JP2005015658A - 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及び光線反射板 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物に関し、詳しくは、臭素系あるいは燐酸エステル系の難燃剤を使用することなく、光反射性の良好な難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及び該難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる光線反射板及びその周辺部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は優れた機械的性質を有しており、自動車分野、OA機器分野、電気・電子分野をはじめ工業的に広く利用されている。例えば、ポリカーボネート樹脂に酸化チタン等の白色顔料を添加した組成物は、コンピュータあるいはテレビ等の液晶表示装置のバックライト、照光式プッシュスイッチ、光電スイッチ等の反射板等の、高度の光線反射率が要求される反射板の材料として使用されている。これらの光線反射板は、光線反射率と共に、高度の難燃性が必要で、更に、機械的物性、耐熱性等も良好であることが必要である。
従来、ポリカーボネート樹脂を難燃化するために、難燃剤として臭素化合物、例えば臭素化ポリカーボネート等が専ら使用されてきたが、高度の難燃性を達成するためにはかなりの量の臭素化物を使用する必要があり、かかる組成物は、加熱により臭素ガスを発生して成形装置の腐食や環境汚染を招くため、非臭素系の難燃剤の使用が求められている。
【0003】
酸化チタンを含有するポリカーボネート樹脂組成物の非臭素系難燃剤として、リン酸エステル系の難燃剤を使用することが提案されている(特許文献1〜3参照)。しかしながら、リン酸エステル系の難燃剤を使用すると、剛性等の機械的強度や、耐熱性が低下するという欠点があった。
特許文献4には、リン酸エステル系の難燃剤の使用による耐熱性低下を解決する反射板材料として、パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩を難燃剤とする組成物を提案している。この組成物は、耐熱性は改良されるものの、機械的強度、特に耐衝撃性は充分とは言えなかった。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−207092号公報
【特許文献2】
特開平9−176471号公報
【特許文献3】
特開平10−1600号公報
【特許文献4】
特開2002−372069号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる現状に鑑みなされたものであって、その目的は、熱安定性に優れ、耐衝撃性が良好で、光反射特性の優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及び該難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる光線反射板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、その要旨は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部、(b)酸化チタン3〜30重量部、(c)パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩0.01〜0.5重量部、(d)ポリテトラフルオロエチレン0.1〜1重量部及び(e)下記一般式(1)で示されるリン酸エステル0.01〜0.5重量部を含有する難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及びかかる難燃性樹脂組成物を成形して成る光線反射板及びその周辺部材に存する。
【0007】
【化2】
【0008】
(式中、nは1又は2であり、Rはアルキル基を表す。)。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される(a)芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物をホスゲンまたは炭酸のジエステルと反応させることによって得られる分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体である。製造方法については、限定されるものではなく、ホスゲン法(界面重合法)あるいは、溶融法(エステル交換法)等で製造することができる。さらに、溶融法で製造された、末端基のOH基量を調整した芳香族ポリカーボネート樹脂を使用することができる。
【0010】
原料の芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシジフェニルなどが挙げられ、好ましくはビスフェノールAである。また、本発明の目的である難燃性をさらに高める目的で上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物を使用することもできる。
【0011】
分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂を得るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどで示されるポリヒドロキシ化合物、あるいは3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5− 臭素イサチンなどを前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部として用いればよく、使用量は、0.01〜10モル%であり、好ましくは0.1〜2モル%である。
【0012】
ポリカーボネート樹脂の分子量を調節するには、一価芳香族ヒドロキシ化合物を用いればよく、m−又はp−メチルフェノール、m−又はp−プロピルフェノール、p−t−ブチルフェノール及びp−長鎖アルキル置換フェノールなどが挙げられる。
本発明に使用される(a)芳香族ポリカーボネート樹脂としては、好ましくは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるポリカーボネート樹脂、または2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるポリカーボネート共重合体が挙げられる。本発明の目的の難燃性をさらに高める目的でシロキサン構造を有するポリマーあるいはオリゴマーを共重合することができる。芳香族ポリカーボネート樹脂としては、2種以上の樹脂を混合して用いることもできる。
【0013】
芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量で、16,000〜30,000であることが好ましく、より好ましくは17,000〜23,000である。
【0014】
本発明に使用される(b)酸化チタンとしては、各種の酸化チタンを用いることができる。酸化チタンの粒子径は、好ましくは0.05〜0.5μmである。粒子径が0.05μm未満であると遮光性及び光反射率に劣り、0.5μmを越えると、遮光性及び光反射率に劣りさらに成形品表面に肌荒れを起こしたり、衝撃強度の低下を生じやすい。酸化チタンの粒子径は、より好ましくは0.1〜0.5μmであり、最も好ましくは0.15〜0.35μmである。
酸化チタンは、塩素法で製造された酸化チタンが好ましい。塩素法で製造された酸化チタンは、硫酸法で製造された酸化チタンに比べて、白度等の点で優れている。酸化チタンの結晶形態としては、ルチル型の酸化チタンが好ましく、アナターゼ型の酸化チタンに比べ、白度、光線反射率及び耐候性の点で優れている。
【0015】
市販されている酸化チタンは、通常、耐候性やハンドリングの観点から、シリカ、アルミナ等の含水酸化物により表面処理されている。しかし、かかる無機処理により酸化チタンの分散性は向上するものの、表面に掲載された無機処理層の吸着水により、かかる酸化チタンを含有するポリカーボネート樹脂組成物は、成形物の外観不良或いは燃焼時のドリッピング等の不具合を生じる。処理量の増加に伴い、特にシリカ成分が増加するとこの不具合は増大する。従って、本発明では、無機処理されていないもの、或いは、表面処理剤としてアルミナ及び/又はジルコニアを用い、かつ、かかる無機処理剤の使用量が酸化チタンに対し、2重量%以下である酸化チタンを使用することが好ましい。
【0016】
酸化チタンは、有機化合物により表面処理されていることが好ましい。特に、無機処理されていない場合は、有機化合物による表面処理は必須である。表面処理剤としては、通常、アルコキシ基、エポキシ基、アミノ基、あるいはSi−H結合を有する有機シラン化合物あるいはポリシロキサン化合物が使用される。特に好ましいのは、ハイドロジェンポリシロキサン(Si−H結合を有するシリコーン化合物)である。有機処理剤の使用量は、酸化チタンに対して1〜5重量%、好ましくは1.5〜3重量%である。
【0017】
本発明組成物中の(b)酸化チタンの含有量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、好ましくは3〜30重量部である。含有量が3重量部未満であると反射性が不十分になりやすく、30重量部を越えると耐衝撃性が不十分になりやすい。酸化チタンの配合量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、好ましくは5〜28重量部であり、更に好ましくは8〜25重量部である。なお、この場合、酸化チタンの量は、表面処理剤の量を包含する。
【0018】
本発明に使用される(c)パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩としては、パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩あるいはアルカリ土類金属塩が挙げられる。塩を構成するアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられ、アルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、及びバリウム等が挙げられる。なかでも、カリウム塩が特に好ましい。本発明に使用される(c)パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩の具体例としては、炭素数が1〜8のパーフルオロアルカン基を有するスルホン酸アルカリ金属塩、炭素数が1〜8のパーフルオロアルカン基を有するスルホン酸アルカリ土類金属塩などである。パーフルオロアルカンスルホン酸の具体例としては、パーフルオロメタンスルホン酸、パーフルオロエタンスルホン酸、パーフルオロプロパンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロヘキサンスルホン酸、パーフルオロヘプタンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸等が挙げられる。
【0019】
本発明組成物中の(c)パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩の含有量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.01〜0.5重量部、好ましくは0.02〜0.3重量部、より好ましくは0.05〜0.2重量部である。パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩の含有量が少ないと難燃性が不十分であり、多すぎるとシルバーストリーク等の外観の低下をきたす。
【0020】
本発明に使用される(d)ポリテトラフルオロエチレンとしては、フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンが挙げられ、重合体中に容易に分散し、かつ重合体同士を結合して繊維状構造を作る傾向を示すものである。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンはASTM規格でタイプ3に分類される。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンとしては、例えば三井・デュポンフロロケミカル(株)より、テフロン(R)6J、あるいはダイキン化学工業(株)よりポリフロンとして市販されている。ポリテトラフルオロエチレンの水性分散液の市販品として、三井デュポンフロロケミカル(株)製のテフロン(R)30J、ダイキン化学工業(株)製フルオンD−1等が挙げられる。さらに、ビニル系単量体を重合して成る多層構造を有するポリテトラフルオロエチレン重合体も使用される。代表例として、三菱レイヨン(株)製メタブレンA−3800が挙げられる。
【0021】
本発明組成物中の(d)ポリテトラフルオロエチレンの含有量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.01〜1重量部である。ポリテトラフルオロエチレンの量が0.01重量部未満であると難燃性が不十分であり、1重量部を越えると成形品外観が低下しやすい。ポリテトラフルオロエチレンの含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、好ましくは0.02〜0.8重量部である。
【0022】
本発明に使用される(e)リン酸エステルは、下記一般式(1)で示される化合物である。
【0023】
【化3】
【0024】
(式中、nは1又は2の数を表し、Rはアルキル基である。)。
一般式(1)中、Rで示されるアルキル基は炭素数8以上、30以下が好ましく、具体的には、オクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル基等が挙げられる。nは、1又は2であり、その混合物であっても良い。この様なリン酸エステルは市販されており、代表例としては、アルキル基が炭素数18である旭電化工業(株)のアデカスタブAX−71が挙げられる。
【0025】
(e)のリン酸エステルを含有することにより、特に本発明の難燃性樹脂組成物は、熱安定性、耐衝撃性が向上する。更に、光線透過率も低下し遮光性が向上し、難燃性等にも好ましい影響を与える。
本発明組成物中の(e)リン酸エステルの含有量は、(a)ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、0.01〜0.5重量部、好ましくは、0.01〜0.1重量部である。リン酸エステルの量が少ないと、熱安定性、耐衝撃性等の効果が不十分であり、一方、リン酸エステルの量が多すぎると返って耐衝撃性が低下し、成形品の外観が不良と成りやすく、また、難燃性も不十分となるので好ましくない。
【0026】
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、上記(a)〜(e)を必須成分として含有するが、その他に、必要に応じ本発明の効果を損なわない範囲で、衝撃改良剤、蛍光増白剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤、顔料、染料、滑剤、その他難燃剤、離型剤、摺動性改良剤等の添加剤、ガラス繊維、ガラスフレーク等の強化材あるいはチタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム等のウィスカー、芳香族ポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂を配合することができる。特に、本発明の組成物の用途である光反射板用途で、要求される光反射特性及び耐候性を改良する為、蛍光増白剤あるいは、紫外線吸収剤を添加することが好ましい。
【0027】
本発明に使用される蛍光増白剤は、成形品を明るく見せるため、成形品に加えれられる顔料あるいは染料であり、成形品の黄色味を消し、明るさを増加させる添加剤で、この点では、ブルーイング剤と似ているが、ブルーイング剤が黄色光を除去するのに対して、この増白剤は紫外線を吸収し、そのエネルギーを可視部青紫色の光線に変えて放射する点で異なっている。なお、一般的にはクマリン系、ナフトトリアゾリルスチルベン系、ベンズオキサゾール系、ベンズイミダゾール系、およびジアミノスチルベン−ジスルホネート系などの蛍光増白剤が使用される。例えば、ハッコールケミカル(株)のハッコール PSR、ヘキストAGのHOSTALUX KCB、住友化学のWHITEFLOUR PSN CONC等が使用される。
蛍光増白剤の配合量は、本発明組成物中の(a)芳香族ポリカーボネート100重量部に対し、0.005〜0.1重量部の範囲が好ましい。
【0028】
本発明に使用される紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、ヒンダードアミン系等があげられる。紫外線吸収剤を配合することにより耐候性を向上することができる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン等が挙げられる。
【0029】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0030】
サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤としては、フェニルサリチレート、2−4−ジターシャリーブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート等が挙げられる。
【0031】
紫外線吸収剤としては、上記以外に紫外線の保有するエネルギーを、分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを、熱エネルギー等として放出する機能を有する化合物が含まれる。さらに、酸化防止剤あるいは着色剤等との併用で効果を発現するもの、あるいはクエンチャーと呼ばれる、光エネルギー変換剤的に作用する光安定剤等も併用することができる。
【0032】
本発明組成物中の紫外線吸収剤の配合量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、0.01〜2重量部である。紫外線吸収剤が0.01重量部未満であると耐侯性が不十分であり、2重量部を越えると黄味が強くなるので調色性に劣り、またブリードアウトの原因にもなりやすい。紫外線吸収剤の配合量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、好ましくは、0.05〜1.8重量部であり、さらに好ましくは0.1〜1.5重量部である。
【0033】
芳香族ポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、HIPS樹脂あるいはABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。芳香族ポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂の配合量は、好ましくは、芳香族ポリカーボネート樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂との合計量の40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。
【0034】
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法としては、特に制限されるものではなく、例えば、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂、(b)酸化チタン、(c)パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩、(d)ポリテトラフルオロエチレン、(e)リン酸エステル及び必要により添加される、蛍光増白剤等を一括溶融混練する方法、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂と(b)酸化チタン、(c)パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩をあらかじめ混練後、その他の成分を配合し溶融混練する方法、さらには、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂と(c)パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩を予め混合後、その他の成分を配合し溶融混練する方法などが挙げられる。
【0035】
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、各種成形品の成形材料として使用できるが、難燃性である上に光線反射率、光線遮光性に優れている。本発明樹脂組成物は、光反射率も95%以上と高く、さらに1mm肉厚での全光線透過率も、0.5%以下と遮光性に優れ、又、1.0mmの肉厚でV−0の難燃性を有するので、特に各種の光線反射板及びその周辺部材用材料として有用である。
【0036】
本発明に係わる光線反射板の製法は特に限定されるものではなく、公知の熱可塑性樹脂成形法により成形することができる。本発明の光線反射板は、難燃性である上、光線反射率、遮光性に優れており、例えば、液晶表示装置のバックライト用光線反射板、電気・電子機器、広告灯などの照明用装置、自動車用メーターパネルなどの自動車用機器などの難燃性反射板として有用である。なお、本明細書においては、光線反射板には、例えば液晶表示装置バックライトのフレーム等の周辺部材も包含される。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例に限定されるものではない。
実施例および比較例においては次に記載の原材料を用いた。
(1)PC−1:ポリカーボネート樹脂、ポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニルカーボネート、粘度平均分子量21,000、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユーピロンS−3000」。
(2)PC−2:ポリカーボネート樹脂、ポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニルカーボネート、粘度平均分子量19,000、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユーピロンH−3000」。
【0038】
(3)酸化チタン−1:メチルハイドロジェンポリシロキサン表面処理酸化チタン、デュポン(株)製「タイピュアR−106」。
(4)酸化チタン−2:シリカアルミナ処理及びメチルハイドロジェンポリシロキサン表面処理酸化チタン、石原産業(株)製「タイペークPC−3」。
【0039】
(5)KFBS:パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩、三菱マテリアル(株)製。
(6)蛍光増白剤:3−フェニル−7−(2H−ナフト(1,2−d)−トリアゾール−2−イル)クマリン、ハッコールケミカル(株)製「ハッコール PSR」。
【0040】
(7)PTFE−1:ポリテトラフルオロエチレン、ダイキン化学工業(株)製「ポリフロンF−201L」。
(8)PTFE−2:ポリテトラフルオロエチレン多層構造体、三菱レイヨン(株)製「メタブレンA−3800」。
(9)AP:アルキルアシッドホスフェート、旭電化工業(株)製「アデカスタブAX−71」、[一般式(1)において、RがC18H37、nが1または2の化合物の混合物]。
【0041】
(10)紫外線吸収剤:2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、シプロ化成(株)製「シーソーブ709」。
(11)安定剤:(I)ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、旭電化工業(株)製「PEP−36」0.07重量部、及び(II)ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)]、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「Irgnox1010」0.13重量部の混合物。
【0042】
(12)離型剤:ステアリン酸、日本油脂(株)製「NAA180」、及びペンタエリスリトールジステアレート、日本油脂(株)製「H−476D」。
【0043】
樹脂組成物は、以下に記載の方法で試験、評価した。
(13)燃焼性:1.0mm厚みのUL規格の試験片により垂直燃焼試験を行い、評価した。
(14)光線反射率:試験片として、シリンダー温度280℃にて射出成形した厚み2mmの角板を用い、700nm及び400nmでの光線反射率を測定した。
(15)光線透過率:試験片として、シリンダー温度280℃にて射出成形した厚み1mmの角板を用い、光線透過率を測定した。
【0044】
(16)外観:試験片として、シリンダー温度280℃にて射出成形した厚み3mmの角板を用い、目視にて成形品外観を評価し、「○」は良好、「×」は外観不良の基準で評価した。
(17)アイゾット衝撃強度:3.2mmのアイゾット衝撃試験片を成形し、その後0.25Rのノッチを切削し、ASTM D256に準じて評価を行った。
【0045】
実施例1
芳香族ポリカーボネート樹脂(PC−1)100重量部に対し、酸化チタン−1を14重量部、KFBS0.2重量部、ポリテトラフルオロエチレン−1を0.25重量部、アルキルアシッドフォスフェート(AP)0.25重量部、蛍光増白剤0.03重量部、安定剤0.2重量部、離型剤0.2重量部配合し、タンブラーにて20分混合後、30mm二軸押出機にてシリンダー温度270℃でペレット化した。得られたペレットを用い、射出成形機にてシリンダー温度280℃で、燃焼試験片を成形し、燃焼性を評価した。さらに、シリンダー温度280℃にて、各種試験片を成形し、評価を行った。評価結果を表−1に示した。
【0046】
実施例2〜4及び比較例1〜4
表−1又は表−2に示す処方で原料を配合する以外は実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂組成物ペレットを製造し、実施例1と同様にして試験片を成形し、評価した。結果を表−1又は表−2に示した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
表−1及び表−2から明らかなように、実施例1,2は、それぞれ、アルキルアシッドフォスフェート(AP)を含有しない以外は同じ組成の比較例1及び2の組成物に比較し、光線透過率が低下し、遮光性が向上しており、特にアイゾット衝撃強度が大幅に増大している。無機処理を施した酸化チタン−2を使用する場合,APを含有する実施例4の組成物は、酸化チタン−1を使用した実施例2の組成物に比べ、光線透過率の増大及びアイゾット衝撃強度の低下は小さいが、APを含有しない比較例3では難燃性がV−2と大幅に低下し、光線透過率も酸化チタン−1を使用する比較例2に比べ、2倍以上に増加している。従って,APの添加により、耐衝撃性が大幅に向上すると共に、難燃性の向上、光線透過率の減少(遮光性の向上)といった光線反射板として要求される性能が向上していることが明らかである。
【0050】
【発明の効果】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、優れた難燃性、耐熱性、光線反射率を有し、特に、アルキルアシッドホスフェートを含有することにより、耐衝撃強性、遮光性に優れており、各種光線反射板用途に使用できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物に関し、詳しくは、臭素系あるいは燐酸エステル系の難燃剤を使用することなく、光反射性の良好な難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及び該難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる光線反射板及びその周辺部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は優れた機械的性質を有しており、自動車分野、OA機器分野、電気・電子分野をはじめ工業的に広く利用されている。例えば、ポリカーボネート樹脂に酸化チタン等の白色顔料を添加した組成物は、コンピュータあるいはテレビ等の液晶表示装置のバックライト、照光式プッシュスイッチ、光電スイッチ等の反射板等の、高度の光線反射率が要求される反射板の材料として使用されている。これらの光線反射板は、光線反射率と共に、高度の難燃性が必要で、更に、機械的物性、耐熱性等も良好であることが必要である。
従来、ポリカーボネート樹脂を難燃化するために、難燃剤として臭素化合物、例えば臭素化ポリカーボネート等が専ら使用されてきたが、高度の難燃性を達成するためにはかなりの量の臭素化物を使用する必要があり、かかる組成物は、加熱により臭素ガスを発生して成形装置の腐食や環境汚染を招くため、非臭素系の難燃剤の使用が求められている。
【0003】
酸化チタンを含有するポリカーボネート樹脂組成物の非臭素系難燃剤として、リン酸エステル系の難燃剤を使用することが提案されている(特許文献1〜3参照)。しかしながら、リン酸エステル系の難燃剤を使用すると、剛性等の機械的強度や、耐熱性が低下するという欠点があった。
特許文献4には、リン酸エステル系の難燃剤の使用による耐熱性低下を解決する反射板材料として、パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩を難燃剤とする組成物を提案している。この組成物は、耐熱性は改良されるものの、機械的強度、特に耐衝撃性は充分とは言えなかった。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−207092号公報
【特許文献2】
特開平9−176471号公報
【特許文献3】
特開平10−1600号公報
【特許文献4】
特開2002−372069号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる現状に鑑みなされたものであって、その目的は、熱安定性に優れ、耐衝撃性が良好で、光反射特性の優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及び該難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる光線反射板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、その要旨は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部、(b)酸化チタン3〜30重量部、(c)パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩0.01〜0.5重量部、(d)ポリテトラフルオロエチレン0.1〜1重量部及び(e)下記一般式(1)で示されるリン酸エステル0.01〜0.5重量部を含有する難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及びかかる難燃性樹脂組成物を成形して成る光線反射板及びその周辺部材に存する。
【0007】
【化2】
【0008】
(式中、nは1又は2であり、Rはアルキル基を表す。)。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される(a)芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物をホスゲンまたは炭酸のジエステルと反応させることによって得られる分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体である。製造方法については、限定されるものではなく、ホスゲン法(界面重合法)あるいは、溶融法(エステル交換法)等で製造することができる。さらに、溶融法で製造された、末端基のOH基量を調整した芳香族ポリカーボネート樹脂を使用することができる。
【0010】
原料の芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシジフェニルなどが挙げられ、好ましくはビスフェノールAである。また、本発明の目的である難燃性をさらに高める目的で上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物を使用することもできる。
【0011】
分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂を得るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどで示されるポリヒドロキシ化合物、あるいは3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5− 臭素イサチンなどを前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部として用いればよく、使用量は、0.01〜10モル%であり、好ましくは0.1〜2モル%である。
【0012】
ポリカーボネート樹脂の分子量を調節するには、一価芳香族ヒドロキシ化合物を用いればよく、m−又はp−メチルフェノール、m−又はp−プロピルフェノール、p−t−ブチルフェノール及びp−長鎖アルキル置換フェノールなどが挙げられる。
本発明に使用される(a)芳香族ポリカーボネート樹脂としては、好ましくは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるポリカーボネート樹脂、または2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるポリカーボネート共重合体が挙げられる。本発明の目的の難燃性をさらに高める目的でシロキサン構造を有するポリマーあるいはオリゴマーを共重合することができる。芳香族ポリカーボネート樹脂としては、2種以上の樹脂を混合して用いることもできる。
【0013】
芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量で、16,000〜30,000であることが好ましく、より好ましくは17,000〜23,000である。
【0014】
本発明に使用される(b)酸化チタンとしては、各種の酸化チタンを用いることができる。酸化チタンの粒子径は、好ましくは0.05〜0.5μmである。粒子径が0.05μm未満であると遮光性及び光反射率に劣り、0.5μmを越えると、遮光性及び光反射率に劣りさらに成形品表面に肌荒れを起こしたり、衝撃強度の低下を生じやすい。酸化チタンの粒子径は、より好ましくは0.1〜0.5μmであり、最も好ましくは0.15〜0.35μmである。
酸化チタンは、塩素法で製造された酸化チタンが好ましい。塩素法で製造された酸化チタンは、硫酸法で製造された酸化チタンに比べて、白度等の点で優れている。酸化チタンの結晶形態としては、ルチル型の酸化チタンが好ましく、アナターゼ型の酸化チタンに比べ、白度、光線反射率及び耐候性の点で優れている。
【0015】
市販されている酸化チタンは、通常、耐候性やハンドリングの観点から、シリカ、アルミナ等の含水酸化物により表面処理されている。しかし、かかる無機処理により酸化チタンの分散性は向上するものの、表面に掲載された無機処理層の吸着水により、かかる酸化チタンを含有するポリカーボネート樹脂組成物は、成形物の外観不良或いは燃焼時のドリッピング等の不具合を生じる。処理量の増加に伴い、特にシリカ成分が増加するとこの不具合は増大する。従って、本発明では、無機処理されていないもの、或いは、表面処理剤としてアルミナ及び/又はジルコニアを用い、かつ、かかる無機処理剤の使用量が酸化チタンに対し、2重量%以下である酸化チタンを使用することが好ましい。
【0016】
酸化チタンは、有機化合物により表面処理されていることが好ましい。特に、無機処理されていない場合は、有機化合物による表面処理は必須である。表面処理剤としては、通常、アルコキシ基、エポキシ基、アミノ基、あるいはSi−H結合を有する有機シラン化合物あるいはポリシロキサン化合物が使用される。特に好ましいのは、ハイドロジェンポリシロキサン(Si−H結合を有するシリコーン化合物)である。有機処理剤の使用量は、酸化チタンに対して1〜5重量%、好ましくは1.5〜3重量%である。
【0017】
本発明組成物中の(b)酸化チタンの含有量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、好ましくは3〜30重量部である。含有量が3重量部未満であると反射性が不十分になりやすく、30重量部を越えると耐衝撃性が不十分になりやすい。酸化チタンの配合量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、好ましくは5〜28重量部であり、更に好ましくは8〜25重量部である。なお、この場合、酸化チタンの量は、表面処理剤の量を包含する。
【0018】
本発明に使用される(c)パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩としては、パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩あるいはアルカリ土類金属塩が挙げられる。塩を構成するアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられ、アルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、及びバリウム等が挙げられる。なかでも、カリウム塩が特に好ましい。本発明に使用される(c)パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩の具体例としては、炭素数が1〜8のパーフルオロアルカン基を有するスルホン酸アルカリ金属塩、炭素数が1〜8のパーフルオロアルカン基を有するスルホン酸アルカリ土類金属塩などである。パーフルオロアルカンスルホン酸の具体例としては、パーフルオロメタンスルホン酸、パーフルオロエタンスルホン酸、パーフルオロプロパンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロヘキサンスルホン酸、パーフルオロヘプタンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸等が挙げられる。
【0019】
本発明組成物中の(c)パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩の含有量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.01〜0.5重量部、好ましくは0.02〜0.3重量部、より好ましくは0.05〜0.2重量部である。パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩の含有量が少ないと難燃性が不十分であり、多すぎるとシルバーストリーク等の外観の低下をきたす。
【0020】
本発明に使用される(d)ポリテトラフルオロエチレンとしては、フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンが挙げられ、重合体中に容易に分散し、かつ重合体同士を結合して繊維状構造を作る傾向を示すものである。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンはASTM規格でタイプ3に分類される。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンとしては、例えば三井・デュポンフロロケミカル(株)より、テフロン(R)6J、あるいはダイキン化学工業(株)よりポリフロンとして市販されている。ポリテトラフルオロエチレンの水性分散液の市販品として、三井デュポンフロロケミカル(株)製のテフロン(R)30J、ダイキン化学工業(株)製フルオンD−1等が挙げられる。さらに、ビニル系単量体を重合して成る多層構造を有するポリテトラフルオロエチレン重合体も使用される。代表例として、三菱レイヨン(株)製メタブレンA−3800が挙げられる。
【0021】
本発明組成物中の(d)ポリテトラフルオロエチレンの含有量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.01〜1重量部である。ポリテトラフルオロエチレンの量が0.01重量部未満であると難燃性が不十分であり、1重量部を越えると成形品外観が低下しやすい。ポリテトラフルオロエチレンの含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、好ましくは0.02〜0.8重量部である。
【0022】
本発明に使用される(e)リン酸エステルは、下記一般式(1)で示される化合物である。
【0023】
【化3】
【0024】
(式中、nは1又は2の数を表し、Rはアルキル基である。)。
一般式(1)中、Rで示されるアルキル基は炭素数8以上、30以下が好ましく、具体的には、オクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル基等が挙げられる。nは、1又は2であり、その混合物であっても良い。この様なリン酸エステルは市販されており、代表例としては、アルキル基が炭素数18である旭電化工業(株)のアデカスタブAX−71が挙げられる。
【0025】
(e)のリン酸エステルを含有することにより、特に本発明の難燃性樹脂組成物は、熱安定性、耐衝撃性が向上する。更に、光線透過率も低下し遮光性が向上し、難燃性等にも好ましい影響を与える。
本発明組成物中の(e)リン酸エステルの含有量は、(a)ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、0.01〜0.5重量部、好ましくは、0.01〜0.1重量部である。リン酸エステルの量が少ないと、熱安定性、耐衝撃性等の効果が不十分であり、一方、リン酸エステルの量が多すぎると返って耐衝撃性が低下し、成形品の外観が不良と成りやすく、また、難燃性も不十分となるので好ましくない。
【0026】
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、上記(a)〜(e)を必須成分として含有するが、その他に、必要に応じ本発明の効果を損なわない範囲で、衝撃改良剤、蛍光増白剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤、顔料、染料、滑剤、その他難燃剤、離型剤、摺動性改良剤等の添加剤、ガラス繊維、ガラスフレーク等の強化材あるいはチタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム等のウィスカー、芳香族ポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂を配合することができる。特に、本発明の組成物の用途である光反射板用途で、要求される光反射特性及び耐候性を改良する為、蛍光増白剤あるいは、紫外線吸収剤を添加することが好ましい。
【0027】
本発明に使用される蛍光増白剤は、成形品を明るく見せるため、成形品に加えれられる顔料あるいは染料であり、成形品の黄色味を消し、明るさを増加させる添加剤で、この点では、ブルーイング剤と似ているが、ブルーイング剤が黄色光を除去するのに対して、この増白剤は紫外線を吸収し、そのエネルギーを可視部青紫色の光線に変えて放射する点で異なっている。なお、一般的にはクマリン系、ナフトトリアゾリルスチルベン系、ベンズオキサゾール系、ベンズイミダゾール系、およびジアミノスチルベン−ジスルホネート系などの蛍光増白剤が使用される。例えば、ハッコールケミカル(株)のハッコール PSR、ヘキストAGのHOSTALUX KCB、住友化学のWHITEFLOUR PSN CONC等が使用される。
蛍光増白剤の配合量は、本発明組成物中の(a)芳香族ポリカーボネート100重量部に対し、0.005〜0.1重量部の範囲が好ましい。
【0028】
本発明に使用される紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、ヒンダードアミン系等があげられる。紫外線吸収剤を配合することにより耐候性を向上することができる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン等が挙げられる。
【0029】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0030】
サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤としては、フェニルサリチレート、2−4−ジターシャリーブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート等が挙げられる。
【0031】
紫外線吸収剤としては、上記以外に紫外線の保有するエネルギーを、分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを、熱エネルギー等として放出する機能を有する化合物が含まれる。さらに、酸化防止剤あるいは着色剤等との併用で効果を発現するもの、あるいはクエンチャーと呼ばれる、光エネルギー変換剤的に作用する光安定剤等も併用することができる。
【0032】
本発明組成物中の紫外線吸収剤の配合量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、0.01〜2重量部である。紫外線吸収剤が0.01重量部未満であると耐侯性が不十分であり、2重量部を越えると黄味が強くなるので調色性に劣り、またブリードアウトの原因にもなりやすい。紫外線吸収剤の配合量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、好ましくは、0.05〜1.8重量部であり、さらに好ましくは0.1〜1.5重量部である。
【0033】
芳香族ポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、HIPS樹脂あるいはABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。芳香族ポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂の配合量は、好ましくは、芳香族ポリカーボネート樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂との合計量の40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。
【0034】
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法としては、特に制限されるものではなく、例えば、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂、(b)酸化チタン、(c)パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩、(d)ポリテトラフルオロエチレン、(e)リン酸エステル及び必要により添加される、蛍光増白剤等を一括溶融混練する方法、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂と(b)酸化チタン、(c)パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩をあらかじめ混練後、その他の成分を配合し溶融混練する方法、さらには、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂と(c)パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩を予め混合後、その他の成分を配合し溶融混練する方法などが挙げられる。
【0035】
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、各種成形品の成形材料として使用できるが、難燃性である上に光線反射率、光線遮光性に優れている。本発明樹脂組成物は、光反射率も95%以上と高く、さらに1mm肉厚での全光線透過率も、0.5%以下と遮光性に優れ、又、1.0mmの肉厚でV−0の難燃性を有するので、特に各種の光線反射板及びその周辺部材用材料として有用である。
【0036】
本発明に係わる光線反射板の製法は特に限定されるものではなく、公知の熱可塑性樹脂成形法により成形することができる。本発明の光線反射板は、難燃性である上、光線反射率、遮光性に優れており、例えば、液晶表示装置のバックライト用光線反射板、電気・電子機器、広告灯などの照明用装置、自動車用メーターパネルなどの自動車用機器などの難燃性反射板として有用である。なお、本明細書においては、光線反射板には、例えば液晶表示装置バックライトのフレーム等の周辺部材も包含される。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例に限定されるものではない。
実施例および比較例においては次に記載の原材料を用いた。
(1)PC−1:ポリカーボネート樹脂、ポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニルカーボネート、粘度平均分子量21,000、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユーピロンS−3000」。
(2)PC−2:ポリカーボネート樹脂、ポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニルカーボネート、粘度平均分子量19,000、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユーピロンH−3000」。
【0038】
(3)酸化チタン−1:メチルハイドロジェンポリシロキサン表面処理酸化チタン、デュポン(株)製「タイピュアR−106」。
(4)酸化チタン−2:シリカアルミナ処理及びメチルハイドロジェンポリシロキサン表面処理酸化チタン、石原産業(株)製「タイペークPC−3」。
【0039】
(5)KFBS:パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩、三菱マテリアル(株)製。
(6)蛍光増白剤:3−フェニル−7−(2H−ナフト(1,2−d)−トリアゾール−2−イル)クマリン、ハッコールケミカル(株)製「ハッコール PSR」。
【0040】
(7)PTFE−1:ポリテトラフルオロエチレン、ダイキン化学工業(株)製「ポリフロンF−201L」。
(8)PTFE−2:ポリテトラフルオロエチレン多層構造体、三菱レイヨン(株)製「メタブレンA−3800」。
(9)AP:アルキルアシッドホスフェート、旭電化工業(株)製「アデカスタブAX−71」、[一般式(1)において、RがC18H37、nが1または2の化合物の混合物]。
【0041】
(10)紫外線吸収剤:2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、シプロ化成(株)製「シーソーブ709」。
(11)安定剤:(I)ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、旭電化工業(株)製「PEP−36」0.07重量部、及び(II)ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)]、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「Irgnox1010」0.13重量部の混合物。
【0042】
(12)離型剤:ステアリン酸、日本油脂(株)製「NAA180」、及びペンタエリスリトールジステアレート、日本油脂(株)製「H−476D」。
【0043】
樹脂組成物は、以下に記載の方法で試験、評価した。
(13)燃焼性:1.0mm厚みのUL規格の試験片により垂直燃焼試験を行い、評価した。
(14)光線反射率:試験片として、シリンダー温度280℃にて射出成形した厚み2mmの角板を用い、700nm及び400nmでの光線反射率を測定した。
(15)光線透過率:試験片として、シリンダー温度280℃にて射出成形した厚み1mmの角板を用い、光線透過率を測定した。
【0044】
(16)外観:試験片として、シリンダー温度280℃にて射出成形した厚み3mmの角板を用い、目視にて成形品外観を評価し、「○」は良好、「×」は外観不良の基準で評価した。
(17)アイゾット衝撃強度:3.2mmのアイゾット衝撃試験片を成形し、その後0.25Rのノッチを切削し、ASTM D256に準じて評価を行った。
【0045】
実施例1
芳香族ポリカーボネート樹脂(PC−1)100重量部に対し、酸化チタン−1を14重量部、KFBS0.2重量部、ポリテトラフルオロエチレン−1を0.25重量部、アルキルアシッドフォスフェート(AP)0.25重量部、蛍光増白剤0.03重量部、安定剤0.2重量部、離型剤0.2重量部配合し、タンブラーにて20分混合後、30mm二軸押出機にてシリンダー温度270℃でペレット化した。得られたペレットを用い、射出成形機にてシリンダー温度280℃で、燃焼試験片を成形し、燃焼性を評価した。さらに、シリンダー温度280℃にて、各種試験片を成形し、評価を行った。評価結果を表−1に示した。
【0046】
実施例2〜4及び比較例1〜4
表−1又は表−2に示す処方で原料を配合する以外は実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂組成物ペレットを製造し、実施例1と同様にして試験片を成形し、評価した。結果を表−1又は表−2に示した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
表−1及び表−2から明らかなように、実施例1,2は、それぞれ、アルキルアシッドフォスフェート(AP)を含有しない以外は同じ組成の比較例1及び2の組成物に比較し、光線透過率が低下し、遮光性が向上しており、特にアイゾット衝撃強度が大幅に増大している。無機処理を施した酸化チタン−2を使用する場合,APを含有する実施例4の組成物は、酸化チタン−1を使用した実施例2の組成物に比べ、光線透過率の増大及びアイゾット衝撃強度の低下は小さいが、APを含有しない比較例3では難燃性がV−2と大幅に低下し、光線透過率も酸化チタン−1を使用する比較例2に比べ、2倍以上に増加している。従って,APの添加により、耐衝撃性が大幅に向上すると共に、難燃性の向上、光線透過率の減少(遮光性の向上)といった光線反射板として要求される性能が向上していることが明らかである。
【0050】
【発明の効果】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、優れた難燃性、耐熱性、光線反射率を有し、特に、アルキルアシッドホスフェートを含有することにより、耐衝撃強性、遮光性に優れており、各種光線反射板用途に使用できる。
Claims (6)
- (e)が、一般式(1)において、Rが炭素数8〜30のアルキルで示されるアルキルアシッドホスフェートである請求項1記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- (b)酸化チタンが、有機シロキサン化合物により表面処理されたものである請求項1記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 有機シロキサン化合物がハイドロジェンポリシロキサンである請求項3記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- (a)ポリカーボネート樹脂が、粘度平均分子量16,000〜30,000である請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいすれかに記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる光線反射板。
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