JP2005015404A - 消炎鎮痛用貼付剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ゴム系粘着剤、ジクロフェナク塩、及び酸性アミノ酸を含有する粘着剤組成物からなる粘着剤層が支持体上に配置されている消炎鎮痛用貼付剤。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非ステロイド性消炎鎮痛薬のジクロフェナク塩を含有するゴム系粘着剤層が支持体上に設けられた経皮吸収型の消炎鎮痛用貼付剤に関し、さらに詳しくは、薬剤の経皮吸収性に優れ、かつゴム系粘着剤層中での薬剤の安定性に優れた消炎鎮痛用貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジクロフェナク(dichlofenac)ナトリウムなどのジクロフェナク塩は、消炎鎮痛解熱効果に優れた非ステロイド性薬剤である。ジクロフェナク塩を有効成分とする錠剤、カプセル剤、坐剤などは、投与により全身作用を発揮する。しかし、ジクロフェナク塩を有効成分とする錠剤やカプセル剤を経口投与すると、胃腸などの消化器系への副作用が高頻度で発生する。ジクロフェナク塩を有効成分とする坐剤は、胃腸障害をもつ患者への投与が制限される。
【0003】
近年、ジクロフェナク塩を有効成分とする軟膏剤やパップ剤、貼付剤などの経皮吸収型製剤が開発されている(例えば、特許文献1〜7参照。)。これらの経皮吸収型製剤は、炎症部位に塗布または貼付することにより、ジクロフェナク塩を経皮吸収させて局所的に作用させることができ、胃腸障害などの副作用を回避することができる。
【0004】
しかし、ジクロフェナク塩を有効成分とする軟膏剤は、効果の持続性に劣り、効果を持続させるには、1日に数回も患部に塗布する必要がある。また、軟膏剤は、指で皮膚に塗布し、塗布後は、衣服に付着しないようにガーゼや包帯などを巻きつけて固定する必要がある。そのため、軟膏剤は、利便性に劣る。
【0005】
パップ剤は、水を含有する製剤であるが、ジクロフェナク塩の水に対する溶解性が低いため、アルコールなどの有機溶剤を併用して、溶解性を高める必要がある。しかし、揮発性の溶剤を使用すると、保存中に溶剤が揮散してジクロフェナク塩が析出するため、製剤の安定性に劣る。また、有機溶剤の種類によっては、皮膚刺激性を有するものがある。さらに、パップ剤は、一般にジクロフェナク塩の経皮吸収性が十分ではない。
【0006】
ジクロフェナク塩を有効成分とする貼付剤(「テープ製剤」ともいう)は、柔軟な支持体上にジクロフェナク塩を含有する粘着剤層を設けた構成を有する製剤であって、炎症部位の皮膚面に貼付することにより、ジクロフェナク塩を持続的に経皮吸収させることができる。しかし、ジクロフェナク塩を有効成分とする貼付剤は、実際には、ジクロフェナク塩の有効量を経皮吸収させることが困難である。その理由としては、ヒトの皮膚の角質層が脂溶成分を多量に含有しバリヤー機能を発揮するため、ジクロフェナクナトリウムなどの塩形態を有する薬剤の皮膚透過が阻害されるためであると考えられている。
【0007】
従来、ジクロフェナクナトリウムを有効成分とする貼付剤において、粘着剤層に、クエン酸、コハク酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、サリチル酸、酢酸などの有機酸を含有させて、粘着剤層へのジクロフェナクナトリウムの溶解性を向上させ、かつ経皮吸収性も向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
また、粘着膏体基剤中に、ジクロフェナクナトリウム、ピロリドンまたはその誘導体、多価アルコール脂肪酸エステル、及び有機酸を含有する油性の鎮痛抗炎症局所作用型の貼付剤が提案されている(例えば、特許文献7参照。)。この特許文献7には、有機酸としてクエン酸、酒石酸、コハク酸などの炭素数3〜6のジまたはトリカルボン酸が記載されている。
【0009】
このような有機酸を使用すると、ジクロフェナク塩との反応により有機酸塩が形成されて、ジクロフェナク塩がフリー体のジクロフェナクとなり、経皮吸収性が改善される。しかし、使用する有機酸の種類によっては、生成する有機酸塩が皮膚刺激性を有することがある。また、従来提案されている有機酸では、薬剤の経皮吸収性の改善効果が未だ十分ではない。さらに、有機酸を含有する粘着剤中では、フリー体のジクロフェナクの安定性が損なわれやすい。
【0010】
【特許文献1】
特開昭61−280426号公報 (第1−3頁、各実施例)
【特許文献2】
特開昭64−40420号公報 (第1頁)
【特許文献3】
特公平4−25929号公報 (第1頁)
【特許文献4】
特開平4−193826号公報 (第1頁)
【特許文献5】
特公平7−121860号公報 (第1頁)
【特許文献6】
特開平11−35458号公報 (第1−2頁)
【特許文献7】
特開2002−338462号公報 (第1−3頁、各実施例)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ジクロフェナク塩を有効成分とする経皮吸収型の消炎鎮痛用貼付剤において、薬剤の経皮吸収性が著しく向上し、しかも粘着剤層中での薬剤の安定性に優れた消炎鎮痛用貼付剤を提供することにある。
【0012】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究した結果、粘着剤の基剤としてスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SIS」と略記することがある)等のゴム系粘着剤を使用し、このゴム系粘着剤にジクロフェナク塩と酸性アミノ酸とを含有させることにより、従来公知の有機酸を用いた場合に比べて、薬剤の経皮吸収性が顕著に向上し、ゴム系粘着剤層中での薬剤の安定性にも優れた貼付剤の得られることを見出した。ジクロフェナク塩と酸性アミノ酸との反応により形成される酸性アミノ酸ナトリウムなどの塩は、殆んど皮膚刺激性がないものである。
【0013】
また、ゴム系粘着剤とジクロフェナク塩と酸性アミノ酸とを含有する粘着剤組成物に、安定剤としてメントールを併用することにより、粘着剤層中でのジクロフェナク塩のフリー体の安定性がより一層改善される。さらに、経皮吸収促進剤として多価アルコール脂肪酸エステルを含有させると、経皮吸収性がより一層改善される。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、ゴム系粘着剤、ジクロフェナク塩、及び酸性アミノ酸を含有する粘着剤組成物からなる粘着剤層が支持体上に配置されている消炎鎮痛用貼付剤が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明では、経皮吸収型製剤の剤型として貼付剤(テープ製剤)を選択し、かつ薬剤を含有する粘着剤基剤としてゴム系粘着剤を選択的に使用する。剤型を含水製剤であるパップ剤とすると、親水性の酸性アミノ酸が水に溶解する一方で、フリー体となったジクロフェナクが水に対して難溶性のため水と分離するため、全成分を均一に分散することが極めて困難になる。パップ剤での全成分の均一な分散を達成するために界面活性剤を添加すると、薬剤がミセル化して皮膚透過性が著しく低下する。
【0016】
貼付剤の粘着剤基剤としてアクリル系粘着剤を使用すると、フリー体となった脂溶性のジクロフェナクがアクリル系粘着剤に溶解しやすいため、粘着剤層中での薬剤の熱力学的活動度を高く維持することが難しくなる。粘着剤層中での薬剤の熱力学的活動度が低下すると、薬剤の放出と経皮吸収性が低下する。シリコーン系粘着剤については、ジクロフェナク塩を含む各種添加剤成分との相溶性が乏しく、製剤化が難しい。
【0017】
これに対して、ゴム系粘着剤を用いると、ジクロフェナク塩、酸性アミノ酸、その他の添加剤成分との相溶性が良好であり、経皮吸収性に優れ、薬剤の安定性にも優れた貼付剤を得ることができる。
【0018】
ゴム系粘着剤のエラストマー成分としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ポリイソブチレン、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)等が挙げられる。
【0019】
これらのエラストマー成分は、それぞれ単独で、或は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのエラストマー成分の中でも、皮膚に対する感作性が少なく、かつ分子内に架橋点が存在するSIS、SBS、SEBSなどの熱可塑性エラストマーが好ましく、SISが特に好ましい。
【0020】
例えば、天然ゴムは、たんぱく質由来の感作性のあることが報告されており、特に皮膚刺激性の低いことが要求される用途には必ずしも適していない。また、ポリイソブチレンやイソプレンゴムは、分子内に架橋点が存在しないため、各種添加剤成分の保持機能が十分ではない。
【0021】
これに対して、熱可塑性エラストマーは、感作性がなく、スチレンブロックの持つ擬似的な架橋点により、経皮吸収促進剤等の添加剤成分の保持性に優れ、しかも脂溶性薬剤に対する溶解性にも乏しい。そのため、SISなどの熱可塑性エラストマーを使用すると、安定した粘着性と、高い熱力学的活動度を維持することができ、その結果、薬剤の優れた皮膚透過性を達成することができる。
【0022】
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)としては、スチレン含量、ジブロック量、及び構造の違いにより多くの種類のものが市販されている。本発明では、この技術分野で従来から用いられているSISなどの熱可塑性エラストマーであれば、いずれの市販品であっても好適に使用することができる。もちろん、市販品だけではなく、独自に合成したエラストマー成分も使用することができる。
【0023】
ゴム系粘着剤には、一般に、粘着性を高めるために粘着付与剤が配合される。粘着付与剤としては、例えば、C5石油樹脂、C9石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂などを挙げることができる。粘着付与剤は、エラストマー成分100重量部に対して、通常0〜350重量部、好ましくは10〜250重量部、より好ましくは20〜200重量部の割合で使用される。ゴム系粘着剤には、必要に応じて、流動パラフィンなどの軟化剤、充填剤、酸化防止剤、架橋剤などを含有させてもよい。
【0024】
本発明では、非ステロイド性消炎鎮痛薬として、ジクロフェナクナトリウムに代表されるジクロフェナク塩を使用する。ジクロフェナク塩は、粘着剤組成物中に、通常0.5〜25重量%、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは3〜15重量%の割合で含有させる。ジクロフェナク塩の濃度が低すぎると、十分な薬効を得ることが困難になり、高すぎると結晶が析出しやすくなり、かつ経済的ではない。
【0025】
本発明では、この技術分野で従来公知の有機酸に代えて、酸性アミノ酸(acidic amino acid)を使用する。酸性アミノ酸は、皮膚刺激性がなく安全で、かつ薬剤の皮膚透過性(経皮吸収性)を顕著に改善することができる。酸性アミノ酸としては、アスパラギン酸やグルタミン酸などの酸性側鎖を有するアミノ酸、4−カルボキシグルタミン酸、アミノクエン酸などがあるが、安定性や皮膚透過性の観点から、アスパラギン酸及びグルタミン酸が好ましい。酸性アミノ酸は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0026】
この酸性アミノ酸は、粘着剤組成物中に、通常0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%の割合で含有させる。酸性アミノ酸の濃度が低すぎると、薬剤の皮膚透過性の改善効果が小さくなり、高すぎると、経済的ではない。酸性アミノ酸の使用量(濃度)は、ジクロフェナク塩の使用量(濃度)に合わせて調整することが望ましい。
【0027】
本発明の粘着剤組成物は、ジクロフェナク塩が酸性アミノ酸との反応によりフリー体となるが、その際の薬剤の安定性を高める観点から、L−メントール(これを主成分とするハッカ油を含む)を配合することが好ましい。L−メントールは、粘着剤組成物中に好ましくは0.05〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%の割合で含有させる。L−メントールの濃度が低すぎると、安定化の効果が小さくなり、高すぎると、安定化の効果が飽和し、また、粘着性などに影響を及ぼすおそれが生じる。
【0028】
本発明では、薬剤の皮膚透過性を改善するために、経皮吸収促進剤として多価アルコール脂肪酸エステルを添加することが好ましい。多価アルコール脂肪酸エステルとしては、例えば、モノカプリル酸エチレングリコール、ジカプリル酸エチレングリコール、モノイソオクタン酸エチレングリコール、ジイソオクタン酸エチレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノパルミチン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸プロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、モノイソオクタン酸プロピレングリコール、ジイソオクタン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、モノカプリル酸グリセリン、モノカプリル酸ソルビタン、モノカプリル酸テトラグリセリン、へキサカプリル酸テトラグリセリン等が挙げられる。
【0029】
多価アルコール脂肪酸エステルは、粘着剤組成物中に好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%の割合で含有させる。多価アルコール脂肪酸エステルの濃度が低すぎると、薬剤の皮膚透過性の改善効果が小さくなり、高すぎると、その効果が飽和し、また、粘着性に影響を及ぼすおそれがある。
【0030】
本発明で使用する粘着剤組成物には、本発明の目的を損なわない限度内において、必要に応じて、その他の添加剤成分を適宜・適量の範囲内で含有させることができる。
【0031】
本発明の貼付剤を製造するには、例えば、ゴム系粘着剤、ジクロフェナク塩、酸性アミノ酸、必要に応じて、L−メントールや多価アルコール脂肪酸エステルなどのその他の添加剤成分を均一に加熱混合し、混合物を剥離紙上に塗工し、そして塗膜上に支持体を貼り合わせる方法を採用することができる。混合物を支持体上に塗工し、塗膜上に剥離紙などの剥離ライナーを貼り合わせてもよい。塗工に際し、必要に応じて有機溶剤を用いて、各成分を含有する溶液を塗工してもよい。
【0032】
支持体としては、起伏のある皮膚面に密着し、かつ皮膚の動きに追随することができる程度に柔軟性を備えたものが好ましい。支持体の具体例としては、不織布、織布、プラスチックシートまたはフィルム、多孔質体、発泡体、紙、不織布や織布とフィルムとの積層体などが挙げられる。剥離紙などの剥離ライナーとしては、シリコーン処理したポリエステルフィルムなど、この技術分野で汎用のものを使用することができる。
【0033】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。
【0034】
[実施例1]
ゴム弾性体としてスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(JSR社製、商品名「SIS 5000」)20.8g、粘着付与剤として石油樹脂(荒川化学社製、商品名「アルコンP−100」)31.0g、及び酸化防止剤としてブチルヒドロキシトルエン(以下、「BHT」と略記)0.7gを、加圧式ニーダーにて加熱撹拌して混合した。各成分が均一な混合状態になってから、軟化剤として流動パラフィン7.0g、及び酸性アミノ酸としてL−アスパラギン酸2.1gを添加して、さらに加熱混合した。最後に、安定剤としてL−メントール1.4g、及び薬剤としてジクロフェナクナトリウム7.0gを加え、加熱混合して、均一な粘着剤組成物を得た。この粘着剤組成物を、剥離紙上に厚みが200μmとなるようにキャレンダー塗工機を用いて塗工し、塗膜上に支持体を貼り合わせて貼付剤を作製した。
【0035】
[実施例2]
粘着剤組成物を構成する各成分とそれらの配合量を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして貼付剤を作製した。
【0036】
【表1】
【0037】
(脚注)
1)モノカプリル酸プロピレングリコール:経皮吸収促進剤、日光ケミカルズ(株)製、商品名「セフゾールS218」
2)モノラウリン酸プロピレングリコール:経皮吸収促進剤、理研ビタミン(株)製、商品名「リケマールPL−100」
【0038】
[比較例1〜3]
粘着剤組成物を構成する各成分とそれらの配合量を表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして貼付剤を作製した。
【0039】
【表2】
【0040】
(脚注)
1)モノカプリル酸プロピレングリコール:経皮吸収促進剤、日光ケミカルズ(株)製、商品名「セフゾールS218」
【0041】
<皮膚透過試験>
以下の方法により、in vitroの皮膚透過試験を行った。ペントバルビタール麻酔下、ヘアレスラット(雌、5週令)の腹部を電気シェーバーを用いて除毛後、皮膚を摘出した。摘出したヘアレスラットの皮膚を、直径20mmφの横型拡散セルに装着した。2重構造の拡散セルに32℃の温水を循環させ、セル内部を一定の温度条件に保ち、皮膚の角質層側には、15mmφに打ち抜いた試験製剤の貼付剤を貼付した。レシーバー側の拡散セルには、生理食塩水を充満させ、攪拌子で攪拌しながら、経時的に0.5mlずつサンプリングした。サンプリングにより採取した各生理食塩水0.5mlに、メタノールを各0.5ml加え、攪拌後、遠心分離し、除蛋白した。除蛋白した溶液を高速液体クロマトグラフィ(HPLC)にて分析し、薬物濃度を測定した。評価は、24時間後の累積透過量を測定して比較することにより行った。サンプリング後のレシーバー溶液には、同量の生理食塩水を添加した。図1に、in vitro皮膚透過実験用横型拡散セルの一例を示す。結果を表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】
<安定性試験>
アルミニウム箔をラミネートした包材に粘着剤組成物のサンプルを入れ、ヒートシーラーを用いて密封し、温度40℃、相対湿度(RH)75%の条件で6ケ月保存後における粘着剤組成物中の薬剤の含量を測定し、薬剤の含量低下率により安定性を評価した。結果を表4に示す。
【0044】
【表4】
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、ジクロフェナク塩を有効成分とし、薬剤の経皮吸収性が顕著に優れ、しかも粘着剤層中での薬剤の安定性に優れた消炎鎮痛用貼付剤が提供される。本発明の貼付剤は、皮膚に対する刺激性も小さい。
【図面の簡単な説明】
【図1】in vitro皮膚透過実験用横型拡散セルの一例を示す略図である。
【符号の説明】
1:ドナー側の拡散セル、
2:レシーバー側の拡散セル、
3:皮膚、
4:サンプリング。
Claims (3)
- ゴム系粘着剤、ジクロフェナク塩、及び酸性アミノ酸を含有する粘着剤組成物からなる粘着剤層が支持体上に配置されている消炎鎮痛用貼付剤。
- 粘着剤組成物が、安定剤としてメントールをさらに含有するものである請求項1記載の消炎鎮痛用貼付剤。
- 粘着剤組成物が、経皮吸収促進剤として多価アルコール脂肪酸エステルをさらに含有するものである請求項1または2記載の消炎鎮痛用貼付剤。
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- 2003-06-27 JP JP2003183847A patent/JP4574961B2/ja not_active Expired - Fee Related
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