JP2005022653A - 定量計量流速制御容器 - Google Patents

定量計量流速制御容器 Download PDF

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Abstract

【課題】単純な構造であるにもかかわらず、流速制御により不用意な吐出を防止するとともに、吐出管内の内容物は容器本体内に引き込んでしまうので内容物が管内に滞留して固まるということのない液体容器であるとともに、一定量の正確な計量を可能とした液体容器の提供。
【解決手段】排出口から計量容器内に内容物を排出した後に、容器の復元力により生ずる容器内負圧により計量定量以上の余剰内容物を容器本体内に回収して、計量容器内に計量定量を残留させて計量することとした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、液体容器から内容物を排出させるにあたり、一定量を計量することができる定量計量容器を備えた定量計量流速制御容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、計量を必要とする液体は薬品、化粧品をはじめ、塗料、洗剤など様々である。
【0003】
薬品などにおいては、ビンから計量コップで計り出して使用するケースが最も多いと考えられる。また、薬品よりも1回の使用量が多い洗剤等の液体容器としては、ボトルのキャップが計量カップになっているものやポンプ式の合成樹脂製ボトルが普及している。前者は計量カップを容器本体から取り外して使用するものであり、必要量を自由に計量することができるものの、正確な計量には不向きである。また、後者は合成樹脂製のボトル容器本体の上方開口部に手押し式のポンプを備えて、必要なときにこのポンプを手で押して内容物を排出するようにしている。これによれば1回の手押しにより吐出する量はほぼ一定である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、計量カップを備えた容器は、計量カップに設けた目盛りに合わせて内容量を容器本体から注ぎ出して使用するものであるから、正確な計量には不向きであるとともに、注ぎ方が悪いと溢れさせてしまったり、また、キャップの締りが緩いと万が一容器が転倒した場合には内容物が漏洩してしまうという問題があった。
【0005】
また、ポンプ式のボトルにあってはポンプのリターンスプリングが金属製であるなど、単一素材での構成は技術的には可能であっても、コストの問題などから現実的ではない。おりしも環境保全の意識が社会的に高まる中で、ゴミ処理の問題は無視することができない。
【0006】
また、ポンプ内に逆流防止のための逆止弁が設けられているために、ポンプから吐出口までの間の管内に内容物が滞留し固まってしまい、次の吐出の際に固まった内容物が飛び出すという問題があった。
【0007】
そこでこの発明の定量計量流速制御容器は、上記従来の課題を解決するとともに、単一素材で構成することが可能であるとともに、単純な構造であるにもかかわらず、流速制御により不用意な吐出を防止し、さらに吐出管内の内容物は容器本体内に引き込んでしまうので内容物が管内に滞留して固まるということのない液体容器であるとともに、一定量の正確な計量を可能とした液体容器を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわちこの発明の定量計量流速制御容器は、内容物を排出させる排出口を備えた液体容器において、この排出経路には、常圧下では内容物の表面張力により内容物自ら封鎖してしまう程度の開口面積を有する流速制御通路を備え、内容物排出時にはこの流速制御通路を通過した内容物のその通路方向の流速が一旦ゼロとなり、この流速制御通路の出口側に備わる排出経路の主通路を満たした後に排出口から排出されるものであり、排出行程完了後に排出経路内の内容物を容器本体内に吸引することにより、常態において排出経路内に内容物が滞留しないとともに、上記主通路を内部に突設せしめた計量容器を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
またこの発明の定量計量流速制御容器は、排出口から計量容器内に内容物を排出した後に、容器の復元力により生ずる容器内負圧により計量定量以上の余剰内容物を容器本体内に回収して、計量容器内に計量定量を残留させて計量することをも特徴とするものである。
【0010】
さらにまたこの発明の定量計量流速制御容器は、計量定量は計量容器内に突設した排出口の計量容器の底面からの高さによって定まるものであるとともに、この計量容器が上下に移動可能であり、排出口の計量容器底面からの高さを任意に調整可能であることを特徴とするものである。
【0011】
そして流速制御通路と容器本体の間には、この流速制御通路を容器本体内で隔離するカバー部材を備えるとともに、このカバー部材の内側には所望容量を持つ空間を備え、この空間と容器本体とは細管でのみ連通されてなり、容器内液圧が直接流速制御通路に作用しないとともに、この細管の管内抵抗によって容器本体内圧が減衰されて直接流速制御通路に及ばないようにしたことをも特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の液体容器の実施の形態について詳述する。
【0013】
【実施例1】
図1はこの発明の液体容器を示す斜視図である。容器本体1の上部には排出口2と、この排出口2を備えた排出管6を容器本体1に固定する押さえ蓋3及び計量容器4とで構成されている。
【0014】
図2は計量容器付近の要部拡大断面図である。ボトル状の容器本体1の上部には開口部5があり、排出管6が備わっている。排出管6はつば7が容器本体1の開口部5の端面に載せられて、押さえ蓋3で容器本体1にねじで締め付けられて固定されている。この容器本体1は合成樹脂等の比較的柔軟な撓み易い素材で形成されている。より具体的にはポリプロピレン、ポリエチレン又はラミネートチューブなどの合成樹脂素材が好適に用いられる。
【0015】
排出管6のつば7の下部にはそれより下の部分を覆うカバー部材8がこの排出管5を容器本体内で隔離するように設けられていて、その下端には細管9が挿入されている。カバー部材8と排出管5との間には所望容量を持つ空間10があり、この空間と容器本体内とは唯一この細管9でのみ連通している。この細管9の下端は図1に示すように容器本体の底部に到達している。底部から内容物を吸い上げるためである。
【0016】
このように構成することにより、容器内液圧が直接後述する微小通路14に作用することがなく、細管9の管路抵抗によって減衰された上、カバー部材8の内側空間10(常態では内容物の滞留なし)があるために万が一容器本体1を不用意に強く押して内圧が急上昇したとしても、内容物が排出口から噴出することはない。また、容器本体1を転倒させたり倒伏させたりした場合でも、細管9の下端が液面の上に出るので内容物の圧力が微小通路14にかかることがなく、噴出も漏れもない。
【0017】
排出管6は、図3(a)に示すように容器の開口部5に適合させるため外形はつば7を備えた形状に形成され、中央に主たる通路(以下、主通路)11を備えている管状部材である。この主通路11は図に示すように上下端に貫通しており、下端は底蓋12によって塞がれている。そしてその排出管6の底部端面13と底蓋12との合わせ目には上記主通路11と直行する方向に微小通路としての微小断面穴(以下、微小通路)14が設けられている。この微小通路14は、直径が、収納する液体の表面張力により閉鎖されてしまい、あるいは気泡が混じった場合にはいわゆるベーパーロック状態となり、常圧下では容易には通過しない程度である。望ましくはその液体の表面張力や粘性に応じて決定されるが、水様の低粘度流体ならば0.3mmから1.5mmが好適である。
【0018】
そしてこの微小通路14は、図3では、排出管6の肉厚分の長さを有するものとなっている。また、その横断面は、丸、三角、四角など自由に選択することができ、形状は限定されない。
【0019】
この微小通路14はドリル等で穿孔する方法も考えられるが、技術的に困難であるので、本実施例では排出管6の下端面13に微小溝15を形成し、これを底蓋12で閉じて管状通路となるようにする方法を採っている。このような構成とすることにより、微小溝15を型成形することが可能となり加工上都合が良い。
【0020】
また、微小通路14は図3(b)に示すように、対向する位置に設けられている。これは図4に示すように微小通路14から主通路11内に吐出した内容物(液体)が主通路11のほぼ中央で衝突することにより、吐出の流速が一旦0(ゼロ)となるようにするためである。こうすることで微小通路14を通過するそのままの流速で排出口2から内容物が吐出することがない。
【0021】
さらに微小通路14は直径を小さくするほど、この微小通路14を通過する内容物の量を制限することができるが、そのことは主通路11内に内容物が充満するまでに時間を要することとなるとともに、容器本体1にかかる外圧(指で押さえる力)に対して鈍感になる。つまり、排出口2から吐出する内容物の調整は、容器本体1を押さえる力の加減よりもむしろ押さえている時間の長さに依存することとなり、吐出のコントロールが極めて容易となっている。そして吐出のスピードは外圧(容器本体1を押さえる力)の大きさによって微小通路14の通過流速に依存するが、吐出のコントロールを容器本体1を押さえる時間と力のどちらを重視するかは微小通路14の有効開口面積(穴径)を変えることにより変更することができる。微小通路14の大きさは容器本体1の柔軟性の度合いによって適宜変更させてバランスさせることにより、容器に収容する内容物の性状及び吐出条件に合わせて細かい適応が可能となる。
【0022】
そして排出管6は図2に示すように所望長さの管状部16を備えてその先が排出口2となっているが、この管状部16を軸とするように計量容器4が挿入されている。計量容器4の上端はこの排出口2よりも高い位置にある。
【0023】
このように構成した第1の実施例の定量計量流速制御容器の使用に際しては、図5に示すように、容器本体1を指で押さえるようにして圧力をかけると、容器本体1が図の破線のように変形することで容器内圧が上がり、内容物(液体)は図6に示すように容器本体1の底部から細管9を通ってカバー部材8の空間10内に入りそして微小通路14に流入し、図4に示すように微小通路14から主通路11の中央に向かって押し出されるとともに、同速度で吐出しぶつかり合い一旦速度が0(ゼロ)となる。そして排出口2からいきなり吐出することなく、表面張力により主通路11の内壁に着壁しながら、及び図4の破線に示すように主通路11内を徐々に満たしながら充満した後に溢れて排出口2から吐出する。
【0024】
従来の考え方によれば、計量容器内に突出せしめた排出管から内容物を吐出させる場合においては、図7に示すように、計量容器の開口部を向いて吐出させることは噴出の危険があったので、必ず吐出口2は計量容器の内壁に衝突させるようにしなければならなかった。
【0025】
ところがこの発明の定量計量流速制御容器は、排出口2の手前で吐出速度(流速)が一旦0(ゼロ)となることから、微小通路14を通過するそのままの流速で排出口2から吐出することがないので内容物の流出が極めて緩やかであり、不用意な外圧が容器本体1にかかっても、排出口2から噴出することはなく、吐出量の微調整がきわめて容易に行うことができる。すなわちゆっくりと吐出させる場合でも吐出量の調整が容易であるので、図6に示すように計量容器の開口を上に向けていても噴出する危険は全くないのである。
【0026】
なお、微小通路14の数は一つでも可能だが、対向する位置に複数個設けることが望ましい。これは微小通路14から流速が0(ゼロ)となる位置までの距離が短いほど抵抗となり、より噴出の防止が図れるからである。微小通路14が奇数個の場合は、ほぼ中央で全ての微小通路から噴出した内容物が衝突するように放射状に配置すればよい。
【0027】
なお、微小通路14はその他図8に示すような形態も考えられる。すなわち、微小通路14からの流入方向の速度がなくなる(ゼロになる)場合は、微小通路14から流入した内容物が、壁や、対向して流入する内容物と衝突する場合の他、流れの方向転換を強いられる場合も含まれる。例えば図8において、それぞれ(a)は側壁17の微小通路14から流入した内容物が対面の内壁に衝突するもの、(b)は主通路11の底部中央に衝突壁18を立設して、この衝突壁18を挟むような方向にある側壁17の微小通路14から内容物が流入してこの衝突壁18に衝突するもの、(c)は側壁17の非対向位置に設けた微小通路14から流入した内容物が対面の内壁に直角でない角度で衝突するもので、この場合には内容物は主通路11の内壁に沿って方向転換して流れるので主通路11内に渦が生ずる。(d)は微小通路14は前記(c)と同様であるが、流入先の正面内壁には流入した内容物が衝突する壁19が直行する方向に設けられているものである。図中の図番号に付されている数字の1は縦断面図を示し、2は微小通路位置における横断面図である。(e)は排出管6の下端角の対向位置に切り欠きを設けて微小通路14を形成したものである。この場合は(e)−2に示すようにほぼ底面に沿って内容物が主通路11内に流入する。(e)−3は微小通路位置における横断面図である。(f)は対向する位置の側壁17から上下に位置をずらして微小通路14が設けられている場合、(g)は上記(b)の場合において上下に位置をずらして微小通路14が設けられている場合、(h)は側壁17から主通路11の底面隅に向かって斜めに流入する微小通路14を備えた場合、及び(I)は側壁17又は底面から斜めに内壁に向かって流入する微小通路14を備えた場合を示している。(I)の場合においては、図に示すように内容物が内壁に衝突した際に上方に向かって流れないようにする衝突壁20設けることが望ましい。
【0028】
そして、図6に示すように、排出口2から排出された内容物は計量容器4内に溢れ出て、この排出口2の高さよりも水位WLが上がる。その状態で容器本体1を握っている手から力を抜けば容器本体1の復元力で容器本体1内が負圧になる。すると図9に示すようにその負圧によって排出口2からそれよりも高い水位の内容物は再び排出口2に吸い込まれ、細管9までの全ての通路内の内容物が引き戻されて容器本体1内に戻る。水位WLは排出口2の高さで決定される。本来この微小通路程度の直径の管であれば、液体が毛細管現象で滞留してしまうが、この実施例においては容器本体1内の負圧により滞留することなく容器本体1内に引き戻される。
【0029】
その結果、常に計量容器4内に溜まる(残留する)内容物の量は一定であり、容器本体1からの排出量や排出速度などに左右されることはない。
【0030】
また、排出口2から細管9の下端までの排出経路内には常態において内容物が滞留していないので、計量済みの内容物を計量容器4内から排出する際に排出口2から余分に流れ出ることがないし、容器が不用意に転倒した場合でも内容物が吐出することがない。
【0031】
また、排出経路内に内容物が残留して固まることがないので、一旦使用した後に再び使用する際も、排出口2に固着した内容物が噴出するということがない。
【0032】
なお、排出口2の直径は、常圧下で内容物が毛細管現象によって留まり滴下しない程度の直径であれば良く、たとえば水様の低粘度液体であれば1.5mmから3mm程度が好適であるが、内容物の性状や容器の使用目的に応じて適宜変更すればよい。
【0033】
【実施例2】
図10はこの発明の定量計量流速制御容器の第2の実施例を示す斜視図である。容器本体1からの内容物の排出方法及び排出経路の基本的構成は前記実施例1と同じである。
【0034】
本実施例においては、図11及び図12に示すように計量容器4が上下に移動可能となっている。すなわち、排出管6の管状部16のほぼ下半分にねじ21が、また計量容器4にもこの管状部16のねじ21に適合するねじ22が形成されていそれぞれ螺合するようになっている。また、計量容器4のねじ部22の上端は中央部に開口23を有する蓋状になっており、この開口23に管状部16が挿入される。開口23には管状部16と接する部分にOリング24が設けられていて、計量容器4内の内容物の漏洩を防止している。
【0035】
このように構成することにより、計量容器4は回転させることにより上下に移動可能となる。計量容器4内の計量定量は計量容器4の底25から排出口2すなわち水位WLまでの高さhで決まる。したがって、図11に示すように計量容器4を上限まで上げた状態では最少の計量定量となり、図12に示すように計量容器4を下限まで下げた状態では最大の計量定量となるので、管状部16とねじ部21、22の長さ及び計量容器の内径及び高さを適宜変更することにより様々な容量の計量を行うことができる。
【0036】
なお、管状部14の外側に目盛り26を刻んでおくことにより、任意に計量定量を決めることができる。
【0037】
また、計量容器4を上下させる手段については、上記のようなねじに限定されるものではなく、安易に移動せずまた、内容物の漏洩がないような方法であれば単にスライドさせる方法でも良い。
【0038】
【実施例3】
図13(a)はこの発明の定量計量流速制御容器の第3の実施例を示す排出管6の正面縦断面図、(b)は排出管6の底部端面を示している。この排出管6が容器本体1の上部開口部5に取り付けられる方法は実施例1と同様である。そして上記実施例1では微小通路14が管状である場合を示したものであるが、この実施例は微小通路14が隙間である場合を示している。
【0039】
図3に示すように、主通路11は上下端に貫通しており、底部端面12にはキャップ27が嵌め込まれている。底部端面13にはこの端面13とキャップ27の内側底面との間で狭小通路となる隙間通路28を形成するように、隙間分の高さの突起又は隆起部分(以下突起)29が形成されている。この隙間通路28の高さは数ミクロン程度で前実施例における微小通路14と同等の断面積となるようにするのが望ましい。キャップ27にはその側面において隙間通路28に適合する位置にこの隙間通路の有効開口面積よりも大きい開口面積の横穴30が設けられている。キャップ27はその内側底面が排出管6の上記突起29に密着するように嵌め込まれ、密着部分を溶着や接着して一体化する。そして内容物はキャップ27の横穴30から隙間通路28に侵入してにじみ出るように主通路11内に流入する。この場合において隙間通路28を通過する内容物の流速が高ければ主通路11内で対向する位置から流入した内容物が衝突するような構成とすることによって流速を制御でき、排出口2からの噴出を防止するとともに吐出量の微調整を容易に行うことができる。
【0040】
なお、この場合において、隙間通路28を対にして複数個放射状に設けた場合においては、この隙間通路28の対をそれぞれ異なる横断面積(又は幅)とするとともに、キャップ27を排出管6の底部端面(突起29)に溶着又は接着することなく回動可能に構成すると、キャップ27を回転させることにより、横穴30と適合する隙間通路28を選択することが可能となる。そして隙間通路対の数だけ段階的に変更することもできる。
【0041】
また、隙間通路28が1対の場合でも、キャップ27を回転式として、横穴30を隙間通路28がない位置に移動させて横穴30と隙間通路28との適合を解除できるようにすることで、吐出を禁止する内栓として機能させることができる。隙間通路28の隙間高さを幅方向で異ならしめれば、上記横穴30との適合状態によって開口面積が任意に変更できることとなり、無段階に吐出制御を行うことができる。
【0042】
【実施例3】
図14は、この発明の液体容器の第3の実施例を示す排出管6の正面縦断面図である。この排出管6が容器本体1の上部開口部5に取り付けられる方法は実施例1と同様である。
【0043】
図14に示すように、排出管6の主通路11は貫通しているとともに、主通路11の直径は下端付近で拡大している。そしてこの拡大部31に嵌り合う栓32が設けられている。栓32には図15(a)に示すようにその側面に狭小通路を形成する縦溝33が設けられている。そして栓32はその上端が上記排出管6の拡大部31の段差に突き当たった際に若干の隙間を有するように寸法形成されている。この際縦溝33は概ね横断面積が前記実施例の管状の微小通路14の横断面積とほぼ同様であることが望ましい。
【0044】
つまり縦溝すなわち微小通路33は、排出管6の下端から主通路11と平行に形成されており、さらにその後は隙間を通って主通路11に到達するようになっている。
【0045】
なお、図15(b)は栓32において、縦溝33が形成されているとともに、上端には横溝34が設けられている。この場合は横溝34を狭小通路とし、縦溝33は横断面積は横溝34よりも大きいものとしても良いし、強い管路抵抗を要求するのであれば縦溝33及び横溝34ともに狭小通路としても良いことはもちろんである。図中35は液体の衝突室を形成する窪みである。この窪みはあると良い。また、この発明のすべての実施例に適用可能である。
【0046】
以上のように構成した場合の使用に際しては、図5に示すように容器本体1を押すことにより加圧された内容物(液体)は上記縦溝33に流入するが、管路抵抗が大きいために流量が制限され、さらに縦溝33の終点は直角に屈折しているのでさらに抵抗となり、さらにまた同地点から主通路11までの間は隙間または微小通路となっているのでさらに抵抗が加わる。そしてそのようにして隙間または/及び微小通路を通ってきた液体はさらに主通路11内で衝突して流速が一旦ゼロとなる。そして排出口2からいきなり吐出することなく、表面張力により主通路11の内壁に着壁しながら、及び図4の主通路11内の破線に示すように徐々に満たしながら充満した後に溢れて排出口2から吐出する。
【0047】
そして、図6に示すように、排出口2から排出された内容物は計量容器4内に流れ出て、この排出口2の高さよりも水位WLが上がる。その状態で容器本体1を握っている手から力を抜けば容器本体1の復元力で容器本体1内が負圧になる。すると図9に示すようにその負圧によって排出口2からそれよりも高い水位の内容物は再び排出口2に吸い込まれ、細管9までの全ての通路内の内容物が引き戻されて容器本体内に戻る。水位WLは排出口2の高さで決定されるので、適宜計量容器4を回転させて所望位置に移動させて計量すればよい。本来この微小通路程度の直径の管であれば、液体が毛細管現象で滞留してしまうが、この実施例においては容器本体内の負圧により滞留することなく容器本体内に引き戻される。
【0048】
なお、上記前実施例において、排出口2及び/又は計量容器4の上端開口に適宜キャップを設けることが望ましい。
【0049】
また、図16に示すように計量容器4を回転させることにより排出口2を封鎖できるような構造とすることもできる。すなわち図16(a)に示すように排出管6の管状部16の上端は閉鎖されていて主通路11は貫通しておらず、排出口2は側壁に設けられている。つまり図7に示すように横方向に排出するものである。そして計量容器4の内側に突起してなる開口23にはこの横向きの排出口2に適応する位置にスリット36が設けられている。
【0050】
以上のように構成した場合は、計量容器4を回転させて図16(a)に示すように排出口2とスリット36の位置を適合させることで排出口2からの内容物の流出が可能となり、そして使用後は計量容器4を適宜回転させて同図(b)のようにスリット36と排出口4との適合を解除すれば排出口2からは内容物が流出しなくなる。もちろん管状部16とスリット36がない部分との間においては計量カップ内の内容物が漏洩しないようなシールが施されている。こうすることで、例えば計量容器4を洗浄したい場合など、洗浄液や水が排出口2から入り込むことがないのである。
【0051】
【発明の効果】
以上のように構成したこの発明の液体容器によれば、柔軟性を備えた液体容器ならば多様な容器に適用でき、内容物の吐出量調整を容易に行いながら計量を難なく行うことができる。
【0052】
計量容器内の排出口の高さで計量定量が決まるので、吐出量や吐出速度などに全く影響されることなく一定量の計量が確実に行える。
【0053】
そして、常態において排出経路内に内容物が滞留していないので、不用意に容器本体が加圧されても内容物が吐出することはないので計量した量よりも余計に排出されることもないから、計量精度が高い。
【0054】
また、吐出終了時には容器本体の復元性により生じた容器本体内の負圧により排出経路内の内容物を容器本体内に引き込むことで、排出口に内容物が滞留して固着することがなく、次回に排出させた際も固着した内容物が噴出することがない。
【0055】
さらには計量容器が取り外して洗浄できるので衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の定量計量流出制御容器を示す斜視図である。
【図2】その排出口付近の要部拡大断面図である。
【図3】(a)は排出管を示す縦断面図であり、(b)は底面図である。
【図4】微小通路を示す要部拡大断面図である。
【図5】使用状態を示す斜視図である。
【図6】使用(吐出)状態の要部縦断面図である。
【図7】従来の概念を示す断面図である。
【図8】(a)乃至(I)は微小通路の構成パターンを示す断面図である。
【図9】使用(吸引)状態の要部縦断面図である。
【図10】第2の実施例を示す斜視図である。
【図11】計量容器が上限位置の排出口付近の要部拡大断面図である。
【図12】計量容器が下限位置の排出口付近の要部拡大断面図である。
【図13】(a)及び(b)は第3の実施例を示す排出管の縦断面図及び底面図である。
【図14】第4の実施例を示す排出管の縦断面図である。
【図15】(a)及び(b)は栓の構成例を示す斜視図である。
【図16】排出口の閉止構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 容器本体
2 吐出口
3 押さえ蓋
4 計量容器
5 開口部
6 排出管
7 つば
8 カバー部材
9 細管
10 空間
11 主通路
12 底部
13 下端面
14 微小通路
15 溝
17 側壁
18、19、20 衝突壁
21、22 ねじ
23 開口
24 Oリング
25 底面
26 目盛り
27 キャップ
28 隙間
29 突起
30 横穴
31 拡大部
32 栓
33 縦溝
34 横溝
35 窪み
36 スリット

Claims (4)

  1. 内容物を排出させる排出口を備えた液体容器において、この排出経路には、常圧下では内容物の表面張力により内容物自ら封鎖してしまう程度の開口面積を有する流速制御通路を備え、内容物排出時にはこの流速制御通路を通過した内容物のその通路方向の流速が一旦ゼロとなり、この流速制御通路の出口側に備わる排出経路の主通路を満たした後に排出口から排出されるものであり、排出行程完了後に排出経路内の内容物を容器本体内に吸引することにより、常態において排出経路内に内容物が滞留しないとともに、上記主通路を内部に突設せしめた計量容器を備えたことを特徴とする定量計量流速制御容器。
  2. 排出口から計量容器内に内容物を排出した後に、容器の復元力により生ずる容器内負圧により計量定量以上の余剰内容物を容器本体内に回収して、計量容器内に計量定量を残留させて計量することを特徴とする請求項1に記載の定量計量流速制御容器。
  3. 計量定量は計量容器内に突設した排出口の計量容器の底面からの高さによって定まるものであるとともに、この計量容器が上下に移動可能であり、排出口の計量容器底面からの高さを任意に調整可能であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の定量計量流速制御容器。
  4. 流速制御通路と容器本体の間には、この流速制御通路を容器本体内で隔離するカバー部材を備えるとともに、このカバー部材の内側には所望容量を持つ空間を備え、この空間と容器本体とは細管でのみ連通されてなり、容器内液圧が直接流速制御通路に作用しないとともに、この細管の管内抵抗によって容器本体内圧が減衰されて直接流速制御通路に及ばないようにした請求項1乃至3のいずれかに記載の吐出流速制御容器。
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JP2020536816A (ja) * 2018-03-28 2020-12-17 深▲せん▼市通▲産▼▲麗▼星股▲ふん▼有限公司Shenzhen Beauty Star Co., Ltd ドリップホース
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