JP2005014759A - 車両用表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】イグニッションスイッチをオン状態からオフ状態にして車両用表示装置への電源供給を遮断したときに、電源安定化用コンデンサ等の蓄積電荷によって警告灯や表示灯が一瞬点灯してしまうのを、簡易な回路構成で防止する。
【解決手段】エアバッグ制御装置やABS(アンチブレーキシステム)制御装置などの車両用制御装置30の異常を報知するための警告灯(発光ダイオード)11を点灯駆動するNPN型トランジスタ13のベース電流供給経路に、所定のツェナー電圧を有する定電圧ダイオード15を介設することで、NPN型トランジスタ13がオン状態となる点灯しきい値電圧を高くする。車両用制御装置30側のNPNトランジスタ32がオフ状態になった時点で、車両用表示装置10の電源電圧が点灯しきい値電圧以下に低下していれば、点灯駆動用のトランジスタ13がオン状態になることはなく、警告灯(発光ダイオード)11が点灯することはない。
【選択図】 図1
【解決手段】エアバッグ制御装置やABS(アンチブレーキシステム)制御装置などの車両用制御装置30の異常を報知するための警告灯(発光ダイオード)11を点灯駆動するNPN型トランジスタ13のベース電流供給経路に、所定のツェナー電圧を有する定電圧ダイオード15を介設することで、NPN型トランジスタ13がオン状態となる点灯しきい値電圧を高くする。車両用制御装置30側のNPNトランジスタ32がオフ状態になった時点で、車両用表示装置10の電源電圧が点灯しきい値電圧以下に低下していれば、点灯駆動用のトランジスタ13がオン状態になることはなく、警告灯(発光ダイオード)11が点灯することはない。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両制御システムの動作状態や異常発生を発光ダイオードやランプ等からなる表示灯や警告灯の点灯によって表示する車両用表示装置に係り、詳しくは、イグニッションスイッチをオンからオフにした際に表示灯や警告灯が一瞬点灯するのを防止するようにした車両用表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の運転席前方には、各種計器(例えばスピードメータ)の他、警告灯や表示灯が装備された車両用計器(コンビネーションメータ)が配置されている。ここで、警告灯は、車両搭載機器の異常等を運転者に報知するために点灯される。また、表示灯は、車両搭載機器の動作状態を運転者に報知するために点灯される。警告灯には、燃料残量警告灯、エアバッグ警告灯、ABS(アンチロックブレーキシステム)警告灯、油圧警告灯、エンジン警告灯、シートベルト非装着警告灯、充電警告灯、ブレーキ警告灯などがある。表示灯も同様に各種のものがある。
【0003】
車両搭載機器と警告灯点灯回路とを接続する信号線ハーネス及びコネクタに断線、グランドショート等が生じた場合にも警告灯を点灯させることにより、運転者に異常を知らせることができるようにした車両制御システムの異常警告装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図3は上記特許文献1に記載されている従来のエアバッグ装置システムの異常警告装置の回路図である。従来のエアバッグ装置システムの異常警告装置は、エアバッグECU110とコンビネーションメータ124とが信号線ハーネス138で接続されてなる。エアバッグECU110は、エアバッグシステムの異常検出の自己診断を実施して診断結果を出力するCPU140を備えている。このCPU140は、自己診断結果をH(異常あり)、L(正常)信号で出力する。診断結果であるH(異常あり)、L(正常)信号は、ベース抵抗R10を介してエミッタが接地されたNPNトランジスタTr3のベースに供給される。
【0005】
コンビネーションメータ124は、警告灯(ランプ)Lを駆動するNPNトランジスタTr1と、その前段に設けられたNPNトランジスタTr2と、各トランジスタの周辺回路とからなる。
【0006】
CPU140の診断結果がL(正常)信号である場合には、トランジスタTr3がオフ状態となるので、+V電源からダイオードD5−ダイオードD3−抵抗R7−抵抗R6−信号線ハーネス138−抵抗R5−ダイオードD2の経路でトランジスタTr2にベース電流が供給されてトランジスタTr2はオン状態となり、トランジスタTr1はオフ状態となるので、警告灯(ランプ)Lは消灯状態となる。CPU140の診断結果がH(異常)信号である場合には、トランジスタTr3はオン状態となり、トランジスタTr2はオフ状態、トランジスタTr1はオン状態となるので、警告灯(ランプ)Lは点灯状態となる。
【0007】
このエアバッグ装置システムの異常警告装置は、信号線ハーネス138が断線したり、信号線ハーネス138がグランド側に短絡(ショート)したりした場合には、トランジスタTr2はオフ状態、トランジスタTr1はオン状態となるので、警告灯(ランプ)Lは点灯状態となる。
【0008】
図3に示した従来の回路構成では、例えばイグニッションスイッチをオフして+V電源の供給を遮断したときに、警告灯(ランプ)Lが一瞬点灯することがある。+V電源の供給を遮断したことによってエアバッグECU110側から信号線ハーネス138を介して供給されていたベース電流が遮断され、トランジスタTr2がオフ状態になったときに、コンビネーションメータ124側の+V電源が十分に低い電圧まで低下していない場合には、トランジスタTr1がオン状態となることによって、警告灯(ランプ)Lが一瞬点灯する。
【0009】
一般に、負荷電流の変動に伴って電源電圧が変動するのを抑制するために電源安定化用コンデンサが各回路ブロック毎に設けられている。このため、例えばイグニッションスイッチをオフして+V電源(バッテリ電源)の供給を遮断しても、各回路部の電源電圧は直ちに0ボルトまで低下せずに、電源安定化用コンデンサの容量と負荷電流との関係で定まる所定の時定数で各回路部の電源電圧が低下することになる。
【0010】
そこで本出願人は、このような警告灯が一瞬点灯してしまう問題を解消するために、点灯回路部への電源供給を強制的に遮断するようにした車両用表示装置を提案している(特許文献2参照)。
【0011】
図4は上記特許文献2に記載されている従来の車両用表示装置の構成図である。図4において、221は車両に搭載されたバッテリ、223はイグニッションスイッチ(IGNSW)がオンになると制御電圧(IGN電圧)を供給する222オルタネータ、223は車両のイグニッションスイッチ(IGNSW)、224は車両の異常を検知するとオンになるセンサのスイッチ(センサSW)、225はオルタネータ222からのIGN電圧が供給されているときにセンサSW224がオンになる警告灯の点灯指令(Lレベルの信号)を出力する車両コントローラである。
【0012】
226はセンサSW224がオンになるとトランジスタ227をオフにする一方、センサSW224がオフになるとトランジスタ227をオンにするIGN電圧モニタ回路であり、このIGN電圧モニタ回路226はIGN電圧が設定電圧よりも低くなると、トランジスタ227をオフにする。227はIGN電圧モニタ回路226に制御されるトランジスタ、228はトランジスタ227がオンになるとオフになり、トランジスタ227がオフになるとオンになるトランジスタである。
【0013】
229はオルタネータ222からIGN電圧が供給され、かつ、誤点灯防止回路232を介してIGN電圧が供給されているとき、車両コントローラ225から警告灯の点灯指令(Lレベルの信号)を受けると警告灯230を点灯するウォーニング点灯回路である。230は発光ダイオードからなる警告灯、231は車両コントローラ225の出力レベルがHレベルになるとオフになり、車両コントローラ225の出力レベルがLレベルになるとオンになるトランジスタである。
【0014】
232はオルタネータ222が供給するIGN電圧が基準電圧(基準電圧はダイオード電圧DVの設定電圧と対応付けて設定され、IGN電圧モニタ回路226の設定電圧よりも高い電圧である)を下回ると、ウォーニング点灯回路229に対するIGN電圧の供給を強制的に断ち切る誤点灯防止回路である。233はツェナーダイオード、234はエミッタが接地されたNPNトランジスタ、235はIGN電圧の供給/遮断を行なうPNPトランジスタである。
【0015】
この誤点灯防止回路232は、IGN電圧がツェナーダイオード電圧VZDとNPNトランジスタのベース−エミッタ間電圧VBEとの和で定まるしきい値電圧(VZD+VBE)を越えている場合は、NPNトランジスタ234及びPNPトランジスタ235が能動状態となり、PNPトランジスタ235を介してIGN電圧をウォーニング点灯回路229に供給する。そして、イグニッションスイッチ(INGSW)223がオフされてIGN電圧が前記しきい値電圧(VZD+VBE)を下回ると、各トランジスタ234,235がともにオフとなってウォーニング点灯回路229へのIGN電圧の供給を遮断する。
【0016】
このように、従来の車両用表示装置は、イグニッションスイッチ(IGNSW)223がオフされたことに伴ってIGN電圧が低下した際に、ウォーニング点灯回路229へのIGN電圧の供給を遮断することで、警告灯230の誤点灯を防止している。
【0017】
【特許文献1】
特開2000−6736号公報
【特許文献2】
特開2001−105929号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
警告灯や表示灯の点灯回路は、電子制御ユニット(ECU)から点灯制御信号が供給されない場合には警告灯や表示灯を点灯状態にする自己点灯型の回路構成を取ることが多い。これにより、電子制御ユニット(ECU)が正常に動作していない場合や電子制御ユニット(ECU)と点灯回路とが正常に接続されていない場合(例えば、点灯制御信号線の断線等)場合でも、警告灯や表示灯が点灯状態になり、利用者に動作異常が発生していることを知らせることができる。
【0019】
しかしながら、自己点灯型の回路構成を取った場合は、例えばイグニッションスイッチをオンからオフにしてバッテリ電源の供給を遮断した際に、電源安定化用コンデンサ等に蓄えられている電荷の影響で点灯回路部の電源が徐々に低下していくときに、警告灯や表示灯が一瞬点灯してしまうことがある。
【0020】
特許文献2に記載されているように、点灯回路への電源供給を強制的に断ち切る誤点灯防止回路を設けることで、瞬時点灯を防止することができる。しかしながら、点灯回路への電源供給を強制的に断ち切るためには電源供給を断にするためのスイッチング素子と電源の低下を検出してスイッチング素子をオフ状態に駆動する回路が必要である。このため、これらの回路部品を実装するスペースが必要になるとともに、コストがかかる。
【0021】
本発明はこのような課題を解決するためなされたもので、電源遮断時に警告灯などが一瞬点灯するのを簡易な回路構成で防止できるようにした車両用表示装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明に係る車両用表示装置は、他の装置から点灯/消灯を制御するための点灯・消灯制御信号が供給されない状態では警告灯または表示灯を点灯させる自己点灯型の車両用表示装置であって、警告灯または表示灯を駆動するトランジスタのベース電流供給経路に所定のしきい値電圧を有する非線形素子が介設されていることを特徴とする。
【0023】
警告灯または表示灯を駆動するトランジスタのベース電流供給経路に所定のしきい値電圧を有する非線形素子を介設することで、警告灯または表示灯を点灯するための点灯しきい値電圧を高い値に設定することができる。これにより、車両用表示装置への電源供給が遮断され、車両用表示装置の電源電圧が低下しはじめると、電源電圧が早期に点灯しきい値電圧以下になるので、警告灯または表示灯を駆動するトランジスタがオン状態になることはない。したがって、電源供給の遮断時に、警告灯または表示灯が一瞬点灯するのを防止できる。
【0024】
なお、非線形素子として定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)を用いることで、少ない部品点数で警告灯または表示灯が一瞬点灯するのを防止できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。
【0026】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る車両用表示装置とその周辺回路を示す回路構成図である。図1において、1は車載のバッテリ(BAT)、2はイグニッションスイッチ(IGNSW)、3は定電圧回路(定電圧電源回路)、10は車両用表示装置、30は車両用制御装置(他の装置)、40は点灯/消灯制御信号線である。
【0027】
イグニッションスイッチ2がオン(導通)状態にされると、車両用表示装置10にイグニッション電源VIGNが供給され、また、定電圧回路3を介して制御装置用電源VCCが車両用制御装置30に供給される。
【0028】
車両用表示装置10は、警告灯または表示灯としての発光ダイオード(LED)11と、発光ダイオード11に供給する電流を制限するための電流制限抵抗12と、発光ダイオード11を駆動するNPN型のトランジスタ13と、発光ダイオード11及びトランジスタ13に逆電圧(逆方向電圧)が印加されるのを阻止する逆電圧印加防止用ダイオード14と、点灯しきい値電圧を設定するための非線形素子としての定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)15と、トランジスタ13にベース電流を供給するための第1及び第2の電流制限抵抗16,17と、電源安定化用コンデンサ18と、トランジスタ13のベース・エミッタ間に逆電圧が印加されるのを防止する逆電圧保護用ダイオード19と、高周波ノイズを吸収するためのノイズ吸収用コンデンサ20と、トランジスタ13のベース・エミッタ間抵抗21とからなる。なお、警告灯または表示灯として発光ダイオード11の替わりにランプ(電球)を用いてもよい。
【0029】
トランジスタ13のエミッタは接地されている。トランジスタ13のコレクタは、逆電圧印加防止用ダイオード14と発光ダイオード11と電流制限抵抗12との直列接続回路を介してイグニッション電源VIGNに接続されている。トランジスタ13のベース・エミッタ間には、逆電圧保護用ダイオード19とノイズ吸収用コンデンサ20とベース・エミッタ間抵抗21とがそれぞれ接続されている。トランジスタ13のベースは、定電圧ダイオード15と第2の電流制限抵抗17を介して点灯/消灯制御信号入力端子10aに接続されている。そして、点灯/消灯制御信号入力端子10aには、第1の電流制限抵抗16を介してイグニッション電源VIGNが供給されている。
【0030】
点灯/消灯制御信号入力端子10aは、点灯/消灯制御信号線40を介して車両用制御装置30の点灯/消灯制御信号出力端子30aに接続されている。なお、車両用制御装置30の具体例として、エアバッグ制御装置、ABS(アンチロックブレーキシステム)制御装置、エンジン噴射制御装置等を挙げることができる。
【0031】
車両用制御装置30は、CPU31等によって異常等が検出された場合及び警告灯や表示灯の点灯試験を行なう場合にのみ、エミッタが接地されたNPN型のトランジスタ32をオフ状態に駆動することで、点灯/消灯制御信号出力端子30aを高インピーダンス状態にし、それ以外のときは(車両用制御装置30の動作が正常であるときは)NPN型のトランジスタ32をオン状態に駆動する。すなわち、車両用制御装置30は、警告灯又は表示灯を点灯させる場合には点灯/消灯制御信号出力端子30aを高インピーダンス状態とし、警告灯又は表示灯を消灯させる場合には点灯/消灯制御信号出力端子30aをLレベル(概ね接地電圧レベル)にする。なお、符号33はCPU31の出力ポート等とトランジスタ32のベースとの間に介設されたベース抵抗、符号34はベース・エミッタ間抵抗である。
【0032】
次に、第1の実施の形態に係る車両用表示装置の動作について説明する。車両用制御装置30内のトランジスタ32がオフ状態(すなわち、点灯指令が出されている状態)であると、第1及び第2の電流制限抵抗16,17及び定電圧ダイオード15を介してNPN型のトランジスタ13にベース電流が供給される。これにより、トランジスタ13はオン状態となり、発光ダイオード11に順方向電流が供給されて発光ダイオード11は点灯状態となる。
【0033】
車両用制御装置30内のトランジスタ32がオン状態(すなわち、消灯指令が出されている状態)になると、点灯/消灯制御入力端子10aは点灯/消灯制御信号線40を介してLレベル(グランド電位)になるため(第1の電流制限抵抗16を流れる電流は、点灯/消灯制御信号線40を介してトランジスタ32側に流れるため)、NPN型のトランジスタ13にベース電流は供給されなくなり、トランジスタ13はオフ(非導通)状態となるので、発光ダイオード11は消灯する。
【0034】
イグニッションスイッチ2がオフ(非導通)状態にさせると、バッテリ1からの電源供給が遮断され、イグニッション電源VIGN及び制御装置用電源VCCもともに電源供給が断たれる。車両用表示装置10は、イグニッション電源VIGNとグランド(接地)との間に電源安定化用コンデンサ18を介設しているので、この電源安定化用コンデンサ18の電荷の放電に対応して車両用表示装置10の電源電圧が低下していく。
【0035】
車両用制御装置30も同様に電源安定化用コンデンサ(図示しない)を備えているので、その電源安定化用コンデンサの電荷の放電に対応して車両用制御装置30の電源電圧が低下していく。したがって、点灯/消灯制御信号線40をLレベルに駆動するNPNトランジスタ32はオフ状態となる。
【0036】
NPNトランジスタ32がオフ状態になった時点で、車両用表示装置10側の電源電圧が例えば5ボルト程度あった場合、従来の車両用表示装置では警告灯を点灯駆動するトランジスタにベース電流がながれ、このトランジスタがオン状態になって警告灯が一瞬点灯してしまう。これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る車両用表示装置10では、警告灯などを構成する発光ダイオード11を点灯駆動するトランジスタ13のベース電流供給経路に、定電圧ダイオード15を介設し、ベース電流が供給される電圧しきい値を高く設定している。
【0037】
例えば、車両用表示装置10が安定に動作できる最低電源電圧が9ボルトであるとし、イグニッションスイッチ2がオフされて車両用制御装置30内のトランジスタ32がオフ状態になった時点で、車両用表示装置10に例えば7ボルトの電源電圧が残っているものとすれば、しきい値電圧(ツェナー電圧)が例えば6.8ボルトの定電圧ダイオード15をベース電流供給経路に介設する。これにより、トランジスタ13にベース電流を供給してトランジスタ13をオン状態にできる点灯しきい値電圧は、定電圧ダイオード15のしきい値電圧(ツェナー電圧)とトランジスタ13のベース・エミッタ間電圧(約0.7ボルト)との和となるので、点灯しきい値電圧は6.8+0.7=7.5ボルトとなる。したがって、イグニッションスイッチ2がオフされて車両用制御装置30内のトランジスタ32がオフ状態になった時点で、車両用表示装置10に例えば7ボルトの電源電圧が残っていても、トランジスタ13がオン状態に駆動されることはなく、発光ダイオード11が点灯することはない。
【0038】
このように、本実施の形態に係る車両用表示装置10は、ベース電流供給経路に定電圧ダイオード15を介設し、点灯しきい値電圧を高く設定することで、発光ダイオード11の一瞬点灯を防止する構成としたので、少ない回路部品で警告灯や表示灯の誤点灯を防止できる。また、車両用制御装置30側の電源電圧低下の時間特性(放電時定数)と車両用表示装置10側の電源電圧低下の時間特性(放電時定数)とに応じて、非線形素子としての定電圧ダイオード15のしきい値電圧(ツェナー電圧)を適宜設定することで、車両用制御装置30の種類が異なって、瞬時点灯(誤点灯)が防止することができる。
【0039】
なお、本実施の形態に係る車両用表示装置10は、点灯/消灯制御信号入力端子10aとトランジスタ13のベースとの間に第2の電流制限抵抗17を介設する構成としているので、点灯/消灯制御信号入力端子10aや点灯/消灯制御信号線40に例えばイグニッション電源VIGNや制御装置用電源VCCが印加されても、トランジスタ13に過大なベース電流が流れることがない(トランジスタ13が破損することがない)。また、このような場合でも、発光ダイオード11が点灯されるので、正常でないことを報知できる。
【0040】
図2は本発明の第2の実施の形態に係る車両用表示装置とその周辺回路を示す回路構成図である。
【0041】
第2の実施の形態に係る車両用表示装置50は、点灯/消灯制御信号入力端子50aに供給される点灯/消灯制御信号の論理レベルを反転するためのエミッタが接地されたNPN型のトランジスタ51と、警告灯または表示灯を構成する発光ダイオード52(LED)を点灯駆動するためのエミッタが接地されたNPN型のトランジスタ53と、発光ダイオード52(LED)に供給する電流を制限するための電流制限抵抗54と、トランジスタ53のベースとトランジスタ51のコレクタとの間に介設された定電圧ダイオード55と、トランジスタ51とイグニッション電源VIGNとの間に介設された負荷抵抗56と、トランジスタ51のベースと点灯/消灯制御信号入力端子50aとの間に介設されたベース抵抗57と、トランジスタ51のベース・エミッタ間抵抗58と、発光ダイオード駆動用のトランジスタ53のベース・エミッタ間抵抗59と、電源安定化用コンデンサ60とからなる。
【0042】
この車両用表示装置50は、点灯/消灯制御信号入力端子50aがLレベル(接地電位)に駆動された場合、及び点灯/消灯制御信号入力端子50aがオープン(開放)状態にされた場合に、トランジスタ51がオフ状態となり、負荷抵抗56及び定電圧ダイオード55を介してトランジスタ53にベース電流が供給されてこのトランジスタ53がオン状態となり、これにより発光ダイオード52を点灯させる。そして、点灯/消灯制御信号入力端子50aに所定電圧以上の電圧が供給されると、トランジスタ51がオン状態となり、トランジスタ53がオフ状態となって、発光ダイオード52を消灯させる。
【0043】
車両用制御装置(他の装置)70は、CPU31と、CPU31のポート出力の論理レベルを反転するインバータ71と、インバータ71の出力で駆動されるエミッタが接地されたNPN型のトランジスタ72と、そのトランジスタ72のコレクタと制御装置用電源VCCとの間に介設された負荷抵抗73と、ベース抵抗74と、ベース・エミッタ間抵抗75とからなる。
【0044】
この車両用制御装置70は、警告灯や表示灯を点灯させる際には、トランジスタ72をオン状態にして、点灯/消灯制御信号出力端子70aをLレベル(接地電位)に駆動する。これにより、点灯/消灯制御信号線40を介して点灯/消灯制御信号入力端子50aをLレベルにして、発光ダイオード52を点灯させることができる。また、この車両用制御装置70は、警告灯や表示灯を消灯させる際には、トランジスタ72をオフ状態にして、制御装置用電源VCCを負荷抵抗73を介して点灯/消灯制御信号出力端子70aに供給する。これにより、点灯/消灯制御信号線40を介して点灯/消灯制御信号入力端子50aにHレベルの信号を供給して、発光ダイオード52を消灯させることができる。
【0045】
イグニッションスイッチ2がオン状態からオフ状態にされたことに伴って制御装置用電源VCCが低下し、車両用表示装置50側のトランジスタ51がオフ状態になった時点で、車両用表示装置50側の電源電圧が数ボルト残っていた場合、従来の車両用表示装置では発光ダイオード駆動用のトランジスタがオン状態となり、発光ダイオードが一瞬点灯してしまうという問題があった。これに対して、本発明に係る車両用表示装置50は、発光ダイオード駆動用のトランジスタ53のベース電流供給経路に定電圧ダイオード55を介設して、トランジスタ53がオン状態となる点灯しきい値電圧を高くしている。これにより、車両用表示装置50側のトランジスタ51がオフ状態になった時点で、車両用表示装置50側の電源電圧が点灯しきい値電圧以下に低下していれば、トランジスタ53がオン状態となることはなく、発光ダイオード52が瞬時点灯することはない。
【0046】
なお、第2の実施の形態に係る車両用表示装置50は、点灯/消灯制御信号線40が断線した場合やグランドショートなどの地落障害になった場合にも、発光ダイオード52を点灯させて、異常を報知することができる。
【0047】
なお、本実施の形態では、警告灯または表示灯を駆動するトランジスタのベース電流供給経路に介設する非線形素子とした定電圧ダイオードを用いた例を示したが、定電圧ダイオードの替わりに、複数のダイオードを直列接続してなるダイオード素子(レベルシフト用ダイオード素子)や、複数のダイオードを直列接続したものを極性を互いに逆にして並列接続してなる組ダイオードやバリスタなどを用いてもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る車両用表示装置は、警告灯または表示灯を駆動するトランジスタのベース電流供給経路に所定のしきい値電圧を有する非線形素子(例えば定電圧ダイオード)を介設したので、極めて簡易な構成で警告灯または表示灯を点灯するための点灯しきい値電圧を高い値に設定することができ、これにより、イグニッションスイッチをオフ状態にしたときに、警告灯や表示灯が一瞬点灯するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る車両用表示装置とその周辺回路を示す回路構成図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る車両用表示装置とその周辺回路を示す回路構成図である。
【図3】従来のエアバッグ装置システムの異常警告装置の回路図である。
【図4】従来の車両用表示装置の構成図である。
【符号の説明】
1 バッテリ
2 イグニッションスイッチ
3 定電圧回路(定電圧電源回路)
10,50 車両用表示装置
10a,50a 点灯/消灯制御信号入力端子
11,52 発光ダイオード(警告灯または表示灯)
13,53 発光ダイオード点灯駆動用トランジスタ
15,55 定電圧ダイオード(非線形素子)
16,17,56 ベース電流供給経路を構成する電流制限抵抗
30,70 車両用制御装置(他の装置)
30a,70a 点灯/消灯制御信号出力端子
31 CPU
32,72 点灯/消灯制御信号駆動用トランジスタ
40 点灯/消灯制御信号線
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両制御システムの動作状態や異常発生を発光ダイオードやランプ等からなる表示灯や警告灯の点灯によって表示する車両用表示装置に係り、詳しくは、イグニッションスイッチをオンからオフにした際に表示灯や警告灯が一瞬点灯するのを防止するようにした車両用表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の運転席前方には、各種計器(例えばスピードメータ)の他、警告灯や表示灯が装備された車両用計器(コンビネーションメータ)が配置されている。ここで、警告灯は、車両搭載機器の異常等を運転者に報知するために点灯される。また、表示灯は、車両搭載機器の動作状態を運転者に報知するために点灯される。警告灯には、燃料残量警告灯、エアバッグ警告灯、ABS(アンチロックブレーキシステム)警告灯、油圧警告灯、エンジン警告灯、シートベルト非装着警告灯、充電警告灯、ブレーキ警告灯などがある。表示灯も同様に各種のものがある。
【0003】
車両搭載機器と警告灯点灯回路とを接続する信号線ハーネス及びコネクタに断線、グランドショート等が生じた場合にも警告灯を点灯させることにより、運転者に異常を知らせることができるようにした車両制御システムの異常警告装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図3は上記特許文献1に記載されている従来のエアバッグ装置システムの異常警告装置の回路図である。従来のエアバッグ装置システムの異常警告装置は、エアバッグECU110とコンビネーションメータ124とが信号線ハーネス138で接続されてなる。エアバッグECU110は、エアバッグシステムの異常検出の自己診断を実施して診断結果を出力するCPU140を備えている。このCPU140は、自己診断結果をH(異常あり)、L(正常)信号で出力する。診断結果であるH(異常あり)、L(正常)信号は、ベース抵抗R10を介してエミッタが接地されたNPNトランジスタTr3のベースに供給される。
【0005】
コンビネーションメータ124は、警告灯(ランプ)Lを駆動するNPNトランジスタTr1と、その前段に設けられたNPNトランジスタTr2と、各トランジスタの周辺回路とからなる。
【0006】
CPU140の診断結果がL(正常)信号である場合には、トランジスタTr3がオフ状態となるので、+V電源からダイオードD5−ダイオードD3−抵抗R7−抵抗R6−信号線ハーネス138−抵抗R5−ダイオードD2の経路でトランジスタTr2にベース電流が供給されてトランジスタTr2はオン状態となり、トランジスタTr1はオフ状態となるので、警告灯(ランプ)Lは消灯状態となる。CPU140の診断結果がH(異常)信号である場合には、トランジスタTr3はオン状態となり、トランジスタTr2はオフ状態、トランジスタTr1はオン状態となるので、警告灯(ランプ)Lは点灯状態となる。
【0007】
このエアバッグ装置システムの異常警告装置は、信号線ハーネス138が断線したり、信号線ハーネス138がグランド側に短絡(ショート)したりした場合には、トランジスタTr2はオフ状態、トランジスタTr1はオン状態となるので、警告灯(ランプ)Lは点灯状態となる。
【0008】
図3に示した従来の回路構成では、例えばイグニッションスイッチをオフして+V電源の供給を遮断したときに、警告灯(ランプ)Lが一瞬点灯することがある。+V電源の供給を遮断したことによってエアバッグECU110側から信号線ハーネス138を介して供給されていたベース電流が遮断され、トランジスタTr2がオフ状態になったときに、コンビネーションメータ124側の+V電源が十分に低い電圧まで低下していない場合には、トランジスタTr1がオン状態となることによって、警告灯(ランプ)Lが一瞬点灯する。
【0009】
一般に、負荷電流の変動に伴って電源電圧が変動するのを抑制するために電源安定化用コンデンサが各回路ブロック毎に設けられている。このため、例えばイグニッションスイッチをオフして+V電源(バッテリ電源)の供給を遮断しても、各回路部の電源電圧は直ちに0ボルトまで低下せずに、電源安定化用コンデンサの容量と負荷電流との関係で定まる所定の時定数で各回路部の電源電圧が低下することになる。
【0010】
そこで本出願人は、このような警告灯が一瞬点灯してしまう問題を解消するために、点灯回路部への電源供給を強制的に遮断するようにした車両用表示装置を提案している(特許文献2参照)。
【0011】
図4は上記特許文献2に記載されている従来の車両用表示装置の構成図である。図4において、221は車両に搭載されたバッテリ、223はイグニッションスイッチ(IGNSW)がオンになると制御電圧(IGN電圧)を供給する222オルタネータ、223は車両のイグニッションスイッチ(IGNSW)、224は車両の異常を検知するとオンになるセンサのスイッチ(センサSW)、225はオルタネータ222からのIGN電圧が供給されているときにセンサSW224がオンになる警告灯の点灯指令(Lレベルの信号)を出力する車両コントローラである。
【0012】
226はセンサSW224がオンになるとトランジスタ227をオフにする一方、センサSW224がオフになるとトランジスタ227をオンにするIGN電圧モニタ回路であり、このIGN電圧モニタ回路226はIGN電圧が設定電圧よりも低くなると、トランジスタ227をオフにする。227はIGN電圧モニタ回路226に制御されるトランジスタ、228はトランジスタ227がオンになるとオフになり、トランジスタ227がオフになるとオンになるトランジスタである。
【0013】
229はオルタネータ222からIGN電圧が供給され、かつ、誤点灯防止回路232を介してIGN電圧が供給されているとき、車両コントローラ225から警告灯の点灯指令(Lレベルの信号)を受けると警告灯230を点灯するウォーニング点灯回路である。230は発光ダイオードからなる警告灯、231は車両コントローラ225の出力レベルがHレベルになるとオフになり、車両コントローラ225の出力レベルがLレベルになるとオンになるトランジスタである。
【0014】
232はオルタネータ222が供給するIGN電圧が基準電圧(基準電圧はダイオード電圧DVの設定電圧と対応付けて設定され、IGN電圧モニタ回路226の設定電圧よりも高い電圧である)を下回ると、ウォーニング点灯回路229に対するIGN電圧の供給を強制的に断ち切る誤点灯防止回路である。233はツェナーダイオード、234はエミッタが接地されたNPNトランジスタ、235はIGN電圧の供給/遮断を行なうPNPトランジスタである。
【0015】
この誤点灯防止回路232は、IGN電圧がツェナーダイオード電圧VZDとNPNトランジスタのベース−エミッタ間電圧VBEとの和で定まるしきい値電圧(VZD+VBE)を越えている場合は、NPNトランジスタ234及びPNPトランジスタ235が能動状態となり、PNPトランジスタ235を介してIGN電圧をウォーニング点灯回路229に供給する。そして、イグニッションスイッチ(INGSW)223がオフされてIGN電圧が前記しきい値電圧(VZD+VBE)を下回ると、各トランジスタ234,235がともにオフとなってウォーニング点灯回路229へのIGN電圧の供給を遮断する。
【0016】
このように、従来の車両用表示装置は、イグニッションスイッチ(IGNSW)223がオフされたことに伴ってIGN電圧が低下した際に、ウォーニング点灯回路229へのIGN電圧の供給を遮断することで、警告灯230の誤点灯を防止している。
【0017】
【特許文献1】
特開2000−6736号公報
【特許文献2】
特開2001−105929号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
警告灯や表示灯の点灯回路は、電子制御ユニット(ECU)から点灯制御信号が供給されない場合には警告灯や表示灯を点灯状態にする自己点灯型の回路構成を取ることが多い。これにより、電子制御ユニット(ECU)が正常に動作していない場合や電子制御ユニット(ECU)と点灯回路とが正常に接続されていない場合(例えば、点灯制御信号線の断線等)場合でも、警告灯や表示灯が点灯状態になり、利用者に動作異常が発生していることを知らせることができる。
【0019】
しかしながら、自己点灯型の回路構成を取った場合は、例えばイグニッションスイッチをオンからオフにしてバッテリ電源の供給を遮断した際に、電源安定化用コンデンサ等に蓄えられている電荷の影響で点灯回路部の電源が徐々に低下していくときに、警告灯や表示灯が一瞬点灯してしまうことがある。
【0020】
特許文献2に記載されているように、点灯回路への電源供給を強制的に断ち切る誤点灯防止回路を設けることで、瞬時点灯を防止することができる。しかしながら、点灯回路への電源供給を強制的に断ち切るためには電源供給を断にするためのスイッチング素子と電源の低下を検出してスイッチング素子をオフ状態に駆動する回路が必要である。このため、これらの回路部品を実装するスペースが必要になるとともに、コストがかかる。
【0021】
本発明はこのような課題を解決するためなされたもので、電源遮断時に警告灯などが一瞬点灯するのを簡易な回路構成で防止できるようにした車両用表示装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明に係る車両用表示装置は、他の装置から点灯/消灯を制御するための点灯・消灯制御信号が供給されない状態では警告灯または表示灯を点灯させる自己点灯型の車両用表示装置であって、警告灯または表示灯を駆動するトランジスタのベース電流供給経路に所定のしきい値電圧を有する非線形素子が介設されていることを特徴とする。
【0023】
警告灯または表示灯を駆動するトランジスタのベース電流供給経路に所定のしきい値電圧を有する非線形素子を介設することで、警告灯または表示灯を点灯するための点灯しきい値電圧を高い値に設定することができる。これにより、車両用表示装置への電源供給が遮断され、車両用表示装置の電源電圧が低下しはじめると、電源電圧が早期に点灯しきい値電圧以下になるので、警告灯または表示灯を駆動するトランジスタがオン状態になることはない。したがって、電源供給の遮断時に、警告灯または表示灯が一瞬点灯するのを防止できる。
【0024】
なお、非線形素子として定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)を用いることで、少ない部品点数で警告灯または表示灯が一瞬点灯するのを防止できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。
【0026】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る車両用表示装置とその周辺回路を示す回路構成図である。図1において、1は車載のバッテリ(BAT)、2はイグニッションスイッチ(IGNSW)、3は定電圧回路(定電圧電源回路)、10は車両用表示装置、30は車両用制御装置(他の装置)、40は点灯/消灯制御信号線である。
【0027】
イグニッションスイッチ2がオン(導通)状態にされると、車両用表示装置10にイグニッション電源VIGNが供給され、また、定電圧回路3を介して制御装置用電源VCCが車両用制御装置30に供給される。
【0028】
車両用表示装置10は、警告灯または表示灯としての発光ダイオード(LED)11と、発光ダイオード11に供給する電流を制限するための電流制限抵抗12と、発光ダイオード11を駆動するNPN型のトランジスタ13と、発光ダイオード11及びトランジスタ13に逆電圧(逆方向電圧)が印加されるのを阻止する逆電圧印加防止用ダイオード14と、点灯しきい値電圧を設定するための非線形素子としての定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)15と、トランジスタ13にベース電流を供給するための第1及び第2の電流制限抵抗16,17と、電源安定化用コンデンサ18と、トランジスタ13のベース・エミッタ間に逆電圧が印加されるのを防止する逆電圧保護用ダイオード19と、高周波ノイズを吸収するためのノイズ吸収用コンデンサ20と、トランジスタ13のベース・エミッタ間抵抗21とからなる。なお、警告灯または表示灯として発光ダイオード11の替わりにランプ(電球)を用いてもよい。
【0029】
トランジスタ13のエミッタは接地されている。トランジスタ13のコレクタは、逆電圧印加防止用ダイオード14と発光ダイオード11と電流制限抵抗12との直列接続回路を介してイグニッション電源VIGNに接続されている。トランジスタ13のベース・エミッタ間には、逆電圧保護用ダイオード19とノイズ吸収用コンデンサ20とベース・エミッタ間抵抗21とがそれぞれ接続されている。トランジスタ13のベースは、定電圧ダイオード15と第2の電流制限抵抗17を介して点灯/消灯制御信号入力端子10aに接続されている。そして、点灯/消灯制御信号入力端子10aには、第1の電流制限抵抗16を介してイグニッション電源VIGNが供給されている。
【0030】
点灯/消灯制御信号入力端子10aは、点灯/消灯制御信号線40を介して車両用制御装置30の点灯/消灯制御信号出力端子30aに接続されている。なお、車両用制御装置30の具体例として、エアバッグ制御装置、ABS(アンチロックブレーキシステム)制御装置、エンジン噴射制御装置等を挙げることができる。
【0031】
車両用制御装置30は、CPU31等によって異常等が検出された場合及び警告灯や表示灯の点灯試験を行なう場合にのみ、エミッタが接地されたNPN型のトランジスタ32をオフ状態に駆動することで、点灯/消灯制御信号出力端子30aを高インピーダンス状態にし、それ以外のときは(車両用制御装置30の動作が正常であるときは)NPN型のトランジスタ32をオン状態に駆動する。すなわち、車両用制御装置30は、警告灯又は表示灯を点灯させる場合には点灯/消灯制御信号出力端子30aを高インピーダンス状態とし、警告灯又は表示灯を消灯させる場合には点灯/消灯制御信号出力端子30aをLレベル(概ね接地電圧レベル)にする。なお、符号33はCPU31の出力ポート等とトランジスタ32のベースとの間に介設されたベース抵抗、符号34はベース・エミッタ間抵抗である。
【0032】
次に、第1の実施の形態に係る車両用表示装置の動作について説明する。車両用制御装置30内のトランジスタ32がオフ状態(すなわち、点灯指令が出されている状態)であると、第1及び第2の電流制限抵抗16,17及び定電圧ダイオード15を介してNPN型のトランジスタ13にベース電流が供給される。これにより、トランジスタ13はオン状態となり、発光ダイオード11に順方向電流が供給されて発光ダイオード11は点灯状態となる。
【0033】
車両用制御装置30内のトランジスタ32がオン状態(すなわち、消灯指令が出されている状態)になると、点灯/消灯制御入力端子10aは点灯/消灯制御信号線40を介してLレベル(グランド電位)になるため(第1の電流制限抵抗16を流れる電流は、点灯/消灯制御信号線40を介してトランジスタ32側に流れるため)、NPN型のトランジスタ13にベース電流は供給されなくなり、トランジスタ13はオフ(非導通)状態となるので、発光ダイオード11は消灯する。
【0034】
イグニッションスイッチ2がオフ(非導通)状態にさせると、バッテリ1からの電源供給が遮断され、イグニッション電源VIGN及び制御装置用電源VCCもともに電源供給が断たれる。車両用表示装置10は、イグニッション電源VIGNとグランド(接地)との間に電源安定化用コンデンサ18を介設しているので、この電源安定化用コンデンサ18の電荷の放電に対応して車両用表示装置10の電源電圧が低下していく。
【0035】
車両用制御装置30も同様に電源安定化用コンデンサ(図示しない)を備えているので、その電源安定化用コンデンサの電荷の放電に対応して車両用制御装置30の電源電圧が低下していく。したがって、点灯/消灯制御信号線40をLレベルに駆動するNPNトランジスタ32はオフ状態となる。
【0036】
NPNトランジスタ32がオフ状態になった時点で、車両用表示装置10側の電源電圧が例えば5ボルト程度あった場合、従来の車両用表示装置では警告灯を点灯駆動するトランジスタにベース電流がながれ、このトランジスタがオン状態になって警告灯が一瞬点灯してしまう。これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る車両用表示装置10では、警告灯などを構成する発光ダイオード11を点灯駆動するトランジスタ13のベース電流供給経路に、定電圧ダイオード15を介設し、ベース電流が供給される電圧しきい値を高く設定している。
【0037】
例えば、車両用表示装置10が安定に動作できる最低電源電圧が9ボルトであるとし、イグニッションスイッチ2がオフされて車両用制御装置30内のトランジスタ32がオフ状態になった時点で、車両用表示装置10に例えば7ボルトの電源電圧が残っているものとすれば、しきい値電圧(ツェナー電圧)が例えば6.8ボルトの定電圧ダイオード15をベース電流供給経路に介設する。これにより、トランジスタ13にベース電流を供給してトランジスタ13をオン状態にできる点灯しきい値電圧は、定電圧ダイオード15のしきい値電圧(ツェナー電圧)とトランジスタ13のベース・エミッタ間電圧(約0.7ボルト)との和となるので、点灯しきい値電圧は6.8+0.7=7.5ボルトとなる。したがって、イグニッションスイッチ2がオフされて車両用制御装置30内のトランジスタ32がオフ状態になった時点で、車両用表示装置10に例えば7ボルトの電源電圧が残っていても、トランジスタ13がオン状態に駆動されることはなく、発光ダイオード11が点灯することはない。
【0038】
このように、本実施の形態に係る車両用表示装置10は、ベース電流供給経路に定電圧ダイオード15を介設し、点灯しきい値電圧を高く設定することで、発光ダイオード11の一瞬点灯を防止する構成としたので、少ない回路部品で警告灯や表示灯の誤点灯を防止できる。また、車両用制御装置30側の電源電圧低下の時間特性(放電時定数)と車両用表示装置10側の電源電圧低下の時間特性(放電時定数)とに応じて、非線形素子としての定電圧ダイオード15のしきい値電圧(ツェナー電圧)を適宜設定することで、車両用制御装置30の種類が異なって、瞬時点灯(誤点灯)が防止することができる。
【0039】
なお、本実施の形態に係る車両用表示装置10は、点灯/消灯制御信号入力端子10aとトランジスタ13のベースとの間に第2の電流制限抵抗17を介設する構成としているので、点灯/消灯制御信号入力端子10aや点灯/消灯制御信号線40に例えばイグニッション電源VIGNや制御装置用電源VCCが印加されても、トランジスタ13に過大なベース電流が流れることがない(トランジスタ13が破損することがない)。また、このような場合でも、発光ダイオード11が点灯されるので、正常でないことを報知できる。
【0040】
図2は本発明の第2の実施の形態に係る車両用表示装置とその周辺回路を示す回路構成図である。
【0041】
第2の実施の形態に係る車両用表示装置50は、点灯/消灯制御信号入力端子50aに供給される点灯/消灯制御信号の論理レベルを反転するためのエミッタが接地されたNPN型のトランジスタ51と、警告灯または表示灯を構成する発光ダイオード52(LED)を点灯駆動するためのエミッタが接地されたNPN型のトランジスタ53と、発光ダイオード52(LED)に供給する電流を制限するための電流制限抵抗54と、トランジスタ53のベースとトランジスタ51のコレクタとの間に介設された定電圧ダイオード55と、トランジスタ51とイグニッション電源VIGNとの間に介設された負荷抵抗56と、トランジスタ51のベースと点灯/消灯制御信号入力端子50aとの間に介設されたベース抵抗57と、トランジスタ51のベース・エミッタ間抵抗58と、発光ダイオード駆動用のトランジスタ53のベース・エミッタ間抵抗59と、電源安定化用コンデンサ60とからなる。
【0042】
この車両用表示装置50は、点灯/消灯制御信号入力端子50aがLレベル(接地電位)に駆動された場合、及び点灯/消灯制御信号入力端子50aがオープン(開放)状態にされた場合に、トランジスタ51がオフ状態となり、負荷抵抗56及び定電圧ダイオード55を介してトランジスタ53にベース電流が供給されてこのトランジスタ53がオン状態となり、これにより発光ダイオード52を点灯させる。そして、点灯/消灯制御信号入力端子50aに所定電圧以上の電圧が供給されると、トランジスタ51がオン状態となり、トランジスタ53がオフ状態となって、発光ダイオード52を消灯させる。
【0043】
車両用制御装置(他の装置)70は、CPU31と、CPU31のポート出力の論理レベルを反転するインバータ71と、インバータ71の出力で駆動されるエミッタが接地されたNPN型のトランジスタ72と、そのトランジスタ72のコレクタと制御装置用電源VCCとの間に介設された負荷抵抗73と、ベース抵抗74と、ベース・エミッタ間抵抗75とからなる。
【0044】
この車両用制御装置70は、警告灯や表示灯を点灯させる際には、トランジスタ72をオン状態にして、点灯/消灯制御信号出力端子70aをLレベル(接地電位)に駆動する。これにより、点灯/消灯制御信号線40を介して点灯/消灯制御信号入力端子50aをLレベルにして、発光ダイオード52を点灯させることができる。また、この車両用制御装置70は、警告灯や表示灯を消灯させる際には、トランジスタ72をオフ状態にして、制御装置用電源VCCを負荷抵抗73を介して点灯/消灯制御信号出力端子70aに供給する。これにより、点灯/消灯制御信号線40を介して点灯/消灯制御信号入力端子50aにHレベルの信号を供給して、発光ダイオード52を消灯させることができる。
【0045】
イグニッションスイッチ2がオン状態からオフ状態にされたことに伴って制御装置用電源VCCが低下し、車両用表示装置50側のトランジスタ51がオフ状態になった時点で、車両用表示装置50側の電源電圧が数ボルト残っていた場合、従来の車両用表示装置では発光ダイオード駆動用のトランジスタがオン状態となり、発光ダイオードが一瞬点灯してしまうという問題があった。これに対して、本発明に係る車両用表示装置50は、発光ダイオード駆動用のトランジスタ53のベース電流供給経路に定電圧ダイオード55を介設して、トランジスタ53がオン状態となる点灯しきい値電圧を高くしている。これにより、車両用表示装置50側のトランジスタ51がオフ状態になった時点で、車両用表示装置50側の電源電圧が点灯しきい値電圧以下に低下していれば、トランジスタ53がオン状態となることはなく、発光ダイオード52が瞬時点灯することはない。
【0046】
なお、第2の実施の形態に係る車両用表示装置50は、点灯/消灯制御信号線40が断線した場合やグランドショートなどの地落障害になった場合にも、発光ダイオード52を点灯させて、異常を報知することができる。
【0047】
なお、本実施の形態では、警告灯または表示灯を駆動するトランジスタのベース電流供給経路に介設する非線形素子とした定電圧ダイオードを用いた例を示したが、定電圧ダイオードの替わりに、複数のダイオードを直列接続してなるダイオード素子(レベルシフト用ダイオード素子)や、複数のダイオードを直列接続したものを極性を互いに逆にして並列接続してなる組ダイオードやバリスタなどを用いてもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る車両用表示装置は、警告灯または表示灯を駆動するトランジスタのベース電流供給経路に所定のしきい値電圧を有する非線形素子(例えば定電圧ダイオード)を介設したので、極めて簡易な構成で警告灯または表示灯を点灯するための点灯しきい値電圧を高い値に設定することができ、これにより、イグニッションスイッチをオフ状態にしたときに、警告灯や表示灯が一瞬点灯するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る車両用表示装置とその周辺回路を示す回路構成図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る車両用表示装置とその周辺回路を示す回路構成図である。
【図3】従来のエアバッグ装置システムの異常警告装置の回路図である。
【図4】従来の車両用表示装置の構成図である。
【符号の説明】
1 バッテリ
2 イグニッションスイッチ
3 定電圧回路(定電圧電源回路)
10,50 車両用表示装置
10a,50a 点灯/消灯制御信号入力端子
11,52 発光ダイオード(警告灯または表示灯)
13,53 発光ダイオード点灯駆動用トランジスタ
15,55 定電圧ダイオード(非線形素子)
16,17,56 ベース電流供給経路を構成する電流制限抵抗
30,70 車両用制御装置(他の装置)
30a,70a 点灯/消灯制御信号出力端子
31 CPU
32,72 点灯/消灯制御信号駆動用トランジスタ
40 点灯/消灯制御信号線
Claims (2)
- 他の装置から点灯/消灯を制御するための点灯・消灯制御信号が供給されない状態では警告灯または表示灯を点灯させる自己点灯型の車両用表示装置であって、
前記警告灯または表示灯を駆動するトランジスタのベース電流供給経路に所定のしきい値電圧を有する非線形素子が介設されていることを特徴とする車両用表示装置。 - 前記非線形素子は定電圧ダイオードであることを特徴とする請求項1記載の車両用表示装置。
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