JP2005018438A - 音楽コンテンツ提供装置及び音楽コンテンツの提供方法 - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、音楽コンテンツ提供装置及び音楽コンテンツの提供方法に関し、例えば大容量の記録媒体に音楽コンテンツを記録して保持するカーオーディオ装置に適用して、所望する音楽コンテンツを簡易かつ確実に選択することができるようにする。
【解決手段】本発明は、属性情報を基準にして３次元座標空間に音楽コンテンツをマッピングし、この座標空間における選択により音楽コンテンツをユーザーに提供する。
【選択図】 図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音楽コンテンツ提供装置及び音楽コンテンツの提供方法に関し、例えば大容量の記録媒体に音楽コンテンツを記録して保持するカーオーディオ装置に適用することができる。本発明は、属性情報を基準にして３次元座標空間に音楽コンテンツをマッピングし、この座標空間における選択により音楽コンテンツをユーザーに提供することにより、カーオーディオ装置等に適用して所望する音楽コンテンツを簡易かつ確実に選択することができるようにする。
【０００２】
【従来の技術】
近年、カーオーディオ装置においては、ハードディスク装置等による大容量の記録媒体を用いて多数の音楽コンテンツを記録し、この記録媒体に記録した音楽コンテンツをユーザーに提供するものが提案されるようになされている。具体的に、この種の記録媒体においては、例えば１０〔ＧＢ〕による容量のハードディスク装置を用いた場合、通常のポピュラーソング等の音楽コンテンツにおいては、データ圧縮して２５００曲程度記録することができる。
【０００３】
このような多数のコンテンツより所望するコンテンツを選択する方法の１つとして、例えば特開平１０−２６０６７１号公報に開示の手法においては、２次元座標平面上に大まかなカテゴリによるメニューを表示し、各メニューの奥行き方向に詳細なカテゴリによるメニューを配置することにより、３次元の座標空間で所望するコンテンツのカテゴリを指定する方法が提案されるようになされている。
【０００４】
【特許文献１】
特開平１０−２６０６７１号公報
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこのように大容量の記録媒体に多数の音楽コンテンツを記録した場合、所望する音楽コンテンツを簡易かつ確実に選択できない問題がある。特に、カーオーディオ装置においては、車両の運転に神経を集中させることが必要なことにより、家庭用オーディオシステムの場合に比して、一段と所望する音楽コンテンツを選択し辛くなる。
【０００６】
この問題を解決する１つの方法として、例えば特開平１０−２６０６７１号公報に提案されているように、２次元座標平面上に大まかなカテゴリによるメニューを表示し、各メニューの奥行き方向に詳細なカテゴリによるメニューを配置する方法も考えられるが、実際上、カーオーディオ装置におけるこのようなメニューの選択による操作においては、運転を妨げる欠点がある。
【０００７】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、カーオーディオ装置等に適用して所望する音楽コンテンツを簡易かつ確実に選択することができる音楽コンテンツ提供装置及び音楽コンテンツの提供方法を提案しようとするものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため請求項１の発明においては、所定の記録媒体に音楽コンテンツを記録して保持し、音楽コンテンツを再生してユーザーに提供する音楽コンテンツ提供装置に適用して、３次元座標空間の各座標軸にそれぞれ音楽コンテンツの属性情報を割り当てて、３次元座標空間に音楽コンテンツをマッピングし、各座標軸に対応する操作子の操作に応動して、対応する音楽コンテンツを選択し、該選択した音楽コンテンツをユーザーに提供する。
【０００９】
また請求項５の発明においては、所定の記録媒体に音楽コンテンツを記録して保持し、音楽コンテンツを再生してユーザーに提供する音楽コンテンツの提供方法に適用して、３次元座標空間の各座標軸にそれぞれ音楽コンテンツの属性情報を割り当てて、３次元座標空間に音楽コンテンツをマッピングし、各座標軸に対応する操作子の操作に応動して、対応する音楽コンテンツを選択し、該選択した音楽コンテンツをユーザーに提供する。
【００１０】
請求項１の構成により、所定の記録媒体に音楽コンテンツを記録して保持し、音楽コンテンツを再生してユーザーに提供する音楽コンテンツ提供装置に適用して、３次元座標空間の各座標軸にそれぞれ音楽コンテンツの属性情報を割り当てて、３次元座標空間に音楽コンテンツをマッピングし、各座標軸に対応する操作子の操作に応動して、対応する音楽コンテンツを選択し、該選択した音楽コンテンツをユーザーに提供すれば、ユーザーにおいては、３次元座標空間の座標軸に対応する３種類の属性情報に基づいて、所望する音楽コンテンツを選択することができる。これによりカーオーディオ装置等に適用して従来に比して所望する音楽コンテンツを簡易かつ確実に選択することができる。
【００１１】
これにより請求項５の構成によれば、カーオーディオ装置等に適用して従来に比して所望する音楽コンテンツを簡易かつ確実に選択することができる音楽コンテンツの提供方法を提供することができる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【００１３】
（１）実施の形態の構成
図２は、本発明の実施の形態に係るカーオーディオ装置を示すブロック図である。このカーオーディオ装置１は、必要に応じて車両より取り外して屋内に持ち運び、種々の音楽コンテンツを楽しむことができるようになされている。
【００１４】
すなわちこのカーオーディオ装置１において、光ディスク装置２は、コンパクトディスク、ＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｉｄｅｏ Ｄｉｓｋ）等による光ディスクの再生装置であり、演算処理部３の制御により、これら光ディスクに記録された音楽コンテンツ、映像コンテンツを再生して演算処理部３に出力する。この処理において、光ディスク装置２は、音楽コンテンツについては、光ディスクに記録されてなる各曲の属性情報を併せて再生して演算処理部３に出力する。またこのような属性情報が記録されていない場合には、光ディスクを特定する識別コードであるディスクＩＤを再生して演算処理部３に通知する。
【００１５】
ここでこのようにして光ディスクより再生される属性情報は、音楽コンテンツの特徴を示す情報であり、この実施の形態では、音楽のジャンル、アーティト又は演奏者、初版の販売年等により構成される。
【００１６】
出力部４は、音楽コンテンツ、映像コンテンツの出力手段であり、演算処理部３から出力される画像データによる画像をモニタ部５で表示し、また演算処理部３から出力されるオーディオデータによりスピーカ６を駆動する。
【００１７】
通信部８は、インターネット等のネットワークに接続する通信手段であり、演算処理部３の制御により所定のサーバーに接続し、音楽コンテンツの属性情報を取得する。すなわちこの実施の形態では、上述した光ディスクに記録されてなる属性情報に対応する属性情報を、ディスクＩＤ、曲番号に対応して所定のサーバーに保持するようになされ、通信部８は、演算処理部３の制御により、光ディスクより再生されるディスクＩＤ、曲番号によりこのサーバーをアクセスして対応する属性情報を取得する。
【００１８】
また通信部８は、同様にしてネットワークを介して音楽コンテンツ、映像コンテンツを提供するサーバーにアクセスし、このサーバーより音楽コンテンツ、映像コンテンツを取得して演算処理部３に出力する。通信部８は、この場合も、このサーバーより属性情報を取得して演算処理部３に出力する。
【００１９】
入力部９は、このカーオーディオ装置１の入力手段であり、ユーザーによる各種操作を検出して演算処理部３に出力する。具体的に、このカーオーディオ装置１において、入力部９は、リモートコマンダー（リモコン）９Ａ、モニタ５の表示画面に配置されたタッチパネル９Ｂ等により構成されるようになされている。カーオーディオ装置１において、入力部９は、これらリモートコマンダー９Ａ等の他に、３軸コントローラ９Ｃにより構成される。
【００２０】
ここで３軸コントローラ９Ｃは、１つの操作子の操作により３軸の座標値を入力可能な操作子であり、例えば運転席のダッシュボード等に貼り付けて保持できるように構成される。３軸コントローラ９Ｃは、図３に示すように、ノブ１０をＸ方向及びＹ方向に傾けて保持できるように構成され、さらにはノブ１０を回転させて保持できるようになされている。この実施の形態では、このＸ方向及びＹ方向に傾けた量によりそれぞれＸ軸方向及びＹ軸方向に係るユーザーの操作量を検出できるようになされ、またノブ１０の回転操作量によりＺ軸方向に係るユーザーの操作量を検出できるようになされている。これにより３軸コントローラ９Ｃは、ノブ１０の操作によりＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸に係る各座標値を可変できるようになされている。
【００２１】
記録部７は、大容量の記録媒体であり、例えばハードディスク装置により構成され、光ディスク装置２で再生される音楽コンテンツ、映像コンテンツ、ネットワークを介して取得される音楽コンテンツ、映像コンテンツについて、演算処理部３によりデータ圧縮されてなるコンテンツを記録して保持し、また保持したコンテンツを再生して出力する。記録部７は、このようにして記録するコンテンツのうち、音楽コンテンツについては、図４に示すように、演算処理部３の制御により対応する属性情報を併せて記録し、またこの記録した属性情報を再生して演算処理部３に出力する。
【００２２】
演算処理部３は、このカーオーディオ装置１全体の動作を制御するコンピュータであり、リードオンリメモリ（ＲＯＭ）３Ａの記録に従ってランダムアクセスメモリ（ＲＡＭ）３Ｂにワークエリアを確保して記録部７に記録された所定の処理手順を中央処理ユニット（ＣＰＵ）３Ｃにより実行することにより光ディスク装置２より各種コンテンツを再生して記録部７に記録するように全体の動作を制御し、またこのようにして記録したコンテンツをユーザーに提供するように全体の動作を制御する。またこの処理において、ビデオラム（ＶＲＡＭ）３Ｄの内容を更新することにより、各種メニュー画面、映像コンテンツに係る映像をモニタ５に表示し、また入出力回路（Ｉ／Ｏ）３Ｅを介して、周辺回路、ネットワークとの間で、各部の動作に必要なデータ等を入出力する。
【００２３】
これらの処理において、演算処理部３は、光ディスクに記録された音楽コンテンツの記録部７への記録が指示されると、光ディスク装置２の動作を制御して順次音楽コンテンツを再生し、この音楽コンテンツをデータ圧縮して記録部７に記録する。またこのときこのようにして再生される音楽コンテンツを解析して属性情報を検出する。ここでこの解析による属性情報は、音楽コンテンツを試聴してユーザーが感じ取ることが属性情報であり、テンポ、抑揚等により構成される。演算処理部３は、このようにして検出される音楽コンテンツの解析による属性情報と、光ディスクに記録された属性情報とを併せて記録部７に記録する。また光ディスクより属性情報を取得できない場合、通信部８の動作の制御によりディスクＩＤ、曲番号によりサーバーをアクセスして属性情報を取得し、この取得した属性情報を解析による属性情報と共に記録部７で記録する。
【００２４】
これに対してサーバーからの音楽コンテンツのダウンロードが指示されると、通信部８を介してサーバーにアクセスし、データ圧縮されてなるユーザーの所望する音楽コンテンツを取得して記録部７に記録する。このとき光ディスクより音楽コンテンツを取得する場合と同様に、解析による属性情報を取得し、サーバーから取得される属性情報と共に記録部７に記録する。これらにより演算処理部３は、音楽コンテンツを分類可能な多数種類の属性情報を、各音楽コンテンツと共に記録部７に記録するようになされている。
【００２５】
これに対してユーザーにより映像コンテンツの取得が指示されると、光ディスク装置２を再生して同様に記録部７に記録する。また通信部８を介してサーバーより映像コンテンツを取得して記録部７に記録する。
【００２６】
これに対してユーザーにより音楽コンテンツの再生が指示されると、演算処理部３は、図５に示すように、事前のユーザーによる設定に従って、３軸コントローラ９ＣによるＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸に、それぞれ属性情報を割り当て、このＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸に割り当ててなる属性情報による３次元空間に音楽コンテンツをマッピングする。因みに、図５（Ａ）の例では、Ｘ軸に音楽コンテンツのジャンル、Ｙ軸にアーティスト、演奏者、Ｚ軸に曲のテンポを割り当てた場合であり、このうちジャンルに係るＸ軸については、図５（Ｂ）に示すように、Ｘ軸負方向から正方向に、順次、ジャズ、ロック、フュージョン、クラシックのジャンルを割り当てた場合である。
【００２７】
さらに演算処理部３は、このようにして音楽コンテンツをマッピングして、３軸コントローラ９Ｃの操作に応動して対応する座標空間に位置する音楽コンテンツを選択してユーザーに提供する。すなわち選択された音楽コンテンツを記録部７から順次再生してデータ伸長し、出力部４のスピーカ６から出力する。これによりこの図５（Ｂ）に示す例では、３軸コントローラ９Ｃのノブ１０を左端に保持すると、ジャズの音楽コンテンツを選択してユーザーに提供するのに対し、右端に保持すると、クラシックの音楽コンテンツを選択してユーザーに提供するようになされている。
【００２８】
かくするにつきジャンル以外の属性情報のうち、例えばアーティスト又は演奏者に係る属性情報については、アイウエオ順に、又はアルファベット順に、座標軸にアーティスト名又は演奏者名を順次割り当て、音楽コンテンツをマッピングする。また販売年については、年を単位にした区分により座標軸に販売年を順次割り当て、音楽コンテンツをマッピングする。これに対してテンポについては、テンポの遅いものから早いものを順次対応する座標軸に沿ってマッピングする。また抑揚については、抑揚の小さなものから抑揚の大きなものを順次対応する座標軸に沿ってマッピングする。
【００２９】
またこのように座標軸を設定して、例えばジャンル、アーティト又は演奏者、販売年に係る属性情報により音楽コンテンツを区分した際に、１つの区分に多数の音楽コンテンツが分類される場合、各ジャンルによる座標軸の区分内において、例えばランダムな配置により音楽コンテンツをマッピングする。またテンポ、抑揚に係る属性情報において、テンポ、抑揚がほぼ同一の音楽コンテンツが複数存在する場合、ランダムな選択によりそれぞれテンポの遅い側、抑揚の低い側に何れかの音楽コンテンツをマッピングする。これによりこの演算処理部３は、各属性情報に係る座標軸に沿って順次音楽コンテンツが並ぶように、この座標軸による３次元空間に音楽コンテンツをマッピングするようになされている。
【００３０】
このマッピングの処理において、演算処理部３は、この３次元座標空間における音楽コンテンツの分布に偏りが発生しないように、座標軸に対する属性情報の割り当てを補正して音楽コンテンツをマッピングする。
【００３１】
すなわちユーザーにおいては、趣味嗜好が異なることにより、図５（Ｃ）に示すように、例えばフュージョン、ロックについては、多数の音楽コンテンツを記録部７に記録するものの、ジャズ、クラシックについては、それ程、記録部７に音楽コンテンツを記録していない場合もある。これによりこのような場合に、この属性情報による座標空間において、音楽コンテンツの分布に著しい偏りが発生し、３軸コントローラ９Ｃの操作による音楽コンテンツの選択においては、著しく使い勝手が悪くなる。すなわちこの図５（Ｃ）の例では、フュージョン、ロックのジャンルに対応する操作範囲においては、少しでも３軸コントローラ９Ｃのノブ１０を可動させると、何曲も曲が切り換わってしまうのに対し、ジャズ、クラシックに対応する操作範囲においては、多少３軸コントローラ９Ｃのノブ１０を可動させても、曲が切り換わらなくなってしまう。これによりこの実施の形態では、図５（Ｄ）に示すように、３軸コントローラ９Ｃの操作量に対して、ほぼ一様に音楽コンテンツが分布するように、属性情報による区切りが補正されるようになされている。
【００３２】
このようにして音楽コンテンツをマッピングして演算処理部３は、図１に示す処理手順の実行により音楽コンテンツの選択を切り換える。すなわち演算処理部３は、入出力部３Ｅを介して３軸コントローラ９Ｃの操作が通知されると、この処理手順を開始し、各座標軸に係る処理手順を実行する。この処理において、演算処理部３は、Ｘ軸に係る処理においては、ステップＳＰ１からステップＳＰ２に移り、Ｘ軸に係る操作か否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップＳＰ３に移ってこのＸ軸に係る処理を終了する。これに対してステップＳＰ２で肯定結果が得られると、演算処理部３は、ステップＳＰ２からステップＳＰ４に移り、Ｘ軸に係る操作量を検出する。また続くステップＳＰ５において、この操作量により変化するＸ座標値により音楽コンテンツの選択を切り換え、ステップＳＰ３に移ってこの処理手順を終了する。
【００３３】
これに対してＹ軸に係る処理においては、ステップＳＰ１からステップＳＰ６に移り、Ｙ軸に係る操作か否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップＳＰ３に移ってこのＹ軸に係る処理を終了する。これに対してステップＳＰ６で肯定結果が得られると、演算処理部３は、ステップＳＰ６からステップＳＰ７に移り、Ｙ軸に係る操作量を検出する。また続くステップＳＰ７において、この操作量により変化するＹ座標値により音楽コンテンツの選択を切り換え、ステップＳＰ３に移ってこの処理手順を終了する。
【００３４】
これに対してＺ軸に係る処理においては、ステップＳＰ１からステップＳＰ９に移り、Ｚ軸に係る操作か否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップＳＰ３に移ってこのＺ軸に係る処理を終了する。これに対してステップＳＰ９で肯定結果が得られると、演算処理部３は、ステップＳＰ９からステップＳＰ１０に移り、Ｚ軸に係る操作量を検出する。また続くステップＳＰ１１において、この操作量により変化するＺ座標値により音楽コンテンツの選択を切り換え、ステップＳＰ３に移ってこの処理手順を終了する。
【００３５】
演算処理部３は、このようにして音楽コンテンツの選択を切り換え、３軸コントローラ９Ｃにより選択された音楽コンテンツをユーザーに提供する。
【００３６】
これに対してユーザーにより映像コンテンツの再生が指示されると、演算処理部３は、所定のメニュー画面をモニタ部５に表示してユーザーによる映像コンテンツの選択を受け付け、選択された映像コンテンツを記録部７より順次再生する。またこのようにして得られる映像コンテンツをデータ伸長して出力部４に出力し、これによりこの映像コンテンツの映像をモニタ部５で表示し、音声をスピーカ６から出力する。
【００３７】
これに対してユーザーが音楽コンテンツのランダム再生を指示すると、図６に示すように、演算処理部３は、各座標軸に設定された属性情報により、音楽コンテンツをマッピングしてなる３次元座標空間上に所定の範囲の領域ＡＲを設定し、この領域ＡＲに含まれる音楽コンテンツを順次ランダム再生する。また３軸コントローラ９Ｃの操作に応動して、この所定範囲の領域ＡＲの位置を３次元座標空間上で可変し、これによりランダム再生に供する音楽コンテンツを切り換える。
【００３８】
これらによりこの実施の形態において、図２について上述した各部の符号を付して図７に示すように、カーオーディオ装置１の各部においては、各機能ブロックを構成するようになされている。
【００３９】
（２）実施の形態の動作
以上の構成において、このカーオーディオ装置１においては（図２）、入力部９の操作によりユーザーが音楽コンテンツ、映像コンテンツの記録を指示した場合、光ディスク装置２で音楽コンテンツ、映像コンテンツが再生されて記録部７に記録される。また通信部８を介して所定のサーバーにアクセスして音楽コンテンツ、映像コンテンツを取得し、この音楽コンテンツ、映像コンテンツが記録部７に記録される。またこのようにして記録した音楽コンテンツ、映像コンテンツの再生をユーザーが指示すると、記録部７より音楽コンテンツ、映像コンテンツが再生され、出力部４よりユーザーに提供される。
【００４０】
カーオーディオ装置１では、このようにして記録部７にコンテンツを記録する際に、音楽コンテンツについては、光ディスクの記録により、又は光ディスクを特定するディスクＩＤ、曲番号によるサーバーのアクセスにより、音楽コンテンツの特徴を示すジャンル、アーティスト又は演奏者、初版の販売年等による属性情報が取得される。また記録部７へ記録する際の音楽コンテンツの解析により、テンポ、抑揚による属性情報が検出される。カーオーディオ装置１では、これらの属性情報が対応する音楽コンテンツと共に記録部７に記録され（図４）、この属性情報を基準にしたユーザーの操作により音楽コンテンツが選択される（図５）。
【００４１】
すなわちカーオーディオ装置１では、このようにして取得される複数種類の属性情報のうちの、３種類の属性情報が、３次元座標空間の各座標軸にそれぞれ割り当てられ、この３種類の属性情報による３次元座標空間に音楽コンテンツがマッピングされる。カーオーディオ装置１では、これらの各座標軸に対応する操作子の操作に応動して、対応する箇所にマッピングされてなる音楽コンテンツが選択され、該選択した音楽コンテンツがユーザーに提供される（図１）。
【００４２】
これによりカーオーディオ装置１では、３種類の属性情報に基づいて、所望する音楽コンテンツを選択することができ、従来に比して所望する音楽コンテンツを簡易かつ確実に選択することができる。
【００４３】
すなわち例えばＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸にそれぞれジャンル、アーティスト、テンポの属性情報を割り当てた場合、Ｘ軸方向の座標値を可変することにより、現在試聴中の音楽コンテンツのジャンルを切り換えることができる。またＹ軸方向の座標値を可変することにより、アーティストを切り換えることができ、さらにＺ軸方向の座標値を可変することにより、テンポの異なる曲を選択することができる。
【００４４】
カーオーディオ装置１では、このような各座標値の入力が、１つの操作子であるノブ１０の操作により３軸の座標値を入力可能な３軸コントローラ９Ｃの操作により実行される。すなわちノブ１０を左右に傾けることによりＸ軸方向の座標値を可変することができ、またノブ１０を前後に傾けることによりＹ軸方向の座標値を可変することができ、さらにはノブ１０を回転させることによりＺ軸方向の座標値を可変することができる。これによりこのカーオーディオ装置１では、再生される音楽コンテンツを感覚的に判断して３軸コントローラ９Ｃのノブ１０を手さぐりで操作することにより、３種類の属性情報に対応する音楽コンテンツの特徴に基づいて所望する音楽コンテンツを選択することができる。これによりこのカーオーディオ装置１では、音楽コンテンツを選択する操作を簡潔にし、また少ないステップ数で音楽コンテンツを選択可能とし得、これらにより車両運転中における操作の負担を軽減し、安全性を向上することができるようになされている。
【００４５】
またランダム再生においては、３次元座標空間上に設定した所定範囲の領域に含まれる音楽コンテンツがランダム再生の対象とされ（図６）、ユーザーによる３軸コントローラ９Ｃの操作に応動してこの領域が可変されてランダム再生対象の音楽コンテンツが切り換えられる。
【００４６】
カーオーディオ装置１では、このような判定基準である３種類の属性情報が、事前のユーザーの設定により各座標軸に割り当てられる。これによりユーザーにおいては、好みに応じて設定を変更することができ、これにより使い勝手を一段と向上することができる。
【００４７】
また音楽コンテンツのマッピングにおいては、３次元座標空間上において、分布が偏らないように、座標軸に対する属性情報の設定が補正されてマッピングされ、これにより３軸コントローラ９Ｃの操作を滑らかなものとすることができる。
【００４８】
（３）実施の形態の効果
以上の構成によれば、属性情報を基準にして３次元座標空間に音楽コンテンツをマッピングし、この座標空間における選択により音楽コンテンツをユーザーに提供することにより、カーオーディオ装置等に適用して所望する音楽コンテンツを簡易かつ確実に選択することができる。
【００４９】
またこのような各座標軸に対応する座標値を入力する操作子が、１つの操作子の操作により３軸の座標値を入力可能な３軸コントローラであることにより、簡易な操作により確実に所望する音楽コンテンツを選択することができる。
【００５０】
またこのような３次元座標空間における音楽コンテンツのマッピングおいて、音楽コンテンツの分布に偏りが発生しないように、座標軸に対する属性情報の割り当てを補正して音楽コンテンツをマッピングすることにより、操作子の操作感を向上して使い勝手を向上することができる。
【００５１】
また３次元座標空間を所定の範囲により区切り、該区切った範囲に属する音楽コンテンツをランダムに再生してユーザーに提供し、各座標軸に対応する操作子の操作に応動してこの所定の範囲を可変することにより、ランダム再生対象の音楽コンテンツについても、同様に、所望する音楽コンテンツを簡易かつ確実に選択することができる。
【００５２】
（４）他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、各属性情報に係る座標軸に沿って順次音楽コンテンツが並ぶように、音楽コンテンツをマッピングする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、必要に応じて各属性毎に、グループ化してマッピングするようにしてもよい。なおこの場合、曲数が多い属性においては、この属性をさらに詳細に細分化して座標軸への割り当てを補正することにより、３次元空間上における音楽コンテンツの分布の偏りを防止することができる。具体的には、例えばクラシックのジャンルについて、室内楽、オーケーストラ、ソロ、オペラ等に細分化する場合である。
【００５３】
また上述の実施の形態においては、３軸コントローラによる操作に応動して単に対応する音楽コンテンツを選択して提供する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、このような３次元空間におけるマッピングを音楽コンテンツ選択の基準として使用する場合に広く適用することができる。具体的には、このようにマッピングして音楽コンテンツを選択する場合に、選択対象の音楽コンテンツの数が多大になると、ノブ１０の操作が微妙なものとなり、これにより段階的に音楽コンテンツの選択を受け付けることが考えられる。具体的には、このような段階的な選択においては上述の実施の形態におけるランダム再生の場合のように、３次元座標空間上に領域を設定し、３軸コントローラの操作に応動してこの領域を可変するようにする。またこの領域に属する音楽コンテンツをさわりの部分だけ順次再生し、例えばノブ１０の背の部分に設けた押圧操作子の操作により、このさわりの部分の再生に係る音楽コンテンツの選択を受け付ける。またこのような領域が３軸コントローラ９Ｃの操作範囲に対応するように、座標軸に対して属性情報に係る属性の一部を部分的に拡大して座標軸を設定し直して３軸コントローラ９Ｃの操作を受け付け、これにより最終的に曲の選択を受け付ける場合も考えられる。このように段階的に音楽コンテンツの選択を受け付ける場合にあっても、広く適用することができる。
【００５４】
また上述の３軸コントローラにおいては、ノブの回転によりＺ座標値を可変する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ノブの上下動によりＺ座標値を可変するようにしてもよい。
【００５５】
また上述の実施の形態においては、ランダム再生において、領域を設定して再生対象の音楽コンテンツを選択し、また３軸コントローラの操作により、領域を可変して再生対象の音楽コンテンツを切り換える場合について述べたが、本発明はこれに限らず、リピート再生における再生対象の設定、切り換えにも広く適用することができる。
【００５６】
また上述の実施の形態においては、３軸コントローラの操作により音楽コンテンツの選択を受け付ける場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばそれぞれＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸の座標値を可変する操作子を設ける場合等、要は、各座標軸に対応する操作子の操作に応動して音楽コンテンツの選択を受け付ける場合に広く適用することができる。
【００５７】
また上述の実施の形態においては、入力部としてリモコン、タッチパネル等を設ける場合について述べたが、本発明はこれに限らず、キーボード、マウス等を設けるようにしてもよい。
【００５８】
また上述の実施の形態においては、本発明をカーオーディオ装置に適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ホームオーディオ装置等、種々の音楽コンテンツ提供装置に広く適用することができる。
【００５９】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、属性情報を基準にして３次元座標空間に音楽コンテンツをマッピングし、この座標空間における選択により音楽コンテンツをユーザーに提供することにより、カーオーディオ装置等に適用して所望する音楽コンテンツを簡易かつ確実に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態に係るカーオーディオ装置における演算処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図２】本発明の実施の形態に係るカーオーディオ装置を示すブロック図である。
【図３】図２のカーオーディオ装置における３軸コントローラを示す斜視図である。
【図４】図２のカーオーディオ装置における記録部の説明に供する略線図である。
【図５】図３の３軸コントローラへの設定の説明に供する略線図である。
【図６】ランダム再生における処理の説明に供する略線図である。
【図７】図２のカーオーディオ装置の機能ブロック図である。
【符号の説明】
１……カーオーディオ装置、２……光ディスク装置、３……演算処理部、４……出力部、７……記録部、９……入力部、９Ｃ……３軸コントローラ

Claims (5)

1. 所定の記録媒体に音楽コンテンツを記録して保持し、前記音楽コンテンツを再生してユーザーに提供する音楽コンテンツ提供装置において、
   ３次元座標空間の各座標軸にそれぞれ前記音楽コンテンツの属性情報を割り当てて、前記３次元座標空間に前記音楽コンテンツをマッピングし、
   前記各座標軸に対応する操作子の操作に応動して、対応する前記音楽コンテンツを選択し、該選択した音楽コンテンツをユーザーに提供することを特徴とするコンテンツ提供装置。
2. 前記各座標軸に対応する操作子が、１つの操作子の操作により３軸の座標値を入力可能な３軸コントローラであることを特徴とする請求項１に記載のコンテンツ提供装置。
3. 前記３次元座標空間における前記音楽コンテンツにマッピングおいて、音楽コンテンツの分布に偏りが発生しないように、前記座標軸に対する前記属性情報の割り当てを補正して前記音楽コンテンツをマッピングすることを特徴とする請求項１に記載のコンテンツ提供装置。
4. 前記３次元座標空間を所定の範囲により区切り、
   該区切った範囲に属する音楽コンテンツをランダムに再生して前記ユーザーに提供し、
   前記各座標軸に対応する操作子の操作に応動して、前記所定の範囲を可変することを特徴とする請求項１に記載のコンテンツ提供装置。
5. 所定の記録媒体に音楽コンテンツを記録して保持し、前記音楽コンテンツを再生してユーザーに提供する音楽コンテンツの提供方法において、
   ３次元座標空間の各座標軸にそれぞれ前記音楽コンテンツの属性情報を割り当てて、前記３次元座標空間に前記音楽コンテンツをマッピングし、
   前記各座標軸に対応する操作子の操作に応動して、対応する前記音楽コンテンツを選択し、該選択した音楽コンテンツをユーザーに提供することを特徴とするコンテンツの提供方法。

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