JP2005020570A - 多重通信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】故障等により何れかのノードがスリープしない場合でも、その後当該ノードを確実にスリープ状態へ切り換え、バッテリ上がりを防止することができる多重通信システムを提供する。
【解決手段】複数のノードが通信線を介して互いに通信を行う多重通信システムにおいて、ウェイクアップ状態となっている各ノードは、バッテリ電圧の低下を確認すると(S20:YES)、自己のノードが他のノードからの起動信号でウェイクアップしないように設定する(S30)とともに、他のノードへの起動信号の送信を停止し(S40)、さらに自己のノードをスリープ状態へ切り換える(S50)。これにより、システム全体をスリープ状態へ移行することができ、電源カットリレー等のハード回路を追加することなく、バッテリ上がりを防止することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】複数のノードが通信線を介して互いに通信を行う多重通信システムにおいて、ウェイクアップ状態となっている各ノードは、バッテリ電圧の低下を確認すると(S20:YES)、自己のノードが他のノードからの起動信号でウェイクアップしないように設定する(S30)とともに、他のノードへの起動信号の送信を停止し(S40)、さらに自己のノードをスリープ状態へ切り換える(S50)。これにより、システム全体をスリープ状態へ移行することができ、電源カットリレー等のハード回路を追加することなく、バッテリ上がりを防止することができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のノードが通信線を介して互いに信号の送受信を行う多重通信システムに関する。
【0002】
【従来技術】
近年、例えば自動車に搭載される電装品や電機装置の数は、車両の高機能化及び高性能化に伴って増加しており、車両内の配線が複雑化且つ大規模化してきている。そこで、このような複雑化、大規模化を避けるための手段として、複数の装置を通信線によって互いに接続し、各装置間で通信を行うようにした多重通信システムが実用化されている。
【0003】
ここで、エンジン停止時にも制御を必要とする機能(室内灯点灯制御等)を多重通信システムで実現している場合、エンジンが停止している状態では電源となるバッテリが充電されないため、システムの消費電力をできるだけ少なくすることが必要である。このため、システムが動作を停止して良い場合には、システムを構成する各装置であるノードが、機能を停止して、起動要請があったときに再起動できる程度の必要最小限の電力だけを消費する、所謂スリープ状態への切り換えが提案されている。
【0004】
スリープ状態への切り換えについては、例えば、次のようなシステム構成が提案されている。すなわち、各ノードは、通常状態で動作中(ウェイクアップ状態)である場合に、自己のノードがスリープ状態への移行が不可能であると判定しているならば、その旨を他の全てのノードに対して定期的に報知し、またスリープ状態への移行が可能と判定しているならば、当該報知を停止する。そして、自己のノードがスリープ状態へ移行可能である(報知信号の発信を停止している)ときに、他のノードからの報知信号を所定時間以上継続して受信していない(他の全てのノードがスリープ状態へ移行可能であり、報知信号の発信を停止している)場合には、自己のノードの動作状態をスリープ状態に切り換える(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−135257号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような構成であっても、車両の状態やノードの故障等により、スリープ状態へ移行できずウェイクアップ状態で動作し続けるノードが存在する場合には、当該ノード及び当該ノードからの起動信号を受信して動作する他のノードは、スリープ状態に移行することができなくなってしまい、これによりバッテリ上がりが発生してしまうという問題がある。また、このバッテリ上がりを防止するために、電源カットリレー等のハード回路を追加する方法があるが、システムの小型化及び低コスト化等の障害となり得る。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、複数のノードが互いに通信を行う多重通信システムにおいて、何れかのノードがスリープ状態へ移行できずウェイクアップ状態で動作し続ける場合でも、その後、確実に当該ノードをスリープ状態へ切り換えることにより、システム全体をスリープ状態へ移行させ、これにより電源カットリレー等のハード回路を追加することなくバッテリ上がりを防止することができる多重通信システムを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の本発明の多重通信システムでは、通信線を介して接続された複数のノードの夫々は、自己のノードがスリープ状態へ移行可能と判断し、かつ他のノードからの起動信号やその他の装置からの信号(以下、単に起動信号等という)を所定時間以上受信しないときには、自己のノードをスリープ状態へ切り換えるようにしている。
【0009】
また、電圧判定手段は、多重通信システムの各ノードやその他の装置による電力消費によりバッテリの電圧が低下し、当該電圧がある設定値又はそれ以下となると、その旨の報知信号を発信する。
【0010】
さらに、多重通信システムにおける複数のノードのうち少なくとも一つのノードは、切換手段を備えている。そして、切換手段を備えているノードは、バッテリに対して充電がなされていない状態であって(即ち、スイッチ判定手段の判定はオフ)、自己のノードがスリープ状態に移行不可能であるときに、電圧判定手段からの前記報知信号を受信すると、他のノードへの起動信号の送信を強制的に停止し、さらに自己のノードが起動信号等を受信しているかどうかに関わらず自己のノードをスリープ状態に切り換える。
【0011】
従って、請求項1に記載の多重通信システムによれば、切換手段を備えたノードが車両の状態や当該ノードの故障等によってスリープ状態へ移行できない場合でも、バッテリ電圧の低下を検知して、当該ノードからの起動信号の送信を強制的に停止させ、さらに当該ノードを強制的にスリープ状態に切り換えることにより、通信システム全体をスリープ状態に移行し、バッテリ上がりを防止することができる。
【0012】
次に、請求項2に記載の多重通信システムでは、請求項1に記載の多重通信システムにおいて、上記のように強制的にスリープ状態に切り換えられたノードは、スイッチ判定手段がオフと判定している間は、起動信号等によってウェイクアップ状態に復帰することはなく、スイッチ判定手段がオンと判定している場合にのみ、起動信号等によってウェイクアップ状態に復帰可能になるとしている。
【0013】
つまり、請求項2に記載の多重通信システムでは、所定値以下の電圧となっているバッテリに対して充電が行われる前に、強制的にスリープ状態に切り換えられた上記のノードがウェイクアップ状態に復帰し、再びスリープ状態へ移行できなくなることによって、バッテリ上がりが発生してしまうといった事態を防ぐことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を自動車に適用した一実施形態を、図を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0015】
図1は、実施例の多重通信システム1の構成を表す構成図である。本実施例の多重通信システム1は、車両に搭載された種々の電装品を制御するものである。
図1に示すように、本実施例の多重通信システム1は、ドア状態判定スイッチ7からの信号に基づきドアの開閉状態を監視するための装置として構成されたAノード2と、バッテリ8の電圧を監視して他のノードへの報知信号を送信するための装置として構成されたDノード5と、室内灯9を制御するための制御装置として構成されたEノード6と、その他の電装品を制御するための装置として構成されたBノード3及びCノード4を備えている。そして、各ノード2,3,4,5,6は、多重通信線10を介して接続されており、互いに通信を行うように構成されている。
【0016】
また、当該各ノードは、自己のノードがスリープ状態へ移行可能と判断し、かつ自己のノードが起動信号等を所定時間以上受信していないときには、自己のノードをスリープ状態へ切り換えるように構成されている。
【0017】
ここで、Aノード2は、ドア状態判定スイッチ7からの信号に基づいてドアの開閉を判定し、ドアが開いていると判定している場合には、Eノード6に対して、起動信号を送信することとしている。そして、Eノード6は、当該信号を受信することによりウェイクアップ状態となって、室内灯9の点灯制御を行う。
【0018】
また、Aノード2は、イグニッションスイッチ(図示省略)の状態がオフと判定されている場合において、バッテリ電圧の低下を知らせるDノード5からの報知信号を受信することにより、Aノード2から他のノードへの起動信号送信を強制的に停止し、さらにAノード2を強制的にスリープ状態に切り換える切換手段を、自己のノード内に備えている。
【0019】
さらに、Aノード2は、起動信号等の受信によって自己のノードをスリープ状態からウェイクアップ状態に切り換えるかどうかを設定することが可能なレジスタを備えている。すなわち、当該レジスタを非アクティブに設定した場合、スリープ状態にあるAノード2は、起動信号等を受信してもウェイクアップ状態に切り換わらない。
【0020】
また、バッテリ8は、イグニッションスイッチの操作に応じて始動又は停止するエンジン(図示省略)の動作中に、当該エンジンの動力により発電された電力の供給を受けて、充電されるように構成されている。
【0021】
そこで次に、Aノード2が、イグニッションスイッチがオフとなった後も車両の状態や自己の故障等によってスリープ状態へ移行できない場合に、自己のノードを強制的にスリープ状態へ切り換える際に実行する処置について、図2のフローチャートを用いて説明する。まず、ウェイクアップ状態で動作中のAノード2は、ステップ(以下、単にSと記す)10にて、イグニッションスイッチのオン・オフ状態を判定するスイッチ判定手段からの信号によりイグニッションスイッチがオフであると認識し、かつ自己のノードが所定時間以上スリープ状態に移行不可能であると判定した場合には、続くS20において、Dノード5からのバッテリ電圧低下を知らせる報知信号について受信の有無を判定する。
【0022】
そして、Aノード2は、上記報知信号を受信した場合には、続くS30において、自己のノードが起動信号等を受信してもウェイクアップ状態へ切り換わらないよう、レジスタの設定を非アクティブにする。尚、Aノード2は、レジスタの設定を非アクティブにしたことを、故障履歴として記憶することとしている。これにより、他のノードは、車両制御の一部が実行できなくなった原因が、Aノード2が機能しない(Aノード2がウェイクアップ状態へ切り換わらない)ことである旨を認識できる。
【0023】
さらに、Aノード2は、S40において、他のノードへの起動信号の送信を停止し、続くS50において、自己のノードをスリープ状態へ切り換える。
【0024】
また、以上のフローをタイムチャートにより示すと図4のようになる。すなわち、t11においてバッテリ電圧の低下を検知したDノード5は、続く自己の通信において報知信号d1を発信する。そして、これを受信したAノード2が他のノードへの起動信号送信を停止するため、Aノード2からの起動信号によってウェイクアップ状態となっていたEノード6は、所定時間経過後にスリープ状態に移行する。また、Aノード2は、報知信号d1によって自己のノードをスリープ状態に切り換えており、さらに他のノードも各自が必要な処理及び通信を実行した後は所定時間経過後に順次スリープ状態に移行していく。このため、Dノード5による報知信号d1の発信から一定時間が経過したt12においては、ウェイクアップ状態を継続しているノードが存在しなくなり、バッテリ電圧の低下が抑制される。
【0025】
従って、このように構成された多重通信システム1においては、バッテリ電圧が所定値以下となってから一定時間が経過した後は、システムにおける全てのノードがスリープ状態へ移行するので、電源カットリレー等のハード回路を追加しなくてもバッテリ上がりを防止することができる。
【0026】
次に、上記のように強制的にスリープ状態へ移行したAノード2が、その後実行する処置について、図3のフローチャートを用いて説明する。まず、Aノード2は、S110において、スイッチ判定手段からの信号に基づきイグニッションスイッチのオン・オフ状態を判定する。そして、オンであると判定した場合には、Aノード2は、続くS120において、自己のノードが起動信号等の受信によってウェイクアップ状態へ移行できるように、レジスタをアクティブに設定する。
【0027】
従って、このように構成された多重通信システム1は、イグニッションスイッチがオンとなり、エンジンの発電による電力がバッテリに供給されてバッテリ上がりが発生しない状況においては、強制的にスリープ状態へ切り換えられたノードが起動信号等の受信によりウェイクアップ状態に復帰できるため、システム全体が機能し、通常の車両制御が実現可能となる。さらに、当該ノードは、バッテリに対して上記の電力供給がされるまでは、ウェイクアップ状態に復帰することはないため、当該ノードが原因となって再びバッテリ上がりが発生する状態になるのを防止している。
【0028】
尚、上記実施例では、バッテリ電圧を監視するDノード5は、独立した一つのノードとして構成されていたが、各ノードの夫々がバッテリ電圧を監視する機能を有するように構成してもよい。
【0029】
また、上記実施例では、スリープ状態に移行できないノードの起動信号発信を停止させ、かつ当該ノードをスリープ状態に切り換える切換手段は、特定の一つのノードのみが有していたが、複数又は全てのノードが当該切換手段を有するように構成してもよい。
【0030】
さらに、上記実施例では、前記切換手段は、特定の一つのノードの内に構成されていたが、独立した一つのノードとして構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の多重通信システムの構成を表す構成図である。
【図2】ウェイクアップ状態のノードが実行する処理を表すフローチャートである。
【図3】強制的にスリープ状態へ切り換わったノードが実行する処理を表すフローチャートである。
【図4】バッテリ電圧、各ノードの通信状態、及びバッテリ電圧低下報知信号との関係を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
1 多重通信システム
2 Aノード(ドア開閉状態監視装置)
5 Dノード(バッテリ電圧監視装置)
6 Eノード(室内灯制御装置)
8 バッテリ
10 多重通信線
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のノードが通信線を介して互いに信号の送受信を行う多重通信システムに関する。
【0002】
【従来技術】
近年、例えば自動車に搭載される電装品や電機装置の数は、車両の高機能化及び高性能化に伴って増加しており、車両内の配線が複雑化且つ大規模化してきている。そこで、このような複雑化、大規模化を避けるための手段として、複数の装置を通信線によって互いに接続し、各装置間で通信を行うようにした多重通信システムが実用化されている。
【0003】
ここで、エンジン停止時にも制御を必要とする機能(室内灯点灯制御等)を多重通信システムで実現している場合、エンジンが停止している状態では電源となるバッテリが充電されないため、システムの消費電力をできるだけ少なくすることが必要である。このため、システムが動作を停止して良い場合には、システムを構成する各装置であるノードが、機能を停止して、起動要請があったときに再起動できる程度の必要最小限の電力だけを消費する、所謂スリープ状態への切り換えが提案されている。
【0004】
スリープ状態への切り換えについては、例えば、次のようなシステム構成が提案されている。すなわち、各ノードは、通常状態で動作中(ウェイクアップ状態)である場合に、自己のノードがスリープ状態への移行が不可能であると判定しているならば、その旨を他の全てのノードに対して定期的に報知し、またスリープ状態への移行が可能と判定しているならば、当該報知を停止する。そして、自己のノードがスリープ状態へ移行可能である(報知信号の発信を停止している)ときに、他のノードからの報知信号を所定時間以上継続して受信していない(他の全てのノードがスリープ状態へ移行可能であり、報知信号の発信を停止している)場合には、自己のノードの動作状態をスリープ状態に切り換える(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−135257号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような構成であっても、車両の状態やノードの故障等により、スリープ状態へ移行できずウェイクアップ状態で動作し続けるノードが存在する場合には、当該ノード及び当該ノードからの起動信号を受信して動作する他のノードは、スリープ状態に移行することができなくなってしまい、これによりバッテリ上がりが発生してしまうという問題がある。また、このバッテリ上がりを防止するために、電源カットリレー等のハード回路を追加する方法があるが、システムの小型化及び低コスト化等の障害となり得る。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、複数のノードが互いに通信を行う多重通信システムにおいて、何れかのノードがスリープ状態へ移行できずウェイクアップ状態で動作し続ける場合でも、その後、確実に当該ノードをスリープ状態へ切り換えることにより、システム全体をスリープ状態へ移行させ、これにより電源カットリレー等のハード回路を追加することなくバッテリ上がりを防止することができる多重通信システムを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の本発明の多重通信システムでは、通信線を介して接続された複数のノードの夫々は、自己のノードがスリープ状態へ移行可能と判断し、かつ他のノードからの起動信号やその他の装置からの信号(以下、単に起動信号等という)を所定時間以上受信しないときには、自己のノードをスリープ状態へ切り換えるようにしている。
【0009】
また、電圧判定手段は、多重通信システムの各ノードやその他の装置による電力消費によりバッテリの電圧が低下し、当該電圧がある設定値又はそれ以下となると、その旨の報知信号を発信する。
【0010】
さらに、多重通信システムにおける複数のノードのうち少なくとも一つのノードは、切換手段を備えている。そして、切換手段を備えているノードは、バッテリに対して充電がなされていない状態であって(即ち、スイッチ判定手段の判定はオフ)、自己のノードがスリープ状態に移行不可能であるときに、電圧判定手段からの前記報知信号を受信すると、他のノードへの起動信号の送信を強制的に停止し、さらに自己のノードが起動信号等を受信しているかどうかに関わらず自己のノードをスリープ状態に切り換える。
【0011】
従って、請求項1に記載の多重通信システムによれば、切換手段を備えたノードが車両の状態や当該ノードの故障等によってスリープ状態へ移行できない場合でも、バッテリ電圧の低下を検知して、当該ノードからの起動信号の送信を強制的に停止させ、さらに当該ノードを強制的にスリープ状態に切り換えることにより、通信システム全体をスリープ状態に移行し、バッテリ上がりを防止することができる。
【0012】
次に、請求項2に記載の多重通信システムでは、請求項1に記載の多重通信システムにおいて、上記のように強制的にスリープ状態に切り換えられたノードは、スイッチ判定手段がオフと判定している間は、起動信号等によってウェイクアップ状態に復帰することはなく、スイッチ判定手段がオンと判定している場合にのみ、起動信号等によってウェイクアップ状態に復帰可能になるとしている。
【0013】
つまり、請求項2に記載の多重通信システムでは、所定値以下の電圧となっているバッテリに対して充電が行われる前に、強制的にスリープ状態に切り換えられた上記のノードがウェイクアップ状態に復帰し、再びスリープ状態へ移行できなくなることによって、バッテリ上がりが発生してしまうといった事態を防ぐことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を自動車に適用した一実施形態を、図を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0015】
図1は、実施例の多重通信システム1の構成を表す構成図である。本実施例の多重通信システム1は、車両に搭載された種々の電装品を制御するものである。
図1に示すように、本実施例の多重通信システム1は、ドア状態判定スイッチ7からの信号に基づきドアの開閉状態を監視するための装置として構成されたAノード2と、バッテリ8の電圧を監視して他のノードへの報知信号を送信するための装置として構成されたDノード5と、室内灯9を制御するための制御装置として構成されたEノード6と、その他の電装品を制御するための装置として構成されたBノード3及びCノード4を備えている。そして、各ノード2,3,4,5,6は、多重通信線10を介して接続されており、互いに通信を行うように構成されている。
【0016】
また、当該各ノードは、自己のノードがスリープ状態へ移行可能と判断し、かつ自己のノードが起動信号等を所定時間以上受信していないときには、自己のノードをスリープ状態へ切り換えるように構成されている。
【0017】
ここで、Aノード2は、ドア状態判定スイッチ7からの信号に基づいてドアの開閉を判定し、ドアが開いていると判定している場合には、Eノード6に対して、起動信号を送信することとしている。そして、Eノード6は、当該信号を受信することによりウェイクアップ状態となって、室内灯9の点灯制御を行う。
【0018】
また、Aノード2は、イグニッションスイッチ(図示省略)の状態がオフと判定されている場合において、バッテリ電圧の低下を知らせるDノード5からの報知信号を受信することにより、Aノード2から他のノードへの起動信号送信を強制的に停止し、さらにAノード2を強制的にスリープ状態に切り換える切換手段を、自己のノード内に備えている。
【0019】
さらに、Aノード2は、起動信号等の受信によって自己のノードをスリープ状態からウェイクアップ状態に切り換えるかどうかを設定することが可能なレジスタを備えている。すなわち、当該レジスタを非アクティブに設定した場合、スリープ状態にあるAノード2は、起動信号等を受信してもウェイクアップ状態に切り換わらない。
【0020】
また、バッテリ8は、イグニッションスイッチの操作に応じて始動又は停止するエンジン(図示省略)の動作中に、当該エンジンの動力により発電された電力の供給を受けて、充電されるように構成されている。
【0021】
そこで次に、Aノード2が、イグニッションスイッチがオフとなった後も車両の状態や自己の故障等によってスリープ状態へ移行できない場合に、自己のノードを強制的にスリープ状態へ切り換える際に実行する処置について、図2のフローチャートを用いて説明する。まず、ウェイクアップ状態で動作中のAノード2は、ステップ(以下、単にSと記す)10にて、イグニッションスイッチのオン・オフ状態を判定するスイッチ判定手段からの信号によりイグニッションスイッチがオフであると認識し、かつ自己のノードが所定時間以上スリープ状態に移行不可能であると判定した場合には、続くS20において、Dノード5からのバッテリ電圧低下を知らせる報知信号について受信の有無を判定する。
【0022】
そして、Aノード2は、上記報知信号を受信した場合には、続くS30において、自己のノードが起動信号等を受信してもウェイクアップ状態へ切り換わらないよう、レジスタの設定を非アクティブにする。尚、Aノード2は、レジスタの設定を非アクティブにしたことを、故障履歴として記憶することとしている。これにより、他のノードは、車両制御の一部が実行できなくなった原因が、Aノード2が機能しない(Aノード2がウェイクアップ状態へ切り換わらない)ことである旨を認識できる。
【0023】
さらに、Aノード2は、S40において、他のノードへの起動信号の送信を停止し、続くS50において、自己のノードをスリープ状態へ切り換える。
【0024】
また、以上のフローをタイムチャートにより示すと図4のようになる。すなわち、t11においてバッテリ電圧の低下を検知したDノード5は、続く自己の通信において報知信号d1を発信する。そして、これを受信したAノード2が他のノードへの起動信号送信を停止するため、Aノード2からの起動信号によってウェイクアップ状態となっていたEノード6は、所定時間経過後にスリープ状態に移行する。また、Aノード2は、報知信号d1によって自己のノードをスリープ状態に切り換えており、さらに他のノードも各自が必要な処理及び通信を実行した後は所定時間経過後に順次スリープ状態に移行していく。このため、Dノード5による報知信号d1の発信から一定時間が経過したt12においては、ウェイクアップ状態を継続しているノードが存在しなくなり、バッテリ電圧の低下が抑制される。
【0025】
従って、このように構成された多重通信システム1においては、バッテリ電圧が所定値以下となってから一定時間が経過した後は、システムにおける全てのノードがスリープ状態へ移行するので、電源カットリレー等のハード回路を追加しなくてもバッテリ上がりを防止することができる。
【0026】
次に、上記のように強制的にスリープ状態へ移行したAノード2が、その後実行する処置について、図3のフローチャートを用いて説明する。まず、Aノード2は、S110において、スイッチ判定手段からの信号に基づきイグニッションスイッチのオン・オフ状態を判定する。そして、オンであると判定した場合には、Aノード2は、続くS120において、自己のノードが起動信号等の受信によってウェイクアップ状態へ移行できるように、レジスタをアクティブに設定する。
【0027】
従って、このように構成された多重通信システム1は、イグニッションスイッチがオンとなり、エンジンの発電による電力がバッテリに供給されてバッテリ上がりが発生しない状況においては、強制的にスリープ状態へ切り換えられたノードが起動信号等の受信によりウェイクアップ状態に復帰できるため、システム全体が機能し、通常の車両制御が実現可能となる。さらに、当該ノードは、バッテリに対して上記の電力供給がされるまでは、ウェイクアップ状態に復帰することはないため、当該ノードが原因となって再びバッテリ上がりが発生する状態になるのを防止している。
【0028】
尚、上記実施例では、バッテリ電圧を監視するDノード5は、独立した一つのノードとして構成されていたが、各ノードの夫々がバッテリ電圧を監視する機能を有するように構成してもよい。
【0029】
また、上記実施例では、スリープ状態に移行できないノードの起動信号発信を停止させ、かつ当該ノードをスリープ状態に切り換える切換手段は、特定の一つのノードのみが有していたが、複数又は全てのノードが当該切換手段を有するように構成してもよい。
【0030】
さらに、上記実施例では、前記切換手段は、特定の一つのノードの内に構成されていたが、独立した一つのノードとして構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の多重通信システムの構成を表す構成図である。
【図2】ウェイクアップ状態のノードが実行する処理を表すフローチャートである。
【図3】強制的にスリープ状態へ切り換わったノードが実行する処理を表すフローチャートである。
【図4】バッテリ電圧、各ノードの通信状態、及びバッテリ電圧低下報知信号との関係を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
1 多重通信システム
2 Aノード(ドア開閉状態監視装置)
5 Dノード(バッテリ電圧監視装置)
6 Eノード(室内灯制御装置)
8 バッテリ
10 多重通信線
Claims (3)
- 通信線を介して接続された複数のノードが、当該通信線を介して互いに信号を送受信するように構成された、バッテリを電源とする多重通信システムにおいて、
バッテリに対して充電を行うためのスイッチのオン、オフ状態を判定するスイッチ判定手段と、
バッテリ電圧を監視し、当該バッテリ電圧が所定の電圧又はそれ以下となると、その旨を報知する電圧判定手段と、
前記スイッチ判定手段が前記スイッチはオフであると判定している場合において、前記電圧判定手段からの報知信号を受信することにより、ウェイクアップ状態にあるノードに対して当該ノードが他のノードに送信している起動信号の送信を停止させ、さらにウェイクアップ状態にある当該ノードの動作状態をスリープ状態に切り換える切換手段と、を備えたことを特徴とする多重通信システム。 - 請求項1に記載の多重通信システムにおいて、
前記切換手段によってスリープ状態となったノードが、前記スイッチ判定手段がオフと判定している場合には、他のノードからの起動信号やその他の装置からの信号に関わらずウェイクアップ状態に移行せず、スイッチ判定手段がオンと判定している場合には、当該ノードがウェイクアップ状態に移行可能となること、を特徴とする多重通信システム。 - 請求項1又は請求項2に記載の多重通信システムにおいて、前記各ノードは、車両の各部を制御するための制御装置として構成されていること、を特徴とする多重通信システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003185018A JP2005020570A (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | 多重通信システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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