JP2005095789A - 薄膜式蒸発濃縮装置、写真廃液の蒸発固化方法及び写真廃液の再利用システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 写真処理廃液の蒸発固化装置であって、内壁面を加熱面とする円筒と該円筒の中心軸を回転軸として該円筒内を回転可能に構成された回転ブレードから成り、加熱面と回転ブレードとのクリアランスが0.1〜1.0mmであることを特徴とする薄膜式蒸発濃縮装置及び該装置を用いて写真処理廃液を蒸発固化させた固化物を50〜90質量%含有する固形写真処理組成物を調製することを特徴とする写真廃液の再利用システム。
【選択図】 なし
Description
近年、環境負荷の観点から、写真感光材料の処理については、低補充化及び/又は再生することにより廃液量を低減させることが強く要求されている。廃液量低減の手段としては減圧蒸留による濃縮装置がすでに実用化されており、廃液の回収回数の低減と廃液の保管スペースの縮小に貢献しているが、ミニラボ化による処理分散化に伴い、更なる廃液量の低減が望まれており、そのためには廃液の再利用が課題とされている。
しかしながら、この方法で得られる廃液固化物は、漂白定着液成分の亜硫酸塩が分解しており、再利用すると硫酸塩の蓄積が起こって漂白定着速度が低下し、現像機の搬送ラックや現像槽の汚れも起こり易いなどのために再利用が困難となる。
したがって、写真廃液を蒸発固化できて、しかも写真廃液中の処理剤成分が固化処理中に変質することがない効果的な固化手段が求められている。
本発明の第二の目的は、写真廃液を熱分解劣化させることなく蒸発固化することが可能な蒸発固化方法を提供することである。
本発明の第三の目的は、写真廃液を蒸発固化し、固化物を用いて写真処理組成物を構成し、該組成物を写真処理に再利用する写真廃液の再利用システムを提供することである。
(2)回転ブレードが回転方向と逆の方向にスイング自在に設けられ、回転ブレードの重心が回転軸と加熱面の中間に対し加熱面側に偏っていることを特徴とする上記(1)に記載の薄膜式蒸発濃縮装置。
(3)上記(1)又は(2)に記載の薄膜式蒸発濃縮装置を用いて真空度20〜80Torr(2.66〜10.64kPa)で写真処理廃液を蒸発させることを特徴とする写真廃液の蒸発固化方法。
(4)上記(1)又は(2)に記載の薄膜式蒸発濃縮装置を用いて加熱面の温度が60〜150℃で写真処理廃液を蒸発させることを特徴とする写真廃液の蒸発固化方法。
(5)上記(1)又は(2)に記載の薄膜式蒸発濃縮装置を用いて写真処理廃液を蒸発固化させ、得られた固化物を用いて該固化物を50〜90質量%含有する固形写真処理組成物を調製することを特徴とする写真廃液の再利用システム。
(6)写真廃液に銀回収処理を施すことなく蒸発固化することを特徴とする上記(5)に記載の写真廃液の再利用システム。
また、この装置を使用して規定された特定の温度と真空度のもとで写真廃液を固化し、固化物を用いて写真処理剤を再構成することによって、写真廃液を再利用することが可能となり、写真廃液の環境への負荷を軽減することができる。
本発明の薄膜式蒸発濃縮装置は、内壁面を加熱面とする円筒と該円筒の中心軸を回転軸として該円筒内を回転可能に構成された回転ブレードから成り、加熱面と回転ブレードとのクリアランスが0.1〜1.0mmであることを特徴としており、写真廃液を該内壁面上に薄膜を形成させて加熱反応に加えて混合撹拌作用を与えて蒸発作用を介し、濃縮プロセスを経て粉末状態までに濃縮することが出来る濃縮装置であって、円筒外周側には熱交換用のジャケットを装備すると共に、写真廃液供給部を円筒上方側に、粉末状固化物の排出部を円筒下方又は底部に有し、円筒中心軸に回転軸が軸装され該回転軸には撹拌ブレード(回転ブレードと記すこともある)が好ましくは周方向スイング自在(少なくとも回転方向と逆方向にスイング自在)に設けられ、攪拌ブレードの重心は円筒外周側に重心が偏っており、ブレードの先端を円筒の内壁面(加熱面)へ微小クリアランスを介して近接させて、該クリアランスに薄膜を形成させて濃縮効果が高められるようにされている薄膜式蒸発濃縮装置に関する発明であり、特に、上記撹拌ブレードの回転軸への取りつけは好ましくはブレード部材ピン(ジョイント)を介して撹拌ブレードの基部(固定部)にスイング自在に設け、撹拌ブレードが円筒内面を回転稼動中にブレード部材と円筒内壁面との薄膜形成用の微小クリアランスを組付時に調整することが出来るシム等の調整体が介装されている薄膜式蒸発濃縮装置に係る発明である。
[写真廃液再利用システム]
本発明の写真処理システムにおける廃液の再利用について図4を参照しながら説明する。図4は、本発明の写真処理システムにおける典型的な廃液の再利用システムのフローを説明するチャート図である。
図4に示す典型例(カラー印画紙の処理・処理液再利用システム)では、感光材料の処理は、感光材料を露光した後、まずP1処理槽においてカラー現像処理を行い、続いてP2処理槽において漂白定着処理を行い、続いてPS処理槽において水洗処理を行い、最後に感光材料を乾燥させるという工程からなる。上述の通り、感光材料の処理の各工程において使用されるカラー現像液(P1)、漂白定着液(P2)、及びリンス液(PS)は、一定量の感光材料の処理ごとに一定量が補充される。図4では、顆粒状の補充剤を各処理槽に投入し補充水で溶解することによりP1又はP2処理液を補充している。
[写真廃液の再利用システム]
使用済み漂白定着液を銀イオン除去処理を行わずに蒸発固化して固体処理剤として100%再利用してもよいが、この形態の写真処理を行う場合には、処理液中の銀イオン濃度が増加して感光材料の脱銀を抑制してしまう。したがって、廃液の再利用率は50〜90%が好ましく、60〜85%がより好ましい。ここで再利用率とは、写真廃液から得られる固化物の全質量に対し補充剤として再利用する固化物の質量の割合をいい、次式で表される。
再利用率(%)=
{(写真廃液から得られる固化物から補充剤として使用した量(g))÷(写真廃液から得られる固化物の全量(g))}×100
なお、固体処理剤として再利用されなかった分については、嫌気醗酵、好気醗酵等の処理を経て、硫化銀や硫黄を回収したり、芝生用肥料等に利用したりするのが好ましく、最終的には電気分解され環境に影響を与えないレベルで下水に放流される。
本発明の再利用固形処理剤組成物は、粉剤、顆粒、錠剤のいずれの形態であってもよい。また、図4に示した例は、漂白定着組成物の再利用の例であるが、発色現像補充剤など、他の処理剤再利用も行なうことができる。再利用固形処理剤組成物の好ましい形態は粉剤及び顆粒である。
粉剤は、各構成成分を必要あればさらに粉砕して粒度を調節するなどにより、粉末状にした上で各粉末原料を規定の処方値の比率で混合する方法、各構成成分を水などの溶媒に溶かし、噴霧乾燥などの適切な乾燥によって粉末化する方法、などによって粉末組成物とする。
錠剤処理剤の製造方法は、例えば、特開昭51−61837号、同54−155038号、同52−88025号、英国特許1213808号の明細書に記載される一般的な方法を利用することができる。そのほか後述する顆粒処理剤の造粒方法として記載した造粒ハンドブック記載の造粒方法の(2)、(4)、(5)及び(6)、中でも(2)及び(4)の方法によって錠剤化することもできる。
錠剤の形状は、特に問わないが、球状、板状、円板状、不定形などいずれであってもよい。また、錠剤の大きさも、取扱い安い大きさである限り特に問わないが、長径が5〜30mmであることが好ましく、8〜20mmであることが更に好ましい。
本発明において、球形顆粒とは粉体を球形に造粒した粒子を指す。球形とは、真球であっても、真球でなくてもよく、いわゆるペレット、丸薬、ビーズなどの名で一般的に呼ばれる粒子形状を含む。本発明において、顆粒の平均粒径が0.5〜20mmであることが好ましく、1〜15mmであることが更に好ましく、1.5〜10mmであることが非常に好ましい。
本発明において、顆粒型固形処理剤の好ましい態様としては、コアシェル型の顆粒や多層構造顆粒が挙げられる。この場合は、固結や潮解を起しにくい成分を表面被覆層に配することができる点で好都合である。
顆粒型固形処理剤の調製方法については、特開2001−183779号公報及び特開2001−183779号公報に詳細に記載されている。
回転円筒あるいは回転皿などの回転容器内において原料粉体を転動(ころがし)させながら液(バインダー)を散布し、界面エネルギーを原動力に雪だるま式に凝集を進めて造粒する方法。
(2)圧縮型造粒法(造粒ハンドブック p199)
回転する2つのロール間で、粉体原料を圧縮し成形する操作によってロール表面にブリケットのポケットが刻まれた成形造粒を行うブリケッティングと称する方法及び表面平滑型で板状のフレークに成形し、その後このフレークを解砕するコンパクティングと称する方法。
(3)攪拌造粒法(造粒ハンドブック p379)
容器内に設けられた攪拌翼などを用い強制的に原料粉体に流動運動を与え、液を噴霧しつつ凝集造粒を行う方法。
原材料をダイやスクリーンの細孔から押し出して造粒する方法。押し出す機構にはスクリュー型、ロール型、ブレード型、自己成形型、ラム型などが用いられる。
(5)破砕型造粒法(造粒ハンドブック p349)
乾式法と湿式法がある。乾式法は前述の圧縮造粒法で得られたブリケットやコンパクトフレークなどを破砕して顆粒を得る方法。湿式法はあらかじめ粉体材料を加湿し、こねたものを破砕造粒する操作で、いずれの場合もハンマーによる衝撃、カッターなどによるせん断、凹凸歯型ロールや波型ロールなどを用いて圧縮破砕細分するものである。
(6)流動層造粒法(造粒ハンドブック p283)
下から吹き上げる流体中に粉体を浮遊懸濁させた状態に保ちながら、結合剤を噴霧して造粒する方法。この操作は流動化法という単位操作に属するが、これに転動、攪拌作用を併用させた流動層多機能型造粒機もある。
核に被覆物質やバインダーの溶液を噴霧した核表面に背負う粒子を付着させる造粒方法。回転円筒で転動するパンコーティング、回転円板で転動する転動コーティング、空気流による流動層を形成する流動層コーティング、ローターの回転による遠心力とスリットエアーにより遊星運動をおこす遠心流動型コーティング等の種類がある。
(8)溶融造粒法(造粒ハンドブック p227)
溶融状態にある物質を噴射または板上滴下などにより細分化あるいはフレーク状にして、冷却凝固する方法。
(9)噴霧乾燥造粒法(造粒ハンドブック p249)
乾燥塔内の熱風気流中において、溶液、ペースト、懸濁液などを噴霧微粒化し、同時に水分を蒸発させて乾燥粒子とする造粒方法。
マイクロカプセルの製造方法として知られているカプセル造粒方法。界面重合法、液中硬化被膜法、エマルション法、内包物交換法、スプレードライング法等がある。
(11)真空凍結造粒法(造粒ハンドブック p469)
常温では粒形を維持できない湿潤材料を用い、凍結(冷却固化)状態を利用して粒状物をつくる方法。
[処理工程]
[写真処理液]
漂白定着液において用いられる漂白剤としては、公知の漂白剤も用いることができるが、特に鉄(III) の有機錯塩(例えばアミノポリカルボン酸類の錯塩)もしくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの有機酸、過硫酸塩、過酸化水素などが好ましい。
漂白定着剤に一般式(I)以外の定着剤を使用する場合には、定着剤としては、公知の定着薬品、即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムなどのチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩、エチレンビスチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールなどのチオエーテル化合物およびチオ尿素類などの水溶性のハロゲン化銀溶解剤であり、これらを1種あるいは2種以上混合して使用することができる。また、特開昭55−155354号公報に記載された定着剤と多量の沃化カリウムの如きハロゲン化物などの組み合わせからなる特殊な漂白定着液等も用いることができる。本発明においては、チオ硫酸塩特にチオ硫酸アンモニウム塩の使用が好ましい。錠剤又は顆粒型処理剤から調製した定着液及び漂白定着液中の定着薬品の濃度は、調合液1リットルあたり0.3〜3モルが好ましく、更に好ましくは0.5〜2.0モルの範囲である。固形漂白定着組成物は、上記濃度の漂白定着液又は漂白定着補充液が得られるように設計されている。
[適用される感光材料]
カラー感光材料に使用できる写真用添加剤もRDに記載されており、下記の表に関連する記載箇所を示した。
化学増感剤 23頁 648 頁右欄 866頁
感度上昇剤 648 頁右欄
分光増感剤、 23〜24頁 648 頁右欄 866 〜868 頁
強色増感剤 〜649 頁右欄
増 白 剤 24頁 647 頁右欄 868頁
光吸収剤、 25 〜26頁 649 頁右欄 873頁
フィルター、染料、 〜650 頁左欄
紫外線吸収剤
バインダー 26頁 651 頁左欄 873 〜874 頁
可塑剤、 27頁 650 頁右欄 876頁
潤滑剤
塗布助剤、 26 〜27頁 650 頁右欄 875 〜876 頁
表面活性剤
スタチツク防止剤 27頁 650 頁右欄 876 〜877 頁
マツト剤 878 〜879 頁。
[実施例1]
1.カラーペーパー試料の作製
原紙の両面をポリエチレン樹脂で被覆してなる支持体の表面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設け、さらに第一層〜第七層の写真構成層を順次塗設して、以下に示す層構成のハロゲン化銀カラー写真感光材料の試料(101)を作製した。各写真構成層用の塗布液は、特開2003−98616号の実施例2の試料(G−28)と同様にして調製した。
市販のカラーネガフィルムであるフジカラー Venus 800(富士写真フイルム(株)製)で、屋外晴天の中景に人物を撮影し、処理機として富士写真フイルム(株)製自動現像機FP−363SC、カラーネガフイルム処理処方CN−16Sとその処理剤(いずれも富士写真フイルム(株)製)を用いて現像処理を行った。
富士写真フイルム(株)製ミニラボプリンタープロセッサー フロンティア340Eを用いて、現像処理されたカラーネガフイルムの画像情報を読み取り、レーザー露光ユニットで試料(101)に露光を施し、以下に示す処理工程及び処理液でランニング処理(現像液の累積補充量が、そのタンク容量の3倍になるまで)を行った。
なお、フロンティア340Eは、下記処理工程で処理できるようタンクとラックを改造し、顆粒補充剤を直接処理タンクに添加するロータリーフィーダー方式の補充装置を増設し、水を処理タンクに添加する補充装置を増設する改造を行った。
なお、カラー現像の補充剤は特開2002−196456号の実施例−1の造粒物7と造粒物15との混合物(質量で4:1)を、漂白定着の補充剤は特開2002−196456号の実施例−2の造粒物7に相当する補充剤を後述の方法(「3.漂白定着液の補充剤の調製方法」参照)で調製したものを用いた。
(顆粒剤) 水
カラー現像 45℃ 20秒 4.5g 40mL
漂白定着 40℃ 20秒 8g 28mL
リンス1** 40℃ 5秒 −
リンス2** 40℃ 5秒 −
リンス3** 40℃ 5秒 −
リンス4** 40℃ 8秒 − 150mL
乾 燥 80℃ 10秒
* 補充量は感光材料1m2当たりの量で表わす。
** 水洗過程はリンス4から1への4タンク向流方式とした。
*** 廃液は、各工程からのオーバーフロー液を一つのタンクにまとめて貯留した。
また、リンス系には富士写真フイルム(株)製のリンスクリーニングシステムRC50(商品名)を採用し、リンス3からリンス液を取り出してポンプによって逆浸透モジュール(RC50D)に送り、このモジュールで得られた透過水はリンス4に供給され、濃縮水はリンス3に戻される方式を採った。逆浸透膜への透過水量は200〜300mL/分を維持するようにポンプ圧を調整し、1日10時間温調循環させた。
〔カラー現像液〕
陽イオン交換水 800mL
ジメチルポリシロキサン系界面活性剤 0.1g
(シリコーンKF351A、信越化学工業(株)製、商品名)
エチレンジアミン四酢酸塩 4.0g
塩化カリウム 9.0g
臭化カリウム 0.03g
亜硫酸ナトリウム 0.1g
蛍光増白剤 Hakkol FWA-SF(昭和化学(株)製、商品名) 4.0g
p−トルエンスルホン酸ナトリウム 20.0g
炭酸カリウム 27.0g
ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナートエチル)ヒドロ
キシルアミン 10.0g
N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−
3−メチル−4−アミノアニリン・3/2硫酸・1水塩 10.0g
水を加えて 1000mL
pH(25℃/水酸化カリウム及び硫酸にて調整) 10.30
水 600mL
チオ硫酸アンモニウム(750g/リットル) 110mL
亜硫酸アンモニウム 40.0g
エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム 50.0g
エチレンジアミン四酢酸 5.0g
コハク酸 20.0g
水を加えて 1000mL
pH(25℃/硝酸及びアンモニア水にて調整) 6.0
塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02g
脱イオン水(導電率5μS/cm以下) 1000mL
pH 6.0
廃液が230mL溜まった時点(感光材料1m2の処理分に相当)で、図1に記載した薄膜式フラッシュエバポレーター装置を用い、回転数1500rpm、液供速度0.4L/h、その他の条件は表1に記載の条件にて、廃液を固形化した。固形物は約10g採取した。この固形物と特開2002−196456号の実施例−2の造粒物7との混合物(質量比4:1)を、感光材料1m2の漂白定着液の補充剤として、ランニングテストを行った。
表1記載の補充剤における各ランニング処理において、リンス3の循環量を測定した。各ランニング処理開始前のリンス3循環量は、いずれも5L/minであった。ランニング処理後の流量低下の原因はフィルターの目詰まりであり、フィルターを新品に交換することですべての水準で5L/minに回復している。
結果を下記表1に示す。
未露光の試料(101)を、表1記載の各ランニング処理の開始前とランニング終了後において現像処理した。これらのサンプルを青色光(ステータスA相当フィルター光)で測定した最小濃度部(Dmin)をそれぞれ読み取り、ステインを下記式にて算出した。下記算出値は、0が最も好ましく、白地が悪化していないということである。
(ステイン)=(ランニンク゛後のDmin)―(ランニンク゛開始前のDmax)
結果を下記表1に示す。
ランニング処理終了後、Lサイズ(89mm×127mm)、四切サイズ(203mm×254mm)の各サイズにカットされた試料(101)に露光を与えずに処理を行った。処理は、Lサイズ200枚処理した直後に、四切サイズ10枚の処理を行い、四切サイズ計10枚の得られた白地を下記基準で目視評価した。
評価基準
○……感光材料汚れの発生なし
△……感光材料汚れが、10枚中1〜5箇所発生している。
×……感光材料汚れが、10枚中6〜10箇所発生している。
××…感光材料汚れが、10枚中11箇所以上発生している。
結果を下記表1に示す。
実施例1の本発明例(3)において、廃液を固形化する際、蒸発する水を回収し、漂白定着及びリンスの補充水に再利用したこと以外は同様にして試験したところ、実施例1の本発明例(3)と同様の性能が得られた。これによって、補充量を更に低減できることがわかった。
4. ブレード部材
5. ジョイント
6. 固定部
7. 微小クリアランス
9. 回転軸
10.円筒
11.回転軸
11a 軸受け
12.回転ブレード
13.加熱ジャケット部
14.熱媒体入口
15.熱媒体出口
16.揮発物排出口
17.写真廃液供給口
18.揮発性成分
19.モータ
20.固化物取出し口
21.内壁面
22.ピン
23.ボルト
24.シム
25.固定部
26.ブレード部材
Claims (6)
- 写真処理廃液の蒸発固化装置であって、内壁面を加熱面とする円筒と該円筒の中心軸を回転軸として該円筒内を回転可能に構成された回転ブレードから成り、加熱面と回転ブレードとのクリアランスが0.1〜1.0mmであることを特徴とする薄膜式蒸発濃縮装置。
- 回転ブレードが回転方向と逆の方向にスイング自在に設けられ、回転ブレードの重心が回転軸と加熱面の中間に対し加熱面側に偏っていることを特徴とする請求項1記載の薄膜式蒸発濃縮装置。
- 請求項1又は2に記載の薄膜式蒸発濃縮装置を用いて真空度20〜80Torr(2.66〜10.64kPa)で写真処理廃液を蒸発させることを特徴とする写真廃液の蒸発固化方法。
- 請求項1又は2に記載の薄膜式蒸発濃縮装置を用いて加熱面の温度が60〜150℃で写真処理廃液を蒸発させることを特徴とする写真廃液の蒸発固化方法。
- 請求項1又は2に記載の薄膜式蒸発濃縮装置を用いて写真処理廃液を蒸発固化させ、得られた固化物を用いて該固化物を50〜90質量%含有する固形写真処理組成物を調製することを特徴とする写真廃液の再利用システム。
- 写真廃液に銀回収処理を施すことなく蒸発固化することを特徴とする請求項5に記載の写真廃液の再利用システム。
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