JP2005016444A - 内燃機関の排気装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】触媒の暖機性の確保と同触媒の温度の過上昇の抑制との好適な両立を図ることのできる内燃機関の排気装置を提供する。
【解決手段】マフラ10には、同マフラ10に排気ガスを排出する排気管3と直結し、且つNOx吸蔵還元触媒6へと直接的に第1の管11と、同第1の管11の上流部で同第1の管11に対して分岐するようにして設けられた第2の管12とを備えている。そして、第1の管11及び第2の管12の分岐点には、第1の管11及び第2の管12のそれぞれへと流入する排気ガスの流路面積の比を調整するバルブ14が備えられている。このバルブ14は、電子制御装置により、NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の条件下にあるか否かに応じて、それぞれ図3(b)及び図3(c)に示す態様にて制御される。
【選択図】 図3
【解決手段】マフラ10には、同マフラ10に排気ガスを排出する排気管3と直結し、且つNOx吸蔵還元触媒6へと直接的に第1の管11と、同第1の管11の上流部で同第1の管11に対して分岐するようにして設けられた第2の管12とを備えている。そして、第1の管11及び第2の管12の分岐点には、第1の管11及び第2の管12のそれぞれへと流入する排気ガスの流路面積の比を調整するバルブ14が備えられている。このバルブ14は、電子制御装置により、NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の条件下にあるか否かに応じて、それぞれ図3(b)及び図3(c)に示す態様にて制御される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、燃費の向上等を目的として、成層燃焼等、その空燃比を理論空燃比よりも大幅にリーン側に設定するリーン燃焼が行われる内燃機関が実用されてきている。こうしたリーン燃焼時には、炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)といった燃料未燃成分は減少するものの、多量の窒素酸化物(NOx)が排気に含まれるようになる。このため、リーン燃焼が行われる内燃機関の排気装置は、通常、特にNOxをその浄化対象とするNOx吸蔵還元触媒を備えて構成されている(特許文献1)。
【0003】
こうしたNOx吸蔵還元触媒では、リーン燃焼時に排気中に含まれるNOxを触媒本体に吸蔵する一方、ストイキ燃焼時やリッチ燃焼時に排気に含まれるHCやCOといった燃料未燃成分を還元剤としてNOxを還元浄化するようにしている。従って、上述したようなリーン燃焼が継続して行われるような場合であっても、その時に排出されるNOxを外部に排出することなくこれを処理することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−336417号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、NOx吸蔵還元触媒は所定の温度領域において触媒として適切に機能するものであって、例えばNOx吸蔵還元触媒の温度が同温度領域よりも低いとその触媒としての機能が低下する。
【0006】
ここで、内燃機関の排気系の上流側にNOx吸蔵還元触媒を設けると、内燃機関から排出される排気ガスによってNOx吸蔵還元触媒を好適に暖機することができるため、始動時等、NOx吸蔵還元触媒の温度が上記所定の温度領域よりも低い場合に同温度領域へと速やかに暖機することができる。しかし、この場合、NOx吸蔵還元触媒の温度は、上記所定の温度領域を越える温度へと上昇しやすくなる。このため、例えば高速道路を一定速度で走行しているときなどには、要求される燃料量の観点からは上記リーン燃焼を行うことができるにもかかわらず、NOx吸蔵還元触媒の温度が上記所定の温度領域を越えてしまうためにリーン燃焼を行うことができない。
【0007】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、触媒の暖機性の確保と同触媒の温度の過上昇の抑制との好適な両立を図ることのできる内燃機関の排気装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、内燃機関のマフラ内に、前記内燃機関の排気ガスを前記マフラ内の拡張室に開放することなく該排気ガスを浄化する触媒に直接的に導入する第1の通路及び、前記排気ガスを一旦前記拡張室に導入した後前記触媒に導く第2の通路を備えるとともに、前記内燃機関の運転状態に応じて前記第1の通路及び前記第2の通路に流入する排気ガスの流量比を変更する可変機構を備えることを要旨とする。
【0009】
上記構成では、第1の通路を介して導入される排気ガスは、マフラの拡張室に開放されることなく直接触媒に導入されるために、温度の低下が抑制されている。また、第2の通路を介して導入される排気ガスは、一旦マフラの拡張室に開放されるため、第1の通路を介して導入される排気ガスと比較して冷却されたものとなる。
【0010】
ここで、上記構成では、可変機構により、触媒の暖機が所望されるときほど第1の通路を介して触媒に導入される排気ガスの流量を多くすることで、触媒の暖機を促進することが可能となる。また、触媒の温度の過上昇の抑制が所望されるときには、第2の通路を介して導入される排気ガスによって触媒の温度の過上昇を抑制することができる。したがって、上記構成によれば、触媒の暖機性の確保と同触媒の温度の過上昇の抑制との好適な両立を図ることができるようになる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第2の通路は、前記マフラに流入する前記排気ガスを前記第1の通路に対して分岐させて前記拡張室へと開放する通路と、前記拡張室を流通した前記排気ガスを前記第1の通路に合流させる通路とを有して構成されることを要旨とする。
【0012】
上記構成では、第2の通路を、拡張室を流通した排気ガスを第1の通路に合流させる通路とすることで、触媒へと排気ガスを排出する部分を第1の通路と第2の通路とで各別とする場合と比較してスペースの低減や部品点数の低減を図ることができるようになる。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記可変機構は、前記マフラに流入する前記排気ガスが前記第1の通路及び前記第2の通路へと流通する流路面積の比を調整する動弁機構として構成されることを要旨とする。
【0014】
上記構成によれば、可変機構を適切に構成することができるようになる。
請求項4記載の発明は、前記動弁機構は、当該機関の負荷及び回転速度及び前記排気のガス温度の少なくとも1つに基づいて可変制御されるものであることを要旨とする。
【0015】
当該機関の負荷や回転速度は、排気ガス温度や排気ガス流量と相関がある。そして、排気ガスの温度や排気ガスの流量は、触媒の温度と相関がある。
この点、上記構成では、触媒の温度を適切に制御することができるようになる。
【0016】
なお、上記請求項3又は4記載の内燃機関の排気装置は、前記第2の通路は、前記第1の通路を構成する第1の管に対して分岐されるようにして設けられて前記拡張室に前記排気ガスを開放する第2の管を備えて構成されてなるようにしてもよい。
【0017】
そして、この際、上記動弁機構を、マフラに流入する排気ガスが第2の管へと流入する流路面積を一定としつつも、マフラに流入する排気ガスが第1の管へと流入する流路面積を可変とする構成とすることもできる。
【0018】
これにより、マフラに流入する排気ガスが第1の管へと流入する流路面積が大きいときには、排気ガスが第2の管へと流入する経路は閉鎖されていないにもかかわらず、同第2の管には排気ガスがほとんど流れない。このため、例えば第2の管を、暖機時において特に消音が所望される所定の周波数帯域の消音を行う共鳴パイプとして設計することもできる。これにより、暖機時において第2の管を共鳴パイプとして利用することで暖機時において特に消音が所望される所定の周波数帯域の消音を好適に行うこともできる。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記可変機構は、前記マフラに流入する前記排気ガスが前記第1の通路及び前記第2の通路へ分岐して流入する際の抵抗を、前記第1の通路よりも前記第2の通路の方が大きくなるようにした通路構造を有することを要旨とする。
【0020】
上記構成では、マフラに流入する前記排気ガスが第1の通路へ流入する際の抵抗よりも第2の通路へ流入する際の抵抗の方が大きいため、マフラへ流入する排気ガスの流量が少ないと、排気ガスは第2の通路よりも第1の通路を介して触媒へと導入される傾向を有するものとなる。そして、同排気ガスの流量が多くなると、第1の通路を介して触媒へ導入される排気ガスの流量の比率は低下する。このため、上記構成によれば、触媒の暖機性の確保と同触媒の温度の過上昇の抑制との好適な両立を図ることができるようになる。
【0021】
なお、この請求項5記載の発明における通路構造は、下記のa又はbの構造としてもよい。
a.請求項6記載の発明によるように、前記第2の通路に絞りの設けられた構造。
b.請求項7記載の発明によるように、前記第2の通路を構成する第2の管が前記第1の通路を構成する第1の管から分岐されて前記排気ガスを前記拡張室に開放するものであるとともに、前記第2の管が前記第1の管よりもその軸方向を大きく変位させるようにした構造。
【0022】
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発明において、前記マフラの表面には、その表面積を拡大する表面積拡大手段が備えられてなることを要旨とする。
【0023】
上記構成では、マフラ表面に表面積拡大手段が備えられるために、拡張室を流通する排気ガスをいっそう好適に冷却することできるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の排気装置の筒内噴射式ガソリンエンジンの排気装置に適用した第1の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0025】
図1に、本実施形態にかかる排気装置の車両における配置態様を示す。
同図1に示すように、車両の前方に搭載された筒内噴射式ガソリンエンジンとしての内燃機関1には、排気管3を介してマフラ10、NOx吸蔵還元触媒の収納される触媒装置5、後部マフラ7等が接続されている。ここでは、内燃機関1から排出される排気ガスをマフラ10へと案内する排気管3が一旦内燃機関1に対して車両の前方に引き回される(前方排気構造)ことなく直接車両の後方に引き回される後方排気構造が取られている。また、触媒装置5は、車両のフロントシートの前方又は直下に配置されている。
【0026】
図2に、上記排気装置のうち内燃機関1の近傍の部分の構成を示す。同図2において、電子制御装置9は、内燃機関1の運転状態に基づき同内燃機関1を制御する。すなわち、運転者によって要求されるトルクに基づいて内燃機関1を均質燃焼及び成層燃焼のいずれかに切り替える制御を行う。また、電子制御装置9では、マフラ10内の排気ガスの流通態様を制御することで温度の調整された排気ガスを上記触媒装置5内のNOx吸蔵還元触媒6に排出する機能を有する。そして、これにより、NOx吸蔵還元触媒6の温度を、内燃機関1において成層燃焼を行う際に適切な浄化能力を確保することのできる温度領域に調整するようにしている。
【0027】
すなわち、本実施形態にかかるマフラ10は、消音機能を有するのみならず、NOx吸蔵還元触媒6の温度調整機能をも有するものとなっている。以下これについて、詳細に説明する。
【0028】
図3(a)に、上記マフラ10の構成について示す。
同図3(a)に示されるように、マフラ10には、同マフラ10に排気ガスを排出する排気管3と直結し、且つNOx吸蔵還元触媒6へと直接的に第1の管11と、同第1の管11の上流部で同第1の管11に対して分岐するようにして設けられた第2の管12とを備えている。
【0029】
ここで、第1の管11は、その軸が直線上に延びる構造を有して排気管3及びNOx吸蔵還元触媒6間を接続している。また、第1の管11には、その下流にマフラ10内の拡張室13を流通する排気ガスが流入する流入孔11hが設けられている。これに対し、第2の管12は、その一端が第1の管11の下流において同第1の管11の開口された側面と接続されるとともに、他端が上記拡張室13に開放される構成となっている。
【0030】
そして、上記第1の管11及び第2の管12の分岐点には、第1の管11及び第2の管12のそれぞれへと流入する排気ガスの流路面積の比を調整するバルブ14が備えられている。詳しくは、このバルブ14は、第1の管11へと流入する排気ガスの流路面積が大きいほど第2の管12へと流入する排気ガスの流路面積が小さくなるように、上記流路面積の比を調整するバルブである。このバルブ14は、上記電子制御装置9により内燃機関1の運転状態に応じて制御されるものである。
【0031】
すなわち、上記NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の運転状態にあるときには、図3(b)に示すように、排気管3からマフラ10へと流入する排気ガスが第2の管12へ流入する流路面積を「0」とし、同排気ガスが全て第1の管11に流入するようにバルブ14を制御する。これにより、上記内燃機関1から排出された排気ガスは、拡張室13によって冷却されることなくその温度を好適に維持したままNOx吸蔵還元触媒6に排出されることとなる。
【0032】
一方、上記NOx吸蔵還元触媒6の温度の過上昇の抑制が所望される運転状態にあるときには、図3(c)に示すように、排気管3からマフラ10へと流入する排気ガスが第1の管11へ流入する流路面積を「0」とし、同排気ガスが全て第2の管12に流入するようにバルブ14を制御する。ここで、マフラ10は、排気管3と比較して軸方向の単位長さ当たりの表面積が大きいために、マフラ10内の拡張室13は冷却効果を有するものとなっている。これにより、上記内燃機関1から排出された排気ガスは、拡張室13を流通することで冷却された後に、流入孔11hを介してNOx吸蔵還元触媒6に排出されることとなる。
【0033】
具体的には、本実施形態では、NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の運転状態を、内燃機関1の回転速度や負荷、排気ガス温度等に基づいて把握するようにしている。すなわち、例えば高負荷高回転時には、NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の運転状態にないとして、換言すれば、温度の過上昇の抑制が所望される運転状態にあるとして、図3(b)に示した態様にバルブ14を制御する。
【0034】
このように、NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の運転状態にあるか否かに応じてバルブ14を図3(b)又は図3(c)に示す態様に切り替え制御することで、NOx吸蔵還元触媒6の暖機性の確保と温度の過上昇の抑制との好適な両立を図ることができるようになる。
【0035】
すなわち、本実施形態では、先の図1に示したようにNOx吸蔵還元触媒6を極力内燃機関1に近接させて配置させている。しかも、本実施形態にかかる排気装置では、図1に示したように後方排気構造を採用したために、前方排気構造を採用する場合と比較して内燃機関1から排出されてからNOx吸蔵還元触媒6へと流入するまでの排気ガスの経路が短くなる。これにより、図3に示す第1の管11を介して触媒に導入される排気ガスは、NOx吸蔵還元触媒6に対する十分な暖機能力を有するものとなる。
【0036】
そして、暖機の所望される所定の運転状態以外にあっては、図3(c)に示すような制御によってNOx吸蔵還元触媒6の温度の過上昇を抑制することができる。
【0037】
以上説明した本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)内燃機関1の運転状態が、NOx吸蔵還元触媒6の暖機の所望される所定の運転状態にあるか否かに応じて図3(b)又は図3(c)に示す態様にて排気ガスの流通態様を切り替えることで、NOx吸蔵還元触媒6の暖機性の確保と温度の過上昇の抑制との好適な両立を図ることができるようになる。
【0038】
(2)NOx吸蔵還元触媒6へ流入する排気ガスの温度を調整する手段をマフラ10を用いて構成したために、マフラ10内において消音とNOx吸蔵還元触媒6の温度調整とを併せ行うことができ、これらを行う部材を各別に設ける場合と比較して部品点数やスペースの低減を図ることができる。
【0039】
(3)内燃機関1の排気装置として、後方排気構造を採用することで、内燃機関1とNOx吸蔵還元触媒6との距離を極力近接させることができ、NOx吸蔵還元触媒6の暖機を一層好適に行うことができる。
【0040】
(第2の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の排気装置を筒内噴射式ガソリンエンジンの排気装置に適用した第2の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0041】
図4は、本実施形態にかかるマフラ20を示す。
同図4に示すように、本実施形態にかかるマフラ20内は、排気ガスを流通させる拡張室23と、排気ガスを流通させず所定の周波数帯域に共鳴することで同周波数帯域の音波の消音の機能を有する共鳴室25とを備えている。
【0042】
そして、共鳴室25内には、NOx吸蔵還元触媒6が備えられている。すなわち、本実施形態においてはNOx吸蔵還元触媒6をマフラ20内に備えることでNOx吸蔵還元触媒6を収納する触媒装置5とマフラとを各別に構成する場合と比較して部品点数やスペースの低減を図ることができる。また、特にNOx吸蔵還元触媒6をマフラ20内の共鳴室25に備えることで、拡張室23に配置する場合と比較して、NOx吸蔵還元触媒6の温度変化を抑制することができる。
【0043】
一方、上記拡張室23には、マフラ20に排気ガスを排出する排気管3と直結し、且つNOx吸蔵還元触媒6へと直接的に第1の管21と、同第1の管21の上流部で同第1の管21に対して分岐するようにして設けられた第2の管22とを備えている。
【0044】
ここで、第1の管21には、その下流に拡張室23を流通する排気ガスが流入する流入孔21hが設けられている。これに対し、第2の管22は、その一端が第1の管21の下流において同第1の管21の開口された側面と接続されるとともに、他端が上記拡張室23に開放される構成となっている。
【0045】
そして、本実施形態においても、NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の条件下にあるか否かに応じて、バルブ24を制御する。これにより、同条件下にあるときには排気ガスが第1の管21を介して直接的にNOx吸蔵還元触媒6に導入され、それ以外のときには第2の管22を介して一端拡張室23を流通した後、NOx吸蔵還元触媒6に導入されるようになる。
【0046】
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)の効果に加えて更に以下の効果が得られるようになる。
(4)NOx吸蔵還元触媒6をマフラ20内に備えることでNOx吸蔵還元触媒6を収納する触媒装置5とマフラとを各別に構成する場合と比較して部品点数やスペースの低減を図ることができる。
【0047】
(5)NOx吸蔵還元触媒6をマフラ20内の共鳴室25に備えることで、拡張室23に配置する場合と比較して、NOx吸蔵還元触媒6の温度変化を抑制することができる。
【0048】
(第3の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の排気装置を筒内噴射式ガソリンエンジンの排気装置に適用した第3の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0049】
図5は、本実施形態にかかるマフラ30を示す。
同図5(a)に示すように、本実施形態においても、マフラ30の拡張室33にNOx吸蔵還元触媒6が備えられることで、NOx吸蔵還元触媒6を収納する触媒装置5とマフラとを各別に構成する場合と比較して部品点数やスペースの低減を図っている。
【0050】
また、本実施形態においても、マフラ30には、先の第1の実施形態の第1の管11及び第2の管12に対応する第1の管31及び第2の管32が備えられている。すなわち、第2の管32が、第1の管31から分岐されて排気ガスを拡張室33に開放するとともに、第1の管31よりもその軸方向を大きく変位させる構造となっている。このため、第1の管31及び第2の管32の通路構造は、排気管3からマフラ30に排出される排気ガスが第1の管31及び第2の管32へ分岐して流入する際の抵抗が、第1の管31よりも第2の管32の方が大きくなるようにした構造となる。
【0051】
そして、本実施形態においては、第1の管31及び第2の管32のそれぞれへと流入する排気ガスの流路面積の比を調整するバルブ34は、上記バルブ14とは異なっている。すなわち、バルブ34は、排気管3から第2の管32へと流入する流路面積を一定としつつも、同排気管3から第1の管31へと流入する流路面積を可変とするものである。
【0052】
詳しくは、図5(b)に示す変位位置において第1の管31の一部を構成する。そして、このバルブ34は、図5(b)に示す変位位置において第1の管31の流路面積を最大し、図5(c)に示す変位位置において第1の管31の流路面積を最小(「0」)とする。そして、このバルブ34は、排気管3から第1の管31へと流入する排気ガスの流路面積を最大とする図5(b)に示す変位位置から、同流路面積を「0」とする図5(c)に示す変位位置まで変化する。
【0053】
ここで、NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の条件においては、バルブ34は、図5(b)に示す変位位置に制御される。これにより、排気管3から排出される排気ガスは、第1の管31を介してNOx吸蔵還元触媒6に直接的に導入されるようになる。そして、この際、第2の管32には排気ガスはほとんど流入せず音波の通路となっている。これは、第1の管31及び第2の管32の通路構造が、上述したように、排気管3からマフラ30に排出される排気ガスが第1の管31及び第2の管32へ分岐して流入する際の抵抗が、第1の管31よりも第2の管32の方が大きくなるようにした構造であるためである。
【0054】
このため、拡張室33にも排気ガスはほとんど流通せず同拡張室33は共鳴室として機能することとなる。なお、NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の条件は、通常、排気ガス流量が少ないときに成立するものであり、このときには低周波数帯域の消音が望まれることから、第2の管32は低周波数帯域と共鳴する共鳴構造とするように設定がなされている。
【0055】
一方、上記所定の条件の成立時以外には、バルブ34は、図5(c)に示す変位位置に制御される。これにより、排気管3から排出される排気ガスは、第2の管32を介して拡張室33に開放されることとなる。そして、同拡張室33に開放された排気ガスは、(ア)上記バルブ34の変位によって開口された第1の管31の開口部31oを介して第1の管31に流入するとともに、(イ)第1の管31の上流側に設けられた流入孔31hを介して第1の管31に流入する。
【0056】
そして、この際、排気ガスの流通経路としての(ア)の経路と(イ)の経路とで所定の周波数帯域の音波を干渉させるように、バルブ34による開口部31o及び流入孔31hを設定する。これにより、所定の周波数帯域の音波の消音を図ることができる。更に、この図5(c)に示す変位位置においては、排気ガスが拡張室33内を流通するために、この拡張室33によって全周波数帯域の消音を図ることもできる。すなわち、この図5(c)に示す変位位置においては、拡張室33による全周波数帯域の消音に加えて特に消音を所望する周波数帯域については、上記干渉構造を利用して消音を確実に行うことができる構成となっている。
【0057】
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)の効果、及び先の第2の実施形態の上記(4)の効果に加えて更に以下の効果が得られるようになる。
【0058】
(6)暖機が所望される所定の運転条件下において、第2の管32を低周波の共鳴管とすることで、低周波数帯域の消音を好適に行うことができる。
(7)暖機が所望される所定の条件以外の条件下において、拡張室33による全周波数帯域の消音に加えて、干渉構造による所定の周波数帯域の消音を行うことができるようになる。
【0059】
(第4の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の排気装置を筒内噴射式ガソリンエンジンの排気装置に適用した第4の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0060】
図6は、本実施形態にかかるマフラ40を示す。
同図6(a)に示すように、本実施形態においても、マフラ40の拡張室43にNOx吸蔵還元触媒6が備えられることで、NOx吸蔵還元触媒6を収納する触媒装置5とマフラとを各別に構成する場合と比較して部品点数やスペースの低減を図っている。
【0061】
また、本実施形態においても、マフラ40には、先の第1の実施形態の第1の管11及び第2の管12に対応する第1の管41及び第2の管42が備えられている。すなわち、第2の管42が、第1の管41から分岐されて排気ガスを拡張室43に開放するとともに、第1の管41よりもその軸方向を大きく変位させる構造となっている。このため、第1の管41及び第2の管42の通路構造は、排気管3からマフラ40に排出される排気ガスが第1の管41及び第2の管42へ分岐して流入する際の抵抗が、第1の管41よりも第2の管42の方が大きくなるようにした構造となる。
【0062】
ただし、本実施形態においては、第1の管41及び第2の管42のそれぞれへと流入する排気ガスの流路面積の比を調整するバルブ44a、44bは、上記バルブ14とは異なっている。すなわち、バルブ44a、44bは、排気管3から第2の管42へと流入する流路面積を一定としつつも、同排気管3から第1の管41へと流入する流路面積を可変とするものである。
【0063】
詳しくは、バルブ44a、44bは、図6(b)に示す変位位置において第1の管41の一部を構成し、この変位位置において第1の管41の流路面積を最大とする。また、図6(c)に示す変位位置において、バルブ44bは、排気管3から排出される排気ガスが第2の管42以外へと流出する経路の流路面積を「0」とし、また、バルブ44aは、第1の管41のうち該バルブ44aの設けられている側の端部を閉鎖する。
【0064】
ここで、NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の条件においては、バルブ44a、44bは、図6(b)に示す変位位置に制御される。これにより、排気管3から排出される排気ガスは、第1の管41を介してNOx吸蔵還元触媒6に直接的に導入されるようになる。そして、この際、第2の管42には排気ガスはほとんど流入せず音波の通路となっている。これは、第1の管41及び第2の管42の通路構造が、上述したように、排気管3からマフラ40に排出される排気ガスが第1の管41及び第2の管42へ分岐して流入する際の抵抗が、第1の管41よりも第2の管42の方が大きくなるようにした構造であるためである。
【0065】
このため、拡張室43にも排気ガスはほとんど流通せず同拡張室43は共鳴室として機能することとなる。なお、NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の条件は、通常、排気ガス流量が少ないときに成立するものであり、このときには低周波数帯域の消音が望まれることから、第2の管42は低周波数帯域と共鳴する共鳴構造とするように設定がなされている。ちなみに、本実施形態では、同第2の管42を低周波数帯域の共鳴間とすべく、第2の管42の軸を反転させる形状を有してその軸長を所望の値に設定している。
【0066】
一方、上記所定の条件の成立時以外には、バルブ44a、44bは、図6(c)に示す変位位置に制御される。これにより、排気管3から排出される排気ガスは、第2の管42を介して拡張室43に開放されることとなる。そして、同拡張室43に開放された排気ガスは、第1の管41の上流側に設けられた流入孔41hを介して第1の管41に流入する。
【0067】
これにより、排気ガスが拡張室43内を流通するために、この拡張室43によって全周波数帯域の消音を図ることができる。更に、この際、片側が閉鎖された第1の管41を所定の周波数帯域の音波の消音を図るブランチ管として機能させる。すなわち、このブランチ管によって、マフラ40の下流側に接続された後部排気管3b内において生じる気柱共鳴の抑制を図る。これは、後部排気管3bについて、そのマフラ40との接続部から同後部排気管3bが他の部材と接続されるなどしてその流路面積が拡大するまでの間の距離Lの半分の長さに、上記ブランチ管の長さを設定することで実現することができる。
【0068】
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)の効果、及び先の第2の実施形態の上記(4)の効果、先の第3の実施形態の上記(6)の効果に加えて更に以下の効果が得られるようになる。
【0069】
(8)暖機が所望される所定の条件以外の条件下において、拡張室43による全周波数帯域の消音に加えて、ブランチ管(図6(c)の第1の管41)による後部排気管3bの気柱共鳴の抑制を図ることができるようになる。
【0070】
(第5の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の排気装置を筒内噴射式ガソリンエンジンの排気装置に適用した第5の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0071】
図7は、本実施形態にかかるマフラ50を示す。
同図7に示されるように、マフラ50には、上記第1の実施形態における上記第1の管11及び第2の管12とそれぞれ同一の構造を有する第1の管51及び第2の管52を備えている。
【0072】
ただし、本実施形態では、第1の管51及び第2の管52のそれぞれへと流入する排気ガスの流路面積の比を調整するバルブを備えていない。しかし、第2の管52が、第1の管51から分岐されて排気ガスを拡張室53に開放するとともに、第1の管51よりもその軸方向を大きく変位させる構造となっている。
【0073】
このため、第1の管51及び第2の管52の通路構造は、排気管3からマフラ50に排出される排気ガスが第1の管51及び第2の管52へ分岐して流入する際の抵抗が、第1の管51よりも第2の管52の方が大きくなるようにした構造となる。したがって、排気管3からマフラ50へ流入する排気ガスの流量が少ないと、排気ガスは第2の管52よりも第1の管51を介してNOx吸蔵還元触媒6へと導入される傾向を有する。そして、同排気ガスの流量が多くなると、第2の管52を介してNOx吸蔵還元触媒6へと導入される排気ガスに対する第1の管51を介してNOx吸蔵還元触媒6へ導入される排気ガスの流量の比率は低下する。
【0074】
ここで、NOx吸蔵還元触媒の暖機が所望されるときとは、通常、内燃機関1の始動時等、排気管3からマフラ50に排出される排気ガスの流量が少ないときであることが多い。したがって、同排気ガスの流量の増大と、NOx吸蔵還元触媒の暖機が所望される度合いとを対応付けることができる。このため、NOx吸蔵還元触媒6の暖機性の確保と同触媒の温度の過上昇の抑制との好適な両立を図ることができるようになる。
【0075】
更に、上記構成によれば、排気ガスの流量が所定量以下であるときには、第2の管52に排気ガスがほとんど流れないため、先の第3及び第4の実施形態と同様、第2の管を共鳴パイプとして機能させることもできる。
【0076】
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)の効果、及び先の第3の実施形態の上記(6)の効果に加えて更に以下の効果が得られるようになる。
【0077】
(9)第1の管51及び第2の管52の通路構造を、排気管3からマフラ50に排出される排気ガスが第1の管51及び第2の管52へ分岐して流入する際の抵抗が、第1の管51よりも第2の管52の方が大きくなるようにした構造とした。これにより、バルブを設けることなく通路構造自体によって、排気管3からマフラ50に排出される排気ガスの流量に応じて、第1の管51及び第2の管52への排気ガスの流量比を調整することができるようになる。
【0078】
(第6の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の排気装置を筒内噴射式ガソリンエンジンの排気装置に適用した第6の実施形態について、上記第5の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0079】
図8は、本実施形態にかかるマフラ60を示す。
同図8に示されるように、マフラ60には、上記第5の実施形態における上記第1の管51及び第2の管52に対応する第1の管61及び第2の管62を備えている。
【0080】
しかし、これら第1の管61及び第2の管62は、排気管3に対してその軸方向の変位態様が対称的な構造となっている。ただし、第2の管62については、その上流側に絞り62nが設けられている。このため、第1の管61及び第2の管62の通路構造は、排気管3からマフラ60に排出される排気ガスが第1の管61及び第2の管62へ分岐して流入する際の抵抗が、第1の管61よりも第2の管62の方が大きくなるようにした構造となる。したがって、これら第1の管61及び第2の管62についても、上記第1の管51及び第2の管52とそれぞれ同様の機能を持たせることができる。
【0081】
以上説明した本実施形態においても、上記第5の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態は以下のように変更して実施してもよい。
【0082】
・上記第1の実施形態では、第1の管11及び第2の管12の通路構造は、先の図3に例示したものに限らず、例えば先の図4に例示したものでもよい。ただし、NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の条件下においては、それ以外の条件下と比較してマフラ10に排出される排気ガスの流量が少ない傾向にある。したがって、暖機を所望する所定の条件下において、マフラに流入する排気ガスが第1の通路及び第2の通路へ分岐して流入する際の抵抗を第1の通路よりも第2の通路の方が大きくなるようにした通路構造とすることが望ましい。
【0083】
・上記第1の実施形態において、マフラ内にNOx吸蔵還元触媒6を配置するようにしてもよい。この際、マフラを拡張室と共鳴室とに分割すると共に、共鳴室にNOx吸蔵還元触媒を配置するようにすることが望ましい。
【0084】
・上記第2の実施形態において、第1の管21及び第2の管22の通路構造は、先の図4に例示したものに限らず、例えば先の図3に例示したものでもよい。特に、暖機を所望する所定の条件下において、マフラに流入する排気ガスが第1の通路及び第2の通路へ分岐して流入する際の抵抗を第1の通路よりも第2の通路の方が大きくなるようにした通路構造とすることが望ましい。
【0085】
・上記第2の実施形態において、マフラ20内でのNOx吸蔵還元触媒6の配置態様は、先の図4に例示したものに限らない。例えば、マフラ20に共鳴室25を設けない構成であっても、マフラ20内にNOx吸蔵還元触媒6を配置することで、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)の効果や、先の第2の実施形態の上記(4)の効果を得ることはできる。
【0086】
・上記第3の実施形態や上記第4の実施形態において、マフラ30内に常時排気ガスの流入しない共鳴室を形成し、同共鳴室にNOx吸蔵還元触媒を配置するようにしてもよい。
【0087】
・上記第3の実施形態や上記第4の実施形態における機能を有するバルブとしては、先の図5や図6に示したものに限らない。例えば上記第3の実施形態において、上記バルブを第1の管31のうち、第1の管31及び第2の管の分岐点以外の部分に設けるようにしても、上記第3の実施形態におけるバルブと同様の機能を実現することはできる。
【0088】
・上記第3の実施形態や上記第4の実施形態において、第1の管及び第2の管の通路構造は、先の図5や図6に例示したものに限らず、例えば先の図8に例示したものでもよい。特に、ここでは、暖機を所望する所定の条件下において、第5の実施形態や第6の実施形態で例示したように、マフラに流入する排気ガスが第1の通路及び第2の通路へ分岐して流入する際の抵抗を第1の通路よりも第2の通路の方が大きくなるようにした通路構造とする。
【0089】
・上記第5の実施形態や第6の実施形態において、マフラを拡張室と共鳴室とに分割すると共に、共鳴室にNOx吸蔵還元触媒を配置するようにしてもよい。
・マフラに流入する排気ガスが第1の通路及び第2の通路へ分岐して流入する際の抵抗を第1の通路よりも第2の通路の方が大きくなるようにした通路構造としては、上記第5の実施形態や第6の実施形態(図7及び図8)において例示したものに限らない。
【0090】
・上記第1〜第6の実施形態及びそれらの変形例では、拡張室を流通した排気ガスを第1の管に合流させる手段を、第1の管の下流側に流入孔を設けることで実現したがこれに限らず、例えばバルブを設けてもよい。図9に、先の第3の実施形態の変形例として、流入孔31hの代わりに、第1の管31の下流にバルブ35を設けた例を示す。ちなみに、こうしたバルブは、NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の条件下において閉じられるようにする。これにより、暖機が所望される所定の条件下においては、排気ガスが拡張室に流通することをいっそう好適に抑制することができ、NOx吸蔵還元触媒の暖機をより好適に促進することができる。
【0091】
・上記第1〜第6の実施形態及びそれらの変形例において、マフラによる排気ガスの冷却効果を高めるために、その表面積を拡大する表面積拡大手段を備えるようにしてもよい。図10に、表面積拡大手段の一例を示す。ここでは、マフラ70の表面に波状の起伏部71wが形成されることで、マフラ70の表面積の拡大を図っている。
【0092】
・排気ガスをマフラ内の拡張室に開放することなく該排気ガスを浄化する触媒に直接的に導入する第1の通路及び、排気ガスを一旦拡張室に導入した後触媒に導く第2の通路としては、上記第1〜第6の実施形態及びそれらの変形例において例示したものに限らない。例えば、第2の通路は、第1の通路と合流することなく触媒に排気ガスを排出する構造としてもよい。
【0093】
・マフラに流入する排気ガスの第1の通路及び第2の通路へと流通する流路面積の比を調整する動弁機構としては、上記第1〜4の実施形態やそれらの変形例に例示したものに限らない。
【0094】
・また、動弁機構の制御態様としては、触媒の暖機を所望する所定の条件下にあるか否かに応じた2値的な制御に限らず、触媒の暖機が所望される度合いが大きいほど、第2の通路を流通する排気ガスに対する第1の通路を流通する排気ガスの流量比を大きくするものであればよい。これは、例えば動弁機構を当該機関の負荷及び回転速度及び排気ガスの温度の少なくとも1つに応じて制御することで実現することができる。
【0095】
・内燃機関の運転状態に応じて第1の通路及び第2の通路に流入する排気ガスの流量比を変更する可変機構の構成及び配置態様については、上記第1〜第6の実施形態及びそれらの変形例において例示したものに限らない。例えば上記第1〜第6の実施形態等において、第1の管及び第2の管の分岐点をマフラの外部に設ける構成とするとともに、該分岐点に可変機構を設けるようにしてもよい。
【0096】
・その他、内燃機関やマフラ等の配置態様や、内燃機関とマフラとの間の排気構造としては、先の図1等に例示したものに限らない。例えば上記排気構造としては、前方排気構造や、縦置きの内燃機関やV型の内燃機関に特有の排気構造でもよい。また、内燃機関としては、筒内噴射式ガソリンエンジンに限らない。更に、後部マフラについては必ずしも設けなくてもよい。加えて、第1の通路及び第2の通路から排気ガスが排出される触媒としては、NOx吸蔵還元触媒にも限らない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる内燃機関の排気装置を筒内噴射式ガソリンエンジンの排気装置に適用した第1の実施形態を車両へ搭載した態様を示す斜視図。
【図2】同実施形態の排気装置の構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態のうちマフラ及び触媒を拡大して示した断面図。
【図4】第2の実施形態のうちマフラを拡大して示した断面図。
【図5】第3の実施形態のうちマフラを拡大して示した断面図。
【図6】第4の実施形態のうちマフラを拡大して示した断面図。
【図7】第5の実施形態のうちマフラ及び触媒を拡大して示した断面図。
【図8】第6の実施形態のうちマフラ及び触媒を拡大して示した断面図。
【図9】第3の実施形態の変形例を示す断面図。
【図10】上記各実施形態の変形例の側面図。
【符号の説明】
1…内燃機関、3…排気管、3b…後方排気管、5…触媒装置、6…NOx吸蔵還元触媒、7…後部マフラ、9…電子制御装置、10、20、30、40、50、60、70…マフラ、11、21、31、41、51、61…第1の管、11h、21h、31h、41h…流入孔、12、22、32、42、52、62…第2の管、13、23、33、43、53…拡張室、14、24、34、35、44a、44b…バルブ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、燃費の向上等を目的として、成層燃焼等、その空燃比を理論空燃比よりも大幅にリーン側に設定するリーン燃焼が行われる内燃機関が実用されてきている。こうしたリーン燃焼時には、炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)といった燃料未燃成分は減少するものの、多量の窒素酸化物(NOx)が排気に含まれるようになる。このため、リーン燃焼が行われる内燃機関の排気装置は、通常、特にNOxをその浄化対象とするNOx吸蔵還元触媒を備えて構成されている(特許文献1)。
【0003】
こうしたNOx吸蔵還元触媒では、リーン燃焼時に排気中に含まれるNOxを触媒本体に吸蔵する一方、ストイキ燃焼時やリッチ燃焼時に排気に含まれるHCやCOといった燃料未燃成分を還元剤としてNOxを還元浄化するようにしている。従って、上述したようなリーン燃焼が継続して行われるような場合であっても、その時に排出されるNOxを外部に排出することなくこれを処理することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−336417号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、NOx吸蔵還元触媒は所定の温度領域において触媒として適切に機能するものであって、例えばNOx吸蔵還元触媒の温度が同温度領域よりも低いとその触媒としての機能が低下する。
【0006】
ここで、内燃機関の排気系の上流側にNOx吸蔵還元触媒を設けると、内燃機関から排出される排気ガスによってNOx吸蔵還元触媒を好適に暖機することができるため、始動時等、NOx吸蔵還元触媒の温度が上記所定の温度領域よりも低い場合に同温度領域へと速やかに暖機することができる。しかし、この場合、NOx吸蔵還元触媒の温度は、上記所定の温度領域を越える温度へと上昇しやすくなる。このため、例えば高速道路を一定速度で走行しているときなどには、要求される燃料量の観点からは上記リーン燃焼を行うことができるにもかかわらず、NOx吸蔵還元触媒の温度が上記所定の温度領域を越えてしまうためにリーン燃焼を行うことができない。
【0007】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、触媒の暖機性の確保と同触媒の温度の過上昇の抑制との好適な両立を図ることのできる内燃機関の排気装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、内燃機関のマフラ内に、前記内燃機関の排気ガスを前記マフラ内の拡張室に開放することなく該排気ガスを浄化する触媒に直接的に導入する第1の通路及び、前記排気ガスを一旦前記拡張室に導入した後前記触媒に導く第2の通路を備えるとともに、前記内燃機関の運転状態に応じて前記第1の通路及び前記第2の通路に流入する排気ガスの流量比を変更する可変機構を備えることを要旨とする。
【0009】
上記構成では、第1の通路を介して導入される排気ガスは、マフラの拡張室に開放されることなく直接触媒に導入されるために、温度の低下が抑制されている。また、第2の通路を介して導入される排気ガスは、一旦マフラの拡張室に開放されるため、第1の通路を介して導入される排気ガスと比較して冷却されたものとなる。
【0010】
ここで、上記構成では、可変機構により、触媒の暖機が所望されるときほど第1の通路を介して触媒に導入される排気ガスの流量を多くすることで、触媒の暖機を促進することが可能となる。また、触媒の温度の過上昇の抑制が所望されるときには、第2の通路を介して導入される排気ガスによって触媒の温度の過上昇を抑制することができる。したがって、上記構成によれば、触媒の暖機性の確保と同触媒の温度の過上昇の抑制との好適な両立を図ることができるようになる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第2の通路は、前記マフラに流入する前記排気ガスを前記第1の通路に対して分岐させて前記拡張室へと開放する通路と、前記拡張室を流通した前記排気ガスを前記第1の通路に合流させる通路とを有して構成されることを要旨とする。
【0012】
上記構成では、第2の通路を、拡張室を流通した排気ガスを第1の通路に合流させる通路とすることで、触媒へと排気ガスを排出する部分を第1の通路と第2の通路とで各別とする場合と比較してスペースの低減や部品点数の低減を図ることができるようになる。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記可変機構は、前記マフラに流入する前記排気ガスが前記第1の通路及び前記第2の通路へと流通する流路面積の比を調整する動弁機構として構成されることを要旨とする。
【0014】
上記構成によれば、可変機構を適切に構成することができるようになる。
請求項4記載の発明は、前記動弁機構は、当該機関の負荷及び回転速度及び前記排気のガス温度の少なくとも1つに基づいて可変制御されるものであることを要旨とする。
【0015】
当該機関の負荷や回転速度は、排気ガス温度や排気ガス流量と相関がある。そして、排気ガスの温度や排気ガスの流量は、触媒の温度と相関がある。
この点、上記構成では、触媒の温度を適切に制御することができるようになる。
【0016】
なお、上記請求項3又は4記載の内燃機関の排気装置は、前記第2の通路は、前記第1の通路を構成する第1の管に対して分岐されるようにして設けられて前記拡張室に前記排気ガスを開放する第2の管を備えて構成されてなるようにしてもよい。
【0017】
そして、この際、上記動弁機構を、マフラに流入する排気ガスが第2の管へと流入する流路面積を一定としつつも、マフラに流入する排気ガスが第1の管へと流入する流路面積を可変とする構成とすることもできる。
【0018】
これにより、マフラに流入する排気ガスが第1の管へと流入する流路面積が大きいときには、排気ガスが第2の管へと流入する経路は閉鎖されていないにもかかわらず、同第2の管には排気ガスがほとんど流れない。このため、例えば第2の管を、暖機時において特に消音が所望される所定の周波数帯域の消音を行う共鳴パイプとして設計することもできる。これにより、暖機時において第2の管を共鳴パイプとして利用することで暖機時において特に消音が所望される所定の周波数帯域の消音を好適に行うこともできる。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記可変機構は、前記マフラに流入する前記排気ガスが前記第1の通路及び前記第2の通路へ分岐して流入する際の抵抗を、前記第1の通路よりも前記第2の通路の方が大きくなるようにした通路構造を有することを要旨とする。
【0020】
上記構成では、マフラに流入する前記排気ガスが第1の通路へ流入する際の抵抗よりも第2の通路へ流入する際の抵抗の方が大きいため、マフラへ流入する排気ガスの流量が少ないと、排気ガスは第2の通路よりも第1の通路を介して触媒へと導入される傾向を有するものとなる。そして、同排気ガスの流量が多くなると、第1の通路を介して触媒へ導入される排気ガスの流量の比率は低下する。このため、上記構成によれば、触媒の暖機性の確保と同触媒の温度の過上昇の抑制との好適な両立を図ることができるようになる。
【0021】
なお、この請求項5記載の発明における通路構造は、下記のa又はbの構造としてもよい。
a.請求項6記載の発明によるように、前記第2の通路に絞りの設けられた構造。
b.請求項7記載の発明によるように、前記第2の通路を構成する第2の管が前記第1の通路を構成する第1の管から分岐されて前記排気ガスを前記拡張室に開放するものであるとともに、前記第2の管が前記第1の管よりもその軸方向を大きく変位させるようにした構造。
【0022】
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発明において、前記マフラの表面には、その表面積を拡大する表面積拡大手段が備えられてなることを要旨とする。
【0023】
上記構成では、マフラ表面に表面積拡大手段が備えられるために、拡張室を流通する排気ガスをいっそう好適に冷却することできるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の排気装置の筒内噴射式ガソリンエンジンの排気装置に適用した第1の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0025】
図1に、本実施形態にかかる排気装置の車両における配置態様を示す。
同図1に示すように、車両の前方に搭載された筒内噴射式ガソリンエンジンとしての内燃機関1には、排気管3を介してマフラ10、NOx吸蔵還元触媒の収納される触媒装置5、後部マフラ7等が接続されている。ここでは、内燃機関1から排出される排気ガスをマフラ10へと案内する排気管3が一旦内燃機関1に対して車両の前方に引き回される(前方排気構造)ことなく直接車両の後方に引き回される後方排気構造が取られている。また、触媒装置5は、車両のフロントシートの前方又は直下に配置されている。
【0026】
図2に、上記排気装置のうち内燃機関1の近傍の部分の構成を示す。同図2において、電子制御装置9は、内燃機関1の運転状態に基づき同内燃機関1を制御する。すなわち、運転者によって要求されるトルクに基づいて内燃機関1を均質燃焼及び成層燃焼のいずれかに切り替える制御を行う。また、電子制御装置9では、マフラ10内の排気ガスの流通態様を制御することで温度の調整された排気ガスを上記触媒装置5内のNOx吸蔵還元触媒6に排出する機能を有する。そして、これにより、NOx吸蔵還元触媒6の温度を、内燃機関1において成層燃焼を行う際に適切な浄化能力を確保することのできる温度領域に調整するようにしている。
【0027】
すなわち、本実施形態にかかるマフラ10は、消音機能を有するのみならず、NOx吸蔵還元触媒6の温度調整機能をも有するものとなっている。以下これについて、詳細に説明する。
【0028】
図3(a)に、上記マフラ10の構成について示す。
同図3(a)に示されるように、マフラ10には、同マフラ10に排気ガスを排出する排気管3と直結し、且つNOx吸蔵還元触媒6へと直接的に第1の管11と、同第1の管11の上流部で同第1の管11に対して分岐するようにして設けられた第2の管12とを備えている。
【0029】
ここで、第1の管11は、その軸が直線上に延びる構造を有して排気管3及びNOx吸蔵還元触媒6間を接続している。また、第1の管11には、その下流にマフラ10内の拡張室13を流通する排気ガスが流入する流入孔11hが設けられている。これに対し、第2の管12は、その一端が第1の管11の下流において同第1の管11の開口された側面と接続されるとともに、他端が上記拡張室13に開放される構成となっている。
【0030】
そして、上記第1の管11及び第2の管12の分岐点には、第1の管11及び第2の管12のそれぞれへと流入する排気ガスの流路面積の比を調整するバルブ14が備えられている。詳しくは、このバルブ14は、第1の管11へと流入する排気ガスの流路面積が大きいほど第2の管12へと流入する排気ガスの流路面積が小さくなるように、上記流路面積の比を調整するバルブである。このバルブ14は、上記電子制御装置9により内燃機関1の運転状態に応じて制御されるものである。
【0031】
すなわち、上記NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の運転状態にあるときには、図3(b)に示すように、排気管3からマフラ10へと流入する排気ガスが第2の管12へ流入する流路面積を「0」とし、同排気ガスが全て第1の管11に流入するようにバルブ14を制御する。これにより、上記内燃機関1から排出された排気ガスは、拡張室13によって冷却されることなくその温度を好適に維持したままNOx吸蔵還元触媒6に排出されることとなる。
【0032】
一方、上記NOx吸蔵還元触媒6の温度の過上昇の抑制が所望される運転状態にあるときには、図3(c)に示すように、排気管3からマフラ10へと流入する排気ガスが第1の管11へ流入する流路面積を「0」とし、同排気ガスが全て第2の管12に流入するようにバルブ14を制御する。ここで、マフラ10は、排気管3と比較して軸方向の単位長さ当たりの表面積が大きいために、マフラ10内の拡張室13は冷却効果を有するものとなっている。これにより、上記内燃機関1から排出された排気ガスは、拡張室13を流通することで冷却された後に、流入孔11hを介してNOx吸蔵還元触媒6に排出されることとなる。
【0033】
具体的には、本実施形態では、NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の運転状態を、内燃機関1の回転速度や負荷、排気ガス温度等に基づいて把握するようにしている。すなわち、例えば高負荷高回転時には、NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の運転状態にないとして、換言すれば、温度の過上昇の抑制が所望される運転状態にあるとして、図3(b)に示した態様にバルブ14を制御する。
【0034】
このように、NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の運転状態にあるか否かに応じてバルブ14を図3(b)又は図3(c)に示す態様に切り替え制御することで、NOx吸蔵還元触媒6の暖機性の確保と温度の過上昇の抑制との好適な両立を図ることができるようになる。
【0035】
すなわち、本実施形態では、先の図1に示したようにNOx吸蔵還元触媒6を極力内燃機関1に近接させて配置させている。しかも、本実施形態にかかる排気装置では、図1に示したように後方排気構造を採用したために、前方排気構造を採用する場合と比較して内燃機関1から排出されてからNOx吸蔵還元触媒6へと流入するまでの排気ガスの経路が短くなる。これにより、図3に示す第1の管11を介して触媒に導入される排気ガスは、NOx吸蔵還元触媒6に対する十分な暖機能力を有するものとなる。
【0036】
そして、暖機の所望される所定の運転状態以外にあっては、図3(c)に示すような制御によってNOx吸蔵還元触媒6の温度の過上昇を抑制することができる。
【0037】
以上説明した本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)内燃機関1の運転状態が、NOx吸蔵還元触媒6の暖機の所望される所定の運転状態にあるか否かに応じて図3(b)又は図3(c)に示す態様にて排気ガスの流通態様を切り替えることで、NOx吸蔵還元触媒6の暖機性の確保と温度の過上昇の抑制との好適な両立を図ることができるようになる。
【0038】
(2)NOx吸蔵還元触媒6へ流入する排気ガスの温度を調整する手段をマフラ10を用いて構成したために、マフラ10内において消音とNOx吸蔵還元触媒6の温度調整とを併せ行うことができ、これらを行う部材を各別に設ける場合と比較して部品点数やスペースの低減を図ることができる。
【0039】
(3)内燃機関1の排気装置として、後方排気構造を採用することで、内燃機関1とNOx吸蔵還元触媒6との距離を極力近接させることができ、NOx吸蔵還元触媒6の暖機を一層好適に行うことができる。
【0040】
(第2の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の排気装置を筒内噴射式ガソリンエンジンの排気装置に適用した第2の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0041】
図4は、本実施形態にかかるマフラ20を示す。
同図4に示すように、本実施形態にかかるマフラ20内は、排気ガスを流通させる拡張室23と、排気ガスを流通させず所定の周波数帯域に共鳴することで同周波数帯域の音波の消音の機能を有する共鳴室25とを備えている。
【0042】
そして、共鳴室25内には、NOx吸蔵還元触媒6が備えられている。すなわち、本実施形態においてはNOx吸蔵還元触媒6をマフラ20内に備えることでNOx吸蔵還元触媒6を収納する触媒装置5とマフラとを各別に構成する場合と比較して部品点数やスペースの低減を図ることができる。また、特にNOx吸蔵還元触媒6をマフラ20内の共鳴室25に備えることで、拡張室23に配置する場合と比較して、NOx吸蔵還元触媒6の温度変化を抑制することができる。
【0043】
一方、上記拡張室23には、マフラ20に排気ガスを排出する排気管3と直結し、且つNOx吸蔵還元触媒6へと直接的に第1の管21と、同第1の管21の上流部で同第1の管21に対して分岐するようにして設けられた第2の管22とを備えている。
【0044】
ここで、第1の管21には、その下流に拡張室23を流通する排気ガスが流入する流入孔21hが設けられている。これに対し、第2の管22は、その一端が第1の管21の下流において同第1の管21の開口された側面と接続されるとともに、他端が上記拡張室23に開放される構成となっている。
【0045】
そして、本実施形態においても、NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の条件下にあるか否かに応じて、バルブ24を制御する。これにより、同条件下にあるときには排気ガスが第1の管21を介して直接的にNOx吸蔵還元触媒6に導入され、それ以外のときには第2の管22を介して一端拡張室23を流通した後、NOx吸蔵還元触媒6に導入されるようになる。
【0046】
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)の効果に加えて更に以下の効果が得られるようになる。
(4)NOx吸蔵還元触媒6をマフラ20内に備えることでNOx吸蔵還元触媒6を収納する触媒装置5とマフラとを各別に構成する場合と比較して部品点数やスペースの低減を図ることができる。
【0047】
(5)NOx吸蔵還元触媒6をマフラ20内の共鳴室25に備えることで、拡張室23に配置する場合と比較して、NOx吸蔵還元触媒6の温度変化を抑制することができる。
【0048】
(第3の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の排気装置を筒内噴射式ガソリンエンジンの排気装置に適用した第3の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0049】
図5は、本実施形態にかかるマフラ30を示す。
同図5(a)に示すように、本実施形態においても、マフラ30の拡張室33にNOx吸蔵還元触媒6が備えられることで、NOx吸蔵還元触媒6を収納する触媒装置5とマフラとを各別に構成する場合と比較して部品点数やスペースの低減を図っている。
【0050】
また、本実施形態においても、マフラ30には、先の第1の実施形態の第1の管11及び第2の管12に対応する第1の管31及び第2の管32が備えられている。すなわち、第2の管32が、第1の管31から分岐されて排気ガスを拡張室33に開放するとともに、第1の管31よりもその軸方向を大きく変位させる構造となっている。このため、第1の管31及び第2の管32の通路構造は、排気管3からマフラ30に排出される排気ガスが第1の管31及び第2の管32へ分岐して流入する際の抵抗が、第1の管31よりも第2の管32の方が大きくなるようにした構造となる。
【0051】
そして、本実施形態においては、第1の管31及び第2の管32のそれぞれへと流入する排気ガスの流路面積の比を調整するバルブ34は、上記バルブ14とは異なっている。すなわち、バルブ34は、排気管3から第2の管32へと流入する流路面積を一定としつつも、同排気管3から第1の管31へと流入する流路面積を可変とするものである。
【0052】
詳しくは、図5(b)に示す変位位置において第1の管31の一部を構成する。そして、このバルブ34は、図5(b)に示す変位位置において第1の管31の流路面積を最大し、図5(c)に示す変位位置において第1の管31の流路面積を最小(「0」)とする。そして、このバルブ34は、排気管3から第1の管31へと流入する排気ガスの流路面積を最大とする図5(b)に示す変位位置から、同流路面積を「0」とする図5(c)に示す変位位置まで変化する。
【0053】
ここで、NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の条件においては、バルブ34は、図5(b)に示す変位位置に制御される。これにより、排気管3から排出される排気ガスは、第1の管31を介してNOx吸蔵還元触媒6に直接的に導入されるようになる。そして、この際、第2の管32には排気ガスはほとんど流入せず音波の通路となっている。これは、第1の管31及び第2の管32の通路構造が、上述したように、排気管3からマフラ30に排出される排気ガスが第1の管31及び第2の管32へ分岐して流入する際の抵抗が、第1の管31よりも第2の管32の方が大きくなるようにした構造であるためである。
【0054】
このため、拡張室33にも排気ガスはほとんど流通せず同拡張室33は共鳴室として機能することとなる。なお、NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の条件は、通常、排気ガス流量が少ないときに成立するものであり、このときには低周波数帯域の消音が望まれることから、第2の管32は低周波数帯域と共鳴する共鳴構造とするように設定がなされている。
【0055】
一方、上記所定の条件の成立時以外には、バルブ34は、図5(c)に示す変位位置に制御される。これにより、排気管3から排出される排気ガスは、第2の管32を介して拡張室33に開放されることとなる。そして、同拡張室33に開放された排気ガスは、(ア)上記バルブ34の変位によって開口された第1の管31の開口部31oを介して第1の管31に流入するとともに、(イ)第1の管31の上流側に設けられた流入孔31hを介して第1の管31に流入する。
【0056】
そして、この際、排気ガスの流通経路としての(ア)の経路と(イ)の経路とで所定の周波数帯域の音波を干渉させるように、バルブ34による開口部31o及び流入孔31hを設定する。これにより、所定の周波数帯域の音波の消音を図ることができる。更に、この図5(c)に示す変位位置においては、排気ガスが拡張室33内を流通するために、この拡張室33によって全周波数帯域の消音を図ることもできる。すなわち、この図5(c)に示す変位位置においては、拡張室33による全周波数帯域の消音に加えて特に消音を所望する周波数帯域については、上記干渉構造を利用して消音を確実に行うことができる構成となっている。
【0057】
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)の効果、及び先の第2の実施形態の上記(4)の効果に加えて更に以下の効果が得られるようになる。
【0058】
(6)暖機が所望される所定の運転条件下において、第2の管32を低周波の共鳴管とすることで、低周波数帯域の消音を好適に行うことができる。
(7)暖機が所望される所定の条件以外の条件下において、拡張室33による全周波数帯域の消音に加えて、干渉構造による所定の周波数帯域の消音を行うことができるようになる。
【0059】
(第4の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の排気装置を筒内噴射式ガソリンエンジンの排気装置に適用した第4の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0060】
図6は、本実施形態にかかるマフラ40を示す。
同図6(a)に示すように、本実施形態においても、マフラ40の拡張室43にNOx吸蔵還元触媒6が備えられることで、NOx吸蔵還元触媒6を収納する触媒装置5とマフラとを各別に構成する場合と比較して部品点数やスペースの低減を図っている。
【0061】
また、本実施形態においても、マフラ40には、先の第1の実施形態の第1の管11及び第2の管12に対応する第1の管41及び第2の管42が備えられている。すなわち、第2の管42が、第1の管41から分岐されて排気ガスを拡張室43に開放するとともに、第1の管41よりもその軸方向を大きく変位させる構造となっている。このため、第1の管41及び第2の管42の通路構造は、排気管3からマフラ40に排出される排気ガスが第1の管41及び第2の管42へ分岐して流入する際の抵抗が、第1の管41よりも第2の管42の方が大きくなるようにした構造となる。
【0062】
ただし、本実施形態においては、第1の管41及び第2の管42のそれぞれへと流入する排気ガスの流路面積の比を調整するバルブ44a、44bは、上記バルブ14とは異なっている。すなわち、バルブ44a、44bは、排気管3から第2の管42へと流入する流路面積を一定としつつも、同排気管3から第1の管41へと流入する流路面積を可変とするものである。
【0063】
詳しくは、バルブ44a、44bは、図6(b)に示す変位位置において第1の管41の一部を構成し、この変位位置において第1の管41の流路面積を最大とする。また、図6(c)に示す変位位置において、バルブ44bは、排気管3から排出される排気ガスが第2の管42以外へと流出する経路の流路面積を「0」とし、また、バルブ44aは、第1の管41のうち該バルブ44aの設けられている側の端部を閉鎖する。
【0064】
ここで、NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の条件においては、バルブ44a、44bは、図6(b)に示す変位位置に制御される。これにより、排気管3から排出される排気ガスは、第1の管41を介してNOx吸蔵還元触媒6に直接的に導入されるようになる。そして、この際、第2の管42には排気ガスはほとんど流入せず音波の通路となっている。これは、第1の管41及び第2の管42の通路構造が、上述したように、排気管3からマフラ40に排出される排気ガスが第1の管41及び第2の管42へ分岐して流入する際の抵抗が、第1の管41よりも第2の管42の方が大きくなるようにした構造であるためである。
【0065】
このため、拡張室43にも排気ガスはほとんど流通せず同拡張室43は共鳴室として機能することとなる。なお、NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の条件は、通常、排気ガス流量が少ないときに成立するものであり、このときには低周波数帯域の消音が望まれることから、第2の管42は低周波数帯域と共鳴する共鳴構造とするように設定がなされている。ちなみに、本実施形態では、同第2の管42を低周波数帯域の共鳴間とすべく、第2の管42の軸を反転させる形状を有してその軸長を所望の値に設定している。
【0066】
一方、上記所定の条件の成立時以外には、バルブ44a、44bは、図6(c)に示す変位位置に制御される。これにより、排気管3から排出される排気ガスは、第2の管42を介して拡張室43に開放されることとなる。そして、同拡張室43に開放された排気ガスは、第1の管41の上流側に設けられた流入孔41hを介して第1の管41に流入する。
【0067】
これにより、排気ガスが拡張室43内を流通するために、この拡張室43によって全周波数帯域の消音を図ることができる。更に、この際、片側が閉鎖された第1の管41を所定の周波数帯域の音波の消音を図るブランチ管として機能させる。すなわち、このブランチ管によって、マフラ40の下流側に接続された後部排気管3b内において生じる気柱共鳴の抑制を図る。これは、後部排気管3bについて、そのマフラ40との接続部から同後部排気管3bが他の部材と接続されるなどしてその流路面積が拡大するまでの間の距離Lの半分の長さに、上記ブランチ管の長さを設定することで実現することができる。
【0068】
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)の効果、及び先の第2の実施形態の上記(4)の効果、先の第3の実施形態の上記(6)の効果に加えて更に以下の効果が得られるようになる。
【0069】
(8)暖機が所望される所定の条件以外の条件下において、拡張室43による全周波数帯域の消音に加えて、ブランチ管(図6(c)の第1の管41)による後部排気管3bの気柱共鳴の抑制を図ることができるようになる。
【0070】
(第5の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の排気装置を筒内噴射式ガソリンエンジンの排気装置に適用した第5の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0071】
図7は、本実施形態にかかるマフラ50を示す。
同図7に示されるように、マフラ50には、上記第1の実施形態における上記第1の管11及び第2の管12とそれぞれ同一の構造を有する第1の管51及び第2の管52を備えている。
【0072】
ただし、本実施形態では、第1の管51及び第2の管52のそれぞれへと流入する排気ガスの流路面積の比を調整するバルブを備えていない。しかし、第2の管52が、第1の管51から分岐されて排気ガスを拡張室53に開放するとともに、第1の管51よりもその軸方向を大きく変位させる構造となっている。
【0073】
このため、第1の管51及び第2の管52の通路構造は、排気管3からマフラ50に排出される排気ガスが第1の管51及び第2の管52へ分岐して流入する際の抵抗が、第1の管51よりも第2の管52の方が大きくなるようにした構造となる。したがって、排気管3からマフラ50へ流入する排気ガスの流量が少ないと、排気ガスは第2の管52よりも第1の管51を介してNOx吸蔵還元触媒6へと導入される傾向を有する。そして、同排気ガスの流量が多くなると、第2の管52を介してNOx吸蔵還元触媒6へと導入される排気ガスに対する第1の管51を介してNOx吸蔵還元触媒6へ導入される排気ガスの流量の比率は低下する。
【0074】
ここで、NOx吸蔵還元触媒の暖機が所望されるときとは、通常、内燃機関1の始動時等、排気管3からマフラ50に排出される排気ガスの流量が少ないときであることが多い。したがって、同排気ガスの流量の増大と、NOx吸蔵還元触媒の暖機が所望される度合いとを対応付けることができる。このため、NOx吸蔵還元触媒6の暖機性の確保と同触媒の温度の過上昇の抑制との好適な両立を図ることができるようになる。
【0075】
更に、上記構成によれば、排気ガスの流量が所定量以下であるときには、第2の管52に排気ガスがほとんど流れないため、先の第3及び第4の実施形態と同様、第2の管を共鳴パイプとして機能させることもできる。
【0076】
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)の効果、及び先の第3の実施形態の上記(6)の効果に加えて更に以下の効果が得られるようになる。
【0077】
(9)第1の管51及び第2の管52の通路構造を、排気管3からマフラ50に排出される排気ガスが第1の管51及び第2の管52へ分岐して流入する際の抵抗が、第1の管51よりも第2の管52の方が大きくなるようにした構造とした。これにより、バルブを設けることなく通路構造自体によって、排気管3からマフラ50に排出される排気ガスの流量に応じて、第1の管51及び第2の管52への排気ガスの流量比を調整することができるようになる。
【0078】
(第6の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の排気装置を筒内噴射式ガソリンエンジンの排気装置に適用した第6の実施形態について、上記第5の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0079】
図8は、本実施形態にかかるマフラ60を示す。
同図8に示されるように、マフラ60には、上記第5の実施形態における上記第1の管51及び第2の管52に対応する第1の管61及び第2の管62を備えている。
【0080】
しかし、これら第1の管61及び第2の管62は、排気管3に対してその軸方向の変位態様が対称的な構造となっている。ただし、第2の管62については、その上流側に絞り62nが設けられている。このため、第1の管61及び第2の管62の通路構造は、排気管3からマフラ60に排出される排気ガスが第1の管61及び第2の管62へ分岐して流入する際の抵抗が、第1の管61よりも第2の管62の方が大きくなるようにした構造となる。したがって、これら第1の管61及び第2の管62についても、上記第1の管51及び第2の管52とそれぞれ同様の機能を持たせることができる。
【0081】
以上説明した本実施形態においても、上記第5の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態は以下のように変更して実施してもよい。
【0082】
・上記第1の実施形態では、第1の管11及び第2の管12の通路構造は、先の図3に例示したものに限らず、例えば先の図4に例示したものでもよい。ただし、NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の条件下においては、それ以外の条件下と比較してマフラ10に排出される排気ガスの流量が少ない傾向にある。したがって、暖機を所望する所定の条件下において、マフラに流入する排気ガスが第1の通路及び第2の通路へ分岐して流入する際の抵抗を第1の通路よりも第2の通路の方が大きくなるようにした通路構造とすることが望ましい。
【0083】
・上記第1の実施形態において、マフラ内にNOx吸蔵還元触媒6を配置するようにしてもよい。この際、マフラを拡張室と共鳴室とに分割すると共に、共鳴室にNOx吸蔵還元触媒を配置するようにすることが望ましい。
【0084】
・上記第2の実施形態において、第1の管21及び第2の管22の通路構造は、先の図4に例示したものに限らず、例えば先の図3に例示したものでもよい。特に、暖機を所望する所定の条件下において、マフラに流入する排気ガスが第1の通路及び第2の通路へ分岐して流入する際の抵抗を第1の通路よりも第2の通路の方が大きくなるようにした通路構造とすることが望ましい。
【0085】
・上記第2の実施形態において、マフラ20内でのNOx吸蔵還元触媒6の配置態様は、先の図4に例示したものに限らない。例えば、マフラ20に共鳴室25を設けない構成であっても、マフラ20内にNOx吸蔵還元触媒6を配置することで、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)の効果や、先の第2の実施形態の上記(4)の効果を得ることはできる。
【0086】
・上記第3の実施形態や上記第4の実施形態において、マフラ30内に常時排気ガスの流入しない共鳴室を形成し、同共鳴室にNOx吸蔵還元触媒を配置するようにしてもよい。
【0087】
・上記第3の実施形態や上記第4の実施形態における機能を有するバルブとしては、先の図5や図6に示したものに限らない。例えば上記第3の実施形態において、上記バルブを第1の管31のうち、第1の管31及び第2の管の分岐点以外の部分に設けるようにしても、上記第3の実施形態におけるバルブと同様の機能を実現することはできる。
【0088】
・上記第3の実施形態や上記第4の実施形態において、第1の管及び第2の管の通路構造は、先の図5や図6に例示したものに限らず、例えば先の図8に例示したものでもよい。特に、ここでは、暖機を所望する所定の条件下において、第5の実施形態や第6の実施形態で例示したように、マフラに流入する排気ガスが第1の通路及び第2の通路へ分岐して流入する際の抵抗を第1の通路よりも第2の通路の方が大きくなるようにした通路構造とする。
【0089】
・上記第5の実施形態や第6の実施形態において、マフラを拡張室と共鳴室とに分割すると共に、共鳴室にNOx吸蔵還元触媒を配置するようにしてもよい。
・マフラに流入する排気ガスが第1の通路及び第2の通路へ分岐して流入する際の抵抗を第1の通路よりも第2の通路の方が大きくなるようにした通路構造としては、上記第5の実施形態や第6の実施形態(図7及び図8)において例示したものに限らない。
【0090】
・上記第1〜第6の実施形態及びそれらの変形例では、拡張室を流通した排気ガスを第1の管に合流させる手段を、第1の管の下流側に流入孔を設けることで実現したがこれに限らず、例えばバルブを設けてもよい。図9に、先の第3の実施形態の変形例として、流入孔31hの代わりに、第1の管31の下流にバルブ35を設けた例を示す。ちなみに、こうしたバルブは、NOx吸蔵還元触媒6の暖機が所望される所定の条件下において閉じられるようにする。これにより、暖機が所望される所定の条件下においては、排気ガスが拡張室に流通することをいっそう好適に抑制することができ、NOx吸蔵還元触媒の暖機をより好適に促進することができる。
【0091】
・上記第1〜第6の実施形態及びそれらの変形例において、マフラによる排気ガスの冷却効果を高めるために、その表面積を拡大する表面積拡大手段を備えるようにしてもよい。図10に、表面積拡大手段の一例を示す。ここでは、マフラ70の表面に波状の起伏部71wが形成されることで、マフラ70の表面積の拡大を図っている。
【0092】
・排気ガスをマフラ内の拡張室に開放することなく該排気ガスを浄化する触媒に直接的に導入する第1の通路及び、排気ガスを一旦拡張室に導入した後触媒に導く第2の通路としては、上記第1〜第6の実施形態及びそれらの変形例において例示したものに限らない。例えば、第2の通路は、第1の通路と合流することなく触媒に排気ガスを排出する構造としてもよい。
【0093】
・マフラに流入する排気ガスの第1の通路及び第2の通路へと流通する流路面積の比を調整する動弁機構としては、上記第1〜4の実施形態やそれらの変形例に例示したものに限らない。
【0094】
・また、動弁機構の制御態様としては、触媒の暖機を所望する所定の条件下にあるか否かに応じた2値的な制御に限らず、触媒の暖機が所望される度合いが大きいほど、第2の通路を流通する排気ガスに対する第1の通路を流通する排気ガスの流量比を大きくするものであればよい。これは、例えば動弁機構を当該機関の負荷及び回転速度及び排気ガスの温度の少なくとも1つに応じて制御することで実現することができる。
【0095】
・内燃機関の運転状態に応じて第1の通路及び第2の通路に流入する排気ガスの流量比を変更する可変機構の構成及び配置態様については、上記第1〜第6の実施形態及びそれらの変形例において例示したものに限らない。例えば上記第1〜第6の実施形態等において、第1の管及び第2の管の分岐点をマフラの外部に設ける構成とするとともに、該分岐点に可変機構を設けるようにしてもよい。
【0096】
・その他、内燃機関やマフラ等の配置態様や、内燃機関とマフラとの間の排気構造としては、先の図1等に例示したものに限らない。例えば上記排気構造としては、前方排気構造や、縦置きの内燃機関やV型の内燃機関に特有の排気構造でもよい。また、内燃機関としては、筒内噴射式ガソリンエンジンに限らない。更に、後部マフラについては必ずしも設けなくてもよい。加えて、第1の通路及び第2の通路から排気ガスが排出される触媒としては、NOx吸蔵還元触媒にも限らない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる内燃機関の排気装置を筒内噴射式ガソリンエンジンの排気装置に適用した第1の実施形態を車両へ搭載した態様を示す斜視図。
【図2】同実施形態の排気装置の構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態のうちマフラ及び触媒を拡大して示した断面図。
【図4】第2の実施形態のうちマフラを拡大して示した断面図。
【図5】第3の実施形態のうちマフラを拡大して示した断面図。
【図6】第4の実施形態のうちマフラを拡大して示した断面図。
【図7】第5の実施形態のうちマフラ及び触媒を拡大して示した断面図。
【図8】第6の実施形態のうちマフラ及び触媒を拡大して示した断面図。
【図9】第3の実施形態の変形例を示す断面図。
【図10】上記各実施形態の変形例の側面図。
【符号の説明】
1…内燃機関、3…排気管、3b…後方排気管、5…触媒装置、6…NOx吸蔵還元触媒、7…後部マフラ、9…電子制御装置、10、20、30、40、50、60、70…マフラ、11、21、31、41、51、61…第1の管、11h、21h、31h、41h…流入孔、12、22、32、42、52、62…第2の管、13、23、33、43、53…拡張室、14、24、34、35、44a、44b…バルブ。
Claims (8)
- 内燃機関のマフラ内に、前記内燃機関の排気ガスを前記マフラ内の拡張室に開放することなく該排気ガスを浄化する触媒に直接的に導入する第1の通路及び、前記排気ガスを一旦前記拡張室に導入した後前記触媒に導く第2の通路を備えるとともに、
前記内燃機関の運転状態に応じて前記第1の通路及び前記第2の通路に流入する排気ガスの流量比を変更する可変機構を備える
内燃機関の排気装置。 - 前記第2の通路は、前記マフラに流入する前記排気ガスを前記第1の通路に対して分岐させて前記拡張室へと開放する通路と、前記拡張室を流通した前記排気ガスを前記第1の通路に合流させる通路とを有して構成される
請求項1記載の内燃機関の排気装置。 - 前記可変機構は、前記マフラに流入する前記排気ガスが前記第1の通路及び前記第2の通路へと流通する流路面積の比を調整する動弁機構として構成される
請求項1又は2記載の内燃機関の排気装置。 - 前記動弁機構は、当該機関の負荷及び回転速度及び前記排気ガスの温度の少なくとも1つに基づいて可変制御されるものである
請求項3記載の内燃機関の排気装置。 - 前記可変機構は、前記マフラに流入する前記排気ガスが前記第1の通路及び前記第2の通路へ分岐して流入する際の抵抗を、前記第1の通路よりも前記第2の通路の方が大きくなるようにした通路構造を有する
請求項1又は2記載の内燃機関の排気装置。 - 前記通路構造は、前記第2の通路に絞りの設けられた構造である
請求項5記載の内燃機関の排気装置。 - 前記通路構造は、前記第2の通路を構成する第2の管が前記第1の通路を構成する第1の管から分岐されて前記排気ガスを前記拡張室に開放するものであるとともに、前記第2の管が前記第1の管よりもその軸方向を大きく変位させるようにした構造である
請求項5記載の内燃機関の排気装置。 - 前記マフラの表面には、その表面積を拡大する表面積拡大手段が備えられてなる
請求項1〜7のいずれか1項に記載の内燃機関の排気装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003183398A JP2005016444A (ja) | 2003-06-26 | 2003-06-26 | 内燃機関の排気装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003183398A JP2005016444A (ja) | 2003-06-26 | 2003-06-26 | 内燃機関の排気装置 |
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Family Applications (1)
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JP2003183398A Withdrawn JP2005016444A (ja) | 2003-06-26 | 2003-06-26 | 内燃機関の排気装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005016444A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1686246A3 (de) * | 2005-01-26 | 2009-02-25 | Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft | Schalldämpfer für eine Abgasanlage |
-
2003
- 2003-06-26 JP JP2003183398A patent/JP2005016444A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1686246A3 (de) * | 2005-01-26 | 2009-02-25 | Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft | Schalldämpfer für eine Abgasanlage |
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