JP2005020416A - 撮像光学系及び撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学ローパスフィルタの保持構造を改良して小型化を達成する。
【解決手段】複数のレンズ群からなる撮像レンズ2と、入射光の光束LFが受光面に入射される固体撮像素子3と、上記入射光に含まれる赤外線をカットするフィルタとしての効果と、上記入射光に含まれる高周波成分を除去するフィルタとしての効果を持つフィルタ部材4とを備えている。このフィルタ部材4は、複屈折板4aと、複屈折板4aの一方主面に蒸着された赤外線をカットするフィルタとしての効果を持つ薄膜4bとからなる。このように、フィルタ部材4は、複屈折板4aと薄膜4bとが一体に構成されており、これにより光束LFの光路上の位置と、光路から外れた位置とを複屈折板4aと薄膜4bとが一緒に移動するよう構成される。そして、上記フィルタ部材4は、一の支持構造にて鏡筒に支持されている。
【選択図】 図1
【解決手段】複数のレンズ群からなる撮像レンズ2と、入射光の光束LFが受光面に入射される固体撮像素子3と、上記入射光に含まれる赤外線をカットするフィルタとしての効果と、上記入射光に含まれる高周波成分を除去するフィルタとしての効果を持つフィルタ部材4とを備えている。このフィルタ部材4は、複屈折板4aと、複屈折板4aの一方主面に蒸着された赤外線をカットするフィルタとしての効果を持つ薄膜4bとからなる。このように、フィルタ部材4は、複屈折板4aと薄膜4bとが一体に構成されており、これにより光束LFの光路上の位置と、光路から外れた位置とを複屈折板4aと薄膜4bとが一緒に移動するよう構成される。そして、上記フィルタ部材4は、一の支持構造にて鏡筒に支持されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のレンズ群と撮像素子とからなる撮像光学系及びこの撮像光学系を用いた撮像装置に関し、さらに詳しくは入射光の光路上に配され、該入射光に含まれる赤外線のカットや高周波成分の除去を行うフィルタ部材の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ビデオカメラ等の撮像装置においては、撮像する画像を高解像にするとともに、サイズを小型化する要求が高まっている。この要求に答えるべく、固体撮像素子として高密度CCD(Charge Coupled Device(電荷結合素子))を搭載するとともに、レンズを小型化するなどして、光学系自体の小型化することが提案されている。
【0003】
ところで、上述したような従来の撮像装置において、固体撮像素子にCCDを用いた場合には、色偽信号やモアレ縞等の発生を防止するために、入射光内の不要な高周波成分を除去する光学的ローパスフィルタが配設されている。また、低照度撮影機能を有する撮像装置にあっては、入射光内の赤外線を吸収若しくは反射して、長波長域で感度が高い固体撮像素子固有の感度特性を補正する赤外カットフィルタ(以下、IRカットフィルタと称する。)が配設されている。
【0004】
撮像装置においては、夕暮れ時や屋内での撮影のように撮影に際して十分な光量が得られない場合、上述したフィルタのうちIRカットフィルタに入射光を透過させ赤外線をカットすることで、より光量が不足してしまい被写体の鮮明な光学像を得ることができなくなってしまう。そこで、例えば下記特許文献1記載の発明の如く、IRカットフィルタを入射光の光路から外れた位置に移動させるための切り替え機構を持ち、撮影に際して十分な光量が得られない場合には、IRカットフィルタを入射光の光路外に移動させ、赤外線を含んだ光を撮像素子に受光させる撮像装置が提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−125852号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1記載の撮像装置では、切り替え機構にはIRカットフィルタのみが保持され、このIRカットフィルタの移動のみが可能なよう構成されており、高周波成分除去のための光学ローパスフィルタは別個に鏡筒内に保持する必要があった。鏡筒内に光学ローパスフィルタを保持する場合、例えば図14及び図15に示すように、鏡筒を構成する後部鏡筒101にフィルタ室102を設け、該フィルタ室102に光学ローパスフィルタ103を配設している。このように、鏡筒には、光学的ローパスフィルタ103を保持するスペースとして、光学ローパスフィルタ103の幅Wと同等の幅を有するフィルタ室102が必要となり、鏡筒全体のレイアウトに影響を与え、該鏡筒自体、ひいては撮像装置の小型化の弊害となっている。
【0007】
また、IRカットフィルタ自体が僅かながら屈折率を有するため、その移動に伴ってフィルタの屈折率をn、厚みをtとした時に、結像位置が下記式(1)にて求められる位置ずれ量(Δd)だけずれてしまう。
Δd=t(n−1)/n ・・・式(1)
【0008】
このような結像位置の位置ずれに際しては、フォーカスレンズで結像位置を補正するための機械構造的な余裕が必要であり、これも鏡筒設計だけでなく、光学設計の上でも小型化・部品点数の削減への弊害となっていた。
【0009】
そこで、本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、光学ローパスフィルタの保持構造を改良して小型化を達成する撮像光学系、及びこの撮像光学系を用いた撮像装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明に係る撮像光学系は、複数のレンズ群からなる撮像レンズと、該撮像レンズを通過した入射光の光束が受光面に入射される撮像素子と、上記入射光に含まれる赤外線をカットするフィルタとしての効果と、上記入射光に含まれる高周波成分を除去するフィルタとしての効果を持つフィルタ部材とを備えている。そして、フィルタ部材は、上記光束の光路上の位置と該光路から外れた位置とを移動可能に構成されるとともに、一の支持構造にて支持されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る撮像装置は、被写体を光としてとらえ、その光学像を電気信号に変換するカメラ機構部と、該カメラ機構部からの電気信号を電気的方法で処理し、情報信号として記録、及び情報信号の再生を行うビデオ機構部とを有するものであって、上記カメラ機構部が、複数のレンズ群からなる撮像レンズと、入射光の光束が受光面に入射される撮像素子と、上記入射光に含まれる赤外線をカットするフィルタとしての効果と、上記入射光に含まれる高周波成分を除去するフィルタとしての効果を持つフィルタ部材とを有する撮像光学系と、該撮像光学系が配される鏡筒とを備えてなる。そして、フィルタ部材は、上記光束の光路上の位置と該光路から外れた位置とを移動可能に構成されるとともに、一の支持構造にて上記鏡筒に対して支持されていることを特徴とする。
【0012】
上記フィルタ部材は、光学ローパスフィルタの一方主面に、上記入射光に含まれる赤外線をカットする効果を持つ薄膜を形成することで上記入射光に含まれる赤外線をカットするフィルタとしての効果と、上記入射光に含まれる高周波成分を除去するフィルタとしての効果を持つよう構成される。このフィルタ部材において形成される薄膜は、例えば蒸着することによって形成される。
【0013】
上述した構成を有する本発明に係る撮像光学系及び撮像装置は、フィルタ部材が、光学ローパスフィルタとしての効果と赤外線カットフィルタとしての効果とを有してなり、それが一の支持構造にて支持される。したがって、本発明によれば、従来の如く赤外線カットフィルタとは別に設けられた光学的ローパスフィルタを支持するための構造、スペースが不要となり、部品点数が削減されるため、製造コストが低減される。また、本発明によれば、上述の部品点数の削減の達成により、光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化が図られ、撮像光学系、ひいては撮像装置の小型化が可能となる。
【0014】
また、本発明によれば、上記フィルタ部材を、光学ローパスフィルタと、この光学ローパスフィルタに蒸着等して形成された薄膜とにより構成することで、従来赤外線カットフィルタの厚みによって生じていた結像位置の位置ずれが無くなって、この結像位置のずれを補正する構造等が不要となる。このため、部品点数が削減されるとともに、光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化がさらに図ることができ、撮像光学系、ひいては撮像装置の小型化が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る撮像光学系、及びこの撮像光学系を備える撮像装置の具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1は、第1の実施の形態に係る撮像光学系1であり、対物レンズを含む複数枚のレンズ群からなる撮像レンズ2と、この撮像レンズ2の結像面上に受光面を位置させた固体撮像素子(CCD)3と、これら撮像レンズ2と固体撮像素子3との間に配されるフィルタ部材4とを有している。
【0017】
上記撮像光学系1におけるフィルタ部材4は、入射光に含まれる高周波成分を除去するフィルタ、すなわち光学的ローパスフィルタとしての効果と、入射光に含まれる赤外線をカットするフィルタ、すなわちIRカットフィルタとしての効果とを持つよう構成されている。具体的には、フィルタ部材4は、一枚の複屈折板4aと、光束LFの入射面となる複屈折板4aの撮像レンズ2側の一方主面に形成された薄膜4bとからなる。複屈折板4aは、撮像光学系1内に入射した入射光の光束LFの不要な高周波成分を除去する光学的ローパスフィルタとして作用するものであり、例えば水晶板等からなる。また、薄膜4bは、入射光の光束LFの赤外線をカットするIRカットフィルタとして作用するものであり、上記複屈折板4aにおける光束LFの入射面に、例えばイオンアシスト法等によって蒸着されている。
【0018】
図2に上記フィルタ部材4の分光特性を示す。フィルタ部材4は、同図に示す分光特性のように、透過率が50%であるときの短波長側の波長値λts50と、透過率が50%であるときの長波長側の波長値λtl50との関係が、0.55≦(λts50/λtl50)≦0.66の条件を充足するよう構成されている。このため、固体撮像素子3に対して有害な紫外光をカットすることができ、また、通常撮影時に固体撮像素子3に到達する最良の光束LFの分光特性を得ることができるようになる。また、フィルタ部材4は、温度変化があった場合にも、上記イオンアシスト法等による蒸着を行うことで、蒸着膜密度を高くすることができ、また、膜自体の吸湿排湿効果を抑えることができる。このため、膜の屈折率が変化しなくなり、分光透過率特性の変化を抑えることができるようになる。これにより、λts50及びλtl50における波長値の変化が3nm以下に抑えられ、撮像時の色変化を無くすことが可能となる。
【0019】
また、上述のようにフィルタ部材4を、IRカットフィルタとしての効果を持つ薄膜4bを蒸着した複屈折板4aで構成することで、IRカットフィルタを単独で設けた場合に生じていた結像位置の位置ずれを無くすことができ、光学全長の伸びを防止することができる。このため、撮像光学系1では、光学系構成における省スペース化を図ることができ、小型化を実現することができるようになる。
【0020】
このような撮像光学系1は、周囲の光量に応じた撮影モードに切り換えて好適な被写体Oの撮影を可能とすべく、フィルタ部材4を光源LSから発せられ被写体Oに反射して撮像レンズ2を通過した光束LFの光路上の位置と、該光路から外れた位置とに移動可能な構成とされている。すなわち、撮像光学系1では、光学的ローパスフィルタとしての効果を持つ複屈折板4aと、IRカットフィルタとしての効果を持つ薄膜4bとが、一緒に上記光束LFの光路上の位置から該光路から外れた位置へと、及びその逆へと移動される。
【0021】
具体的には、フィルタ部材4は、昼間等のように周囲の光量が十分な明るい場所での撮影(以下、通常撮影と称する。)を行う場合と、夕暮時や屋内等のように十分な光量が得られない低照度撮影を行う場合とで、以下のような位置に配され、その位置に移動される。
【0022】
まず、フィルタ部材4は、通常撮影を行う場合においては、光束LFの光路上(図1中実線でフィルタ部材4が表されている(a)位置)に配置される。そして、撮像光学系1においては、通常撮影の場合には撮像光学系1内に入射する光束LFの光量が十分に存在することから、その入射光をフィルタ部材4における薄膜4bに透過させ、このIRカットフィルタとして作用する上記薄膜4bで入射光に含まれている赤外線をカットする。また、同時に、入射光をファイル部材4における複屈折板4aに透過させ、この光学的ローパスフィルタとして作用する上記複屈折板4aで入射光の不要な高周波成分を除去する。
【0023】
なお、上述したフィルタ部材4においては、複屈折板4aの厚さをT、常光線屈折率をno、異常光線屈折率をne、光束LFの入射角をθとしたとき、光束LFは、複屈折板4aの複屈折効果により、光束LFが任意の光軸方向に、下記式(2)にて求められる常光線・異常光線の任意の分離幅dで分離される。
【0024】
撮像光学系1では、上述のような通常撮影の場合、撮像レンズ2及びフィルタ部材4の双方を通過した光が、上記赤外線のカット及び高周波成分の除去を経てその撮影条件における理想的な光とされて固体撮像素子3の受光面に導かれ、これにより、固体撮像素子3の受光面における被写体Oの光学像を鮮明なものにすることができ、きれいな映像信号を得ることができる。
【0025】
これに対し、フィルタ部材4は、夕暮時や屋内等のように十分な光量が得られない低照度撮影を行う場合においては、上記通常撮影時における光束LFの光路上から移動され、該光路から外れた位置(図1中点線でフィルタ部材4が表されている(b)位置)に配置される。そして、撮像光学系1においては、低照度撮影の場合には撮像光学系1内に入射する光束LFの光量が少ないことから、光学系の感度を上げるために可視光だけでなく入射光に含まれる赤外線をも利用することで被写体Oの光学像を結像させる。
【0026】
撮像光学系1では、上述のような低照度撮影の場合、撮像レンズ2のみを通過し、低照度撮影時の画像として認識されるのに最適な赤外線が含まれた光が、その撮影条件における理想的な光として固体撮像素子3の受光面に導かれ、これにより、十分な光量が得られない際にも、固体撮像素子3の受光面における被写体Oの光学像を鮮明なものにすることができ、きれいな映像信号を得ることができる。
【0027】
そして、フィルタ部材4は、再度通常撮影を行う場合には、図1中(b)位置から上述した通常撮影を行う際の図1中(a)位置に配されるよう移動される。
【0028】
なお、撮像光学系1では、低照度撮影の場合、光学的ローパスフィルタとしての効果を持つ複屈折板4aとIRカットフィルタとしての効果を持つ薄膜4bとが一体に形成されているため、フィルタ部材4を移動させることによって、上述したように薄膜4aと一緒に複屈折板4aも光束LFの光路から外れた位置に移動してしまうことになる。しかしながら、低照度撮影時には、撮像光学系1に入射する光束LF全体の光量自体が少ないため、入射光に含まれる高周波成分が被写体Oの光学像結像の際に与える悪影響も小さい。したがって、低照度撮影に際しては、光束LFを光学的ローパスフィルタに透過させる必要性が希薄となるため、複屈折板4aを移動させた場合であっても光学像を鮮明なものにすることができ、きれいな映像信号を得ることができる。
【0029】
次に、上述したような構成の撮像光学系1が配設された本発明に係る撮像装置について説明する。上記撮像光学系1を有する撮像装置は、例えばビデオカメラ等であり、被写体を光としてとらえ、その光学像を電気信号に変換するカメラ機構部(詳しい図示は省略する。)と、このカメラ機構部からの電気信号を電気的方法で処理し、情報記録媒体、例えばテープ状記録媒体への情報信号として記録、及び情報信号の任意の再生を行うビデオ機構部(詳しい図示は省略する。)を備える。そして、上記撮像光学系1は、図3に示す鏡筒11内に配された状態でカメラ機構部を構成し、カメラ外装体内に配設されている。
【0030】
鏡筒11は、同図に示すように、撮像光学系1の撮像レンズ2を構成する前玉レンズ2aが固定される前鏡筒11aと、該前鏡筒11aに図示を省略する締結ビス等で固定される中間鏡筒11bと、同様に中間鏡筒11bに図示を省略する締結ビス等で固定される後部鏡筒11cとにより構成されている。中間鏡筒11bの側面には、ズーム移動枠を駆動するアクチュエータの構成部品であるヨーク12が保持されている。なお、この鏡筒11においては、前鏡筒11aを中間鏡筒11bに対して、上記締結ビス等による固定ではなく、図示を省略するコイルバネ等の弾性部材を挟んでアオリ調整ができるように保持されるよう構成するものであってもよい。
【0031】
なお、撮像装置を構成するビデオ機構部は、従来から公知の構成を有するものであり、例えば磁気テープ等の情報記録媒体が収納されたカセットテープが着脱されるメカデッキと、このメカデッキ等を駆動して磁気テープを回転ドラムに巻き付けるローディング機構と、回転ドラムに設けられる磁気ヘッドを用いて磁気テープに対して情報信号を記録し或いは予め記録されている情報信号を再生する等の制御を行うためのビデオ回路等から構成されている。また、撮像光学系1及びこの撮像光学系1を収納する鏡筒11以外のカメラ機構部も同様に、従来から公知の構成を有するものである。
【0032】
撮像装置にあっては、図4に示すように、上述した構成の鏡筒11内において、前鏡筒11a及び中間鏡筒11bに上記前玉レンズ2aを含む撮像レンズ2が同じ中心軸上に位置するよう配列して配され、また、後部鏡筒11cにフィルタ部材4と、このフィルタ部材4を保持するホルダ13と、該ホルダ13ごとフィルタ部材4を移動させるレバー14とが配設される。このように、撮像装置では、撮像レンズ2よりも光束LFの入射方向後段側に位置してフィルタ部材4が配設される。さらに、撮像装置においては、撮像光学系1を構成する固体撮像素子3が、同図に示すように、受光面上に光学的ローパスフィルタ15が設けられるとともに、シールゴム16を介して後部鏡筒11cに取り付けられる。この固体撮像素子3の取り付けは、固体撮像素子3及び該固体撮像素子3と電気的に接続された基板17を接着等によって保持する板金18を、後部筐体11cにビス等でとめる等の方法により行われる。
【0033】
このような鏡筒11におけるフィルタ部材4の支持構造について説明する。フィルタ部材4は、図5に示すように、ホルダ13に設けられたロ字状のフレーム13aに嵌め込まれて保持される。このように、フィルタ部材4を保持したホルダ13は、図4に示すように、該ホルダ13の一側上端に形成された連結部13bを、レバー14の一端部に形成された連結孔部14aに挿通することで、レバー14と連結される。そして、フィルタ部材4を保持し且つレバー14と連結されたホルダ13を、同図及び図6に示すように、後部鏡筒11cに形成されたスライド溝19に嵌合させる。このとき、レバー14を後部鏡筒11cに形成された切り欠き20に位置させるとともに、後述するレバー14の回動中心となる孔部14bに後部鏡筒11cの軸部21が挿通される。
【0034】
このように、撮像装置においては、上述したように撮像光学系1においてフィルタ部材4が、光学ローパスフィルタとして作用する複屈折板4aとIRカットフィルタとして作用する薄膜4bとが一体として構成されており、それが一の支持構造にて鏡筒11に対して支持されているため、従来の如くIRカットフィルタとは別に設けられた光学的ローパスフィルタを支持するための構造、スペースが不要となる。したがって、撮像光学系1、及びこの撮像光学系1を用いた撮像装置において、部品点数を削減することができ、これにより製造コストの削減、及び光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化を達成することができる。そして、上述の光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化によって、撮像光学系1や撮像装置の小型化をも達成することができる。
【0035】
また、本実施形態では、複屈折板4aに蒸着した薄膜4bにIRカットフィルタとしての効果を持たせることで、IRカットフィルタを単独で設けていた場合に生じていた結像位置の位置ずれが無くなり、この結像位置のずれを補正する構造等が不要となる。このため、撮像光学系1及びこれを用いた撮像装置では、部品点数を削減することができるとともに、光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化をより実現することができ、さらなる小型化、軽量化を達成することができるようになる。
【0036】
上述した構成の撮像光学系1を有する撮像装置では、鏡筒11外に突出したレバー14を図6中矢印A1、A2方向に操作することによって、撮影条件に応じたフィルタ部材4の移動を行うことができる。撮像装置においては、矢印A1方向にレバー14を操作すると、軸部21に挿通された孔部14bを中心にレバー14が回動することによって、ホルダ13が連結部13bを介して引き上げられ、同図中矢印B1方向にスライドする。この結果、ホルダ13に嵌合されたフィルタ部材4も同方向に移動し、ファイル部材4が光束LFの光路から外れた位置(図1中(b)位置)に配置される。また、矢印A2方向にレバー14を操作すると、ホルダ13が連結部13bを介して押し下げられ、同図中矢印B2方向にスライドする。この結果、ホルダ13に嵌合されたフィルタ部材4も同方向に移動し、ファイル部材4が光束LFの光路上の位置(図1中(a)位置)に配置される。撮像装置は、上述したような操作を行うことによって、撮影条件に応じてフィルタ部材4を配置させ、通常撮影モードから低照度撮影モードへの切り換え、或いはその逆への切り換えが行われる。
【0037】
以上、複屈折板4aにIRカットフィルタとしての効果を持つ薄膜4bを蒸着することで光学ローパスフィルタとしての効果とIRカットフィルタとしての効果を持つフィルタ部材4を有する実施の形態に関し説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。以下、本発明の他の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、第1の実施の形態たる撮像光学系1と同じ部材が用いられている場合については同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0038】
図7は、第2の実施の形態に係る撮像光学系31であり、撮像レンズ2と、固体撮像素子(CCD)3と、これら撮像レンズ2と固体撮像素子3との間に配されるフィルタ部材32とを有している。また、撮像光学系31にあっては、フィルタ部材32と固体撮像素子3との間に、後述する第1のローパスフィルタとは異なって可動式とされていない、換言すると例えば撮像装置における鏡筒に固定された第2の光学ローパスフィルタ33が配設されている。
【0039】
そして、フィルタ部材32は、光学的ローパスフィルタとしての効果を持つ第1の光学ローパスフィルタ32aと、IRカットフィルタとしての効果を持ち且つ上記第1の光学ローパスフィルタ32aに蒸着されてなる薄膜32bとから構成されている。第1の光学ローパスフィルタ32aは、多層構造を有し、例えば2枚以上の複屈折板等からなる。
【0040】
上述した構成のフィルタ部材32は、撮像レンズ2を通過した光束LFの光路上の位置と、該光路から外れた位置とに移動可能な構成とされている。具体的には、フィルタ部材32は、通常撮影を行う場合においては、光束LFの光路上(図7中実線でフィルタ部材32が表されている(c)位置)に配置される。また、フィルタ部材32は、低照度撮影を行う場合においては、上記通常撮影時における光束LFの光路上から移動され、該光路から外れた位置(図7中点線でフィルタ部材32が表されている(d)位置)に配置される。
【0041】
このようなフィルタ部材32を有する撮像光学系31にあっては、フィルタ部材32を適宜移動させることによって、通常撮影時には赤外線がカットされ且つ不要な高周波成分が除去された光が、また、低照度撮影時には赤外線のカットも不要な高周波成分の除去も行われていない光が、各撮影条件における理想的な光として固定された第2の光学的ローパスフィルタ33を通過して、固体撮像素子3の受光面に導かれる。そして、固体撮像素子3の受光面における被写体の光学像を鮮明なものにして、きれいな映像信号を得ることができるようになる。このとき、上述した構成の撮像光学系31では、第1及び第2の光学的ローパスフィルタ32a、33によって、光束LFの分離パターンを操作することができる。例えば、第1の光学ローパスフィルタ32aが(d)位置にあるときには、図8(a)に示すような分離パターンで、第2の光学ローパスフィルタ33が(c)位置にあるときには、同図(b)に示すような分離パターンで光束LFを分離させ、不要な高周波成分の除去が行われる。
【0042】
上述の撮像光学系31にあっては、第1の実施形態に係る撮像光学系1と同様に図3に示す鏡筒11を有する撮像装置に適用することができる。したがって、撮像光学系31は、一の支持構造にて第1の光学ローパスフィルタ32aと薄膜32bとからなるフィルタ部材32が鏡筒に支持されるため、部品点数の削減や、これによる製造コストの削減、及び光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化を達成することができる。そして、上述の光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化によって、撮像光学系31を用いた撮像装置の小型化をも達成することができる。また、蒸着した薄膜4bにIRカットフィルタとしての効果を持たせることで、さらなる小型化、軽量化を達成することができる。
【0043】
図9は、第3の実施の形態に係る撮像光学系41であり、撮像レンズ2と、固体撮像素子(CCD)3と、これら撮像レンズ2と固体撮像素子3との間に配されるフィルタ部材42とを有している。また、撮像光学系41にあっては、撮像レンズ2とフィルタ部材32との間に、例えば撮像装置における鏡筒に固定された第2の光学ローパスフィルタ43が配設されている。
【0044】
そして、フィルタ部材42は、光学的ローパスフィルタとしての効果を持ち且つ多層構造を有する第1の光学ローパスフィルタ42aと、IRカットフィルタ42bとから構成されている。これら第1の光学ローパスフィルタ42aとIRカットフィルタ42bとは、それぞれ構成上別個に形成されているが、一の支持構造により、例えば撮像装置における鏡筒に支持されている。なお、上記IRカットフィルタ42bは、従来から公知の構成のものが用いられる。
【0045】
上述した構成のフィルタ部材42は、第1の光学ローパスフィルタ42aとIRカットフィルタ42bとが構成上別個のものであるが、一の支持構造により支持されているため、双方が同期して光束LFの光路上の位置と、該光路から外れた位置とに移動可能な構成とされている。具体的には、フィルタ部材42は、通常撮影を行う場合においては、光束LFの光路上(図9中実線でフィルタ部材42が表されている(e)位置)に配置され、また、低照度撮影を行う場合においては、光束LFの光路から外れた位置(図9中点線でフィルタ部材42が表されている(f)位置)に配置される。
【0046】
このようなフィルタ部材42を有する撮像光学系41にあっては、フィルタ部材42を適宜移動させることによって、固定された第2の光学的ローパスフィルタ43を通過した光が、各撮影条件における理想的な光として固体撮像素子3の受光面に導かれる。そして、固体撮像素子3の受光面における被写体の光学像を鮮明なものにして、きれいな映像信号を得ることができるようになる。なお、本実施の形態にあっても、上記第2の実施の形態における撮像光学系31と同様に、第1の光学的ローパスフィルタ42a及びIRカットフィルタ43によって、光束LFの分離パターンを操作することができる。
【0047】
上述の撮像光学系41にあっては、第1の実施形態に係る撮像光学系1と同様に図3に示す鏡筒11を有する撮像装置に適用することができる。したがって、撮像光学系41は、一の支持構造にて第1の光学ローパスフィルタ42aとIRカットフィルタ42bとからなるフィルタ部材42が鏡筒に支持されるため、部品点数の削減や、これによる製造コストの削減、及び光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化を達成することができる。そして、上述の光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化によって、撮像光学系41を用いた撮像装置の小型化をも達成することができる。
【0048】
また、IRカットフィルタ42bを独立して設けることで、第1の光学ローパスフィルタ42aと離間してIRカットフィルタ42bを配することができるようになり、撮像光学系41、及びこの撮像光学系41を用いた撮像装置における設計の自由度が向上する。
【0049】
図10は、第4の実施の形態に係る撮像光学系51であり、撮像レンズ2と、固体撮像素子(CCD)3と、これら撮像レンズ2と固体撮像素子3との間に配されるフィルタ部材52とを有している。また、撮像光学系51にあっては、撮像レンズ2とフィルタ部材52との間に、例えば撮像装置における鏡筒に固定された第2の光学ローパスフィルタ53が配設されている。
【0050】
そして、フィルタ部材52は、その一部にのみIRカットフィルタとしての効果と光学的ローパスフィルタとしての効果を持ち、他の部位は光学的ローパスフィルタ(第1の光学ローパスフィルタ)としての効果のみを持つよう構成されている。具体的には、フィルタ部材52は、例えば同図に示すように、複屈折板52aの一部にIRカットフィルタとしての効果を持つ薄膜52bが蒸着され、他の部位には複屈折板52aが露呈している構成とされている。なお、同図にあっては、フィルタ部材52において、薄膜52b形成状態を分かりやすくするために、薄膜52bに厚みを持たせて記載しているため、複屈折板52aのみの部分と、複屈折板52a及び薄膜52bからなる部分とで厚みが異なって表されているが、実際には両者の厚みには変化がない。
【0051】
上述した構成のフィルタ部材52は、通常撮影を行う場合においては、光束LFの光路上(図10中実線でフィルタ部材52が表されている(g)位置)に薄膜52bが蒸着された部位が位置するよう配され、また、低照度撮影を行う場合においては、光束LFの光路から外れた位置(図10中点線でフィルタ部材52が表されている(h)位置)に薄膜52bが蒸着された部位が位置するよう配されるとともに光束LFの光路上には複屈折板52aが露呈している部位が来るよう配置される。
【0052】
このようなフィルタ部材52を有する撮像光学系51にあっては、フィルタ部材52を適宜移動させることによって、固定された第2の光学的ローパスフィルタ53を通過した光が、各撮影条件における理想的な光として固体撮像素子3の受光面に導かれる。そして、固体撮像素子3の受光面における被写体の光学像を鮮明なものにして、きれいな映像信号を得ることができるようになる。
【0053】
上述の撮像光学系51にあっては、第1の実施形態に係る撮像光学系1と同様に図3に示す鏡筒11を有する撮像装置に適用することができる。したがって、撮像光学系51は、一の支持構造にて複屈折板52aとIRカットフィルタ52bとからなるフィルタ部材52が鏡筒に支持されるため、部品点数の削減や、これによる製造コストの削減、及び光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化を達成することができる。そして、上述の光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化によって、撮像光学系51を用いた撮像装置の小型化をも達成することができる。
【0054】
また、撮像光学系51にあっては、低照度撮影時においても上記各実施の形態の如くフィルタ部材52の全体が光束LFの光路上から外れずに、通常撮影時に光束LFが透過する部分と厚みが変化していない複屈折板52aのみの部位が残存するため、通常撮影時と低照度撮影時に光学ローパスフィルタの効果と光学長とを変化させることなく切換を行うことができるようになる。
【0055】
なお、フィルタ部材52は、上述した構成に限定されるものではなく、該フィルタ部材52の一部にのみIRカットフィルタとしての効果を持たせ、IRカットフィルタとしての効果を持つ部分と持たない部分とで厚みの変化がないよう構成されていればよい。例えば図11(a)及び(b)に示すように、フィルタ部材52を、光学的ローパスフィルタ52cと、光学ローパスフィルタとしての効果をも有するIRカットフィルタ52dとで構成し、同じ厚さのこれらを接続したものであってもよく、また、同図(c)及び(d)に示すように、光学ローパスフィルタ52eの一部にIRカットフィルタ52fを埋め込んで、全体が同じ厚さになるよう構成してもよい。さらには、同図(e)及び(f)に示すように、光学ローパスフィルタとしての効果のみを持つ第1のフィルタ52gと、該第1のフィルタ52gと別個のフィルタであり且つ光学ローパスフィルタとIRカットフィルタとしての効果を持つ第2のフィルタ52hとにより構成するものであってもよい。なお、第1のフィルタ52gと第2のフィルタ52hからなる場合であっても、これらは一の支持構造により、例えば撮像装置の鏡筒に支持されて移動可能な構成とされる。また、第1のフィルタ52gと第2のフィルタ52hにあっても、上述した図10に示すフィルタ部材52と同様の理由により、実際には両者の厚みには変化がない。
【0056】
図12は、第5の実施の形態に係る撮像光学系61であり、撮像レンズ2と、固体撮像素子(CCD)3と、これら撮像レンズ2と固体撮像素子3との間に配され且つ光学ローパスフィルタ62aにIRカットフィルタとしての効果を有する薄膜62aが蒸着されてなるフィルタ部材62とを有している。また、撮像光学系61にあっては、フィルタ部材62と固体撮像素子3との間に、例えば撮像装置における鏡筒に固定された第2の光学ローパスフィルタ63が配設されている。上記フィルタ部材62は、通常撮影を行う場合においては、光束LFの光路上(図12中実線でフィルタ部材62が表されている(i)位置)に位置するよう配され、また、低照度撮影を行う場合においては、光束LFの光路から外れた位置(図12中点線でフィルタ部材62が表されている(j)位置)に位置するよう配される。
【0057】
そして、上記固定された第2の光学ローパスフィルタ63の固体撮像素子3側の主面には紫外線カット効果を持つ薄膜64が形成されている。このように、紫外線カット効果を持つ薄膜64を固定された第2の光学ローパスフィルタ63に設けることで、有害な紫外線による固体撮像素子3の劣化を防ぐことができるようになる。なお、本実施形態においては、上述したような薄膜64を形成するものではなく、紫外線カット効果を持つ材質によるフィルタを第2の光学ローパスフィルタ63に使用してもよく、また、移動可能に構成されたフィルタ部材62側に紫外線カット効果を持たせるよう構成してもよい。
【0058】
上述の撮像光学系61にあっては、第1の実施形態に係る撮像光学系1と同様に図3に示す鏡筒11を有する撮像装置に適用することができる。したがって、撮像光学系61は、一の支持構造にて光学ローパスフィルタとIRカットフィルタとしての効果を持つフィルタ部材62が鏡筒に支持されるため、部品点数の削減や、これによる製造コストの削減、及び光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化を達成することができる。そして、上述の光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化によって、撮像光学系61を用いた撮像装置の小型化をも達成することができる。また、撮像光学系61内に紫外線カット効果を持たせることで、撮像素子の信頼性を確保することができるようになる。また、この紫外線カット効果を持たせることを薄膜64の蒸着によって行うことで、部品点数の削減をも達成することができる。さらに、紫外線カット効果を持つ材質によるフィルタを第2の光学ローパスフィルタ63に使用した場合には、紫外線カット効果を有するフィルタの鏡筒における設計の自由度を確保することができる。
【0059】
なお、上述した各実施の形態にあっては、1枚の複屈折板、或いは多層構造を有する光学ローパスフィルタと、IRカットフィルタとしての効果を有する薄膜等によって本発明のフィルタ部材を構成しているが、このような構成に限定されるものではなく、例えば図13(a)に示すように、無機材料又は有機材料からなる基板材71の一方主面に光学ローパスフィルタの効果を持つ薄膜72を形成するとともに、他方主面にIRカットフィルタの効果を持つ薄膜73を形成してフィルタ部材を構成するようにしてもよい。また、同図(b)に示すように、無機材料又は有機材料からなる基板材81の一方主面に、光学ローパスフィルタの効果を持つ薄膜82とIRカットフィルタの効果を持つ薄膜83とを積層させて構成するようにしてもよい。本発明のフィルタ部材をこのように構成することで、基板材71、81の厚みを任意に調整することでフィルタ部材自体の厚みを変化させ、フィルタ設計の自由度を確保することができるようになる。
【0060】
また、本発明は、上述した各実施形態にて説明した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【0061】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、従来の如く赤外線カットフィルタとは別に設けられた光学的ローパスフィルタを支持するための構造、スペースが不要となり、部品点数を削減することができ、これにより、製造コストを低減させることができる。また、本発明によれば、上述の部品点数の削減によって、光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化が図られ、撮像光学系、ひいては撮像装置を小型化することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る撮像光学系の概略構成を示す図である。
【図2】同撮像光学系における分光特性を示す特性図である。
【図3】同撮像光学系が配された撮像装置における鏡筒の斜視図である。
【図4】鏡筒内における撮像光学系の配列状態を説明するための分解斜視図である。
【図5】フィルタ部材とホルダの分解斜視図である。
【図6】ホルダ及びレバーが配設された後部鏡筒の斜視図である。
【図7】第2の実施の形態に係る撮像光学系の概略構成を示す図である。
【図8】同撮像光学系における光束の分離パターンを説明するための図である。
【図9】第3の実施の形態に係る撮像光学系の概略構成を示す図である。
【図10】第4の実施の形態に係る撮像光学系の概略構成を示す図である。
【図11】同撮像光学系におけるフィルタ部材の構成例を示す図である。
【図12】第5の実施の形態に係る撮像光学系の概略構成を示す図である。
【図13】各実施形態におけるフィルタ部材の他の構成例を示す図である。
【図14】従来の撮像装置における光学ローパスフィルタの保持状態を説明するための図であり、該光学ローパスフィルタを保持する後部鏡筒の一部を断裂して示す図である。
【図15】同撮像装置の後部鏡筒の縦断面図である。
【符号の説明】
1 撮像光学系,2 撮像レンズ,3 固体撮像素子,4 フィルタ部材,4a 複屈折板,4b 薄膜,11 鏡筒,11a 前鏡筒,11b 中間鏡筒,11c 後部鏡筒,12 ヨーク,13 ホルダ,14 レバー,15 光学的ローパスフィルタ,16 シールゴム,17 基板,18 板金,19 スライド溝,20切り欠き,21 軸部
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のレンズ群と撮像素子とからなる撮像光学系及びこの撮像光学系を用いた撮像装置に関し、さらに詳しくは入射光の光路上に配され、該入射光に含まれる赤外線のカットや高周波成分の除去を行うフィルタ部材の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ビデオカメラ等の撮像装置においては、撮像する画像を高解像にするとともに、サイズを小型化する要求が高まっている。この要求に答えるべく、固体撮像素子として高密度CCD(Charge Coupled Device(電荷結合素子))を搭載するとともに、レンズを小型化するなどして、光学系自体の小型化することが提案されている。
【0003】
ところで、上述したような従来の撮像装置において、固体撮像素子にCCDを用いた場合には、色偽信号やモアレ縞等の発生を防止するために、入射光内の不要な高周波成分を除去する光学的ローパスフィルタが配設されている。また、低照度撮影機能を有する撮像装置にあっては、入射光内の赤外線を吸収若しくは反射して、長波長域で感度が高い固体撮像素子固有の感度特性を補正する赤外カットフィルタ(以下、IRカットフィルタと称する。)が配設されている。
【0004】
撮像装置においては、夕暮れ時や屋内での撮影のように撮影に際して十分な光量が得られない場合、上述したフィルタのうちIRカットフィルタに入射光を透過させ赤外線をカットすることで、より光量が不足してしまい被写体の鮮明な光学像を得ることができなくなってしまう。そこで、例えば下記特許文献1記載の発明の如く、IRカットフィルタを入射光の光路から外れた位置に移動させるための切り替え機構を持ち、撮影に際して十分な光量が得られない場合には、IRカットフィルタを入射光の光路外に移動させ、赤外線を含んだ光を撮像素子に受光させる撮像装置が提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−125852号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1記載の撮像装置では、切り替え機構にはIRカットフィルタのみが保持され、このIRカットフィルタの移動のみが可能なよう構成されており、高周波成分除去のための光学ローパスフィルタは別個に鏡筒内に保持する必要があった。鏡筒内に光学ローパスフィルタを保持する場合、例えば図14及び図15に示すように、鏡筒を構成する後部鏡筒101にフィルタ室102を設け、該フィルタ室102に光学ローパスフィルタ103を配設している。このように、鏡筒には、光学的ローパスフィルタ103を保持するスペースとして、光学ローパスフィルタ103の幅Wと同等の幅を有するフィルタ室102が必要となり、鏡筒全体のレイアウトに影響を与え、該鏡筒自体、ひいては撮像装置の小型化の弊害となっている。
【0007】
また、IRカットフィルタ自体が僅かながら屈折率を有するため、その移動に伴ってフィルタの屈折率をn、厚みをtとした時に、結像位置が下記式(1)にて求められる位置ずれ量(Δd)だけずれてしまう。
Δd=t(n−1)/n ・・・式(1)
【0008】
このような結像位置の位置ずれに際しては、フォーカスレンズで結像位置を補正するための機械構造的な余裕が必要であり、これも鏡筒設計だけでなく、光学設計の上でも小型化・部品点数の削減への弊害となっていた。
【0009】
そこで、本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、光学ローパスフィルタの保持構造を改良して小型化を達成する撮像光学系、及びこの撮像光学系を用いた撮像装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明に係る撮像光学系は、複数のレンズ群からなる撮像レンズと、該撮像レンズを通過した入射光の光束が受光面に入射される撮像素子と、上記入射光に含まれる赤外線をカットするフィルタとしての効果と、上記入射光に含まれる高周波成分を除去するフィルタとしての効果を持つフィルタ部材とを備えている。そして、フィルタ部材は、上記光束の光路上の位置と該光路から外れた位置とを移動可能に構成されるとともに、一の支持構造にて支持されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る撮像装置は、被写体を光としてとらえ、その光学像を電気信号に変換するカメラ機構部と、該カメラ機構部からの電気信号を電気的方法で処理し、情報信号として記録、及び情報信号の再生を行うビデオ機構部とを有するものであって、上記カメラ機構部が、複数のレンズ群からなる撮像レンズと、入射光の光束が受光面に入射される撮像素子と、上記入射光に含まれる赤外線をカットするフィルタとしての効果と、上記入射光に含まれる高周波成分を除去するフィルタとしての効果を持つフィルタ部材とを有する撮像光学系と、該撮像光学系が配される鏡筒とを備えてなる。そして、フィルタ部材は、上記光束の光路上の位置と該光路から外れた位置とを移動可能に構成されるとともに、一の支持構造にて上記鏡筒に対して支持されていることを特徴とする。
【0012】
上記フィルタ部材は、光学ローパスフィルタの一方主面に、上記入射光に含まれる赤外線をカットする効果を持つ薄膜を形成することで上記入射光に含まれる赤外線をカットするフィルタとしての効果と、上記入射光に含まれる高周波成分を除去するフィルタとしての効果を持つよう構成される。このフィルタ部材において形成される薄膜は、例えば蒸着することによって形成される。
【0013】
上述した構成を有する本発明に係る撮像光学系及び撮像装置は、フィルタ部材が、光学ローパスフィルタとしての効果と赤外線カットフィルタとしての効果とを有してなり、それが一の支持構造にて支持される。したがって、本発明によれば、従来の如く赤外線カットフィルタとは別に設けられた光学的ローパスフィルタを支持するための構造、スペースが不要となり、部品点数が削減されるため、製造コストが低減される。また、本発明によれば、上述の部品点数の削減の達成により、光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化が図られ、撮像光学系、ひいては撮像装置の小型化が可能となる。
【0014】
また、本発明によれば、上記フィルタ部材を、光学ローパスフィルタと、この光学ローパスフィルタに蒸着等して形成された薄膜とにより構成することで、従来赤外線カットフィルタの厚みによって生じていた結像位置の位置ずれが無くなって、この結像位置のずれを補正する構造等が不要となる。このため、部品点数が削減されるとともに、光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化がさらに図ることができ、撮像光学系、ひいては撮像装置の小型化が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る撮像光学系、及びこの撮像光学系を備える撮像装置の具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1は、第1の実施の形態に係る撮像光学系1であり、対物レンズを含む複数枚のレンズ群からなる撮像レンズ2と、この撮像レンズ2の結像面上に受光面を位置させた固体撮像素子(CCD)3と、これら撮像レンズ2と固体撮像素子3との間に配されるフィルタ部材4とを有している。
【0017】
上記撮像光学系1におけるフィルタ部材4は、入射光に含まれる高周波成分を除去するフィルタ、すなわち光学的ローパスフィルタとしての効果と、入射光に含まれる赤外線をカットするフィルタ、すなわちIRカットフィルタとしての効果とを持つよう構成されている。具体的には、フィルタ部材4は、一枚の複屈折板4aと、光束LFの入射面となる複屈折板4aの撮像レンズ2側の一方主面に形成された薄膜4bとからなる。複屈折板4aは、撮像光学系1内に入射した入射光の光束LFの不要な高周波成分を除去する光学的ローパスフィルタとして作用するものであり、例えば水晶板等からなる。また、薄膜4bは、入射光の光束LFの赤外線をカットするIRカットフィルタとして作用するものであり、上記複屈折板4aにおける光束LFの入射面に、例えばイオンアシスト法等によって蒸着されている。
【0018】
図2に上記フィルタ部材4の分光特性を示す。フィルタ部材4は、同図に示す分光特性のように、透過率が50%であるときの短波長側の波長値λts50と、透過率が50%であるときの長波長側の波長値λtl50との関係が、0.55≦(λts50/λtl50)≦0.66の条件を充足するよう構成されている。このため、固体撮像素子3に対して有害な紫外光をカットすることができ、また、通常撮影時に固体撮像素子3に到達する最良の光束LFの分光特性を得ることができるようになる。また、フィルタ部材4は、温度変化があった場合にも、上記イオンアシスト法等による蒸着を行うことで、蒸着膜密度を高くすることができ、また、膜自体の吸湿排湿効果を抑えることができる。このため、膜の屈折率が変化しなくなり、分光透過率特性の変化を抑えることができるようになる。これにより、λts50及びλtl50における波長値の変化が3nm以下に抑えられ、撮像時の色変化を無くすことが可能となる。
【0019】
また、上述のようにフィルタ部材4を、IRカットフィルタとしての効果を持つ薄膜4bを蒸着した複屈折板4aで構成することで、IRカットフィルタを単独で設けた場合に生じていた結像位置の位置ずれを無くすことができ、光学全長の伸びを防止することができる。このため、撮像光学系1では、光学系構成における省スペース化を図ることができ、小型化を実現することができるようになる。
【0020】
このような撮像光学系1は、周囲の光量に応じた撮影モードに切り換えて好適な被写体Oの撮影を可能とすべく、フィルタ部材4を光源LSから発せられ被写体Oに反射して撮像レンズ2を通過した光束LFの光路上の位置と、該光路から外れた位置とに移動可能な構成とされている。すなわち、撮像光学系1では、光学的ローパスフィルタとしての効果を持つ複屈折板4aと、IRカットフィルタとしての効果を持つ薄膜4bとが、一緒に上記光束LFの光路上の位置から該光路から外れた位置へと、及びその逆へと移動される。
【0021】
具体的には、フィルタ部材4は、昼間等のように周囲の光量が十分な明るい場所での撮影(以下、通常撮影と称する。)を行う場合と、夕暮時や屋内等のように十分な光量が得られない低照度撮影を行う場合とで、以下のような位置に配され、その位置に移動される。
【0022】
まず、フィルタ部材4は、通常撮影を行う場合においては、光束LFの光路上(図1中実線でフィルタ部材4が表されている(a)位置)に配置される。そして、撮像光学系1においては、通常撮影の場合には撮像光学系1内に入射する光束LFの光量が十分に存在することから、その入射光をフィルタ部材4における薄膜4bに透過させ、このIRカットフィルタとして作用する上記薄膜4bで入射光に含まれている赤外線をカットする。また、同時に、入射光をファイル部材4における複屈折板4aに透過させ、この光学的ローパスフィルタとして作用する上記複屈折板4aで入射光の不要な高周波成分を除去する。
【0023】
なお、上述したフィルタ部材4においては、複屈折板4aの厚さをT、常光線屈折率をno、異常光線屈折率をne、光束LFの入射角をθとしたとき、光束LFは、複屈折板4aの複屈折効果により、光束LFが任意の光軸方向に、下記式(2)にて求められる常光線・異常光線の任意の分離幅dで分離される。
【0024】
撮像光学系1では、上述のような通常撮影の場合、撮像レンズ2及びフィルタ部材4の双方を通過した光が、上記赤外線のカット及び高周波成分の除去を経てその撮影条件における理想的な光とされて固体撮像素子3の受光面に導かれ、これにより、固体撮像素子3の受光面における被写体Oの光学像を鮮明なものにすることができ、きれいな映像信号を得ることができる。
【0025】
これに対し、フィルタ部材4は、夕暮時や屋内等のように十分な光量が得られない低照度撮影を行う場合においては、上記通常撮影時における光束LFの光路上から移動され、該光路から外れた位置(図1中点線でフィルタ部材4が表されている(b)位置)に配置される。そして、撮像光学系1においては、低照度撮影の場合には撮像光学系1内に入射する光束LFの光量が少ないことから、光学系の感度を上げるために可視光だけでなく入射光に含まれる赤外線をも利用することで被写体Oの光学像を結像させる。
【0026】
撮像光学系1では、上述のような低照度撮影の場合、撮像レンズ2のみを通過し、低照度撮影時の画像として認識されるのに最適な赤外線が含まれた光が、その撮影条件における理想的な光として固体撮像素子3の受光面に導かれ、これにより、十分な光量が得られない際にも、固体撮像素子3の受光面における被写体Oの光学像を鮮明なものにすることができ、きれいな映像信号を得ることができる。
【0027】
そして、フィルタ部材4は、再度通常撮影を行う場合には、図1中(b)位置から上述した通常撮影を行う際の図1中(a)位置に配されるよう移動される。
【0028】
なお、撮像光学系1では、低照度撮影の場合、光学的ローパスフィルタとしての効果を持つ複屈折板4aとIRカットフィルタとしての効果を持つ薄膜4bとが一体に形成されているため、フィルタ部材4を移動させることによって、上述したように薄膜4aと一緒に複屈折板4aも光束LFの光路から外れた位置に移動してしまうことになる。しかしながら、低照度撮影時には、撮像光学系1に入射する光束LF全体の光量自体が少ないため、入射光に含まれる高周波成分が被写体Oの光学像結像の際に与える悪影響も小さい。したがって、低照度撮影に際しては、光束LFを光学的ローパスフィルタに透過させる必要性が希薄となるため、複屈折板4aを移動させた場合であっても光学像を鮮明なものにすることができ、きれいな映像信号を得ることができる。
【0029】
次に、上述したような構成の撮像光学系1が配設された本発明に係る撮像装置について説明する。上記撮像光学系1を有する撮像装置は、例えばビデオカメラ等であり、被写体を光としてとらえ、その光学像を電気信号に変換するカメラ機構部(詳しい図示は省略する。)と、このカメラ機構部からの電気信号を電気的方法で処理し、情報記録媒体、例えばテープ状記録媒体への情報信号として記録、及び情報信号の任意の再生を行うビデオ機構部(詳しい図示は省略する。)を備える。そして、上記撮像光学系1は、図3に示す鏡筒11内に配された状態でカメラ機構部を構成し、カメラ外装体内に配設されている。
【0030】
鏡筒11は、同図に示すように、撮像光学系1の撮像レンズ2を構成する前玉レンズ2aが固定される前鏡筒11aと、該前鏡筒11aに図示を省略する締結ビス等で固定される中間鏡筒11bと、同様に中間鏡筒11bに図示を省略する締結ビス等で固定される後部鏡筒11cとにより構成されている。中間鏡筒11bの側面には、ズーム移動枠を駆動するアクチュエータの構成部品であるヨーク12が保持されている。なお、この鏡筒11においては、前鏡筒11aを中間鏡筒11bに対して、上記締結ビス等による固定ではなく、図示を省略するコイルバネ等の弾性部材を挟んでアオリ調整ができるように保持されるよう構成するものであってもよい。
【0031】
なお、撮像装置を構成するビデオ機構部は、従来から公知の構成を有するものであり、例えば磁気テープ等の情報記録媒体が収納されたカセットテープが着脱されるメカデッキと、このメカデッキ等を駆動して磁気テープを回転ドラムに巻き付けるローディング機構と、回転ドラムに設けられる磁気ヘッドを用いて磁気テープに対して情報信号を記録し或いは予め記録されている情報信号を再生する等の制御を行うためのビデオ回路等から構成されている。また、撮像光学系1及びこの撮像光学系1を収納する鏡筒11以外のカメラ機構部も同様に、従来から公知の構成を有するものである。
【0032】
撮像装置にあっては、図4に示すように、上述した構成の鏡筒11内において、前鏡筒11a及び中間鏡筒11bに上記前玉レンズ2aを含む撮像レンズ2が同じ中心軸上に位置するよう配列して配され、また、後部鏡筒11cにフィルタ部材4と、このフィルタ部材4を保持するホルダ13と、該ホルダ13ごとフィルタ部材4を移動させるレバー14とが配設される。このように、撮像装置では、撮像レンズ2よりも光束LFの入射方向後段側に位置してフィルタ部材4が配設される。さらに、撮像装置においては、撮像光学系1を構成する固体撮像素子3が、同図に示すように、受光面上に光学的ローパスフィルタ15が設けられるとともに、シールゴム16を介して後部鏡筒11cに取り付けられる。この固体撮像素子3の取り付けは、固体撮像素子3及び該固体撮像素子3と電気的に接続された基板17を接着等によって保持する板金18を、後部筐体11cにビス等でとめる等の方法により行われる。
【0033】
このような鏡筒11におけるフィルタ部材4の支持構造について説明する。フィルタ部材4は、図5に示すように、ホルダ13に設けられたロ字状のフレーム13aに嵌め込まれて保持される。このように、フィルタ部材4を保持したホルダ13は、図4に示すように、該ホルダ13の一側上端に形成された連結部13bを、レバー14の一端部に形成された連結孔部14aに挿通することで、レバー14と連結される。そして、フィルタ部材4を保持し且つレバー14と連結されたホルダ13を、同図及び図6に示すように、後部鏡筒11cに形成されたスライド溝19に嵌合させる。このとき、レバー14を後部鏡筒11cに形成された切り欠き20に位置させるとともに、後述するレバー14の回動中心となる孔部14bに後部鏡筒11cの軸部21が挿通される。
【0034】
このように、撮像装置においては、上述したように撮像光学系1においてフィルタ部材4が、光学ローパスフィルタとして作用する複屈折板4aとIRカットフィルタとして作用する薄膜4bとが一体として構成されており、それが一の支持構造にて鏡筒11に対して支持されているため、従来の如くIRカットフィルタとは別に設けられた光学的ローパスフィルタを支持するための構造、スペースが不要となる。したがって、撮像光学系1、及びこの撮像光学系1を用いた撮像装置において、部品点数を削減することができ、これにより製造コストの削減、及び光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化を達成することができる。そして、上述の光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化によって、撮像光学系1や撮像装置の小型化をも達成することができる。
【0035】
また、本実施形態では、複屈折板4aに蒸着した薄膜4bにIRカットフィルタとしての効果を持たせることで、IRカットフィルタを単独で設けていた場合に生じていた結像位置の位置ずれが無くなり、この結像位置のずれを補正する構造等が不要となる。このため、撮像光学系1及びこれを用いた撮像装置では、部品点数を削減することができるとともに、光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化をより実現することができ、さらなる小型化、軽量化を達成することができるようになる。
【0036】
上述した構成の撮像光学系1を有する撮像装置では、鏡筒11外に突出したレバー14を図6中矢印A1、A2方向に操作することによって、撮影条件に応じたフィルタ部材4の移動を行うことができる。撮像装置においては、矢印A1方向にレバー14を操作すると、軸部21に挿通された孔部14bを中心にレバー14が回動することによって、ホルダ13が連結部13bを介して引き上げられ、同図中矢印B1方向にスライドする。この結果、ホルダ13に嵌合されたフィルタ部材4も同方向に移動し、ファイル部材4が光束LFの光路から外れた位置(図1中(b)位置)に配置される。また、矢印A2方向にレバー14を操作すると、ホルダ13が連結部13bを介して押し下げられ、同図中矢印B2方向にスライドする。この結果、ホルダ13に嵌合されたフィルタ部材4も同方向に移動し、ファイル部材4が光束LFの光路上の位置(図1中(a)位置)に配置される。撮像装置は、上述したような操作を行うことによって、撮影条件に応じてフィルタ部材4を配置させ、通常撮影モードから低照度撮影モードへの切り換え、或いはその逆への切り換えが行われる。
【0037】
以上、複屈折板4aにIRカットフィルタとしての効果を持つ薄膜4bを蒸着することで光学ローパスフィルタとしての効果とIRカットフィルタとしての効果を持つフィルタ部材4を有する実施の形態に関し説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。以下、本発明の他の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、第1の実施の形態たる撮像光学系1と同じ部材が用いられている場合については同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0038】
図7は、第2の実施の形態に係る撮像光学系31であり、撮像レンズ2と、固体撮像素子(CCD)3と、これら撮像レンズ2と固体撮像素子3との間に配されるフィルタ部材32とを有している。また、撮像光学系31にあっては、フィルタ部材32と固体撮像素子3との間に、後述する第1のローパスフィルタとは異なって可動式とされていない、換言すると例えば撮像装置における鏡筒に固定された第2の光学ローパスフィルタ33が配設されている。
【0039】
そして、フィルタ部材32は、光学的ローパスフィルタとしての効果を持つ第1の光学ローパスフィルタ32aと、IRカットフィルタとしての効果を持ち且つ上記第1の光学ローパスフィルタ32aに蒸着されてなる薄膜32bとから構成されている。第1の光学ローパスフィルタ32aは、多層構造を有し、例えば2枚以上の複屈折板等からなる。
【0040】
上述した構成のフィルタ部材32は、撮像レンズ2を通過した光束LFの光路上の位置と、該光路から外れた位置とに移動可能な構成とされている。具体的には、フィルタ部材32は、通常撮影を行う場合においては、光束LFの光路上(図7中実線でフィルタ部材32が表されている(c)位置)に配置される。また、フィルタ部材32は、低照度撮影を行う場合においては、上記通常撮影時における光束LFの光路上から移動され、該光路から外れた位置(図7中点線でフィルタ部材32が表されている(d)位置)に配置される。
【0041】
このようなフィルタ部材32を有する撮像光学系31にあっては、フィルタ部材32を適宜移動させることによって、通常撮影時には赤外線がカットされ且つ不要な高周波成分が除去された光が、また、低照度撮影時には赤外線のカットも不要な高周波成分の除去も行われていない光が、各撮影条件における理想的な光として固定された第2の光学的ローパスフィルタ33を通過して、固体撮像素子3の受光面に導かれる。そして、固体撮像素子3の受光面における被写体の光学像を鮮明なものにして、きれいな映像信号を得ることができるようになる。このとき、上述した構成の撮像光学系31では、第1及び第2の光学的ローパスフィルタ32a、33によって、光束LFの分離パターンを操作することができる。例えば、第1の光学ローパスフィルタ32aが(d)位置にあるときには、図8(a)に示すような分離パターンで、第2の光学ローパスフィルタ33が(c)位置にあるときには、同図(b)に示すような分離パターンで光束LFを分離させ、不要な高周波成分の除去が行われる。
【0042】
上述の撮像光学系31にあっては、第1の実施形態に係る撮像光学系1と同様に図3に示す鏡筒11を有する撮像装置に適用することができる。したがって、撮像光学系31は、一の支持構造にて第1の光学ローパスフィルタ32aと薄膜32bとからなるフィルタ部材32が鏡筒に支持されるため、部品点数の削減や、これによる製造コストの削減、及び光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化を達成することができる。そして、上述の光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化によって、撮像光学系31を用いた撮像装置の小型化をも達成することができる。また、蒸着した薄膜4bにIRカットフィルタとしての効果を持たせることで、さらなる小型化、軽量化を達成することができる。
【0043】
図9は、第3の実施の形態に係る撮像光学系41であり、撮像レンズ2と、固体撮像素子(CCD)3と、これら撮像レンズ2と固体撮像素子3との間に配されるフィルタ部材42とを有している。また、撮像光学系41にあっては、撮像レンズ2とフィルタ部材32との間に、例えば撮像装置における鏡筒に固定された第2の光学ローパスフィルタ43が配設されている。
【0044】
そして、フィルタ部材42は、光学的ローパスフィルタとしての効果を持ち且つ多層構造を有する第1の光学ローパスフィルタ42aと、IRカットフィルタ42bとから構成されている。これら第1の光学ローパスフィルタ42aとIRカットフィルタ42bとは、それぞれ構成上別個に形成されているが、一の支持構造により、例えば撮像装置における鏡筒に支持されている。なお、上記IRカットフィルタ42bは、従来から公知の構成のものが用いられる。
【0045】
上述した構成のフィルタ部材42は、第1の光学ローパスフィルタ42aとIRカットフィルタ42bとが構成上別個のものであるが、一の支持構造により支持されているため、双方が同期して光束LFの光路上の位置と、該光路から外れた位置とに移動可能な構成とされている。具体的には、フィルタ部材42は、通常撮影を行う場合においては、光束LFの光路上(図9中実線でフィルタ部材42が表されている(e)位置)に配置され、また、低照度撮影を行う場合においては、光束LFの光路から外れた位置(図9中点線でフィルタ部材42が表されている(f)位置)に配置される。
【0046】
このようなフィルタ部材42を有する撮像光学系41にあっては、フィルタ部材42を適宜移動させることによって、固定された第2の光学的ローパスフィルタ43を通過した光が、各撮影条件における理想的な光として固体撮像素子3の受光面に導かれる。そして、固体撮像素子3の受光面における被写体の光学像を鮮明なものにして、きれいな映像信号を得ることができるようになる。なお、本実施の形態にあっても、上記第2の実施の形態における撮像光学系31と同様に、第1の光学的ローパスフィルタ42a及びIRカットフィルタ43によって、光束LFの分離パターンを操作することができる。
【0047】
上述の撮像光学系41にあっては、第1の実施形態に係る撮像光学系1と同様に図3に示す鏡筒11を有する撮像装置に適用することができる。したがって、撮像光学系41は、一の支持構造にて第1の光学ローパスフィルタ42aとIRカットフィルタ42bとからなるフィルタ部材42が鏡筒に支持されるため、部品点数の削減や、これによる製造コストの削減、及び光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化を達成することができる。そして、上述の光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化によって、撮像光学系41を用いた撮像装置の小型化をも達成することができる。
【0048】
また、IRカットフィルタ42bを独立して設けることで、第1の光学ローパスフィルタ42aと離間してIRカットフィルタ42bを配することができるようになり、撮像光学系41、及びこの撮像光学系41を用いた撮像装置における設計の自由度が向上する。
【0049】
図10は、第4の実施の形態に係る撮像光学系51であり、撮像レンズ2と、固体撮像素子(CCD)3と、これら撮像レンズ2と固体撮像素子3との間に配されるフィルタ部材52とを有している。また、撮像光学系51にあっては、撮像レンズ2とフィルタ部材52との間に、例えば撮像装置における鏡筒に固定された第2の光学ローパスフィルタ53が配設されている。
【0050】
そして、フィルタ部材52は、その一部にのみIRカットフィルタとしての効果と光学的ローパスフィルタとしての効果を持ち、他の部位は光学的ローパスフィルタ(第1の光学ローパスフィルタ)としての効果のみを持つよう構成されている。具体的には、フィルタ部材52は、例えば同図に示すように、複屈折板52aの一部にIRカットフィルタとしての効果を持つ薄膜52bが蒸着され、他の部位には複屈折板52aが露呈している構成とされている。なお、同図にあっては、フィルタ部材52において、薄膜52b形成状態を分かりやすくするために、薄膜52bに厚みを持たせて記載しているため、複屈折板52aのみの部分と、複屈折板52a及び薄膜52bからなる部分とで厚みが異なって表されているが、実際には両者の厚みには変化がない。
【0051】
上述した構成のフィルタ部材52は、通常撮影を行う場合においては、光束LFの光路上(図10中実線でフィルタ部材52が表されている(g)位置)に薄膜52bが蒸着された部位が位置するよう配され、また、低照度撮影を行う場合においては、光束LFの光路から外れた位置(図10中点線でフィルタ部材52が表されている(h)位置)に薄膜52bが蒸着された部位が位置するよう配されるとともに光束LFの光路上には複屈折板52aが露呈している部位が来るよう配置される。
【0052】
このようなフィルタ部材52を有する撮像光学系51にあっては、フィルタ部材52を適宜移動させることによって、固定された第2の光学的ローパスフィルタ53を通過した光が、各撮影条件における理想的な光として固体撮像素子3の受光面に導かれる。そして、固体撮像素子3の受光面における被写体の光学像を鮮明なものにして、きれいな映像信号を得ることができるようになる。
【0053】
上述の撮像光学系51にあっては、第1の実施形態に係る撮像光学系1と同様に図3に示す鏡筒11を有する撮像装置に適用することができる。したがって、撮像光学系51は、一の支持構造にて複屈折板52aとIRカットフィルタ52bとからなるフィルタ部材52が鏡筒に支持されるため、部品点数の削減や、これによる製造コストの削減、及び光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化を達成することができる。そして、上述の光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化によって、撮像光学系51を用いた撮像装置の小型化をも達成することができる。
【0054】
また、撮像光学系51にあっては、低照度撮影時においても上記各実施の形態の如くフィルタ部材52の全体が光束LFの光路上から外れずに、通常撮影時に光束LFが透過する部分と厚みが変化していない複屈折板52aのみの部位が残存するため、通常撮影時と低照度撮影時に光学ローパスフィルタの効果と光学長とを変化させることなく切換を行うことができるようになる。
【0055】
なお、フィルタ部材52は、上述した構成に限定されるものではなく、該フィルタ部材52の一部にのみIRカットフィルタとしての効果を持たせ、IRカットフィルタとしての効果を持つ部分と持たない部分とで厚みの変化がないよう構成されていればよい。例えば図11(a)及び(b)に示すように、フィルタ部材52を、光学的ローパスフィルタ52cと、光学ローパスフィルタとしての効果をも有するIRカットフィルタ52dとで構成し、同じ厚さのこれらを接続したものであってもよく、また、同図(c)及び(d)に示すように、光学ローパスフィルタ52eの一部にIRカットフィルタ52fを埋め込んで、全体が同じ厚さになるよう構成してもよい。さらには、同図(e)及び(f)に示すように、光学ローパスフィルタとしての効果のみを持つ第1のフィルタ52gと、該第1のフィルタ52gと別個のフィルタであり且つ光学ローパスフィルタとIRカットフィルタとしての効果を持つ第2のフィルタ52hとにより構成するものであってもよい。なお、第1のフィルタ52gと第2のフィルタ52hからなる場合であっても、これらは一の支持構造により、例えば撮像装置の鏡筒に支持されて移動可能な構成とされる。また、第1のフィルタ52gと第2のフィルタ52hにあっても、上述した図10に示すフィルタ部材52と同様の理由により、実際には両者の厚みには変化がない。
【0056】
図12は、第5の実施の形態に係る撮像光学系61であり、撮像レンズ2と、固体撮像素子(CCD)3と、これら撮像レンズ2と固体撮像素子3との間に配され且つ光学ローパスフィルタ62aにIRカットフィルタとしての効果を有する薄膜62aが蒸着されてなるフィルタ部材62とを有している。また、撮像光学系61にあっては、フィルタ部材62と固体撮像素子3との間に、例えば撮像装置における鏡筒に固定された第2の光学ローパスフィルタ63が配設されている。上記フィルタ部材62は、通常撮影を行う場合においては、光束LFの光路上(図12中実線でフィルタ部材62が表されている(i)位置)に位置するよう配され、また、低照度撮影を行う場合においては、光束LFの光路から外れた位置(図12中点線でフィルタ部材62が表されている(j)位置)に位置するよう配される。
【0057】
そして、上記固定された第2の光学ローパスフィルタ63の固体撮像素子3側の主面には紫外線カット効果を持つ薄膜64が形成されている。このように、紫外線カット効果を持つ薄膜64を固定された第2の光学ローパスフィルタ63に設けることで、有害な紫外線による固体撮像素子3の劣化を防ぐことができるようになる。なお、本実施形態においては、上述したような薄膜64を形成するものではなく、紫外線カット効果を持つ材質によるフィルタを第2の光学ローパスフィルタ63に使用してもよく、また、移動可能に構成されたフィルタ部材62側に紫外線カット効果を持たせるよう構成してもよい。
【0058】
上述の撮像光学系61にあっては、第1の実施形態に係る撮像光学系1と同様に図3に示す鏡筒11を有する撮像装置に適用することができる。したがって、撮像光学系61は、一の支持構造にて光学ローパスフィルタとIRカットフィルタとしての効果を持つフィルタ部材62が鏡筒に支持されるため、部品点数の削減や、これによる製造コストの削減、及び光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化を達成することができる。そして、上述の光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化によって、撮像光学系61を用いた撮像装置の小型化をも達成することができる。また、撮像光学系61内に紫外線カット効果を持たせることで、撮像素子の信頼性を確保することができるようになる。また、この紫外線カット効果を持たせることを薄膜64の蒸着によって行うことで、部品点数の削減をも達成することができる。さらに、紫外線カット効果を持つ材質によるフィルタを第2の光学ローパスフィルタ63に使用した場合には、紫外線カット効果を有するフィルタの鏡筒における設計の自由度を確保することができる。
【0059】
なお、上述した各実施の形態にあっては、1枚の複屈折板、或いは多層構造を有する光学ローパスフィルタと、IRカットフィルタとしての効果を有する薄膜等によって本発明のフィルタ部材を構成しているが、このような構成に限定されるものではなく、例えば図13(a)に示すように、無機材料又は有機材料からなる基板材71の一方主面に光学ローパスフィルタの効果を持つ薄膜72を形成するとともに、他方主面にIRカットフィルタの効果を持つ薄膜73を形成してフィルタ部材を構成するようにしてもよい。また、同図(b)に示すように、無機材料又は有機材料からなる基板材81の一方主面に、光学ローパスフィルタの効果を持つ薄膜82とIRカットフィルタの効果を持つ薄膜83とを積層させて構成するようにしてもよい。本発明のフィルタ部材をこのように構成することで、基板材71、81の厚みを任意に調整することでフィルタ部材自体の厚みを変化させ、フィルタ設計の自由度を確保することができるようになる。
【0060】
また、本発明は、上述した各実施形態にて説明した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【0061】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、従来の如く赤外線カットフィルタとは別に設けられた光学的ローパスフィルタを支持するための構造、スペースが不要となり、部品点数を削減することができ、これにより、製造コストを低減させることができる。また、本発明によれば、上述の部品点数の削減によって、光学系構成の簡素化や光学系における省スペース化が図られ、撮像光学系、ひいては撮像装置を小型化することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る撮像光学系の概略構成を示す図である。
【図2】同撮像光学系における分光特性を示す特性図である。
【図3】同撮像光学系が配された撮像装置における鏡筒の斜視図である。
【図4】鏡筒内における撮像光学系の配列状態を説明するための分解斜視図である。
【図5】フィルタ部材とホルダの分解斜視図である。
【図6】ホルダ及びレバーが配設された後部鏡筒の斜視図である。
【図7】第2の実施の形態に係る撮像光学系の概略構成を示す図である。
【図8】同撮像光学系における光束の分離パターンを説明するための図である。
【図9】第3の実施の形態に係る撮像光学系の概略構成を示す図である。
【図10】第4の実施の形態に係る撮像光学系の概略構成を示す図である。
【図11】同撮像光学系におけるフィルタ部材の構成例を示す図である。
【図12】第5の実施の形態に係る撮像光学系の概略構成を示す図である。
【図13】各実施形態におけるフィルタ部材の他の構成例を示す図である。
【図14】従来の撮像装置における光学ローパスフィルタの保持状態を説明するための図であり、該光学ローパスフィルタを保持する後部鏡筒の一部を断裂して示す図である。
【図15】同撮像装置の後部鏡筒の縦断面図である。
【符号の説明】
1 撮像光学系,2 撮像レンズ,3 固体撮像素子,4 フィルタ部材,4a 複屈折板,4b 薄膜,11 鏡筒,11a 前鏡筒,11b 中間鏡筒,11c 後部鏡筒,12 ヨーク,13 ホルダ,14 レバー,15 光学的ローパスフィルタ,16 シールゴム,17 基板,18 板金,19 スライド溝,20切り欠き,21 軸部
Claims (10)
- 複数のレンズ群からなる撮像レンズと、
該撮像レンズを通過した入射光の光束が受光面に入射される撮像素子と、
上記入射光に含まれる赤外線をカットするフィルタとしての効果と、上記入射光に含まれる高周波成分を除去するフィルタとしての効果を持つフィルタ部材とを備え、
上記フィルタ部材は、上記光束の光路上の位置と該光路から外れた位置とを移動可能に構成されるとともに、一の支持構造にて支持されていることを特徴とする撮像光学系。 - 上記フィルタ部材は、光学ローパスフィルタの一方主面に、上記入射光に含まれる赤外線をカットする効果を持つ薄膜が形成されていることを特徴とする請求項1記載の撮像光学系。
- 上記薄膜は、上記光学ローパスフィルタの一方主面に蒸着されていることを特徴とする請求項2記載の撮像光学系。
- 上記薄膜は、上記光学ローパスフィルタの一方主面に部分的に蒸着されていることを特徴とする請求項3記載の撮像光学系。
- 上記フィルタ部材とは別の光学ローパスフィルタが、上記光束の光路上にさらに配されていることを特徴とする請求項1記載の撮像光学系。
- 上記別の光学ローパスフィルタ、或いは上記フィルタ部材に、上記入射光に含まれる紫外線をカットする効果を有する薄膜が形成されていることを特徴とする請求項5記載の撮像光学系。
- 上記別の光学ローパスフィルタは、上記入射光に含まれる紫外線をカットする効果を有する材料により形成されていることを特徴とする請求項5記載の撮像光学系。
- 上記フィルタ部材は、透過率が50%であるときの短波長側の波長値λts50と、透過率が50%であるときの長波長側の波長値λtl50とが、0.55≦(λts50/λtl50)≦0.66の条件を充足する分光特性を有していることを特徴とする請求項1記載の撮像光学系。
- 上記フィルタ部材は、上記入射光に含まれる赤外線をカットするフィルタとしての効果を持つ薄膜と、上記入射光に含まれる高周波成分を除去するフィルタとしての効果を持つ薄膜とが、無機材料又は有機材料からなる基板材に形成されていることを特徴とする請求項1記載の撮像光学系。
- 被写体を光としてとらえ、その光学像を電気信号に変換するカメラ機構部と、該カメラ機構部からの電気信号を電気的方法で処理し、情報信号として記録、及び情報信号の再生を行うビデオ機構部とを有する撮像装置において、
上記カメラ機構部は、複数のレンズ群からなる撮像レンズと、入射光の光束が受光面に入射される撮像素子と、上記入射光に含まれる赤外線をカットするフィルタとしての効果と、上記入射光に含まれる高周波成分を除去するフィルタとしての効果を持つフィルタ部材とを有する撮像光学系と、
該撮像光学系が配される鏡筒とを備えてなり、
上記フィルタ部材は、上記光束の光路上の位置と該光路から外れた位置とを移動可能に構成されるとともに、一の支持構造にて上記鏡筒に対して支持されていることを特徴とする撮像装置。
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