な評価を行った。
【0057】
〔実施例3〕
上記実施例1におけるトナーで重量平均粒径5.1μm、3μm以下粒子個数比率を15%に調製した以外は実施例1と同一方法でマゼンタ電子写真用トナーを得た。またキャリアは重量平均粒径35μmのキャリア芯材粒子(MnMgSr系フェライト)を使用した以外は、実施例1と同一方法で得られたキャリアBを用いて、同様な評価を行った。
【0058】
〔実施例4〕
[重合トナーの製造例]
イオン交換水710gに、0.1M−Na3PO4水溶液450gを投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液68gを徐々に添加し、Ca3(PO4)2を含む水系媒体を得た。
(トナー成分)
スチレン 170g
n−ブチルアクリレート 30g
キナクリドン系マゼンタ顔料 10g
ジ−t−ブチルサリチル酸金属化合物 2g
ポリエステル樹脂 10g
上記処方を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10gを溶解し、重合性単量体組成物を調整した。前記、水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、N2雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで20分間攪拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ、80℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、減圧下で一部水系媒体を留去して冷却し、塩酸を加えリン酸カルシウムを溶解させた後、濾過、水洗、乾燥をして、重量平均粒径が8.2μm、3μm以下粒子個数比率が2%の着色懸濁粒子を得た。該微細粒子20kgに対して平均粒径0.3μmの疎水性シリカ微粒子100g、平均粒径0.3μmの疎水性チタン微粒子100gを添加及び攪拌混合を行って、マゼンタ電子写真用トナーを得た。更に実施例1のキャリアを用いて、同様な評価を行った。
【0059】
〔実施例5〕
キャリアは重量平均粒径50μmのキャリア芯材粒子(MnMgSr系フェライト)を使用した以外は、実施例1と同一方法でキャリアCを得た。実施例2と同一のマゼンタトナーを使用して、実施例1と同一条件で現像剤を作成して、同様な評価を行った。
【0060】
〔実施例6〕
上記実施例4におけるトナーで重量平均粒径5.1μm、3μm以下粒子個数比率を13%に調製した以外は実施例1と同一方法でマゼンタ電子写真用トナーを得た。また実施例3のキャリアBを用いて、トナー濃度(TC)7.0wt%の現像剤を作成して、リコー製IPSiO color 8100機を改造して品質評価を行った。現像剤の初期設定として、トナー濃度センサ出力が2.50Vになるように調製を行い、基準値とする。その他の現像条件は実施例1と同一である。該基準値を維持する状態で、画像面積20%の画像を出力した。通紙枚数に対するトナー濃度推移、トナー飛散、画像品質について評価を実施した。
【0061】
〔実施例7〕
上記実施例4におけるトナーで重量平均粒径5.1μm、3μm以下粒子個数比率を13%に調製した以外は実施例1と同一方法でマゼンタ電子写真用トナーを得た。また実施例3のキャリアBを用いて、トナー濃度(TC)7.0wt%の現像剤を作成して、リコー製IPSiO color 8100機を改造して品質評価を行った。現像剤の初期設定として、トナー濃度センサ出力が2.50Vになるように調製を行い、基準値とする。その他の現像条件は実施例1と同一である。該基準値を維持する状態で、画像面積10%の画像を出力した。通紙枚数に対するトナー濃度推移、トナー飛散、画像品質について評価を実施した。
【0062】
〔実施例8〕
上記実施例4におけるトナーで重量平均粒径5.1μm、3μm以下粒子個数比率を13%に調製した以外は実施例4と同一方法でマゼンタ電子写真用トナーを得た。また実施例3のキャリアBを用いて、トナー濃度(TC)10.0wt%の現像剤を作成して、リコー製IPSiO color 8100機を改造して品質評価を行った。現像剤の初期設定として、トナー濃度センサ出力が2.00Vになるように調製を行い、基準値とする。その他の現像条件は実施例1と同一である。該基準値を維持する状態で、画像面積20%の画像を出力した。通紙枚数に対するトナー濃度推移、トナー飛散、画像品質について評価を実施した。
【0063】
〔実施例9〕
上記実施例4におけるトナーで重量平均粒径5.1μm、3μm以下粒子個数比率を13%に調製した以外は実施例4と同一方法でマゼンタ電子写真用トナーを得た。また実施例3のキャリアBを用いて、トナー濃度4.5%の現像剤を作成して、リコー製IPSiO color 8100機を以下に示す現像条件に改造して品質評価を行った。現像剤の初期設定として、トナー濃度センサ出力が3.00Vになるように調製を行い、基準値とする。該基準値を維持する状態で、画像面積20%の画像を出力した。通紙枚数に対するトナー濃度推移、トナー飛散、画像品質について評価を実施した。
【表2】
【0064】
〔実施例10〕
上記実施例4におけるトナーで重量平均粒径5.1μm、3μm以下粒子個数比率を13%に調製した以外は実施例4と同一方法でマゼンタ電子写真用トナーを得た。また実施例3のキャリアBを用いて、トナー濃度4.5%の現像剤を作成して、リコー製IPSiO color 8100機を以下に示す現像条件に改造して品質評価を行った。現像剤の初期設定として、トナー濃度センサ出力が3.00Vになるように調製を行い、基準値とする。該基準値を維持する状態で、画像面積20%の画像を出力した。通紙枚数に対するトナー濃度推移、トナー飛散、画像品質について評価を実施した。
【表3】
【0065】
〔実施例11〕
上記実施例4におけるトナーで重量平均粒径5.1μm、3μm以下粒子個数比率を13%に調製した以外は実施例4と同一方法でマゼンタ電子写真用トナーを得た。また実施例3のキャリアBを用いて、トナー濃度4.5%の現像剤を作成して、リコー製IPSiO color 8100機を以下に示す現像条件に改造して品質評価を行った。現像剤の初期設定として、トナー濃度センサ出力が3.00Vになるように調製を行い、基準値とする。該基準値を維持する状態で、画像面積20%の画像を出力した。通紙枚数に対するトナー濃度推移、トナー飛散、画像品質について評価を実施した。
【表4】
【0066】
〔実施例12〕
上記実施例4におけるトナーで重量平均粒径5.1μm、3μm以下粒子個数比率を13%に調製した以外は実施例4と同一方法でマゼンタ電子写真用トナーを得た。また実施例3のキャリアBを用いて、トナー濃度4.5%の現像剤を作成して、リコー製IPSiO color 8100機を以下に示す現像条件に改造して品質評価を行った。現像剤の初期設定として、トナー濃度センサ出力が3.00Vになるように調製を行い、基準値とする。該基準値を維持する状態で、画像面積20%の画像を出力した。通紙枚数に対するトナー濃度推移、トナー飛散、画像品質について評価を実施した。
【表5】
【0067】
〔実施例13〕
上記実施例4におけるトナーで重量平均粒径5.1μm、3μm以下粒子個数比率を13%に調製した以外は実施例4と同一方法でマゼンタ電子写真用トナーを得た。また実施例3のキャリアBを用いて、トナー濃度4.5%の現像剤を作成して、リコー製IPSiO color 8100機を以下に示す現像条件に改造して品質評価を行った。現像剤の初期設定として、トナー濃度センサ出力が3.00Vになるように調製を行い、基準値とする。該基準値を維持する状態で、画像面積20%の画像を出力した。通紙枚数に対するトナー濃度推移、トナー飛散、画像品質について評価を実施した。
【表6】
【0068】
〔実施例14〕
上記実施例1におけるトナーで重量平均粒径5.1μm、3μm以下粒子個数比率を13%に調製した以外は実施例4と同一方法でマゼンタ電子写真用トナーを得た。また実施例3のキャリアBを用いて、トナー濃度4.5%の現像剤を作成して、リコー製IPSiO color 8100機を以下に示す現像条件に改造して品質評価を行った。現像剤の初期設定として、トナー濃度センサ出力が3.00Vになるように調製を行い、基準値とする。該基準値を維持する状態で、画像面積20%の画像を出力した。通紙枚数に対するトナー濃度推移、トナー飛散、画像品質について評価を実施した。
【表7】
【0069】
〔比較例1〕
上記実施例1におけるトナーで重量平均粒径5.1μm、3μm以下粒子個数比率を22%に調製した以外は実施例1と同一方法でマゼンタ電子写真用トナーを得た。またキャリアは実施例3の重量平均粒径35μmのキャリアBを用いて、実施例1と同一条件で評価を行った。
【0070】
〔比較例2〕
上記実施例1におけるトナーで重量平均粒径が8.4μm、3μm以下の粒子個数比率0%の微細粒子を得た。該微細粒子20kgに対して、平均粒径0.3μmの疎水性酸化チタン微粒子200gを添加及び攪拌混合を行って、真比重1.20g/cm3のマゼンタ電子写真用トナーを得た。またキャリアは実施例1の重量平均粒径70μmのキャリアAを用いて、実施例1と同一条件で評価を行った。
【0071】
〔比較例3〕
上記実施例1におけるトナーで重量平均粒径が5.1μm、3μm以下の粒子個数比率15%の微細粒子を得た。該微細粒子20kgに対して、平均粒径0.015μmの疎水性シリカ微粒子200gを添加及び攪拌混合を行って、マゼンタ電子写真用トナーを得た。またキャリアは実施例1の重量平均粒径35μmのキャリアBを用いて、実施例1と同一条件で評価を行った。
【0072】
〔比較例4〕
上記実施例1におけるトナーで重量平均粒径5.1μm、3μm以下粒子個数比率を15%に調製した以外は実施例1と同一方法でマゼンタ電子写真用トナーを得た。またキャリアは重量平均粒径35μmのキャリア芯材粒子(MnMgSr系フェライト)を使用した以外は、実施例1と同一方法で得られたキャリアBを用いて、トナー濃度4.5%の現像剤を作成して、リコー製IPSiO color 8100機を以下に示す現像条件に改造して品質評価を行った。現像剤の初期設定として、トナー濃度センサ出力が3.00Vになるように調製を行い、基準値とする。該基準値を維持する状態で画像を出力した。通紙枚数に対するトナー濃度推移、トナー飛散、画像品質について評価を実施した。
【表8】
【0073】
〔比較例5〕
上記実施例1におけるトナーで重量平均粒径5.1μm、3μm以下粒子個数比率を15%に調製した以外は実施例1と同一方法でマゼンタ電子写真用トナーを得た。またキャリアは重量平均粒径35μmのキャリア芯材粒子(MnMgSr系フェライト)を使用した以外は、実施例1と同一方法で得られたキャリアBを用いて、トナー濃度4.5%の現像剤を作成して、リコー製IPSiO color 8100機を以下に示す現像条件に改造して品質評価を行った。現像剤の初期設定として、トナー濃度センサ出力が3.00Vになるように調製を行い、基準値とする。該基準値を維持する状態で画像を出力した。通紙枚数に対するトナー濃度推移、トナー飛散、画像品質について評価を実施した。
【表9】
【0074】
〔比較例6〕
上記実施例1におけるトナーで重量平均粒径5.1μm、3μm以下粒子個数比率を15%に調製した以外は実施例1と同一方法でマゼンタ電子写真用トナーを得た。またキャリアは重量平均粒径35μmのキャリア芯材粒子(MnMgSr系フェライト)を使用した以外は、実施例1と同一方法で得られたキャリアBを用いて、トナー濃度4.5%の現像剤を作成して、リコー製IPSiO color 8100機を以下に示す現像条件に改造して品質評価を行った。現像剤の初期設定として、トナー濃度センサ出力が3.00Vになるように調製を行い、基準値とする。該基準値を維持する状態で画像を出力した。通紙枚数に対するトナー濃度推移、トナー飛散、画像品質について評価を実施した。
【表10】
【0075】
〔比較例7〕
上記実施例1におけるトナーで重量平均粒径5.1μm、3μm以下粒子個数比率を15%に調製した以外は実施例1と同一方法でマゼンタ電子写真用トナーを得た。またキャリアは重量平均粒径35μmのキャリア芯材粒子(MnMgSr系フェライト)を使用した以外は、実施例1と同一方法で得られたキャリアBを用いて、トナー濃度4.5%の現像剤を作成して、リコー製IPSiO color 8100機を以下に示す現像条件に改造して品質評価を行った。現像剤の初期設定として、トナー濃度センサ出力が3.00Vになるように調製を行い、基準値とする。該基準値を維持する状態で画像を出力した。通紙枚数に対するトナー濃度推移、トナー飛散、画像品質について評価を実施した。
【表11】
【0076】
以上の各実施例及び比較例についての評価結果を後の表13にまとめてある。各評価項目における許容レベルと次のとおりである。
〔画像濃度〕
画像濃度については、50mm×50mmのベタ部の中心をX−rite938分光濃度計で、5箇所測定して平均値を出す。初期からの画像濃度変動を±0.15の範囲を許容レベルとする。
〔濃度ムラ〕
濃度ムラについては、50mm×50mmのベタ部の中心をX−rite938分光濃度計で、5箇所測定して標準偏差を出す。標準偏差値を以下のようにランク評価した。
ランク5:0.050以下
ランク4:0.051〜0.060
ランク3:0.061〜0.070
ランク2:0.071〜0.100
ランク1:0.101以上
※ランク4までが許容レベル
〔地肌汚れ〕
地肌汚れ評価については、A4サイズ6%チャートの画像を出力して、地肌部5mm2におけるトナー粒子個数で評価した。
ランク5:5個以下
ランク4:6〜10個
ランク3:11〜50個
ランク2:51〜100個
ランク1:101個以上
※ランク4までが許容レベル
〔トナー飛散〕
トナー飛散評価については、現像スリーブ周辺に飛散したトナーを粘着テープで採取して、採取されたトナー重量で評価する。
ランク5:10mg以下
ランク4:11〜30mg
ランク3:31〜60mg
ランク2:61〜150mg
ランク1:151mg以上
※ランク4までが許容レベル
【0077】
トナー濃度安定性については、以下のように評価した。上記のように一連の評価は画像出力前にトナー濃度センサの基準値設定を行い、トナー濃度センサが該基準値になるように制御して画像出力を行った。よって初期からのトナー濃度の変動幅が小さいほど、安定性に優れていると判断できる。初期からのトナー濃度変動のおいて±0.30wt%を許容レベルとする。
【0078】
【表12】
【0079】
【表13】
【0080】
この表13からもわかるように、実施例では、画像出力際の画像面積によらず、また使用環境、使用状況が変化しても、長期に亘って安定した画像品質が得られる。
さらに現像剤のトナー濃度を5.0〜9.0wt%、トナーの重量平均粒径を4.5〜8.0μm、キャリアの重量平均粒径を30〜60μmにすることにより、トナー濃度制御安定性に加えて、解像度の向上も図られ、さらに高品質な画像が得られる。また3μm以下の粒子個数比率を5%以下、帯電立上り比率を70%以上にすることにより、トナーの流動性が向上して、より現像剤中のトナー濃度均一化が図られて、品質改善効果はより顕著である。また現像剤担持体の周速度と像担持体の周速度の比を1.5〜2.5になるように調整することにより、画像濃度安定化に加えて、画像抜けなどの異常画像発生が抑制することが可能となる。
【0081】
【発明の効果】
本願発明によれば、画像出力際の画像面積によらず、また使用環境、使用状況が変化しても、長期に亘って安定した画像品質が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる現像装置の構成を示す平面視図である。
【図2】本発明にかかる現像装置を現像剤供給手段として用いた画像形成装置の一形態を示す全体構成図である。
【図3】図2に示す画像形成装置に設けられた像担持体を有する像担持体ユニットの一形態を示す拡大図である。
【符号の説明】
4Y,4M,4C,4K 像担持体(感光体ドラム)
5Y,5M,5C,5K 現像剤供給手段(現像装置)
18 ケース
19 現像スリーブ
20 スクリュウ部材
21 スクリュウ部材
28 受け渡し部
29 受け渡し部
30 トナー濃度検知手段
30a 検知面
22 空間部側
23 トナー補給口
24 空間部
24 仕切り板
31 規制板
L 画像形成領域
Claims (6)
- 像担持体上に形成された静電潜像を可視画像に現像するために、表面に複数個の磁極を持ち、該表面に非磁性トナーと磁性キャリアからなる2成分現像剤を磁力で担持しながら回動する現像剤担持体を用いて、該現像剤担持体に担持されて搬送される現像剤の量を規制する現像剤規制部材と、該現像剤規制部材の上流に剤攪拌室を有し、該剤攪拌室内にはトナー濃度センサと、トナーとキャリアを攪拌するための攪拌部材を有する現像装置において、
▲1▼トナーの重量平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)の比(Dv/Dn)が1.20以下であり、現像剤の帯電量Q/Mが30〜60(−μC/g)であって、
▲2▼攪拌部材の回転数及びスパイラルピッチ幅から計算される単位時間当りの現像剤の移動距離が55〜175(mm/s)であり、現像剤担持体の幅をL、攪拌部材のスパイラルピッチ幅をpとした場合に、0.05≦(p/L)≦0.10の関係を満足して、
▲3▼現像剤規制部材の下流側における現像剤担持体上の単位面積あたり現像剤の担持量が30〜80mg/cm2であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1の現像装置において、
上記現像剤として、トナー濃度が5.0〜9.0(wt%)の現像剤を使用することを特徴とする現像装置。 - 請求項1又は2の現像装置において、
現像剤として、重量平均粒径が4.5〜8.0μmのトナー及び重量平均粒径が30〜60μmのキャリアを含むものを使用することを特徴とする現像装置。 - 請求項1、2又は3の現像装置において、
現像剤として、トナーが3μm以下の粒子個数比率が5%以下のものを使用することを特徴とする現像装置。 - 請求項1、2,3又は4の現像装置において、
現像剤に使用されるトナー及びキャリアが、常温常湿下、トナー濃度5%以下の条件下でキャリアとトナーを10分間攪拌混合したときに得られる帯電量Q600に対して、同一条件下で20秒間攪拌混合した時に得られる帯電量Q20とすると、
Z(%)=(Q20/Q600)×100
で計算される帯電立ち上がり比率Z(%)が70(%)以上得られるトナー及びキャリアを使用することを特徴とする現像装置。 - 請求項1の現像装置において、
現像剤担持体の周速度をVs、像担持体の周速度をVpとした場合、1.5≦(Vs/Vp)≦2.5の関係を満足することを特徴とする現像装置。
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