JP2005016610A - 逆止弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価に小型化することができるとともに、比較的小さな圧力にて弁体の開閉動作を行わせることができる逆止弁を提供する。
【解決手段】流体の流路中に配設され、当該流路における順方向aへの流体の流れを許容しつつ、それと逆方向bへの流体の流れを規制する逆止弁において、一端が流路の側壁に固定されて流路に対して開口しつつ、他端が順方向へ延びる如く袋状に形成された弁体1と、該弁体1の他端に形成された弁本体2と、弁体1の他端側であって弁本体2と向かい合う位置に形成され、流路中の流体を通過させ得るスリット3とを備え、無圧時および逆圧時に前記通過部より上流の前記弁本体と前記弁体が接触閉塞し、前記通過部流体と上流側流体が連通することない構造を備え、流体シール部が前記通過部より上流に形成されたものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体の流路中に配設され、当該流路における順方向への流体の流れを許容しつつ、それと逆方向への流体の流れを規制する逆止弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
流路中を流れる液体又は気体などの流体を、当該流路における順方向への流れを許容しつつ、それと逆方向への流れを規制する逆止弁は、従来より種々の装置及び機材等における流路(チューブや管路など)に汎用的に用いられている。かかる逆止弁は、大きく区分すると、ボール弁、傘弁又は板弁など弁体が金属から成るもの(金属弁)と、ポペット弁、アンブレラ弁、ダックビル弁又は自転車の所謂虫ゴムの如きチューブ弁などとにおおよそ分けることができる。
【0003】
上記した逆止弁のほとんどが、流路に対して垂直方向に弁体が移動し、流体が逆方向へ流れようとする際に当該流路を閉塞する構造であるため、流路の直径方向にある程度の大きさを必要とし、例えばインスリンなど液体状の薬剤を流通させる細径のチューブに適用するには不向きであった。具体的には、ボール弁における弁体であるボールや傘弁における弁体である傘状部材の直径を流路の直径と略同一としなければならず、細径の流路に適用すべく小型化するには、高精度の微細加工が必要となってしまい、製造コストが増大して高価な逆止弁となってしまうのである。
【0004】
これに対し、図8及び図9に示した如きダックビル弁は、流路Pの上流側に開口しつつ下流側に向かって勾配して受圧部102を成し、先端にスリット101を形成して構成されたものであり、流路102を順方向aに流れようとする流体の圧力が受圧部102の内周面に付与されることによりスリット101が開口し、流体を流通させるとともに、逆方向bに流れようとする流体の圧力が受圧部102の外周面に付与されることによりスリット101が閉口し、当該逆方向bへ流体が流れるのを規制する。
【0005】
かかる構成によれば、弁体の開閉動作は、流体が流れる方向aに対して直交する方向で行われるので、小型化を可能とし、細径のチューブに良好に適用することができるとともに、樹脂を同図の如き成形した後、切削加工にてスリットを形成すれば製造できるため、弁体の微細加工をあまり必要とせず、低コストにて逆止弁を得ることができるのである。
【0006】
更に、図10及び図11に示した如き所謂虫ゴムとよばれるチューブ弁は、流路中に固定された弁本体106に流体が通過し得る通過孔103を形成するとともに、当該通過孔103を外側から覆って閉塞する弁体104を設けて構成されている。弁体104は、通過孔103を塞いだ状態となる形状に成形された可撓性部材から成り、流体が順方向aに流れようとすると、その圧力で外側に撓んで通過孔103を開状態(図10参照)として流体を通過させるとともに、かかる順方向aへの圧力が低い場合には、弾力によって元の形状(図11参照)に戻り、通過孔103を閉塞し得るよう構成されている。
【0007】
かかる構成により、流体の順方向aへの流れを許容しつつ逆方向への流れを規制することができるとともに、ダックビル弁と同様、弁体104の開閉動作が流体の流れる順方向a及び逆方向bに対して略直交する方向で行われるので、小型化するのが容易であり、細径のチューブに良好に適用することができる
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の逆止弁においては、低コストにて小型化可能とされるものの、以下の如き問題があった。
ダックビル弁においては、弁体の閉塞時(即ち、流体が反対方向bに流れようとする際)に、スリット101を完全に閉塞するための作用が、材質であるエラストマーの弾力に専ら依存しているため、長期間の使用によりエラストマーが劣化して弾力が低下した場合、閉塞作用が不十分となってしまい、逆止弁としての寿命が短くなってしまうという問題があった。尚、ダックビル弁を細径チューブに適用すべく小型化した場合、弁体を所定の圧力で高精度に開閉させるには、先端のスリットを切削加工して形成する際に寸法誤差を極めて小さくする必要があり、結局微細加工が必要となって高コスト化してしまう虞もあった。
【0009】
また、チューブ弁においても、弁体104の弾力によって通過孔103を閉塞し得る構成であるため、長期間の使用により弁体が劣化して弾力が低下した場合、ダックビル弁と同様、閉塞作用が不十分となってしまい、逆止弁としての寿命が短くなってしまうという問題があった。
【0010】
更に、チューブ弁においては、弁体104を開動作させる(弁体104を撓ませる)には当該弁体104に対して流路と直交する方向に圧力を付与しなければならず、流体を流通させるのに比較的大きな圧力を付与する必要があった。従って、比較的低圧にて流体を流通させる流路においては、適用するのが困難であるという問題もあった。
【0011】
また更に、通過孔103が流路に対して略直交する方向に形成されているので、気体の如き圧縮性であって粘性の低い流体を流通させるものにおいては、バルブ開度が小さくてすみ、ほとんど問題なく通過させることができるものの、インスリンなどの液体状の薬剤を流通させるチューブに適用した場合には、通過孔103通過時の抵抗が大きくなってしまうという問題もあった。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、安価に小型化することができるとともに、比較的小さな圧力にて弁体の開閉動作を行わせることができる逆止弁を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、流体の流路中に配設され、当該流路における順方向への流体の流れを許容しつつ、それと逆方向への流体の流れを規制する逆止弁において、一端が前記流路の側壁に固定されて前記流路に対して開口しつつ、他端が前記順方向へ延びる如く袋状に形成された弁体と、該弁体の他端に形成された弁本体と、前記弁体の他端側であって前記弁本体と向かい合う位置に形成され、前記流路中の流体を通過させ得る通過部とを備え、無圧時および逆圧時に前記通過部より上流の前記弁本体と前記弁体が接触閉塞し、前記通過部の流体と上流側流体が連通することない構造とされ、流体シール部が前記通過部より上流にあることを特徴とする。
【0014】
かかる構成によれば、流路中において流体が順方向に流れようとすると、弁体が成す袋状が膨らむ如く変形し、弁体が弁本体から離間するので、通過部が開状態とされて流体の流通を許容する一方、流体が逆方向に流れようとすると、弁体が成す袋状が萎む如く変形し、弁体が弁本体に密着するので、通過部が閉塞されて流体の流通を規制する。
【0015】
請求項2記載の発明は、前記弁本体が、前記弁体の他端に固定され、前記流路の逆方向側に延びて配設された棒状部材であることを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明は、前記弁本体は、剛体又は硬質プラスチックから成るものであることを特徴とする。
【0017】
請求項4記載の発明は、前記弁体が、軟質エラストマーから成るとともに、前記通過部が前記弁体の他端側を切除して設けられたスリットであることを特徴とする。
【0018】
請求項5記載の発明は、前記流体が、液体状の薬剤から成るとともに、前記流路が当該薬剤を流す細径チューブから成ることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る逆止弁は、患者に投与すべきインスリン(液体状の薬剤)をマイクロポンプなどで圧送して流通させる細径の可撓性チューブの途中において配設され、順方向(患者へ向かう側)の流れを許容するとともに、それとは逆方向(インスリンの供給源へ向かう側)の流れを規制するものである。
【0020】
かかる逆止弁は、図1に示すように、弁体1と、弁本体2と、通過部としてのスリット3とから主に構成されたものであり、流路としての可撓性チューブ4内に配設されて、順方向aの流れを許容しつつ逆方向bの流れを規制し、当該可撓性チューブ4内を流れる薬剤(インスリン)の逆流を防止し得るよう構成されている。尚、同図II−II線断面図を図2に示してある。
【0021】
弁体1は、軟質エラストマーを図示の如く袋状に成形して成るものであり、一端(同図における左端)が開口1aを有するとともに、該開口1aの周縁部にフランジ1bが形成されている。フランジ1bは、可撓性チューブ4の外径よりも若干大きく形成されつつ切り込みが形成されており、当該可撓性チューブ4の側壁に係止可能とされている。これにより、弁体1の一端は、流路の側壁に固定され、可撓性チューブ4における所定位置に配設されることとなる。
【0022】
また、弁体1は、一端側から他端(同図における右端)側に亘って内径が順次小さくなる如く形成され、当該他端で閉塞して液密な袋状を成しているとともに、その袋状の内周面において、薬剤の順方向aの流れによる圧力を受け得るとともに、外周面において、薬剤の逆方向bの流れによる圧力を受け得るよう構成されている。
【0023】
即ち、可撓性チューブ4内を薬剤が順方向aに流れようとする際には、当該薬剤は弁体1が成す袋状内へ入り込み、その内周面に対して圧力(液圧)を及ぼすとともに、薬剤が逆方向bに流れようとする際には、当該薬剤は弁体1が成す袋状の外側に当り、その外周面に対して圧力(液圧)を及ぼすのである。ここで、弁体1は変形自在なエラストマーから成るので、内周面に圧力が付与されると、弁体1は膨らむ如く変形する一方、外周面に圧力が付与されると、弁体1は萎む如く変形する。この時、通過部上流側の弁本体と弁体により、液シールがなされる。このため、通過部を変形させる圧力は加わらない(図4参照)。図10及び図11の従来構造では、通路下流側でシールするために、塞止状態(図11)では、開口部(通路部)の上のエラストマーは圧力差による剪断様の変形を受ける。
【0024】
更に、弁体1の他端における内面にはスチールなどの剛体から成る弁本体2が固着されている。この弁本体2は、略円筒状に形成されて棒状部材を成しており、弁体1の他端に固着される一方、流路の逆方向b側に延びて配設されている。そして、図2に示すように、弁体1が変形しない状態において、当該弁体1の内周面と弁本体2の側面とが所定寸法離間するよう、その外径が設定されている。尚、弁体1に対する弁本体2の固着は、これら弁体1及び弁本体2を別個に製造しておき、接着剤などによって固着する方法の他、製造時に一体的に形成する方法としてもよい。
【0025】
スリット3は、弁体1の他端側であって弁本体2と向かい合う位置に形成され、可撓性チューブ4中の薬剤を通過させ得るよう構成されたものである。このスリット3は、カッターなどによって弁体1の側壁における対称的な位置4箇所を切除し設けられたものであり、当該弁体1の長手方向(同図における左右方向)に延設されている。尚、かかるスリット3の形成すべき数及び向きは、上記のものに限定されず、種々の形態(例えば、単一のスリットとしたり、弁体1の幅方向にスリットを延設したりしてもよい)としてもよい。
【0026】
次に、上記構成の逆止弁における作用について説明する。
まず、可撓性チューブ4内において、薬剤が順方向aに流れようとすると、袋状を成した弁体1の開口1aから内部に液体が送られ、その液圧が弁体1の内周面に及ぼされる。即ち、弁体1の内周面が受圧して、弁体1全体が膨らむ如く変形し、図3で示したような形状とされる。尚、弁体1が膨らむ如く変形することにより、弁本体2は逆方向bに微少量移動することとなる。
【0027】
かかる状態においては、弁本体2と弁体1との離間寸法が更に広げられると共に、弁体1の膨らみによってスリット3が大きく開口することとなる。このスリット3の開口を薬剤がスムーズに通過することとなるので、薬剤の順方向aへの流通を許容し得るのである。また、スリット3による開口が、薬剤の流通方向を向く(厳密には流通方向から若干上向き)ので、上下方向に通過させるものに比べ、流動抵抗を小さくすることができ、順方向aへの薬剤の流通をよりスムーズに行わせることができる。
【0028】
ここで、弁体1の内周面が受ける液圧が大きい程、当該弁体1の膨らみ方向の変形が大きくなり、スリット3による開口をより大きくさせることができるとともに、液圧が小さくても、弁本体2の外周面と弁体1の内周面とが所定寸法離間しているので、スリット3が僅かに開口しさえすれば、薬剤を通過させることができ、液圧に応じた薬剤の通過量を確保することができる。
【0029】
一方、可撓性チューブ4内において、薬剤が逆方向bに流れようとすると、袋状を成した弁体1の外側から薬剤が送られ、その液圧が弁体1の外周面に及ぼされる。即ち、弁体1の外周面が受圧して、弁体1全体が萎む如く変形し、図4で示したような形状とされる。尚、弁体1が萎む如く変形することにより、弁本体2は順方向aに微少量移動することとなる。このことにより、張力が軽減し、低い圧力でシール可能となる。
【0030】
かかる状態においては、弁本体2の外周面に弁体1の他端側内周面が密着すると共に、弁体1の萎みによってスリット3が硬く閉口することとなる。これにより、流路を確実に閉塞し、薬剤の逆方向bへの流通を規制し得るのである。即ち、逆止弁の受圧部が弁体1の内周面であるか外周面であるかによって、当該弁体1を膨らませる方向に変形させるか、或いは萎ませる方向に変形させるかが決定され、薬剤の通過を許容又は規制することにより、逆流を防止し得るのである。
【0031】
このように、本実施形態によれば、弁体1の変形によって弁体1内周面を弁本体2に対して密着又は離間させ、順方向aの流れを許容しつつ逆方向bの流れを規制するので、弁体1の弾力は、直接スリット3の開閉に関与しない。従って、長期間使用することにより弁体1の弾力が劣化したとしても、弁体1の弁本体2に対する密着性は保たれ、薬剤が逆方向bへ流れようとした際に確実に流路を閉塞することができる。
【0032】
また、スリット3の開閉方向が、薬剤の流通方向に対して略直交しているので、小型化を容易とすることができる。即ち、逆止弁全体の大きさは、ほとんど弁本体2の外径に依存するので、当該弁本体2を細長形状のものとすれば、小型化を図ることができるのである。更に、スリット3の開閉時において、弁本体2が薬剤の流通方向に移動するので、逆止弁全体として流路の径方向に対する寸法を小さくすることができ、小型化に寄与している。
【0033】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図5に示すように、弁体1の突端部(即ち、同図中右端部)から2本の紐5を延設させ、これら紐5の先端を可撓性チューブ4の内壁に固着させるようにするのが好ましい。かかる紐5は、逆止弁として機能する通常状態では作用せず、弁体1が同図左側へ所定寸法より大きく変位しようとした場合、当該弁体1と可撓性チューブ4との連結作用を及ぼすものである。
【0034】
また、同図に示すように、弁体1の内周壁に壁部6を設けるようにしてもよい。かかる壁部6は、上記紐5と同様、逆止弁として機能する通常状態では弁本体2の端部と当接せず、弁体1が同図左側へ所定寸法より大きく変位しようとした場合、当該弁体1の変位を規制するものである。
【0035】
上記のような構成によれば、可撓性チューブ4内において逆方向bに過大な圧力(逆圧)が加わった場合や長期使用による弁体1の弾性の劣化によって弁体1全体がb方向へ移動して袋状が裏返った状態となるのを回避することができる。即ち、過大な逆圧がかかった場合、紐5が弁体1の突端を支持、或いは壁部6が弁本体2と当接するため、袋状を成す弁体1が同図中左側へ移動して裏返った状態となるのを回避できるのである。
【0036】
尚、紐5は、弁体1の突端と可撓性チューブ4とを連結するものであれば足り、その材質や本数は2本に限定されず、壁部6も上記機能を果たし得るものであれば、その大きさ又は形状は限定されない。また、図5で示したものにおいては、紐5と壁部6との両者を具備しているが、過大な逆圧の付与時における弁体1の裏返り回避を図ることができれば、何れか一方を具備すればよい。
【0037】
更に、過大な逆圧の付与時における弁体1の裏返り回避を図るため、図6に示すように、変位防止手段7を可撓性チューブ4における弁体1より上流側に設けるようにしてもよい。かかる変位防止手段7は、同図に示すように、弁本体2側に延びた突起部7aと、可撓性チューブ4内の薬剤を流通させ得る流通孔7bとから構成されている。
【0038】
上記突起部7aは、逆止弁として機能する通常状態では弁本体2の端部と当接せず、弁体1が同図左側へ所定寸法より大きく変位しようとした場合、当該弁体1の変位を規制するものである。このような構成によれば、上記の他の実施形態のものと同様、可撓性チューブ4内において逆方向bに過大な圧力(逆圧)が加わった場合や長期使用による弁体1の弾性の劣化によって弁体1全体がb方向へ移動して袋状が裏返った状態となるのを回避することができる。
【0039】
尚、図6においては、弁体1と変位防止手段7とが別体構成とされているが、弁体1の開口1a側に一体成形したものとしてもよい。勿論、この場合であっても、突起部7aは、逆止弁として機能する通常状態では弁本体2の端部と当接せず、弁体1が同図左側へ所定寸法より大きく変位しようとした場合、当該弁体1の変位を規制する構成とされている。
【0040】
また更に、過大な逆圧の付与時における弁体1の裏返り回避を図るため、図7に示すように、弁本体2を有した弁体1’の突端(同図右端)において、その径方向に膨出した膨出部1’aを形成するとともに、該膨出部1’aと係止し得る係止爪4aが可撓性チューブ4に形成されたものとしてもよい。かかる係止爪4aは、逆止弁として機能する通常状態では膨出部1’aと当接せず、弁体1’が同図左側へ所定寸法より大きく変位しようとした場合、当該弁体1’の変位を規制するものである。
【0041】
このような構成によれば、上記の他の実施形態のものと同様、可撓性チューブ4内において逆方向bに過大な圧力(逆圧)が加わった場合や長期使用による弁体1の弾性の劣化によって弁体1’全体がb方向へ移動して袋状が裏返った状態となるのを回避することができる。
【0042】
ところで、液体状の薬剤を流通させる可撓性チューブに配設する他、種々の液体或いは気体など流体を流通させ得る可撓性チューブに配設してもよく、この可撓性チューブに代えて、他の材質から成る流路としてもよい。
【0043】
また、弁体は、軟質エラストマーから成るものの他、変形して弁本体と密着又は離間し得れば他の材質から成るものとしてもよい。更に、弁本体は、ガラス、金属の他、硬質プラスチックなど他の材質から成るものとしてもよく、棒状に形成されていなくても、球状或いは矩形状に形成されてもよい。但し、弁体の内周面と良好に密着し得る形状或いは材質のものが好ましい。
【0044】
また更に、弁体に形成されたスリットに代えて、丸孔或いは矩形状の孔としてもよい。但し、これら丸孔或いは矩形形状の孔であっても、弁本体2と向かい合う位置に形成され、弁体と弁本体とが密着した際に閉塞され得ることが必要である。尚、弁体を成形する際に、丸孔或いは矩形形状の孔を造り込むようにすれば、製造工程を削減し、製造コストを低減させることができる。
【0045】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、弁体の変形によって通過部の開閉を行うので、安価に小型化することができるとともに、弾力に抗して流体の流通を許容させるものに比べ、比較的小さな圧力にて弁体の開閉動作を行わせることができる。
【0046】
請求項2の発明によれば、弁本体が弁体の他端に固定され、流路の逆方向側へ延びて配設された棒状部材から成るので、通過部を大きく形成することができ、順方向への流体の流れをスムーズに行わせることができるとともに、流路の径方向への寸法を小さくすることができる。
【0047】
請求項3の発明によれば、弁本体が剛体又は硬質プラスチックから成るので、弁体との密着を良好とさせることができ、通過部の閉塞を確実に行わせることができる。
【0048】
請求項4の発明によれば、弁体が軟質エラストマーから成るとともに、通過部が弁体の他端側を切除して設けられたスリットであるので、製造が比較的容易で、構成を簡素化することができる。
【0049】
請求項5の発明によれば、液体状の薬剤から成るとともに、流路が当該薬剤を流す細径チューブから成るので、本構成に係る逆止弁の有利な点を最大限活かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る逆止弁を示す側面図
【図2】図1におけるII−II線断面図
【図3】本発明の実施形態に係る逆止弁における弁体が膨らむ如く変形した状態を示す模式図
【図4】本発明の実施形態に係る逆止弁における弁体が萎む如く変形した状態を示す模式図
【図5】本発明の他の実施形態に係る逆止弁(紐及び壁部を具備したもの)を示す断面図
【図6】本発明の他の実施形態に係る逆止弁(変位防止手段を具備したもの)を示す断面図
【図7】本発明の他の実施形態に係る逆止弁(膨出部及び係止爪を具備したもの)を示す断面図
【図8】従来の逆止弁としてのダックビル弁におけるスリットが開口した状態を示す模式図
【図9】同ダックビル弁におけるスリットが閉口した状態を示す模式図
【図10】従来の逆止弁としてのチューブ弁における通過孔の開状態を示す模式図
【図11】同チューブ弁における通過孔の閉状態を示す模式図
【符号の説明】
1、1’…弁体
2…弁本体
3…スリット(通過部)
4…可撓性チューブ(流路)
4a…係止爪
5…紐
6…壁部
7…変位防止手段
7a…突起部
7b…流通孔
a…順方向
b…逆方向

Claims (5)

  1. 流体の流路中に配設され、当該流路における順方向への流体の流れを許容しつつ、それと逆方向への流体の流れを規制する逆止弁において、
    一端が前記流路の側壁に固定されて前記流路に対して開口しつつ、他端が前記順方向へ延びる如く袋状に形成された弁体と、
    該弁体の他端に形成された弁本体と、
    前記弁体の他端側であって前記弁本体と向かい合う位置に形成され、前記流路中の流体を通過させ得る通過部と、
    を備え、無圧時および逆圧時に前記通過部より上流の前記弁本体と前記弁体が接触閉塞し、前記通過部の流体と上流側流体が連通することない構造とされ、流体シール部が前記通過部より上流にあることを特徴とする逆止弁。
  2. 前記弁本体は、前記弁体の他端に固定され、前記流路の逆方向側に延びて配設された棒状部材であることを特徴とする請求項1記載の逆止弁。
  3. 前記弁本体は、剛体又は硬質プラスチックから成るものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の逆止弁。
  4. 前記弁体は、軟質エラストマーから成るとともに、前記通過部が前記弁体の他端側を切除して設けられたスリットであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の逆止弁。
  5. 前記流体は、液体状の薬剤から成るとともに、前記流路が当該薬剤を流す細径チューブから成ることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の逆止弁。
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