JP2005016966A - ワイヤー張力検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業者の負荷の軽減と、張力の設定ミスの防止と、さらに装置の稼動率の向上を図ることを可能にするワイヤー張力検出装置を提供する。
【解決手段】一端が回動自在に支持されたテンションアーム1と、このアーム1の他端に回転自在に取り付けられていて走行中のワイヤー13を案内するプーリー2と、アーム1に取付けられたされたアーム回動角度検出手段3と、アーム1と所定角度をなすようにアーム1の他端に取り付けられたフック部材4と、ひずみゲージ5と、ひずみゲージ5とフック部材4との間に取り付けられたスプリング6と、ひずみゲージ5の固定板スライドユニット8と、このスライドユニット8を上下に駆動させる送り手段9,10と、該送り手段の作動を制御し得る制御手段11とを備え、ワイヤーの線径等の条件を制御手段11へ入力することにより前記送り手段を所定量作動せしめて、ワイヤーの線径等に適合したアーム張力の調整を行うようになっている。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、IC用ワイヤー等の極細線を熱処理する過程においてワイヤーの走行が安定して行われることと、巻き取り部におけるワイヤーの巻き締まり力を調整するために、ワイヤーの張力を正確に検出するワイヤー張力検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
IC用ワイヤー等の極細線に熱処理を施す際には、ワイヤーの巻き取り速度に応じた巻き出しが行われることが要求される。その理由は、ワイヤーの繰り出し速度が巻き取り速度に追従できないと、工程中に介在するプーリーからのワイヤーの外れや、ワイヤーの切断、巻き緩み等の問題が発生するからである。この問題をなくすためには、走行中のワイヤーの張力を検出し、ワイヤーの張力が常に一定値をとるように、ワイヤーの張力を調節して、ワイヤーの走行速度を一定に維持するようにすればよい。このため、従来から、ワイヤーの張力を検出するための種々の装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−329514号公報
【0004】
図2は、特許文献1に示された係る装置を示している。この装置は、巻きだし側スプール12を回転させるモーターと、2つのプーリーの間にセットされたテンションアーム1の先端に枢支されたプーリー2と、テンションアーム1の基部に固定された回動支軸1aに取付けられたエンコーダ3と、エンコーダ3の回転軸に取り付けられたフック部材4と、フック部材4に取付けられたスプリング6と、スプリング6に掛る力を検出するひずみゲージ5と、ひずみゲージ5からの出力即ちエンコーダ3からの出力を巻きだし側スプール12のモーターにフィードバックさせるコントローラから構成されている。
そして、巻きだしスプール12から繰り出されたワイヤー13の速度の大小により、設定速度に見合った回転角位置にあったアーム1が変動すると、ひずみゲージ5に掛る張力も変化し、これが巻き出し側スプール12のモーターにフィードバックされ、モーターの回転が変化してこれを補償し、最終的には設定速度に落ち着くようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年ワイヤーの細線化が進み、熱処理炉14で熱処理されるワイヤー径の種類が増え、走行精度とともに巻き取りスプール15への巻き締まり力の多様化が求められてきている。これに対応するために、現状では、ひずみゲージ5の上下動ねじ9のノブ16を回して行う張力設定と、張力幅の拡大についてはフック部材4とひずみゲージ5を結ぶスプリング6を交換することで張力の変更を行っていたが、海外進出等に伴い未熟練作業者の負担の軽減や張力の設定ミス等を防止し、さらに装置の稼動率向上のためにも、この方法の改善が求められている。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、金線等極細線の熱処理工程等に使用されるワイヤー張力検出装置において、作業者の負担の軽減と、張力の設定ミスの防止と、さらに装置の稼動率の向上を図ることを可能にするワイヤー張力検出装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明によるワイヤー張力調整機構は、一端を回動自在に支持されたアームと、該アームの他端に回転自在に取り付けられていて走行中のワイヤーを案内するプーリーと、前記アームに固定されたアーム回動角度検出手段と、前記アームと所定角度をなすように前記アームの他端に取り付けられたフック部材と、ひずみゲージと、該ひずみゲージと前記フック部材との間に取り付けられたスプリングとを備え、前記アーム回動角度検出手段が検出した前記アームの回動方向及び角度に応じてワイヤー巻き出し用モーターの回転速度を制御するようにしたワイヤー張力検出装置において、前記ひずみゲージの固定板スライドユニットと、該スライドユニットを上下動させる送り手段と、該送り手段の作動を制御し得る制御手段とを備え、前記ワイヤーの線径等の条件を前記制御手段へ入力することにより前記送り手段を所定量だけ作動せしめて、前記ワイヤーの線径等に適合したアーム張力の調整を行うようにしたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1に示した実施例に基づき説明する。
本発明に係るワイヤー張力検出装置は、図2を参照して従来技術で述べたワイヤー張力検出装置と同様に、基部が回動支軸1aに固定されたテンションアーム1と、テンションアーム1の先端1bに回転自在に取り付けられたプーリー2と、テンションアーム1の基部から該アーム1と直角方向に延びる回動支軸1aに取付けられたアーム回動角検出手段としてのエンコーダ3と、テンションアーム1が回動する面と平行な面内においてテンションアーム1と直角をなすようにエンコーダ3のロッドの一端に取り付けられたフック部材4と、ひずみゲージ5と、フック部材4とひずみゲージ5との間にこれらと角度がほぼ90度をなすように取り付けられたスプリング6とを備えている。
【0009】
さらに、本ワイヤー張力検出装置は、ひずみゲージ5を支持するひずみゲージホルダー7と、ひずみゲージ5を上下に摺動させ得るスライドユニット8と、ひずみゲージホルダー7を上下に動かすためのひずみゲージ駆動ねじ9と、ひずみゲージ駆動ねじ9を回転させるステッピングモーター10と、設定された張力入力値とひずみゲージ5からの出力とを比較して、ステッピングモーター10にフィードバックする制御部11により、構成さている。
【0010】
上記のように構成された本ワイヤー張力検出装置は次のように作動する。まず、熱処理すべきワイヤー13を図示の如く走行可能状態にセットし、作業者がそのワイヤーの線径及び材質を制御部11に入力する。すると、その入力値は所定の電圧に変換され、続いてステッピングモーター10が起動して、ひずみゲージホルダー7を動かし、それにより、テンションアーム1がエンコーダ3の回転位置検出によって垂直状態になった時にひずみゲージ5から出力される電圧が、上記設定電圧に見合う値になるようスプリング6を選定して、アーム張力の調整を行う。
【0011】
続いて、ワイヤーの熱処理装置が運転を開始してワイヤー13を走行させ、エンコーダ3と巻き出しモーターとの比較制御によってテンションアーム1が垂直状態になるように位置決めされる。この状態で、ひずみゲージ5からの出力値と上記設定値との僅かな違いが制御部11の制御によるステッピングモーター10の駆動によって最終的に微調整される。
【0012】
また、巻き取り最終時の巻き締めを行うときは、当初入力されたプログラムで設定されたタイミングと、テンションアーム1の張力とに見合うようステッピングモーター10が作動し、スプリング6の強度の設定をおこなう。
【0013】
【発明の効果】
上述の如く、本発明に係るワイヤー張力検出装置によれば、ワイヤー張力の検出幅を自動的に広げることができ、ワイヤー径等の条件を入力することによってワイヤー張力の設定を行うことができるから、作業者の負担を軽減し、張力の設定ミスを防止することが可能となり、さらに装置の稼動率の向上をはかることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るワイヤー張力検出装置の一実施例の概略構成図である。
【図2】従来のワイヤー張力検出装置の概略構成図である
【符号の説明】
1 テンションアーム
1a 回転支軸、
1b テンションアームの先端
2 プーリー
3 エンコーダ
4 フック部材
5 ひずみゲージ
6 スプリング
7 ひずみゲージ固定板
8 スライドユニット
9 ひずみゲージ駆動ねじ
10 ステッピングモーター
11 制御部
12 巻きだし側スプール
13 ワイヤー
14 熱処理炉
15 巻き取りスプール
16 ノブ

Claims (1)

  1. 一端が回動自在に支持されたアームと、該アームの他端に回転自在に取り付けられていて走行中のワイヤーを案内するプーリーと、前記アームに固定されたアーム回動角度検出手段と、前記アームと所定角度をなすように前記アームの他端に取り付けられたフック部材と、ひずみゲージと、該ひずみゲージと前記フック部材との間に取り付けられたスプリングとを備え、前記アーム回動角度検出手段が検出した前記アームの回動方向及び角度に応じてワイヤー巻き出し用モーターの回転速度を制御するようにしたワイヤー張力検出装置において、前記ひずみゲージの固定板スライドユニットと、該スライドユニットを上下動させる送り手段と、該送り手段の作動を制御し得る制御手段とを備え、前記ワイヤーの線径等の条件を前記制御手段へ入力することにより前記送り手段を所定量作動せしめて、前記ワイヤーの線径等に適合したアーム張力の調整を行うようにしたことを特徴とするワイヤー張力検出装置。
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