JP2005275050A - 写真廃液の固化装置及び写真廃液の再利用方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 写真廃液を蒸発固化する加熱蒸発室と、固化物を収容する固化物収納庫と、加熱蒸発室と固化物収納庫とを結合する連接部と、連接部にあって加熱蒸発室の固化物排出口と固化物収納庫の固化物受入れ口とを着脱可能に結合する接続部とからなり、連接部に、稼動中は固化物を収納庫へ送る通路が開き、休止中は通路を閉じて加熱蒸発室と固化物収納庫の少なくとも一方を減圧状態を維持したまま収納庫を分離可能とする通路の開閉手段を備えた写真廃液の固化装置。
【選択図】 なし
Description
近年、環境負荷の観点から、写真感光材料の処理については、低補充化及び/又は再生することにより廃液量を低減させることが強く要求されている。廃液量低減の手段としては減圧蒸留による濃縮装置がすでに実用化されており、廃液の回収頻度の低減と廃液の保管スペースの縮小に貢献しているが、ミニラボの普及による処理サイトの分散化に伴い、更なる廃液量の低減が望まれており、そのためには廃液の再利用が課題とされている。
しかしながら、この方法で得られる廃液固化物は、漂白定着液成分の亜硫酸塩が分解して硫化ガスが発生したり、再利用すると硫酸塩の蓄積が起こって漂白定着速度が低下し、現像機の搬送ラックや現像槽の汚れも起こり易いなどのために再利用が困難となる。
また、特許文献3では、同様の減圧濃縮による固化を回転円筒状の加熱部の軸方向の加熱面長さと円筒内径との比を最適化して迅速乾燥性の向上を図ることが開示されている。しかしながら、特許文献2及び3ともに減圧濃縮固化によって固化物の熱分解劣化は改善されてはいるが、なお固化物は貯蔵される環境条件のもとで徐々に分解、変質が進み、その固化物によって調製された固体処理剤を用いて感光材料の処理を行なうと処理の季節変動が大きく閑散期には処理される感光材料に汚れが生じたり、処理機に設けられたフィルターの目詰まりが生じたりする。そのために処理機の稼動にも処理した写真の仕上り品質にも支障がなく安定的に再利用できる写真廃液の再利用方法が求められている。
本発明の第二の目的は、上記固化装置を用いて写真廃液を熱分解劣化させることなく蒸発固化して廃液中の有効成分を安定に維持して再利用することが可能な写真廃液の再利用方法を提供することである。
この考案によって蒸発固化操作を完了した時点におけると同じ品質の固化物を処理剤調製の構成成分に用いることが可能となり、第二の目的の解決手段を得ることができた。
これらによる本発明は、下記の写真廃液の固化装置及び写真廃液の再利用方法からなる。
該連接部に、該蒸発濃縮装置の稼動中は該加熱蒸発室で生じた固化物が該固化物収納庫へ移動できるように通路が開いており、該蒸発濃縮装置が休止中は該加熱蒸発室と該固化物収納庫の少なくとも一方を減圧状態に維持したまま該固化物収納庫を該加熱蒸発室から分離できるように通路を閉じる開閉手段を装備したことを特徴とする写真廃液の固化装置。
(2)前記開閉手段が、前記結合部の加熱蒸発室側と固化物収納庫側の両方に装備されていることを特徴とする上記(1)に記載の写真廃液の固化装置。
(3)前記連接部が、固化物収納庫内の圧力、湿度及び温度の少なくとも1つの環境条件を調整する手段を具備しており、該環境条件に状態調節した後固化物収納庫を分離可能にできる緩衝手段を有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の写真廃液の固化装置。
(4)前記緩衝手段が、加熱蒸発室と固化物収納庫の少なくとも一方の圧力を調整可能であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の廃液固化装置。
(5)前記加熱蒸発室が、円筒の内壁面を加熱面とし、該円筒の中心軸を回転軸とする回転ブレードによって写真処理廃液が遠心移動して該内壁面上に薄膜を形成しつつ蒸発固化する加熱蒸発室であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の写真廃液の固化装置。
(7)該固化物を50〜90質量%含有する固形写真処理組成物を調製することを特徴とする上記(6)に記載の写真廃液の再利用方法。
<開閉手段>
本発明の写真廃液の固化装置の特徴は、蒸発濃縮装置の稼動中は固化物が移動可能であるように連接部の通路が開いており、蒸発濃縮装置が休止中は加熱蒸発室と固化物収納庫の少なくとも一方を減圧状態を維持したまま分離可能にできるように通路を閉じることができる開閉手段を有する、且つ必要に応じて固化物収納庫及び/又は加熱蒸発室の状態調節を行なう緩衝部をも有する連接部が設けられて要る点にある。以下連接部について説明する。
連接部は、上記機能を有する限り、如何なる方式の連接部であってもよい。好ましくは、固化物収納庫を減圧状態に維持したまま分離可能にできる連接部であり、より好ましくは加熱蒸発室と固化物収納庫の双方とも減圧状態を維持したまま分離可能にできる連接部である。
固化物収納庫を減圧状態を維持したまま分離可能であれば、固化物の保管中は減圧状態であって外気にも触れないので固体処理剤に再調製するまでの期間、固化物は吸湿や分解を免れて安定に保管される。
また、固化物収納庫と加熱蒸発室との双方を減圧状態を維持したまま分離可能であれば、固化物収納庫では固化物が安定に保管できることに加えて、加熱蒸発室では減圧を維持したまま次の廃液の蒸発固体化作業に続けられるために、作業時間、所要エネルギー、操作及び作業負担を著しく軽減できる。
固化物収納庫は減圧して保存されなくても、加熱蒸発室が減圧状態を維持したまま分離可能であれば、次の廃液の蒸発固体化作業の開始に係る上記の利点が活かせて、かつ固化物の保管時間が短い間に固体処理剤の調製に利用する場合には固化物の経時劣化も起こらない。したがって、この形態も本発明の態様の1つである。
当然のことではあるが、固化物収納庫のみを減圧状態を維持する場合には、加熱蒸発室と固化物収納庫とを連接部において結合させる接続部よりも固化物収納庫側に固化物収納庫の一部である開閉手段が装備されており、加熱蒸発室と固化物収納庫の双方を減圧状態を維持する場合には、接続部を挟んで加熱蒸発室側と固化物収納庫側の双方にそれぞれ開閉手段が装備されており、加熱蒸発室のみを減圧状態を維持する場合には、接続部の加熱蒸発室側に加熱蒸発室の一部である開閉手段が装備されている。
開閉部の更なる説明は、本発明の写真廃液固化装置の態様の図示説明に含めて述べる。
以下、本発明の写真廃液固化装置の典型的な実施の形態について図面を用いて説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
図1は本実施の形態による廃液固化装置の主要部と周辺の関連機器を含めた廃液固化システムを概略的に示す断面図である。
揮発物排出口20から排出された揮発物は送気配管21によって凝縮装置23に送られる。凝縮装置23は、揮発物排出口20から排出された揮発物を実質的に水である液体に液化させる蒸発水トラップ24と、蒸発水トラップ24を冷却する冷却水循環槽25と、蒸発水トラップ24を減圧にする真空ポンプ26から構成されている。
本明細書において、連接部12の機能の説明のため、2方コックV1を有する取出口13と、2方コックV2を有する受入れ口14は、連接部12の構成要素として説明しているが、部材構成の観点からは2方コックV1を有する取出口13は、加熱蒸発室5と一体化しており、同様に2方コックV2を有する受入れ口14は、固化物収納庫17の上部に一体に設けられている形態も含んでいる。
写真廃液中の溶質である固形成分は、水分等が短時間で取り除かれて円筒10の内周面上に薄膜となって流下しながら固化が進行する。攪拌ブレード9がかき出すため、薄膜中の固形成分は、円筒10の内周面から剥離され取り除かれ、固形化され、粉末化して円筒10の下方に落下する。写真廃液中の固形成分はフレーク状、粉末状、塊状等となって円筒10の下方に貯まり、2方コックV1が「開」状態の取出口13から緩衝手段15に導かれ、続いて受入れ口14の「開」状態の2方コックV2を経て固化物収納庫17内の固化物容器18に受け入れられる。
更に、写真廃液処理装置をミニラボ等での使用に適した小型に構成することができる。
以下、本発明の写真廃液再利用方法を具体的に詳述する。
本発明の写真処理方法における廃液の再利用について図3を参照しながら説明する。図3は、本発明の典型的な写真廃液の再利用方法のフローを説明するチャート図である。
図3に示す典型例(カラー印画紙の処理・処理液再利用システム)では、感光材料の処理は、感光材料を露光した後、まずP1処理槽においてカラー現像処理を行い、続いてP2処理槽において漂白定着処理を行い、続いてPS処理槽において水洗処理を行い、最後に感光材料を乾燥させるという工程からなる。上述の通り、感光材料の処理の各工程において使用されるカラー現像液(P1)、漂白定着液(P2)、及びリンス液(PS)は、一定量の感光材料の処理ごとに一定量が補充される。図3では、顆粒状の補充剤を各処理槽に投入し補充水で溶解することによりP1又はP2処理液を補充している。
<写真廃液の乾燥固化と処理剤調製からなる固化物再利用>
使用済み漂白定着液を銀イオン除去処理を行わずに蒸発固化して固体処理剤として100%再利用してもよいが、この形態の写真処理を行う場合には、処理液中の銀イオン濃度が増加して感光材料の脱銀を抑制してしまう。したがって、廃液の再利用率は50〜90%が好ましく、60〜85%がより好ましい。ここで再利用率とは、写真廃液から得られる固化物の全質量に対し補充剤として再利用する固化物の質量の割合をいい、次式で表される。
再利用率(%)=
{(写真廃液から得られる固化物から補充剤として使用した量(g))÷(写真廃液から得られる固化物の全量(g))}×100
なお、固体処理剤として再利用されなかった分については、嫌気醗酵、好気醗酵等の処理を経て、硫化銀や硫黄を回収したり、芝生用肥料等に利用したりするのが好ましく、最終的には電気分解され環境に影響を与えないレベルで下水に放流される。
本発明の再利用固形処理剤組成物は、粉剤、顆粒、錠剤のいずれの形態であってもよい。また、図3に示した例は、漂白定着組成物の再利用の例であるが、発色現像補充剤など、他の処理剤再利用も行なうことができる。再利用固形処理剤組成物の好ましい形態は粉剤及び顆粒である。
粉剤は、各構成成分を必要あればさらに粉砕して粒度を調節するなどにより、粉末状にした上で各粉末原料を規定の処方値の比率で混合する方法、各構成成分を水などの溶媒に溶かし、噴霧乾燥などの適切な乾燥によって粉末化する方法、などによって粉末組成物とする。
錠剤処理剤の製造方法は、例えば、特開昭51−61837号、同54−155038号、同52−88025号、英国特許1213808号の明細書に記載される一般的な方法を利用することができる。そのほか後述する顆粒処理剤の造粒方法として記載した造粒ハンドブック記載の造粒方法の(2)、(4)、(5)及び(6)、中でも(2)及び(4)の方法によって錠剤化することもできる。
錠剤の形状は、特に問わないが、球状、板状、円板状、不定形などいずれであってもよい。また、錠剤の大きさも、取扱い安い大きさである限り特に問わないが、長径が5〜30mmであることが好ましく、8〜20mmであることが更に好ましい。
本発明において、球形顆粒とは粉体を球形に造粒した粒子を指す。球形とは、真球であっても、真球でなくてもよく、いわゆるペレット、丸薬、ビーズなどの名で一般的に呼ばれる粒子形状を含む。本発明において、顆粒の平均粒径が0.1〜10mmであることが好ましく、0.2〜8mmであることが更に好ましく、0.3〜5mmであることが非常に好ましい。
本発明において、顆粒型固形処理剤の好ましい態様としては、コアシェル型の顆粒や多層構造顆粒が挙げられる。この場合は、固結や潮解を起しにくい成分を表面被覆層に配することができる点で好都合である。
顆粒型固形処理剤の調製方法については、特開2001−183779号公報及び特開2001−183779号公報に詳細に記載されている。
回転円筒あるいは回転皿などの回転容器内において原料粉体を転動(ころがし)させながら液(バインダー)を散布し、界面エネルギーを原動力に雪だるま式に凝集を進めて造粒する方法。
(2)圧縮型造粒法(造粒ハンドブック、p199)
回転する2つのロール間で、粉体原料を圧縮し成形する操作によってロール表面にブリケットのポケットが刻まれた成形造粒を行うブリケッティングと称する方法及び表面平滑型で板状のフレークに成形し、その後このフレークを解砕するコンパクティングと称する方法。
(3)攪拌造粒法(造粒ハンドブック、p379)
容器内に設けられた攪拌翼などを用い強制的に原料粉体に流動運動を与え、液を噴霧しつつ凝集造粒を行う方法。
原材料をダイやスクリーンの細孔から押し出して造粒する方法。押し出す機構にはスクリュー型、ロール型、ブレード型、自己成形型、ラム型などが用いられる。
(5)破砕型造粒法(造粒ハンドブック、p349)
乾式法と湿式法がある。乾式法は前述の圧縮造粒法で得られたブリケットやコンパクトフレークなどを破砕して顆粒を得る方法。湿式法はあらかじめ粉体材料を加湿し、こねたものを破砕造粒する操作で、いずれの場合もハンマーによる衝撃、カッターなどによるせん断、凹凸歯型ロールや波型ロールなどを用いて圧縮破砕細分するものである。
(6)流動層造粒法(造粒ハンドブック、p283)
下から吹き上げる流体中に粉体を浮遊懸濁させた状態に保ちながら、結合剤を噴霧して造粒する方法。この操作は流動化法という単位操作に属するが、これに転動、攪拌作用を併用させた流動層多機能型造粒機もある。
核に被覆物質やバインダーの溶液を噴霧した核表面に背負う粒子を付着させる造粒方法。回転円筒で転動するパンコーティング、回転円板で転動する転動コーティング、空気流による流動層を形成する流動層コーティング、ローターの回転による遠心力とスリットエアーにより遊星運動をおこす遠心流動型コーティング等の種類がある。
(8)溶融造粒法(造粒ハンドブック、p227)
溶融状態にある物質を噴射または板上滴下などにより細分化あるいはフレーク状にして、冷却凝固する方法。
(9)噴霧乾燥造粒法(造粒ハンドブック、p249)
乾燥塔内の熱風気流中において、溶液、ペースト、懸濁液などを噴霧微粒化し、同時に水分を蒸発させて乾燥粒子とする造粒方法。
マイクロカプセルの製造方法として知られているカプセル造粒方法。界面重合法、液中硬化被膜法、エマルション法、内包物交換法、スプレードライング法等がある。
(11)真空凍結造粒法(造粒ハンドブック、p469)
常温では粒形を維持できない湿潤材料を用い、凍結(冷却固化)状態を利用して粒状物をつくる方法。
本発明では、蒸発固化物を単一組成とする顆粒にコーティング層を施した処理剤粒子もコアシェル構造粒子に含めている。コーティングに用いられる水溶性ポリマーの種類に制限はなく、例えばゼラチン、ベクチン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリビニールアルコール、変性ポリビニールアルコール、ポリビニールピロリドン、ポリビニールピロリドン・ビニールアセテート共重合体、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸塩、キサンタンガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、カラゲナン、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体等の合成、半合成及び天然水溶性高分子物質から選ばれる1種又は2種以上を用いることができ、中でもポリエチレングリコール、ポリビニールピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、アラビアガム、カラゲナンの1種又は2種以上を用いることがより好ましい。
本発明に適用される写真処理廃液は、写真処理液成分を主成分としているが、写真処理廃液には、写真処理液に添加されている素材のほか写真処理過程で生成した現像主薬の酸化体、硫酸塩、ハライドなどの反応生成物や、感光材料から溶け出した微量のゼラチン、感光色素、界面活性剤などの成分が含まれている。
[実施例1]
1.カラーペーパー試料の作製
原紙の両面をポリエチレン樹脂で被覆してなる支持体の表面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設け、さらに第一層〜第七層の写真構成層を順次塗設して、ハロゲン化銀カラー写真感光材料の試料(101)を作製した。各写真構成用の塗布液は、特開2003−98616号の実施例2の試料(G-28)と同様にして調製した。
市販のカラーネガフィルムであるフジカラー Venus 800(富士写真フイルム(株)製)で、屋外晴天の中景に人物を撮影し、処理機として富士写真フイルム(株)製自動現像機FP−363SC、カラーネガフイルム処理処方CN−16Sとその処理剤(いずれも富士写真フイルム(株)製)を用いて現像処理を行った。
富士写真フイルム(株)製ミニラボプリンタープロセッサー フロンティア340Eを用いて、現像処理されたカラーネガフイルムの画像情報を読み取り、レーザー露光ユニットで試料(101)に露光を施し、以下に示す処理工程及び処理液でランニング処理(現像液の累積補充量が、そのタンク容量の3倍になるまで)を行った。
1日の処理量は、Lサイズ(89mm×127mm)にカットされた試料(101)を250枚に限定して行った。
なお、フロンティア340Eは、下記処理工程で処理できるようタンクとラックを改造し、顆粒補充剤を直接処理タンクに添加するロータリーフィーダー方式の補充装置を増設し、水を処理タンクに添加する補充装置を増設する改造を行った。
また、カラー現像の補充剤は特開2002−196456号の実施例−1の造粒物7と造粒物15との混合物(質量で4:1)を、漂白定着の補充剤は特開2002−196456号の実施例−2の造粒物7に相当する補充剤を後述の方法で調製したものを用いた。
(顆粒剤) 水
カラー現像 45℃ 15秒 4.0g 40mL
漂白定着 40℃ 150秒 7.0g 28mL
リンス1** 40℃ 5秒 −
リンス2** 40℃ 5秒 −
リンス3** 40℃ 5秒 −
リンス4** 40℃ 8秒 − 150mL
乾 燥 80℃ 10秒
* 補充量は感光材料1m2当たりの量で表わす。
** 水洗過程はリンス4から1への4タンク向流方式とした。
*** 廃液は、各工程からのオーバーフロー液を一つのタンクにまとめて貯留した。
また、リンス系には富士写真フイルム(株)製のリンスクリーニングシステムRC50(商品名)を採用し、リンス3からリンス液を取り出してポンプによって逆浸透モジュール(RC50D)に送り、このモジュールで得られた透過水はリンス4に供給され、濃縮水はリンス3に戻される方式を採った。逆浸透膜への透過水量は200〜300mL/分を維持するようにポンプ圧を調整し、1日10時間温調循環させた。
〔カラー現像液〕
陽イオン交換水 800mL
ジメチルポリシロキサン系界面活性剤 0.1g
(シリコーンKF351A、信越化学工業(株)製、商品名)
エチレンジアミン四酢酸塩 4.0g
塩化カリウム 9.0g
臭化カリウム 0.03g
亜硫酸ナトリウム 0.1g
蛍光増白剤 Hakkol FWA-SF(昭和化学(株)製、商品名) 4.0g
p−トルエンスルホン酸ナトリウム 20.0g
炭酸カリウム 27.0g
ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナートエチル)ヒドロ
キシルアミン 10.0g
N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−
3−メチル−4−アミノアニリン・3/2硫酸・1水塩 10.0g
水を加えて 1000mL
pH(25℃/水酸化カリウム及び硫酸にて調整) 10.30
水 600mL
チオ硫酸アンモニウム(750g/リットル) 110mL
亜硫酸アンモニウム 40.0g
エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム 50.0g
エチレンジアミン四酢酸 5.0g
コハク酸 20.0g
水を加えて 1000mL
pH(25℃/硝酸及びアンモニア水にて調整) 5.5
塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02g
脱イオン水(導電率5μS/cm以下) 1000mL
pH 6.0
廃液が1L溜まった時点(感光材料5.6m2の処理分に相当)で、図1に記載した薄膜フラッシュエバポレーター装置と東京理化(株)製薄膜式フラッシュエバポレーター装置MF−10C(商品名)をそれぞれ用い、回転数1250rpm、液供速度0.2L/h、加熱温度 80℃,回転羽根と壁面のクリアランス0.9mm、真空度15Torrの条件にて、廃液を固形化した。採取された固形物と特開2001−183780号の実施例−2の造粒物6との混合物(質量比4:1)を、漂白定着液の補充剤として用い、ランニングテストを行った。
東京理化(株)製薄膜式フラッシュエバポレーター装置MF−10C(商品名)で得た固形化物を用いた漂白定着補充剤を試料(1)とし、図1の薄膜フラッシュエバポレーター装置で2方コックV1及びV2を開放状態にして得た固形化物を用いた漂白定着補充剤を試料(2)とし、同装置で稼動中は2方コックV1及びV2を開放し、休止中は閉じた状態にして得た固形化物を用いた漂白定着補充剤を試料(3)とした。
各漂白定着補充剤試料を用いたランニング処理において、それぞれランニング処理終了時にリンス3の循環量を測定し、表1に記載した。各ランニング処理開始前のリンス3循環量は、いずれも5L/minであった。ランニング処理後の流量低下の原因はフィルターの目詰まりであり、フィルターを新品に交換することですべての水準で5L/minに回復している。
結果を下記表1に示す。
未露光の試料(101)を、表1記載の各ランニング処理後において現像処理した。現像処理後、35℃、流水で1分水洗し、サンプルを洗浄した。これらの洗浄前後のサンプルを濃度測定し、特性曲線から青色光(ステータスA相当フィルター光)で測定した最小濃度部(Dmin)をそれぞれ読み取り、ステインを下記式にて算出した。下記算出値は、ゼロが最も好ましく、値が小さいほどステインを生じていないということである。
(ステイン)=(ランニング・追加洗浄後のDmin)−(ランニング後のDmin)
結果を下記表1に示す。
ランニング処理終了後、四切サイズ(203mm×254mm)にカットされた試料(101)に露光を与えずに各10枚処理を行った。四切サイズ計10枚の得られた白地を下記基準で目視評価した。
○……感光材料汚れの発生なし
△……感光材料汚れが、10枚中1〜5箇所発生している。
×……感光材料汚れが、10枚中6〜10箇所発生している。
××…感光材料汚れが、10枚中11箇所以上発生している。
結果を下記表1に示す。
2.写真廃液
3.ポンプ
4.送液系
5. 加熱蒸発室
6.回転モーター
7.回転軸
8.アトマイザー
9.回転ブレード
10.円筒
11.加熱ジャケット部
12.連接部
13.取出口
14.受入れ口
15.緩衝手段
16.ポンプ
17.固化物収納庫
18.固化物容器
19.固化物容器
20.揮発物排出口
21.送気配管
23.凝縮装置
24.蒸発水トラップ
25.冷却水循環槽
26.真空ポンプ
28.掏り合せ(雌)付き開口部
29.掏り合せ(雄)付き開口部
30.結合部
100.廃液固化装置
V1,V2.2方コック
Claims (7)
- 写真廃液を蒸発固化する加熱蒸発室と、該加熱蒸発室で蒸発固化した固化物を収容する固化物収納庫と、該加熱蒸発室と該固化物収納庫とを接続して該加熱蒸発室内の固化物が該固化物収納庫へ移動可能な通路を形成する連接部と、該連接部にあって該加熱蒸発室の固化物排出口と該固化物収納庫の固化物受け入れ口とを着脱可能に連結する結合部とからなる写真処理廃液の蒸発濃縮装置であって、
該連接部に、該蒸発濃縮装置の稼動中は該加熱蒸発室で生じた固化物が該固化物収納庫へ移動できるように通路が開いており、該蒸発濃縮装置が休止中は該加熱蒸発室と該固化物収納庫の少なくとも一方を減圧状態に維持したまま該固化物収納庫を該加熱蒸発室から分離できるように通路を閉じる開閉手段を装備したことを特徴とする写真廃液の固化装置。 - 前記開閉手段が、前記結合部の加熱蒸発室側と固化物収納庫側の両方に装備されていることを特徴とする請求項1に記載の写真廃液の固化装置。
- 前記連接部が、固化物収納庫内の圧力、湿度及び温度の少なくとも1つの環境条件を調整する手段を具備しており、該環境条件に状態調節した後固化物収納庫を分離可能にできる緩衝手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の写真廃液の固化装置。
- 前記緩衝手段が、加熱蒸発室と固化物収納庫の少なくとも一方の圧力を調整可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の廃液固化装置。
- 前記加熱蒸発室が、円筒の内壁面を加熱面とし、該円筒の中心軸を回転軸とする回転ブレードによって写真処理廃液が遠心移動して該内壁面上に薄膜を形成しつつ蒸発固化する加熱蒸発室であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の写真廃液の固化装置。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の写真廃液の固化装置を用いて写真廃液を蒸発固化させ、得られた固化物を用いて固形写真処理組成物を調製することを特徴とする写真廃液の再利用方法。
- 該固化物を50〜90質量%含有する固形写真処理組成物を調製することを特徴とする請求項6に記載の写真廃液の再利用方法。
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JP2004089008A JP2005275050A (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | 写真廃液の固化装置及び写真廃液の再利用方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114432741A (zh) * | 2021-12-31 | 2022-05-06 | 吴影 | 一种工业废油再生净化滤油机 |
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2004
- 2004-03-25 JP JP2004089008A patent/JP2005275050A/ja active Pending
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CN114432741A (zh) * | 2021-12-31 | 2022-05-06 | 吴影 | 一种工业废油再生净化滤油机 |
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