JP2005015241A - 写真廃液を用いた肥料及び土壌改良剤 - Google Patents

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隆利 石川
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Abstract

【課題】ミニラボにおいて実施が可能であって、写真廃液の処理に係る環境負荷、コスト、及び作業の負担が軽減される手段を提供すること。さらには、上記に加えて、写真廃液を再利用できる方法を提示すること。
【解決手段】写真廃液に少なくともリン成分を添加し、成分濃度を調整して得られることを特徴とする肥料。好ましくは銀とハロゲン化物を除去した写真廃液を用いた上記肥料。さらに上記肥料を用いた土壌改良剤。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は写真廃液の処理に関するもので、具体的には写真廃液の処理に伴う環境負荷の軽減に関し、より具体的には写真廃液を再利用に関する。
【0002】
【従来の技術】
写真廃液は、高濃度のBOD 、COD 、窒素成分を含み、且つ、生物処理または化学処理によっても容易には分解されにくい成分が含まれている。したがって、写真廃液、特にカラー現像処理廃液は、直接環境に排出可能にする処理が困難な廃液の1つであって、従来から多くの処理法が開示されている。例えば、活性汚泥法に代表される生物処理、オゾン酸化法、過酸化水素−第一鉄塩法(フェントン法)、過硫酸酸化法、ハロゲン酸酸化法、電解酸化法等の化学処理及び高圧加熱法、噴霧焼却法、蒸発乾燥法等の物理処理などが挙げられる。これにより廃液を無害化し、排出する技術は既に確立しているが、廃液処理のコスト負荷がかかるという問題がある。
【0003】
写真廃液は、未使用有用成分もかなりのレベルで含まれているので、技術力を持っている大型現像所(大ラボと呼ぶ)では、使用済み処理液のかなりの割合を成分再調整して再生使用を行なっている。大ラボでは、処理量が多いので、このような再生使用液でも処理液の活性を維持することが可能である。しかしながら、店頭現像所(ミニラボと呼ぶ)では、小規模処理であるため、廃液の排出量も少なく、また再生使用のための技術力を有さずかかる廃液の再生使用を行なうことは困難である。
【0004】
そのため、ミニラボ廃液の現実的な対応策として、廃液は廃液回収業者により回収され、焼却処理されている。大気環境及び水域環境中に環境有害物質物質を排出することなく焼却処理するには焼却温度を高くする必要があるので、中型や小型の焼却炉では高温での連続運転による焼却処理は困難であり、大規模焼却装置で焼却されており、処理コスト負荷がかかっている。また、燃焼時に生じる酸化鉄等の高融点の無機塩による配管の閉塞や燃焼炉の消耗を回避するために、化学的な脱鉄工程の設置が必要であるので、工程及び操作がさらに複雑になる問題点も含んでいる。
このような事情から、写真廃液の処理においては、環境に極力インパクトを与えないで処理可能な適切な方法が求められていることに加えて写真廃液は、有用な高濃度の化学成分を含んでいるので、資源の節減の観点からも、廃液の処理方法の改善が望まれている。
【0005】
資源の再利用の面では、特許文献1には、有機廃棄物をpH調整して微生物処理して肥料成分の高いコンポストを製造する方法が開示されており、また、特許文献2には、木酢廃液を微生物処理して肥料とする方法が開示されているが、これら天然有機物主体の廃棄物と異なり、高塩濃度でイオン強度も高い、かつ合成化学物質主体の写真廃液では、微生物処理法はもとより、他の方法による肥料化も試みられた例はない。
【0006】
この出願の発明に関連する前記の先行技術には、次ぎの文献がある。
【特許文献1】
特開2002−153846号公報
【特許文献2】
特開平6−65019号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上に述べたように、近年増加しつつあるミニラボにおいては、写真廃液の処理手段について従来開示されている方法は、いずれも除去率、処理コスト、作業の容易さなどの点で種々の制約があり、その上、化学資源の浪費にも繋がっているので、これらの諸問題を解決するより優れた対応手段が望まれている。
本発明は、上記した背景からなされたものであり、その目的は、ミニラボ廃液においても実施が可能であって、写真廃液の処理に係る環境保全、コスト、及び作業性の負担が軽減される手段を提供することである。
本発明の更なる目的は、上記環境保全、コスト及び作業負担の軽減手段として、写真廃液を再利用する方法を提示することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的の解決方法を見出すべく、鋭意検討を進めてきたが、特に写真廃液を再利用できれば廃液処理を必要とする廃液の量を軽減できることから、ミニラボ廃液でも実施できる簡易な再利用手段の探索に注力し、それを実現させる下記の本発明に到達することができた。
【0009】
(1)写真廃液に少なくともリン成分を添加し、成分濃度を調整して得られることを特徴とする肥料。
(2)少なくともリン成分が添加され、成分濃度が調整された写真廃液と、基材とを少なくとも混合して造粒されたことを特徴とする上記(1)に記載の肥料。
(3)含有銀が回収された写真廃液を用いることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の肥料。
(4)含有ハロゲン化物の濃度を低減させる処理を施した写真廃液を用いることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の肥料。
(5)含有ハロゲン化物の濃度を低減させる処理がイオン交換膜を用いる電気透析又はイオン交換樹脂処理であることを特徴とする上記(4)に記載の肥料。
(6)写真廃液を用いて上記(1)〜(5)のいずれかに記載の肥料を製造し、肥料として使用することを特徴とする写真廃液の再利用方法。
【0010】
(7)少なくともリン成分と、写真廃液と、基材とを含有し、かつ成分濃度が調整されていることを特徴とする土壌改良剤。
(8)基材がパーライト、パーミキュライト、赤玉土、鹿沼土、コンポスト、腐葉土、ピートモス、吸水性ポリマー、合成及び/又は天然ゼオライト、合成及び/又は天然白土、みずごけ、ゼラチン、木屑及び砕木チップから選択される少なくとも一つであることを特徴とする上記(7)に記載の土壌改良剤。
(9)含有銀が回収された写真廃液を用いることを特徴とする上記(7)又は(8)に記載の土壌改良剤。
(10)含有ハロゲン化物の濃度を低減させる処理を施した写真廃液を用いることを特徴とする上記(7)〜(9)のいずれかに記載の土壌改良剤。
(11)含有ハロゲン化物の濃度を低減させる処理がイオン交換膜を用いる電気透析又はイオン交換樹脂処理であることを特徴とする上記(10)に記載の土壌改良剤。
(12)写真廃液を用いて上記(7)〜(11)のいずれかに記載の土壌改良剤を製造し、該土壌改良剤を使用することを特徴とする写真廃液の再利用方法。
【0011】
写真廃液は、高塩濃度、高イオン強度で、かつ合成化学物質主体の水溶液であるので、肥料や土壌改質に適用することは想定できることではなかったが、本発明者は、意外にもこのような性質の廃液であっても水田、沼地、湿原などの肥料や土壌改質として有効であり、さらに写真廃液中のハロゲン化物を除去すれば、また好ましくはさらに脱銀することによって、一般の土壌に添加しても土壌固化、高塩化あるいは保水性低下などの土壌劣化を生じることがないことを発見し、本発明に至っている。写真廃液は、高塩濃度、高イオン強度の弊害が顕在化しないのであれば、廃液中の窒素化合物やカリウム化合物が、それぞれ肥料の窒素成分及びカリ成分として効果を発揮する上に、写真廃液には鉄化合物が多いことが特徴ある肥効を発揮する。さらに、写真廃液に欠如する肥料成分すなわちリン化合物を添加することによって肥料の3要素をすべて具備して適用性の広い肥料とすることができる。それに加えて、植物に必要な微量栄養素を加えることによって、肥料の質を向上させることができる。
また、ハロゲン化物を除去した、好ましくはさらに脱銀した写真廃液に、リン成分や好ましくは植物の生育に有用な他の成分を加えた肥料を基材と混合して調整することによって肥効、保水性、通気性に優れた土壌改質剤を調製することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに具体的に詳述する。
なお、本明細書では「写真処理廃液」とその簡略表現である「写真廃液」は、同義である。また、「ハロゲン化物の除去」及び「銀の除去」、「脱銀」は、それぞれ「ハロゲン化物濃度の低減」及び「銀濃度の低減」という意味に用いられていて必ずしも不検出レベルまでハロゲン化物又は銀を除去することを意味するものではない。
【0013】
[被処理廃液]
本発明の実施の形態の説明に先だって、発明の対象である写真処理廃液について述べる。写真処理廃液は、カラー写真或いはモノクローム写真の現像廃液の他、定着系廃液または写真製版等写真工業で発生した多くの種類の廃液が含まれている。定着系廃液は溶存している銀を回収した残液が処理の対象となる。通常これら種々の写真処理工程からの廃液は混合された状態で回収されて、処理される。本発明は、その目的からカラー写真用の廃液を用いるのがその成分構成から好ましい。
写真廃液を構成する現像廃液は、現像処理の各工程から排出された廃液であって、処理中に感光材料から溶出した例えばゼラチンや感光色素などの成分、処理中に生じた反応生成物、及び処理液処方に含まれて消費されなかった構成薬品(処理液処方の詳細は後述する)などを含んでいる廃液である。
【0014】
カラー現像廃液には、現像主薬及びその酸化生成物、アルカリ化合物及び緩衝剤、亜硫酸塩やヒドロキシルアミン誘導体などから選択される補恒剤、アルカリハライドなどを主体としており、定着廃液は、チオ硫酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩及び/又は亜硫酸のアンモニウム塩及び/又はナトリウム塩、アルカリハライドなどを主体としており、漂白廃液は、ポリアミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩などの漂白剤とそれに由来する反応生成物、アルカリハライド(再ハロゲン化剤)、緩衝塩などを主体としており、漂白定着廃液は、定着廃液と漂白廃液に含まれるものとほぼ同様の成分を主体としており、その他の各工程から排出される廃液もそれらの工程液の機能性化合物とそれに由来する化合物を含有している。したがって、処理される写真廃液の成分は、現像液由来の成分や漂白液・定着液・漂白定着液由来の成分などが感光材料溶出物や処理中の反応生成物と混在しており、例えば緩衝剤(炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩など)、発色現像主薬、亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン塩、炭酸塩、硬水軟化剤、アルキレングリコール類、ベンジルアルコール類、界面活性剤(アルキルホスホン酸、アリールホスホン酸、脂肪酸カルボン酸、芳香族カルボン酸等)酸化剤(鉄(III)のEDTA錯塩、1,3−ジアミノ−プロパン四酢酸錯塩など)、ハロゲン化物(臭化アルカリ、臭化アンモニウムなど)、チオ硫酸塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩)、酢酸塩など多岐に亘る化学成分を含んでいて、この多様性が効果的な廃液処理手段を見出すことを困難にしている。
【0015】
水質環境面からみた写真廃液は、その組成は、処理の種類及びその処理の各工程からの廃液の混合比率によりかなり変動するが、おおよそCOD5,000〜60,000 mg/l、BOD 5,000 〜15,000 mg/l、TOC(Total Organic Carbon)5,000〜25,000 mg/l、ケルダール窒素5,000 〜15,000 mg/lの範囲である。COD:BOD:TOC の比率は概ね 4:1:1.5でCOD が高い特徴があり、またC:Nの元素比率はほぼ 100:100でN の含有率が高い特徴がある。また、炭酸カリウム、水酸化カリウムなどに由来するカリ成分の含有量も多い。この写真廃液の特徴が、水質環境面では写真廃液を簡便に環境無害化することを困難にしているが、その一方、写真廃液の構成を肥料成分の観点から見ると、高濃度の窒素化合物(上記)やカリウム化合物(多くの場合K元素として1000〜10000mg/l)を含んでおり、また鉄化合物も含まれている(多くの場合Fe元素として500〜5000mg/l)ので、ハロゲン化物の低減などの前記手段によって肥料化、土壌改良剤化に通じている。
【0016】
[写真廃液から肥料の調製工程]
写真廃液は、前記したように肥料の窒素成分及びカリ成分となる窒素化合物及びカリウム化合物を高濃度に含有しており、したがって、リン成分となるリン化合物を添加すれば、肥料の3要素をすべて備えた組成となる。その上緑葉野菜や芝生に適した葉面散布肥料に望まれる鉄成分もアミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩などの形の鉄塩として含有している。
【0017】
<ハロゲン化物除去及び銀除去>
写真廃液は感光材料由来の銀をチオ硫酸銀錯塩などの形で含有しているが、銀は有価物であるので、事前に回収することが望ましい。ただし、チオ硫酸銀錯塩(定着銀)は、動植物に無害であるので、微量の銀が残留していても問題はない。銀回収方法は、写真廃液の銀回収に通常行なわれる方法のいずれでも適用できる。
写真廃液中に含まれる感光材料由来の、及び処理液処方由来のハロゲン化物は、塩素イオン、臭素イオン及び若干量の沃素イオンのアルカリ金属塩及びアンモニウム塩で構成されている。これらのハロゲン化物は、微少量は必要であるが、過剰に存在すると土壌の固化を促進したり、植物の生育に有害な作用を及ぼしたりするために、除去することが好ましい。除去手段としては、公知の任意の方法を用いることができるが、イオン交換膜電気透析法やイオン交換樹脂によるハロゲンイオンの捕集が実際的である。イオン交換膜やイオン交換樹脂は、ハロゲン化物除去の目的には1価選択性の膜又は樹脂を用いればよいが、写真廃液にはハロゲン化物以外に、硫酸塩、亜硫酸塩が含まれているので、場合によっては、これらのアニオンをも除去可能のイオン交換膜やイオン交換樹脂を選択してもよい。ただし、アニオン成分を除去することにより廃液のpHが過度にアルカリ性にならない範囲で行う必要がある。
【0018】
<成分添加及び調整>
写真廃液とともに使用できるリン化合物としては、りん酸カリウム、りん酸マグネシウム、りん酸などのほか、リン肥料として汎用されている例えば過りん酸石灰、重過りん酸石灰、苦土過りん酸、焼成リン肥、沈澱りん酸石灰などをあげることができる。これらのリン化合物は、写真廃液に添加したのち他の必要な成分添加や成分調整をしてもよく、また写真廃液や他の必要な添加物と同時に混合してもよい。
銀とハロゲン化物が除去され、リン化合物が含有された廃液は、そのままでも液体肥料として用いることができるが、さらに成分調製を行うことが好ましい。成分調製は、pHの調整、付加したい微量成分の添加、特定成分濃度の調整、肥料形態の調整から選択して行なわれる。
【0019】
pHの調整は、植物の生育に悪影響しないpH範囲への調製であって、pH3.5〜9の範囲、好ましくはpH4〜8.5の範囲に調製される。写真廃液から、ハロゲン化物を除去する過程では、イオン交換膜やイオン交換樹脂のいずれを適用した場合でも、廃液のpHはアルカリ性に多少とも移行しているのでpHの調整を必要とすることが多い。pHの調整は、イオン強度の増加を避けるためには、無機酸を避けて酢酸、クエン酸などの有機酸、あるいは炭酸ガス、さらには酸性白土などの酸性土壌などによって行なうことが好ましい。さらには、肥料が基材と混合した形態の場合には、基材の中でも酸性の、例えばピートモス(pH3.5〜4.5)やみずごけ(pH4.5〜5.0)を用いることもよい。
【0020】
肥料には、上記した3要素のほかに、さらに植物の生育に必要な微量成分を付加することによって肥料としての機能を高めることができる。そのような微量成分としては、必須元素としては、上記3要素のほか、カルシウム、マグネシウム及び硫黄であり、カルシウム及び硫黄は写真廃液中に含まれている。
微量必須元素には、鉄、マンガン,銅、亜鉛、モリブデン、ホウ素及び塩素であり、鉄及び塩素は写真廃液中に含まれている。
その他の有用元素としては、珪素、ナトリウム、コバルト、ニッケル、アルミニウム及びセレンが挙げられ、写真廃液にはナトリウムが一般的に含まれる。
微量必須元素及び微量有用元素は、自然界に常時存在している元素もあり、上記した元素をすべて意図的に供給する必要はないが、必要に応じて特定の微量元素の化合物の肥料として適正な添加量を写真廃液・リン化合物含有組成物に加えることができる。
【0021】
本発明に係る写真廃液を肥料とするためには、写真廃液に適正量のリン化合物を混合しただけでもよいが、さらに特定成分濃度の調整を行なって、窒素、カリウム及びリンの3要素の成分濃度を調整し、さらにその他の成分調整を必要に応じて行なうことが好ましい。3要素の調整は、使用目的すなわち肥料の種類によって、適切な成分比が選択される。
成分濃度の調整は、例えば窒素成分を補正するには、尿素やアンモニア水などを添加するなど、カリウム成分を補正するには、塩化カリウムの添加、さらにはチリ硝石や硝酸カリウムなどによって両成分の補正を行なってもよい。
各肥料成分の配合比と濃度は、肥料の適用対象植物や、施肥目的などによって、適当な比率と濃度が選択されるので多様である。例えば、いわゆる5:5:5肥料と呼ばれる汎用の基礎配合肥料では、窒素、りん酸、カリ成分が植物の生育に適した比率に構成されて配合されている。花や果実対象で肥沃な土壌には、りん酸、カリ成分が配合された5:5肥料が作られる。
【0022】
<肥料の形態>
肥料形態の調整としては、第一に液肥か、固形肥料かの使用形態別の調整が挙げられる。
液肥の形態には、原液供給形態、希釈された使用液形態などが用いられ、それぞれの使用形態に応じて減圧濃縮や水希釈などの濃度調節と収納容器の選択が行なわれる。
固形肥料の場合には、粉末状、顆粒状などの製品形態に応じて、噴霧乾燥、減圧蒸発乾燥などの固化や後に述べる造粒が行なわれる。固形肥料の場合は、上記の調整済みの液体肥料をそのまま固化し、さらには造粒した濃厚固形剤の形態と基材と混合してから固化させた、更には造粒した固形肥料の形態が選択される。
前者の固形肥料、すなわち濃厚固形肥料は、造粒された形態が好ましく、造粒方法に付いては、土壌改良剤の造粒方法に含めて後述する。
基材と混合した固形肥料の形態では、基材は土壌改良剤用の基材の中から選択されるので、土壌改良剤用基材に含めて説明する。
本発明の肥料の使用形態としては、肥料を含有した土壌改良剤として用いることも好ましい適用形態である。
【0023】
土壌改良剤としては、基材に上記の液肥を含浸させた態様、同様に上記基材に上記固形肥料を混合した態様、上記基材の微粒又は粉末と上記液肥とを混練して造粒した形態などが好ましいが、これらに限定されない。
基材とは、植物生育用に望ましい物理性をもつ肥料,水分,空気担体を指し、通気性、保肥性、保水性に優れた土壌や土壌改質剤、例えばパーライト、パーミキュライト、赤玉土、鹿沼土、コンポスト、腐葉土、ピートモス、吸水性ポリマー、合成及び/又は天然ゼオライト、合成及び/又は天然白土、みずごけ、ゼラチン、木屑及び砕木チップなどが挙げられる。吸水性ポリマーとしては、ポリアクリル酸やアクリル酸/アクリル酸メチル共重合体などの親水性アクリル酸系ポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体などを上げることができる。
【0024】
固形肥料及び土壌改良剤のとくに好ましい形態は、基材の微粒又は粉末と上記液肥とを混練して造粒した形態である。混合比率は、基材と調整済み廃液とが析出・分離することなく安定に含浸・混合されている限り任意の比率でよいが、造粒方法としては、液肥/基材の質量比は0.1〜1のものは、濃厚肥料として置肥えや希釈し用の目的に、質量比は10−4〜0.1のものは、肥力賦活剤として土壌改良剤との併用や生育不良のときの速効性の肥力増強の目的に、質量比は10−8〜10−4のものは、土壌改良材として使用できる。
【0025】
<造粒>
本発明において、基材の微粒又は粉末と上記液肥とを混練して造粒する方法、さらには造粒してその粒子表面に保護のための被覆層を設ける方法は、公知の各種造粒法によって行うことができる。それら本発明に適用できる各種造粒法は、造粒ハンドブック(日本粉体工業技術協会編)に記載されており、また例えば特開平4−221951号、同2−109043号公報などにも記載されている。その中でも好ましい方法として、下記に代表的造粒法を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
(1)転動造粒法(造粒ハンドブック p133)
回転ドラムあるいは回転皿などの回転容器内において原料粉体を転動(ころがし)させながら液(バインダー)を散布し、界面エネルギーを原動力に雪だるま式に凝集を進めて造粒する方法。
(2)圧縮型造粒法(造粒ハンドブック p199)
回転する2つのロール間で、粉体原料を圧縮し成形する操作によってロール表面にブリケットのポケットが刻まれた成形造粒を行うブリケッティングと称する方法及び表面平滑型で板状のフレークに成形し、その後このフレークを解砕するコンパクティングと称する方法。
(3)攪拌造粒法(造粒ハンドブック p379)
容器内に設けられた攪拌翼などを用い強制的に原料粉体に流動運動を与え、液を噴霧しつつ凝集造粒を行う方法。
【0027】
(4)押し出し造粒法(造粒ハンドブック p169)
原材料をダイやスクリーンの細孔から押し出して造粒する方法。押し出す機構にはスクリュー型、ロール型、ブレード型、自己成形型、ラム型などが用いられる。
(5)破砕型造粒法(造粒ハンドブック p349)
乾式法と湿式法がある。乾式法は前述の圧縮造粒法で得られたブリケットやコンパクトフレークなどを破砕して顆粒を得る方法。湿式法はあらかじめ粉体材料を加湿し、こねたものを破砕造粒する操作で、いずれの場合もハンマーによる衝撃、カッターなどによるせん断、凹凸歯型ロールや波型ロールなどを用いて圧縮破砕細分するものである。
(6)流動層造粒法(造粒ハンドブック p283)
下から吹き上げる流体中に粉体を浮遊懸濁させた状態に保ちながら、結合剤を噴霧して造粒する方法。この操作は流動化法という単位操作に属するが、これに転動、攪拌作用を併用させた流動層多機能型造粒機もある。
【0028】
(7)コーティング造粒法(造粒ハンドブック p409)
核に被覆物質やバインダーの溶液を噴霧した核表面に背負う粒子を付着させる造粒方法。回転ドラムで転動するパンコーティング、回転円板で転動する転動コーティング、空気流による流動層を形成する流動層コーティング、ローターの回転による遠心力とスリットエアーにより遊星運動をおこす遠心流動型コーティング等の種類がある。
(8)溶融造粒法(造粒ハンドブック p227)
溶融状態にある物質を噴射または板上滴下などにより細分化あるいはフレーク状にして、冷却凝固する方法。
(9)噴霧乾燥造粒法(造粒ハンドブック p249)
乾燥塔内の熱風気流中において、溶液、ペースト、懸濁液などを噴霧微粒化し、同時に水分を蒸発させて乾燥粒子とする造粒方法。
【0029】
(10)液相造粒法(造粒ハンドブック p439)
マイクロカプセルの製造方法として知られているカプセル造粒方法。界面重合法、液中硬化被膜法、エマルション法、内包物交換法、スプレードライング法等がある。
(11)真空凍結造粒法(造粒ハンドブック p469)
常温では粒形を維持できない湿潤材料を用い、凍結(冷却固化)状態を利用して粒状物をつくる方法。
【0030】
本発明では、圧縮型造粒法、コンパクティング法が本発明の効果が著しく、また、造粒した粒子表面への被覆には転動造粒法、流動層造粒法、コーティング造粒法、遠心流動型コーティング機を用いたコーティング造粒法が好ましい。
【0031】
本発明の顆粒は、その表面に水溶性ポリマーを必要に応じてコーティングすることができる。コーティングに用いられる水溶性ポリマーの種類に制限はなく、例えばゼラチン、ベクチン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリビニールアルコール、変性ポリビニールアルコール、ポリビニールピロリドン、ポリビニールピロリドン・ビニールアセテート共重合体、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸塩、キサンタンガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、カラゲナン、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体等の合成、半合成及び天然水溶性高分子物質から選ばれる1種又は2種以上を用いることができ、中でもポリエチレングリコール、ポリビニールピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、アラビアガム、カラゲナンの1種又は2種以上を用いることが本発明においてより好ましい。
【0032】
水溶性ポリマーのコーティング量は、通常行われるコーティング量である限り格別の制約はないが、顆粒に対して0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%が特に好ましい。水溶性ポリマーのコーティング方法にも公知の方法を格別の制約なく用いることができるが、前記の転動造粒法、攪拌造粒法、流動層造粒法、コーティング造粒法、溶融造粒法又は噴霧乾燥造粒法を用いることが好ましい。中でも、転動造粒法、流動層造粒法、コーティング造粒法又は噴霧造粒法によって、顆粒表面に1〜50%濃度のポリマー水溶液をスプレーコーティングし、乾燥する方法が特に好ましい。
【0033】
[写真処理液]
写真処理液は、カラー感光材料と黒白感光材料の処理に用いられるが、処理されるカラー感光材料としてはカラーペーパー、カラー反転ペーパー、カラーネガフィルム、カラー反転フィルム、映画用ネガもしくはポジフィルム、直接ポジカラー感光材料などを挙げることができ、黒白感光材料としては、Xレイフィルム、印刷用感光材料、マイクロフィルム、撮影用黒白フィルムなどを挙げることができる。特に廃液の成分構成から、カラーペーパー、カラーネガフィルムの廃液が好ましい。
【0034】
写真処理液にはカラー現像液、黒白現像液、定着液、漂白液、漂白定着液、画像安定化液などが挙げられる。
【0035】
カラー現像液は、通常、芳香族第一級アミンカラー現像主薬を主成分として含有する。それは主にp−フェニレンジアミン誘導体であり、代表例はN,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、2−アミノ−5−ジエチルアミノトルエン、2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン、N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3−メチル−4−アミノアニリンである。また、これらのp−フェニレンジアミン誘導体は硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などの塩である。該芳香族第一級アミン現像主薬の含有量は現像液1リットル当り約0.5g〜約10gの範囲である。
【0036】
また黒白現像液中には、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−ヒドロキシメチル−4−メチル−3−ピラゾリドン、N−メチル−p−アミノフェノール及びその硫酸塩、ヒドロキノン及びそのスルホン酸塩などが含まれている。
【0037】
カラー及び黒白現像液には保恒剤として、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩や、カルボニル亜硫酸付加物を含有するのが普通で、これらの含有量は現像液1リットル当たりカラー現像液では5g以下、多くは3g以下(無添加も含む)、黒白現像液では0g〜50gである。
【0038】
カラー及び黒白現像液中には、保恒剤として種々のヒドロキシルアミン類を含んでいる。ヒドロキシルアミン類は置換又は無置換いずれも用いられる。置換体としてはヒドロキシアルミン類の窒素原子が低級アルキル基によって置換されているもの、とくに2個のアルキル基(例えば炭素数1〜3)によって置換されたN,N−ジアルキル置換ヒドロキシルアミン類が挙げられる。またN,N−ジアルキル置換ヒドロキシルアミンとトリエタノールアミンなどのアルカノールアミンの組合せも用いられる。ヒドロキシルアミン類の含有量は現像液1リットル当り0〜5gである。
【0039】
カラー及び黒白現像液は、pH9〜12である。上記pHを保持するためには、各種緩衝剤が用いられる。緩衝剤としては、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシン塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロシアミノメタン塩、リシン塩などを用いることができる。特に炭酸塩、リン酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩は、溶解性やpH9.0以上の高pH領域での緩衝能に優れ、現像液に添加しても写真性能面への悪影響(カブリなど)がなく、安価であるといった利点を有し、これらの緩衝剤が多く用いられる。該緩衝剤の現像液への添加量は通常現像液1リットル当たり0.1モル〜1モルである。
【0040】
その他、現像液中にはカルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤として、或いは現像液の安定性向上のために各種キレート剤が添加される。その代表例としてニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ−N,N,N−トリメリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンホスホン酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノール四酢酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸等を挙げることができる。これらのキレート剤は必要に応じて2種以上併用されることもある。
【0041】
現像液は、各種の現像促進剤を含有する。現像促進剤としては、チオエーテル系化合物、p−フェニレンジアミン系化合物、4級アンモニウム塩類、p−アミノフェノール類、アミン系化合物、ポリアルキレンオキサイド、1−フェニル−3−ピラゾリドン類、ヒドラジン類、メソイオン型化合物、チオン型化合物、イミダゾール類等である。
【0042】
多くのカラーペーパー用カラー現像液は、上記のカラー現像主薬、亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン塩、炭酸塩、硬水軟化剤などと共にシルキレングリコール類やベンジルアルコール類を含んでいる。一方カラーネガ用現像液、カラーポジ用現像液、一部のカラーペーパー用現像液は、これらのアルコール類を含んでいない。
【0043】
また、現像液中には、カブリ防止の目的で、臭素イオンを含有することが多いが、塩化銀を主体とする感光材料に対しては臭素イオンを含まない現像液を用いることもある。その他、無機カブリ防止剤としてNaClやKClなどの塩素イオンを与える化合物を含有していることがある。また各種有機カブリ防止剤を含有していていることも多い。有機カブリ防止剤としては、例えば、アデニン類、ベンズイミダゾール類、ベンズトリアゾール類及びテトラゾール類を含有していてせよい。これらのカブリ防止剤の含有量は現像液1リットル当り0.010g〜2gである。これらのカブリ防止剤は処理中に感光材料中から溶出し、現像液中に蓄積するものも含まれる。特に本発明において上記したような臭素イオンや塩素イオン等の総ハロゲンイオン濃度が混合液1リットル当たり1ミリモル以上であるような廃液においても有効に処理することができる。特に臭素イオン濃度が混合液1リットル当たり1ミリモル以上の場合に有効である。
【0044】
また、現像液中には、アルキルホスホン酸、アリールホスホン酸、脂肪酸カルボン酸、芳香族カルボン酸等の各種界面活性剤を含有している。
【0045】
黒白写真処理においては、現像処理の後に定着処理が行なわれる。カラー写真処理においては、現像処理と定着処理の間に通常漂白処理が行なわれ、漂白処理は定着処理と同時に漂白定着(ブリックス)で行なわれることもある。漂白液には、酸化剤として鉄(III) 又はCo(III) のEDTA、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,3−ジアミノ−プロパン四酢酸塩、ホスホノカルボン酸塩そのほか過硫酸塩、キノン類などが含まれている。そのほか、臭化アルカリ、臭化アンモニウムなどの再ハロゲン化剤、硼酸塩類、炭酸塩類、硝酸塩類を適宜含有する場合もある。定着液や漂白定着液には通常チオ硫酸塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩)、酢酸塩、ホウ酸塩、アンモニウム又はカリ明ばん亜硫酸塩などを含有していている。
【0046】
ハロゲン化銀写真感光材料の処理においては、定着処理あるいは漂白定着処理行なった後、水洗及び/又は安定処理を行なうことが一般的である。水洗処理においては、その処理槽にバクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生じることがある。このような問題の解決策として、水洗水に特開昭61−131632号に記載のカルシウムイオン、マグネシウムイオンを低減させる方法を用いることができる。また、特開昭57−8542号に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾール等、堀口博著「防菌防黴剤の化学」、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」に記載の殺菌剤を用いることもある。
【0047】
[感光材料]
本発明の対象となる写真廃液は、現像処理工程において、感光材料に上記構成の現像処理液が適用される結果として生じる。写真市場で汎用されているいずれの銀塩写真感光材料でも、その処理廃液には本発明の再利用方法を適用することができる。これらの感光材料は、撮影用カラー写真感光材料、カラー印画紙、撮影用黒白感光材料及び黒白印画紙であり、この感光材料は支持体上に少なくとも1層の感光性層が設けられている。
【0048】
撮影用の多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料においては、感光性層は青色光、緑色光、および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性層であり、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置される。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順をもとり得る。典型的な撮影用カラー写真感光材料としては、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感光材料である。
【0049】
一方、プリント作製用に好ましく用いられる写真乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子の形状は、立方体、十四面体、あるいは八面体のような規則的な結晶形の形状のもの、球状、板状などのような変則的な晶壁をもつ形状のもの、あるいはこれらの複合型の形状のものを用いることができ、高塩化銀粒子であることが好ましい。高塩化銀粒子とは塩化銀含有量が80モル%以上の粒子をいうが、95モル%以上が塩化銀であることが好ましい。
これらの感光材料のさらに具体的な説明は、特開2001−183779号公報の段落0084〜段落0120に詳細に記載されている。
【0050】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、これらは本発明の範囲をなんら限定するものではない。
[実施例1]
(肥料の調製)
富士写真フイルム(株)製のカラーペーパー処理システム、ミニラボフロンティア350、の廃液を1000mL採取した。この処理システムでは、処理剤として富士写真フイルム(株)製のカラーペーパー処理剤CP−48Sを使用しており、定着漂白系廃液は銀回収が施されている。この廃液にりん酸アンモニウム10gを添加し、溶解させたものを試料Aとし、りん酸アンモニウムを添加しない廃液を試料Bとした。いずれの試料もハロゲン化物濃度は、約10質量%(塩化ナトリウムとして)であった。
試料A,Bをそれぞれ50,100,500,1000倍に水希釈した試料を調製し、比較ようとしては純粋を用意した。
【0051】
(試験)
試験用植物として芝草(ペントグラス)を地表から約10cmの位置で切断して、これらの試験植物の各々に上記各廃液から得た肥料試料を毎日当量づつ散布して生育作用,阻害作用の視覚観察を行なった。
結果を表1に示す。
(結果)
【0052】
【表1】
Figure 2005015241
【0053】
水のみを散布した比較例に対して、本発明の肥料散布試料は、1週間後及び2週間後とも生長もよく、かつ色もより濃い緑色を呈し、肥効が顕著に見とめられた。特にりん酸アンモニウムを加えた試料Aが優れた結果を示した。
【0054】
[実施例2]
(肥料及び試験)
実施例で調製した試料A及び試料Bを使用し、芝草の代わりにほうれん草の種を蒔いたことと、発芽とその後20日までの生長を観察した以外は、実施例1と同じ操作で視覚観察を行なった。
結果を表2に示す。
(結果)
【0055】
【表2】
Figure 2005015241
【0056】
水のみを散布した比較例に対して、本発明の肥料散布試料は、発芽が若干遅れたものの、発芽後の生長は顕著で、20日後には、濃い緑色のほうれん草が生長しつつある。特にりん酸アンモニウムを加えた試料Aが優れた結果を示した。
【0057】
【発明の効果】
写真廃液に少なくともリン成分を添加し、成分濃度を調整して得られることを特徴とする本発明の肥料によって、写真廃液を再利用することが可能となり、かつ写真廃液の処理に係る環境保全、コスト、及び作業性の負担が軽減される。

Claims (12)

  1. 写真廃液に少なくともリン成分を添加し、成分濃度を調整して得られることを特徴とする肥料。
  2. 少なくともリン成分が添加され、成分濃度が調整された写真廃液と、基材とを少なくとも混合して造粒されたことを特徴とする請求項1に記載の肥料。
  3. 含有銀が回収された写真廃液を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の肥料。
  4. 含有ハロゲン化物の濃度を低減させる処理を施した写真廃液を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の肥料。
  5. 含有ハロゲン化物の濃度を低減させる処理がイオン交換膜を用いる電気透析又はイオン交換樹脂処理であることを特徴とする請求項4に記載の肥料。
  6. 写真廃液を用いて請求項1〜5のいずれかに記載の肥料を製造し、肥料として使用することを特徴とする写真廃液の再利用方法。
  7. 少なくともリン成分と、写真廃液と、基材とを含有し、かつ成分濃度が調整されていることを特徴とする土壌改良剤。
  8. 基材がパーライト、パーミキュライト、赤玉土、鹿沼土、コンポスト、腐葉土、ピートモス、吸水性ポリマー、合成及び/又は天然ゼオライト、合成及び/又は天然白土、みずごけ、ゼラチン、木屑及び砕木チップから選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項7に記載の土壌改良剤。
  9. 含有銀が回収された写真廃液を用いることを特徴とする請求項7又は8に記載の土壌改良剤。
  10. 含有ハロゲン化物の濃度を低減させる処理を施した写真廃液を用いることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の土壌改良剤。
  11. 含有ハロゲン化物の濃度を低減させる処理がイオン交換膜を用いる電気透析又はイオン交換樹脂処理であることを特徴とする請求項10に記載の土壌改良剤。
  12. 写真廃液を用いて請求項7〜11のいずれかに記載の土壌改良剤を製造し、該土壌改良剤を使用することを特徴とする写真廃液の再利用方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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