JP2005019159A - 有機el素子及び有機el素子の耐久性向上方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】素子の劣化及びそれによる輝度の低下を充分に抑制することができ、素子の長寿命化を図ることが可能な有機EL素子を提供すること。
【解決手段】互いに対向して配置されている第1の電極1及び第2の電極2の間に、電子を供給して配位結合を生じ得る配位結合性化合物6と、配位結合性化合物6及び/又は配位結合性化合物6中の配位結合性骨格が配位子として中心金属又は中心金属イオンに配位した金属錯体8と、を含む有機層である錯体含有層10を備える有機EL素子100。
【選択図】 図1
【解決手段】互いに対向して配置されている第1の電極1及び第2の電極2の間に、電子を供給して配位結合を生じ得る配位結合性化合物6と、配位結合性化合物6及び/又は配位結合性化合物6中の配位結合性骨格が配位子として中心金属又は中心金属イオンに配位した金属錯体8と、を含む有機層である錯体含有層10を備える有機EL素子100。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス、電界発光)素子及び有機EL素子の耐久性向上方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機ELディスプレイ等に用いられる有機EL素子は、例えば、蛍光性有機化合物や燐光性有機化合物等の発光性有機化合物を含む発光層を、陰極と陽極で挟んだ構成を有するものであり、この発光性有機化合物に電界を印加することにより励起・発光させる素子である。このような有機EL素子は、無機EL素子と比較して、輝度や発光効率(量子収率)等の素子特性において優れており、現在実用化の段階を迎えつつある。
【0003】
しかしながら、有機EL素子は、上述のように優れた輝度及び発光効率を有している反面、寿命が未だ充分ではないという欠点を有しており、素子の更なる長寿命化が要求されている。
【0004】
このような要求に対し、対向する電極間の有機化合物薄膜の少なくとも一層に、金属イオンと錯体を形成しうる配位子を含有し、且つ、電極間の何れかの場所に金属イオンを放出しうるメタルソースを含有する有機EL素子が提案されている(特許文献1参照)。また、発光層に、8−ヒドロキシキノリンを配位子とするアルミニウム錯体と、8−ヒドロキシキノリンを配位子としてアルミニウムとは異なる金属を中心金属とする金属錯体とを含有させた有機EL素子が提案されており(特許文献2参照)、これらの方法により、有機EL素子の寿命の向上や輝度の向上が図られている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−110357号公報
【特許文献2】
特開平7−53952号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載された有機EL素子では、素子の長寿命化が未だ充分ではなく、また、特許文献1に記載された有機EL素子の場合には、メタルソース自体が発光を阻害する不純物となる可能性があるという欠点を有していた。
【0007】
そこで、本発明の目的は、素子の劣化及びそれによる輝度の低下を充分に抑制することができ、素子の長寿命化を図ることが可能な有機EL素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、互いに対向して配置されている2つの電極間に、1又は2以上の有機層を備える有機EL素子において、上記有機層の少なくとも1つは、電子を供給して配位結合を生じ得る配位結合性化合物と、上記配位結合性化合物及び/又は上記配位結合性化合物中の配位結合性骨格が配位子として中心金属又は中心金属イオンに配位した金属錯体と、を含む錯体含有層であることを特徴とする有機EL素子を提供するものである。
【0009】
発光性や電子輸送性を有する金属錯体は、有機EL素子の材料として有用であり、このような金属錯体を有機EL素子に用いることによって、素子の輝度や発光効率等を向上させることが可能である。しかしながら、金属錯体は励起状態で配位子交換反応を生じやすい性質を有しており、金属錯体を用いた有機EL素子においては、かかる性質が素子の劣化の原因の一つであると考えられている。
【0010】
本発明の有機EL素子においては、上述したように有機層の少なくとも一層が配位結合性化合物と金属錯体とが共存する層(錯体含有層)となっている。このような層においては、共存する配位結合性化合物の影響で、金属錯体の配位子交換反応の化学平衡が当該反応の生じない側に偏ることとなるため、素子の劣化を抑制することができる。また、金属錯体が有する配位子が、共存する配位結合性化合物と同一化合物であるか配位結合性化合物中の配位結合性骨格であるため、錯体配位子交換反応が生じた場合であっても、当該反応前の金属錯体と同一又は実質的に同一の構造となり、素子の劣化が効果的に抑制される。
【0011】
配位子はπ電子や不対電子等の電子を供給して金属に配位するため、金属錯体及び/又は配位結合性化合物は、電子輸送性材料やホール輸送性材料等の電荷輸送材料として用いることが可能であり、この場合、同様の構造同士の電子又は正孔のやり取りが生じることとなるため、発光効率や輝度の向上を図ることも可能になる。
【0012】
上記の構成を採用することにより、有機EL素子の耐久性向上方法(発光効率向上方法若しくは輝度向上方法と言い換えることも可能である。)を提供することが可能になる。すなわち、互いに対向して配置されている2つの電極間に1又は2以上の有機層を備える有機EL素子の耐久性向上方法であって、上記有機層の少なくとも1つを、電子を供給して配位結合を生じ得る配位結合性化合物と、上記配位結合性化合物及び/又は上記配位結合性化合物中の配位結合性骨格が配位子として中心金属に配位した金属錯体と、を含む錯体含有層とすることを特徴とする方法が提供される。
【0013】
ここで、輝度、発光効率、寿命等の素子特性を向上させる観点から、本発明の有機EL素子又は耐久性向上方法における金属錯体は、電界の印加により、発光及び/又は電荷輸送を生じる金属錯体であることが好ましい。
【0014】
また、同様の観点から、配位結合性化合物としては、N及びOからなる群より選ばれる少なくとも一つのヘテロ原子の電子及び/又はπ電子を供給して配位結合を生じ得る配位結合性有機化合物や、環構造を有する配位結合性有機化合物を適用するのがよく、配位結合性化合物として、複数の中心金属又は中心金属イオンに電子を供給して配位結合を生じ得る架橋型の配位結合性化合物を用い、金属錯体として、上記架橋型の配位結合性化合物及び/又は上記架橋型の配位結合性化合物中の配位結合性骨格が配位子として複数の中心金属に配位した金属錯体を用いることもできる。
【0015】
錯体含有層は、上記配位結合性化合物及び金属錯体を、これら以外の発光性物質及び/又は電荷輸送性物質中に配したものとすることができ、上記金属錯体を単に上記配位結合性化合物中に配したものとしてもよい。かかる錯体含有層は有機EL素子において発光層等として機能する。
【0016】
金属錯体の発光性や電荷輸送性を考慮すれば、金属錯体における中心金属は、Fe、Re、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Zn、Al、Eu、Ga、Mg及びNdからなる群より選ばれる少なくとも少なくとも一つの金属であることが好ましい。
【0017】
更に、錯体含有層において、金属錯体に対する配位結合性化合物の量はモル比で1以上(更には2以上)がよい。錯体含有層において、金属錯体に対してこのように充分な量の配位結合性化合物を含有させることによって、上述した金属錯体の配位子交換反応による素子の劣化及びその反応自体をより確実に抑制することが可能となり、素子の長寿命化をより確実に実現できるようになる。
【0018】
また、錯体含有層は、上記金属錯体及び上記配位結合性化合物のみにより形成されていていることが好ましく、配位結合性化合物をホストとし、金属錯体をドーパントとして含有していることが好ましい。これにより、素子の耐久性向上(長寿命化)が顕著となる傾向がある。なお、錯体含有層が配位結合性化合物及び金属錯体以外の成分を含有する場合には、配位結合性化合物及び金属錯体の合計含有量は、錯体含有層の重量基準で5〜99.5重量%とすることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0020】
図1は、本発明に係る有機EL素子の第1の実施形態(単層型有機EL)を示す模式断面図である。図1に示す有機EL素子100は、互いに対向して配置されている2つの電極(第1の電極1及び第2の電極2)により、有機層である錯体含有層10が挟持された構造を有している。なお、第1の電極1は基板4上に形成されており、錯体含有層10中には、電子を供給して配位結合を生じ得る配位結合性化合物6と、配位結合性化合物6が中心金属に配位した金属錯体8とが配されている。
【0021】
第1の実施形態においては、第1の電極1及び第2の電極2が、それぞれ陽極及び陰極として機能し、電源Pによる電界の印加により、錯体含有層10に対して、第1の電極1からホール(正孔)が注入されるとともに第2の電極2から電子が注入され、これらの再結合に基づいて金属錯体8が発光する。したがって、第1の実施形態では錯体含有層10が発光層となる。
【0022】
図2は、本発明に係る有機EL素子の第2の実施形態(2層型有機EL)を示す模式断面図である。図2に示す有機EL素子200は、互いに対向して配置されている2つの電極(第1の電極1及び第2の電極2)により、ホール輸送層11及び錯体含有層10が挟持された構造を有している。ホール輸送層11及び錯体含有層10は有機層であり、第1の電極1側からこの順に積層されている。また、第1の電極1は基板4上に形成されており、錯体含有層10中には、電子を供給して配位結合を生じ得る配位結合性化合物6と、配位結合性化合物6が中心金属に配位した金属錯体8とが配されている。
【0023】
第2の実施形態においては、第1の電極1及び第2の電極2が、それぞれ陽極及び陰極として機能し、電源Pによる電界の印加により、第1の電極1からホール輸送層11にホール(正孔)が注入されるとともに、第2の電極2から錯体含有層10に電子が注入され、これらが錯体含有層10において再結合することに基づいて金属錯体8が発光する。したがって、第2の実施形態においても錯体含有層10が発光層として機能する。
【0024】
図3は、本発明に係る有機EL素子の第3の実施形態(3層型有機EL)を示す模式断面図である。図3に示す有機EL素子300は、互いに対向して配置されている2つの電極(第1の電極1及び第2の電極2)により、ホール注入層12、錯体含有層10及び電子注入層14が挟持された構造を有している。ホール注入層12、錯体含有層10及び電子注入層14はいずれも有機層であり、第1の電極1側からこの順に積層されている。なお、電子注入層14は無機層(金属層、金属化合物層等)とすることもできる(以下同様)。また、第1の電極1は基板4上に形成されており、錯体含有層10中には、電子を供給して配位結合を生じ得る配位結合性化合物6と、配位結合性化合物6が中心金属に配位した金属錯体8とが配されている。
【0025】
第3の実施形態においては、第1の電極1及び第2の電極2が、それぞれ陽極及び陰極として機能し、電源Pによる電界の印加により、第1の電極1からホール注入層12にホール(正孔)が注入されるとともに、第2の電極2から電子注入層14に電子が注入され、これらが錯体含有層10において再結合することに基づいて金属錯体8が発光する。したがって、第3の実施形態においても錯体含有層10が発光層として機能する。
【0026】
また、図示を省略するが、第3の実施形態における錯体含有層10及びホール注入層12の間にホール輸送層を設けて4層型の有機EL(第4の実施形態)としてもよく、第3の実施形態における電子注入層14と錯体含有層10との間に電子輸送層を設けて4層型の有機EL(第5の実施形態)としてもよく、更には、第5の実施形態における錯体含有層10及びホール注入層12の間にホール輸送層を設けて5層型の有機EL(第6の実施形態)としてもよい。
【0027】
以下、本発明に係る有機EL素子の各構成の好適な実施形態を詳述する。
【0028】
(基板)
基板4としては、ガラス、石英等の非晶質基板、Si、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、InP等の結晶基板、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pd、SUS等の金属基板等を用いることができる。また、結晶質又は非晶質のセラミック、金属、有機物等の薄膜を所定基板上に形成したものを用いてもよい。
【0029】
基板4の側を光取出し側とする場合には、基板4としてガラスや石英等の透明基板を用いることが好ましく、特に、安価なガラスの透明基板を用いることが好ましい。透明基板には、発色光の調整のために、色フィルター膜や蛍光物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜等を設けてもよい。
【0030】
(第1の電極)
第1の電極1は陽極であり、第1の実施形態における錯体含有層10(第2の実施形態ではホール輸送層11、第3〜6の実施形態ではホール注入層12)に対するホール注入電極として機能する。そのため、第1の電極1の材料としては、有機層である錯体含有層10にホールを効率よく注入できる材料が好ましく、かかる観点からは仕事関数が4.5〜5.5eVである材料が好ましい。
【0031】
また、基板4の側を光取出し側とする場合、有機EL素子の発光波長領域である波長400〜700nmにおける透過率、特にRGB各色の波長における第1の電極1の透過率は、50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。第1の電極1の透過率が50%未満であると、錯体含有層10からの発光が減衰されて画像表示に必要な輝度が得られにくくなる。
【0032】
光透過率の高い第1の電極1は、各種酸化物で構成される透明導電膜を用いて構成することができる。かかる材料としては、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)等が好ましく、中でも、ITOは、面内の比抵抗が均一な薄膜が容易に得られる点で特に好ましい。ITO中のIn2O3に対するSnO2の比は、1〜20重量%が好ましく、5〜12重量%がより好ましい。また、IZO中のIn2O3に対するZnOの比は12〜32重量%が好ましい。上記材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0033】
なお、第1の電極1を構成する酸化物の組成は化学量論組成から多少偏倚していてもよい。例えば、ITOは、通常、In2O3とSnO2とを化学量論組成で含有するが、ITOの組成をInOx・SnOyで表すとき、xは1.0〜2.0の範囲内、yは0.8〜1.2の範囲内であればよい。
【0034】
また、第1の電極1に酸化シリコン(SiO2)等の透明な誘電体を添加することにより、第1の電極1の仕事関数を調整することができる。例えば、ITOに対して0.5〜10mol%程度のSiO2を添加することによりITOの仕事関数を増大させ、第1の電極1の仕事関数を上述の好ましい範囲内とすることができる。
【0035】
第1の電極1の膜厚は、上述の光透過率を考慮して決定することが好ましい。例えば酸化物透明導電膜を用いる場合、その膜厚は、好ましくは50〜500nm、より好ましくは50〜300nmであることが好ましい。第1の電極1の膜厚が500nmを超えると、光透過率が不充分となると共に、基板4からの第1の電極1の剥離が発生する場合がある。また、膜厚の減少に伴い光透過性は向上するが、膜厚が50nm未満の場合、錯体含有層10(又はホール注入層12若しくはホール輸送層11)へのホール注入効率が低下すると共に膜の強度が低下してしまう。
【0036】
なお、図1及び図2には、基板4上に陽極を配置し、錯体含有層10を介して基板4から遠い側に陰極を配置した有機EL素子の例を示したが、陽極及び陰極の位置は逆であってもよい。基板4上に陰極を配置した場合、陰極側を光取出し側とすることができるが、この場合には、陰極が上述の光学的条件及び膜厚条件を満たすことが好ましい。
【0037】
(第2の電極)
第2の電極2は陰極であり、第1の実施形態における錯体含有層10(第2の実施形態では錯体含有層10、第3〜6の実施形態では電子注入層14)に対する電子注入電極として機能する。第2の電極2の材料としては、金属材料、有機金属錯体、金属塩等が挙げられ、錯体含有層10等への電子注入が容易となるように仕事関数が低い材料が好ましい。
【0038】
第2の電極2を構成する金属材料の具体的態様としては、Li、Na、K、Cs等のアルカリ金属、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属、LiF、CsI等のアルカリ金属ハロゲン化物等が挙げられる。また、La、Ce、Sn、Zn、Zr等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属と特性が近い金属を用いることができる。これらの中でも、Caは仕事関数が非常に低いため特に好ましい。
【0039】
第2の電極2としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属を用いる場合は、そのの膜厚は、好ましくは0.1〜100nm、より好ましくは1.0〜50nmである。また、アルカリハロゲン化物を用いる場合の膜厚は、錯体含有層10への電子注入能力の点からできるだけ薄い方が好ましく、具体的には、10nm以下が好ましく、1nm以下がより好ましい。上記の材料からなる第2の電極2は、例えば、真空蒸着法等によって形成可能である。
【0040】
第2の電極2を構成する有機金属錯体の具体的態様としては、β−ジケトナト錯体、キノリノール錯体等が挙げられる。有機金属錯体が有する金属は、仕事関数が低いものがよく、例えば、Li、Na、K、Cs等のアルカリ金属、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属、更には、La、Ce、Sn、Zn、Zr等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属と特性が近い金属が好適である。また、有機金属錯体に電子輸送性高分子材料等を更に含有させることで錯体含有層10等に対する密着性や電子注入層の電気特性を更に向上させることができる。有機金属錯体の塗布膜からなる電子注入層の膜厚は、錯体含有層10等への電子注入能力の点から、できるだけ薄い方が好ましく、具体的には、10nm以下が好ましく、1nm以下がより好ましい。
【0041】
上記の材料からなる第2の電極2は、例えば、有機金属錯体を所定溶媒に加えた塗布液を、スピンコート法等の塗布法により、第2の電極2が接続する層(例えば、錯体含有層10)上に塗布し、塗布液から溶媒を除去することで形成可能である。
【0042】
第2の電極2を構成する金属塩の具体的態様としては、Ag、Al、Au、Be、Bi、Co、Cu、Fe、Ga、Hg、Ir、Mo、Mn、Nb、Ni、Os、Pb、Pd、Pt、Re、Ru、Sb、Sn、Ti、Zr等の塩が挙げられる。
【0043】
これらの金属塩は有機金属塩、無機金属塩のいずれであってもよい。有機金属塩としては、置換又は未置換の脂肪族カルボン酸塩、二価カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、アルコラート、フェノラート、ジアルキルアミド等が挙げられる。また、無機金属塩としてはハロゲン化物等が挙げられる。
【0044】
脂肪族カルボン酸塩の脂肪族カルボン酸は、飽和脂肪族カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸のいずれであってもよい。飽和脂肪族カルボン酸塩としては、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、イソオクタン酸、デカン酸、ラウリン酸等の金属塩が挙げられる。また、不飽和脂肪族カルボン酸塩としては、オレイン酸、リシノレイン酸、リノール酸等の金属塩が挙げられる。
【0045】
二価カルボン酸塩としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸等二価カルボン酸の金属塩が挙げられ、芳香族カルボン酸塩としては、安息香酸、o−tert−ブチル安息香酸、m−tert−ブチル安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸等の金属塩が挙げられ、中でもサリチル酸の金属塩が好ましい。
【0046】
アルコラートはアルコールの金属塩である。アルコラートを構成するアルコール成分としては、例えば、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等の一級アルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等の二級アルコール、tert−ブチルアルコール等の三級アルコール等が挙げられる。
【0047】
フェノラートはフェノール類の金属塩である。フェノラートを構成するフェノール成分が有する水酸基の個数は特に制限されないが、好ましくは1〜2個である。また、かかるフェノール成分は水酸基の他に置換基(好ましくは炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル基)を有していてもよい。本発明では、フェノール、ナフトール、4−フェニルフェノール等が好ましく用いられる。
【0048】
また、無機金属塩であるハロゲン化物としては、例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等の金属塩が挙げられる。
【0049】
上記の材料からなる第2の電極2は、例えば、金属塩を所定溶媒に加えた塗布液を、スピンコート法等の塗布法により、第2の電極2が接続する層(例えば、錯体含有層10)上に塗布し、塗布液から溶媒を除去することにより形成可能である。
【0050】
なお、第2の電極2上には補助電極を設けてもよい。これにより、錯体含有層10等への電子注入効率を向上させることができ、また、錯体含有層10や電子注入層への水分又は有機溶媒の侵入を防止することができる。補助電極の材料としては、仕事関数及び電荷注入能力に関する制限がないため、一般的な金属を用いることができるが、導電率が高く取り扱いが容易な金属を用いることが好ましい。また、特に第2の電極2が有機材料を含む場合には、有機材料の種類や密着性等に応じて適宜選択することが好ましい。
【0051】
補助電極に用いられる材料としては、Al、Ag、In、Ti、Cu、Au、Mo、W、Pt、Pd、Ni等が挙げられるが、中でもAl及びAg等の低抵抗の金属を用いると電子注入効率を更に高めることができる。また、TiN等の金属化合物を用いることにより一層高い封止性を得ることができる。これらの材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。また、2種以上の金属を用いる場合は合金として用いてもよい。このような補助電極は、例えば、真空蒸着法等によって形成可能である。
【0052】
(有機層)
本発明の有機EL素子は、互いに対向して配置されている2つの電極間に、1又は2以上の有機層を備えており、有機層の少なくとも1つが、配位結合性化合物と金属錯体とを含む錯体含有層となっている。
【0053】
錯体含有層は、配位結合性化合物と金属錯体のみからなり、金属錯体が配位結合性化合物中に配された状態のものでも、配位結合性化合物及び金属錯体以外の発光性物質及び/又は電荷輸送性物質を更に含んでおり、これらの中に配位結合性化合物及び金属錯体が配された状態のものであってもよい。
【0054】
有機層が複数存在する場合において、錯体含有層が複数存在していても、錯体含有層以外に、配位結合性化合物及び金属錯体のいずれも含有しない有機層、例えば、ホール注入層、ホール輸送層、電子注入層及び電子輸送層が存在していてもよい。なお、ホール注入層、ホール輸送層、電子注入層及び電子輸送層が存在する場合は、これらの層の配置は、上記第1〜第6の実施形態に記載のような配置であることが好ましい。
【0055】
なお、錯体含有層、ホール注入層、ホール輸送層、電子注入層及び電子輸送層の好適な厚さは特に限定されず、用いる材料及びそれらの形成方法によっても異なるが、好適な厚さは、錯体含有層は、5〜1000nm、ホール注入層、ホール輸送層、電子注入層及び電子輸送層は、それぞれ0.1〜100nm、1〜1000nm、0.1〜100nm及び1〜1000nmである。
【0056】
錯体含有層における配位結合性化合物は、金属又は金属イオンに電子を供給して配位結合を生じ得る配位結合性化合物であればよく、N及びOからなる群より選ばれる少なくとも一つのヘテロ原子の電子(非共有電子対における電子等)及び/又はπ電子を、金属又は金属イオンに供給して配位結合を生じ得る配位結合性有機化合物が好適である。このような配位結合性有機化合物は環構造を有しているのが更に好適である。
【0057】
錯体含有層における金属錯体は、上記配位結合性化合物及び/又は上記配位結合性化合物中の配位結合性骨格が配位子として中心金属又は中心金属イオンに配位した金属錯体であり、中心金属は、Fe、Re、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Zn、Al、Eu、Ga、Mg、Nd等がよく、中心金属イオンもこれらのイオンであるのがよい。
【0058】
「配位結合性化合物が配位子として中心金属又は中心金属イオンに配位した金属錯体」とは、例えば、配位結合性化合物である7,8−ベンゾキノリン(「bqi」と略す。)3個が、Irに配位したIr(bqi)3のように(以下の化学式を参照)、配位結合性化合物がその化学構造を変えることなく、中心金属に配位した化合物を意味する。
【化1】
【0059】
なお、「配位結合性化合物が配位子として中心金属又は中心金属イオンに配位した金属錯体」には、配位結合性化合物である8−キノリノールの水酸基からH原子が除かれたもの3個が、Alに配位した以下の化学式で表される金属錯体(Alq3)等のような、配位結合のために配位結合性化合物の「原子」の一部が除かれて生じる金属錯体も含まれる。
【化2】
【0060】
一方、「配位結合性化合物中の配位結合性骨格が配位子として中心金属に配位した金属錯体」とは、例えば、配位結合性化合物である2,6−ジフェニルピリジンからフェニル基が除かれた誘導体(2−フェニルピリジン)3個が、Irに配位した以下の化学式で表される金属錯体のように、配位結合のために配位結合性化合物の「基」の一部が除かれて生じる金属錯体をいう。なお、配位結合性化合物の「基」の一部が除かれて上記金属錯体を形成する場合は、配位結合性化合物の主骨格が維持されることで中心金属に配位可能な部位は保持されることが条件となる。
【化3】
【0061】
配位結合性化合物と金属錯体の組合わせの具体的としては、例えば、表1〜27に示す組(No.1〜117)が挙げられる。
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】
【表7】
【0068】
【表8】
【0069】
【表9】
【0070】
【表10】
【0071】
【表11】
【0072】
【表12】
【0073】
【表13】
【0074】
【表14】
【0075】
【表15】
【0076】
【表16】
【0077】
【表17】
【0078】
【表18】
【0079】
【表19】
【0080】
【表20】
【0081】
【表21】
【0082】
【表22】
【0083】
【表23】
【0084】
【表24】
【0085】
【表25】
【0086】
【表26】
【0087】
なお、複数の中心金属に電子を供給して配位結合を生じ得る架橋型の配位結合性化合物と、架橋型の配位結合性化合物が配位子として複数の中心金属に配位した金属錯体との組合せの具体例は、表27に示すとおりである。
【0088】
【表27】
【0089】
上述のように、錯体含有層は、配位結合性化合物及び金属錯体以外の発光性物質及び/又は電荷輸送性物質を更に含んでいてもよい。
【0090】
錯体含有層が含有可能な電荷輸送性物質としては、以下のBND、t−BuPBD、p−EtTAZ、BCP等の電子輸送性物質や、
【化4】
【化5】
【0091】
以下のTPD、α−NPD、TPAC、Spiro−TPD等のホール輸送性物質が挙げられる。
【化6】
【0092】
【化7】
【化8】
【0093】
錯体含有層が含有可能な発光性物質としては、DPVBi、EM2、PESB、Spiro−TAD、Spiro−8φ、Rubrene、DCM、BPPC等の低分子系材料、PPV、MEH−PPV、PF等のπ共役ポリマー、PVK、TPDPES、PVOXD等の低分子色素含有ポリマー等が挙げられる。
【0094】
有機層が複数存在する場合におけるホール輸送層には、低分子材料、高分子材料のいずれのホール輸送性材料も使用可能である。ホール輸送性低分子材料としては、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などが挙げられる。また、ホール輸送性高分子材料としては、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸共重合体(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリスチレンスルホン酸共重合体(Pani/PSS)などが挙げられる。これらのホール輸送性材料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0095】
有機層が複数存在する場合における電子輸送層には、低分子材料、高分子材料のいずれの電子輸送材料も使用可能である。電子輸送性低分子材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン及びその誘導体、フルオレン及びその誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、フェナントロリン及びその誘導体、並びにこれらの化合物を配位子とする金属錯体などが挙げられる。また、電子輸送性高分子材料としては、ポリキノキサリン、ポリキノリンなどが挙げられる。これらの電子輸送性材料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0096】
有機層が複数存在する場合におけるホール注入層には、アリールアミン、フタロシアニン、ポリアニリン/有機酸、ポリチオフェン/ポリマー酸等を用いることができ、電子注入層にはリチウム等のアルカリ金属、フッ化リチウム、酸化リチウム等を用いることができる。
【0097】
錯体含有層においては、本発明にかかる金属錯体自身がドーパントとなるが、当該錯体含有層は以下のドーパントを更に含んでいてもよい。すなわち、テトラフェニルブタジエン(TPB)及びその誘導体、スチリルアミン誘導体、フルオランテン誘導体、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(PtOEP)などのポルフィリン環を有する白金錯体等のドーパントを更に含んでいてもよい。
【0098】
本発明に係る有機EL素子は、公知の製造方法で製造でき、有機層の形成方法としては、真空蒸着法、イオン化蒸着法、塗布法等を、有機層を構成する材料に応じて適宜選択して採用できる。
【0099】
本発明の有機EL素子は、有機ELディスプレイ、さらにはメモリ読み出しや書き込みに利用される光ピックアップ、光通信の伝送路に設けられる中継装置、フォトカプラ等の様々な光応用デバイスの分野で好適に用いることができる。
【0100】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0101】
[実施例1及び比較例1]
ガラス基板上に、陽極層としてのITO膜(膜厚100nm)を形成し、このITO膜上に、大気下で1.6重量%PEDOT水溶液をスピンコート法により塗布し、減圧下、85℃で30分間乾燥して膜厚50nmのホール注入層を形成した。
【0102】
次に、表28に示した各成分を同表に示した配合量で混合し、これを0.5μmのメンブランフィルターで濾過して発光層(錯体含有層)形成用塗布液を得た。得られた発光層形成用塗布液を、スピンコート法によりアルゴン雰囲気下でホール注入層上に塗布し、アルゴン雰囲気下、180℃で1時間乾燥して膜厚100nmの発光層を形成した。
【表28】
【0103】
更に、この発光層上に、電子輸送層としてのBphen(バソフェナントロリン)(膜厚15nm)、電子注入層としてのLiF(膜厚0.5nm)、及び陰極としてのAl(膜厚150nm)をこの順に真空中(5×10−4Pa)で蒸着し、目的の有機EL素子を得た(実施例1は、第5の実施形態に相当する構成を有する。)。
【0104】
<素子特性評価試験>
上記のようにして得られた実施例1及び比較例1の有機EL素子について、真空中、室温にて、50mA/cm2の定電流駆動時の初期輝度(電流効率)、及び、同条件で輝度が半減するまでの寿命(輝度半減寿命)をそれぞれ測定した。得られた結果を表29に示す。
【表29】
【0105】
[実施例2]
発光層(錯体含有層)形成用塗布液において、bqiの配合量を調節し、Ir(bqi)3に対するbqiのモル比(bqi/Ir(bqi)3)を0〜50の間で変化させた以外は実施例1と同様にして、有機EL素子を得た。得られた有機EL素子の初期輝度及び輝度半減寿命を上記の素子特性評価試験と同様の方法でそれぞれ測定し、得られた結果をプロットしたグラフを図4に示した。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の有機EL素子によれば、素子の劣化及びそれによる輝度の低下を充分に抑制することができ、素子の長寿命化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。
【図2】第2の実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。
【図3】第3の実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。
【図4】金属錯体(Ir(bqi)3)に対する配位結合性化合物(bqi)のモル比と、有機EL素子の初期輝度及び輝度半減寿命との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…第1の電極、2…第2の電極、4…基板、6…配位結合性化合物、8…金属錯体、10…錯体含有層、11…ホール輸送層、12・・・ホール注入層、14・・・電子注入層、100・・・第1の実施形態に係る有機EL素子、200・・・第2の実施形態に係る有機EL素子、300・・・第3の実施形態に係る有機EL素子、P…電源。
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス、電界発光)素子及び有機EL素子の耐久性向上方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機ELディスプレイ等に用いられる有機EL素子は、例えば、蛍光性有機化合物や燐光性有機化合物等の発光性有機化合物を含む発光層を、陰極と陽極で挟んだ構成を有するものであり、この発光性有機化合物に電界を印加することにより励起・発光させる素子である。このような有機EL素子は、無機EL素子と比較して、輝度や発光効率(量子収率)等の素子特性において優れており、現在実用化の段階を迎えつつある。
【0003】
しかしながら、有機EL素子は、上述のように優れた輝度及び発光効率を有している反面、寿命が未だ充分ではないという欠点を有しており、素子の更なる長寿命化が要求されている。
【0004】
このような要求に対し、対向する電極間の有機化合物薄膜の少なくとも一層に、金属イオンと錯体を形成しうる配位子を含有し、且つ、電極間の何れかの場所に金属イオンを放出しうるメタルソースを含有する有機EL素子が提案されている(特許文献1参照)。また、発光層に、8−ヒドロキシキノリンを配位子とするアルミニウム錯体と、8−ヒドロキシキノリンを配位子としてアルミニウムとは異なる金属を中心金属とする金属錯体とを含有させた有機EL素子が提案されており(特許文献2参照)、これらの方法により、有機EL素子の寿命の向上や輝度の向上が図られている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−110357号公報
【特許文献2】
特開平7−53952号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載された有機EL素子では、素子の長寿命化が未だ充分ではなく、また、特許文献1に記載された有機EL素子の場合には、メタルソース自体が発光を阻害する不純物となる可能性があるという欠点を有していた。
【0007】
そこで、本発明の目的は、素子の劣化及びそれによる輝度の低下を充分に抑制することができ、素子の長寿命化を図ることが可能な有機EL素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、互いに対向して配置されている2つの電極間に、1又は2以上の有機層を備える有機EL素子において、上記有機層の少なくとも1つは、電子を供給して配位結合を生じ得る配位結合性化合物と、上記配位結合性化合物及び/又は上記配位結合性化合物中の配位結合性骨格が配位子として中心金属又は中心金属イオンに配位した金属錯体と、を含む錯体含有層であることを特徴とする有機EL素子を提供するものである。
【0009】
発光性や電子輸送性を有する金属錯体は、有機EL素子の材料として有用であり、このような金属錯体を有機EL素子に用いることによって、素子の輝度や発光効率等を向上させることが可能である。しかしながら、金属錯体は励起状態で配位子交換反応を生じやすい性質を有しており、金属錯体を用いた有機EL素子においては、かかる性質が素子の劣化の原因の一つであると考えられている。
【0010】
本発明の有機EL素子においては、上述したように有機層の少なくとも一層が配位結合性化合物と金属錯体とが共存する層(錯体含有層)となっている。このような層においては、共存する配位結合性化合物の影響で、金属錯体の配位子交換反応の化学平衡が当該反応の生じない側に偏ることとなるため、素子の劣化を抑制することができる。また、金属錯体が有する配位子が、共存する配位結合性化合物と同一化合物であるか配位結合性化合物中の配位結合性骨格であるため、錯体配位子交換反応が生じた場合であっても、当該反応前の金属錯体と同一又は実質的に同一の構造となり、素子の劣化が効果的に抑制される。
【0011】
配位子はπ電子や不対電子等の電子を供給して金属に配位するため、金属錯体及び/又は配位結合性化合物は、電子輸送性材料やホール輸送性材料等の電荷輸送材料として用いることが可能であり、この場合、同様の構造同士の電子又は正孔のやり取りが生じることとなるため、発光効率や輝度の向上を図ることも可能になる。
【0012】
上記の構成を採用することにより、有機EL素子の耐久性向上方法(発光効率向上方法若しくは輝度向上方法と言い換えることも可能である。)を提供することが可能になる。すなわち、互いに対向して配置されている2つの電極間に1又は2以上の有機層を備える有機EL素子の耐久性向上方法であって、上記有機層の少なくとも1つを、電子を供給して配位結合を生じ得る配位結合性化合物と、上記配位結合性化合物及び/又は上記配位結合性化合物中の配位結合性骨格が配位子として中心金属に配位した金属錯体と、を含む錯体含有層とすることを特徴とする方法が提供される。
【0013】
ここで、輝度、発光効率、寿命等の素子特性を向上させる観点から、本発明の有機EL素子又は耐久性向上方法における金属錯体は、電界の印加により、発光及び/又は電荷輸送を生じる金属錯体であることが好ましい。
【0014】
また、同様の観点から、配位結合性化合物としては、N及びOからなる群より選ばれる少なくとも一つのヘテロ原子の電子及び/又はπ電子を供給して配位結合を生じ得る配位結合性有機化合物や、環構造を有する配位結合性有機化合物を適用するのがよく、配位結合性化合物として、複数の中心金属又は中心金属イオンに電子を供給して配位結合を生じ得る架橋型の配位結合性化合物を用い、金属錯体として、上記架橋型の配位結合性化合物及び/又は上記架橋型の配位結合性化合物中の配位結合性骨格が配位子として複数の中心金属に配位した金属錯体を用いることもできる。
【0015】
錯体含有層は、上記配位結合性化合物及び金属錯体を、これら以外の発光性物質及び/又は電荷輸送性物質中に配したものとすることができ、上記金属錯体を単に上記配位結合性化合物中に配したものとしてもよい。かかる錯体含有層は有機EL素子において発光層等として機能する。
【0016】
金属錯体の発光性や電荷輸送性を考慮すれば、金属錯体における中心金属は、Fe、Re、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Zn、Al、Eu、Ga、Mg及びNdからなる群より選ばれる少なくとも少なくとも一つの金属であることが好ましい。
【0017】
更に、錯体含有層において、金属錯体に対する配位結合性化合物の量はモル比で1以上(更には2以上)がよい。錯体含有層において、金属錯体に対してこのように充分な量の配位結合性化合物を含有させることによって、上述した金属錯体の配位子交換反応による素子の劣化及びその反応自体をより確実に抑制することが可能となり、素子の長寿命化をより確実に実現できるようになる。
【0018】
また、錯体含有層は、上記金属錯体及び上記配位結合性化合物のみにより形成されていていることが好ましく、配位結合性化合物をホストとし、金属錯体をドーパントとして含有していることが好ましい。これにより、素子の耐久性向上(長寿命化)が顕著となる傾向がある。なお、錯体含有層が配位結合性化合物及び金属錯体以外の成分を含有する場合には、配位結合性化合物及び金属錯体の合計含有量は、錯体含有層の重量基準で5〜99.5重量%とすることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0020】
図1は、本発明に係る有機EL素子の第1の実施形態(単層型有機EL)を示す模式断面図である。図1に示す有機EL素子100は、互いに対向して配置されている2つの電極(第1の電極1及び第2の電極2)により、有機層である錯体含有層10が挟持された構造を有している。なお、第1の電極1は基板4上に形成されており、錯体含有層10中には、電子を供給して配位結合を生じ得る配位結合性化合物6と、配位結合性化合物6が中心金属に配位した金属錯体8とが配されている。
【0021】
第1の実施形態においては、第1の電極1及び第2の電極2が、それぞれ陽極及び陰極として機能し、電源Pによる電界の印加により、錯体含有層10に対して、第1の電極1からホール(正孔)が注入されるとともに第2の電極2から電子が注入され、これらの再結合に基づいて金属錯体8が発光する。したがって、第1の実施形態では錯体含有層10が発光層となる。
【0022】
図2は、本発明に係る有機EL素子の第2の実施形態(2層型有機EL)を示す模式断面図である。図2に示す有機EL素子200は、互いに対向して配置されている2つの電極(第1の電極1及び第2の電極2)により、ホール輸送層11及び錯体含有層10が挟持された構造を有している。ホール輸送層11及び錯体含有層10は有機層であり、第1の電極1側からこの順に積層されている。また、第1の電極1は基板4上に形成されており、錯体含有層10中には、電子を供給して配位結合を生じ得る配位結合性化合物6と、配位結合性化合物6が中心金属に配位した金属錯体8とが配されている。
【0023】
第2の実施形態においては、第1の電極1及び第2の電極2が、それぞれ陽極及び陰極として機能し、電源Pによる電界の印加により、第1の電極1からホール輸送層11にホール(正孔)が注入されるとともに、第2の電極2から錯体含有層10に電子が注入され、これらが錯体含有層10において再結合することに基づいて金属錯体8が発光する。したがって、第2の実施形態においても錯体含有層10が発光層として機能する。
【0024】
図3は、本発明に係る有機EL素子の第3の実施形態(3層型有機EL)を示す模式断面図である。図3に示す有機EL素子300は、互いに対向して配置されている2つの電極(第1の電極1及び第2の電極2)により、ホール注入層12、錯体含有層10及び電子注入層14が挟持された構造を有している。ホール注入層12、錯体含有層10及び電子注入層14はいずれも有機層であり、第1の電極1側からこの順に積層されている。なお、電子注入層14は無機層(金属層、金属化合物層等)とすることもできる(以下同様)。また、第1の電極1は基板4上に形成されており、錯体含有層10中には、電子を供給して配位結合を生じ得る配位結合性化合物6と、配位結合性化合物6が中心金属に配位した金属錯体8とが配されている。
【0025】
第3の実施形態においては、第1の電極1及び第2の電極2が、それぞれ陽極及び陰極として機能し、電源Pによる電界の印加により、第1の電極1からホール注入層12にホール(正孔)が注入されるとともに、第2の電極2から電子注入層14に電子が注入され、これらが錯体含有層10において再結合することに基づいて金属錯体8が発光する。したがって、第3の実施形態においても錯体含有層10が発光層として機能する。
【0026】
また、図示を省略するが、第3の実施形態における錯体含有層10及びホール注入層12の間にホール輸送層を設けて4層型の有機EL(第4の実施形態)としてもよく、第3の実施形態における電子注入層14と錯体含有層10との間に電子輸送層を設けて4層型の有機EL(第5の実施形態)としてもよく、更には、第5の実施形態における錯体含有層10及びホール注入層12の間にホール輸送層を設けて5層型の有機EL(第6の実施形態)としてもよい。
【0027】
以下、本発明に係る有機EL素子の各構成の好適な実施形態を詳述する。
【0028】
(基板)
基板4としては、ガラス、石英等の非晶質基板、Si、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、InP等の結晶基板、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pd、SUS等の金属基板等を用いることができる。また、結晶質又は非晶質のセラミック、金属、有機物等の薄膜を所定基板上に形成したものを用いてもよい。
【0029】
基板4の側を光取出し側とする場合には、基板4としてガラスや石英等の透明基板を用いることが好ましく、特に、安価なガラスの透明基板を用いることが好ましい。透明基板には、発色光の調整のために、色フィルター膜や蛍光物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜等を設けてもよい。
【0030】
(第1の電極)
第1の電極1は陽極であり、第1の実施形態における錯体含有層10(第2の実施形態ではホール輸送層11、第3〜6の実施形態ではホール注入層12)に対するホール注入電極として機能する。そのため、第1の電極1の材料としては、有機層である錯体含有層10にホールを効率よく注入できる材料が好ましく、かかる観点からは仕事関数が4.5〜5.5eVである材料が好ましい。
【0031】
また、基板4の側を光取出し側とする場合、有機EL素子の発光波長領域である波長400〜700nmにおける透過率、特にRGB各色の波長における第1の電極1の透過率は、50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。第1の電極1の透過率が50%未満であると、錯体含有層10からの発光が減衰されて画像表示に必要な輝度が得られにくくなる。
【0032】
光透過率の高い第1の電極1は、各種酸化物で構成される透明導電膜を用いて構成することができる。かかる材料としては、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)等が好ましく、中でも、ITOは、面内の比抵抗が均一な薄膜が容易に得られる点で特に好ましい。ITO中のIn2O3に対するSnO2の比は、1〜20重量%が好ましく、5〜12重量%がより好ましい。また、IZO中のIn2O3に対するZnOの比は12〜32重量%が好ましい。上記材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0033】
なお、第1の電極1を構成する酸化物の組成は化学量論組成から多少偏倚していてもよい。例えば、ITOは、通常、In2O3とSnO2とを化学量論組成で含有するが、ITOの組成をInOx・SnOyで表すとき、xは1.0〜2.0の範囲内、yは0.8〜1.2の範囲内であればよい。
【0034】
また、第1の電極1に酸化シリコン(SiO2)等の透明な誘電体を添加することにより、第1の電極1の仕事関数を調整することができる。例えば、ITOに対して0.5〜10mol%程度のSiO2を添加することによりITOの仕事関数を増大させ、第1の電極1の仕事関数を上述の好ましい範囲内とすることができる。
【0035】
第1の電極1の膜厚は、上述の光透過率を考慮して決定することが好ましい。例えば酸化物透明導電膜を用いる場合、その膜厚は、好ましくは50〜500nm、より好ましくは50〜300nmであることが好ましい。第1の電極1の膜厚が500nmを超えると、光透過率が不充分となると共に、基板4からの第1の電極1の剥離が発生する場合がある。また、膜厚の減少に伴い光透過性は向上するが、膜厚が50nm未満の場合、錯体含有層10(又はホール注入層12若しくはホール輸送層11)へのホール注入効率が低下すると共に膜の強度が低下してしまう。
【0036】
なお、図1及び図2には、基板4上に陽極を配置し、錯体含有層10を介して基板4から遠い側に陰極を配置した有機EL素子の例を示したが、陽極及び陰極の位置は逆であってもよい。基板4上に陰極を配置した場合、陰極側を光取出し側とすることができるが、この場合には、陰極が上述の光学的条件及び膜厚条件を満たすことが好ましい。
【0037】
(第2の電極)
第2の電極2は陰極であり、第1の実施形態における錯体含有層10(第2の実施形態では錯体含有層10、第3〜6の実施形態では電子注入層14)に対する電子注入電極として機能する。第2の電極2の材料としては、金属材料、有機金属錯体、金属塩等が挙げられ、錯体含有層10等への電子注入が容易となるように仕事関数が低い材料が好ましい。
【0038】
第2の電極2を構成する金属材料の具体的態様としては、Li、Na、K、Cs等のアルカリ金属、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属、LiF、CsI等のアルカリ金属ハロゲン化物等が挙げられる。また、La、Ce、Sn、Zn、Zr等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属と特性が近い金属を用いることができる。これらの中でも、Caは仕事関数が非常に低いため特に好ましい。
【0039】
第2の電極2としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属を用いる場合は、そのの膜厚は、好ましくは0.1〜100nm、より好ましくは1.0〜50nmである。また、アルカリハロゲン化物を用いる場合の膜厚は、錯体含有層10への電子注入能力の点からできるだけ薄い方が好ましく、具体的には、10nm以下が好ましく、1nm以下がより好ましい。上記の材料からなる第2の電極2は、例えば、真空蒸着法等によって形成可能である。
【0040】
第2の電極2を構成する有機金属錯体の具体的態様としては、β−ジケトナト錯体、キノリノール錯体等が挙げられる。有機金属錯体が有する金属は、仕事関数が低いものがよく、例えば、Li、Na、K、Cs等のアルカリ金属、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属、更には、La、Ce、Sn、Zn、Zr等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属と特性が近い金属が好適である。また、有機金属錯体に電子輸送性高分子材料等を更に含有させることで錯体含有層10等に対する密着性や電子注入層の電気特性を更に向上させることができる。有機金属錯体の塗布膜からなる電子注入層の膜厚は、錯体含有層10等への電子注入能力の点から、できるだけ薄い方が好ましく、具体的には、10nm以下が好ましく、1nm以下がより好ましい。
【0041】
上記の材料からなる第2の電極2は、例えば、有機金属錯体を所定溶媒に加えた塗布液を、スピンコート法等の塗布法により、第2の電極2が接続する層(例えば、錯体含有層10)上に塗布し、塗布液から溶媒を除去することで形成可能である。
【0042】
第2の電極2を構成する金属塩の具体的態様としては、Ag、Al、Au、Be、Bi、Co、Cu、Fe、Ga、Hg、Ir、Mo、Mn、Nb、Ni、Os、Pb、Pd、Pt、Re、Ru、Sb、Sn、Ti、Zr等の塩が挙げられる。
【0043】
これらの金属塩は有機金属塩、無機金属塩のいずれであってもよい。有機金属塩としては、置換又は未置換の脂肪族カルボン酸塩、二価カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、アルコラート、フェノラート、ジアルキルアミド等が挙げられる。また、無機金属塩としてはハロゲン化物等が挙げられる。
【0044】
脂肪族カルボン酸塩の脂肪族カルボン酸は、飽和脂肪族カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸のいずれであってもよい。飽和脂肪族カルボン酸塩としては、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、イソオクタン酸、デカン酸、ラウリン酸等の金属塩が挙げられる。また、不飽和脂肪族カルボン酸塩としては、オレイン酸、リシノレイン酸、リノール酸等の金属塩が挙げられる。
【0045】
二価カルボン酸塩としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸等二価カルボン酸の金属塩が挙げられ、芳香族カルボン酸塩としては、安息香酸、o−tert−ブチル安息香酸、m−tert−ブチル安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸等の金属塩が挙げられ、中でもサリチル酸の金属塩が好ましい。
【0046】
アルコラートはアルコールの金属塩である。アルコラートを構成するアルコール成分としては、例えば、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等の一級アルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等の二級アルコール、tert−ブチルアルコール等の三級アルコール等が挙げられる。
【0047】
フェノラートはフェノール類の金属塩である。フェノラートを構成するフェノール成分が有する水酸基の個数は特に制限されないが、好ましくは1〜2個である。また、かかるフェノール成分は水酸基の他に置換基(好ましくは炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル基)を有していてもよい。本発明では、フェノール、ナフトール、4−フェニルフェノール等が好ましく用いられる。
【0048】
また、無機金属塩であるハロゲン化物としては、例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等の金属塩が挙げられる。
【0049】
上記の材料からなる第2の電極2は、例えば、金属塩を所定溶媒に加えた塗布液を、スピンコート法等の塗布法により、第2の電極2が接続する層(例えば、錯体含有層10)上に塗布し、塗布液から溶媒を除去することにより形成可能である。
【0050】
なお、第2の電極2上には補助電極を設けてもよい。これにより、錯体含有層10等への電子注入効率を向上させることができ、また、錯体含有層10や電子注入層への水分又は有機溶媒の侵入を防止することができる。補助電極の材料としては、仕事関数及び電荷注入能力に関する制限がないため、一般的な金属を用いることができるが、導電率が高く取り扱いが容易な金属を用いることが好ましい。また、特に第2の電極2が有機材料を含む場合には、有機材料の種類や密着性等に応じて適宜選択することが好ましい。
【0051】
補助電極に用いられる材料としては、Al、Ag、In、Ti、Cu、Au、Mo、W、Pt、Pd、Ni等が挙げられるが、中でもAl及びAg等の低抵抗の金属を用いると電子注入効率を更に高めることができる。また、TiN等の金属化合物を用いることにより一層高い封止性を得ることができる。これらの材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。また、2種以上の金属を用いる場合は合金として用いてもよい。このような補助電極は、例えば、真空蒸着法等によって形成可能である。
【0052】
(有機層)
本発明の有機EL素子は、互いに対向して配置されている2つの電極間に、1又は2以上の有機層を備えており、有機層の少なくとも1つが、配位結合性化合物と金属錯体とを含む錯体含有層となっている。
【0053】
錯体含有層は、配位結合性化合物と金属錯体のみからなり、金属錯体が配位結合性化合物中に配された状態のものでも、配位結合性化合物及び金属錯体以外の発光性物質及び/又は電荷輸送性物質を更に含んでおり、これらの中に配位結合性化合物及び金属錯体が配された状態のものであってもよい。
【0054】
有機層が複数存在する場合において、錯体含有層が複数存在していても、錯体含有層以外に、配位結合性化合物及び金属錯体のいずれも含有しない有機層、例えば、ホール注入層、ホール輸送層、電子注入層及び電子輸送層が存在していてもよい。なお、ホール注入層、ホール輸送層、電子注入層及び電子輸送層が存在する場合は、これらの層の配置は、上記第1〜第6の実施形態に記載のような配置であることが好ましい。
【0055】
なお、錯体含有層、ホール注入層、ホール輸送層、電子注入層及び電子輸送層の好適な厚さは特に限定されず、用いる材料及びそれらの形成方法によっても異なるが、好適な厚さは、錯体含有層は、5〜1000nm、ホール注入層、ホール輸送層、電子注入層及び電子輸送層は、それぞれ0.1〜100nm、1〜1000nm、0.1〜100nm及び1〜1000nmである。
【0056】
錯体含有層における配位結合性化合物は、金属又は金属イオンに電子を供給して配位結合を生じ得る配位結合性化合物であればよく、N及びOからなる群より選ばれる少なくとも一つのヘテロ原子の電子(非共有電子対における電子等)及び/又はπ電子を、金属又は金属イオンに供給して配位結合を生じ得る配位結合性有機化合物が好適である。このような配位結合性有機化合物は環構造を有しているのが更に好適である。
【0057】
錯体含有層における金属錯体は、上記配位結合性化合物及び/又は上記配位結合性化合物中の配位結合性骨格が配位子として中心金属又は中心金属イオンに配位した金属錯体であり、中心金属は、Fe、Re、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Zn、Al、Eu、Ga、Mg、Nd等がよく、中心金属イオンもこれらのイオンであるのがよい。
【0058】
「配位結合性化合物が配位子として中心金属又は中心金属イオンに配位した金属錯体」とは、例えば、配位結合性化合物である7,8−ベンゾキノリン(「bqi」と略す。)3個が、Irに配位したIr(bqi)3のように(以下の化学式を参照)、配位結合性化合物がその化学構造を変えることなく、中心金属に配位した化合物を意味する。
【化1】
【0059】
なお、「配位結合性化合物が配位子として中心金属又は中心金属イオンに配位した金属錯体」には、配位結合性化合物である8−キノリノールの水酸基からH原子が除かれたもの3個が、Alに配位した以下の化学式で表される金属錯体(Alq3)等のような、配位結合のために配位結合性化合物の「原子」の一部が除かれて生じる金属錯体も含まれる。
【化2】
【0060】
一方、「配位結合性化合物中の配位結合性骨格が配位子として中心金属に配位した金属錯体」とは、例えば、配位結合性化合物である2,6−ジフェニルピリジンからフェニル基が除かれた誘導体(2−フェニルピリジン)3個が、Irに配位した以下の化学式で表される金属錯体のように、配位結合のために配位結合性化合物の「基」の一部が除かれて生じる金属錯体をいう。なお、配位結合性化合物の「基」の一部が除かれて上記金属錯体を形成する場合は、配位結合性化合物の主骨格が維持されることで中心金属に配位可能な部位は保持されることが条件となる。
【化3】
【0061】
配位結合性化合物と金属錯体の組合わせの具体的としては、例えば、表1〜27に示す組(No.1〜117)が挙げられる。
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】
【表7】
【0068】
【表8】
【0069】
【表9】
【0070】
【表10】
【0071】
【表11】
【0072】
【表12】
【0073】
【表13】
【0074】
【表14】
【0075】
【表15】
【0076】
【表16】
【0077】
【表17】
【0078】
【表18】
【0079】
【表19】
【0080】
【表20】
【0081】
【表21】
【0082】
【表22】
【0083】
【表23】
【0084】
【表24】
【0085】
【表25】
【0086】
【表26】
【0087】
なお、複数の中心金属に電子を供給して配位結合を生じ得る架橋型の配位結合性化合物と、架橋型の配位結合性化合物が配位子として複数の中心金属に配位した金属錯体との組合せの具体例は、表27に示すとおりである。
【0088】
【表27】
【0089】
上述のように、錯体含有層は、配位結合性化合物及び金属錯体以外の発光性物質及び/又は電荷輸送性物質を更に含んでいてもよい。
【0090】
錯体含有層が含有可能な電荷輸送性物質としては、以下のBND、t−BuPBD、p−EtTAZ、BCP等の電子輸送性物質や、
【化4】
【化5】
【0091】
以下のTPD、α−NPD、TPAC、Spiro−TPD等のホール輸送性物質が挙げられる。
【化6】
【0092】
【化7】
【化8】
【0093】
錯体含有層が含有可能な発光性物質としては、DPVBi、EM2、PESB、Spiro−TAD、Spiro−8φ、Rubrene、DCM、BPPC等の低分子系材料、PPV、MEH−PPV、PF等のπ共役ポリマー、PVK、TPDPES、PVOXD等の低分子色素含有ポリマー等が挙げられる。
【0094】
有機層が複数存在する場合におけるホール輸送層には、低分子材料、高分子材料のいずれのホール輸送性材料も使用可能である。ホール輸送性低分子材料としては、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などが挙げられる。また、ホール輸送性高分子材料としては、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸共重合体(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリスチレンスルホン酸共重合体(Pani/PSS)などが挙げられる。これらのホール輸送性材料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0095】
有機層が複数存在する場合における電子輸送層には、低分子材料、高分子材料のいずれの電子輸送材料も使用可能である。電子輸送性低分子材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン及びその誘導体、フルオレン及びその誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、フェナントロリン及びその誘導体、並びにこれらの化合物を配位子とする金属錯体などが挙げられる。また、電子輸送性高分子材料としては、ポリキノキサリン、ポリキノリンなどが挙げられる。これらの電子輸送性材料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0096】
有機層が複数存在する場合におけるホール注入層には、アリールアミン、フタロシアニン、ポリアニリン/有機酸、ポリチオフェン/ポリマー酸等を用いることができ、電子注入層にはリチウム等のアルカリ金属、フッ化リチウム、酸化リチウム等を用いることができる。
【0097】
錯体含有層においては、本発明にかかる金属錯体自身がドーパントとなるが、当該錯体含有層は以下のドーパントを更に含んでいてもよい。すなわち、テトラフェニルブタジエン(TPB)及びその誘導体、スチリルアミン誘導体、フルオランテン誘導体、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(PtOEP)などのポルフィリン環を有する白金錯体等のドーパントを更に含んでいてもよい。
【0098】
本発明に係る有機EL素子は、公知の製造方法で製造でき、有機層の形成方法としては、真空蒸着法、イオン化蒸着法、塗布法等を、有機層を構成する材料に応じて適宜選択して採用できる。
【0099】
本発明の有機EL素子は、有機ELディスプレイ、さらにはメモリ読み出しや書き込みに利用される光ピックアップ、光通信の伝送路に設けられる中継装置、フォトカプラ等の様々な光応用デバイスの分野で好適に用いることができる。
【0100】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0101】
[実施例1及び比較例1]
ガラス基板上に、陽極層としてのITO膜(膜厚100nm)を形成し、このITO膜上に、大気下で1.6重量%PEDOT水溶液をスピンコート法により塗布し、減圧下、85℃で30分間乾燥して膜厚50nmのホール注入層を形成した。
【0102】
次に、表28に示した各成分を同表に示した配合量で混合し、これを0.5μmのメンブランフィルターで濾過して発光層(錯体含有層)形成用塗布液を得た。得られた発光層形成用塗布液を、スピンコート法によりアルゴン雰囲気下でホール注入層上に塗布し、アルゴン雰囲気下、180℃で1時間乾燥して膜厚100nmの発光層を形成した。
【表28】
【0103】
更に、この発光層上に、電子輸送層としてのBphen(バソフェナントロリン)(膜厚15nm)、電子注入層としてのLiF(膜厚0.5nm)、及び陰極としてのAl(膜厚150nm)をこの順に真空中(5×10−4Pa)で蒸着し、目的の有機EL素子を得た(実施例1は、第5の実施形態に相当する構成を有する。)。
【0104】
<素子特性評価試験>
上記のようにして得られた実施例1及び比較例1の有機EL素子について、真空中、室温にて、50mA/cm2の定電流駆動時の初期輝度(電流効率)、及び、同条件で輝度が半減するまでの寿命(輝度半減寿命)をそれぞれ測定した。得られた結果を表29に示す。
【表29】
【0105】
[実施例2]
発光層(錯体含有層)形成用塗布液において、bqiの配合量を調節し、Ir(bqi)3に対するbqiのモル比(bqi/Ir(bqi)3)を0〜50の間で変化させた以外は実施例1と同様にして、有機EL素子を得た。得られた有機EL素子の初期輝度及び輝度半減寿命を上記の素子特性評価試験と同様の方法でそれぞれ測定し、得られた結果をプロットしたグラフを図4に示した。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の有機EL素子によれば、素子の劣化及びそれによる輝度の低下を充分に抑制することができ、素子の長寿命化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。
【図2】第2の実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。
【図3】第3の実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。
【図4】金属錯体(Ir(bqi)3)に対する配位結合性化合物(bqi)のモル比と、有機EL素子の初期輝度及び輝度半減寿命との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…第1の電極、2…第2の電極、4…基板、6…配位結合性化合物、8…金属錯体、10…錯体含有層、11…ホール輸送層、12・・・ホール注入層、14・・・電子注入層、100・・・第1の実施形態に係る有機EL素子、200・・・第2の実施形態に係る有機EL素子、300・・・第3の実施形態に係る有機EL素子、P…電源。
Claims (12)
- 互いに対向して配置されている2つの電極間に、1又は2以上の有機層を備える有機EL素子において、
前記有機層の少なくとも1つは、
電子を供給して配位結合を生じ得る配位結合性化合物と、
前記配位結合性化合物及び/又は前記配位結合性化合物中の配位結合性骨格が配位子として中心金属又は中心金属イオンに配位した金属錯体と、を含む錯体含有層であることを特徴とする有機EL素子。 - 前記金属錯体は、電界の印加により、発光及び/又は電荷輸送を生じる金属錯体であることを特徴とする請求項1記載の有機EL素子。
- 前記配位結合性化合物は、N及びOからなる群より選ばれる少なくとも一つのヘテロ原子の電子及び/又はπ電子を供給して配位結合を生じ得る配位結合性有機化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の有機EL素子。
- 前記配位結合性化合物は、環構造を有する配位結合性有機化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機EL素子。
- 前記配位結合性化合物は、複数の中心金属に電子を供給して配位結合を生じ得る架橋型の配位結合性化合物であり、
前記金属錯体は、前記架橋型の配位結合性化合物及び/又は前記架橋型の配位結合性化合物中の配位結合性骨格が配位子として複数の中心金属又は中心金属イオンに配位した金属錯体であることを特徴とする請求項1記載の有機EL素子。 - 前記錯体含有層は、前記配位結合性化合物及び前記金属錯体が、これら以外の発光性物質及び/又は電荷輸送性物質中に配されてなるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機EL素子。
- 前記錯体含有層は、前記金属錯体が前記配位結合性化合物中に配されてなるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機EL素子。
- 前記中心金属は、Fe、Re、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Zn、Al、Eu、Ga、Mg及びNdからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機EL素子。
- 前記金属錯体に対する前記配位結合性化合物の量がモル比で1以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の有機EL素子。
- 前記金属錯体に対する前記配位結合性化合物の量がモル比で2以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の有機EL素子。
- 前記錯体含有層は、前記配位結合性化合物及び前記金属錯体のみからなる層であることを特徴とする請求項1〜6、8、9、10のいずれか一項に記載の有機EL素子。
- 互いに対向して配置されている2つの電極間に1又は2以上の有機層を備える有機EL素子の耐久性向上方法であって、
前記有機層の少なくとも1つを、電子を供給して配位結合を生じ得る配位結合性化合物と、前記配位結合性化合物及び/又は前記配位結合性化合物中の配位結合性骨格が配位子として中心金属に配位した金属錯体と、を含む錯体含有層とすることを特徴とする方法。
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JP2007294720A (ja) * | 2006-04-26 | 2007-11-08 | Konica Minolta Holdings Inc | 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置 |
WO2011126095A1 (ja) | 2010-04-09 | 2011-10-13 | 三菱化学株式会社 | 有機電界発光素子用組成物の製造方法、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子の製造方法、有機電界発光素子、有機el表示装置および有機el照明 |
-
2003
- 2003-06-25 JP JP2003181565A patent/JP2005019159A/ja active Pending
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US8568183B2 (en) | 2010-04-09 | 2013-10-29 | Mitsubishi Chemical Corporation | Process of producing organic electroluminescence element composition, organic electroluminescence element composition, process of producing organic electroluminescence element, organic electroluminescence element, organic EL display device and organic EL lighting |
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