JP2005019533A - 光半導体素子,及び光半導体素子の製造方法 - Google Patents

光半導体素子,及び光半導体素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】素子の温度が変化した場合にも温度制御機構を用いずに,安定した変調特性を得ることができ,低コスト化に対応した光半導体素子,及び光半導体素子の製造方法を提供する。
【解決手段】基板110上に形成された下側クラッド層150と,下側クラッド層150上の一側に形成された光吸収層145と,光吸収層145上に形成された上側クラッド層155とを含むことにより構成される電解吸収型光変調器と;下側クラッド層150と下側クラッド層上の他側に形成された光活性層140と,光活性層140上に形成された上側クラッド層155と,光吸収層145と光活性層140との境界位置に上側クラッド層上面側から光活性層140と略垂直に形成されて光活性層140を導波する光を反射する溝180と,を含むことにより構成されるファブリーペロー型半導体レーザと;をモノリシックに集積する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,光通信及び光情報処理システム等の光源として用いられる,電界吸収型半導体光変調器と半導体レーザとを集積した素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年,光通信システムの大容量化に伴い,実装コストの低減や光損失の低減,或いは実装面積の低減を目的として,電気信号を光信号に変換する,半導体レーザと電界吸収型半導体光変調器(EAM:Electro−Absorption Modulator)をモノリシックに集積化した素子が盛んに開発されている。
【0003】
例えば非特許文献1に開示されているようなものがある。一般的に発光素子には分布帰還形(DFB:Distributed FeedBack)半導体レーザが用いられ,その先端に光を変調するためのEA変調器がモノリシックに集積された構造になっている。
【0004】
図4に従来の光半導体素子400の模式図を示す。1つの基板410上にDFBレーザ420とEA変調器430とが形成されている。DFBレーザ(LD)420は,基板410上に下側クラッド層450,その上に光活性層440,上側クラッド層455,電極とのコンタクトを取るオーミックコンタクト層(図示せず),上側電極472が順次形成されて構成されており,EA変調器430においては基板410上に下側クラッド層450,光吸収層445,上側クラッド455層,電極とのコンタクトを取るオーミックコンタクト層,上側電極473が順次形成されて構成されている。
【0005】
また,基板410の裏面には,DFBレーザ420及びEA変調器430に共通の下側電極470が形成されている。さらにEA変調器430の出力側の端面には,出力光の端面での不要な反射を防止するため,ARコート膜460が形成されている。
【0006】
また,他に本発明に関係する従来技術として,波長偏移のないパルス光源について記載された特許文献1,変調信号を高精度に制御して波長偏移を低減した光送信機について記載された特許文献2,簡略化された波長変換装置ついて記載された特許文献3がある。
【0007】
【非特許文献1】
IEEE Photonics Technology Letters,13,No.9,pp.954“EAM−integrated DFBlaser modules with more than 40−GHzbandwidth”
【特許文献1】
特開平8−139415号公報
【特許文献2】
特開2002−6355号公報
【特許文献3】
特開2002−152139号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが,DFBレーザとEA変調器とを集積したEA変調器集積型DFBレーザにおいては,DFBレーザの発振波長の温度依存性は1Å/℃程度であるが,EA変調器の最適動作波長の温度依存性は4Å/℃程度であり,DFBレーザとEA変調器との温度依存性が異なる。そのため素子の温度が変わった場合,EA変調器の変調特性が大きく変わってしまうという問題があった。
【0009】
また,上記問題点により,EA変調器集積型DFBレーザにおいては,素子の温度が常に一定になるようにペルチェ素子などを用いて温度をコントロールした状態で使用することが求められた。このように温度制御を要することから,最近の低コストに対応した温度制御フリーの光モジュールには,使用することができなかった。
【0010】
本発明は,従来の光半導体素子に関する上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,素子の温度が変化した場合にも変調特性が変わってしまうことがなく,温度制御が不要で,低コスト化に対応した,新規かつ改良された光半導体素子,及び光半導体素子の製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため,本発明によれば,半導体基板上に,電解吸収型光変調器(EA変調器)とファブリーペロー型半導体レーザ(FPレーザ)とがモノリシックに集積され,FPレーザから発振されるレーザ光をEA変調器が受光し,EA変調器に印加された電気信号を光信号に変調することの可能な光半導体素子が提供される。
【0012】
上記光半導体素子において,EA変調器は,基板上に形成された下側クラッド層と,下側クラッド層上の一側に形成された光吸収層と,光吸収層上に形成された上側クラッド層とを含むことにより構成され,FPレーザは,下側クラッド層と,下側クラッド層上の他側に形成された光活性層と,光活性層上に形成された上側クラッド層と,光吸収層と光活性層との境界位置に,上側クラッド層上面側から,光活性層と略垂直に形成された,光活性層を導波する光を反射する溝とを含むことにより構成される。また,さらに上側クラッド層上には光変調器上側電極と半導体レーザ上側電極とが,基板裏面には共通の下側電極が形成されている。
【0013】
従来EA変調器と集積されていたDFBレーザは,発振波長の温度依存性がEA変調器の最適動作波長の温度依存性と異なるため,素子の温度が変わった場合,EA変調器の変調特性が大きく変わってしまうという問題があったが,FPレーザを用いることにより,素子の温度が変化しても,EA変調器の最適動作波長とFPレーザの発振波長がほぼ同様に変化するので,温度制御がなくともEA変調器による変調特性を損なうことなく,広い温度範囲で用いることが可能となる。
【0014】
ここで溝の深さ及び幅は,FPレーザ発振を可能とする反射率(約2%以上)となる深さ及び幅である必要があり,溝の深さは,溝底面が光活性層の上方0.8μm程度以内の範囲に達していることが好ましい。また,溝の側面と素子端面は略平行となっており,EA変調器出力側の端面には光の反射を防止する反射防止膜が形成されていることが望ましい。
【0015】
FPレーザの発振のためには,2つの反射鏡によって光を反射,往復させる共振器が必要であり,そのために素子端面を1つの反射鏡とし,もう1つの反射鏡を溝を形成することにより2つの反射鏡を得ている。従来のDFBレーザは,この共振器が光活性層内部に設けられたグレーティングによって自動的に形成されるため,ミラー共振器構造を形成する必要がなかったが,こうして光活性層近傍に至る溝を形成して光の反射率が変わることにより素子端面との間に共振が起こり,FPレーザの発振を起こすことができ,EA変調器との集積も可能となった。
【0016】
また,EA変調器とFPレーザとの間に形成する溝を光活性層を貫通する深さにすることもできる。溝が光活性層を貫通する場合は,溝が光活性層に達していない場合に比べて反射率を大きくすることが可能となり,より低い閾値電流のFPレーザ発振を起こし,高い光出力特性を得ることができる。
【0017】
上記の光半導体素子を得るために,本発明によれば,基板上に下側クラッド層を形成する工程と,下側クラッド層上の一側にEA変調器の光吸収層,他側にFPレーザの光活性層を形成する工程と,光吸収層及び光活性層上に上側クラッド層を形成する工程と,光吸収層と光活性層との境界位置に,上側クラッド層上面側から,光活性層と略垂直に溝を形成する工程と,さらに上側クラッド層上には光変調器上側電極及び半導体レーザ上側電極を形成する工程と,基板裏面には共通の下側電極を形成する工程と,を含むことを特徴とする光半導体素子の製造方法が提供される。
【0018】
さらに,溝及び素子端面が反射鏡として機能するために,チップ化の際には,素子両端面が平行で平坦な平面となるように,例えばへき開により切断されることが望ましい。
【0019】
ここで,光活性層及び光吸収層は,従来のバルク構造で形成してもよいが,多重量子井戸構造で形成することにより,より高効率で高性能の素子を得ることができる。
【0020】
また,溝の深さ及び幅は,溝側面での光の反射率が約2%以上となるように形成することが望ましい。溝は,へき開によっても形成できるが,ドライエッチングにより形成することが望ましく,所望の深さまで,光活性層に対して垂直なエッチング面を形成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら,本発明にかかる光半導体素子,及び光半導体素子の製造方法の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0022】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態について,図1(a)にEA変調器とFPレーザが集積された光半導体素子100の概略平面図,図1(b)に概略断面図を示す。1つの基板110上にFPレーザ部120とEA変調器部130とが形成されている。FPレーザ部120とEA変調器部130との間に形成された溝180により,FPレーザ部120のレーザ動作を可能とし,EA変調器部130との集積を可能としている。
【0023】
FPレーザ部120の構造は,基板110上に下側クラッド層150,その上に光活性層140,上側クラッド層155,電極とのコンタクトを取るオーミックコンタクト層(図示せず),半導体レーザ上側電極172が順次形成されたものである。EA変調器130の構造は,基板110上に下側クラッド層150,光吸収層145,上側クラッド層155,電極とのコンタクトを取るオーミックコンタクト層,光変調器上側電極173が順次形成されている。また,光活性層140と光吸収層145との境界上部に溝180が形成されている。ここで光活性層140及び光吸収層145は,各々レーザストライプ部125及びEA変調器ストライプ部135を有するストライプ構造に形成する。
【0024】
また,基板110の裏面には,FPレーザ部120とEA変調器部130とに共通の下側電極170が形成されている。さらに,EA変調器130の出力側の端面には,出力光の端面での不要な反射を防止するための反射防止膜であるARコート膜160が形成されている。
【0025】
FPレーザは,ファブリーペロー共振器を用いる半導体レーザであり,2つの反射鏡(ミラー)によって光を反射させ,往復させることで,レーザ発振を起こすものである。従来,EA変調器と集積されていたDFBレーザは,この共振器が光活性層内部に設けられたグレーティングによって自動的に形成されるため,ミラー共振器構造を形成する必要がなく,そのためEA変調器との集積光源として用いられていた。
【0026】
ところが,DFBレーザは,温度変化に伴いグレーティングでの光の屈折率が変わることにより発振波長が変化(温度依存性1Å/℃)するのに対し,EA変調器は,温度変化によるバンドギャップの変動に対して最適動作波長が変化(温度依存性4Å/℃)するため,素子の温度が変わった場合,DFBレーザとEA変調器との温度変化が合わず,EA変調器の変調特性が大きく変わってしまうという問題があった。そのため,素子の温度が常に一定になるようにペルチェ素子などを用いて温度をコントロールする必要があり,低コスト化に対応することができなかった。
【0027】
一方FPレーザは,EA変調器と同様に温度変化によるバンドギャップの変動に対して最適動作波長が変化(温度依存性4Å/℃)するため,本実施の形態で,FPレーザをEA変調器と集積可能としたことで,EA変調器の変調特性の温度依存性を改善することができる。さらに,素子の温度をコントロールの必要がなくなるため,低コストの素子を提供することが可能となる。
【0028】
ここで,FPレーザの動作を可能とする溝の深さは,本実施の形態の場合,光活性層にまで達していない。レーザ光は光活性層外の両クラッド層側に染み出しており,溝がこの染み出し部分に至っていれば,反射が起こるためである。ただし所望の反射率に達していなければレーザ動作は起こらない。
【0029】
図3に,溝底面の活性層からの距離Xに対する,反射率を表すシミュレーション結果の一例を示す。レーザ動作が起こる反射率として約5%を得るためには,Xとして0.8μm以下である必要があり,つまり溝底面は光活性層の上方0.8μm程度以内に達していればよい。
【0030】
また,溝部分では光軸方向に半導体/空気/半導体という3層構造になるため,屈折率の異なる箇所では反射が起こり,溝の両側面の干渉によって結果として反射率が変わる。空気層の厚み,つまり溝の幅によって反射率が大きく左右されるので,溝の深さと同様に所望の反射率を得られる溝の幅に形成する必要がある。光の波長をλとすると,反射率は,λ/4の奇数倍になった時に極大値0.67となる。溝形成する時は,所望のレーザ動作が得られる反射率になるように,この溝の深さと幅を設計する必要がある。
【0031】
上記集積素子の構造を得るための製造方法は,例えば,インジウムリン(InP)基板上に下側クラッド層としてn型InP,光活性層や光吸収層としてバルク構造,または多重量子井戸(MQW:Multi Quantum Well)構造のノンドープのインジウムガリウムヒ素リン(InGaAsP),上側クラッド層としてp型InP,を有機金属気相薄膜成長法(MOVPE:Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)などにより形成する。
【0032】
光活性層や光吸収層は,多重量子井戸構造とすることにより,EA変調器及びFPレーザをより高性能にすることができる。また,FPレーザの光活性層とEA変調器の光吸収層は,組成が異なり,光吸収層でのバンドギャップ波長を光活性層より短くして,レーザ光が不要に吸収されるのを防いでいる。
【0033】
さらに高濃度のp型コンタクト層を形成後,フォトリソグラフィによって作製したシリコン酸化膜(SiO)などのエッチングマスクを用いて,反応性イオンエッチング(RIE)法により光活性層近傍に至るまでの溝を形成する。この溝は,対をなす反射鏡となる素子端面と略平行な平面からなる必要がある。そのため,溝及び素子端面は光活性層に対して略垂直に形成する。また本素子をチップ化する際には素子端面が溝側面と同様に反射鏡として機能するために,へき開により,素子両端面が平行で平坦な平面となるように切断する。
【0034】
溝のエッチングについては,例えば,InP基板上のInGaAsP/InP系材料やAlGaInAs/InP系材料をエッチングする場合は,反応ガスとして塩素(Cl)とアルゴン(Ar)の混合ガスを用いてRIEを行う。例えば,基板温度350℃,RFパワー70W,Clガス流量0.1sccm,Arガス流量70sccm,のようなエッチング条件でエッチングを行い,ほぼ垂直で平坦なエッチング側面を形成することができる。
【0035】
溝が素子端面と平行でない場合,或いはエッチング側面が垂直でない場合は,反射率が低下し,所望の値(約2%)より低い時は動作不能となる。溝の深さと幅は,溝での反射率が2%以上になれば十分であり,上側クラッド層中で光活性層に達しなくてもよいので,容易に溝を形成することができる。その後,FPレーザとEA変調器とのそれぞれの上側電極を形成し,基板裏面には,FPレーザとEA変調器と共通の下側電極を形成する。素子出力部端面には,出力光の素子内への反射を防止した,ARコート膜を形成する。
【0036】
以上説明したように,本実施の形態によれば,レーザとEA変調器との間に光反射を誘起する溝が形成され,この溝とレーザの反対側端面との間で,FPレーザが発振動作をすることを可能としたので,EA変調器の動作波長温度依存性がほぼ同じFPレーザとEA変調器を集積することができた。これにより,素子の温度が変化しても,EA変調器の最適動作波長とFPレーザの発振波長がほぼ同様に変化するので,EA変調器による変調特性を損なうことなく,広い温度範囲で,温度制御を用いずに変調することが可能となる。
【0037】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態について,図2にEA変調器とFPレーザが集積された光半導体素子200の概略断面図を示す。1つの基板210上にFPレーザ部220とEA変調器部230とが形成されている。FPレーザ部220とEA変調器部230との間には,第1の実施の形態と同様に,溝280が設けられる。
【0038】
FPレーザ部220の構造は,基板210上に下側クラッド層250,その上に光活性層240,上側クラッド層255,電極とのコンタクトを取るオーミックコンタクト層(図示せず),半導体レーザ上側電極272が順次形成されたもので,EA変調器部230の構造は,基板210上に下側クラッド層,光吸収層245,上側クラッド層255,電極とのコンタクトを取るオーミックコンタクト層,光変調器上側電極273が順次形成されている。
【0039】
第1の実施の形態では,溝の深さは,光活性層の近傍で,光活性層にまでは至っていないが,本実施の形態では,図2に示すように,光活性層を貫通する構造としている。先にも記したように,光は光活性層の両クラッド層側に染み出しているので,溝が光活性層を貫通していれば,溝における反射率は,第1の実施の形態に比し,より大きくすることができる。反射率を大きくすることにより,FPレーザ発振の閾値電流を下げることができ,より高い光出力特性を持つFPレーザを得ることができる。
【0040】
溝幅についても,第1の実施の形態同様に反射率に関わるので,溝深さと合わせて,所望のレーザ動作が得られる反射率になるように,この溝の幅を変える必要がある。上記構造を得るための製造方法は,第1の実施の形態と同様であり,詳細な説明は省略する。溝形成については,反射率を左右するので,素子端面と略平行に,エッチング側面が垂直になるような条件にて反応性イオンエッチング(RIE)法により形成する。
【0041】
以上のように本実施の形態によれば,FPレーザとEA変調器との間に光活性層を貫通する溝を設けることにより,溝における反射率をさらに大きくすることが可能となり,FPレーザの閾値電流を下げることができると同時に,素子の温度が変化しても,EA変調器の最適動作波長とFPレーザの発振波長がほぼ同様に変化するので,温度制御無しにEA変調器による変調特性を損なうことなく,広い温度範囲で用いることが可能となる。
【0042】
以上,添付図面を参照しながら本発明にかかる光半導体素子,及び光半導体素子の製造方法の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば,EA変調器と光源となるレーザとを集積した光半導体素子において,光源として従来のDFBレーザを用いるのではなく,EA変調器との間に溝を形成して反射面を設けることによりFPレーザを用いることが可能となった。そのため,EA変調器とFPレーザとの動作温度依存性がほぼ同じになり,素子の温度制御を行わなくても,安定した変調特性を得ることができ,低コスト化にも対応できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる光半導体素子であるEA変調器集積型FPレーザの概略図であり,(a)は平面図であり,(b)は断面図である。
【図2】第2の実施の形態にかかる光半導体素子であるEA変調器集積型FPレーザの概略断面図である。
【図3】第1の実施の形態にかかる光半導体素子のFPレーザにおいて,溝の活性層からの距離Xに対する溝面での反射率を表したシミュレーション結果である。
【図4】従来技術による光半導体素子であるEA変調器集積型DFBレーザの概略断面図である。
【符号の説明】
100 光半導体素子
110 基板
120 FPレーザ部
130 EA変調器部
140 光活性層
145 光吸収層
150 下側クラッド層
155 上側クラッド層
160 ARコート膜
170 下側電極
172 上側電極
173 上側電極
180 溝

Claims (14)

  1. 光半導体素子であって,
    電解吸収型光変調器とファブリーペロー型半導体レーザとがモノリシックに集積されており,
    前記電解吸収型光変調器は,
    基板と,
    前記基板上に形成された下側クラッド層と,
    前記下側クラッド層上の一側に形成された光吸収層と,
    前記光吸収層上に形成された上側クラッド層と,
    前記上側クラッド層上に形成された光変調器上側電極と,
    前記基板裏面に形成された下側電極と,
    を含み,
    前記ファブリーペロー型半導体レーザは,
    前記基板と,
    前記下側クラッド層と,
    前記下側クラッド層上の他側に形成された光活性層と,
    前記光活性層上に形成された前記上側クラッド層と,
    前記光吸収層と前記光活性層との境界位置に,前記上側クラッド層上面側から,前記光活性層と略垂直に形成された,前記光活性層を導波する光を反射する溝と,
    前記上側クラッド層上に形成された半導体レーザ上側電極と,
    前記基板裏面に形成された前記電解吸収型光変調器と共通の前記下側電極と,
    を含むことを特徴とする光半導体素子。
  2. 前記溝は,前記溝側面での光の反射率が約2%以上となるような深さ及び幅を有することを特徴とする請求項1に記載の光半導体素子。
  3. 前記溝側面と素子端面とは,略平行となっていることを特徴とする請求項1または2に記載の光半導体素子。
  4. 前記電解吸収型光変調器の出力端には,出力光の反射を防止する反射防止膜が形成されていることを特徴とする請求項1,2または3のいずれかに記載の光半導体素子。
  5. 前記溝は,前記溝底面が光活性層の上方約0.8μm以内の範囲に達していることを特徴とする請求項1,2,3または4のいずれかに記載の光半導体素子。
  6. 前記溝は,前記光活性層及び前記光吸収層を貫通して前記下側クラッド層に達していることを特徴とする請求項1,2,3または4のいずれかに記載の光半導体素子。
  7. 基板上に下側クラッド層を形成する工程と,
    前記下側クラッド層上の一側に電解吸収型光変調器の光吸収層,他側にファブリーペロー型半導体レーザの光活性層を形成する工程と,
    前記光吸収層及び前記光活性層上に上側クラッド層を形成する工程と,
    前記光吸収層と前記光活性層との境界位置に,前記上側クラッド層上面側から,前記光活性層と略垂直に溝を形成する工程と,
    前記上側クラッド層上に前記電解吸収型光変調器の光変調器上側電極及び前記ファブリーペロー型半導体レーザの半導体レーザ上側電極を形成する工程と,
    前記基板裏面に,前記電解吸収型光変調器及び前記ファブリーペロー型半導体レーザに共通の下側電極を形成する工程と,
    を含むことを特徴とする光半導体素子の製造方法。
  8. チップ化の際には,素子両端面が平行な平面となるように切断する工程をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の光半導体素子の製造方法。
  9. 前記光吸収層は,多重量子井戸構造により形成することを特徴とする請求項7または8に記載の光半導体素子の製造方法。
  10. 前記光活性層は,多重量子井戸構造により形成することを特徴とする請求項7,8または9のいずれかに記載の光半導体素子の製造方法。
  11. 前記溝は,前記溝側面での光の反射率が約2%以上となるような深さ及び幅に形成することを特徴とする請求項7,8,9または10のいずれかに記載の光半導体素子の製造方法。
  12. 前記溝は,ドライエッチングにより形成することを特徴とする請求項7,8,9,10または11のいずれかに記載の光半導体素子の製造方法。
  13. 前記溝は,前記溝底面が光活性層の上方約0.8μm以内の範囲に達するように形成することを特徴とする請求項7,8,9,10,11または12のいずれかに記載の光半導体素子の製造方法。
  14. 前記溝は,前記光活性層及び前記光吸収層を貫通して形成することを特徴とする請求項7,8,9,10,11または12のいずれかに記載の光半導体素子の製造方法。
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