JP2005016929A - 水素燃焼型温風発生方法及びその方法に用いるバーナー - Google Patents

水素燃焼型温風発生方法及びその方法に用いるバーナー Download PDF

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Abstract

【課題】 水素ガスを燃焼させることで外気を加熱し、排ガス中に温室効果ガス(特にCO)が含まれないクリーンな水素燃焼型温風発生方法を提供する。
【解決手段】 水を水素ガスと酸素ガスとに電気分解する電気分解工程S1〜S9と、この電気分解工程S1〜S9で発生した水素ガスを前記酸素ガスと混合させた状態で燃焼させて炉体C内の温度を上昇させる燃焼工程S10〜S13と、炉体Cの周囲を取り囲むように設けられた加熱室Dに外気Pを取り入れ、この外気Pを前記水素ガスの燃焼により加熱された炉体Cの外壁面に接触させ外気Pを昇温させる外気昇温工程S14と、この外気昇温工程S14で昇温された外気を加熱室Dの外へ排出する温風排出工程S15と、を設けた。
【選択図】 図9

Description

本発明は、水素燃焼型温風発生方法及びその方法に用いるバーナーに関し、更に詳しくは、排ガス中に温室効果ガス(特にCO)が含まれないクリーンな水素燃焼型温風発生方法及びその方法に用いるバーナーに関する。
従来、温室野菜や温室メロン等の農業用栽培では、温室(ハウスを含む)内の室温を比較的高温に保つために、かつては、重油や灯油等の液体燃料を燃焼させて温室内の空気を暖める、いわゆる油焚き温風暖房機が用いられてきた。
しかし、油焚き温風暖房機は、液体燃料の不完全燃焼によるCO(一酸化炭素)の発生等の問題があり、プロパンガス等のガス燃料を燃焼させるガス焚き温風暖房機の開発が進められている(例えば、特許文献1ないし特許文献5参照)。
これらのガス焚き温風暖房機は、概略的に言えば、加熱室の内部に炉体を備えた構造をしている。
そして、炉体の内部でガス燃料を燃焼させて炉体自体を加熱しておき、加熱室に外気を取り入れて、その加熱状態の炉体で取り入れた外気を加熱し、温風として温室内に排出するものである。
その際、ガス燃料の燃焼により発生する排ガスは、通常、温風に混合しないように、炉体に、直接、煙突等を設け、温室の外に排気される。
これらのガス焚き温風暖房機の中には、温室野菜等の植物の育成に必要なCO(二酸化炭素)を温室内に供給するため、排ガスの一部を積極的に外気に混合させて温室内に排気するようにしたものもある(特許文献1及び特許文献2参照)。
また、温風暖房機の内部に、外気の燃焼加熱系統とは別に、COを発生させるためのガス燃焼系統を形成したものも提案されている(特許文献3参照)。
特公昭57−37292号公報 特公昭51−31725号公報 実公昭62−35319号公報 特開2003−74984号公報 特開2002−228264号公報
しかし、こうしたガス焚き温風暖房機においても、ガス燃料の燃焼により発生したCOが、結局は、排ガスとして大量に外気中に排気されることに変わりがない。
今日、温室効果ガス(地球温暖化ガス)の排気削減が世界的規模で求められ、特にCOの排出削減が緊急の課題となっている。
本発明は、かかる実状を背景に、上記の問題点を克服するためになされたものである。
即ち、本発明は、水素ガスを燃焼させることで外気を加熱し、排ガス中に温室効果ガス(特にCO)が含まれないクリーンな水素燃焼型温風発生方法及びその方法に用いるバーナーを提供することを目的とする。
しかし、水素ガスは、燃焼温度が高く、しかも燃焼しても水蒸気(又は水)になるだけでCOを発生しないという利点がある反面、少量でも引火して爆発し易く、プロパンガス等と比較して漏れ出し易いという欠点がある。
また、水素ガスを温風暖房機の燃料として用いるには、水素ガスを効率良く発生させることが必要である。
本発明は、そうした問題点の克服をも目的としている。
更に本発明は、水の電気分解により得られた水素を同電気分解により得られた酸素をも利用して燃焼させるバーナーを提供することをも目的とする。
請求項1に記載の水素燃焼型温風発生方法は、水を水素ガスと酸素ガスとに電気分解する電気分解工程と、この電気分解工程で発生した水素ガスを前記酸素ガスと混合させた状態で燃焼させて炉体内の温度を上昇させる燃焼工程と、前記炉体の周囲を取り囲むように設けられた加熱室に外気を取り入れ、この外気を前記水素ガスの燃焼により加熱された前記炉体の外壁面に接触させ前記外気を昇温させる外気昇温工程と、この外気昇温工程で昇温された外気を前記加熱室外へ排出する温風排出工程と、を有することを特徴とする。
請求項2に記載の水素燃焼型温風発生方法は、請求項1に記載の水素燃焼型温風発生方法において、前記電気分解工程により発生した前記水素ガスと前記酸素ガスとを分離して回収する分離回収工程を有することを特徴とする。
請求項3に記載の水素燃焼型温風発生方法は、請求項2に記載の水素燃焼型温風発生方法において、前記分離回収工程で回収された前記水素ガスと前記酸素ガスとをそれぞれ乾燥させる乾燥工程を有することを特徴とする。
請求項4に記載の水素燃焼型温風発生方法は、請求項1に記載の水素燃焼型温風発生方法において、前記燃焼工程は、バーナーを用いて行うことを特徴とする。
請求項5に記載の水素燃焼型温風発生方法は、請求項1に記載の水素燃焼型温風発生方法において、前記炉体内には、前記燃焼工程で発生した反応ガスを導くために螺旋状に案内板が設けられ、前記案内板上を流れる前記反応ガスと、前記加熱室内に取り入れられた外気と、の熱交換が効率的に行われる熱交換工程を有することを特徴とする。
請求項6に記載の水素燃焼型温風発生方法は、請求項1に記載の水素燃焼型温風発生方法において、前記水素ガスの燃焼により発生した反応ガスは、前記炉体内を流通した後、前記加熱室内に排出されることを特徴とする。
請求項7に記載の水素燃焼型温風発生方法は、請求項1に記載の水素燃焼型温風発生方法において、前記燃焼工程で未反応の水素ガスを前記炉体内から弁を介して抜くガス抜き工程を有することを特徴とする。
請求項8に記載の水素燃焼型温風発生方法は、請求項1に記載の水素燃焼型温風発生方法において、前記燃焼工程で発生した水分を前記炉体内から抜く水抜き工程を有することを特徴とする。
請求項9に記載の水素燃焼型温風発生方法に用いるバーナーは、空気輸送管と、この空気輸送管の先端の開口部を覆うように設けられ空気通過用の切欠部が形成された鍔部と、前記空気輸送管内に設けられ前記鍔部を貫通して前記鍔部から突出した水素輸送管と、この水素輸送管の先端よりも前方に酸素を供給するように配置された酸素輸送管と、を有することを特徴とする。
請求項10に記載の水素燃焼型温風発生方法に用いるバーナーは、空気輸送管と、この空気輸送管の先端の開口部を覆うように設けられ空気通過用の切欠部が形成された鍔部と、前記空気輸送管内に設けられ前記鍔部を貫通して前記鍔部から突出した水素輸送管と、前記水素輸送管内に設けられ前記水素輸送管の先端から突出した酸素輸送管と、を有することを特徴とする。
請求項11に記載の水素燃焼型温風発生方法に用いるバーナーは、請求項9又は請求項10に記載の水素燃焼型温風発生方法に用いるバーナーにおいて、前記鍔部より突出した前記水素輸送管の突出部分の外周壁に周方向に沿って複数の細穴が形成されたことを特徴とする。
請求項12に記載の水素燃焼型温風発生方法に用いるバーナーは、請求項11に記載の水素燃焼型温風発生方法に用いるバーナーにおいて、前記水素輸送管の先端側に形成された前記複数の細穴は周方向に均等の間隔で設けられ、前記鍔部に形成された前記切欠部も前記細穴と同数だけ周方向に均等に設けられていることを特徴とする。
請求項13に記載の水素燃焼型温風発生方法に用いるバーナーは、請求項11に記載の水素燃焼型温風発生方法に用いるバーナーにおいて、前記酸素輸送管の先端は閉蓋されており、その近傍の前記酸素輸送管の外周壁に周方向に等間隔で複数の酸素ガス噴出口が形成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、電気分解工程で水を分解することにより発生した水素ガスが燃焼工程で燃焼される。
そして、この燃焼により発生した熱により炉体内の温度が昇温され、炉体が加熱される。
炉体の周囲には、加熱室が炉体を取り囲むように設けられており、二重の容器が形成されている。
内側の容器である炉体の外壁面と、外側の容器である加熱室の内壁面とにより形成される空間には、外気が取り込まれ、この外気は炉体の外壁面と接触し炉体から外気への熱伝達が行われる。
そして、この昇温された外気は、加熱室外へ排出される。
この方法を装置に取り入れることで、温風が発生する暖房機が形成される。
この暖房機は水を原料とするが、水を電気分解した後、電気分解で発生した水素を空気(酸素含有率21%)や電気分解で発生した酸素と化学反応させれば、反応生成物は水であるため、有害な物質を排出することがない。
従って、排ガス中に温室効果ガス(特にCO)が含まれないクリーンな暖房を行うことが可能であるので、例えば、ビニールハウス内の野菜や果物を育成させるために用いるのに好適である。
また、水素ガスを燃焼させる際に酸素ガスを混合させるので、より多くの水素ガスが酸素と化学反応を起こし激しい燃焼が行われる。
そのため、炉体がより高温になり、より高温の温風を発生させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、電気分解工程により発生した水素ガスと酸素ガスとを分離して回収する分離回収工程が設けられているので、水素ガスと酸素ガスとが反応して爆発する危険を避けることができる。
また、水素ガスをガスボンベに貯蔵すれば、輸送に便利であり、利用範囲が広がる。
貯蔵の形態としては、気体水素、液体水素、金属水素化物、及びメタノールやアンモニア等の水素化誘導化学物質等がある。
請求項3に記載の発明によれば、分離回収工程で回収された水素ガスは乾燥させられる。
水素ガスに水蒸気が含まれると、燃焼工程においてエネルギーを吸収するので、水素ガスの燃焼効率は低下するが、水素ガスが乾燥させられることにより燃焼効率の低下を抑止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、燃焼工程は、バーナーを用いて行われるので、バーナーから水素ガスを噴射すれば、その噴射方向に沿った火炎が形成される。
従って、バーナーの向きを変更することで火炎の方向を自由自在に決めることができ、水素ガスと反応させる空気や酸素の流れと水素ガスの噴出方向とを一致させれば、長い尾をひいた火炎を得ることができ、局所的な火炎を発生させる場合に比べ、周辺材料の加熱(例えば、金属材料の融点に達するような発熱)を抑えることができ、装置の熱負荷から見て、より大きな発熱を行わせることができる。
請求項5に記載の発明によれば、炉体内には、螺旋状に案内板が設けられ、燃焼工程で発生した反応ガスが螺旋状に導かれる。
そのため、反応ガスが炉体内に滞在する時間が長くなり、案内板上を流れる反応ガスと加熱室内に取り入れられた外気との熱交換が効率的に行われる。
また、案内板自体がフィンの役割を果たし、反応ガスの吸熱を促進することができる。
請求項6に記載の発明によれば、水素ガスの燃焼により発生した反応ガスが、炉体内を流通した後、加熱室内に排出されるので、炉体を介して反応ガスと外気との熱交換が行われるだけでなく、反応ガスと外気とが直接混ざり合うので、外気の昇温をより促進することができる。
なお、加熱室内に炉体を設置せず、直接反応ガスと外気とを混ぜる場合には、排ガスの温度が高温になったり低温になったりし、不安定になる。
その理由は、加熱室内の流体の流れが安定するまでに時間がかかるし、また、外気や炉体に供給される水素ガス等の流量を調整すると、流体の流れが安定するまでに時間がかかるからである。
請求項7に記載の発明によれば、燃焼工程で未反応の水素ガスを炉体内から排出するための弁が設けられている。
水素ガスが蓄積すると、爆発の危険性があるが、比重の軽い水素を炉体の上方に設けた弁を介し排出することで安全性を確保することができる。
なお、水素はオゾン層を破壊する有害物質であるため、排出された水素の管理には十分留意する必要がある。
請求項8に記載の発明によれば、燃焼工程で発生した水分が炉体内から排出される。
炉体内に水滴が付着していると、燃焼空気の熱を水滴が吸収してしまい炉体の加熱効率が低下してしまうが、かかる問題を解消することができる。
なお、水滴は以下のように発生する。
水素ガスの燃焼を止め、その瞬間に炉体への空気の供給を中止すると、炉体内に水分を含んだ気体が滞留する。
そして、徐々に炉体が冷却されていくと、炉体内で水蒸気が結露する。
また、装置を停止している場合でも、夜間等に急に外気の温度が低下し炉体内の空気との温度差が生じると、水滴が発生する。
請求項9に記載の発明によれば、空気輸送管の先端には、その先端に形成された開口部を覆うように鍔部が設けられている。
そして、この鍔部には、輸送されてきた空気が通過できるように切欠部が形成されている。
また、空気輸送管内には水素輸送管が設けられ、この水素輸送管は鍔部を貫通して鍔部から突出している。
そのため、鍔部を通過した空気は攪乱され、水素輸送管から噴出した水素ガスを巻き込みながら、渦を巻いて前方へ移動する。
また、同時に着火も行われる。
このように渦を巻くように前進させると、燃焼空気が炉体内に入った際に、炉体の内部で燃焼空気が一気に拡散してしまうのを防ぐことができる。
ひいては、燃焼空気を炉体内に設けられた案内板に沿ってスムーズに移動させることができ、性能の良い熱交換機を形成することができる。
また、水素輸送管内に設けられ水素輸送管の先端から突出した酸素輸送管からも、酸素が供給され、燃焼ガスの温度をより高温にすることができる。
請求項10に記載の発明によれば、請求項9と同様の作用効果を奏する上、空気輸送管の内側に酸素輸送管が設けられ、更にその内側に水素輸送管が設けられているので、軸対象な構造にすることができ、水素ガスや酸素ガスを空気輸送管から噴出した空気に均等に混合させることができる。
そのため、燃焼中の炎の形状を周方向に均一にすることが可能であり、また、炎の位置を一箇所で安定させることができる。
請求項11に記載の発明によれば、鍔部より突出した水素輸送管の突出部分の外周壁に周方向に沿って複数の細穴が形成されるので、この細穴から噴出する水素ガスを切欠部を通過する攪乱空気に少量ずつ均等に混合させることができる。
請求項12に記載の発明によれば、水素輸送管の先端側に形成された複数の細穴は周方向に均等の間隔で設けられ、鍔部に形成された切欠部も細穴と同数だけ周方向に均等に設けられているので、空気と水素ガスとの混合を確実に周方向に均等にすることができる。
請求項13に記載の発明によれば、酸素輸送管の先端側の外周壁に周方向に等間隔で複数の酸素ガス噴出口が形成されているので、水素ガスと空気との混合ガスに対し確実に均等に酸素を追加することができる。
なお、本発明の目的に添ったものであれば、上記請求項を適宜組み合わせた構成も採用可能である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔水素燃焼型温風暖房機Aの全体構造〕
図1は、本発明の水素燃焼型温風暖房機の実施の形態を示す概略図である(加熱室Dのみ内部が見えるように図示した)。
水素燃焼型温風暖房機Aは、主として、電気分解により水を水素ガス及び酸素ガスに分解するための電気分解部Bと、この電気分解部Bで発生させた水素ガスを電気分解部Bで発生させた酸素ガスをも利用して、内部で燃焼させて加熱される炉体Cと、この炉体Cの周囲を取り囲むように設けられ、外気Pを取り入れて炉体Cで加熱した後排出するための加熱室Dと、を備えている。
〔水素燃焼型温風暖房機Aの温風発生機構〕
先ず、電気分解部Bや炉体C、加熱室Dの構造等の詳細な説明に入る前に、この水素燃焼型温風暖房機Aの機能について簡単に説明する。
本発明の水素燃焼型温風暖房機Aは、外気Pを加熱室Dの吸込口D1から取り入れ(図1の矢印参照)、取り入れた外気Pを高温状態の炉体Cで加熱した後、加熱された外気Pを温風吹出口D2から外部に排出する(図1の矢印参照)ことにより温風Qを発生させるものである。
しかし、本発明の水素燃焼型温風暖房機Aは、外気Pの加熱手段である炉体C自体を高温状態に加熱するために、炉体Cの内部で水素ガスを燃焼させる点で、従来の温風暖房機とは、大きく異なる。
この点が、本発明の水素燃焼型温風暖房機Aの大きな特徴である。
水素ガスの燃焼による炉体Cの加熱の機構やそのための構造等については、後で詳しく述べるが、本発明の水素燃焼型温風暖房機Aの全体的な理解のために、この点を、ここで簡単に述べておく。
図1に示すように、電気分解部Bで発生した水素ガスは、水素供給管E1を通って炉体Cの燃焼部C1に送られる。
この燃焼部C1で水素ガスが燃焼されるのであるが、この水素ガスの燃焼に必要な酸素は、燃焼部C1のファン(図5のファンC11参照)により燃焼部C1内に吸引された空気Rの中に含まれている(図1の矢印参照)。
また、電気分解部Bで発生した酸素ガスを、酸素供給管E2を介して炉体Cの取付管C21(図5参照)に送ることによっても供給される。
水素供給管E1及び酸素供給管E2にはそれぞれブロワーE3とブロワーE4とが設けられ、電気分解部Bから炉体Cへ向けて水素と酸素とが供給される。
そして、水素ガスの燃焼により空気R中の一部の酸素が消費されて、残りの空気Rは同時に加熱されることになる。
また、酸素供給管E2から供給される酸素ガスも水素ガスと化学反応し、燃焼する。
そして、この加熱された空気Rが炉体Cの内部を通過して、排気管C3から吹き出される(図1の矢印参照)。
その間、この高温の燃焼空気Sが炉体Cの内壁面C7(図5(A)参照)と接触して炉体Cが加熱される。
そして、この加熱された炉体Cの外壁面C2に外気Pが接触することにより、外気P自体が加熱されるのである。
このように、本発明の水素燃焼型温風暖房機Aは、炉体Cの加熱を水素ガスの燃焼により行うため、排気管C3から吹き出される燃焼空気S(即ち排ガス)中に温室効果ガス(特にCO)が含まれず、排ガスが非常にクリーンであるという特徴を有する。
そのため、この実施の形態のように、炉体Cの排気管C3を加熱室D内に開口するように形成し、燃焼空気Sを加熱室D内に吹き出して外気Pと混合するようにしても、燃焼空気Sに温室効果ガスが含まれることがない。
寧ろ、炉体Cの排気管C3を加熱室D内に開口するように形成すれば、排気管C3から吹き出される高温の燃焼空気Sが外気Pに混合し合い、外気P(又は温風Q)の加熱効率を高めることができるため極めて有用である。
なお、排気管C3から吹き出される燃焼空気Sには、水素ガスが燃焼して発生する水蒸気(水)が必然的に含まれている。
この実施の形態では、水素燃焼型温風暖房機Aは温室(ハウス)の暖房用に用いることを想定しているため、燃焼空気Sが外気Pに混合し、温風Qが水蒸気を含む状態となっても何ら問題はない。
しかし、この水素燃焼型温風暖房機Aを、例えば、家庭やオフィス等の室内暖房に使用する場合のように、温風Qに水蒸気が含まれない方が良い場合などには、排気管C3を加熱室Dの壁面を貫通するように形成し、加熱室Dの外部に吹き出す(排気する)ようにすることも当然可能である。
又は、水素燃焼型温風暖房機Aを図1に示したように形成し、加熱室Dの温風吹出口D2に除湿手段(例えば、除湿フィルタ等)を取り付けるようにすることも可能である。
〔電気分解部Bの構造等〕
次に、電気分解部Bや炉体C、加熱室Dの構造等を説明する。
最初に、電気分解部Bの構造等について述べる。
図2は、水素燃焼型温風暖房機Aの電気分解部Bの構造を説明する概略図である。
なお、各機器の図中の位置関係が、そのまま電気分解部Bにおける位置関係を示すものではない。
また、図示しないが、各機器には機器内のガス圧を計測する圧力計や、機器内のガス圧が過大となった場合にガス抜きを行うための安全弁等が適宜備えられている。
電気分解部Bは、水素及び酸素の発生・精製系統として、主に、電気分解装置B1、分離器B2(水素分離器B2a及び酸素分離器B2b)、凝集器B3(水素凝集器B3a及び酸素凝集器B3b)、及び乾燥器B5(水素乾燥器B5a及び酸素乾燥器B5b)を備える。
また、電気分解部Bは、水の純水化・循環系統として、主に、純水製造装置B6及び冷却器B7を備え、更に電力供給源として電源B8を備える。
水素及び酸素の発生・精製系統について述べると、先ず、電気分解装置B1で水(純水)が電気分解され、発生した水素ガス及び酸素ガスがそれぞれ独立して水素分離器B2a及び酸素分離器B2bに回収される。
図2においては、電気分解装置B1は2機設けられているが、特に2機に限定する理由はなく、効率等の観点から必要に応じて何機設置しても良い。
但し、水素ガスと酸素ガスを混合した状態で回収すると、何らかの原因で水素ガスが爆発する危険性があるため、双方のガスをそれぞれ独立して回収できるものであることが望ましい。
電気分解装置B1については、後で更に詳しく述べる。
水素分離器B2aに回収された水素ガス及び酸素分離器B2bに回収された酸素ガスは、分離器B2内で後述する純水により冷却された後、それぞれ水素凝集器B3a及び酸素凝集器B3bに送られ、ガス中の水蒸気が除去される。
水素ガス及び酸素ガス中から水蒸気を除去するのは、ガス中に水蒸気があると、水素ガスの燃焼効率を低下させる可能性があるからである。
図3は、一部破断した水素凝集器B3aの内部構造の説明図である。
このように、水素凝集器B3a内には交互に下方に傾斜するように邪魔板B31が複数配設されている。
水素分離器B2aから送られてきた水素ガスは、この邪魔板B31に衝突しながら水素凝集器B3a内を上昇する。
この間、水素ガス中の水蒸気が邪魔板B31に付着して結露し、水滴となって水素凝集器B3a内を流下し、下方の水回収管B32を介して冷却器B7に回収される(図2参照)。
このようにして、水素凝集器B3aにより水素ガス中から、極力、水蒸気が除去され、水素ガスの粗乾燥が行われるのである。
酸素凝集器B3bにおいても、同様に、酸素ガスの粗乾燥が行われる。
水素凝集器B3a及び酸素凝集器B3bにより粗乾燥された水素ガス及び酸素ガスは、差圧調整器B4に送られる。
差圧調整器B4では、水素ガスと酸素ガスとの圧力の比較が行われ、所定比率範囲を超えたら気圧が高い方のガスを外部へ排出する。
そして、差圧調整器B4の水素ガスと酸素ガスとは、それぞれ水素乾燥器B5aと酸素乾燥器B5bとに送られる。
水素乾燥器B5a及び酸素乾燥器B5bの内部には、乾燥剤として主に塩化カルシウムが充填されており、水素ガス及び酸素ガスは、ここで最終的な乾燥を受ける。
そして、少なくとも水素ガスは、図示しない流量計を介して流量を調整された後、水素供給管E1(図1参照)を通って炉体Cの燃焼部C1に送られる。
次に、電気分解部Bにおける水の純水化・循環系統について述べる(図2中の矢印参照)。
電気分解装置B1では、分解して水素ガスと酸素ガスを得るための水の供給が必要である。
また、電気分解装置B1では、水の電気分解を促進するために、水に水酸化カリウムが適宜加えられている。
送水管F(図1参照)を通じて水道水Wが純水製造装置B6(図2参照)に送られる。
その際、電気分解に水道水Wをそのまま使用すると、水道水W中の塩素ガスが電気分解装置B1により発生した水素ガスや酸素ガスに混入したり電気分解部Bの各機器、特に電気分解装置B1の電極を腐食させたりする。
そのため、水道水Wを上記のような純水製造装置B6等で純水化(脱塩素化)して使用することが望ましい。
ところで、純水化された水(以下、純水という)を、電気分解装置B1に直接送っても良いが、この実施の形態では、先述したように、一旦、水素分離器B2a及び酸素分離器B2bに送られて、水素ガス及び酸素ガスの冷却に使われる。
これは、電気分解装置B1による電気分解の際に熱が発生し、電気分解により生じた水素ガス等が高い温度状態になるからである。
水素分離器B2a等で水素ガス等から熱を奪い、温度が上昇した純水は、先述した水素凝集器B3a等から回収された水(この水も電気分解装置B1や水素分離器B2a等の水であるから純水である)とともに、冷却器B7に送られて冷却される。
その後、電気分解装置B1に送られて、電源B8から送電された電力により電気分解されるのである。
なお、図2に示したように、純水製造装置B6から水素分離器B2aに純水を送る際に、純水に混入した空気が純水とともに水素分離器B2a内に入り、水素ガスに混入してしまう可能性がある。
そうした場合には、水素分離器B2aへの純水の送水を止めても良い。
また、例えば、水素分離器B2aを壁面が二重になるように形成して、内壁と外壁の間に純水を送水し、内壁を介して内部の水素ガスを冷却するように形成することも可能である。
最後に、電気分解装置B1について簡単に述べる。
電気分解装置B1が、水素ガスと酸素ガスとをそれぞれ独立して回収できるものであることが望ましいことは既に述べた。
このような電気分解装置B1は、種々のタイプのものが市販されており、炉体C(図1参照)の温度を必要な温度にまで加熱できる量の水素ガスを発生し得る能力のあるものであれば、どのようなタイプのものでも使用可能である。
例えば、複数の電極板を積層するようにして形成される電気分解装置B1(図4参照)では、電極板B1aをステンレス製にして表面を鏡面状になるように磨いたり、電極板B1aの枚数を適宜調整したりすることにより、水素ガス等の発生量を増大させることができる。
この実施の形態において、こうした電極板B1aを積層するタイプの電気分解装置B1を用い、上記のような調整を行った場合、ガスの発生量を、水素ガス(濃度98.8%)では2.27m/時間以上に、酸素ガス(濃度98.6%)では1.13m/時間以上に、それぞれ向上させることができることが分かっている。
〔炉体Cの構造等〕
次に、炉体Cの構造等について述べる。
図5は、水素燃焼型温風暖房機Aの炉体Cの構造を示す概略図であり、(A)は図1の炉体Cを図1の背面から見た場合の断面図、(B)は(A)のX−X線に沿う断面図である。
この実施の形態においては、炉体Cは、略円筒形に形成されている。
炉体Cは、先述したように、主に、燃焼部C1と、円筒壁(外壁面C2、内壁面C7)と、複数(この場合は6本)の排気管C3とを備えている。
燃焼部C1は、空気Rを吸引するためのファンC11を備え、また、その空気Rに含まれる酸素を使って水素ガスを燃焼するためのバーナーC12を備えている。
ファンC11は、空気取込口C11aから空気Rを吸引し、内部のファン(図示しない)の回転により空気RをバーナーC12に送る。
バーナーC12は、炉体Cの取付管C21に嵌め込むようにして、フランジC13を介して取り付けられている。
図6は、取付管内のバーナーC12による燃焼の状態を示す模式図である。
バーナーC12は、水素ガスをバーナーC12の前方へ送るための、鍔部2を備えた水素輸送管1を有している。
また、鍔部2の後方には、空気輸送管3が鍔部2と連結した状態で形成され、水素輸送管1の周囲を取り囲んでいる。水素輸送管1は、鍔部2を貫通した状態に設けられ、その先端部分は封鎖されている。
因みに、水素輸送管1の後端部分は、図5に示した水素供給管E1と連結されている。
水素輸送管1の鍔部2から突出した部分の側面には、細穴である噴射穴4が複数設けられており、水素輸送管1内を通ってきた水素ガスがこの噴射穴4から放射状に噴射される。
また鍔部2には、空気Rを螺旋状に噴出させるために、ひさし部が設けられた切欠部5が複数形成されている。
このように形成されたバーナーC12に水素ガスを送って点火すると、噴射穴4から噴射された水素ガスは、空気輸送管3内を通って輸送され切欠部5から噴出された空気Rに含まれる酸素によって燃焼され、同時に空気Rが加熱される。
そして、高温状態の燃焼空気Sとなって、炉体Cの取付管C21内を渦を巻くようにして前方に移動する。
このように渦を巻くように前進させると、燃焼空気Sが取付管C21を通り抜けて炉体C本体に入った際に、炉体Cの内部で一気に拡散してしまうのを防止できるため好ましいのであるが、この点については後述する。
バーナーC12には、酸素供給管E2が連結され、酸素供給管E2からも酸素が供給される。バーナーC12と酸素供給管E2との連結部付近には電磁弁E6(図5(A)参照)が配設され、酸素ガスのバーナーC12への流入量を制御している。
ここで、図1に示した酸素供給管E2を燃焼部C1や取付管C21に連結することで、電気分解部Bで電気分解により発生した酸素ガスを供給することができ、電気分解部Bで発生した水素ガス及び酸素ガスを有効に活用することができる。
図7は、バーナーの他の実施形態を示す模式図である。
バーナーC12は、水素ガスをバーナーC12の前方へ送るための、鍔部2を備えた水素輸送管1を有している。
また、鍔部2の後方には、空気輸送管3が鍔部2と連結した状態で形成され、水素輸送管1の周囲を取り囲んでいる。
水素輸送管1は、鍔部2を貫通した状態に設けられ、その先端部分は封鎖されている
因みに、水素輸送管1の後端部分は、図5に示した水素供給管E1と連結されている。
水素輸送管1の鍔部2から突出した部分の側面には、噴射穴4が複数設けられており、水素輸送管1内を通ってきた水素ガスがこの噴射穴4から放射状に噴射される。
水素輸送管1の内側には、酸素供給管E2(図1参照)から酸素ガスが供給されてくる酸素輸送管6が設けられている。
この酸素輸送管6は、水素輸送管1の先端部分を突き抜けており、酸素輸送管6の先端から酸素ガスが供給される。
鍔部2には、空気Rを螺旋状に噴出させるために、ひさし部が設けられた切欠部5が複数形成されている。この切欠部5は、噴射穴4と同数設けられ、混合される水素ガスと空気Rとの周方向における均一化が図られている。
このように形成されたバーナーC12に水素ガスを送って点火すると、噴射穴4から噴射された水素ガスは、切欠部5から噴出された空気Rに含まれる酸素によって燃焼され、更に、酸素輸送管6から噴出する酸素が燃焼を増大させる。
そして、空気Rが高温に加熱される。
そして、高温状態の燃焼空気Sとなって、炉体Cの取付管C21内を渦を巻くようにして前方に移動する。
この実施形態のバーナーC12は軸対象に形成され、空気Rに対する水素ガス及び酸素ガスの混合も軸対象に行われるので、燃焼中の炎の形状を周方向に均一にすることが可能であり、また、炎の位置を一箇所で安定させることができる。
なお、酸素輸送管6の先端を閉蓋し、水素輸送管1と同様に、その外周壁に周方向に等間隔で酸素ガス噴出口を形成するようにしても良い。このようにすれば、水素ガスと空気Rとの混合ガスに対し確実に均等に酸素を追加することができる。
さて、燃焼部C1での水素ガスの燃焼により加熱された燃焼空気Sは、炉体Cの内部を上昇する(図5(A)参照)。
その際、燃焼空気Sが取付管C21から炉体C内に入った後、そのまま支障なく炉体C内を上昇して上方の排気管C3から吹き出されるのでは、炉体Cの外壁面C2を十分に高温に且つ均等に加熱することができない。
そして、結果的に、加熱室D(図1参照)で取り入れた外気Pを効率良く加熱することができない。
そのため、炉体Cには、炉体C内部での燃焼空気Sの滞留時間を十分に長くするために、図5(A)に示したように、その内部に螺旋状に取り付けた案内板C4が備えられている。
具体的には、例えば、螺旋状になるように、案内板C4を炉体Cの内壁面C7に溶接等により取り付ける。
このように形成すると、この案内板C4により、燃焼部C1のバーナーC12による水素ガスの燃焼で加熱された燃焼空気Sを、炉体Cの内壁面C7に沿う状態で螺旋状に移動するように案内することができる。
そのため、高温の燃焼空気Sの炉体C内での滞留時間が長くなるとともに、炉体Cの外壁面C2が均等に加熱され、その周囲を流れる外気Pを効率良く加熱することができるのである。
また、その際、水素ガスの燃焼により生じるバーナーC12の火炎の噴出方向(燃焼空気Sの噴射方向や取付管C21の軸線方向と同じ)が、炉体Cの断面円形状の内壁面C7の接線方向を向くように、バーナーC12や取付管C21が取り付けられていると好ましい(図5(B)参照)。
このように取り付けると、取付管C21から炉体C内に入った燃焼空気Sが、非常にスムーズに螺旋状に移動する状態に移行できるからである。
また、先述したように、バーナーC12等の構造を工夫して、取付管C21内で燃焼空気Sが渦を巻くように前進するようにしておけば、燃焼空気Sが取付管C21の開口部C22から炉体C内に拡散するのを防止し、燃焼空気Sを炉体C内で直進するようにすることができる。
そして、取付管C21が上記のように炉体Cの内壁面C7の接線方向を向くように取り付けられていれば、燃焼空気Sがよりスムーズに螺旋状に移動する状態に移行させることができ、炉体Cの内壁面C7がより均等に効率良く加熱されるのである。
なお、水素燃焼型温風暖房機Aの稼動を停止すると、水素供給管E1内に溜まっている水素ガスが、バーナーC12の水素輸送管1を通って炉体C内に溜まる場合がある。
その状態で、水素燃焼型温風暖房機Aを稼動するためにバーナーC12を点火すると、炉体C内に溜まった水素ガスが爆発する可能性がある。
そうした事態を防止するため、炉体Cの上部に、溜まった水素ガスを抜くための弁C5を設け(図5(A)参照)、その管部を加熱室Dの外側で大気に開放するようにすることが好ましい(図1参照)。
その際、水素燃焼型温風暖房機Aの停止に合わせて自動的に弁C5が開くように制御し、稼動時に閉じるようにすれば、簡単で且つ安全であるためより好ましい。
また、炉体Cの下方に、水抜き用の窓部C6が形成されていれば、好ましい(図5(A)参照)。
先述したように、燃焼空気Sは、水素ガスの燃焼により生じた水蒸気を含むので、水素燃焼型温風暖房機Aを停止した際に炉体Cが冷えると、水蒸気が炉体Cの内部で結露する場合がある。
炉体Cの内部や案内板C4に水滴が付着していると、水素燃焼型温風暖房機Aの稼動開始時に、燃焼空気Sの熱を水が吸収してしまうため、炉体Cの加熱効率が低下してしまう可能性がある。
炉体Cの下方に水抜き用の窓部C6を設けると、そうした余分な水を抜くことができる。
また、窓部C6を介して空気が出入りできるため、炉体C内の圧力調整を自動的に行うことが可能となるという効果もある。
なお、図5(A)において、水抜き用の窓部C6は筒状に開口された状態に示したが、必要に応じて開閉窓を備えることも当然可能である(後述する図8(A)参照)。
因みに、この実施の形態では、図5(A)に示したように、水素供給管E1と炉体Cの燃焼部C1との連結部付近に電磁弁E5が配設され、水素ガスの燃焼部C1への流入を制御している。
また、酸素供給管E2には、炉体Cの取付管C21との連結部付近に電磁弁E6が配設され、水素ガスの燃焼部C1への流入を制御している。
本発明者らの実験では、この電磁弁E5,E6として、例えば、プロパンガス用の電磁弁を用いた場合、この電磁弁から水素ガスが漏出するケースがあった。
これは、水素分子がプロパン分子より小さい等の原因によると考えられ、電磁弁E5には、より高い気密性が求められることが分かった。
〔加熱室Dの構造等〕
加熱室D(図1参照)の機能については、上記の水素燃焼型温風暖房機Aの温風発生機構で述べた通りである。
また、炉体Cの排気管C3が、図1に示したように、加熱室D内に開口するように形成されていれば、吸込口D1から取り入れた外気Pの加熱効率を高めることができるため、好ましいことも述べた。
さて、外気Pの加熱効率を更に高めるためには、加熱室D内に取り入れた外気Pと上記のように加熱された炉体Cとの接触時間を長くする等の工夫が必要である。
そのために、この実施の形態においては、加熱室Dに、取り入れた外気Pが炉体Cの周囲を旋回する状態になるように吸込口D1が取り付けられている。
図8は、取り入れた外気Pが炉体Cの周囲を旋回する状態になるように形成された加熱室Dと炉体Cを示す図であり、(A)は加熱室Dのみ断面とした正面図、(B)は(A)のY−Y線に沿う断面図である。
この実施の形態では、加熱室Dは、主に、円筒状の側壁D3、上壁D4、及び底壁D5よりなる。
加熱室Dは、架台Gの上部に固定されている。
また、加熱室Dの内部には、炉体Cが配置され、取付管C21及び酸素供給管E2が側壁D3を貫通し、弁C5が上壁D4を貫通し、更に窓部C6が底壁D5を貫通する状態に設置されている。
炉体Cの各部が加熱室Dの各壁を貫通している部分は、適宜溶接されたりシーリングが施されたりして、気密が保たれている。
なお、図8(A)及び図8(B)では、フランジC13を介して取付管C21に取り付けられるべき燃焼部C1を便宜上省略した。
この実施の形態では、炉体Cに対して取付管C21が接線方向に取り付けられるのと同様に、吸込口D1が、加熱室Dの円筒状の側壁D3の上部に同時に接線方向に取り付けられている。
このように吸込口D1を取り付けることにより、吸込口D1から取り入れた外気Pが、炉体Cの周囲を旋回しながら加熱された炉体Cの熱を十分に吸収することができる。
またその際、炉体Cの排気管C3が加熱室D内に開口するように形成されていれば、外気Pが炉体Cの熱を吸収すると同時に、排気管C3から吹き出される高温でクリーンな燃焼空気Sが外気Pに混合し合うため、外気Pの加熱効率が向上するのである。
このようにして十分に加熱された外気P、即ち温風Qが、加熱室Dの側壁D3の下方に設けられた温風吹出口D2から外部に排出されるのである。
本発明者らの実験では、電気分解部Bの電気分解装置B1での水素ガスの発生量を2.27m/時間(濃度98.8%)にまで高め、炉体Cの燃焼部C1では電気分解部Bで発生した酸素ガスを用いずに空気Rのみで水素ガスを燃焼するように形成しても、加熱室Dの温風吹出口D2で、少なくとも70℃〜130℃の温風Qを発生させることができることが分かっている。
この実施の形態では、図1に示したように、吸込口D1に外気Pを取り入れるためのブロワーD6が取り付けられている。
外気Pは、加熱室Dの外部からブロワーD6により加熱室D内に送り込まれ、加熱室D内で炉体Cの周囲を旋回するための駆動力を与えられる。
このブロワーD6は、いわゆるファン式のものでもブロー式のものでも良く、また、温風吹出口D2に取り付けたり、或いは吸込口D1と温風吹出口D2の双方に取り付けることも可能である。
上記の温風Qの温度は、基本的には、炉体Cの燃焼部C1での水素ガスの燃焼温度で調整するが、更に、このブロワーD6の風量を調整したり、電気分解部Bで発生した酸素ガス(濃度はほぼ100%)を水素ガスの燃焼に用いる場合の流量を変えたり、或いは炉体Cの排気管C3を加熱室Dの外部に吹き出すように形成したりすること等により、上記の温度範囲より更に高くし、或いは更に低くなるように調整することも可能である。
また、図8(A)に示した加熱室Dの側壁D3上部や上壁D4の内面及び外面、又はその両面を、断熱材を付設する等の手段を講じ、加熱室Dの上方から熱が逃げないようにすることも可能であり、更に加熱効率を向上させることができる。
なお、図1に示したように、温風吹出口D2にはビニールパイプやダクト等(以下まとめて通気管Hという)が取り付けられて、温風吹出口D2から吹き出された温風Qは、この通気管Hを通して温室(ハウス)内や室内等に供給される。
先述したように、炉体Cの排気管C3から吹き出される燃焼空気Sには水蒸気が含まれるので、温風吹出口D2やその通気管Hに除湿手段を設けることも可能である。
次に、図9を用いて、水素燃焼型温風暖房機Aの処理の流れについて説明する。
先ず、電源B8をオンにし各種電気系統に電気を流す。
また、ブロワーD6,E3,E4を起動する。
次いで、ステップS1において、送水管Fに水道水Wを流し、純水製造装置B6、分離器B2、及び冷却器B7を介して電気分解装置B1に純水を供給する。
次いで、ステップS2において、電気分解装置B1により純水を水素ガスと酸素ガスに分解し、ステップS3及びステップS4に進む。
ステップS3では、電気分解装置B1で発生した水素ガスが水素分離器B2aに供給され、水素ガスが冷却される。
一方、ステップS4では、電気分解装置B1で発生した酸素ガスが酸素分離器B2bに供給され、酸素ガスが冷却される。
ステップS5では、水素分離器B2aから供給される水素ガスの中に含まれる水蒸気が水素凝集器B3aにより除去される。
一方、ステップS6では、酸素分離器B2bから供給される酸素ガスの中に含まれる水蒸気が酸素凝集器B3bにより除去される。
ステップS7では、水素凝縮器B3a及び酸素凝縮器B3bからの水素ガスと酸素ガスとの圧力の比較が行われる。
この圧力差が所定比率範囲を超えると、圧力が高い側のガスが外部へ排出される。
ステップS8では、差圧調整器B4を経てきた水素ガスが水素乾燥器B5aに流入し、水素ガスは最終的な乾燥を受ける。
一方、ステップS9では、差圧調整器B4を経てきた酸素ガスが酸素乾燥器B5bに流入し、酸素ガスは最終的な乾燥を受ける。
ステップS10では、水素乾燥器B5aから水素供給管E1を介して、電磁弁E5に水素ガスが流入し、流量が調整される。
一方、ステップS11では、酸素乾燥器B5bから酸素供給管E2を介して、電磁弁E6に酸素ガスが流入し、流量が調整される。
ステップS12では、水素供給管E1からの水素ガスと、酸素供給管E2からの酸素ガスと、ファンC11から吸引された空気Rとが燃焼部C1に流入される。
次いで、ステップS13において、燃焼部C1で燃焼した反応ガスが炉体Cを加熱する。
次いで、ステップS14において、炉体Cの排気管C3から排出された反応ガスと、ブロワーD6から吸引された外気Pとが加熱室D内で混合する。
また、この混合したガスは炉体Cの外壁面C2と接触し、炉体Cから熱が伝達される。
最後に、ステップS15において、反応ガスと外気Pとの混合ガスが、通気管Hから温風として排出される。
以上、本発明を説明してきたが、本発明は実施形態にのみ限定されるものではなく、その本質を逸脱しない範囲で、他の種々の変形例が可能であることは言うまでもない。
例えば、必要な量の水素ガスの発生量が得られるならば、電気分解装置B1に代えて、例えば、炭化水素等から水素ガスを取り出す装置等を用いることも可能である。
また、上記の実施の形態では、炉体Cがいわゆる縦型、即ち炉体C内での燃焼空気Sが概して縦方向に(下から上に)流れるものである場合について説明したが、本発明は、いわゆる横型のものも当然含まれる。
更に、例えば、炉体C内に本発明と同様に螺旋状の案内板C4を形成し、燃焼空気Sが炉体Cの内部を上方から下方に向けて流れるように案内するように形成しても、本発明と同様の効果が得られる。
また、温風吹出口D2の加熱室Dへの取付位置は、図8(A)及び図8(B)に示した取付位置に限定されず、例えば、吸込口D1と同様に、加熱室Dの円筒状の側壁D3にその接線方向に取り付ける等、適宜選ばれる。
更に、同図に示した吸込口D1と温風吹出口D2の上下の位置関係を逆に形成して、外気Pを加熱室Dの下側から取り入れて上方から温風Qを排出するようにすることも当然可能である。
また、図1及び図8においては、炉体Cの燃焼部C1(図8では省略)を加熱室Dの側壁D3の外側に取り付け、加熱室Dの外部の空気Rを吸引する状態に図示されているが、加熱室Dの内部から外気Pを吸引するように形成することも当然可能である。
最後に、上記の説明においても述べたが、本発明の水素燃焼型温風暖房機は、その機能上、温室の暖房用のみならず、一般家庭やオフィス等の暖房用にも使用可能である。
図1は、本発明の水素燃焼型温風発生方法に係る水素燃焼型温風暖房機を示す説明図である。 図2は、図1の水素燃焼型温風暖房機の電気分解部の構造を示す説明図である。 図3は、図2の水素凝集器の内部構造を示す説明図である。 図4は、図1の電気分解装置を斜視的に示す説明図である。 図5は、図1の炉体の構造を示す説明図であり、(A)は炉体を裏側から見た場合の断面図であり、(B)は(A)のX−X線に沿う断面図である。 図6は、図5の取付管内のバーナーによる燃焼の状態を示す説明図である。 図7は、バーナーの他の実施形態を示す説明図である。 図8は、取り入れた外気が炉体の周囲を旋回する状態になるように形成された加熱室と炉体を示す説明図であり、(A)は加熱室のみ断面とした正面図、(B)は(A)のY−Y線に沿う断面図である。 図9は、図1の水素燃焼型温風暖房機の処理の流れを示す説明図である。
符号の説明
A…水素燃焼型温風暖房機
B…電気分解部
B1…電気分解装置
B1a…電極板
B2…分離器
B2a…水素分離器
B2b…酸素分離器
B3…凝集器
B3a…水素凝集器
B3b…酸素凝集器
B31…邪魔板
B32…水回収管
B4…差圧調整器
B5…乾燥器
B5a…水素乾燥器
B5b…酸素乾燥器
B6…純水製造装置
B7…冷却器
B8…電源
C…炉体
C1…燃焼部
C11…ファン
C11a…空気取込口
C12…バーナー
C13…フランジ
C2…外壁面
C21…取付管
C22…開口部
C3…排気管
C4…案内板
C5…弁
C6…窓部
C7…内壁面
D…加熱室
D1…吸込口
D2…温風吹出口
D3…側壁
D4…上壁
D5…底壁
D6…ブロワー
E1…水素供給管
E2…酸素供給管
E3…ブロワー
E4…ブロワー
E5…電磁弁
E6…電磁弁
F…送水管
G…架台
H…通気管
P…外気
Q…温風
R…空気
S…燃焼空気
W…水道水
1…水素輸送管
2…鍔部
3…空気輸送管
4…噴射穴
5…切欠部
6…酸素輸送管

Claims (13)

  1. 水を水素ガスと酸素ガスとに電気分解する電気分解工程と、
    この電気分解工程で発生した水素ガスを前記酸素ガスと混合させた状態で燃焼させて炉体内の温度を上昇させる燃焼工程と、
    前記炉体の周囲を取り囲むように設けられた加熱室に外気を取り入れ、この外気を前記水素ガスの燃焼により加熱された前記炉体の外壁面に接触させ前記外気を昇温させる外気昇温工程と、
    この外気昇温工程で昇温された外気を前記加熱室外へ排出する温風排出工程と、
    を有することを特徴とする水素燃焼型温風発生方法。
  2. 請求項1に記載の水素燃焼型温風発生方法において、
    前記電気分解工程により発生した前記水素ガスと前記酸素ガスとを分離して回収する分離回収工程を有することを特徴とする水素燃焼型温風発生方法。
  3. 請求項2に記載の水素燃焼型温風発生方法において、
    前記分離回収工程で回収された前記水素ガスと前記酸素ガスとをそれぞれ乾燥させる乾燥工程を有することを特徴とする水素燃焼型温風発生方法。
  4. 請求項1に記載の水素燃焼型温風発生方法において、
    前記燃焼工程は、バーナーを用いて行うことを特徴とする水素燃焼型温風発生方法。
  5. 請求項1に記載の水素燃焼型温風発生方法において、
    前記炉体内には、前記燃焼工程で発生した反応ガスを導くために螺旋状に案内板が設けられ、前記案内板上を流れる前記反応ガスと、前記加熱室内に取り入れられた外気と、の熱交換が効率的に行われる熱交換工程を有することを特徴とする水素燃焼型温風発生方法。
  6. 請求項1に記載の水素燃焼型温風発生方法において、
    前記水素ガスの燃焼により発生した反応ガスは、前記炉体内を流通した後、前記加熱室内に排出されることを特徴とする水素燃焼型温風発生方法。
  7. 請求項1に記載の水素燃焼型温風発生方法において、
    前記燃焼工程で未反応の水素ガスを前記炉体内から弁を介して抜くガス抜き工程を有することを特徴とする水素燃焼型温風発生方法。
  8. 請求項1に記載の水素燃焼型温風発生方法において、
    前記燃焼工程で発生した水分を前記炉体内から抜く水抜き工程を有することを特徴とする水素燃焼型温風発生方法。
  9. 空気輸送管と、
    この空気輸送管の先端の開口部を覆うように設けられ空気通過用の切欠部が形成された鍔部と、
    前記空気輸送管内に設けられ前記鍔部を貫通して前記鍔部から突出した水素輸送管と、
    この水素輸送管の先端よりも前方に酸素を供給するように配置された酸素輸送管と、
    を有することを特徴とする水素燃焼型温風発生方法に用いるバーナー。
  10. 空気輸送管と、
    この空気輸送管の先端の開口部を覆うように設けられ空気通過用の切欠部が形成された鍔部と、
    前記空気輸送管内に設けられ前記鍔部を貫通して前記鍔部から突出した水素輸送管と、
    前記水素輸送管内に設けられ前記水素輸送管の先端から突出した酸素輸送管と、を有することを特徴とする水素燃焼型温風発生方法に用いるバーナー。
  11. 請求項9又は請求項10に記載の水素燃焼型温風発生方法に用いるバーナーにおいて、
    前記鍔部より突出した前記水素輸送管の突出部分の外周壁に周方向に沿って複数の細穴が形成されたことを特徴とする水素燃焼型温風発生方法に用いるバーナー。
  12. 請求項11に記載の水素燃焼型温風発生方法に用いるバーナーにおいて、
    前記水素輸送管の先端側に形成された前記複数の細穴は周方向に均等の間隔で設けられ、
    前記鍔部に形成された前記切欠部も前記細穴と同数だけ周方向に均等に設けられていることを特徴とする水素燃焼型温風発生方法に用いるバーナー。
  13. 請求項11に記載の水素燃焼型温風発生方法に用いるバーナーにおいて、
    前記酸素輸送管の先端は閉蓋されており、その近傍の前記酸素輸送管の外周壁に周方向に等間隔で複数の酸素ガス噴出口が形成されていることを特徴とする水素燃焼型温風発生方法に用いるバーナー。
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