JP2005022210A - 記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】記録ヘッド121の副走査方向下流側に配置された光反射式の紙検知センサ10は、キャリッジ122が主走査方向に移動することで用紙(ロール紙)Pの幅方向(主走査方向)における両端位置を検出する。縁なし印刷時は、この検出された両端位置から距離xだけ外側へ広がる印刷範囲(インク吐出許容範囲)Aを設定する。用紙Pからの光反射量が印刷画像の影響を受けて、紙検知センサ10による用紙Pの両端位置が特定不能である場合、用紙Pが斜行も幅ずれもない理想の位置にあると想定したときのその両端位置に対し大きいマージン距離yを付加した広めの印刷範囲Bを設定する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、用紙等の記録媒体に記録をする際に、記録媒体の端部位置からはみ出して記録することにより記録媒体の端部まで記録を行う記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、従来の記録装置の1つである大型のプリンタは、記録媒体である例えば記録用のロール紙を供給する給紙部、給紙されたロール紙に情報を記録する記録部、記録されたロール紙を排出する排紙部がこの順で上部から配設された構成となっている。このような大型の例えばインクジェット式プリンタを使用する場合、ユーザは、ロール紙を給紙部に収納してロール紙の先端部を引き出す。そして、ロール紙の先端部を用紙搬送面として作用する平坦な給紙ガイド上を通し、紙送りローラと従動ローラとの間に挟み込んでインクジェット式プリンタを起動する。すると、インクジェット式プリンタは、紙送りローラを回転させてロール紙を用紙搬送案内面として作用する平坦なプラテン上に送り出しながら、記録ヘッドが搭載されたキャリッジをロール紙の幅方向へ走査しつつ記録ヘッドのノズル開口からインク滴(記録剤)を吐出して情報をロール紙上に記録する。そして、排紙ローラを回転させてロール紙を用紙搬送面として作用する平坦な排紙ガイド上を通して用紙受けに排出する。
【0003】
このような大型のインクジェット式プリンタは、使用可能なロール紙の種類が多くその幅の自由度が高いため、紙位置検出装置が配設されている。この紙位置検出装置は、キャリッジに搭載された紙検知センサをロール紙の幅方向に移動しながら紙検知を行うことによりロール紙の幅を検出するようになっている。紙検知センサは、例えば光を照射してロール紙表面やプラテン表面の反射光量(ロール紙表面の反射光量>プラテン表面の反射光量)等を検知して検知信号を生成する。生成されたアナログの検知信号は、A/Dコンバータによってデジタルの検知信号に変換された後、所定の閾値と比較される(特許文献1参照)。
【0004】
図12は、従来の記録装置であるプリンタの記録部を示す平面図である。紙検知センサ200は、図示しない記録ヘッドが搭載されたキャリッジ201に備えられ、さらに記録ヘッド202に対して副走査方向(用紙搬送方向)の上流側に位置している。これにより紙検知センサ200は用紙Pの印刷前の部分Pa(同図におけるハッチングなしの領域)を検知することができるため、安定した検知結果を得ることができる。
【0005】
この種のプリンタでは、用紙Pの縁まで余白なく印刷する機能(「縁なし印刷」機能)が備えられ、そのときのインク吐出許容範囲は、用紙Pの両端位置より僅かな距離(はみ出し量)xだけ外側に広がる範囲(同図における印刷範囲A)に設定される。キャリッジ201の主走査駆動を開始する際、前回の主走査駆動の際に紙検知センサ200が検出した用紙Pの両端位置から印刷範囲Aを算出し設定するので、用紙Pの外側で吐出されるインク量を最小限に減らし、しかも斜行する用紙Pに対してもその縁まで余白のない印刷が行われていた。なお、紙検知センサ200は記録ヘッド202の下流側に設けることも可能であり、この場合、紙検知センサ200は用紙Pの印刷後の部分Pb(同図におけるハッチング領域)を検知することになる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−103721号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
インクジェット式プリンタでは扱う用紙種が多く、薄紙(例えばトレーシングペーパー)等を扱う場合もある。薄紙のように下側のプラテンが透けて見えるロール紙では、上述した従来の紙位置検出装置の紙検知センサがロール紙の端部とプラテン表面との境界部を横切ることにより発生する出力変化が小さく、ロール紙の幅を正確に求めることは困難となる。用紙全面に余白なく画像を印刷しようとする場合、検知されたロール紙の幅が正確でないと、紙の幅方向の両縁に僅かな余白が生じたり、紙の外側に多量のインクを吐出して、その後通過する用紙を汚してしまう恐れがある。特に、大型の記録媒体に印刷する場合、給紙がわずかに斜行しただけでも、用紙の下端側でのずれの影響は大きく、上述した僅かな余白や、用紙外へのインク吐出による用紙の汚れは無視できなくなる。
【0008】
また、図12で示すように、記録ヘッド202に対する紙検知センサ200の位置は、副走査方向の上流側に限られず、紙検知センサ200を画像の検出などに併用できるように下流側に設けると都合のいい場合が考えられる。しかし、この場合、検知される位置がすでに印刷後の状態であるため、反射光量が画像の影響を受けてばらつきやすく、紙検知センサ200の検知結果が不安定になりやすく、正確に紙の位置を検知するのが困難である。
【0009】
本発明は、上記のような種々の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、記録媒体の端部まで記録でき、しかも記録媒体の端部からはみ出して記録される記録剤の量を少なく抑えることができる記録装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、記録ヘッドを有するキャリッジを主走査方向に駆動する主走査駆動部と、前記主走査方向と略直交する副走査方向に記録媒体を搬送する副走査駆動部と、前記主走査方向における前記記録媒体の一方の端部近傍から記録動作を開始し、他方の端部近傍で記録動作を終了するよう前記記録ヘッドを制御する制御部とを備えた記録装置において、前記制御部は、前記記録ヘッドを主走査方向に複数回走査して記録を行う際に、所定の条件に応じて記録動作開始位置及び終了位置をそれぞれ前記端部近傍の外側に拡大することを要旨とする。なお、「端部近傍」とは、「端部もしくは端部の外側」を意味する。
【0011】
この構成によれば、記録ヘッドを主走査方向に複数回走査して記録を行う際に、所定の条件に応じて記録動作開始位置及び終了位置をそれぞれ端部近傍の外側に拡大する。このため、記録媒体の位置が主走査方向にずれていたり、記録媒体が斜行したりしてもその端部まで記録でき、しかも記録媒体の端部からはみ出る記録剤の量を少なく抑えることが可能となる。
【0012】
また、本発明では、前記キャリッジは前記記録媒体の端部位置を検出する検出手段を有し、前記制御部は前記端部位置が検出できない場合に、前記記録動作開始位置及び終了位置をそれぞれ前記端部近傍の外側に拡大することを要旨とする。なお、前記検出手段により前記端部位置が検出できない場合に、前記記録動作開始位置及び終了位置をそれぞれ前記端部近傍の外側に拡大する時期は、端部位置を検出できなくなった直後でなくてもよい。例えば端部位置が検出できない状態が所定回数超えるまでは記録動作開始位置及び終了位置を拡大せず、その状態が所定回数を超えた場合に記録動作開始位置及び終了位置を拡大する構成も含む。この構成によれば、記録媒体の端部位置を検出手段が検出できない場合は、制御部によって記録動作開始位置及び終了位置がそれぞれ端部近傍の外側に拡大されるため、端部位置を検出できる場合は、端部近傍に記録動作開始位置及び終了位置を設定して端部まで記録できるうえ、記録媒体からはみ出る記録剤の量を少なく抑えることが可能となる。
【0013】
また、本発明では、前記キャリッジは、前記記録媒体に端部位置を検出する検出手段を有し、記録すべき画像の色情報に基づき前記端部位置が前記検出手段により検出できないことを予測する予測手段をさらに備え、前記制御部は前記予測手段により前記端部位置が検出できないことが予測される場合に、前記記録動作開始位置及び終了位置をそれぞれ前記端部近傍の外側に拡大することを要旨とする。この構成によれば、記録すべき画像の色情報に基づき端部位置が検出手段により検出できないことが予測される場合に、記録動作開始位置及び終了位置がそれぞれ端部近傍の外側に拡大される。このため、検出手段が端部位置を検出するのに必要な処理などを省くことが可能となる。
【0014】
また、本発明では、前記検出手段は、前記記録ヘッドの記録位置に対し記録媒体の搬送方向下流側に設けられていることを要旨とする。この構成によれば、検出手段が記録媒体の記録後の領域を検出することによって、記録媒体の端部位置を検出できなくなる頻度が増す。しかし、記録媒体の端部位置を検出できなくても記録動作開始位置及び終了位置が端部位置の外側に拡大されることにより、端部まで記録できるうえ端部からはみ出る記録剤の量を少なく抑えることが可能となる。
【0015】
また、本発明では、前回までのキャリッジの主走査方向への走査時に前記検出手段により検出された前記記録媒体の端部位置に基づき前記記録媒体の斜行を検出するとともに、今回の走査時に前記斜行による影響を補正すべく前記端部近傍からの距離をそれぞれ略一定に保ったまま記録動作開始位置及び終了位置を変更する補正手段をさらに備えたことを要旨とする。
【0016】
この構成によれば、前回までのキャリッジの主走査方向への走査時に検出手段により検出された記録媒体の端部位置に基づき記録媒体の斜行が検出される。今回の走査時に斜行による影響を補正すべく、補正手段によって端部近傍からの距離をそれぞれ略一定に保ったまま記録動作開始位置及び終了位置が変更される。記録動作開始位置及び終了位置が変更されるにしろ端部近傍からの距離がそれぞれ略一定に保ったままの少量なので、記録媒体の端部まで記録できるうえ、記録媒体の端部からはみ出る記録剤の量を少なく抑えることが可能となる。
【0017】
また、本発明は、前記記録動作開始位置及び終了位置をそれぞれ前記端部近傍の外側に拡大した後、前記検出手段により再び前記記録媒体の端部位置が検出される場合は、拡大した前記記録動作開始位置及び終了位置を元に戻すことを要旨とする。この発明によれば、記録動作開始位置及び終了位置をそれぞれ端部近傍の外側に拡大した後、検出手段により再び前記記録媒体の端部位置が検出される場合は、拡大した前記記録動作開始位置及び終了位置を元に戻される。このため、記録媒体の端部位置まで記録できるうえ、記録媒体からはみ出る記録剤の量を少なく抑えることが可能となる。
【0018】
また、本発明は、記録ヘッドを有するキャリッジを主走査方向に駆動する主走査駆動部と、前記主走査方向と略直交する副走査方向に記録媒体を搬送する副走査駆動部と、前記キャリッジが有するとともに前記記録媒体の端部位置を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記記録媒体の端部位置に基づき前記主走査方向における前記記録媒体の一方の端部近傍から記録動作を開始し、他方の端部近傍で記録動作を終了するよう前記記録ヘッドを制御する制御部とを備えた記録装置において、前回までのキャリッジの主走査方向への走査時に前記検出手段により検出された前記記録媒体の端部位置を記憶する記憶手段と、前記検出手段により前記端部位置が検出できない場合は、前記記憶手段に記憶された前記端部位置に基づいて今回のキャリッジの主走査方向への走査時における記録動作開始位置及び終了位置を推定する推定手段とを有し、前記制御部は、前記推定手段により推定された前記記録動作開始位置及び終了位置の間で記録動作するよう前記記録ヘッドを制御することを要旨とする。この構成によれば、キャリッジの主走査方向への走査時に検出手段により検出された記録媒体の端部位置に基づき主走査方向における記録媒体の一方の端部近傍から記録動作を開始し、他方の端部近傍で記録動作を終了するよう記録ヘッドが制御される。前回までのキャリッジの主走査方向への走査時に検出手段により検出された記録媒体の端部位置が記憶手段に記憶される。検出手段により端部位置が検出できない場合は、記憶手段に記憶された端部位置に基づいて今回のキャリッジの主走査方向への走査時における記録動作開始位置及び終了位置が推定される。制御部によって、推定手段により推定された記録動作開始位置及び終了位置の間で記録動作するよう記録ヘッドが制御される。これにより、記録動作開始位置及び終了位置を端部近傍の外側へ拡大せずとも記録媒体の端部まで記録でき、記録媒体の端部からはみ出る記録剤の量を少なく抑えることが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第一の実施形態)
以下、本発明を具体化した第一の実施形態を、図1〜図7に基づいて説明する。
【0020】
図1は、インクジェット式プリンタの構成例を示す斜視図、図2は、そのインクジェット式プリンタの主要部の内部構成例を示す斜視図である。図1及び図2に示す記録装置としてのインクジェット式プリンタ(以下、プリンタという)100は、例えばJIS規格のA1判やB1判といった比較的大型のサイズの記録用紙にまで記録できる大型のプリンタであり、給紙部110、記録部120、排紙部130、脚部140がこの順で上部から配設された構成となっている。記録部120と排紙部130は本体100Aとして一体化されており、給紙部110及び脚部140とそれぞれ分離可能に構成されている。
【0021】
給紙部110は、図1に示すように、本体100Aの上部後方に突き出るように設けられている。そして、給紙部110の内部には、図2に示すように、1本のロール状の記録用紙(以下、ロール紙という)がセット可能なロール紙ホルダ111が設けられ、給紙部110の前面には、図1及び図2に示すように、跳ね上げ式の開閉可能なロール紙カバー112がロール紙ホルダ111を覆うように取り付けられている。
【0022】
ロール紙ホルダ111は、図2に示すように、ロール紙を保持するスピンドル113及び一対のフランジ状のロール紙押さえ114と、給紙部110の両側壁内面に取り付けられて、スピンドル113の着脱及び懸架が可能な一対のスピンドル受け115を備えている。そして、スピンドル113は、中央にロール紙が填め込まれてロール紙押さえ114で挟持された状態で、両端がスピンドル受け115に載置され、回転可能に軸支持されるようになっている。ロール紙カバー112は、図1及び図2に示すように、全体が回動可能に支持されており、ユーザが下部を持って持ち上げ、あるいは押し下げることにより開閉するようになっている。
【0023】
記録部120は、図2に示すように、記録ヘッド121を搭載したキャリッジ122、記録ヘッド121と記録を実行するための図示しない制御部とを電気的に接続するフレキシブルフラットケーブル(以下、FFCという)123、記録ヘッド121とインクが入ったインクカートリッジ153とをつなぐインクチューブ124、ロール紙を副走査方向に搬送する図示しない紙送りローラ、ロール紙の浮き上がりを防止する図示しない紙吸引手段等を備えている。そして、記録部120の上面及び前面には、図1及び図2に示すように、上蓋125及び前蓋126が記録ヘッド121やキャリッジ122等を覆うように取り付けられている。
【0024】
記録ヘッド121は、ブラックインクを吐出するブラックインク用記録ヘッドと、ライトイエロー、イエロー、ライトシアン、シアン、ライトマゼンタ、マゼンタ等の各色のインクを吐出する複数のカラーインク用記録ヘッドとを備えている。そして、記録ヘッド121は、圧力発生室とそれに繋がるノズル開口が設けられており、圧力発生室内にインクを貯留して所定圧で加圧することにより、ノズル開口からロール紙に向けてコントロールされた大きさのインク滴を吐出する。
【0025】
キャリッジ122は、図2に示すように、主走査方向に設けられているレール127にコロを介して吊り下げられ、キャリッジベルト128に連結されており、図示しないキャリッジ駆動装置によってキャリッジベルト128が作動すると、キャリッジベルト128の動きに連行され、レール127に案内されて往復移動するようになっている。
【0026】
FFC123は、一端が制御部のコネクタに接続され、他端が記録ヘッド121のコネクタに接続されており、記録信号を制御部から記録ヘッド121に送るようになっている。インクチューブ124は、上記各色のインク用が配設されており、図示しないインク加圧供給手段を介して各一端が対応する各色のインクカートリッジ153につながれ、各他端が対応する各色の記録ヘッド121につながれている。そして、インクチューブ124は、インク加圧供給手段によって加圧された各色のインクをインクカートリッジ153から記録ヘッド121に送るようになっている。
【0027】
前蓋126は、図1及び図2に示すように、下部が回動可能に支持されており、ユーザが上部を持って押し下げ、あるいは押し上げることにより開閉する。ユーザは、前蓋126を開けることにより記録部120を大きく開放することができるので、記録ヘッド121やキャリッジ122等のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0028】
排紙部130は、図1及び図2に示すように、ロール紙を副走査方向に搬送する経路の一部を成す排紙ガイド131と、ロール紙を副走査方向に搬送する図示しない排紙ローラを備えている。排紙ガイド131は、前面側に突き出た平坦な傾斜面として形成されており、上方から搬送されてくるロール紙を下方へスムーズに導くように案内する。
【0029】
脚部140は、図1及び図2に示すように、移動用のコロ141を有する2本の支持柱142と、これらの支持柱142の間に掛け渡されている補強棒143を備えている。そして、支持柱142の上部に給紙部110及び本体100Aが載置されネジ止め固定されている。支持柱142に移動用のコロ141が配設されていることにより、重量のある給紙部110及び本体100Aを所望の位置へスムーズに移動させて設置することが可能である。なお、この脚部140の支持柱142の間には、排紙部130から排出されるロール紙を受ける排紙受け装置を設置することができるようになっている。
【0030】
さらに、本体100Aの前面側から見て左側には、図1及び図2に示すように、各色のインクカートリッジ153を収納保持するホルダ本体151とその前面を覆うカバー152を有するインクカートリッジホルダ150が配設されている。このインクカートリッジホルダ150は、ホルダ本体151に対しカバー152の下部が回動可能に支持されており、ユーザが上部を持って押し下げ、あるいは押し上げることにより開閉する。
【0031】
また、本体100Aの前面側から見て右側上部には、図1及び図2に示すように、ユーザが記録制御等を操作するための操作パネル160が配設されている。この操作パネル160は、液晶画面と各種ボタンが配設されており、ユーザが液晶画面を見て確認しながらボタン操作できるようになっている。
【0032】
図3は、プリンタの記録部を示す平面図である。キャリッジ122に備えられた紙検知センサ10は、キャリッジ122が主走査方向に移動するよう駆動される際に、記録ヘッド121と一体に主走査方向に移動する。本実施形態では、紙検知センサ10は、キャリッジ122において記録ヘッド121より副走査方向下流側(排紙方向側)となる位置に取り付けられている。そのため、紙検知センサ10は、ロール紙Pのすでに印刷が終わった部分Pb(同図におけるハッチング領域)を検知対象域とすることになる。このように紙検知センサ10を記録ヘッド121より副走査方向下流側に配置しているのは、紙検知センサ10で印刷画像(例えば記録ヘッド121のノズル開口の詰まりをチェックする検査用画像)の検査など他の機能を兼用させるためである。紙検知センサ10をこのような位置に配置することで、ロール紙Pを戻すことなく印刷を進めながら同時に印刷画像の検査を行うことが可能となる。
【0033】
プリンタ100は、用紙Pの両端(主走査方向(幅方向)両端)まで余白なく印刷する「縁なし印刷」の機能を備える。縁なし印刷時は、キャリッジ122が主走査方向に移動する際に、記録ヘッド121が記録動作(インク吐出動作)を開始する記録動作開始位置から終了位置までの記録範囲が、用紙Pの幅方向両端位置に対しその外側へ距離(はみ出し量)xだけ余分にインク(記録剤)を吐出できる印刷範囲Aに設定される。印刷範囲Aは、紙検知センサ10が検知した用紙Pの両端位置を基準に決定される。また、紙検知センサ10が用紙Pの両端位置を特定できないと判定された場合は、用紙Pが斜行も幅ずれもない理想的な位置(正規の位置)にあると想定しその正規の位置にあるときの用紙Pの両端位置に対しその外側へ距離(はみ出し量)yだけ余分にインクを吐出できる印刷範囲Bを設定するようにしている。この距離yは、例えばロール紙Pが正規の位置より幅方向左右どちらかに最大限ずれたときに位置しうる範囲より外側へ距離xだけ拡大した範囲が印刷範囲Bとなるような値に設定されている。ここで、距離x,yの関係は、例えばy>xかつy−x>xにある。距離xは、用紙Pの両端位置から僅かに外側へインクの吐出範囲を広げ、距離yは、用紙Pが斜行も幅ずれもない正規の位置にあると想定してその正規の位置における用紙Pの両端位置から外側へ長めのマージンを付けてインクの吐出範囲を広げる。よって、印刷範囲Aは、用紙Pの外側へはみ出て吐出されるインク量が少なく済み、印刷範囲Bは、用紙Pの両端位置を特定できなかったときに、仮に斜行が原因で用紙Pが正規の位置から主走査方向に最大に位置ずれしていたとしても、縁なし印刷が確実に行われうる最低限の範囲となっている。なお、同図において帯状の領域Rは、今回のキャリッジ122の主走査で印刷される領域(但し、用紙の両端まで縁なし印刷する印刷データがある場合)を示す。
【0034】
図4は、プリンタにおける印刷範囲制御装置の電気的構成を示すブロック図である。この印刷範囲制御装置11は、紙検知センサ10、エンコーダ12、フォトインタラプタ13、ヘッド位置判定回路15、A/Dコンバータ16、制御部及び補正手段を構成するCPU17、メモリ18、DMAC(Direct Memory Access Controller)19及びヘッド制御部20を備えている。本例では、ヘッド位置判定回路15及びヘッド制御部20は、ASIC(Application Specific IC(特定用途向けIC))21の一部として設けられている。また、CPU17はドライバ22,23を介して紙送りモータ24及びキャリッジモータ25をそれぞれ駆動制御する。
【0035】
エンコーダ12はプリンタ本体側にキャリッジ122の主走査方向走行域に沿って配設されている。フォトインタラプタ13はキャリッジ122に配設されており、エンコーダ12のスリットをフォトインタラプタ13が横切る際にパルス信号PLSを生成する。
【0036】
紙検知センサ10は、例えば光を照射してロール紙表面やプラテン表面の反射光量(ロール紙表面の反射光量>プラテン表面の反射光量)を検知して検知信号PDAを生成するようになっている。ヘッド位置判定回路15は、フォトインタラプタ13からのパルス信号PLSのタイミングでアナログの検知信号PDAの変換開始指令CSSを生成し、また、上記パルス信号PLSに基づいて、記録ヘッド121の位置を判定してヘッド位置信号HPSを生成する。
【0037】
A/Dコンバータ16は、ヘッド位置判定回路15からの変換開始指令CSSにより、紙検知センサ10からのアナログの検知信号PDAをデジタルの検知信号PDDに変換して転送要求信号RRSを生成する。DMAC19は、A/Dコンバータ16からの転送要求信号RRSにより、検知信号PDDを読み出してメモリ18に書き込む。CPU17は、メモリ18に格納されている検知信号PDDに基づいてロール紙Pの幅を演算する。
【0038】
このような構成において、ロール紙の幅を検出する動作を図4のブロック図および図5のタイムチャートを参照して説明する。ヘッド位置判定回路15は、フォトインタラプタ13から送出される1/180インチ周期のパルス信号PLSのタイミングでアナログの検知信号PDAの変換開始指令CSSを生成してA/Dコンバータ16に送出する。
【0039】
A/Dコンバータ16は、ヘッド位置判定回路15からのアナログの検知信号PDAの変換開始指令CSSをトリガとして、紙検知センサ10から送出されるアナログの検知信号PDAをデジタルの検知信号PDDに変換する処理を開始する。そして、A/Dコンバータ16は、デジタルの検知信号PDDへの変換が終了したら、転送要求信号RSSを生成してDMAC19に送出する。
【0040】
一方、ヘッド位置判定回路15は、上記パルス信号PLSに基づいて、記録ヘッド121の位置を判定してヘッド位置信号HPSを生成する。CPU17は、上記パルス間隔よりも短い周期でヘッド位置判定回路15からヘッド位置信号HPSを読み取っており、ヘッド位置信号HPSが変化したと判断したとき、DMAC19は、A/Dコンバータ16からの転送要求信号RRSをトリガとして、A/Dコンバータ16から検知信号PDDを読み出してメモリ18に書き込む。これを主走査の開始位置から終了位置の間繰り返す。その後、メモリ18から検知信号PDDを読み出し、そのプロファイルを生成し、解析する。
【0041】
図6は、エンコーダ位置に対する検知信号PDDのプロファイルの例を示すグラフである。横軸がエンコーダ位置、縦軸は紙検知センサ10の出力信号のA/D変換値である。
【0042】
実線は、理想的なプロファイルPoの例を示す。破線は紙検知の閾値Joを示しており、例えばロール紙表面の反射光量の80%を閾値に設定する。この場合、CPU17は、反射光量のプロファイルが閾値を超えた位置X1および閾値から落ちた位置X2をロール紙Pの左右側端(主走査方向の両端)であると認識し、これに基づいてインクを吐出する印刷範囲を決定する。しかし、記録媒体の種類や印字状態によっては、同じ幅の記録媒体であっても、一点鎖線や二点鎖線に示すようなプロファイルP1,P2が得られることがありうる。一点鎖線のプロファイルP1の例では、本来の記録媒体の幅よりも小さく認識され、二点鎖線のプロファイルP2の例では、記録媒体の左右側端を特定することは不可能である。特に、本実施形態では、紙検知センサ10が記録ヘッド121の下流側に備えられており、ロール紙Pの被検知域が印刷が終わった部分であるため、プロファイルは印刷した色調の影響を受ける。
【0043】
記録媒体の種類によって、その用紙表面からの反射光量がそれぞれ異なるので、その種類(紙種など)ごとに閾値Joは設定される。用紙表面からの反射光量は、例えばプリンタ100の電源投入後の初期化処理時あるいはロール紙交換後における用紙Pの頭出し処理時に自動検出される。この際、用紙Pの幅検出も同時に行われる。CPU17は、用紙Pの反射光量が検出されるとその検出反射光量の例えば80%を閾値Joに設定するとともに、同時に検出した用紙幅Lのデータをメモリ18に記憶する。もちろん、用紙幅Lはユーザが操作パネル160で設定したものを使用してもよい。
【0044】
CPU17は、反射光量のプロファイルPnが閾値Joを超えた位置X1と閾値Joから落ちた位置X2との間の距離(エンコーダ換算値)、すなわち検出幅Lsと、予め設定された用紙幅Lとの差が許容範囲内にあるときのみその検出した位置X1,X2を採用する。そして、検出幅Lsと用紙幅Lとの差が許容範囲内にないときは、記録媒体の左右側端が検出不能と判定する。この方法を採ることにより、CPU17は図6に鎖線で示すようなプロファイルP1を、記録媒体の左右側端位置を特定不能なものと判定する。また、反射光量のプロファイルPnがすべてのエンコーダ位置で閾値Joを下回るときも、記録媒体の左右側端位置を特定不能と判定する。
【0045】
さらにCPU17は、正しく検出されたときの位置データX1,X2を過去複数個分にわたってメモリ18に記憶しており、今回検出された位置データと前回検出された位置データとを比較し両者の差が許容範囲内であることをもって、片端ずつでも正しい位置であることを判定する。この場合、ロール紙Pの片端のみ位置特定できたときは、特定できた第1端から外側へマージン距離xを確保するとともに、特定できなかった第2端側は、ロール紙Pが正規の位置にあると仮定したときの第2端側の紙端からマージン距離yを確保した印刷範囲に決めている。これにより、特定できなかった紙端側のみ外側に吐出されるインク量が増えるものの、特定できた紙端の外側に吐出されるインク量を少なく維持できる。なお、プロファイルPnが複数回にわたり閾値Joを超えたり落ちたりした場合は、最初に閾値Joを超えた位置と、最後に閾値Joを落ちた位置とを、それぞれ位置X1,X2として採用する。
【0046】
ここで、図3に示すように、記録ヘッド121の位置(印刷位置)と、紙検知センサ10の位置(検出位置)は、副走査方向に所定の距離だけずれているが、ロール紙Pが斜行するときの角度は非常に小さい。このため、紙検知センサ10の検出信号に基づくプロファイルから特定されたロール紙Pの左右側端位置X1,X2を、記録ヘッド121の位置(印刷位置)におけるロール紙Pの左右側端位置とみなしている。もちろん、印刷位置と検出位置の副走査方向の位置ずれ分を考慮し、過去のプロファイルから特定された2組の位置データ(Xo1,Xo2),(X11,X12)から決まる斜行角度を基に位置データX1,X2を補正した左右側端位置の位置データを、印刷範囲Aを決める値として採用することもできる。
【0047】
図7は、本実施形態のプリンタにおける縁なし印刷処理の内容を示すフローチャートであり、ロール紙Pの左右に余白なく印刷する縁なし印刷時における印刷範囲の決定処理を示す。CPU17は、このフローチャートで示されるプログラムを実行することにより、紙検知センサ10の検出結果に応じた印刷範囲を決定する。なお、同図では、DMAC19が行う処理(ステップ24,25)もCPU17が行う処理と共に1つのフローチャートで説明している。もちろん、CPU17がこのフローチャートのすべての処理を実行する構成も採用できる。
【0048】
ステップ(以下「S」と記す。)21では、ヘッド位置判定回路15からヘッド位置信号HPSを読み取る。
S22では、ヘッド位置信号HPSが変化したか否かを判断する。変化がなければS21へ戻り、変化があればS23に移行する。
【0049】
S23では、記録ヘッド121がエンコーダ12の最終位置(主走査エンド位置)に達したか否かを判断する。最終位置に達していなければS24に進み、最終位置に達していればS26に移行する。
【0050】
S24では、DMAC19がA/Dコンバータ16から検知信号PDDを読み取る。
S25では、DMAC19が読み取った検知信号PDDをメモリ18に書き込み、その後、S21へ戻る。
【0051】
S26では、メモリ18に格納してあるエンコーダ12の開始位置から最終位置までの検知信号PDDを読出し、そのプロファイルを解析する。まずプロファイルがすべてのエンコーダ位置で閾値Joを下回っていないかどうかを解析する。次にプロファイルが所定の閾値Joを連続して超えているエンコーダ位置の範囲を解析してロール紙Pの幅Lsを算出する。
【0052】
S27では、ロール紙Pの左右側端位置が特定可能かどうかを判断する。つまり、S26におけるプロファイルの解析結果から、プロファイルがすべてのエンコーダ位置で閾値Joを下回っていれば特定不能と判定する。さらにS26で算出されたロール紙Pの幅Lsと、事前に設定された用紙幅Lとの差を算出し、その差が所定の許容差(例えば±2%以内)を超えていれば特定不能と判定する。その結果、特定可能であればS28へ進み、特定不能であればS30へ進む。
【0053】
S28では、ロール紙Pの紙幅を決める左右側端位置(紙幅位置)を判定する。閾値JoのA/D変換値をエンコーダ位置に変換する処理を行い、紙幅両端の位置X1,X2を算出する。
【0054】
S29では、実際にインクを吐出する印刷範囲を確定する。S28で確定したロール紙Pの左右側端位置に対して、左右とも距離xのみ外側に拡大された印刷範囲Aに設定する。つまり、印刷範囲Aをインク吐出許容限界となるインク吐出制御を行うようヘッド制御部20に指令する。これにより、検知結果にある程度の誤差が含まれていたり、インクの吐出方向がずれている場合、ロール紙Pが斜行している場合でも、左右に余白のない印刷結果を得ることができる。
【0055】
S30では、設定された用紙サイズに応じて想定される理想的な左右側端位置に対して、左右とも外側に距離yのマージンを加えた印刷範囲Bを設定する。つまり、印刷範囲Bをインク吐出許容限界とするインク吐出制御を行うようヘッド制御部20に指令する。この印刷範囲Bでは、ロール紙Pが仮に正規の位置から主走査方向に最大限ずれても、この範囲の幅内にロール紙Pが完全に収まる。よって、紙検知センサ10によってロール紙Pの左右側端位置が特定できなかった場合でも、左右に余白のない印刷結果を得ることができる。なお、本実施形態では、エンコーダ12の最初から最後までのプロファイルを取得しているが、用紙サイズ(ロール紙幅)データから決まる左右側端位置の近傍のプロファイルのみを取得してもよい。
【0056】
図7に示すフローチャートに従えば、紙検知センサ10でロール紙Pの左右側端位置が特定可能なときは、検知結果や吐出方向(インク飛翔方向)等の誤差やずれを考慮して、特定された左右側端位置から僅か(距離x)に外側に拡大した印刷範囲Aが設定される。また、ロール紙Pの左右側端位置が特定不能なときは、ロール紙Pが正規の位置より左右どちらかに最大限ずれていても印刷範囲内に必ず収まるように、その最大限ずれたロール紙Pが位置しうる範囲より僅か(距離x)に外側に拡大した印刷範囲Bが設定される。なお、紙検知センサ10が故障した場合、その出力信号がLレベルになってプロファイルPnが閾値Joを常に下回るものとなるので、用紙Pの左右側端位置が特定不能と判定され、故障発生以後は、印刷範囲Bが設定されることになる。
【0057】
以上詳述したように本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)紙検知センサ10の検出信号から得られたプロファイルを解析してロール紙Pの左右側端位置(両端位置)が特定できるか否かを判定した。ロール紙Pの左右側端位置が特定(検出)できた場合は、特定できた左右側端位置から外側へ小さなマージン距離xを付けた印刷範囲Aを設定し、ロール紙Pの左右側端位置が特定(検出)できなかった場合は、正規の位置にあると仮定したロール紙Pの左右側端位置から外側へ大きなマージン距離yを付けた印刷範囲Bを設定する。このため、紙検知センサ10の検出結果からロールPの左右側端位置を特定できない場合でも、用紙Pの縁まで確実に印刷できるうえ、用紙Pの端より外側に吐出されるインク量をなるべく少なく抑えられ、その後通過するロール紙を汚してしまうことを減らせる。
【0058】
(2)ロール紙Pの片端しか位置を特定できなかった場合は、特定できた第1端のみマージン距離xを確保し、特定できなかった第2端側は、ロール紙Pが正規の位置にあると仮定したときの端からマージン距離yを確保するように印刷範囲に決めた。この結果、特定できなかった紙端の外側に吐出されるインク量が増えるものの、特定できた紙端の外側に吐出されるインク量を少なく維持できる。
【0059】
(3)例えば黒色など濃色系のインク色で印刷した場合、用紙Pとそれ以外の領域とのコントラストを低くし紙端位置の特定を困難とするが、主走査方向に印刷マージンを広げることによって、紙幅に対し適正な縁なし印刷ができる。また、プロファイルが不安定となり易い着色紙の場合であっても、縁まで印刷できるうえ、紙端の外側に吐出されるインク量を少なく抑えることができる。また、ロール紙Pの汚れによって紙端位置を特定できない場合も、ロール紙Pの縁まで印刷できる。
【0060】
(第二の実施形態)
以下に、本発明を具体化した第二の実施形態を、図8に基づいて説明する。
本実施形態のプリンタは、第一の実施形態のプリンタの構成に加えて、過去の主走査時に記憶されたロール紙Pの左右側端位置から、後の主走査時の左右側端位置を算出可能な演算手段を有している。
【0061】
図8は、第二の実施形態の動作を示すフローチャートであり、ロール紙Pの左右に余白なく印刷する場合において、印刷範囲を決定する流れを示す。なお、S41〜S47,S49の処理は、第一の実施形態のS21〜S27,S29の処理と同様であるため、説明は省略する。
【0062】
S48では、ロール紙Pの左右側端位置を判定する。ここで、制御部及び推定手段を構成するCPU17は、副走査方向の送り量の累積値をカウンタ(図示せず)で計数しており、その判定した左右側端位置データと、そのときカウンタに計数された副走査方向位置データとを記憶手段としてのメモリ18に記憶する。このため、メモリ18には、左右側端位置を特定できたときの副走査方向位置に対する左右側端位置の変化の軌跡が、左右側端位置(Xn1,Xn2)と副走査方向位置(Yn)の組合せからなるデータ列として記憶される。
【0063】
S50では、S47で左右側端位置が特定できなかった場合に、メモリ18から過去の紙幅位置データを読み出す。すなわち、メモリ18から、過去に特定できた左右側端位置(Xn1,Xn2)と副走査方向位置(Yn)の組合せからなるデータ列のうち、最も古いデータと最も新しいデータを読み出す。
【0064】
S51では、過去の2つの紙幅位置データに基づき紙幅位置を算出する。すなわち、例えば最も古いデータと最も新しいデータを用いて用紙Pの斜行する傾きを求め、その傾きで斜行したままロール紙Pが紙送りされているとみなし、過去の左右側端位置(X21,X22)と副走査方向位置(Y2)から、今回の副走査方向位置Yoにおける用紙Pの左右側端位置(Xo1,Xo2)を算出する。例えば最も古いデータを((X11,X12),Y1)、最も新しいデータを((X21,X22),Y2)とおくと、ロール紙Pの斜行する傾きKは、K=(X21−X11)/(Y2−Y1)となる。今回の左右側端位置(Xo1,Xo2)は、今回の副走査方向位置Yoを用いて、(Xo1,Xo2)=(X21+K(Yo−Y2),X22+K(Yo−Y2))として算出される。このように、CPU17は、過去の主走査時のデータを用いて今回の主走査時における用紙Pの左右側端位置を推定する。その後、S49において、推定した用紙Pの左右側端位置に対しその外側へ距離xだけ拡げた印刷範囲Aを設定する。
【0065】
なお、過去の主走査において、左右側端位置を特定した回数が2以上ない場合には、第一実施形態と同様、用紙サイズから決まる理想の左右側端位置からマージン距離yだけ外側へ拡げた印刷範囲Bに設定する。
【0066】
図8に示したフローチャートに従えば、紙検知センサ10でロール紙Pの左右側端位置が特定不能なときは、過去の左右側端位置データから、今回(現在)の左右側端位置を推定することで、印刷範囲を設定可能となる。なお、ロール紙Pの傾きKが一旦決まれば、その後、特定不能と判定したときにメモリ18から読み出す過去のデータ数は1つのみでよい。
【0067】
以上説明したように本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(4)ロール紙Pの左右側端位置が特定できなかった場合で、ロール紙Pが斜行して給紙される場合にも、過去の左右側端位置データから今回の左右側端位置を算出する。これにより、マージンの大きい印刷範囲Bではなく、マージンの小さい印刷範囲Aを設定できるので、ロール紙Pの外側に吐出されるインク量を最小限に止めたうえ、左右に余白のない印刷結果を得ることができる。よって、第一の実施形態に比べ、その後、通過するロール紙Pを汚す頻度が減る。
【0068】
(第三の実施形態)
以下に、本発明を具体化した第三の実施形態を、図9及び図11に基づいて説明する。
【0069】
本実施形態のプリンタは、記録した画像の色情報に基づいて、ロール紙Pの左右側端位置が特定可能かどうかを判断している点で、第一の実施形態のプリンタと異なる。
【0070】
図11は、プリンタにおける印刷範囲制御装置の電気的構成を示すブロック図である。印刷データは、外部から入力されると一旦メモリ18に格納された後、ASIC21に転送される。ASIC21内のヘッド制御部20は、印刷データ中のコマンド及びCMYKデータに従って、記録ヘッド121が色別に有するノズル群中の各ノズル毎の圧電素子への出力電圧を制御することで、記録ヘッド121のインク吐出制御を行う。同図に示すように、ASIC21には、この印刷データから画像の色情報を取得して解析する予測手段を構成する色解析回路28が備えられている。
【0071】
この色解析回路28は印刷データ中のCMYKデータを解析して印刷色と印刷密度を取得する。キャリッジ122がどのエンコーダ位置に来たときに何色用の何番ノズルから、どれだけのインク量を吐出させるかはCMYKデータより既知の情報を用いて導出できるので、用紙Pのどの位置に何色のインクがどの程度の領域に印刷されたかをCMYKデータから解析する。色解析回路28はCMYKデータを解析して得た色解析結果(色情報)をメモリ18に記憶する。ここで、色解析回路28が全印刷領域を対象に色解析をすると、処理量が多くスループットに悪影響をもたらす心配があるため、本実施形態では、用紙Pの両端の周縁エリアのみを解析対象としている。例えば用紙Pの印刷領域Rにおける幅方向両端部1〜5cm幅の領域のみ色解析を行っている。
【0072】
色解析回路28では、1パス(主走査移動)毎の印刷データから取得したCMYKの各ビット値を所定の演算式(例えばCMYKの各色のうち濃い色ほど値が高く影響するような係数を伴った演算式)によりドット毎の色値に変換するとともにこれを単位面積の単位で順次積算しそれを単位面積内の全ドット数で割って平均色値を求める。また、単位面積当たりの印刷ドット数をその単位面積当たりの全ドット数で割って、印刷密度を求める。平均色値は、単位領域の平均色を示し平均色が濃いほど高い値をとる。印刷密度は、印刷密度が高いほど高い値をとる。色解析回路28は、平均色値と印刷密度からなる色情報データを、主走査方向位置データと、その印刷がなされるパス(主走査移動)の副走査方向位置データとに関連付けてメモリ18に記憶する。
【0073】
制御部、補正手段及び予測手段を構成するCPU17は、次回の主走査時の印刷範囲を決めるための用紙端検出を行うに当たり、メモリ18から今回の主走査位置(副走査方向位置)に当たる色情報データを読み出す。そして、紙検知センサ10の検知域となる用紙P上の印刷状態が、用紙Pの側端位置を特定不能とするものであるかどうかを事前に判定する。すなわち、今回の検知域の副走査方向位置データを手がかりにメモリ18から平均色値と印刷密度との各データを読み出し、これらのデータに基づき、紙検知センサ10が用紙Pの左右側端位置を特定しうるか否かを判定する。例えば判定値h、平均色値C、印刷密度mとおいた場合、式 h=a・C+b・m (但し、a,bは重み付け係数)で表される判定値hを用い、この判定値hが閾値h1oを超えたときに、特定不能と判定する。また、式 h=C・m で表される判定値hを用い、この判定値hが閾値h2oを超えたときに、特定不能と判定する方法でもよい。なお、用紙Pの左右側端位置が特定可能か否かを色情報に基づいて判定する基準(特定不能とする閾値(例えばh1o,h2o))は、予め実施した予備実験で得られたデータに基づいて決定されている。
【0074】
例えば、色値が濃色であっても印刷密度が小さくドットの粗い場合は、特定しうると判定される。また、印刷密度が高いベタ塗り印刷でも、印刷色が例えばライトイエローのように薄ければ、特定しうると判定される。なお、単位面積毎の平均色値と印刷密度のデータは、印刷領域Rにおける片側の解析対象エリア内に複数あってもよい。この場合、CPU17は、用紙Pの左側端エリアと右側端エリアのそれぞれで、そのエリア内の単位領域の個数に応じた複数回ずつ、用紙Pの左右側端位置を特定可能か否かの判定を行う。また、本実施形態では、平均色値と印刷密度をパラメータとする色情報を用いるが、これはあくまで一例であって、印刷データから取得できるその他の色情報を用いてもよい。
【0075】
図9は、本実施形態における印刷範囲設定処理を示すフローチャートであり、ロール紙Pの左右に余白なく印刷する場合において、印刷範囲を決定する流れを示す。なお、S63からS72までは、第一の実施形態のフローチャートにおけるS21〜30と共通であるため、詳述は省略する。なお、S61及びS62は、CPU17が実行する処理である。
【0076】
S61では、エンコーダ12の開始の地点において、次の主走査駆動の間に、紙検知センサ10が検知する部分の画像の色情報データをメモリ18から読み出す。
【0077】
S62では、読み出された画像の色情報データに基づいて、次の主走査駆動の間に、紙検知センサ10がロール紙Pの左右側端位置を特定可能か否かを判断する。すなわち、検知する部分に印刷された色が比較的淡い色であれば、図6の実線で示した理想に近いプロファイルPoが得られやすいため、特定可能であると判断してS61に進み、以降、第一の実施形態と同一の処理の流れで印刷範囲を決定する。また、検知する部分に印刷された色が濃い色であれば、図6の一点鎖線や二点鎖線で示したようなプロファイルP1,P2が得られやすいため、左右側端位置の特定は不可能と判断しS72へ進む。つまり、本主走査駆動の終了後、S68のプロファイル解析処理及びS69の紙幅位置特定判定処理を行わずに、設定された用紙サイズに応じて想定される理想的な左右側端位置に対して左右ともに所定距離yだけ外側へ拡げた印刷範囲Bを設定する。
【0078】
また、本実施形態では、ASIC21内の色解析回路28が印刷データの色解析を行ったが、CPU17が色解析処理を行ってもよい。例えばCPU17が色解析処理で得た色情報データをメモリ18に保存し、エンコーダ12の開始の地点において、次の主走査駆動の間に、紙検知センサ10が検知する部分の画像の色情報をメモリ18から読み出すようにする。また、印刷データそのものをメモリ18に保存し、CPU17が、次の主走査駆動の間に、紙検知センサ10が検知する部分の画像の印刷データを読み出してその印刷データに対して色解析してもよい。また、この場合、主走査駆動の範囲全体の色情報を取得してもよい。
【0079】
図9に示したフローチャートに従えば、紙検知センサ10ではロール紙の左右側端位置を特定するのが困難な印刷状態である場合は、紙検知センサ10の出力信号から得られたプロファイルの解析は行わず、用紙サイズに応じて決まる理想の左右側端位置に対しその位置よりも外側に大きいマージン距離yだけ拡大した印刷範囲Bが設定される。
【0080】
この第三の実施形態によれば、第一の実施形態における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(5)画像の色情報を参照することで、紙検知センサ10による用紙Pの左右側端位置の特定が可能かどうかを事前に判断できるので、特定が不能である場合は、プロファイルの解析処理が不要となり、無駄な時間を削減することができる。
【0081】
(第四の実施形態)
以下に、本発明を具体化した第四の実施形態を、図10に基づいて説明する。本実施形態のプリンタは、第三の実施形態と同様、記録した画像の色情報に基づいて、紙検知センサ10によるロール紙の左右側端位置が特定可能かどうかを判断している。
【0082】
図10は、第四の実施形態の動作を示すフローチャートであり、ロール紙Pの左右に余白なく印刷する場合において、印刷範囲を決定する流れを示す。なお、S81及びS82は第三の実施形態のS61及びS62と、S83〜S93は第二の実施形態のS41〜S51の各処理と同様であるため、詳述は省略する。
【0083】
すなわち、紙検知センサ10が検知する部分の画像の色情報データをCPU17がメモリ18から読み出し、読み出された画像の色情報データに基づいて、次の主走査駆動の間に、紙検知センサ10がロール紙Pの左右側端位置を特定可能か否かをCPU17が判断する。ここで、特定可能と判断すればS83へ進み、以降、第二の実施形態と同様の各処理の流れで印刷範囲を決定する。また、特定不能と判断すればS92へ進む。そして、S92では、過去の主走査時に左右側端位置を特定できた時の紙幅位置データ(左右側端位置と副走査方向位置の組合せからなるデータ)のうち、最も古いものおよび最も新しいものをメモリ18から読み出す。次のS93において、読み出した2つの紙幅位置データを基にロール紙Pの傾きKを算出するとともに、この傾きKと新しい方の紙幅位置データとを用いて、今回の主走査時における用紙Pの左右側端位置を求める。その後、S91で印刷範囲Aが定まる。
【0084】
図10に示したフローチャートに従えば、紙検知センサ10でロール紙Pの左右側端位置を特定するのが困難な印刷状態である場合には、紙検知センサ10による検知は行わずに、過去の左右側端位置の情報から、演算により現在の左右側端位置を特定することが可能となる。
【0085】
以上説明したように第四の実施形態によれば、第一〜第三の実施形態における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(6)画像の色情報を参照することで、紙検知センサ10によるロール紙の左右側端位置の特定が可能かどうかを事前に判断できるので、特定が不能である場合は、プロファイルの解析処理が不要となり、無駄な時間を削減することができる。
【0086】
なお、実施形態は前記の内容に限定されず、以下の態様にしてもよい。
(変形例1)前記第一及び第三の実施形態では、ロール紙Pの左右側端位置を検出不能と判定した場合、次回の主走査時に直ぐ印刷範囲Bに拡大した。これに対し、ロール紙Pの左右側端位置を検出不能と判定した場合でも、その位置検出不能となってから、ロール紙Pが設定量紙送りされるまで正常時の印刷範囲Aを維持し、その位置検出不能状態のままロール紙Pが設定量紙送りされ終わってはじめて正常時の印刷範囲Aから印刷範囲Bに拡大させるようにする。この場合、仮にロール紙Pが斜行していてこの斜行したロール紙Pの紙端を検出できなくなっても、しばらくはそのままの印刷範囲Aで印刷を継続し、その検出できないままの印刷状態が設定量紙送りされるまで続いた場合、その時はじめて印刷範囲Aから印刷範囲Bに拡大させる。ロール紙Pの斜行する角度とマージン距離xから決まる設定量以内の紙送りのうちは過去の検出位置から決まる印刷範囲を継続しても、紙端がマージンxの範囲内にあるので、縁なし印刷を確実に継続できる。この場合、印刷範囲を拡大する期間を減らすことができ、インクをロール紙Pの端からはみ出して打つ量を少なく抑えることができる。
【0087】
(変形例2)前記第一及び第三実施形態では、ロール紙Pの主走査方向における両端位置を特定不能な場合に印刷範囲を拡大させたが、その拡大する印刷範囲Bは、ロール紙Pの正規の位置における端からのマージン距離がyとなる設定に限定されない。例えばロール紙Pの主走査方向における位置が特定不能になっても、ロール紙Pの直近に検出できた過去の位置を採用し続けその位置における紙端からのマージン距離をyより小さなx2(x<x2<y)とし印刷範囲Bとする。この場合、ロール紙Pが主走査方向のどの位置にずれても(最大に位置ずれしても)必ずカバーできる広い印刷範囲ではなく、過去に検出されたロール紙Pの両端位置データを利用しその両端位置の外側へマージンx2を付けた印刷範囲とする。よって、印刷範囲Bを決めるマージン距離をyより小さなx2に抑えられ、紙端の外側に吐出するインク量を一層少なく抑えることができる。
【0088】
(変形例3)前記変形例1では、ロール紙Pの左右側端位置を特定できなくなっても、印刷範囲Aをしばらく維持した。これに対し、ロール紙Pの左右側端位置(両端位置)を特定できなくなったら、過去に特定された左右側端位置データを利用しこの左右側端位置に加えるマージン距離xを徐々に増やして印刷範囲を徐々に拡大させる方法を採用できる。この場合、マージン距離xは連続的に増やしてもよいし、段階的に増やしてもよい。この構成によれば、マージン距離xが徐々に増えることで、一気にマージン距離を増やす方法に比べ、ロール紙Pの紙端の外側に吐出されるインク量を少なく抑えることができる。
【0089】
(変形例4)紙検知センサ10は、キャリッジ122の下流側でなく上流側に設けても構わない。用紙に紙検知センサ10で検知不能な汚れがあったり、紙検知センサ10での検知が不安定な紙種(薄紙、着色紙など)の用紙を使用する場合であっても、余白なく印刷することができる。
【0090】
(変形例5)検出手段を構成するセンサは、光反射式の紙検知センサ10に限定されない。例えば光透過式のセンサや、イメージセンサを採用することもできる。また、紙検知センサ10をキャリッジ122に設けたが、主走査方向に移動可能な他の可動部にセンサを取り付けてもよい。さらには用紙の左右側端部付近が検出対象となるように用紙の裏面側の部材に複数取り付けたセンサ列から検出手段を構成することもできる。
【0091】
(変形例6)第三及び第四の実施形態において、色情報を導き出す元になるデータは、印刷データに限定されない。例えばRGB画像データをCMYK画像データに変換する変換処理機能を有するプリンタにおいては、RGB画像データから色情報を取得することもできる。
【0092】
(変形例7)記録媒体は、用紙に限定されない。布や樹脂フィルム、樹脂シート、金属シートなどでもよい。また、記録媒体はシート状であることに限定されず、所定の立体形状の表面に記録できる機構を有する記録装置の場合、そのような所定の立体形状を有する物体も含む。
【0093】
(変形例8)記録装置は、インクジェット式プリンタに限定されるものではなく、記録部に紙幅検出装置を備えた記録装置であれば、例えばファクシミリ装置、コピー装置等であっても適用可能である。適用される装置によっては、記録する際の記録剤はインクではなくトナーともなりうる。
【0094】
(変形例9)記録装置の記録は、用紙への印刷であることに限定されない。例えば電気回路を製造する際に、素子や配線用の材料で調製されたインク(又はペースト)を基板(記録媒体)上に噴射して回路を記録によって形成する記録装置に適用することもできる。
【0095】
この明細書において、記録範囲、印刷範囲とは、記録媒体上の記録(印刷)される範囲ではなく、記録装置の記録ヘッドが記録(印刷)する範囲であり、例えば、インクジェットプリンタにおいては、記録ヘッドのノズルからインクが吐出される範囲をいう。
【0096】
以下、前記実施形態及び変形例から把握される技術思想を記載する。
(1)請求項7に記載の発明において、記録すべき画像の色情報に基づき前記端部位置が前記検出手段により検出できないことを予測する予測手段をさらに備え、前記制御部は前記予測手段により前記端部位置が検出できないことが予測される場合に、前記推定手段により推定された前記記録動作開始位置及び終了位置の間で記録動作するよう前記記録ヘッドを制御することを特徴とする記録装置。
【0097】
(2)請求項7又は前記技術的思想(1)において、前記検出手段は、前記記録ヘッドの記録位置に対し記録媒体の搬送方向下流側に設けられていることを特徴とする記録装置。
【0098】
(3)請求項7及び前記技術的思想(1),(2)のいずれか一項において、前回までのキャリッジの主走査方向への走査時に前記検出手段により検出された前記記録媒体の端部位置に基づき前記記録媒体の斜行を検出するとともに、今回の走査時に前記斜行による影響を補正すべく前記端部近傍からの距離をそれぞれ一定に保ったまま記録動作開始位置及び終了位置を変更する補正手段をさらに備えたことを特徴とする記録装置。
【0099】
(4)請求項1〜7及び技術的思想(1)〜(3)のうちいずれか一項において、前記検出手段は、前記記録媒体からの反射光量を検知して該記録媒体の前記端部位置を検出する光反射式である。反射光量は、記録媒体の色、記録画像、汚れなどの影響を受けるため、記録媒体の位置が特定不能となる場合があるが、その場合でも、記録媒体の端部まで記録でき、しかも記録媒体からはみ出して記録される記録剤の量を少なく抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施形態におけるインクジェット式プリンタの斜視図。
【図2】プリンタの主要部の内部構成例を示す斜視図。
【図3】印刷範囲を説明する平面図。
【図4】印刷範囲制御装置のブロック図。
【図5】紙位置検出装置の動作を示すタイミングチャート。
【図6】検知信号のプロファイルを説明するグラフ。
【図7】印刷範囲制御処理を示すフローチャート。
【図8】第二の実施形態における印刷範囲制御処理を示すフローチャート。
【図9】第三の実施形態における印刷範囲制御処理を示すフローチャート。
【図10】第四の実施形態における印刷範囲制御処理を示すフローチャート。
【図11】印刷範囲制御装置のブロック図。
【図12】従来のプリンタにおける印刷範囲を説明する平面図。
【符号の説明】
10…検出手段を構成する紙検知センサ、11…印刷範囲制御装置、12…検出手段を構成するエンコーダ、13…検出手段を構成するフォトインタラプタ、15…検出手段を構成するヘッド位置判定回路、16…A/Dコンバータ、17…制御部、補正手段(第一、第三の実施形態)、予測手段(第三、第四の実施形態)及び推定手段(第二、第四の実施形態)を構成するCPU、18…記憶手段としてのメモリ、19…DMAC、22…主走査駆動部を構成するドライバ、23…副走査駆動部を構成するドライバ、24…副走査駆動部を構成する紙送りモータ、25…主走査駆動部を構成するキャリッジモータ、28…予測手段を構成する色解析回路、100…記録装置としてのインクジェット式プリンタ、121…記録ヘッド、122…キャリッジ、128…主走査駆動部を構成するキャリッジベルト、P…記録媒体としての用紙(ロール紙)、x,y…端部近傍からの距離としてのマージン距離(はみ出し量)、A,B…印刷範囲、X1,X2…端部位置。
Claims (7)
- 記録ヘッドを有するキャリッジを主走査方向に駆動する主走査駆動部と、前記主走査方向と略直交する副走査方向に記録媒体を搬送する副走査駆動部と、前記主走査方向における前記記録媒体の一方の端部近傍から記録動作を開始し、他方の端部近傍で記録動作を終了するよう前記記録ヘッドを制御する制御部とを備えた記録装置において、
前記制御部は、前記記録ヘッドを主走査方向に複数回走査して記録を行う際に、所定の条件に応じて記録動作開始位置及び終了位置をそれぞれ前記端部近傍の外側に拡大することを特徴とする記録装置。 - 前記キャリッジは前記記録媒体の端部位置を検出する検出手段を有し、前記制御部は前記端部位置が検出できない場合に、前記記録動作開始位置及び終了位置をそれぞれ前記端部近傍の外側に拡大することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記キャリッジは、前記記録媒体に端部位置を検出する検出手段を有し、記録すべき画像の色情報に基づき前記端部位置が前記検出手段により検出できないことを予測する予測手段をさらに備え、前記制御部は前記予測手段により前記端部位置が検出できないことが予測される場合に、前記記録動作開始位置及び終了位置をそれぞれ前記端部近傍の外側に拡大することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記検出手段は、前記記録ヘッドの記録位置に対し記録媒体の搬送方向下流側に設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の記録装置。
- 前回までのキャリッジの主走査方向への走査時に前記検出手段により検出された前記記録媒体の端部位置に基づき前記記録媒体の斜行を検出するとともに、今回の走査時に前記斜行による影響を補正すべく前記端部近傍からの距離をそれぞれ略一定に保ったまま記録動作開始位置及び終了位置を変更する補正手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の記録装置。
- 前記記録動作開始位置及び終了位置をそれぞれ前記端部近傍の外側に拡大した後、前記検出手段により再び前記記録媒体の端部位置が検出される場合は、拡大した前記記録動作開始位置及び終了位置を元に戻すことを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の記録装置。
- 記録ヘッドを有するキャリッジを主走査方向に駆動する主走査駆動部と、前記主走査方向と略直交する副走査方向に記録媒体を搬送する副走査駆動部と、前記キャリッジが有するとともに前記記録媒体の端部位置を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記記録媒体の端部位置に基づき前記主走査方向における前記記録媒体の一方の端部近傍から記録動作を開始し、他方の端部近傍で記録動作を終了するよう前記記録ヘッドを制御する制御部とを備えた記録装置において、
前回までのキャリッジの主走査方向への走査時に前記検出手段により検出された前記記録媒体の端部位置を記憶する記憶手段と、
前記検出手段により前記端部位置が検出できない場合は、前記記憶手段に記憶された前記端部位置に基づいて今回のキャリッジの主走査方向への走査時における記録動作開始位置及び終了位置を推定する推定手段とを有し、
前記制御部は、前記推定手段により推定された前記記録動作開始位置及び終了位置の間で記録動作するよう前記記録ヘッドを制御することを特徴とする記録装置。
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