JP2005018908A - 磁気抵抗効果装置およびその製造方法、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリならびにハードディスク装置 - Google Patents

磁気抵抗効果装置およびその製造方法、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリならびにハードディスク装置 Download PDF

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Takashi Asatani
崇史 麻谷
Fujimi Kimura
富士巳 木村
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Abstract

【課題】出力が大きく且つ出力の安定性の良い磁気抵抗効果装置を実現する。
【解決手段】磁気抵抗効果装置5は、順に積層された下地層21、縦バイアス磁界印加層22、結合層23、MR素子50を備えている。磁気抵抗効果装置5は更に、下地層21と縦バイアス磁界印加層22からなる積層体の両側部に隣接するように配置された一対の磁化設定層24L,24Rと、結合層23とMR素子50からなる積層体の両側部に隣接するように配置された一対の電極層25L,25Rを備えている。MR素子50は、結合層23の上に順に積層されたフリー層51、非磁性導電層52、ピンド層53、反強磁性層54、保護層55を有している。縦バイアス磁界印加層22の誘導磁気異方性磁界はフリー層51の誘導磁気異方性磁界よりも大きく、縦バイアス磁界印加層22の膜面内磁化困難軸方向の透磁率はフリー層51の膜面内磁化困難軸方向の透磁率よりも小さい。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部磁界に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗効果装置およびその製造方法、ならびに磁気抵抗効果装置を含む薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハードディスク装置の面記録密度の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。薄膜磁気ヘッドとしては、基板に対して、読み出し用の磁気抵抗効果素子(以下、MR(Magneto−resistive)素子とも記す。)を有する再生ヘッドと書き込み用の誘導型電磁変換素子を有する記録ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。
【0003】
MR素子としては、異方性磁気抵抗(Anisotropic Magneto−resistive)効果を用いたAMR素子や、巨大磁気抵抗(Giant Magneto−resistive )効果を用いたGMR素子や、トンネル磁気抵抗(Tunnel−type Magnetoresistive)効果を用いたTMR素子等がある。
【0004】
GMR素子としては、スピンバルブ型GMR素子が多く用いられている。スピンバルブ型GMR素子は、一般的には、互いに反対側を向く2つの面を有する非磁性導電層と、この非磁性導電層の一方の面に隣接するように配置されたフリー層と、非磁性導電層の他方の面に隣接するように配置されたピンド層と、このピンド層における非磁性導電層とは反対側の面に隣接するように配置された反強磁性層とを有している。フリー層は信号磁界に応じて磁化の方向が変化する層である。ピンド層は、反強磁性層との交換結合によって、磁化の方向が固定された層である。以下、MR素子がスピンバルブ型GMR素子である場合を例に取って、再生ヘッドの特性について説明する。
【0005】
再生ヘッドの特性としては、出力が大きいことと、バルクハウゼンノイズが小さいことが要求される。バルクハウゼンノイズを低減する手段としては、一般的に、MR素子に対して、薄膜磁気ヘッドの媒体対向面および基板の上面に平行な方向にバイアス磁界(以下、縦バイアス磁界と言う。)を印加することによって、フリー層を単磁区化することが行われている。MR素子に対する縦バイアス磁界の印加は、例えば、MR素子の両側に、永久磁石や、強磁性層と反強磁性層との積層体等によって構成されたバイアス磁界印加層を配置することによって行われる。
【0006】
ところで、MR素子の両側にバイアス磁界印加層を配置した構造の再生ヘッドでは、MR素子においてバイアス磁界印加層に隣接する両側部近傍に、バイアス磁界印加層からの磁界によって磁化の方向の変化が制限されて感度が低下する領域(以下、感度低下領域と言う。)が生じ、これにより、出力が低下するという問題があった。この問題は、再生ヘッドのトラック幅が小さくなるほど顕著になる。
【0007】
上記の問題を解決する方法の一つとしては、フリー層の一方の面に隣接するように、バイアス磁界印加用の反強磁性層を配置し、この反強磁性層とフリー層との交換結合によって、信号磁界が印加されない状態におけるフリー層の磁化の方向を固定する方法が提案されている。しかしながら、この方法には、交換結合による異方性磁界が大きくなりすぎ、信号磁界に応じたフリー層の磁化の方向の変化が妨げられるという問題点がある。
【0008】
特許文献1には、上記問題点を解決するための技術として、交換結合させる反強磁性層とフリー層との間に、交換結合磁界の大きさを制御すると共に伝導電子の平均自由行程を延長するための平均自由行程延長層を配置する技術が記載されている。
【0009】
また、同様の技術として、特許文献2には、フリー層の一方の面に、強磁性層を介して、フリー層の磁区制御用の反強磁性層を隣接させる技術が記載されている。
【0010】
また、特許文献3には、磁気抵抗効果膜の一方の面に、分離膜を介して、軟磁性膜よりなる横バイアス膜を隣接させると共に、磁気抵抗効果膜の両端部に接するように、縦バイアス磁界印加用の永久磁石膜を配置した構造の磁気ヘッドが記載されている。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−217480号公報
【特許文献2】
特開2000−173020号公報
【特許文献3】
特開平9−245318号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1または特許文献2に記載された技術では、反強磁性層とフリー層との間の平均自由行程延長層あるいは強磁性層の厚みによって、交換結合による異方性磁界が大きく変化する。そのため、これらの技術では、平均自由行程延長層あるいは強磁性層の厚みの制御が難しく、所望の特性の磁気ヘッドを安定して製造することが難しいという問題点がある。
【0013】
特許文献3に記載された磁気ヘッドでは、磁気抵抗効果膜の単磁区化のための縦バイアス磁界は、磁気抵抗効果膜の両端部に接する永久磁石膜によって発生される。従って、この磁気ヘッドでは、磁気抵抗効果膜において、その両端部に近傍に感度低下領域が生じることを防止することができない。
【0014】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、出力が大きく且つ出力の安定性の良い磁気抵抗効果装置およびその製造方法、ならびに磁気抵抗効果装置を含む薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気抵抗効果装置は、外部磁界に応じて抵抗値が変化する装置であって、
互いに反対側を向く第1および第2の面を有し、外部磁界に応じて磁化の方向が変化する感磁層と、
感磁層の第1の面に対向するように配置され、外部磁界が印加されない状態において感磁層を単磁区化するための縦バイアス磁界を感磁層に印加する縦バイアス磁界印加層と、
感磁層と縦バイアス磁界印加層とが交換結合するように、これらを結合する非磁性の結合層とを備え、
縦バイアス磁界印加層の誘導磁気異方性磁界は、感磁層の誘導磁気異方性磁界よりも大きく、
縦バイアス磁界印加層の膜面内磁化困難軸方向の透磁率は、感磁層の膜面内磁化困難軸方向の透磁率よりも小さいものである。
【0016】
本発明の磁気抵抗効果装置では、結合層を介して感磁層と縦バイアス磁界印加層とが交換結合し、これにより、外部磁界が印加されない状態において感磁層が単磁区化される。
【0017】
本発明の磁気抵抗効果装置は、更に、縦バイアス磁界印加層の磁化の方向を設定する磁化設定層を備えていてもよい。磁化設定層は、硬磁性材料よりなる層を含み、縦バイアス磁界印加層の両側部に隣接するように配置されていてもよい。また、磁化設定層は、反強磁性材料よりなる層を含み、縦バイアス磁界印加層の1つの面に隣接するように配置されていてもよい。
【0018】
また、本発明の磁気抵抗効果装置において、感磁層の第1の面の全体が縦バイアス磁界印加層に対向していてもよい。
【0019】
また、本発明の磁気抵抗効果装置は、更に、感磁層の第2の面に隣接するように配置された非磁性層と、非磁性層を介して感磁層の第2の面に対向するように配置され、磁化の方向が固定されたピンド層と、ピンド層における非磁性層とは反対側の面に隣接するように配置され、ピンド層の磁化の方向を固定する反強磁性層とを備えていてもよい。
【0020】
本発明の第1の磁気抵抗効果装置の製造方法は、本発明の磁気抵抗効果装置を製造する方法であって、縦バイアス磁界印加層、結合層および感磁層を形成する各工程を備えたものである。
【0021】
本発明の第2の磁気抵抗効果装置の製造方法は、本発明の磁気抵抗効果装置を製造する方法であって、縦バイアス磁界印加層となる膜、結合層となる膜および感磁層となる膜を連続的に形成する工程と、各膜によって縦バイアス磁界印加層、結合層および感磁層を形成するために、各膜をパターニングする工程とを備えたものである。
【0022】
本発明の薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面と、記録媒体からの信号磁界を検出するために媒体対向面の近傍に配置された本発明の磁気抵抗効果装置とを備えたものである。
【0023】
本発明のヘッドジンバルアセンブリは、本発明の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、スライダを弾性的に支持するサスペンションとを備えたものである。
【0024】
本発明のハードディスク装置は、本発明の薄膜磁気ヘッドを含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向するように配置されるスライダと、スライダを支持すると共に記録媒体に対して位置決めする位置決め装置とを備えたものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
始めに、図8および図9を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成および製造方法の概略について説明する。図8は薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面および基板に垂直な断面を示し、図9は薄膜磁気ヘッドの磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示している。
【0026】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、まず、アルティック(Al・TiC)等のセラミック材料よりなる基板1の上に、スパッタリング法等によって、アルミナ(Al)等の絶縁材料よりなる絶縁層2を、例えば1〜5μmの厚みに形成する。次に、絶縁層2の上に、スパッタリング法またはめっき法等によって、パーマロイ(NiFe)等の磁性材料よりなる再生ヘッド用の下部シールド層3を、例えば約3μmの厚みに形成する。
【0027】
次に、下部シールド層3の上に、スパッタリング法等によって、アルミナ等の絶縁材料よりなる下部シールドギャップ膜4を、例えば10〜200nmの厚みに形成する。次に、下部シールドギャップ膜4の上に、本実施の形態に係る磁気抵抗効果装置5と、この磁気抵抗効果装置5に電気的に接続される一対のリード層6を形成する。次に、下部シールドギャップ膜4および磁気抵抗効果装置5の上に、スパッタリング法等によって、アルミナ等の絶縁材料よりなる上部シールドギャップ膜7を、例えば10〜200nmの厚みに形成する。なお、磁気抵抗効果装置5の構成については、後で詳しく説明する。
【0028】
次に、上部シールドギャップ膜7の上に、磁性材料からなり、記録ヘッドの下部磁極層を兼ねた再生ヘッドの上部シールド層8を、例えば3〜4μmの厚みに形成する。なお、上部シールド層8に用いる磁性材料は、NiFe、CoFe、CoFeNi、FeN等の軟磁性材料である。上部シールド層8は、スパッタリング法またはめっき法等によって形成される。なお、上部シールド層8の代わりに、上部シールド層と、この上部シールド層の上にスパッタリング法等によって形成されたアルミナ等の非磁性材料よりなる分離層と、この分離層の上に形成された下部磁性層とを設けてもよい。
【0029】
次に、上部シールド層8の上に、スパッタリング法等によって、アルミナ等の絶縁材料よりなる記録ギャップ層9を、例えば50〜300nmの厚みに形成する。次に、磁路形成のために、後述する薄膜コイルの中心部分において、記録ギャップ層9を部分的にエッチングしてコンタクトホール9aを形成する。
【0030】
次に、記録ギャップ層9の上に、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイルの第1層部分10を、例えば2〜3μmの厚みに形成する。なお、図8において、符号10aは、第1層部分10のうち、後述する薄膜コイルの第2層部分15に接続される接続部を表している。第1層部分10は、コンタクトホール9aの周囲に巻回される。
【0031】
次に、薄膜コイルの第1層部分10およびその周辺の記録ギャップ層9を覆うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有する有機絶縁材料よりなる絶縁層11を所定のパターンに形成する。次に、絶縁層11の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層11の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。
【0032】
次に、絶縁層11のうちの後述するエアベアリング面20側の斜面部分からエアベアリング面20側にかけての領域において、記録ギャップ層9および絶縁層11の上に、記録ヘッド用の磁性材料によって、上部磁極層12のトラック幅規定層12aを形成する。上部磁極層12は、このトラック幅規定層12aと、後述する連結部分層12bおよびヨーク部分層12cとで構成される。
【0033】
トラック幅規定層12aは、記録ギャップ層9の上に形成され、上部磁極層12の磁極部分となる先端部と、絶縁層11のエアベアリング面20側の斜面部分の上に形成され、ヨーク部分層12cに接続される接続部とを有している。先端部の幅は記録トラック幅と等しくなっている。接続部の幅は、先端部の幅よりも大きくなっている。
【0034】
トラック幅規定層12aを形成する際には、同時に、コンタクトホール9aの上に磁性材料よりなる連結部分層12bを形成すると共に、接続部10aの上に磁性材料よりなる接続層13を形成する。連結部分層12bは、上部磁極層12のうち、上部シールド層8に磁気的に連結される部分を構成する。
【0035】
次に、磁極トリミングを行う。すなわち、トラック幅規定層12aの周辺領域において、トラック幅規定層12aをマスクとして、記録ギャップ層9および上部シールド層8の磁極部分における記録ギャップ層9側の少なくとも一部をエッチングする。これにより、図9に示したように、上部磁極層12の磁極部分、記録ギャップ層9および上部シールド層8の磁極部分の少なくとも一部の各幅が揃えられたトリム(Trim)構造が形成される。このトリム構造によれば、記録ギャップ層9の近傍における磁束の広がりによる実効的なトラック幅の増加を防止することができる。
【0036】
次に、全体に、アルミナ等の無機絶縁材料よりなる絶縁層14を、例えば3〜4μmの厚みに形成する。次に、この絶縁層14を、例えば化学機械研磨によって、トラック幅規定層12a、連結部分層12bおよび接続層13の表面に至るまで研磨して平坦化する。
【0037】
次に、平坦化された絶縁層14の上に、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイルの第2層部分15を、例えば2〜3μmの厚みに形成する。なお、図8において、符号15aは、第2層部分15のうち、接続層13を介して薄膜コイルの第1層部分10の接続部10aに接続される接続部を表している。第2層部分15は、連結部分層12bの周囲に巻回される。
【0038】
次に、薄膜コイルの第2層部分15およびその周辺の絶縁層14を覆うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有する有機絶縁材料よりなる絶縁層16を所定のパターンに形成する。次に、絶縁層16の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層16の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。
【0039】
次に、トラック幅規定層12a、絶縁層14,16および連結部分層12bの上に、パーマロイ等の記録ヘッド用の磁性材料によって、上部磁極層12のヨーク部分を構成するヨーク部分層12cを形成する。ヨーク部分層12cのエアベアリング面20側の端部は、エアベアリング面20から離れた位置に配置されている。また、ヨーク部分層12cは、連結部分層12bを介して上部シールド層8に接続されている。
【0040】
次に、全体を覆うように、例えばアルミナよりなるオーバーコート層17を形成する。最後に、上記各層を含むスライダの機械加工を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドを含む薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面20を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0041】
このようにして製造される薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面(エアベアリング面20)と再生ヘッドと記録ヘッド(誘導型電磁変換素子)とを備えている。再生ヘッドは、磁気抵抗効果装置5と、エアベアリング面20側の一部が磁気抵抗効果装置5を挟んで対向するように配置された、磁気抵抗効果装置5をシールドするための下部シールド層3および上部シールド層8とを有している。磁気抵抗効果装置5は、外部磁界、すなわち記録媒体からの信号磁界に応じて抵抗値が変化する。磁気抵抗効果装置5の抵抗値は、一対のリード層6によって磁気抵抗効果装置5にセンス電流を流すことによって求めることができる。このようにして、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生することができる。
【0042】
記録ヘッドは、エアベアリング面20側において互いに対向する磁極部分を含むと共に、互いに磁気的に連結された下部磁極層(上部シールド層8)および上部磁極層12と、この下部磁極層の磁極部分と上部磁極層12の磁極部分との間に設けられた記録ギャップ層9と、少なくとも一部が下部磁極層および上部磁極層12の間に、これらに対して絶縁された状態で配設された薄膜コイル10,15とを有している。この薄膜磁気ヘッドでは、図8に示したように、エアベアリング面20から、絶縁層11のエアベアリング面20側の端部までの長さが、スロートハイトTHとなる。なお、スロートハイトとは、エアベアリング面20から、2つの磁極層の間隔が開き始める位置までの長さ(高さ)をいう。
【0043】
次に、図7を参照して、本実施の形態に係る磁気抵抗効果装置5の構成について詳しく説明する。図7は、エアベアリング面20に平行な磁気抵抗効果装置5の断面を示している。
【0044】
磁気抵抗効果装置5は、図7には示していない下部シールドギャップ膜4の上に形成された下地層21と、この下地層21の上に形成された縦バイアス磁界印加層22と、この縦バイアス磁界印加層22の上に形成された非磁性の結合層23と、この結合層23の上に形成されたMR素子50とを備えている。MR素子50は、下面と、上面と、エアベアリング面20側の端部と、その反対側の端部と、2つの側部とを有している。
【0045】
下地層21の上面の形状と縦バイアス磁界印加層22の下面の形状は等しくなっている。また、結合層23の上面の形状と磁気抵抗効果装置5の下面の形状は等しくなっている。縦バイアス磁界印加層22の上面の形状は、結合層23の下面の形状に等しいか、これよりも大きくなっている。また、下地層21と縦バイアス磁界印加層22からなる積層体の両側部は、結合層23とMR素子50からなる積層体の両側部よりも外側に配置されている。
【0046】
磁気抵抗効果装置5は、更に、下地層21と縦バイアス磁界印加層22からなる積層体の両側部に隣接するように配置された一対の磁化設定層24L,24Rと、結合層23とMR素子50からなる積層体の両側部に隣接するように配置された一対の電極層25L,25Rとを備えている。電極層25Lは磁化設定層24Lの上に配置され、電極層25Rは磁化設定層24Rの上に配置されている。電極層25L,25Rには、一対のリード層6が接続されるようになっている。
【0047】
本実施の形態では、MR素子50としてスピンバルブ型GMR素子を用いている。このMR素子50は、結合層23の上に順に積層されたフリー層51、非磁性導電層52、ピンド層53、反強磁性層54および保護層55を有している。
【0048】
フリー層51は、記録媒体からの信号磁界に応じて磁化の方向が変化する層である。フリー層51は、本発明における感磁層に対応する。また、フリー層51の下面は本発明における感磁層の第1の面に対応し、フリー層51の上面は本発明における感磁層の第2の面に対応する。フリー層51の材料としては、NiFe、CoFe等の軟磁性材料が用いられる。フリー層51の厚みは、例えば約3.0nmである。
【0049】
非磁性導電層52の材料としては、Cu、Ag、Au、Ru等の非磁性導電材料が用いられる。非磁性導電層52の厚みは、例えば約2.0nmである。
【0050】
ピンド層53は磁化の方向が固定された層である。ピンド層53は、コバルト合金等の強磁性材料よりなる層を含む。また、ピンド層53は、2つの強磁性層とその間の配置された非磁性層とを含む、いわゆるシンセティックピンド層であってもよい。このシンセティックピンド層では、2つの強磁性層は反強磁性結合し、2つの強磁性層の磁化の方向は互いに反対方向となる。このシンセティックピンド層において、2つの強磁性層は、それぞれ、例えば厚みが約2.0nmのCoFe層であり、非磁性層は例えば厚みが約1.0nmのRu層である。
【0051】
反強磁性層54は、ピンド層53と交換結合して、ピンド層53の磁化の方向を固定する層である。反強磁性層54の材料としては、例えば、PtMn、IrMn、RuRhMn等の合金や、NiO等の金属酸化物が用いられる。反強磁性層54の厚みは、例えば約10.0nmである。
【0052】
保護層55は、それよりも下に配置されるMR素子50の各層を保護する層である。保護層55の材料としては、Ta、Rh、NiCr等が用いられる。保護層55の厚みは、例えば約2.0nmである。
【0053】
下地層21は、その上に形成される縦バイアス磁界印加層22の磁気特性を安定させるための層である。下地層21の材料としては、Ta、NiFeCr、NiCr等が用いられる。下地層21の厚みは、例えば約5.0nmである。
【0054】
縦バイアス磁界印加層22は、信号磁界が印加されない状態においてフリー層51を単磁区化するための縦バイアス磁界をフリー層51に印加する層である。縦バイアス磁界印加層22は、結合層23を介してフリー層51と交換結合して、信号磁界が印加されない状態におけるフリー層51の磁化の方向を固定する。これにより、信号磁界が印加されない状態においてフリー層51が単磁区化される。縦バイアス磁界印加層22とフリー層51との交換結合は、RKKY相互作用、すなわち伝導電子を媒介とする間接的交換相互作用によるものである。
【0055】
縦バイアス磁界印加層22の磁化の方向は、エアベアリング面20および基板1の上面に平行な方向に設定されている。信号磁界が印加されない状態におけるフリー層51の磁化の方向は、縦バイアス磁界印加層22の磁化の方向に対して同方向または反対方向となる。
【0056】
縦バイアス磁界印加層22の誘導磁気異方性磁界は、フリー層51の誘導磁気異方性磁界よりも大きい。また、縦バイアス磁界印加層22の膜面内磁化困難軸方向の透磁率は、フリー層51の膜面内磁化困難軸方向の透磁率よりも小さい。縦バイアス磁界印加層22の誘導磁気異方性磁界は、具体的には、10〜100Oe(10×79.6〜100×79.6A/m)の範囲内である。これは、信号磁界に応じたフリー層51の磁化の方向の変化を妨げることなく、信号磁界が印加されない状態においてフリー層51を単磁区化できる適度な大きさである。縦バイアス磁界印加層22を形成する材料としては、NiFeTa、FeZrN、FeCoTaN、CoNiCr等が用いられる。また、縦バイアス磁界印加層22に外部から磁気異方性を付与する方法としては、磁場中で縦バイアス磁界印加層22を成膜する方法や、縦バイアス磁界印加層22の成膜後に、磁場中で縦バイアス磁界印加層22を熱処理する方法等がある。縦バイアス磁界印加層22の厚みは、例えば約5.0nmである。
【0057】
結合層23は、フリー層51と縦バイアス磁界印加層22とが交換結合するように、これらを結合する層である。結合層23は非磁性材料によって形成される。結合層23の材料は、非磁性材料であれば、Cu、Ag、Au、Bi等の金属でもよいし、MgO、NiO、CuO、CoO等の金属酸化物でもよいし、ZnS、ZnSe、GaN、GaAs、Si等の半導体でもよい。
【0058】
結合層23の厚みは、信号磁界に応じたフリー層51の磁化の方向の変化を妨げることなく、信号磁界が印加されない状態においてフリー層51を単磁区化できる程度に、フリー層51と縦バイアス磁界印加層22とを交換結合させるように設定される。結合層23の厚みは、具体的には、約1.5〜2.0nmの範囲内であることが好ましい。
【0059】
また、結合層23の上に良質のフリー層51を形成できるように、結合層23の材料としては、結合層23の結晶構造や格子定数がフリー層51のそれらと類似するものとなるような材料であることが好ましい。
【0060】
磁化設定層24L,24Rは、縦バイアス磁界印加層22の磁化の方向を設定するための層である。本実施の形態における磁化設定層24L,24Rは、CoPt等の硬磁性材料よりなる層を含む。磁化設定層24L,24Rの磁化の方向は、エアベアリング面20および基板1の上面に平行な方向である。縦バイアス磁界印加層22の磁化の方向は、磁化設定層24L,24Rが発生する磁界によって、磁化設定層24L,24Rの磁化の方向と同じ方向に設定される。
【0061】
電極層25L,25Rは、MR素子50に、磁気的信号検出用の電流であるセンス電流を流すための層である。電極層25L,25Rは、導電性材料によって形成される。電極層25L,25Rの材料としては、例えば、Au,Cu,Ta,Mo等の非磁性金属が用いられる。
【0062】
次に、図7に加え、図1ないし図6を参照して、本実施の形態に係る磁気抵抗効果装置5の製造方法について説明する。なお、図1ないし図6はエアベアリング面20に平行な断面を示している。磁気抵抗効果装置5の製造方法では、まず、図1に示したように、例えばスパッタリング法によって、下地層21となる膜21Aを形成する。この膜21Aは、図1には示していない下部シールドギャップ膜4の上に形成される。次に、膜21Aの上に、例えばスパッタリング法によって、縦バイアス磁界印加層22となる膜22A、結合層23となる膜23A、フリー層51となる膜51A、非磁性導電層52となる膜52A、ピンド層53となる膜53A、反強磁性層54となる膜54A、および保護層55となる膜55Aを順に形成する。これらの膜を形成する際、少なくとも膜22A,23A,55Aは、これらを形成する過程の途中に、これらの膜のいずれかをエッチング等でパターニングする工程や他の膜を形成する工程を含むことなく、連続的に形成される。また、膜22A,23A,55Aをスパッタリング法によって形成する場合には、膜22A,23A,55Aは、これらを形成している途中の積層体が大気に暴露される工程を途中に含むことなく連続的に形成される。
【0063】
次に、図2に示したように、膜55Aの上に、磁化設定層24L,24Rを形成するためのマスク31を形成する。マスク31は、例えば、フォトリソグラフィによってレジスト膜をパターニングすることによって形成される。また、マスク31は、磁化設定層24L,24Rが配置される位置に対応する位置に開口部31L,31Rを有している。また、マスク31は、底面が上面よりも小さくなるようにアンダーカットを有していることが好ましい。このようなマスク31は、例えば積層された2つの有機膜からなるレジスト膜をパターニングすることによって形成される。
【0064】
次に、図3に示したように、マスク31を用いて、膜21Aから膜55Aまでの部分を選択的にエッチングして、磁化設定層24L,24Rが配置される位置に溝部を形成する。このエッチングによってパターニングされた膜21A,22Aは、それぞれ下地層21と縦バイアス磁界印加層22となる。なお、エッチングとしては、イオンミリング等のドライエッチングが用いられる。次に、マスク31を残したまま、例えばスパッタリング法によって、上記溝部内に磁化設定層24L,24Rを形成する。
【0065】
次に、図4に示したように、マスク31をリフトオフした後、積層体の上に、電極層25L,25Rを形成するためのマスク32を形成する。マスク32は、電極層25L,25Rが配置される位置に対応する位置に開口部32L,32Rを有している。マスク32はアンダーカットを有していることが好ましい。マスク32の形成方法は、マスク31と同様である。
【0066】
次に、図5に示したように、マスク32を用いて、膜23Aから膜55Aまでの部分を選択的にエッチングして、電極層25L,25Rが配置される位置に溝部を形成する。このエッチングによって、MR素子50の両側部の位置が決定される。なお、エッチングとしては、イオンミリング等のドライエッチングが用いられる。次に、マスク32を残したまま、例えばスパッタリング法によって、上記溝部内に電極層25L,25Rを形成する。
【0067】
次に、図6に示したように、マスク32をリフトオフした後、積層体の上に、MR素子50のエアベアリング面20とは反対側の端部の位置を決定するためのマスク33を形成する。マスク33はアンダーカットを有していることが好ましい。マスク33の形成方法は、マスク31と同様である。
【0068】
次に、マスク33を用いて、少なくとも膜23Aから膜55Aまでの部分を選択的にエッチングする。このエッチングによってパターニングされた膜23A,51A,52A,53A,54A,55Aは、それぞれ、結合層23、フリー層51、非磁性導電層52、ピンド層53、反強磁性層54および保護層55となる。なお、このエッチングによって、積層体のうちの不要部分を除去してもよい。最後に、マスク33を除去すると、図7に示した磁気抵抗効果装置5が完成する。
【0069】
次に、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの作用について説明する。薄膜磁気ヘッドは、記録ヘッドによって記録媒体に情報を記録し、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生する。
【0070】
再生ヘッドに含まれる磁気抵抗効果装置5において、信号磁界が印加されない状態では、フリー層51の磁化の方向は、エアベアリング面20および基板1の上面に平行な方向(図7における水平方向)に固定されている。一方、ピンド層53の磁化の方向は、エアベアリング面20に垂直な方向(図7の紙面に直交する方向)に固定されている。
【0071】
磁気抵抗効果装置5では、記録媒体からの信号磁界に応じてフリー層51の磁化の方向が変化し、これにより、フリー層51の磁化の方向とピンド層53の磁化の方向との間の相対角度が変化し、その結果、MR素子50の抵抗値が変化する。MR素子50の抵抗値は、2つの電極層25L,25RによってMR素子50にセンス電流を流したときの2つの電極層25L,25R間の電位差より求めることができる。このようにして、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生することができる。
【0072】
磁気抵抗効果装置5では、結合層23を介して隣接するフリー層51と縦バイアス磁界印加層22との交換結合によって、信号磁界が印加されない状態におけるフリー層51の磁化の方向が固定される。そのため、磁気抵抗効果装置5では、フリー層51の両側部近傍において感度低下領域が生じることを防止することができる。また、縦バイアス磁界印加層22を形成する磁性材料は、誘導磁気異方性磁界が大きく、磁荷が小さく、実質的にフリー層51の膜面内磁化困難軸方向の透磁率よりも小さい膜面内磁化困難軸方向の透磁率を有する。そのため、磁気抵抗効果装置5では、信号磁界に応じたフリー層51の磁化の方向の変化を妨げることなく、信号磁界が印加されない状態においてフリー層51を単磁区化して、バルクハウゼンノイズの発生を抑制することができる。
【0073】
また、本実施の形態では、フリー層51の下面の全体が、縦バイアス磁界印加層22に対向している。そのため、本実施の形態では、フリー層51の全体が縦バイアス磁界印加層22との交換結合し、フリー層51の全体にわたって磁化の方向を一定の方向に揃えることができる。これにより、フリー層51を容易に単磁区化することが可能になる。
【0074】
また、本実施の形態では、硬磁性層よりなる磁化設定層24L,24Rによって縦バイアス磁界印加層22の磁化の方向を設定している。一般に、硬磁性層は複数の磁区構造をとる。そのため、微視的に見ると、硬磁性層における磁化は不均一になっている。従って、もしも、硬磁性層とフリー層51とを交換結合させてフリー層51の磁化方向を固定する場合には、微視的に見るとフリー層51における磁化が不均一になりやすく、その結果、フリー層51を単磁区化しにくくなる。これに対し、縦バイアス磁界印加層22は、誘導磁気異方性により、異方軸を一方向に向くように制御することができる。その結果、本実施の形態では、フリー層51の単磁区化が容易になる。
【0075】
以上のことから、本実施の形態に係る磁気抵抗効果装置5によれば、出力およびその安定性を向上させることができる。
【0076】
ところで、上述のようなフリー層51の特性を安定して実現するためには、結合層23を介したフリー層51と縦バイアス磁界印加層22との交換結合を安定して実現することが重要である。そして、そのためには、縦バイアス磁界印加層22と結合層23との界面、および結合層23とフリー層51との界面の状態を良質且つ均質にすることが重要である。
【0077】
本実施の形態に係る磁気抵抗効果装置5の製造方法では、膜21Aから膜55Aまでの各膜を連続的に形成した後、これらの膜をパターニングして、縦バイアス磁界印加層22、結合層23およびMR素子50を形成している。本実施の形態において特に重要なことは、縦バイアス磁界印加層22となる膜22A、結合層23となる膜23A、およびフリー層51となる膜51Aを連続的に形成した後、これらの膜をパターニングしていることである。
【0078】
もしも、膜22A,23A,51Aを形成する過程の途中に、これらの膜のいずれかをエッチング等でパターニングする工程や他の膜を形成する工程が含まれていると、膜22Aと膜23Aとの界面、あるいは膜23Aと膜51Aとの界面に粗さが生じる。
【0079】
これに対し、本実施の形態では、膜22A,23A,51Aを連続的に形成するため、膜22Aと膜23Aとの界面の状態、および膜23Aと膜51Aとの界面の状態を、それぞれ界面全体にわたって良質且つ均質にすることができる。その結果、本実施の形態によれば、縦バイアス磁界印加層22と結合層23との界面の状態、および結合層23とフリー層51との界面の状態を、それぞれ界面全体にわたって良質且つ均質にすることができる。これにより、本実施の形態によれば、出力が大きく且つ出力の安定性の良い磁気抵抗効果装置5を安定して製造することが可能になる。
【0080】
以下、本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置について説明する。まず、図10を参照して、ヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダ210について説明する。ハードディスク装置において、スライダ210は、回転駆動される円盤状の記録媒体であるハードディスクに対向するように配置される。このスライダ210は、主に図8における基板1およびオーバーコート層17からなる基体211を備えている。基体211は、ほぼ六面体形状をなしている。基体211の六面のうちの一面は、ハードディスクに対向するようになっている。この一面には、エアベアリング面20が形成されている。ハードディスクが図10におけるz方向に回転すると、ハードディスクとスライダ210との間を通過する空気流によって、スライダ210に、図10におけるy方向の下方に揚力が生じる。スライダ210は、この揚力によってハードディスクの表面から浮上するようになっている。なお、図10におけるx方向は、ハードディスクのトラック横断方向である。スライダ210の空気流出側の端部(図10における左下の端部)の近傍には、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド100が形成されている。
【0081】
次に、図11を参照して、本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリ220について説明する。ヘッドジンバルアセンブリ220は、スライダ210と、このスライダ210を弾性的に支持するサスペンション221とを備えている。サスペンション221は、例えばステンレス鋼によって形成された板ばね状のロードビーム222、このロードビーム222の一端部に設けられると共にスライダ210が接合され、スライダ210に適度な自由度を与えるフレクシャ223と、ロードビーム222の他端部に設けられたベースプレート224とを有している。ベースプレート224は、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向xに移動させるためのアクチュエータのアーム230に取り付けられるようになっている。アクチュエータは、アーム230と、このアーム230を駆動するボイスコイルモータとを有している。フレクシャ223において、スライダ210が取り付けられる部分には、スライダ210の姿勢を一定に保つためのジンバル部が設けられている。
【0082】
ヘッドジンバルアセンブリ220は、アクチュエータのアーム230に取り付けられる。1つのアーム230にヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドアームアセンブリと呼ばれる。また、複数のアームを有するキャリッジの各アームにヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドスタックアセンブリと呼ばれる。
【0083】
図11は、ヘッドアームアセンブリの一例を示している。このヘッドアームアセンブリでは、アーム230の一端部にヘッドジンバルアセンブリ220が取り付けられている。アーム230の他端部には、ボイスコイルモータの一部となるコイル231が取り付けられている。アーム230の中間部には、アーム230を回動自在に支持するための軸234に取り付けられる軸受け部233が設けられている。
【0084】
次に、図12および図13を参照して、ヘッドスタックアセンブリの一例と本実施の形態に係るハードディスク装置について説明する。図12はハードディスク装置の要部を示す説明図、図13はハードディスク装置の平面図である。ヘッドスタックアセンブリ250は、複数のアーム252を有するキャリッジ251を有している。複数のアーム252には、複数のヘッドジンバルアセンブリ220が、互いに間隔を開けて垂直方向に並ぶように取り付けられている。キャリッジ251においてアーム252とは反対側には、ボイスコイルモータの一部となるコイル253が取り付けられている。ヘッドスタックアセンブリ250は、ハードディスク装置に組み込まれる。ハードディスク装置は、スピンドルモータ261に取り付けられた複数枚のハードディスク262を有している。各ハードディスク262毎に、ハードディスク262を挟んで対向するように2つのスライダ210が配置される。また、ボイスコイルモータは、ヘッドスタックアセンブリ250のコイル253を挟んで対向する位置に配置された永久磁石263を有している。
【0085】
スライダ210を除くヘッドスタックアセンブリ250およびアクチュエータは、スライダ210を支持すると共にハードディスク262に対して位置決めする。
【0086】
本実施の形態に係るハードディスク装置では、アクチュエータによって、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向に移動させて、スライダ210をハードディスク262に対して位置決めする。スライダ210に含まれる薄膜磁気ヘッドは、記録ヘッドによって、ハードディスク262に情報を記録し、再生ヘッドによって、ハードディスク262に記録されている情報を再生する。
【0087】
[第2の実施の形態]
次に、図14ないし図19を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る磁気抵抗効果装置の製造方法について説明する。なお、図14ないし図19はエアベアリング面20に平行な断面を示している。
【0088】
始めに、図19を参照して、本実施の形態に係る磁気抵抗効果装置5の構成について説明する。本実施の形態に係る磁気抵抗効果装置5では、第1の実施の形態における電極層25Lの代わりに電極層26L,27Lが設けられ、第1の実施の形態における電極層25Rの代わりに電極層26R,27Rが設けられている。電極層26L,26Rは、結合層23とMR素子50からなる積層体の両側部に隣接するように配置されている。電極層27L,27Rは、電極層26L,26Rの外側に配置されている。本実施の形態に係る磁気抵抗効果装置5のその他の構成は、第1の実施の形態に係る磁気抵抗効果装置5と同様である。
【0089】
本実施の形態に係る磁気抵抗効果装置5の製造方法では、まず、図14に示したように、第1の実施の形態と同様にして、膜21Aから膜55Aまでの各膜を形成する。
【0090】
次に、膜55Aの上に、後述する一対の電極用膜26LA,26RA(図15参照)を形成するためのマスク41を形成する。マスク41は、例えば、フォトリソグラフィによってレジスト膜をパターニングすることによって形成される。また、マスク41は、電極用膜26LA,26RAが配置される位置に対応する位置に開口部41L,41Rを有している。また、マスク41は、底面が上面よりも小さくなるようにアンダーカットを有していることが好ましい。このようなマスク41は、例えば積層された2つの有機膜からなるレジスト膜をパターニングすることによって形成される。
【0091】
次に、図15に示したように、マスク41を用いて、膜23Aから膜55Aまでの部分を選択的にエッチングして、電極用膜26LA,26RAが配置される位置に溝部を形成する。このエッチングによって、MR素子50の両側部の位置が決定される。なお、エッチングとしては、イオンミリング等のドライエッチングが用いられる。次に、マスク41を残したまま、例えばスパッタリング法によって、上記溝部内に電極用膜26LA,26RAを形成する。
【0092】
次に、図16に示したように、マスク41をリフトオフした後、積層体の上に、磁化設定層24L,24Rを形成するためのマスク42を形成する。マスク42は、磁化設定層24L,24Rが配置される位置に対応する位置に開口部42L,42Rを有している。マスク42はアンダーカットを有していることが好ましい。マスク42の形成方法は、マスク41と同様である。
【0093】
次に、図17に示したように、マスク42を用いて、膜21Aから膜55Aまでの部分を選択的にエッチングして、磁化設定層24L,24Rが配置される位置に溝部を形成する。このエッチングによってパターニングされた膜21A,22Aは、それぞれ下地層21と縦バイアス磁界印加層22となる。また、このエッチングによってパターニングされた電極用膜26LA,26RAは、電極層26L,26Rとなる。なお、エッチングとしては、イオンミリング等のドライエッチングが用いられる。次に、マスク42を残したまま、例えばスパッタリング法によって、上記溝部内に磁化設定層24L,24Rを形成し、続けて、磁化設定層24L,24Rの上に電極層27L,27Rを形成する。
【0094】
次に、図18に示したように、マスク42をリフトオフした後、積層体の上に、MR素子50のエアベアリング面20とは反対側の端部の位置を決定するためのマスク43を形成する。マスク43はアンダーカットを有していることが好ましい。マスク43の形成方法は、マスク41と同様である。
【0095】
次に、マスク43を用いて、少なくとも膜23Aから膜55Aまでの部分を選択的にエッチングする。このエッチングによってパターニングされた膜23A,51A,52A,53A,54A,55Aは、それぞれ、結合層23、フリー層51、非磁性導電層52、ピンド層53、反強磁性層54および保護層55となる。なお、このエッチングによって、積層体のうちの不要部分を除去してもよい。最後に、マスク43を除去すると、図19に示した磁気抵抗効果装置5が完成する。
【0096】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0097】
[第3の実施の形態]
次に、図20ないし図23を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る磁気抵抗効果装置の製造方法について説明する。なお、図20ないし図23はエアベアリング面20に平行な断面を示している。
【0098】
始めに、図23を参照して、本実施の形態に係る磁気抵抗効果装置5の構成について説明する。本実施の形態に係る磁気抵抗効果装置5では、第1の実施の形態における磁化設定層24L,24Rの代わりに磁化設定層71L,71Rが設けられ、第1の実施の形態における電極層25L,25Rの代わりに電極層72L,72Rが設けられている。
【0099】
本実施の形態における下地層21および縦バイアス磁界印加層22は、第1の実施の形態における下地層21および縦バイアス磁界印加層22よりも広い領域に配置されている。磁化設定層71L,71Rは、結合層23とMR素子50からなる積層体の両側部に隣接し、且つ縦バイアス磁界印加層22の上面に隣接するように配置されている。電極層72L,72Rは、磁化設定層71L,71Rの上に配置されている。
【0100】
磁化設定層71L,71Rは、反強磁性材料よりなる層を含む。反強磁性材料としては、例えば、PtMn、IrMn、RuRhMn等の合金や、NiO等の金属酸化物が用いられる。磁化設定層71L,71Rの厚みは、例えば約13.0nmである。磁化設定層71L,71Rは、縦バイアス磁界印加層22の上面に隣接し、縦バイアス磁界印加層22と交換結合することによって、縦バイアス磁界印加層22の磁化の方向を固定している。本実施の形態に係る磁気抵抗効果装置5のその他の構成は、第1の実施の形態に係る磁気抵抗効果装置5と同様である。
【0101】
本実施の形態に係る磁気抵抗効果装置5の製造方法では、まず、図20に示したように、第1の実施の形態と同様にして、膜21Aから膜55Aまでの各膜を形成する。
【0102】
次に、膜55Aの上に、磁化設定層71L,71Rおよび電極層72L,72Rを形成するためのマスク61を形成する。マスク61は、例えば、フォトリソグラフィによってレジスト膜をパターニングすることによって形成される。また、マスク61は、磁化設定層71L,71Rおよび電極層72L,72Rが配置される位置に対応する位置に開口部61L,61Rを有している。また、マスク61は、底面が上面よりも小さくなるようにアンダーカットを有していることが好ましい。このようなマスク61は、例えば積層された2つの有機膜からなるレジスト膜をパターニングすることによって形成される。
【0103】
次に、図21に示したように、マスク61を用いて、膜23Aから膜55Aまでの部分を選択的にエッチングして、磁化設定層71L,71Rおよび電極層72L,72Rが配置される位置に溝部を形成する。このエッチングによって、MR素子50の両側部の位置が決定される。なお、エッチングとしては、イオンミリング等のドライエッチングが用いられる。次に、マスク61を残したまま、例えばスパッタリング法によって、上記溝部内に磁化設定層71L,71Rを形成し、続けて、磁化設定層71L,71Rの上に電極層72L,72Rを形成する。
【0104】
次に、図22に示したように、マスク61をリフトオフした後、積層体の上に、MR素子50のエアベアリング面20とは反対側の端部の位置を決定するためのマスク62を形成する。マスク62はアンダーカットを有していることが好ましい。マスク62の形成方法は、マスク61と同様である。
【0105】
次に、マスク62を用いて、膜21Aから膜55Aまでの部分を選択的にエッチングする。このエッチングによってパターニングされた膜21A,22A,23A,51A,52A,53A,54A,55Aは、それぞれ、下地層21、縦バイアス磁界印加層22、結合層23、フリー層51、非磁性導電層52、ピンド層53、反強磁性層54および保護層55となる。最後に、マスク62を除去すると、図23に示した磁気抵抗効果装置5が完成する。
【0106】
なお、本実施の形態では、磁化設定層71L,71Rは、反強磁性材料よりなる層を含んでいる。そのため、磁化設定層71L,71Rの磁化の方向を設定するために、磁化設定層71L,71Rには、磁界を印加した状態での熱処理が施される。同様の熱処理は、MR素子50に含まれる反強磁性層54に対しても行われる。反強磁性層54に対する熱処理は、磁化設定層71L,71Rに対する熱処理より前に行われる。そのため、磁化設定層71L,71Rに対する熱処理によって、反強磁性層54の特性が劣化しないように、磁化設定層71L,71Rに対する熱処理時の温度は、反強磁性層54に対する熱処理時の温度以下とする。また、磁化設定層71L,71Rに対する熱処理時に磁化設定層71L,71Rに印加する磁界の大きさは、例えば8kOe(8×79.6kA/m)以上とする。
【0107】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0108】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、各実施の形態では、縦バイアス磁界印加層となる膜、結合層となる膜および感磁層となる膜を連続的に形成した後、エッチングによってこれらの膜をパターニングしている。しかし、本発明はこれに限らず、例えばリフトオフ法により、各膜の連続的な形成とパターニングとを同時に行ってもよい。
【0109】
また、本発明は、MR素子50がスピンバルブ型GMR素子以外のMR素子である場合にも適用することができる。例えば、MR素子50がAMR素子である場合には、AMR素子(磁気抵抗効果膜)と縦バイアス磁界印加層とが結合層を介して交換結合するように磁気抵抗効果装置を構成すると共に、縦バイアス磁界印加層となる膜、結合層となる膜およびAMR素子となる膜を連続的に形成すればよい。また、MR素子50がTMR素子である場合には、TMR素子におけるフリー層と縦バイアス磁界印加層とが結合層を介して交換結合するように磁気抵抗効果装置を構成すると共に、縦バイアス磁界印加層となる膜、結合層となる膜およびフリー層となる膜を連続的に形成すればよい。
【0110】
また、実施の形態では、縦バイアス磁界印加層となる膜、結合層となる膜および感磁層(フリー層)となる膜を、この順に連続的に形成したが、これらの膜を逆の順序で連続的に形成してもよい。
【0111】
また、実施の形態では、基体側に再生ヘッドを形成し、その上に、記録ヘッドを積層した構造の薄膜磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。また、読み取り専用として用いる場合には、薄膜磁気ヘッドを、再生ヘッドだけを備えた構成としてもよい。
【0112】
また、本発明は、薄膜磁気ヘッドにおける再生ヘッドに限らず、磁界を検出するセンサや磁性薄膜メモリ等にも適用することができる。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、結合層を介して感磁層と縦バイアス磁界印加層とが交換結合する。縦バイアス磁界印加層の誘導磁気異方性磁界は感磁層の誘導磁気異方性磁界よりも大きく、縦バイアス磁界印加層の膜面内磁化困難軸方向の透磁率は感磁層の膜面内磁化困難軸方向の透磁率よりも小さい。これにより、本発明によれば、感磁層の両側部近傍において感度低下領域が生じることを防止することができ、且つ信号磁界に応じた感磁層の磁化の方向の変化を妨げることなく、信号磁界が印加されない状態において感磁層を単磁区化することができる。その結果、本発明によれば、出力が大きく且つ出力の安定性の良い磁気抵抗効果装置を実現することができるという効果を奏する。
【0114】
また、本発明の磁気抵抗効果装置の製造方法において、縦バイアス磁界印加層となる膜、結合層となる膜および感磁層となる膜を連続的に形成する場合には、縦バイアス磁界印加層と結合層との界面の状態、および結合層と感磁層との界面の状態を良質且つ均質にすることができる。その結果、本発明によれば、出力が大きく且つ出力の安定性の良い磁気抵抗効果装置を安定して製造することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る磁気抵抗効果装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図2】図1に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図3】図2に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図4】図3に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図5】図4に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図6】図5に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図7】図6に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面および基板に垂直な断面を示す断面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示す断面図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダを示す斜視図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリを含むヘッドアームアセンブリを示す斜視図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係るハードディスク装置の要部を示す説明図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係るハードディスク装置の平面図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係る磁気抵抗効果装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図15】図14に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図16】図15に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図17】図16に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図18】図17に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図19】図18に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図20】本発明の第3の実施の形態に係る磁気抵抗効果装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図21】図20に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図22】図21に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図23】図22に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…絶縁層、3…下部シールド層、4…下部シールドギャップ膜、5…磁気抵抗効果装置、6…リード層、7……上部シールドギャップ膜、8…上部シールド層、9…記録ギャップ層、10…薄膜コイルの第1層部分、12…上部磁極層、15…薄膜コイルの第2層部分、17…オーバーコート層、20…エアベアリング面、21…下地層、22…縦バイアス磁界印加層、23…結合層、24L,24R…磁化設定層、25L,25R…電極層、50…MR素子、51…フリー層、52…非磁性導電層、53…ピンド層、54…反強磁性層。

Claims (11)

  1. 外部磁界に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗効果装置であって、
    互いに反対側を向く第1および第2の面を有し、外部磁界に応じて磁化の方向が変化する感磁層と、
    前記感磁層の第1の面に対向するように配置され、外部磁界が印加されない状態において前記感磁層を単磁区化するための縦バイアス磁界を前記感磁層に印加する縦バイアス磁界印加層と、
    前記感磁層と前記縦バイアス磁界印加層とが交換結合するように、これらを結合する非磁性の結合層とを備え、
    前記縦バイアス磁界印加層の誘導磁気異方性磁界は、前記感磁層の誘導磁気異方性磁界よりも大きく、
    前記縦バイアス磁界印加層の膜面内磁化困難軸方向の透磁率は、前記感磁層の膜面内磁化困難軸方向の透磁率よりも小さいことを特徴とする磁気抵抗効果装置。
  2. 更に、前記縦バイアス磁界印加層の磁化の方向を設定する磁化設定層を備えたことを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果装置。
  3. 前記磁化設定層は、硬磁性材料よりなる層を含み、前記縦バイアス磁界印加層の両側部に隣接するように配置されていることを特徴とする請求項2記載の磁気抵抗効果装置。
  4. 前記磁化設定層は、反強磁性材料よりなる層を含み、前記縦バイアス磁界印加層の1つの面に隣接するように配置されていることを特徴とする請求項2記載の磁気抵抗効果装置。
  5. 前記感磁層の第1の面の全体が前記縦バイアス磁界印加層に対向していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気抵抗効果装置。
  6. 前記磁気抵抗効果装置は、更に、前記感磁層の第2の面に隣接するように配置された非磁性層と、前記非磁性層を介して前記感磁層の第2の面に対向するように配置され、磁化の方向が固定されたピンド層と、前記ピンド層における前記非磁性層とは反対側の面に隣接するように配置され、前記ピンド層の磁化の方向を固定する反強磁性層とを備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の磁気抵抗効果装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の磁気抵抗効果装置を製造する方法であって、前記縦バイアス磁界印加層、結合層および感磁層を形成する各工程を備えたことを特徴とする磁気抵抗効果装置の製造方法。
  8. 請求項1ないし6のいずれかに記載の磁気抵抗効果装置を製造する方法であって、
    前記縦バイアス磁界印加層となる膜、前記結合層となる膜および前記感磁層となる膜を連続的に形成する工程と、
    前記各膜によって前記縦バイアス磁界印加層、結合層および感磁層を形成するために、前記各膜をパターニングする工程と
    を備えたことを特徴とする磁気抵抗効果装置の製造方法。
  9. 記録媒体に対向する媒体対向面と、
    前記記録媒体からの信号磁界を検出するために前記媒体対向面の近傍に配置された請求項1ないし6のいずれかに記載の磁気抵抗効果装置と
    を備えたことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  10. 請求項9記載の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
    前記スライダを弾性的に支持するサスペンションと
    を備えたことを特徴とするヘッドジンバルアセンブリ。
  11. 請求項9記載の薄膜磁気ヘッドを含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
    前記スライダを支持すると共に前記記録媒体に対して位置決めする位置決め装置と
    を備えたことを特徴とするハードディスク装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11719771B1 (en) 2022-06-02 2023-08-08 Allegro Microsystems, Llc Magnetoresistive sensor having seed layer hysteresis suppression

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