JP2005014232A - 両面枚葉印刷機における版交換方法 - Google Patents
両面枚葉印刷機における版交換方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】従来に比して版交換作業を効率よく行うことのできる両面枚葉印刷機における版交換方法を提供することを課題とする。
【解決手段】両面印刷時に反転胴7より上流側の版胴11,12,13,14の位相に対して反転胴7より下流側の版胴15,16,17,18の位相を枚葉紙の長さに応じて相対的に変化させる構成の両面枚葉印刷機における版交換方法であって、反転胴7より上流側の版胴11と下流側の版胴15の位相を合わせ、この位相の合った上流側の版胴11と下流側の版胴15における版を交換する。
【選択図】 図3
【解決手段】両面印刷時に反転胴7より上流側の版胴11,12,13,14の位相に対して反転胴7より下流側の版胴15,16,17,18の位相を枚葉紙の長さに応じて相対的に変化させる構成の両面枚葉印刷機における版交換方法であって、反転胴7より上流側の版胴11と下流側の版胴15の位相を合わせ、この位相の合った上流側の版胴11と下流側の版胴15における版を交換する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の長さの枚葉紙を反転胴で表裏反転させることで両面印刷する構成の両面枚葉印刷機における版交換方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に版胴を複数備えた枚葉印刷機においては、各版胴の位相がまちまちであるので、版の交換は版胴毎に一つずつ行う方法が採用されていた。即ち、全ての胴を回転させて一つの版胴を版交換に適した所定の角度位置に位置させ、その角度位置で一つの版交換を行った後、再び全ての胴を回転させて他の版胴を所定の角度位置に位置させてその版交換を行っていた。このように、各版胴の位相がまちまちであるため、全ての版を交換するには時間と手間がかかり作業負担が大きい。これに対し、版交換を自動化する方法についても提案されている(下記特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3045506号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法においても、位相がまちまちである各版胴を一つ一つ所定の角度位置にセットすることには変わりなく、版交換作業の効率化を図る余地がある。
【0005】
それゆえに本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ、従来に比して版交換作業を効率よく行うことのできる両面枚葉印刷機における版交換方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
一般に両面枚葉印刷機においては、両面印刷時に反転胴に枚葉紙を引き渡す際に、反転胴のグリッパは、上流側から送られてきた枚葉紙の後端部を咥える。従って、枚葉紙の紙長さが変化すると、それに合わせて反転胴のグリッパが枚葉紙の後端部を咥えるタイミングも変化させる必要がある。そのため、この種の両面枚葉印刷機には、反転胴より上流側の胴の位相に対して反転胴より下流側の胴の位相を枚葉紙の長さに応じて相対的に変化させる機構を備えている。
【0007】
本発明者は、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、この位相を変化させる機構を利用すれば、反転胴より上流側の版胴の位相と下流側の版胴の位相を合わせることができるという知見を得て本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明に係る両面枚葉印刷機における版交換方法は、両面印刷時に反転胴より上流側の版胴の位相に対して反転胴より下流側の版胴の位相を枚葉紙の長さに応じて相対的に変化させる構成の両面枚葉印刷機における版交換方法であって、反転胴より上流側の版胴と下流側の版胴の位相を合わせ、この位相の合った上流側の版胴と下流側の版胴における版を交換することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の両面枚葉印刷機における版交換方法の一実施形態について図面を参酌しつつ説明する。
図1に示す両面オフセット枚葉印刷機は、片面印刷と両面印刷とが任意に切り換え可能な構成であるが、図1は両面印刷時の状態を示している。以下、両面印刷時の状態について説明する。
【0010】
該印刷機は、枚葉紙を順次供給する給紙部1と、該給紙部1から供給された枚葉紙に印刷を実行する印刷部2と、印刷済みの枚葉紙を排紙する排紙部3とを備えている。印刷部2は、合計八つの印刷ユニット41,42,43,44,45,46,47,48を直列に備え、中間に第一の渡し胴5、第二の渡し胴6、及び反転胴7からなる紙受け渡しユニットを備えている。該紙受け渡しユニットの上流側には合計四つの印刷ユニット41,42,43,44が、また、紙受け渡しユニットの下流側にも合計四つの印刷ユニット45,46,47,48が配置されている。各印刷ユニット41,42,43,44,45,46,47,48はそれぞれ版胴11,12,13,14,15,16,17,18とブランケット胴21,22,23,24,25,26,27,28と圧胴31,32,33,34,35,36,37,38とを備えており、印刷ユニット41,42,43,44,45,46,47,48毎に一色刷りされる。従って、紙受け渡しユニットの上流側においては枚葉紙の裏面が四色刷りされ、紙受け渡しユニットの下流側では枚葉紙の表面が四色刷りされる。
【0011】
第一の渡し胴5は、四番目の圧胴34から枚葉紙を受け取って第二の渡し胴6に引き渡し、第二の渡し胴6は受け取った枚葉紙を反転胴7へと引き渡すが、反転胴7は枚葉紙を表裏反転させて五番目の圧胴35へと引き渡す。具体的には、図4のように、第一の渡し胴5のグリッパ101は枚葉紙の前端部を掴み、第二の渡し胴6のグリッパ102はその枚葉紙の前端部を掴んで受け取る。第二の渡し胴6は、枚葉紙の前端部をグリッパ102で掴むと共に、その後端部を吸着ヘッド103で吸着する。そして、第二の渡し胴6が反転胴7へ枚葉紙を引き渡す際、反転胴7のグリッパ104は、片面印刷時においては枚葉紙の前端部を掴んで受け取るが、両面印刷時においては枚葉紙の後端部を掴んで受け取る。枚葉紙の後端部を掴んだ反転胴7のグリッパ104は、その後、枚葉紙を表裏反転させて圧胴35のグリッパ(図示省略)に枚葉紙を引き渡す。第二の渡し胴6の吸着ヘッド103は、異なる長さの枚葉紙であってもその枚葉紙の後端部を吸着保持する必要がある。そのため、第二の渡し胴6は、グリッパ102を備えた前方保持体105と吸着ヘッド103を備えた後方保持体106とが互いに周方向に噛み合う櫛歯状に構成され、前方保持体105と後方保持体106のうちの一方、例えば後方保持体106を軸107に対して回転させることで互いの噛み合い量を増減させてグリッパ102と吸着ヘッド103との間の距離を枚葉紙の長さに応じて調節できるようになっている。尚、回転させた後方保持体106は調節後に固定状態とされて印刷が実行される。このようにして第二の渡し胴6は枚葉紙の長さに対応するが、反転胴7のグリッパ104が枚葉紙を受け取るタイミングも枚葉紙の長さによって変化させる必要がある。そのために、第二の渡し胴6の位相に対して反転胴7の位相を枚葉紙の長さによって変化させる必要がある。この種の印刷機においては、一つの駆動源である本機モータ(図示省略)から歯車列により各胴に動力が伝達され、各胴は同期して回転する。このように同期して回転する胴間の位相差を変化させるために、図5のように反転胴7には固定歯車110と調整歯車111とが同軸状に配置されている。固定歯車110は軸107に対し回転不能であるのに対し、調整歯車111は軸107に対して回転させることが可能な構成である。即ち、通常はクランプ体112によって調整歯車111は軸107に一体化されて、固定歯車110と共に一体回転するが、そのクランプ体112によるクランプを解除すると調整歯車111を軸107に対して回転させることができる。固定歯車110は反転胴7の下流側に位置する圧胴35の駆動ギヤ113と噛合する一方、調整歯車111は第二の渡し胴6の駆動ギヤ114と噛合している。従って、調整歯車111を軸107に対して回転させることで、第二の渡し胴6と反転胴7の位相差が変わる。即ち、反転胴7よりも上流側の各胴の位相に対して反転胴7を含めそれより下流側の各胴の位相が一律にずれる。この機構を用いることにより、枚葉紙の長さに応じて位相を変化させることができ、種々の長さの枚葉紙を使用しても反転胴7のグリッパ104は両面印刷時に常に枚葉紙の後端部を掴むことができる。
【0012】
ここで、図1は、この印刷機で印刷できる最大(最長)の枚葉紙(最大紙)に対応した状態であり、図2は、最小(最短)の枚葉紙(最小紙)に対応した状態である。図1及び図2に示すように、上流側の四つの版胴11,12,13,14に対する下流側の四つの版胴15,16,17,18の位相が、最大紙の場合(図1)と最小紙の場合(図2)とで異なっている。
【0013】
ところで、全ての版胴11,12,13,14,15,16,17,18は互いに異なった位相で回転する。隣り合った二つの版胴間の位相差は、一番目の版胴11から四番目の版胴14まで全て同じであり、五番目から八番目までも同じである。このように八つの版胴11,12,13,14,15,16,17,18の位相は全てまちまちであるので、版交換の際には、上記位相を変化させる機構を用いることにより、図3のように一番目の版胴11の位相に五番目の版胴15の位相が合うようにする。前記調整歯車111を回転させることで一番目の版胴11と五番目の版胴15の位相が一致すると、隣り合った版胴間の位相差は一定であるので、二番目の版胴12と六番目の版胴16の位相も同時に一致する。同様に、三番目の版胴13と七番目の版胴17の位相も一致し、四番目の版胴14と八番目の版胴18の位相も一致する。版交換のための窓120(安全カバー)は、各印刷ユニット41,42,43,44,45,46,47,48共に同じ位置に設けられ、各版胴11,12,13,14,15,16,17,18の排紙部側に位置し、版を咥える装置がその窓120に向くように版胴11,12,13,14,15,16,17,18の角度位置を調節して版交換を行う。従って、図3のように、一番目と五番目の版胴11,15を版交換を行う角度位置にセットすれば、両版胴11,15について一括して版交換することができる。
【0014】
続いて、隣り合った版胴間の位相差に相当する角度だけ各胴を回転させて、二番目と六番目の版胴12,16について版交換を行う。同様にして、三番目と七番目の版胴13,17の版交換、及び、四番目と八番目の版胴14,18の版交換をそれぞれ一括して行う。このように、二つの版胴についての版交換をまとめて行うことができるので、版交換を効率よく行うことができ、版交換に要する時間と作業の短縮化が図れる。そして、全ての版交換が終了すれば、再び位相を変化させる機構により図1や図2のような印刷状態にセットする。
【0015】
尚、本実施形態における印刷機は、両面印刷と片面印刷とが切り換え可能な構成であるが、印刷機が両面印刷の状態の場合にはそのまま図3のような版交換の位相にセットする一方、印刷機が片面印刷の状態の場合には一旦両面印刷の状態に切り換えてから版交換の位相にセットする。
【0016】
このように、枚葉紙の長さに応じて位相を変化させる機構を利用することによって反転胴7より上流側の版胴11,12,13,14の位相と下流側の版胴15,16,17,18の位相を合わせることができるので、位相を合わせるための別途の機構も不要である。
【0017】
尚、隣り合った印刷ユニット間に作業者の存在を検知するセンサーをそれぞれ設けてもよい。作業者が版のくわえ側を窓120から挿入して次の版掛け工程(版を版胴に巻き付ける工程)に移るために版掛けボタンを押したとき、他の印刷ユニット間のセンサーが他の作業者を感知している場合には印刷機が回転しないように制御する。他の印刷ユニット間のセンサーが作業者を感知していない場合にのみ印刷機が回転し、版を版胴に巻き付ける工程に進むことができる。
【0018】
例えば、一番目の印刷ユニット41の窓120を開いて版を挿入してそのくわえ側をクランプする。印刷機は停止した状態のままで、引き続き五番目の印刷ユニット45の窓120を開いて同様に版を挿入してそのくわえ側をクランプする。作業者が次の工程に進むために版掛けボタンを押す際に、仮に二番目の印刷ユニット42と三番目の印刷ユニット43間に他の作業者が居る場合にはセンサーがそれを検知するので、印刷機は回転しない。
【0019】
【発明の効果】
以上のように、枚葉紙の長さに応じて位相を変化させる機構を利用して反転胴より上流側の版胴と下流側の版胴の位相を合わせることで、版交換作業を従来に比して効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における両面枚葉印刷機の最大紙の両面印刷状態を示す正面図。
【図2】同印刷機の最小紙の両面印刷状態を示す正面図。
【図3】同印刷機の版交換の状態を示す正面図。
【図4】同印刷機の反転胴の近傍を示す正面図。
【図5】同印刷機の反転胴の近傍を示す断面図。
【符号の説明】
5…第一の渡し胴、6…第二の渡し胴、7…反転胴、11,12,13,14,15,16,17,18…版胴、101,102,104…グリッパ、103…吸着ヘッド、105…前方支持体、106…後方支持体、107…軸、110…固定歯車、111…調整歯車、120…窓(安全カバー)
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の長さの枚葉紙を反転胴で表裏反転させることで両面印刷する構成の両面枚葉印刷機における版交換方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に版胴を複数備えた枚葉印刷機においては、各版胴の位相がまちまちであるので、版の交換は版胴毎に一つずつ行う方法が採用されていた。即ち、全ての胴を回転させて一つの版胴を版交換に適した所定の角度位置に位置させ、その角度位置で一つの版交換を行った後、再び全ての胴を回転させて他の版胴を所定の角度位置に位置させてその版交換を行っていた。このように、各版胴の位相がまちまちであるため、全ての版を交換するには時間と手間がかかり作業負担が大きい。これに対し、版交換を自動化する方法についても提案されている(下記特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3045506号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法においても、位相がまちまちである各版胴を一つ一つ所定の角度位置にセットすることには変わりなく、版交換作業の効率化を図る余地がある。
【0005】
それゆえに本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ、従来に比して版交換作業を効率よく行うことのできる両面枚葉印刷機における版交換方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
一般に両面枚葉印刷機においては、両面印刷時に反転胴に枚葉紙を引き渡す際に、反転胴のグリッパは、上流側から送られてきた枚葉紙の後端部を咥える。従って、枚葉紙の紙長さが変化すると、それに合わせて反転胴のグリッパが枚葉紙の後端部を咥えるタイミングも変化させる必要がある。そのため、この種の両面枚葉印刷機には、反転胴より上流側の胴の位相に対して反転胴より下流側の胴の位相を枚葉紙の長さに応じて相対的に変化させる機構を備えている。
【0007】
本発明者は、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、この位相を変化させる機構を利用すれば、反転胴より上流側の版胴の位相と下流側の版胴の位相を合わせることができるという知見を得て本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明に係る両面枚葉印刷機における版交換方法は、両面印刷時に反転胴より上流側の版胴の位相に対して反転胴より下流側の版胴の位相を枚葉紙の長さに応じて相対的に変化させる構成の両面枚葉印刷機における版交換方法であって、反転胴より上流側の版胴と下流側の版胴の位相を合わせ、この位相の合った上流側の版胴と下流側の版胴における版を交換することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の両面枚葉印刷機における版交換方法の一実施形態について図面を参酌しつつ説明する。
図1に示す両面オフセット枚葉印刷機は、片面印刷と両面印刷とが任意に切り換え可能な構成であるが、図1は両面印刷時の状態を示している。以下、両面印刷時の状態について説明する。
【0010】
該印刷機は、枚葉紙を順次供給する給紙部1と、該給紙部1から供給された枚葉紙に印刷を実行する印刷部2と、印刷済みの枚葉紙を排紙する排紙部3とを備えている。印刷部2は、合計八つの印刷ユニット41,42,43,44,45,46,47,48を直列に備え、中間に第一の渡し胴5、第二の渡し胴6、及び反転胴7からなる紙受け渡しユニットを備えている。該紙受け渡しユニットの上流側には合計四つの印刷ユニット41,42,43,44が、また、紙受け渡しユニットの下流側にも合計四つの印刷ユニット45,46,47,48が配置されている。各印刷ユニット41,42,43,44,45,46,47,48はそれぞれ版胴11,12,13,14,15,16,17,18とブランケット胴21,22,23,24,25,26,27,28と圧胴31,32,33,34,35,36,37,38とを備えており、印刷ユニット41,42,43,44,45,46,47,48毎に一色刷りされる。従って、紙受け渡しユニットの上流側においては枚葉紙の裏面が四色刷りされ、紙受け渡しユニットの下流側では枚葉紙の表面が四色刷りされる。
【0011】
第一の渡し胴5は、四番目の圧胴34から枚葉紙を受け取って第二の渡し胴6に引き渡し、第二の渡し胴6は受け取った枚葉紙を反転胴7へと引き渡すが、反転胴7は枚葉紙を表裏反転させて五番目の圧胴35へと引き渡す。具体的には、図4のように、第一の渡し胴5のグリッパ101は枚葉紙の前端部を掴み、第二の渡し胴6のグリッパ102はその枚葉紙の前端部を掴んで受け取る。第二の渡し胴6は、枚葉紙の前端部をグリッパ102で掴むと共に、その後端部を吸着ヘッド103で吸着する。そして、第二の渡し胴6が反転胴7へ枚葉紙を引き渡す際、反転胴7のグリッパ104は、片面印刷時においては枚葉紙の前端部を掴んで受け取るが、両面印刷時においては枚葉紙の後端部を掴んで受け取る。枚葉紙の後端部を掴んだ反転胴7のグリッパ104は、その後、枚葉紙を表裏反転させて圧胴35のグリッパ(図示省略)に枚葉紙を引き渡す。第二の渡し胴6の吸着ヘッド103は、異なる長さの枚葉紙であってもその枚葉紙の後端部を吸着保持する必要がある。そのため、第二の渡し胴6は、グリッパ102を備えた前方保持体105と吸着ヘッド103を備えた後方保持体106とが互いに周方向に噛み合う櫛歯状に構成され、前方保持体105と後方保持体106のうちの一方、例えば後方保持体106を軸107に対して回転させることで互いの噛み合い量を増減させてグリッパ102と吸着ヘッド103との間の距離を枚葉紙の長さに応じて調節できるようになっている。尚、回転させた後方保持体106は調節後に固定状態とされて印刷が実行される。このようにして第二の渡し胴6は枚葉紙の長さに対応するが、反転胴7のグリッパ104が枚葉紙を受け取るタイミングも枚葉紙の長さによって変化させる必要がある。そのために、第二の渡し胴6の位相に対して反転胴7の位相を枚葉紙の長さによって変化させる必要がある。この種の印刷機においては、一つの駆動源である本機モータ(図示省略)から歯車列により各胴に動力が伝達され、各胴は同期して回転する。このように同期して回転する胴間の位相差を変化させるために、図5のように反転胴7には固定歯車110と調整歯車111とが同軸状に配置されている。固定歯車110は軸107に対し回転不能であるのに対し、調整歯車111は軸107に対して回転させることが可能な構成である。即ち、通常はクランプ体112によって調整歯車111は軸107に一体化されて、固定歯車110と共に一体回転するが、そのクランプ体112によるクランプを解除すると調整歯車111を軸107に対して回転させることができる。固定歯車110は反転胴7の下流側に位置する圧胴35の駆動ギヤ113と噛合する一方、調整歯車111は第二の渡し胴6の駆動ギヤ114と噛合している。従って、調整歯車111を軸107に対して回転させることで、第二の渡し胴6と反転胴7の位相差が変わる。即ち、反転胴7よりも上流側の各胴の位相に対して反転胴7を含めそれより下流側の各胴の位相が一律にずれる。この機構を用いることにより、枚葉紙の長さに応じて位相を変化させることができ、種々の長さの枚葉紙を使用しても反転胴7のグリッパ104は両面印刷時に常に枚葉紙の後端部を掴むことができる。
【0012】
ここで、図1は、この印刷機で印刷できる最大(最長)の枚葉紙(最大紙)に対応した状態であり、図2は、最小(最短)の枚葉紙(最小紙)に対応した状態である。図1及び図2に示すように、上流側の四つの版胴11,12,13,14に対する下流側の四つの版胴15,16,17,18の位相が、最大紙の場合(図1)と最小紙の場合(図2)とで異なっている。
【0013】
ところで、全ての版胴11,12,13,14,15,16,17,18は互いに異なった位相で回転する。隣り合った二つの版胴間の位相差は、一番目の版胴11から四番目の版胴14まで全て同じであり、五番目から八番目までも同じである。このように八つの版胴11,12,13,14,15,16,17,18の位相は全てまちまちであるので、版交換の際には、上記位相を変化させる機構を用いることにより、図3のように一番目の版胴11の位相に五番目の版胴15の位相が合うようにする。前記調整歯車111を回転させることで一番目の版胴11と五番目の版胴15の位相が一致すると、隣り合った版胴間の位相差は一定であるので、二番目の版胴12と六番目の版胴16の位相も同時に一致する。同様に、三番目の版胴13と七番目の版胴17の位相も一致し、四番目の版胴14と八番目の版胴18の位相も一致する。版交換のための窓120(安全カバー)は、各印刷ユニット41,42,43,44,45,46,47,48共に同じ位置に設けられ、各版胴11,12,13,14,15,16,17,18の排紙部側に位置し、版を咥える装置がその窓120に向くように版胴11,12,13,14,15,16,17,18の角度位置を調節して版交換を行う。従って、図3のように、一番目と五番目の版胴11,15を版交換を行う角度位置にセットすれば、両版胴11,15について一括して版交換することができる。
【0014】
続いて、隣り合った版胴間の位相差に相当する角度だけ各胴を回転させて、二番目と六番目の版胴12,16について版交換を行う。同様にして、三番目と七番目の版胴13,17の版交換、及び、四番目と八番目の版胴14,18の版交換をそれぞれ一括して行う。このように、二つの版胴についての版交換をまとめて行うことができるので、版交換を効率よく行うことができ、版交換に要する時間と作業の短縮化が図れる。そして、全ての版交換が終了すれば、再び位相を変化させる機構により図1や図2のような印刷状態にセットする。
【0015】
尚、本実施形態における印刷機は、両面印刷と片面印刷とが切り換え可能な構成であるが、印刷機が両面印刷の状態の場合にはそのまま図3のような版交換の位相にセットする一方、印刷機が片面印刷の状態の場合には一旦両面印刷の状態に切り換えてから版交換の位相にセットする。
【0016】
このように、枚葉紙の長さに応じて位相を変化させる機構を利用することによって反転胴7より上流側の版胴11,12,13,14の位相と下流側の版胴15,16,17,18の位相を合わせることができるので、位相を合わせるための別途の機構も不要である。
【0017】
尚、隣り合った印刷ユニット間に作業者の存在を検知するセンサーをそれぞれ設けてもよい。作業者が版のくわえ側を窓120から挿入して次の版掛け工程(版を版胴に巻き付ける工程)に移るために版掛けボタンを押したとき、他の印刷ユニット間のセンサーが他の作業者を感知している場合には印刷機が回転しないように制御する。他の印刷ユニット間のセンサーが作業者を感知していない場合にのみ印刷機が回転し、版を版胴に巻き付ける工程に進むことができる。
【0018】
例えば、一番目の印刷ユニット41の窓120を開いて版を挿入してそのくわえ側をクランプする。印刷機は停止した状態のままで、引き続き五番目の印刷ユニット45の窓120を開いて同様に版を挿入してそのくわえ側をクランプする。作業者が次の工程に進むために版掛けボタンを押す際に、仮に二番目の印刷ユニット42と三番目の印刷ユニット43間に他の作業者が居る場合にはセンサーがそれを検知するので、印刷機は回転しない。
【0019】
【発明の効果】
以上のように、枚葉紙の長さに応じて位相を変化させる機構を利用して反転胴より上流側の版胴と下流側の版胴の位相を合わせることで、版交換作業を従来に比して効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における両面枚葉印刷機の最大紙の両面印刷状態を示す正面図。
【図2】同印刷機の最小紙の両面印刷状態を示す正面図。
【図3】同印刷機の版交換の状態を示す正面図。
【図4】同印刷機の反転胴の近傍を示す正面図。
【図5】同印刷機の反転胴の近傍を示す断面図。
【符号の説明】
5…第一の渡し胴、6…第二の渡し胴、7…反転胴、11,12,13,14,15,16,17,18…版胴、101,102,104…グリッパ、103…吸着ヘッド、105…前方支持体、106…後方支持体、107…軸、110…固定歯車、111…調整歯車、120…窓(安全カバー)
Claims (1)
- 両面印刷時に反転胴より上流側の版胴の位相に対して反転胴より下流側の版胴の位相を枚葉紙の長さに応じて相対的に変化させる構成の両面枚葉印刷機における版交換方法であって、反転胴より上流側の版胴と下流側の版胴の位相を合わせ、この位相の合った上流側の版胴と下流側の版胴における版を交換することを特徴とする両面枚葉印刷機における版交換方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003178109A JP2005014232A (ja) | 2003-06-23 | 2003-06-23 | 両面枚葉印刷機における版交換方法 |
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Family
ID=34179838
Family Applications (1)
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JP2003178109A Withdrawn JP2005014232A (ja) | 2003-06-23 | 2003-06-23 | 両面枚葉印刷機における版交換方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005014232A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016163107A1 (ja) * | 2015-04-06 | 2016-10-13 | 大和グランド株式会社 | 印刷ユニット及びそれを備えるオフセット印刷機 |
JP7198885B1 (ja) | 2021-08-31 | 2023-01-04 | リョービMhiグラフィックテクノロジー株式会社 | 両面兼用印刷機における天地見当合わせシステム及び両面兼用印刷機における天地見当合わせプログラム並びに両面兼用印刷機における天地見当合わせ方法 |
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2003
- 2003-06-23 JP JP2003178109A patent/JP2005014232A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023032890A1 (ja) * | 2021-08-31 | 2023-03-09 | リョービMhiグラフィックテクノロジー株式会社 | 両面兼用印刷機における天地見当合わせシステム及び両面兼用印刷機における天地見当合わせプログラム並びに両面兼用印刷機における天地見当合わせ方法 |
JP2023034667A (ja) * | 2021-08-31 | 2023-03-13 | リョービMhiグラフィックテクノロジー株式会社 | 両面兼用印刷機における天地見当合わせシステム及び両面兼用印刷機における天地見当合わせプログラム並びに両面兼用印刷機における天地見当合わせ方法 |
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