JP2007294720A - 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このような要求に対し、対向する電極間の有機化合物薄膜の少なくとも一層に、金属イオンと錯体を形成しうる配位子を含有し、且つ、電極間の何れかの場所に金属イオンを放出しうるメタルソースを含有する有機EL素子が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
2.前記二種の化合物の部分構造が同一であることを特徴とする前記1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
8.前記二種の化合物の部分構造が下記一般式(3)で表されることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
9.前記二種の化合物の部分構造が下記一般式(4)で表されることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
10.前記1〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層に含有されるすべての化合物の分子量が550以上であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
本発明者等は、上記の問題点について鋭意検討を行った結果、化学構造が異なる、少なくとも二種の化合物を含有する発光層を有し、該二種の化合物が共に一般式(1)で表される部分構造を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子により発光効率、発光寿命の両立が可能であることが分かった。
(a)上記の二種の化合物の各々の部分構造が同一構造である場合、
(b)上記の二種の化合物が、発光ホスト(ホスト、ホスト化合物等ともいう)、と発光ドーパント(単にドーパントということもある)である場合、
(c)上記のドーパントがリン光性化合物であることが好ましく、更に好ましくは、前記リン光性化合物が、イリジウム錯体または白金錯体であり、最も好ましくは、イリジウム錯体である場合、等が挙げられる。
本発明に係わる一般式(1)で表される部分構造について説明する。
本発明に係わる一般式(2)で表される部分構造について説明する。
本発明に係わる一般式(3)で表される部分構造について説明する。
本発明に係わる一般式(4)で表される部分構造について説明する。
以下、本発明に係る一般式(1)から(4)で表される化合物の部分構造の具体的に例示するが、本発明はこれらに限定されない。*で表される箇所は、一般式(1)から(4)で表される化合物が金属錯体である場合に、中心金属との結合を形成する位置を表す。
次いで、本発明の有機El素子の発光層に含有される、上記二種の化合物の組み合わせの具体例を例示するが、本発明はこれらに限定されない。尚、前記二種の化合物は、請求項1に記載しているように、化学構造が異なるが、共に、一般式(1)〜(4)のいずれか一つの部分構造を有することを特徴としている。
本発明に係る二種の化合物の分子量は550以上であることが好ましく、更に好ましくは、600〜100,000の範囲である。
本発明の有機EL素子の構成層について説明する。本発明において、有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
本発明の有機EL素子においては、青色発光層の発光極大波長は430nm〜480nmにあるものが好ましく、緑色発光層は発光極大波長が510nm〜550nm、赤色発光層は発光極大波長が600nm〜640nmの範囲にある単色発光層であることが好ましく、これらを用いた表示装置であることが好ましい。また、これらの少なくとも3層の発光層を積層して白色発光層としたものであってもよい。更に、発光層間には非発光性の中間層を有していてもよい。本発明の有機EL素子としては白色発光層であることが好ましく、これらを用いた照明装置であることが好ましい。
本発明に係る発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
本発明に用いられるホスト化合物について説明する。
2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等。
本発明に係る発光ドーパントについて説明する。
本発明に係るリン光ドーパントについて説明する。
蛍光ドーパント(蛍光性化合物)としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、または希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
とで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
阻止層は、上記の如く有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
の素子を作製することができるため好ましい。
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In2O3−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式成膜法を用いることもできる。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1000nm、好ましくは10nm〜200nmの範囲で選ばれる。
一方、陰極としては仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50nm〜200nmの範囲で選ばれる。尚、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
本発明の有機EL素子に用いることのできる支持基板(以下、基体、基板、基材、支持体等とも言う)としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また透明であっても不透明であってもよい。支持基板側から光を取り出す場合には、支持基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な支持基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい支持基板は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
本発明に用いられる封止手段としては、例えば、封止部材と電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
ハロゲン化物(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、フッ化セシウム、フッ化タンタル、臭化セリウム、臭化マグネシウム、沃化バリウム、沃化マグネシウム等)、過塩素酸類(例えば、過塩素酸バリウム、過塩素酸マグネシウム等)等が挙げられ、硫酸塩、金属ハロゲン化物及び過塩素酸類においては無水塩が好適に用いられる。
有機層を挟み支持基板と対向する側の前記封止膜、あるいは前記封止用フィルムの外側に、素子の機械的強度を高めるために保護膜、あるいは保護板を設けてもよい。特に封止が前記封止膜により行われている場合には、その機械的強度は必ずしも高くないため、このような保護膜、保護板を設けることが好ましい。これに使用することができる材料としては、前記封止に用いたのと同様なガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等を用いることができるが、軽量且つ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
有機EL素子は空気よりも屈折率の高い(屈折率が1.7〜2.1程度)層の内部で発光し、発光層で発生した光のうち15%から20%程度の光しか取り出せないことが一般的に言われている。これは、臨界角以上の角度θで界面(透明基板と空気との界面)に入射する光は、全反射を起こし素子外部に取り出すことができないことや、透明電極ないし発光層と透明基板との間で光が全反射を起こし、光が透明電極ないし発光層を導波し、結果として光が素子側面方向に逃げるためである。
入り込む膜厚になると、低屈折率層の効果が薄れるからである。
本発明の有機EL素子は基板の光取り出し側に、例えば、マイクロレンズアレイ状の構造を設けるように加工したり、あるいは所謂集光シートと組み合わせることにより、特定方向、例えば、素子発光面に対し正面方向に集光することにより、特定方向上の輝度を高めることができる。
本発明の有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子の作製法について説明する。
本発明の有機EL素子は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。発光光源として、例えば、照明装置(家庭用照明、車内照明)、時計や液晶用バックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではないが、特に液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
《有機EL素子1−1の作製》
陽極としてガラス上にITOを150nm成膜した基板(NHテクノグラス社製:NA−45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をiso−プロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方5つのタンタル製抵抗加熱ボートにα−NPD、H−A、D−A、BCP、Alq3をそれぞれ入れ、真空蒸着装置(第1真空槽)に取り付けた。更に、タンタル製抵抗加熱ボートにフッ化リチウムをタングステン製抵抗加熱ボートにアルミニウムをそれぞれ入れ、真空蒸着装置の第2真空槽に取り付けた。
有機EL素子1−1の作製において、表1に記載のようにH−AとD−Aの組み合わせを変更した以外は同様にして、有機EL素子1−2〜1−7を作製した。
得られた有機EL素子1−1〜1−7を評価するに際しては、作製後の各有機EL素子の非発光面をガラスケースで覆い、厚み300μmのガラス基板を封止用基板として用いて、周囲にシール材として、エポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を適用し、これを上記陰極上に重ねて前記透明支持基板と密着させ、ガラス基板側からUV光を照射して、硬化させて、封止して、図1、図2に示すような照明装置を形成して評価した。
有機EL素子を室温(約23℃〜25℃)、2.5mA/cm2の定電流条件下による点灯を行い、点灯開始直後の発光輝度(L)[cd/m2]を測定することにより、外部取り出し量子効率(η)を算出した。ここで、発光輝度の測定はCS−1000(コニカミノルタセンシング製)を用いた。外部取り出し量子効率は有機EL素子1−1を100とする相対値で表した。
有機EL素子を室温下、2.5mA/cm2の定電流条件下による連続点灯を行い、初期輝度の半分の輝度になるのに要する時間(τ1/2)を測定した。発光寿命は、有機EL素子1−1を100と設定し、各々の素子の発光寿命は相対値で表した。
《有機EL素子2−1の作製》
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を100nm製膜した基板(NHテクノグラス社製NA45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行なった。
有機EL素子2−1の作製において、発光層の作製に用いたH−AとD−Aの組み合わせを、表3に示す化合物(発光ホスト/発光ドーパント)に置き換えた以外は、同様にして有機EL素子2−2〜2−9を各々作製した。
以下のようにして作製した有機EL素子2−1〜2−9の評価について、外部取り出し量子効率を実施例1に記載の方法により評価を行った。有機EL素子5−1を100として各々相対値で表した。
102 ガラスカバー
105 陰極
106 有機EL層
107 透明電極付きガラス基板
108 窒素ガス
109 捕水剤
Claims (12)
- 前記二種の化合物の部分構造が同一であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記二種の化合物が、発光ホストと発光ドーパントであることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記発光ドーパントがりん光性化合物であることを特徴とする請求項2または3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記りん光性化合物が、イリジウム錯体または白金錯体であることを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記一般式(1)のZ11がX01、X02と形成する芳香族炭化水素環がベンゼン環であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層に含有されるすべての化合物の分子量が550以上であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする表示装置。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする照明装置。
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