JP2005023996A - 伝動装置 - Google Patents

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JP2005023996A
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compressive stress
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fracture
transmission device
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Masanori Amemori
雅典 雨森
Hidehiro Adachi
秀博 安立
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Valeo Thermal Systems Japan Corp
Original Assignee
Zexel Valeo Climate Control Corp
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Abstract

【課題】破断部の疲労限界を向上することにより、破断部の機能とその安定性及び信頼性を長期に亘ってより良好に維持すること。
【解決手段】駆動側から従動側へ動力を伝達する回転体10に破断部22aを設け、回転体に所定以上の負荷がかかると破断部が破断して駆動側と従動側との連繋が分断される伝動装置において、回転体には、破断部に圧縮応力を生じさせる圧縮応力発生手段を設け、破断部は、圧縮応力によりその疲労限界が向上された構成の伝動装置である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、回転体に所定以上の負荷がかかるとその回転体に設けられた破断部が破断して駆動側と従動側との連繋が分断される伝動装置に関し、コンプレッサに動力を伝達する装置として好適に利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
伝動装置としては、過負荷による駆動機構全体の破損を防止するべく、所定以上の負荷がかかると駆動側と従動側との連繋を分断する構成を備えたものが知られている。例えば特許文献1乃至3には、コンプレッサを駆動するこの種の伝動装置が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平8−319945号公報
【特許文献2】特開2000−18157号公報
【特許文献3】特開2001−108070号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
さて、駆動側から従動側へ動力を伝達する回転体に破断部を設け、回転体に所定以上の負荷がかかると破断部が破断して駆動側と従動側との連繋を分断する場合、破断部は、意図的に他の部位よりも脆弱とされる故に、その疲労強度の確保が重要とされる。材料の疲労は、繰返し応力のもとで材料の表面に生ずる非可逆的なすべり変形が次第に微細な凹凸を作り出す現象であり、疲労破壊は、その凹凸部にき裂が形成されることによって発生する。つまり材料の疲労によれば、静的強度よりもはるかに低い応力によって破壊を起す訳である。故に、長期に亘る伝動装置の使用によれば、特に破断部における材料の疲労により、負荷に対する耐久性が低下するという問題がある。伝動装置の破断部は、通常使用時における最大負荷に対してその疲労限界が下回ることがないように設計されるところ、品質の安定性及び信頼性や、形状及び素材にかかわる設計の自由度等を確保する観点からは、その疲労限界を如何に向上するかが非常に重要な課題とされている。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、破断部の疲労限界を向上することにより、破断部の機能とその安定性及び信頼性を長期に亘ってより良好に維持することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願第1請求項に記載した発明は、駆動側から従動側へ動力を伝達する回転体に破断部を設け、前記回転体に所定以上の負荷がかかると前記破断部が破断して前記駆動側と前記従動側との連繋が分断される伝動装置において、前記回転体には、前記破断部に圧縮応力を生じさせる圧縮応力発生手段を設け、前記破断部は、前記圧縮応力によりその疲労限界が向上された構成の伝動装置である。すなわち、圧縮応力発生手段により生じた圧縮応力は、破断部に疲労をもたらす応力と対向する応力となる。圧縮応力によれば、繰返し応力による破断部の疲労が緩和されて、疲労限界が向上する。破断部の疲労限界を向上することによれば、破断部の機能とその安定性及び信頼性を長期に亘ってより良好に維持することが可能となる。
【0007】
本願第2請求項に記載した発明は、請求項1において、前記圧縮応力発生手段は、前記破断部の近傍に金属を塑性流動してなる構成の伝動装置である。圧縮応力発生手段は、破断部の近傍に金属を塑性流動して構成することが可能である。
【0008】
本願第3請求項に記載した発明は、請求項1において、前記圧縮応力発生手段は、前記破断部の近傍に圧迫部材を圧入してなる構成の伝動装置である。圧縮応力発生手段は、破断部の近傍に圧迫部材を圧入して構成することが可能である。
【0009】
本願第4請求項に記載した発明は、請求項1において、前記圧縮応力発生手段は、前記破断部を締め付けるリング体を設けてなる構成の伝動装置である。圧縮応力発生手段は、破断部を締め付けるリング体を設けて構成することが可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の第1具体例を図1乃至図3に基づいて説明する。図1及び図2に示す本例の伝動装置1は、駆動側たる自動車エンジンから従動側たる車内空調用冷凍サイクルのコンプレッサへと動力を伝達するものである。この伝動装置1は、コンプレッサの回転軸に支持されるハブ20にゴムダンパ30を装着した回転体10からなり、回転体10の外周には、ベルトを懸け回したプーリが装着される構成となっている。自動車エンジンの動力は、ベルトを介して伝達される。
【0011】
ハブ20は、コンプレッサの回転軸を嵌装するボス部21と、ボス部21を中心に形成された円形状のプレート部22とを備えている。また、ゴムダンパ30は、それぞれ所定の径の円筒を呈する外側リング体40と内側リング体50との間に設けられている。このゴムダンパ30は、所定の強度及び弾性を得るべく加硫が施されたものである。そして、プレート部22の縁部と内側リング体50の縁部とは、それらの間に銅又はアルミ等の金属60を塑性流動して結合されている。一般に、このような結合はメタルフロー結合と称される。金属を塑性流動して結合されるそれらの縁部には、所要の結合強度を得るべくローレット等の凹凸が設けられている。
【0012】
また、本例の伝動装置1は、回転体10のプレート部22に破断部22aを設け、回転体10に所定以上の負荷(すなわちトルク)がかかると破断部22aが破断して自動車エンジンとコンプレッサとの連繋が分断される構成となっている。つまり、コンプレッサの内部において焼付が発生する等の異常時において、回転体10に過大な負荷がかかると破断部22aが破断し、更なるトラブルを未然に防止する構成となっている。
【0013】
この破断部22aは、ボス部21を中心とする円弧状の溝部22bに挟まれたブリッジ状のものであり、ボス部21を中心に120°の間隔で3ヵ所設けられている。そして、プレート部22の縁部と内側リング体50の縁部との間に塑性流動された金属60は、破断部22aを圧迫し、これに圧縮応力を生じさせる圧縮応力発生手段となっている。破断部22aは、かかる圧縮応力によりその疲労限界が向上されている。図2中の矢印は、金属60の流動方向、及び破断部22aの圧縮方向を示している。圧縮応力の大きさは、採用する金属60の物性や、金属60を塑性流動する際の加圧力等によって調整される。
【0014】
図3は、破断部22aの疲労限界を示すS−N曲線グラフである。このような伝動装置1における破断部22aの破壊強度は、プーリに懸け回したベルトがスリップする際のトルクを下回るように設定する。つまり、伝動装置1に過大な負荷がかかる場合は、ベルトがスリップする以前に回転体10の破断部22aが破断するので、ベルトがスリップする事態は回避される。また、破断部22aの疲労限界は、当然、コンプレッサの最大出力時における負荷よりも大きいことを要する。そして、破断部22aに圧縮応力が無い場合の疲労限界1(例えばハブ20と内側リング体50とを一体部材にて構成した場合おける破断部22aの疲労限界)に対し、破断部22aに圧縮応力を有する本例の疲労限界2は、その圧縮応力によって確実に向上される。このような構成によれば、破断部22aの機能とその安定性及び信頼性を長期に亘ってより良好に維持することができる。
【0015】
尚、破断部22aの疲労対策としては、圧縮応力発生手段を設ける他に、チッ化やショットピーニング等の表面処理がある。表面処理等の疲労対策は、圧力発生手段を設けるとともに適宜採用することも可能である。
【0016】
また、ハブ20とゴムダンパ30を設ける内側リング体50とが別体であれば、そのハブ20には耐食性の高いチオン塗装を施すことができるという利点がある。更に、ハブ20に対してはゴムダンパ30を加硫する前のボンデ処理を施さずともよいので、ボンデ処理の影響により破断部22aが変形する等の不都合を回避することもできる。
【0017】
このように、本例の伝動装置1は、破断部22aの疲労限界を向上してなる非常に優れたものであり、自動車エンジンから車内空調用冷凍サイクルのコンプレッサへと動力を伝達する装置として好適に利用することができる。勿論、回転体10に破断部22a及び圧縮応力発生手段を設ける本例の構成は、その他各種の駆動機構に応用することも可能である。
【0018】
次に、本発明の第2具体例を図4及び図5に基づいて説明する。本例の圧縮応力発生手段は、ハブ20のプレート部22において、破断部22aの近傍に孔部22cを設け、これに圧迫部材70を圧入してなるものである。圧縮応力の大きさは、圧迫部材70の形、位置、大きさ、及び圧入量等によって調整される。特に、図例した圧迫部材70は円形のリベットであるが、その形状等は適宜に設計変更が可能である。図5中の矢印は、圧迫部材70による圧迫方向、及び破断部22aの圧縮方向を示している。また、ハブ20のプレート部22の縁部には、所定の径の円筒を呈するリング部23が一体形成されている。ゴムダンパ30は、外側リング体40とハブ20のリング部23との間に設けられている。尚、その他の基本構成は前述した具体例と同様である。
【0019】
このように、圧縮応力発生手段は、圧迫部材22aの近傍に圧迫部材70を圧入して構成することも可能である。
【0020】
次に、本発明の第3具体例を図6及び図7に基づいて説明する。本例の圧縮応力発生手段は、破断部22aを締め付けるリング体50を設けてなるものである。具体的には、ハブ20のプレート部22の縁部には、所定の径の円筒を呈するリング部23を一体形成しており、圧縮応力発生手段は、このリング部23を内側リング体50にプレスで圧入して構成している。圧縮応力の大きさは、内側リング体50の内径とリング部23の外径とのバランスによって調整される。図7中の矢印は、内側リング体50による圧迫方向、及び破断部22aの圧縮方向を示している。尚、その他の基本構成は前述した第1具体例と同様である。
【0021】
このように、圧縮応力発生手段は、破断部22aを締め付けるリング体50を設けて構成することも可能である。
【0022】
【発明の効果】
本発明は、駆動側から従動側へ動力を伝達する回転体に破断部を設け、前記回転体に所定以上の負荷がかかると前記破断部が破断して前記駆動側と前記従動側との連繋が分断される伝動装置において、前記回転体には、前記破断部に圧縮応力を生じさせる圧縮応力発生手段を設け、前記破断部は、前記圧縮応力によりその疲労限界が向上された構成の伝動装置である。本発明によれば、破断部の疲労限界を向上することにより、破断部の機能とその安定性及び信頼性を長期に亘ってより良好に維持することを可能にした伝動装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体例に係り、(a)は伝動装置を示す正面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図2】本発明の具体例に係り、図1(b)のB部拡大図である。
【図3】本発明の具体例に係り、破断部の疲労限界を示すN−S曲線グラフである。
【図4】本発明の具体例に係り、(a)は伝動装置を示す正面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図5】本発明の具体例に係り、図4(b)のB部拡大図である。
【図6】本発明の具体例に係り、(a)は伝動装置を示す正面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図7】本発明の具体例に係り、図6(b)の要部拡大図である。
【符号の説明】
1 伝動装置
20 ハブ
21 ボス部
22 プレート部
22a 破断部
22b 溝部
22c 孔部
23 リング部
30 ゴムダンパ
40 外側リング体
50 内側リング体
60 金属
70 圧迫部材

Claims (4)

  1. 駆動側から従動側へ動力を伝達する回転体に破断部を設け、前記回転体に所定以上の負荷がかかると前記破断部が破断して前記駆動側と前記従動側との連繋が分断される伝動装置において、
    前記回転体には、前記破断部に圧縮応力を生じさせる圧縮応力発生手段を設け、前記破断部は、前記圧縮応力によりその疲労限界が向上されたことを特徴とする伝動装置。
  2. 前記圧縮応力発生手段は、前記破断部の近傍に金属を塑性流動してなることを特徴とする請求項1記載の伝動装置。
  3. 前記圧縮応力発生手段は、前記破断部の近傍に圧迫部材を圧入してなることを特徴とする請求項1記載の伝動装置。
  4. 前記圧縮応力発生手段は、前記破断部を締め付けるリング体を設けてなることを特徴とする請求項1記載の伝動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107795655A (zh) * 2017-11-23 2018-03-13 徐工集团工程机械有限公司 转子过载保护装置、动力传动装置及冷再生机

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